JP2021088945A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料のオクタン価の異なる燃料が供給されたとしても、異常燃焼を抑制する。【解決手段】燃料のオクタン価を検出するオクタン価検出手段(筒内圧センサSW5)と、燃焼室17に外部EGRガスを導入するための外部EGRシステムと、外部EGRシステムに制御信号を出力するECU10とを備え、ECU10は、オクタン価検出手段により検出される燃料のオクタン価が所定オクタン価未満であるときには、該燃料のオクタン価が所定オクタン価以上であるときと比較して、燃焼室17に導入される全ガス量に対する外部EGRガス量の割合である外部EGR率が高くなるように、外部EGRシステムに制御信号を出力する。【選択図】図7

Description

ここに開示された技術は、エンジンの制御装置に関する技術分野に属する。
近年、燃焼室内の混合気を圧縮着火によりCI燃焼させるエンジンにおいて、混合気の一部を火花点火によりSI燃焼させた後、残部の混合気を圧縮着火によりCI燃焼させる部分圧縮着火燃焼が実行させるものがある。部分圧縮着火燃焼を実行するエンジンでは、火花点火を行うタイミングに加えて、燃焼室内の状態を調整することでCI燃焼のタイミングを調整する工夫がされている。
例えば、特許文献1に記載のエンジンの制御装置では、燃焼室で生成された既燃ガスの一部をEGRガスとして混合気に含ませるEGR装置と、燃焼室に導入されるEGRガスの割合であるEGR率を変更可能なEGR操作部とを備え、部分圧縮着火燃焼の実行中に、エンジンの回転数が高いときには低いときと比べて燃焼室の圧縮開始温度が上昇するように、EGR操作部を用いてEGR率を調整している。
特開2019−108813号公報
ところで、エンジンに供給される燃料には、ハイオクガソリン等の比較的オクタン価の高い高オクタン燃料と、レギュラーガソリン等の比較的オクタン価の低い低オクタン燃料とがある。高オクタン燃料は、低オクタン燃料と比較して圧縮着火しにくく、ノッキング等の異常燃焼を抑制する観点からは有利である。一方で、コストパフォーマンスの観点からは低オクタン燃料の方が高オクタン燃料と比較して有利である。
そこで、近年では、高オクタン燃料と低オクタン燃料とを併用することが考えられている。しかしながら、低オクタン燃料は、高オクタン燃料に対して自着火しやすいため、高オクタン燃料と低オクタン燃料とで同じ燃焼制御を行うと、低オクタン燃料を用いた際に、ノッキング等の異常燃焼が発生するおそれがある。
ここに開示された技術は、オクタン価の異なる燃料が供給されたとしても、異常燃焼を抑制する。
前記課題を解決するために、ここに開示された技術では、燃焼室に燃料を供給するインジェクタと、前記燃焼室の中の混合気に点火する点火装置とを有し、混合気の一部を前記点火装置を用いた点火によりSI燃焼させた後、残部の混合気を圧縮着火によりCI燃焼させるエンジンの制御装置を対象として、前記燃料のオクタン価を検出するオクタン価検出手段と、前記燃焼室から排気通路に配出された既燃ガスの一部を、EGR通路を介して吸気通路に還流することで、前記燃焼室に外部EGRガスを導入するための外部EGRシステムと、前記外部EGRシステムに制御信号を出力する制御部と、を備え、前記制御部は、前記オクタン価検出手段により検出される燃料のオクタン価が所定オクタン価未満であるときには、該燃料のオクタン価が前記所定オクタン価以上であるときと比較して、前記燃焼室に導入される全ガス量に対する外部EGRガス量の割合である外部EGR率が高くなるように、前記外部EGRシステムに制御信号を出力する、という構成とした。
この構成によると、燃料のオクタン価が低いときには、燃焼室内に導入されるガスの外部EGR率が上昇するため、該外部EGRガスにより燃焼室内の温度を下げることができる。これにより、燃料のオクタン価が低くても、該燃料を含む混合気が圧縮着火しにくくなって、プリイグニッションやノッキングが抑制される。したがって、燃料のオクタン価の異なる燃料が供給されたとしても、異常燃焼を抑制することができる。
