JP2021089324A - 調光フィルム - Google Patents

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Takashi Kuchiyama
崇 口山
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Abstract

【課題】調光に要する時間を短縮する調光フィルムを提供する。【解決手段】調光フィルム1は、一対の透明電極層21,22と、一対の透明電極層21,22の間に設けられ、電気的に光透過量を調節する調光層40とを備え、一対の透明電極層のうち少なくとも一方の透明電極層21(22)における調光層40側の主面には、透明性および導電性を有し、一対の透明電極層21,22および調光層40よりも薄い薄膜層31(32)が形成されており、薄膜層31(32)が形成された透明電極層21(22)の仕事関数は、透明電極層21(22)単体の仕事関数よりも調光層40の仕事関数の側の値を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、調光フィルムに関する。
電気的な刺激によって、透過する光量を調節する調光フィルムが知られている。このような調光フィルムとしては、キャリア(電子または正孔)を注入することにより生じる酸化反応または還元反応により、エレクトロクロミック層(調光層)の無色状態と有色状態とを切り換えるエレクトロクロミズム(Electrochromism:EC)方式を用いた調光フィルム、または、電圧を印加することにより生じる液晶分子の配向方向の変化により、液晶層(調光層)の透光状態と遮光状態とを切り換える粒子分散型液晶(Particle Dispersed Liquid Crystal:PDLC)方式を用いた調光フィルム等がある。
特に、エレクトロクロミズム方式を用いた調光フィルムでは、キャリア(電子または正孔)の注入と化学反応(酸化反応または還元反応)とを利用するため、着色または消色(調光)に時間を要する。特許文献1および2には、エレクトロクロミズム方式を用いた調光フィルムにおいて、応答速度を早くする(すなわち、着色または消色(調光)に要する時間を短縮する)技術が開示されている。
特開2007−093720号公報 特開2016−024253号公報
本発明でも、調光に要する時間を短縮する調光フィルムを提供することを目的とする。
本発明に係る調光フィルムは、一対の透明電極層と、前記一対の透明電極層の間に設けられ、電気的に光透過量を調節する調光層とを備え、前記一対の透明電極層のうち少なくとも一方の透明電極層における前記調光層側の主面には、透明性および導電性を有し、前記一対の透明電極層および前記調光層よりも薄い薄膜層が形成されており、前記薄膜層が形成された透明電極層の仕事関数は、前記透明電極層単体の仕事関数よりも前記調光層の仕事関数の側の値を有する。
本発明によれば、調光フィルムの調光に要する時間を短縮することができる。
本実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。 図1に示す調光フィルムにおける薄膜層の一例を示す図である。 図1に示す調光フィルムにおける薄膜層の他の一例を示す図である。 本実施形態に係る調光フィルムの一例の着色および消色について説明するための図である。 従来の調光フィルムの一例の着色および消色について説明するための図である。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態の一例について説明する。なお、各図面において同一または相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。また、便宜上、ハッチングおよび部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。
図1は、本実施形態に係る調光フィルムを示す断面図である。図1に示す調光フィルム1は、電気的に光透過量を調節する調光フィルムである。より具体的には、調光フィルム1は、キャリア(電子または正孔)を注入することにより生じる酸化反応または還元反応により、エレクトロクロミック層(調光層)の無色状態と有色状態とを切り換えるエレクトロクロミズム(Electrochromism:EC)方式を用いた調光フィルムである。調光フィルム1は、第1透明基板11および第2透明基板12と、第1透明電極層21および第2透明電極層22と、第1薄膜層31および第2薄膜層32と、調光層40とを備える。
第1透明基板11および第2透明基板12は、フィルム状の基板である。第1透明基板11および第2透明基板12は、少なくとも可視光に対して光学的に透明であるプラスチック材料で形成される。第1透明基板11および第2透明基板12の材料としては、ポリエステル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、またはポリシクロオレフィン等が挙げられる。
第1透明基板11の主面には第1透明電極層21が形成されており、第2透明基板12の主面には第2透明電極層22が形成されている。第1透明基板11と第2透明基板12とは、第1透明電極層21と第2透明電極層22とによって調光層40を挟み込むように配置されている。
第1透明電極層21および第2透明電極層22は、例えば電圧を印加するための印加電極(図示省略)から供給される電流を調光層40へ注入する機能を有する。第1透明電極層21および第2透明電極層22は、透明導電性材料で形成される。透明導電性材料としては、透明導電性金属酸化物、例えば、酸化インジウム、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタンおよびそれらの複合酸化物等が用いられる。これらの中でも、酸化インジウムを主成分とするインジウム系複合酸化物が好ましい。高い導電率および透明性、並びに長期信頼性の観点からは、特にインジウム錫複合酸化物(ITO)、インジウム亜鉛複合酸化物(IZO)、またはインジウムチタン複合酸化物(InTiO)等が特に好ましい。
ここで、「主成分」とは、その含有割合が50質量%より多いことを意味し、70質量%以上であると好ましく、85質量%以上であるとより好ましい。また、上記した透明導電性金属酸化物は、利用状況に応じて、Sn、W、As、Zn、Ge、Ca、Si、C等のうちの少なくとも一種の元素をドーパントとして含むことが好ましい。これらの中でも、ドーパントとしてSnを用いた酸化インジウム錫(ITO)が特に好ましく用いられる。
第1透明電極層21および第2透明電極層22の形成方法としては、例えばスパッタリング法または塗布法が用いられる。その際、マスク製膜によって所望の電極パターンを形成してもよいし、レーザーパターニングによって所望の電極パターンを形成してもよい。また、フォトリソグラフィによるエッチングプロセスによってもパターニング可能である。
第1透明電極層21における調光層40側の主面には第1薄膜層31が形成されており、第2透明電極層22における調光層40側の主面には第2薄膜層32が形成されている。第1薄膜層31および第2薄膜層32は、透明性および導電性を有する。第1薄膜層31および第2薄膜層32の詳細は後述する。
調光層40は、第1透明電極層21と第2透明電極層22との間に設けられている。調光層40は、第1エレクトロクロミック層41と、第2エレクトロクロミック層42と、電解質層43とを備える。
第1エレクトロクロミック層41および第2エレクトロクロミック層42は、電気化学的な反応(キャリアを注入することにより生じる酸化反応または還元反応)により、色調(Color tone)を変化させる、具体的には無色状態と有色状態とを切り換える。第1エレクトロクロミック層41および第2エレクトロクロミック層42は、互いに異なる種類の着色型のエレクトロクロミック層であればよい。例えば、第1エレクトロクロミック層41が還元着色型である場合、第2エレクトロクロミック層42は酸化着色型であればよい。
酸化着色型のエレクトロクロミック層の材料としては、キャリアの移動により酸化反応が生じて着色する材料であればよい。また、還元着色型のエレクトロクロミック層の材料としては、キャリアの移動により還元反応が生じて着色する材料であればよい。酸化着色型および還元着色型のエレクトロクロミック層の材料としては、無機材料および有機材料のいずれであってもよい。
酸化着色型の無機材料としては、プルシアンブルー、ルテニウムパープル、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化イリジウム等が挙げられる。酸化着色型の有機材料としては、ポリアニリン等が挙げられる。これらの中でも、プルシアンブルーが好ましい。
還元着色型の無機材料としては、酸化タングステンWO、酸化モリブデンMoO、酸化バナジウムV等が挙げられる。還元着色型の有機材料としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、へブチルピオロゲン、ポリビオロゲン、テトラチオフルバレン、ポリチオール、ポリチオフェン等が挙げられる。これらの中でも、酸化タングステンが好ましい。
第1エレクトロクロミック層41および第2エレクトロクロミック層42の形成方法としては、材料として金属酸化物を用いる場合、スパッタリング法または蒸着法が用いられ、材料として金属錯イオンからなる化合物を用いる場合、塗布法(ウエットコーティング法)が用いられる。
電解質層43は、第1エレクトロクロミック層41と第2エレクトロクロミック層42との間に設けられ、第1透明電極層21と第2透明電極層22との間で電荷を移動させることで、第1エレクトロクロミック層41と第2エレクトロクロミック層42の色調の変化を促す。
電解質層43の材料としては、液体状の電解質、固体状の電解質、または半固体状の電解質が挙げられる。液体状の電解質としては、有機溶媒に電解質塩を溶解させたものが挙がられる。有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、電解質塩としては、例えば、LiClO、LiBF等が挙げられる。固体状の電解質としては、例えば、β−Al、Ta、ZrO等が挙げられる。半固体状の電解質層としては、例えば、液体状の電解質にゲル化剤を添加してゲル状にしたものが挙げられる。ゲル化剤としては、光硬化性樹脂等が挙げられる。
電解質層43の形成方法としては、電解質材料が固体状である場合、スパッタリング法または蒸着法が用いられ、電解質材料が液体状または半固体状である場合、塗布法(ウエットコーティング法)が用いられる。
ここで、図5に、従来の調光フィルム1Xの一例の断面図を示す。従来の調光フィルム1Xは、本実施形態の調光フィルム1と比較して、第1薄膜層31および第2薄膜層32を備えない点で異なる。
例えば、調光フィルム1Xの層構成を以下のようにする。
第1透明電極層21X:酸化インジウム錫(ITO)
第1エレクトロクロミック層41X:酸化タングステン
電解質層43X:プロピレンカーボネートとウレタンアクリレートの混合体
第2エレクトロクロミック層42X:プルシアンブルー
第2透明電極層22X:酸化インジウム錫(ITO)
この一例の調光フィルム1Xでは、着色過程における着色に要する時間は36秒であり、消色過程における消色に要する時間は65秒であった。
このような調光フィルムでは、キャリア(例えば電子)の注入と化学反応(酸化反応または還元反応)とを利用するため、着色または消色に時間を要する(応答時間)。
このような調光フィルムの応答時間を短縮するためには、透明電極層の抵抗を低減することが考えられる。一般に、透明電極層としては、酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物が用いられる。透明導電性酸化物は抵抗率が比較的に高いため、このような透明電極層の低抵抗化のために、透明電極層に銀または銅等の金属メッシュを設けることがある。
しかし、このような調光フィルムでは、透明電極層には、エレクトロクロミック層(調光層)の酸化還元反応に対して十分な耐性を有することが求められる。酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物は酸化還元反応に対して耐性を有するが、銀または銅等の金属メッシュは酸化還元反応により腐食される。そのため、このような調光フィルムでは、透明電極層に銀または銅等の金属メッシュを設けることは好ましくない。
また、透明電極層の低抵抗化のために透明導電性酸化物のシート抵抗を下げることが考えられるが、透明導電性酸化物の透明性が低下する可能性がある。
そこで、本願発明者は、透明電極層とエレクトロクロミック層(調光層)との接触抵抗の低減、換言すれば透明電極層とエレクトロクロミック層(調光層)との電気的な接合の向上を図ることにより、調光フィルムの応答時間(着色または消色に要する時間)を短縮することを考案する。本願発明者は、特に、キャリア(例えば電子)の注入側の透明電極層とエレクトロクロミック層(調光層)との電気的な接合の向上を図る。これにより、キャリア(例えば電子)の注入が早まり、その結果、化学反応(酸化反応または還元反応)の開始タイミングが早まることが予想される。
具体的には、本願発明者は、透明電極層とエレクトロクロミック層(調光層)との電気的な接合を向上するため、透明電極層の仕事関数とエレクトロクロミック層(調光層)の仕事関数との差に着目する。本願発明者は、特に、キャリア(例えば電子)の注入側の透明電極層の仕事関数とエレクトロクロミック層(調光層)の仕事関数との差に着目する。
例えば、図5に示す調光フィルム1Xの例では、透明電極層21X,22X、第1エレクトロクロミック層41Xおよび第2エレクトロクロミック層42Xの仕事関数は以下の通りである。
透明電極層21X,22X(ITO):4.8eV
第1エレクトロクロミック層41X(酸化タングステン):透明状態で4.8eV、着色状態で4.5eV
第2エレクトロクロミック層42X(プルシアンブルー):透明状態で4.7eV、着色状態で5.0eV
これにより、着色過程では、電子注入側の透明電極層21Xの仕事関数4.8eV/第1エレクトロクロミック層41Xの仕事関数4.8eVである。
一方、消色過程では、電子注入側の透明電極層22Xの仕事関数4.8eV/第2エレクトロクロミック層42Xの仕事関数5.0eVである。
この点に関し、本願発明者は、透明電極層におけるエレクトロクロミック層(調光層)側の主面に薄膜層を形成し、透明電極層の仕事関数とエレクトロクロミック層(調光層)の仕事関数との差を調整することにより、透明電極層とエレクトロクロミック層(調光層)との電気的な接合の向上を図る。