前記エンジンの制御装置の一実施形態では、前記燃焼室に内部EGRガスを導入し、前記制御部から制御信号が入力される内部EGRシステムを更に備え、前記制御部は、前記オクタン価検出手段により検出される燃料のオクタン価が所定オクタン価未満であるときには、該燃料のオクタン価が前記所定オクタン価以上であるときと比較して、前記燃焼室に導入される全ガス量に対する内部EGRガス量の割合である内部EGR率が低くなるように、前記内部EGRシステムに制御信号を出力する。
この構成によると、燃料のオクタン価が低いときには、燃焼室内に導入されるガスの内部EGR率が低下するため、燃焼室内の温度をより効率的に下げることができる。これにより、異常燃焼をより効果的に抑制することができる。
前記一実施形態において、外部EGRガス量と内部EGRガス量との和を総EGRガス量として、前記制御部は、前記燃焼室に導入される全ガス量に対する総EGRガス量の割合である総EGR率については、前記オクタン価検出手段により検出される燃料のオクタン価にかかわらず同じになるように、前記外部EGRシステム及び前記内部EGRシステムに制御信号をそれぞれ出力する、という構成でもよい。
この構成によると、燃焼室に導入される新気の割合は、燃料のオクタン価に依存しないため、燃焼室内の温度は外部EGR率及び内部EGR率に依存しやすくなる。これにより、燃焼室内の温度調整がより容易になる。この結果、異常燃焼を一層効果的に抑制することができる。
燃料のオクタン価に応じて内部EGR率を変更するエンジンの制御装置において、前記制御部は、吸気弁と排気弁との両方が開弁するポジティブオーバーラップ期間を調整することで、前記内部EGR率を変更するように、前記内部EGRシステムに制御信号を出力する、という構成でもよい。
すなわち、吸気弁及び排気弁のポジティブオーバーラップ期間は、比較的応答性よく変更することが可能である。このため、内部EGR率を調整することによる燃焼室の温度調整を応答性よく行うことができる。この結果、異常燃焼をより一層効果的に抑制することができる。
前記エンジンの制御装置において、前記制御部は、少なくとも前記外部EGRシステムの制御に利用される燃焼制御マップを、燃料のオクタン価毎に分けて複数有しており、さらに前記制御部は、前記オクタン価検出手段により検出される燃料のオクタン価が所定オクタン価未満であるときには、該燃料のオクタン価が前記所定オクタン価以上であるときとは別の燃焼制御マップに切り替える、という構成でもよい。
この構成によると、燃料のオクタン価に応じて燃焼制御マップを切り替えるため、外部EGRシステムの制御を簡単に切り替えることができる。すなわち、燃料のオクタン価に応じた制御が容易になるため、異常燃焼をさらに効果的に抑制することができる。
以上説明したように、ここに開示された技術によると、燃料のオクタン価の異なる燃料が供給されたとしても、異常燃焼を抑制することができる。
例示的な実施形態に係る制御装置により制御されるエンジンを例示する構成図である。 燃焼室を例示する図であり、上図は燃焼室の平面図であり、下図はII-II線断面図である。 燃焼室及び吸気通路を例示する平面図である。 エンジンの制御装置を例示するブロック図である。 エンジンの制御マップを例示する図であり、上図は温間時の制御マップであり、中図は半暖機時の制御マップであり、下図は冷間時の制御マップである。 低オクタン価マップ及び高オクタン価マップを例示するブロック図である。 エンジン負荷に対する総EGR率、外部EGR率、及び内部EGR率の変化を例示するグラフである。 低オクタン価燃料を燃焼させたときと、高オクタン価燃料を燃焼させたときとの熱発生率の履歴の一例を示す概略図である。 内部EGR率を変更する際の吸気弁及び排気弁の開閉パターンを例示する図である。 ECUが実行するエンジンの制御のフローチャートである。
以下、例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、エンジンを例示する図である。図2は、エンジンの燃焼室を例示する図である。図3は、燃焼室及び吸気通路を例示する図である。尚、図1における吸気側は紙面左側であり、排気側は紙面右側である。図2及び図3における吸気側は紙面右側であり、排気側は紙面左側である。図4は、エンジンの制御装置を例示するブロック図である。