具体的には、図1に示すように、第1透明電極層21における第1エレクトロクロミック層41(調光層40)側の主面には、第1薄膜層31が形成され、第2透明電極層22における第2エレクトロクロミック層42(調光層40)側の主面には、第2薄膜層32が形成される。
第1薄膜層31付き第1透明電極層21の仕事関数は、第1透明電極層21単体の仕事関数よりも第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数側の値を有する。同様に、第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数は、第2透明電極層22単体の仕事関数よりも第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数側の値を有する。
例えば、第1薄膜層31付き第1透明電極層21の仕事関数は、第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数の値を中心として、第1透明電極層21単体の仕事関数と第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数との差分の2倍の範囲の値を有してもよい。同様に、第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数は、第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数の値を中心として、第2透明電極層22単体の仕事関数と第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数との差分の2倍の範囲の値を有してもよい。
或いは、第1薄膜層31付き第1透明電極層21の仕事関数は、第1透明電極層21単体の仕事関数と第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数との間の値を有してもよい。同様に、第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数は、第2透明電極層22単体の仕事関数と第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数との間の値を有してもよい。
特に、エレクトロクロミック層(調光層)を挟み込む一対の透明電極層のうち、キャリア(例えば電子)の注入側の透明電極層の主面に、薄膜層が形成されると好ましい。
このような第1薄膜層31および第2薄膜層32の材料としては、炭素、珪素、金等が挙げられる。なお、このような第1薄膜層31および第2薄膜層32は、特許文献1および2に記載の電子輸送層(半導体層)とは異なる。
(炭素を含む薄膜層)
炭素を含む第1薄膜層31および第2薄膜層32としては、カーボンブラックまたは水素化非晶質カーボン(例えば、ダイヤモンドライクカーボン)等の無定形炭素を材料として含む薄膜が挙げられる。このような薄膜層は、透明性および導電性を有する。
第1薄膜層31および第2薄膜層32は、第1透明電極層21,第2透明電極層22、第1エレクトロクロミック層41(調光層40)および第2エレクトロクロミック層42(調光層40)よりも薄い。第1薄膜層31および第2薄膜層32の膜厚は、1nm以上8nm以下である。
第1薄膜層31は、第1透明電極層21における第1エレクトロクロミック層41(調光層40)側の主面の全面を被覆していてもよく、第2薄膜層32は、第2透明電極層22における第2エレクトロクロミック層42(調光層40)側の主面の全面を被覆していてもよい。
或いは、第1薄膜層31は、第1透明電極層21における第1エレクトロクロミック層41(調光層40)側の主面の一部を被覆していてもよい。例えば、第1薄膜層31は、図2に示すように、規則的に複数のストライプ状(海島構造における島)、またはメッシュ状(海島構造における海)に形成されてもよいし、図3に示すように、不規則的に複数の島状(海島構造における島)に形成されてもよい。第1薄膜層31は、調光フィルムにおける調光機能を発現する領域において、第1透明電極層21における第1エレクトロクロミック層41(調光層40)側の主面の20%以上を被覆していてもよい。
同様に、第2薄膜層32は、第2透明電極層22における第2エレクトロクロミック層42(調光層40)側の主面の一部を被覆していてもよい。例えば、第2薄膜層32は、図2に示すように、規則的に複数のストライプ状(海島構造における島)、またはメッシュ状(海島構造における海)に形成されてもよいし、図3に示すように、不規則的に複数の島状(海島構造における島)に形成されてもよい。第2薄膜層32は、調光フィルムにおける調光機能を発現する領域において、第2透明電極層22における第2エレクトロクロミック層42(調光層40)側の主面の20%以上を被覆していてもよい。
これにより、炭素を含む第1薄膜層31および第2薄膜層32の抵抗を低減することができる。また、炭素を含む第1薄膜層31および第2薄膜層32は、調光層40の酸化還元反応に耐性を有する(例えば、腐食しない)。
ここで、第1透明電極層21および第2透明電極層22は、酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物を含むとする。この場合、炭素を含む第1薄膜層31付き第1透明電極層21の仕事関数は、第1透明電極層21単体の仕事関数よりも大きくなる。同様に、炭素を含む第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数は、第2透明電極層22単体の仕事関数よりも大きくなる。
これにより、第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数が第1透明電極層21の仕事関数よりも大きい場合、第1薄膜層31付き第1透明電極層21の仕事関数は、第1透明電極層21単体の仕事関数よりも第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数側の値を有する。同様に、第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数が第2透明電極層22の仕事関数よりも大きい場合、第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数は、第2透明電極層22単体の仕事関数よりも第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数側の値を有する。
例えば、第1薄膜層31付き第1透明電極層21の仕事関数は、第1透明電極層21単体の仕事関数と第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数との間の値を有する。同様に、第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数は、第2透明電極層22単体の仕事関数と第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数との間の値を有する。
例えば、第1薄膜層31付き第1透明電極層21における薄膜層側の表面の仕事関数は、4.8eV以上5.3eV以下である。同様に、第2薄膜層32付き第2透明電極層22における薄膜層側の表面の仕事関数は、4.8eV以上5.3eV以下である。表面の仕事関数は、紫外線光電子分光法(Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy:UPS)を用いて得ることができる(例えば、広範囲(約10mm)の平均化した表面)。
図4に、本実施形態の調光フィルム1の一例の断面図を示す。図4において、調光フィルム1の層構成を以下のようにする。
第1透明電極層21:酸化インジウム錫(ITO)
第1薄膜層31:ダイヤモンドライクカーボン(DLC)
第1エレクトロクロミック層41:酸化タングステン
電解質層43:プロピレンカーボネートとウレタンアクリレートの混合体
第2エレクトロクロミック層42:プルシアンブルー
第2薄膜層32:ダイヤモンドライクカーボン(DLC)
第2透明電極層22:酸化インジウム錫(ITO)
図4に示す調光フィルム1の例では、第1薄膜層31付き第1透明電極層21、第2薄膜層32付き第2透明電極層22、第1エレクトロクロミック層41Xおよび第2エレクトロクロミック層42Xの仕事関数は以下の通りである。
第1薄膜層31付き第1透明電極層21(DLC+ITO):4.9eV
第1エレクトロクロミック層41(酸化タングステン):透明状態で4.8eV、着色状態で4.5eV
第2エレクトロクロミック層42(プルシアンブルー):透明状態で4.7eV、着色状態で5.0eV
第2薄膜層32付き第2透明電極層22(DLC+ITO):4.9eV
これにより、着色過程では、電子注入側の第1薄膜層31付き第1透明電極層21の仕事関数4.9eVは第1エレクトロクロミック層41の仕事関数4.8eVから遠ざかり、着色に要する時間は36秒と短縮しなかった。
一方、消色過程では、電子注入側の第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数4.9eVは第2エレクトロクロミック層42の仕事関数5.0eV側の値となるとともに、第2透明電極層22単体の仕事関数4.8eVと第2エレクトロクロミック層42の仕事関数5.0eVとの間の値となり、消色に要する時間は35秒と短縮した。
(珪素を含む薄膜層)
珪素を含む第1薄膜層31および第2薄膜層32としては、酸化珪素を材料として含み、酸化珪素の酸化数が0以上2.0未満である薄膜が挙げられる。珪素を含む第1薄膜層31および第2薄膜層32は、更に炭素および窒素のうち少なくともいずれかを含有してもよい。このような薄膜層は、透明性および導電性を有する。
第1薄膜層31および第2薄膜層32は、第1透明電極層21,第2透明電極層22第1エレクトロクロミック層41(調光層40)および第2エレクトロクロミック層42(調光層40)よりも薄い。第1薄膜層31および第2薄膜層32の膜厚は、1nm以上8nm以下である。
第1薄膜層31は、第1透明電極層21における第1エレクトロクロミック層41(調光層40)側の主面の全面を被覆していてもよく、第2薄膜層32は、第2透明電極層22における第2エレクトロクロミック層42(調光層40)側の主面の全面を被覆していてもよい。
或いは、第1薄膜層31は、第1透明電極層21における第1エレクトロクロミック層41(調光層40)側の主面の一部を被覆していてもよい。例えば、第1薄膜層31は、図2に示すように、規則的に複数のストライプ状(海島構造における島)、またはメッシュ状(海島構造における海)に形成されてもよいし、図3に示すように、不規則的に複数の島状(海島構造における島)に形成されてもよい。第1薄膜層31は、調光フィルムにおける調光機能を発現する領域において、第1透明電極層21における第1エレクトロクロミック層41(調光層40)側の主面の20%以上を被覆していてもよい。
同様に、第2薄膜層32は、第2透明電極層22における第2エレクトロクロミック層42(調光層40)側の主面の一部を被覆していてもよい。例えば、第2薄膜層32は、図2に示すように、規則的に複数のストライプ状(海島構造における島)、またはメッシュ状(海島構造における海)に形成されてもよいし、図3に示すように、不規則的に複数の島状(海島構造における島)に形成されてもよい。第2薄膜層32は、調光フィルムにおける調光機能を発現する領域において、第2透明電極層22における第2エレクトロクロミック層42(調光層40)側の主面の20%以上を被覆していてもよい。
これにより、酸化珪素を含む第1薄膜層31および第2薄膜層32の抵抗を低減することができる。また、酸化珪素を含む第1薄膜層31および第2薄膜層32は、調光層40の酸化還元反応に耐性を有する(例えば、腐食しない)。
ここで、第1透明電極層21および第2透明電極層22は、酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物を含むとする。この場合、酸化珪素を含む第1薄膜層31付き第1透明電極層21の仕事関数は、第1透明電極層21単体の仕事関数よりも小さくなる。同様に、酸化珪素を含む第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数は、第2透明電極層22単体の仕事関数よりも小さくなる。
これにより、第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数が第1透明電極層21の仕事関数よりも小さい場合、第1薄膜層31付き第1透明電極層21の仕事関数は、第1透明電極層21単体の仕事関数よりも第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数側の値を有する。同様に、第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数が第2透明電極層22の仕事関数よりも小さい場合、第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数は、第2透明電極層22単体の仕事関数よりも第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数側の値を有する。
例えば、第1薄膜層31付き第1透明電極層21の仕事関数は、第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数の値を中心として、第1透明電極層21単体の仕事関数と第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数との差分の2倍の範囲の値を有する。同様に、第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数は、第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数の値を中心として、第2透明電極層22単体の仕事関数と第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数との差分の2倍の範囲の値を有する。
例えば、第1薄膜層31付き第1透明電極層21における薄膜層側の表面の仕事関数は、4.0eV以上4.8eV以下である。同様に、第2薄膜層32付き第2透明電極層22における薄膜層側の表面の仕事関数は、4.0eV以上4.8eV以下である。