エンジン1は、燃焼室17を有している。燃焼室17は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程を繰り返す。エンジン1は、4ストロークエンジンである。エンジン1は、四輪の自動車に搭載されている。エンジン1が運転することによって自動車は走行する。エンジン1の燃料は、この構成例においてはガソリンである。燃料は、少なくともガソリンを含む液体燃料であればよい。燃料としてのガソリンは、レギュラー燃料でもハイオク燃料であってもよい。燃料は、例えばバイオエタノール等を含むガソリンであってもよい。尚、レギュラー燃料は、オクタン価が91程度の低オクタン価燃料である。ハイオク燃料は、オクタン価が100程度の高オクタン価燃料である。
(エンジンの構成)
エンジン1は、シリンダブロック12と、シリンダヘッド13とを備えている。シリンダヘッド13は、シリンダブロック12の上に載置される。
シリンダブロック12に、複数のシリンダ11が形成されている。エンジン1は、多気筒エンジンである。図1及び図2では、一つのシリンダ11のみを示す。
各シリンダ11は、ピストン3が内挿されている。ピストン3は、コネクティングロッド14を介してクランクシャフト15に連結されている。ピストン3は、シリンダ11の内部を往復動する。ピストン3、シリンダ11及びシリンダヘッド13は、燃焼室17を形成する。尚、「燃焼室」は、ピストン3の位置に関わらず、ピストン3、シリンダ11及びシリンダヘッド13によって形成される空間を意味する。
シリンダヘッド13の下面は、燃焼室17の天井部を構成する。天井部は、図2の下図に示すように、二つの傾斜面によって構成されている。燃焼室17は、いわゆるペントルーフ型である。
ピストン3は、上面から下側に向かって凹んだキャビティ31を有する。キャビティ31は、この構成例では、浅皿形状を有している。キャビティ31の中心は、シリンダ11の中心軸X1よりも排気側にずれている。
エンジン1の幾何学的圧縮比は、15〜18に設定されている。後述するようにエンジン1は、一部の運転領域において、SI(Spark Ignition)燃焼とCI(Compression Ignition)燃焼とを組み合わせたSPCCI燃焼を行う。SPCCI燃焼は、SI燃焼による発熱及び/又は圧力上昇によって、CI燃焼をコントロールする。エンジン1は、圧縮着火式エンジンである。このエンジン1は、ピストン3が圧縮上死点に至った時の燃焼室17の温度を高める必要がない。
シリンダヘッド13には、シリンダ11毎に、吸気ポート18が形成されている。吸気ポート18は、図3に示すように、第1吸気ポート181及び第2吸気ポート182を有している。吸気ポート18は、燃焼室17に連通している。吸気ポート18は、詳細な図示は省略するが、いわゆるタンブルポートである。つまり、吸気ポート18は、燃焼室17の中にタンブル流が発生するような形状を有している。
吸気ポート18には、吸気弁21が配設されている。吸気弁21は、吸気ポート18を開閉する。動弁機構は、吸気弁21を所定のタイミングで開閉する。動弁機構は、バルブタイミング及び/又はバルブリフトを可変にする可変動弁機構としてもよい。図4に示すように、動弁機構は、吸気電動S−VT(Sequential-Valve Timing)23を有している。吸気電動S−VT23は、吸気カムシャフトの回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更する。吸気弁21の開弁角は変化しない。吸気弁21の開弁角は、例えば240°CAである。尚、動弁機構は、電動S−VTに代えて、油圧式のS−VTを有してもよい。
シリンダヘッド13には、シリンダ11毎に、排気ポート19が形成されている。排気ポート19も、図3に示すように、第1排気ポート191及び第2排気ポート192を有している。排気ポート19は、燃焼室17に連通している。
排気ポート19には、排気弁22が配設されている。排気弁22は、排気ポート19を開閉する。動弁機構は、排気弁22を所定のタイミングで開閉する。動弁機構は、バルブタイミング及び/又はバルブリフトを可変にする可変動弁機構としてもよい。図4に示すように、動弁機構は、排気電動S−VT24を有している。排気電動S−VT24は、排気カムシャフトの回転位相を所定の角度範囲内で連続的に変更する。排気弁22の開弁角は変化しない。排気弁22の開弁角は、例えば240°CAである。尚、動弁機構は、電動S−VTに代えて、油圧式のS−VTを有してもよい。
吸気電動S−VT23及び排気電動S−VT24は、吸気弁21と排気弁22との両方が開弁するオーバーラップ期間の長さを調節する。オーバーラップ期間の長さを調節することによって、内部EGR(Exhaust Gas Recirculation)ガスが燃焼室17の中に導入される。すなわち、吸気電動S−VT23、排気電動S−VT24は、燃焼室17に内部EGRガスを導入する内部EGRシステムを構成する。
シリンダヘッド13には、シリンダ11毎に、インジェクタ6が取り付けられている。インジェクタ6は、燃焼室17の中に燃料を直接噴射する。インジェクタ6は、燃焼室17の天井部の中心部に配設されている。より詳細に、インジェクタ6はペントルーフの谷部に配設されている。図2に示すように、インジェクタ6の噴射軸心X2は、シリンダ11の中心軸X1よりも排気側に位置している。インジェクタ6の噴射軸心X2は、中心軸X1に平行である。インジェクタ6の噴射軸心X2とキャビティ31の中心とは一致している。インジェクタ6は、キャビティ31に対向している。尚、インジェクタ6の噴射軸心X2は、シリンダ11の中心軸X1と一致してもよい。その構成の場合において、インジェクタ6の噴射軸心X2と、キャビティ31の中心とは一致してもよい。
インジェクタ6は、複数の噴孔を有する多噴孔型である。インジェクタ6は、図2に二点鎖線で示すように、燃焼室17の天井部の中央部から放射状にかつ、斜め下向きに、燃料を噴射する。インジェクタ6は、この構成例においては、十個の噴孔を有している。十個の噴孔は、周方向に等角度間隔に配置されている。
インジェクタ6には、燃料供給システム61が接続されている。燃料供給システム61は、燃料を貯留する燃料タンク63と、燃料供給路62とを備えている。燃料供給路62は、燃料タンク63とインジェクタ6とを互いにつないでいる。燃料供給路62には、燃料ポンプ65とコモンレール64とが介設している。燃料ポンプ65は、コモンレール64に燃料を送る。燃料ポンプ65は、この構成例においては、クランクシャフト15によって駆動されるプランジャー式のポンプである。コモンレール64は、燃料ポンプ65から送られた燃料を蓄える。コモンレール64の中は高圧である。インジェクタ6は、コモンレール64につながっている。インジェクタ6が開弁すると、コモンレール64の中の高圧の燃料が、インジェクタ6の噴孔から燃焼室17の中に噴射される。この構成例の燃料供給システム61は、30MPa以上の高い圧力の燃料を、インジェクタ6に供給できる。燃料供給システム61の最高圧力は、例えば200MPaとしてもよい。燃料供給システム61は、燃料の圧力を、エンジン1の運転状態に応じて変えてもよい。尚、燃料供給システム61の構成は、前記の構成に限定されない。
シリンダヘッド13には、シリンダ11毎に、点火プラグ25が取り付けられている。点火プラグ25は、燃焼室17の中の混合気に強制的に点火をする。点火プラグ25は、点火装置の一例である。点火プラグ25は、図2に示すように、シリンダ11の中心軸X1よりも吸気側に配設されている。点火プラグ25は、2つの吸気ポート18の間に位置している。点火プラグ25の電極は、燃焼室17の中に臨んでいる。尚、点火プラグ25は、シリンダ11の中心軸X1よりも排気側に配置してもよい。また、点火プラグ25は、シリンダ11の中心軸X1上に配置してもよい。
エンジン1の一側面には吸気通路40が接続されている。吸気通路40は、各シリンダ11の吸気ポート18に連通している。燃焼室17に導入する吸気のガスは、吸気通路40の中を流れる。吸気通路40の上流端部には、エアクリーナー41が配設されている。吸気通路40の下流端の近くには、サージタンク42が配設されている。サージタンク42よりも下流の吸気通路40は、シリンダ11毎に分岐している。