炭素または珪素を含む第1薄膜層31および第2薄膜層32の形成方法としては、例えばスパッタリング法または塗布法が用いられる。その際、マスク製膜によって所望の電極パターンを形成してもよいし、レーザーパターニングによって所望の電極パターンを形成してもよい。また、フォトリソグラフィによるエッチングプロセスによってもパターニング可能である。
(金を含む薄膜層)
或いは、第1薄膜層31および第2薄膜層32は、金を材料として含む。このような薄膜層は、導電性を有する。
第1薄膜層31および第2薄膜層32は、第1透明電極層21,第2透明電極層22、第1エレクトロクロミック層41(調光層40)および第2エレクトロクロミック層42(調光層40)よりも薄い。第1薄膜層31および第2薄膜層32の膜厚は、1nm以上8nm以下である。
第1薄膜層31は、第1透明電極層21における第1エレクトロクロミック層41(調光層40)側の主面の一部を被覆していてもよい。例えば、第1薄膜層31は、図2に示すように、規則的に複数のストライプ状(海島構造における島)、またはメッシュ状(海島構造における海)に形成されてもよいし、図3に示すように、不規則的に複数の島状(海島構造における島)に形成されてもよい。第1薄膜層31は、調光フィルムにおける調光機能を発現する領域において、第1透明電極層21における第1エレクトロクロミック層41(調光層40)側の主面の20%以上98%以下を被覆していてもよい。
同様に、第2薄膜層32は、第2透明電極層22における第2エレクトロクロミック層42(調光層40)側の主面の一部を被覆していてもよい。例えば、第2薄膜層32は、図2に示すように、規則的に複数のストライプ状(海島構造における島)、またはメッシュ状(海島構造における海)に形成されてもよいし、図3に示すように、不規則的に複数の島状(海島構造における島)に形成されてもよい。第2薄膜層32は、調光フィルムにおける調光機能を発現する領域において、第2透明電極層22における第2エレクトロクロミック層42(調光層40)側の主面の20%以上を被覆していてもよい。
これにより、金を含む第1薄膜層31および第2薄膜層32は、視覚的に透明性を有することができる。なお、抵抗は上昇する。また、金を含む第1薄膜層31および第2薄膜層32は、調光層40の酸化還元反応に耐性を有する(例えば、腐食しない)。
ここで、第1透明電極層21および第2透明電極層22は、酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物を含むとする。この場合、金を含む第1薄膜層31付き第1透明電極層21の仕事関数は、第1透明電極層21単体の仕事関数よりも大きくなる。同様に、金を含む第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数は、第2透明電極層22単体の仕事関数よりも大きくなる。
これにより、第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数が第1透明電極層21の仕事関数よりも大きい場合、第1薄膜層31付き第1透明電極層21の仕事関数は、第1透明電極層21単体の仕事関数よりも第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数側の値を有する。同様に、第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数が第2透明電極層22の仕事関数よりも大きい場合、第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数は、第2透明電極層22単体の仕事関数よりも第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数側の値を有する。
例えば、第1薄膜層31付き第1透明電極層21の仕事関数は、第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数の値を中心として、第1透明電極層21単体の仕事関数と第1エレクトロクロミック層41(調光層40)の仕事関数との差分の2倍の範囲の値を有する。同様に、第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数は、第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数の値を中心として、第2透明電極層22単体の仕事関数と第2エレクトロクロミック層42(調光層40)の仕事関数との差分の2倍の範囲の値を有する。
例えば、第1薄膜層31付き第1透明電極層21における薄膜層側の表面の仕事関数は、4.8eV以上5.3eV以下である。同様に、第2薄膜層32付き第2透明電極層22における薄膜層側の表面の仕事関数は、4.8eV以上5.3eV以下である。
金を含む第1薄膜層31および第2薄膜層32の形成方法としては、例えばスパッタリング法または蒸着法が用いられる。その際、マスク製膜によって所望の電極パターンを形成してもよいし、レーザーパターニングによって所望の電極パターンを形成してもよい。また、フォトリソグラフィによるエッチングプロセスによってもパターニング可能である。
以上説明したように、本実施形態の調光フィルム1によれば、透明電極層21(22)におけるエレクトロクロミック層41(42)(調光層40)側の主面に薄膜層31(32)を形成することにより、薄膜層31(32)付き透明電極層21(22)の仕事関数は、透明電極層21(22)単体の仕事関数よりもエレクトロクロミック層41(42)(調光層40)の仕事関数側の値を有する。
例えば、薄膜層31(32)付き透明電極層21(22)の仕事関数は、エレクトロクロミック層41(42)(調光層40)の仕事関数の値を中心として、透明電極層21(22)単体の仕事関数とエレクトロクロミック層41(42)(調光層40)の仕事関数との差分の2倍の範囲の値を有する。
或いは、薄膜層31(32)付き透明電極層21(22)の仕事関数は、第1透明電極層21(22)単体の仕事関数とエレクトロクロミック層41(42)(調光層40)の仕事関数との間の値を有する。
これにより、透明電極層21(22)とエレクトロクロミック層41(42)(調光層40)との電気的な接合を向上させることができ、その結果、着色または消色(調光)に要する時間を短縮することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、種々の変更および変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、第1透明電極層21および第2透明電極層22の両方に、第1薄膜層31および第2薄膜層32が形成される形態を例示した。しかし、本発明はこれに限定されず、薄膜層が第1透明電極層および第2透明電極層のいずれか一方のみに、例えばキャリア(例えば電子)注入側のみに形成される形態であってもよい。
また、上述した実施形態では、第1エレクトロクロミック層41および第2エレクトロクロミック層42の2つのエレクトロクロミック層を備える形態を例示した。しかし、本発明はこれに限定されず、第1エレクトロクロミック層および第2エレクトロクロミック層のいずれか1つのエレクトロクロミック層を備える形態であってもよい。
上述した実施形態では、調光層としてエレクトロクロミック層を含む透過型の調光フィルムを例示した。しかし、本発明の特徴はこれに限定されず、特許文献1に記載のような、調光層としてエレクトロクロミック層を含む反射型の調光フィルムにも適用可能である。