吸気通路40におけるエアクリーナー41とサージタンク42との間には、スロットル弁43が配設されている。スロットル弁43は、弁の開度が変わることによって、燃焼室17の中への新気の導入量を調節する。
吸気通路40にはまた、スロットル弁43の下流に、過給機44が配設されている。過給機44は、燃焼室17に導入する吸気のガスの圧力を高める。この構成例において、過給機44は、エンジン1によって駆動される。過給機44は、ルーツ式、リショルム式、ベーン式、又は遠心式である。
過給機44とエンジン1との間には、電磁クラッチ45が介設している。電磁クラッチ45は、エンジン1から過給機44へ駆動力を伝達する状態と、駆動力の伝達を遮断する状態とを切り替える。後述するECU10が電磁クラッチ45に制御信号を出力することによって、過給機44はオン又はオフになる。
吸気通路40における過給機44の下流には、インタークーラー46が配設されている。インタークーラー46は、過給機44が圧縮した吸気のガスを冷却する。インタークーラー46は、水冷式又は油冷式である。
吸気通路40には、バイパス通路47が接続されている。バイパス通路47は、吸気通路40における過給機44の上流部とインタークーラー46の下流部とを互いに接続する。バイパス通路47は、過給機44及びインタークーラー46をバイパスする。バイパス通路47には、エアバイパス弁48が配設されている。エアバイパス弁48は、バイパス通路47を流れるガスの流量を調節する。
ECU10は、過給機44がオフの場合に、エアバイパス弁48を全開にする。吸気通路40を流れる吸気のガスは、過給機44及びインタークーラー46をバイパスして、エンジン1の燃焼室17に至る。エンジン1は、非過給、つまり自然吸気の状態で運転する。
過給機44がオンの場合、エンジン1は過給状態で運転する。ECU10は、過給機44がオンの場合に、エアバイパス弁48の開度を調節する。過給機44及びインタークーラー46を通過した吸気のガスの一部は、バイパス通路47を通って過給機44の上流に戻る。ECU10がエアバイパス弁48の開度を調節すると、燃焼室17に導入する吸気のガスの圧力が変わる。尚、「過給」とは、サージタンク42内の圧力が大気圧を超える状態をいい、「非過給」とは、サージタンク42内の圧力が大気圧以下になる状態をいう、と定義してもよい。
エンジン1は、燃焼室17内にスワール流を発生させるスワール発生部を有している。スワール発生部は、図3に示すように、吸気通路40に取り付けられたスワールコントロール弁56を有している。吸気通路40は、第1吸気ポート181につながるプライマリ通路401と、第2吸気ポート182につながるセカンダリ通路402とを有している。スワールコントロール弁56は、セカンダリ通路402に配設されている。スワールコントロール弁56は、セカンダリ通路402の断面を絞ることができる開度調節弁である。スワールコントロール弁56の開度が小さいと、第1吸気ポート181から燃焼室17に流入する吸気の流量が多くかつ、第2吸気ポート182から燃焼室17に流入する吸気の流量が少ないから、燃焼室17内のスワール流が強くなる。スワールコントロール弁56の開度が大きいと、第1吸気ポート181及び第2吸気ポート182のそれぞれから燃焼室17に流入する吸気の流量が、略均等になるから、燃焼室17内のスワール流が弱くなる。スワールコントロール弁56を全開にすると、スワール流は発生しない。尚、スワール流は、白抜きの矢印で示すように、図3における反時計回り方向に周回する。
前述したように、エンジン1の吸気ポート18はタンブルポートであるため、スワールコントロール弁56を閉じると、燃焼室17の中には、タンブル成分とスワール成分とを含んだ斜めスワール流が発生する。斜めスワール流は、シリンダ11の中心軸X1に対して傾いたスワール流である。斜めスワール流の傾斜角度は、中心軸X1に直交する面に対して45°程度が一般的である。傾斜角度は、30°〜60°の範囲で設定してもよい。
エンジン1の他側面には、排気通路50が接続されている。排気通路50は、各シリンダ11の排気ポート19に連通している。燃焼室17から排出された排気ガスは、排気通路50の中を流れる。排気通路50の上流部分は、詳細な図示は省略するが、シリンダ11毎に分岐している。