また、上述した実施形態では、キャリア(電子または正孔)を注入することにより生じる酸化反応または還元反応により、エレクトロクロミック層(調光層)の無色状態と有色状態とを切り換えるエレクトロクロミズム方式を用いた調光フィルムを例示した。しかし、本発明の特徴はこれに限定されず、電圧を印加することにより生じる液晶分子の配向方向の変化により、液晶層(調光層)の透光状態と遮光状態とを切り換える粒子分散型液晶(Particle Dispersed Liquid Crystal:PDLC)方式を用いた調光フィルムにも適用可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す調光フィルムを実施例1として作製した。実施例1の調光フィルムの主な構成は以下の通りである(図4相当)。
<構成>
第1透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)
第1薄膜層:ダイヤモンドライクカーボン(DLC)
第1エレクトロクロミック層(調光層):酸化タングステン
電解質層:プロピレンカーボネートとウレタンアクリレートの混合体
第2エレクトロクロミック層(調光層):プルシアンブルー
第2薄膜層:ダイヤモンドライクカーボン(DLC)
第2透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)
<透明電極層の作製方法>
マグネトロンスパッタリング法を用いて、透明基板上に膜厚100nmの透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)を製膜した。酸化インジウム錫(酸化錫含量10重量%)をターゲットとし、マグネットの強度を、ターゲット表面上の最も強くなる磁場強度で700ガウス以上1300ガウス以下の範囲に設定した。製膜条件は、基板温度20℃、アルゴン/酸素の供給比率100:5、酸素分圧0.029Pa、製膜室内全圧力0.60Pa、パワー密度2.5W/cm(放電電圧:−279V)であった。製膜後、150℃、1時間のアニール処理を行った。作製した透明電極層単体の仕事関数は4.8eVであった。
実施例および変形例における透明電極層単体、エレクトロクロミック層(調光層)、および薄膜層付き透明電極の仕事関数は、紫外線光電子分光法(USP)(装置名:AC−2、理研計器製)を用いて測定した(例えば、広範囲(約10mm)の平均化した表面)。また、実施例および変形例における透明電極層、エレクトロクロミック層(調光層)、および薄膜層の膜厚は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察して求めた。
<薄膜層付き透明電極層の作製方法>
次に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、透明電極層上に膜厚1nmの薄膜層:ダイヤモンドライクカーボン(DLC)を製膜した。カーボンをターゲットとし、マグネットの強度を上記同様に設定した。製膜条件は、基板温度20℃、アルゴン/水素の供給比率100:20、製膜室内全圧力0.8Pa、パワー密度0.5W/cm(放電電圧:−350V)であった。作製した薄膜層付き透明電極層の表面の仕事関数は4.9eVであった。
<調光フィルムの作製方法>
次に、2つの薄膜層付き透明電極層のうちの一方に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、膜厚250nmのエレクトロクロミック層(調光層):酸化タングステンを製膜した。タングステン金属をターゲットとし、マグネットの強度を上記同様に設定した。製膜条件は、基板温度20℃、アルゴンガス流量400sccm、製膜室の圧力4.0Pa、MF電源のパワー密度0.04W/cm、放電電圧−470V(タングステンの放電プロセスが遷移モードから酸化物モードに切り替わる電圧)(マスフローコントローラーに信号を送信し、酸素流量を調整。いわゆる電圧制御方式)あった。
また、2つの薄膜層付き透明電極層のうちの他方に、スプレーコーティング法を用いて、膜厚3000nmのエレクトロクロミック層(調光層):プルシアンブルーを製膜した。1重量%濃度の水溶液としたプルシアンブルー(大日精化製)を、吐出量0.2ml/min.でスプレーコーティングした。作製したエレクトロクロミック層(調光層):酸化タングステンおよびエレクトロクロミック層(調光層):プルシアンブルーの仕事関数は以下の通りであった。
酸化タングステン(透明状態):4.8eV
酸化タングステン(着色状態):4.5eV
プルシアンブルー(透明状態):4.7eV
プルシアンブルー(着色状態):5.0eV
次に、2つの薄膜層付き透明電極層を、エレクトロクロミック層(調光層)が向かい合うように、膜厚150μmの電解質層を介して貼り合せた。
電解質層は以下のように作製した。まず、プロピレンカーボネート:66.907gに、カリウムビス(トリフルオロメタンスルホニルイミド):2.206gと、ウレタンアクリレート:10.367gと、光重合開始剤(BASF社製の“IRGACURE1173”(商品名)と“IRGACURE TPO”(商品名)とを質量比2:1で混合したもの):0.518gとを溶解して電解液を作製した。次に、この電解液を一方のエレクトロクロミック層(調光層)上に、バーコーターでギャップを制御しながら塗布し、1000mJ/cmの光を照射することで電解液を硬化して電解質層を形成した。
(実施例2)
実施例2は、実施例1において薄膜層が異なる。実施例2の調光フィルムの主な構成は以下の通りである。
<構成>
第1透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)
第1薄膜層:カーボン
第1エレクトロクロミック層(調光層):酸化タングステン
電解質層:プロピレンカーボネートとウレタンアクリレートの混合体
第2エレクトロクロミック層(調光層):プルシアンブルー
第2薄膜層:カーボン
第2透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)
<薄膜層付き透明電極層の作製方法>
上記同様に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、透明電極層上に膜厚1nmの薄膜層:カーボンを製膜した。カーボンをターゲットとし、アルゴン/水素に代えてアルゴンガスを供給することにより、ダイヤモンドライクカーボンに代えてカーボンを製膜した。マグネットの強度の設定は上記同様である。製膜条件は、基板温度20℃、製膜室内全圧力0.8Pa、パワー密度0.5W/cm(放電電圧:−320V)であった。作製した薄膜層付き透明電極層の表面の仕事関数は5.0eVであった。
(実施例3)
実施例3は、実施例1において薄膜層が異なる。実施例3の調光フィルムの主な構成は以下の通りである。
<構成>
第1透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)
第1薄膜層:酸化珪素(酸化数1.6)
第1エレクトロクロミック層(調光層):酸化タングステン
電解質層:プロピレンカーボネートとウレタンアクリレートの混合体
第2エレクトロクロミック層(調光層):プルシアンブルー
第2薄膜:酸化珪素(酸化数1.6)
第2透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)
<薄膜層付き透明電極層の作製方法>
上記同様に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、透明電極層上に膜厚1nmの薄膜層:酸化珪素を製膜した。カーボンに代えてシリコンをターゲットとし、アルゴン/水素に代えてアルゴンガス/酸素を供給することにより、ダイヤモンドライクカーボンに代えて酸化珪素を製膜した。マグネットの強度の設定は上記同様である。製膜条件は、基板温度20℃、製膜室内全圧力1.0Pa、パワー密度0.5W/cm、放電電圧500V(電圧制御:金属モード)であった。作製した薄膜層付き透明電極層の表面の仕事関数は4.2eVであった。また、X線光電子分光により測定した酸化珪素の酸化数は1.6であった。
(実施例4)
実施例4は、実施例1において薄膜層が異なる。実施例4の調光フィルムの主な構成は以下の通りである。
<構成>
第1透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)
第1薄膜層:金
第1エレクトロクロミック層(調光層):酸化タングステン
電解質層:プロピレンカーボネートとウレタンアクリレートの混合体
第2エレクトロクロミック層(調光層):プルシアンブルー
第2薄膜層:金
第2透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)
<薄膜層付き透明電極層の作製方法>
抵抗加熱式の蒸着法を用いて、透明電極層上に膜厚2nmの薄膜層:金を製膜した。金を原料とし、ダイヤモンドライクカーボンに代えて金を製膜した。作製した薄膜層付き透明電極層の表面の仕事関数は5.1eVであった。
(比較例1)
比較例1は、実施例3において薄膜層が異なる。比較例1の調光フィルムの主な構成は以下の通りである。
<構成>
第1透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)
第1薄膜層:二酸化珪素
第1エレクトロクロミック層(調光層):酸化タングステン
電解質層:プロピレンカーボネートとウレタンアクリレートの混合体
第2エレクトロクロミック層(調光層):プルシアンブルー
第2薄膜層:二酸化珪素
第2透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)
<薄膜層付き透明電極層の作製方法>
上記実施例3同様に、マグネトロンスパッタリング法を用いて、透明電極層上に膜厚1nmの薄膜層:二酸化珪素を製膜した。上記実施例3同様に、シリコンをターゲットとし、アルゴンガス/酸素を供給した。マグネットの強度の設定は上記同様である。製膜条件は、基板温度20℃、製膜室内全圧力1.0Pa、パワー密度0.5W/cm、放電電圧280V(電圧制御:金属モード)であった。作製した薄膜層付き透明電極層の表面の仕事関数は5.4eVであった。
(比較例2)
比較例2は、実施例1において薄膜層が異なる。比較例2の調光フィルムの主な構成は以下の通りである。
<構成>
第1透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)
第1薄膜層:酸化チタン
第1エレクトロクロミック層(調光層):酸化タングステン
電解質層:プロピレンカーボネートとウレタンアクリレートの混合体
第2エレクトロクロミック層(調光層):プルシアンブルー
第2薄膜層:酸化チタン
第2透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)
<薄膜層付き透明電極層の作製方法>
塗布法を用いて、透明電極層上に膜厚50nmの薄膜層:酸化チタンを製膜した。テトラブトキシチタン(TBT、日本曹達製)の5重量%のメチルエチルケトン(MEK)溶液を0.1ml/min.の流量で二流体式スプレーにより塗布することにより、ダイヤモンドライクカーボンに代えて酸化チタンを製膜した。作製した薄膜層付き透明電極層の表面の仕事関数は6.4eVであった。また、X線光電子分光により測定した酸化チタンの酸化数は4.0であった。
(比較例3)
比較例3は、薄膜層を備えない点で実施例1と異なる。比較例3の調光フィルムの主な構成は以下の通りである(図5相当)。
<構成>
第1透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)
第1薄膜層:なし
第1エレクトロクロミック層(調光層):酸化タングステン
電解質層:プロピレンカーボネートとウレタンアクリレートの混合体
第2エレクトロクロミック層(調光層):プルシアンブルー
第2薄膜層:なし
第2透明電極層:酸化インジウム錫(ITO)
上記の実施例および比較例の調光フィルムの着色および消色に要する時間(応答時間)を測定した。具体的には、上記の実施例および比較例の調光フィルムの各面の透明電極層に金属電極を形成し、これらの金属電極に直流定電圧(+1.4Vまたは−1.4V)を印加した。このとき、着色状態から透明状態への過程(消色過程)と、その逆の透明状態から着色状態への過程(着色過程)とについて、波長700nmの光線透過率の変化を、分光計(Lambda750、Perkin Elmer社製)を用いて測定し、着色および消色に要する時間(応答時間)を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2021089324
エレクトロクロミック層(調光層)の仕事関数
酸化タングステン(透明状態):4.8eV
酸化タングステン(着色状態):4.5eV
プルシアンブルー(透明状態):4.7eV
プルシアンブルー(着色状態):5.0eV
表1によれば、実施例1〜4の全てにおいて、比較例3と比較して、着色過程または消色過程、或いはその両方で応答時間が短縮した。
特に、実施例1および2において、消色過程の応答時間の短縮が顕著であった。これは以下のように考察される。図5に示すように、消色過程では、電子注入側の第2エレクトロクロミック層(調光層、プルシアンブルー)の着色状態(酸化状態)の仕事関数5.0eVが第2透明電極層(ITO)単体の仕事関数4.8eVよりも大きい。これに対して、実施例1および2では、図4に示すように、消色過程において、電子注入側の第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数(実施例1:4.9eV、実施例2:5.0eV)が第2エレクトロクロミック層42(プルシアンブルー)の仕事関数5.0eV側の値となるとともに、第2透明電極層22(ITO)単体の仕事関数4.8eVと第2エレクトロクロミック層42(プルシアンブルー)の仕事関数5.0eVとの間の値となる。これにより、電子注入側の第2薄膜層32付き第2透明電極層22と第2エレクトロクロミック層42との電気的な接合が向上し、電子の注入が早まることにより化学反応(酸化反応または還元反応)の開始タイミングが早まり、その結果、消色に要する時間が短縮したと考えられる。
また、実施例3において、着色過程の応答時間の短縮が見られた。これは以下のように考察される。図5に示すように、着色過程では、電子注入側の第1エレクトロクロミック層(調光層、酸化タングステン)の仕事関数は、透明状態では4.8eVであるが、着色状態では4.5eVと、第2透明電極層(ITO)単体の仕事関数4.8eVよりも小さくなる。これに対して、実施例3では、着色過程において、電子注入側の第1薄膜層31付き第1透明電極層21の仕事関数4.2eVが、第1エレクトロクロミック層41(酸化タングステン)の着色状態での仕事関数4.5eV(着色過程で小さくなる)側の値となるとともに、第1エレクトロクロミック層41(酸化タングステン)の仕事関数4.5eVの値を中心として、第1透明電極層21(ITO)単体の仕事関数4.8eVと第1エレクトロクロミック層41(酸化タングステン)の仕事関数4.5eVとの差分の2倍の範囲の値となる。これにより、電子注入側の第1薄膜層31付き第1透明電極層21と第1エレクトロクロミック層41との電気的な接合が向上し、電子の注入が早まることにより化学反応(酸化反応または還元反応)の開始タイミングが早まり、その結果、着色に要する時間が短縮したと考えられる。
また、実施例4において、消色過程の応答時間の短縮が見られた。上述したように、消色過程では、電子注入側の第2エレクトロクロミック層(調光層、プルシアンブルー)の着色状態(酸化状態)の仕事関数5.0eVが第2透明電極層(ITO)単体の仕事関数4.8eVよりも大きい(図5参照)。これに対して、実施例4では、消色過程において、電子注入側の第2薄膜層32付き第2透明電極層22の仕事関数5.1eVが第2エレクトロクロミック層42(プルシアンブルー)の仕事関数5.0eV側の値となるとともに、第2エレクトロクロミック層42(プルシアンブルー)の仕事関数5.0eVの値を中心として、第2透明電極層22(ITO)単体の仕事関数4.8eVと第2エレクトロクロミック層42(プルシアンブルー)の仕事関数の仕事関数5.0eVとの差分の2倍の範囲の値となる。これにより、電子注入側の第2薄膜層32付き第2透明電極層22と第2エレクトロクロミック層42との電気的な接合が向上し、電子の注入が早まることにより化学反応(酸化反応または還元反応)の開始タイミングが早まり、その結果、消色に要する時間が短縮したと考えられる。
なお、実施例4では、着色過程においても応答時間の短縮が見られた。これは、界面近傍の電気抵抗(表1に示す表面抵抗)が、比較例3と比較して低下したことによるものと考えられる。
比較例1および2では、着色過程および消色過程の両方の応答時間が遅延した。比較例1の二酸化珪素、すなわち酸化数2の酸化珪素は、絶縁性を有する。同様に、比較例2の酸化チタンも絶縁性を有する。そのため、薄膜層は、例え薄く、島状に形成されたとしても、直列抵抗が大きい。これにより、薄膜層付き透明電極層とエレクトロクロミック層との電気的な接合が低下し、着色および消色に要する時間が遅延したと考えられる。
1,1X 調光フィルム
11,11X 第1透明基板
12,12X 第2透明基板
21,21X 第1透明電極層
22,22X 第2透明電極層
31 第1薄膜層
32 第2薄膜層
40,40X 調光層
41,41X 第1エレクトロクロミック層
42,42X 第2エレクトロクロミック層
43,43X 電解質層

Claims (18)

  1. 一対の透明電極層と、
    前記一対の透明電極層の間に設けられ、電気的に光透過量を調節する調光層と、
    を備え、
    前記一対の透明電極層のうち少なくとも一方の透明電極層における前記調光層側の主面には、透明性および導電性を有し、前記一対の透明電極層および前記調光層よりも薄い薄膜層が形成されており、
    前記薄膜層が形成された透明電極層の仕事関数は、前記透明電極層単体の仕事関数よりも前記調光層の仕事関数の側の値を有する、
    調光フィルム。
  2. 前記薄膜層が形成された透明電極層の仕事関数は、前記透明電極層単体の仕事関数と前記調光層の仕事関数との間の値を有する、請求項1に記載の調光フィルム。
  3. 前記薄膜層は、炭素を材料として含む、請求項1または2に記載の調光フィルム。
  4. 前記薄膜層は、カーボンブラックまたは水素化非晶質カーボンを材料として含む、請求項3に記載の調光フィルム。
  5. 前記透明電極層は、酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物を含み、
    前記薄膜層が形成された透明電極層における前記薄膜層側の表面の仕事関数は、4.8eV以上5.0eV以下である、請求項3または4に記載の調光フィルム。
  6. 前記薄膜層が形成された透明電極層の仕事関数は、前記調光層の仕事関数の値を中心として、前記透明電極層単体の仕事関数と前記調光層の仕事関数との差分の2倍の範囲の値を有する、請求項1に記載の調光フィルム。
  7. 前記薄膜層は、珪素を材料として含む、請求項1または6に記載の調光フィルム。
  8. 前記薄膜層は、酸化珪素を材料として含み、
    前記酸化珪素の酸化数は、0以上2.0未満である、
    請求項7に記載の調光フィルム。
  9. 前記薄膜層は、更に炭素および窒素のうち少なくともいずれかを含有する、請求項8に記載の調光フィルム。
  10. 前記透明電極層は、酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物を含み、
    前記薄膜層が形成された透明電極層における前記薄膜層側の表面の仕事関数は、4.0eV以上4.8eV以下である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の調光フィルム。
  11. 前記薄膜層の膜厚は、1nm以上8nm以下であり、
    前記薄膜層は、前記透明電極層における前記調光層側の主面の全面または一部を被覆している、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の調光フィルム。
  12. 前記薄膜層は、前記調光フィルムにおける調光機能を発現する領域において、前記透明電極層における前記調光層側の主面の20%以上を被覆している、
    請求項11に記載の調光フィルム。
  13. 前記薄膜層は、金を材料として含む、請求項1または6に記載の調光フィルム。
  14. 前記薄膜層の膜厚は、1nm以上8nm以下であり、
    前記薄膜層は、前記透明電極層における前記調光層側の主面の一部を被覆している、
    請求項13に記載の調光フィルム。
  15. 前記薄膜層は、前記調光フィルムにおける調光機能を発現する領域において、前記透明電極層における前記調光層側の主面の20%以上98%以下を被覆している、請求項14に記載の調光フィルム。
  16. 前記透明電極層は、酸化インジウムを主成分とする透明導電性酸化物を含み、
    前記薄膜層が形成された透明電極層における前記薄膜層側の表面の仕事関数は、4.8eV以上5.3eV以下である、請求項6および13〜15のいずれか1項に記載の調光フィルム。
  17. 前記調光層は、キャリアを注入することにより生じる酸化反応または還元反応により、無色状態と有色状態とを切り換えるエレクトロクロミック層を含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の調光フィルム。
  18. 前記薄膜層が形成された透明電極層は、前記一対の透明電極層のうちのキャリア注入側である、請求項17に記載の調光フィルム。
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