排気通路50には、複数の触媒コンバーターを有する排気ガス浄化システムが配設されている。これらの触媒コンバーターは、図示は省略するが、エンジンルーム内に配設されている。上流の触媒コンバーターは、三元触媒511と、GPF(Gasoline Particulate Filter)512とを有している。下流の触媒コンバーターは、三元触媒513を有している。尚、排気ガス浄化システムは、図例の構成に限定されない。例えば、GPFは省略してもよい。また、触媒コンバーターは、三元触媒を有するものに限定されない。さらに、三元触媒及びGPFの並び順は、適宜変更してもよい。
吸気通路40と排気通路50との間には、EGR通路52が接続されている。EGR通路52は、排気ガスの一部を吸気通路40に還流させる通路である。EGR通路52の上流端は、排気通路50における二つの触媒コンバーターの間に接続されている。EGR通路52の下流端は、吸気通路40における過給機44の上流部に接続されている。
EGR通路52には、水冷式のEGRクーラー53が配設されている。EGRクーラー53は、排気ガスを冷却する。EGR通路52にはまた、EGR弁54が配設されている。EGR弁54は、EGR通路52を流れる排気ガスの流量を調節する。EGR弁54は、外部EGRガスの還流量を調節する。EGR通路52、EGRクーラー53、及びEGR弁54は、外部EGRシステムを構成する。
(エンジンの制御装置の構成)
エンジン1の制御装置は、ECU(Engine Control Unit)10を備えている。ECU10は、制御部の一例である。ECU10は、図4に示すように、マイクロコンピュータ101と、メモリ102と、I/F回路103と、を備えている。マイクロコンピュータ101は、プログラムを実行する。メモリ102は、プログラム及びデータを格納する。メモリ102は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)である。I/F回路103は、電気信号の入出力を行う。
ECU10には、図1及び図4に示すように、各種のセンサSW1〜SW11が接続されている。センサSW1〜SW11は、信号をECU10に出力する。センサには、以下のセンサが含まれる。
エアフローセンサSW1は、吸気通路40を流れる新気の流量を計測する。エアフローセンサSW1は、吸気通路40におけるエアクリーナー41の下流に配置されている
第1吸気温度センサSW2は、吸気通路40を流れる新気の温度を計測する。第1吸気温度センサSW2は、吸気通路40におけるエアクリーナー41の下流に配置されている
第2吸気温度センサSW3は、燃焼室17に導入される吸気のガスの温度を計測する。第2吸気温度センサSW3は、サージタンク42に取り付けられている
吸気圧センサSW4は、燃焼室17に導入される吸気のガスの圧力を計測する。吸気圧センサSW4は、サージタンク42に取り付けられている
筒内圧センサSW5は、各燃焼室17内の圧力を計測する。筒内圧センサSW5は、シリンダ11毎に、シリンダヘッド13に取り付けられている
水温センサSW6は、冷却水の温度を計測する。水温センサSW6は、エンジン1に取り付けられている
クランク角センサSW7は、クランクシャフト15の回転角を計測する。クランク角センサSW7は、エンジン1に取り付けられている
アクセル開度センサSW8は、アクセルペダルの操作量に対応したアクセル開度を計測する。アクセル開度センサSW8は、アクセルペダル機構に取り付けられている
吸気カム角センサSW9は、吸気カムシャフトの回転角を計測する。吸気カム角センサSW9は、エンジン1に取り付けられている
排気カム角センサSW10は、排気カムシャフトの回転角を計測する。排気カム角センサSW10は、エンジン1に取り付けられている
燃圧センサSW11は、インジェクタ6に供給する燃料の圧力を計測する。燃圧センサSW11は、燃料供給システム61のコモンレール64に取り付けられている。
ECU10は、これらのセンサSW1〜SW11の信号に基づいて、エンジン1の運転状態を判断する。ECU10はまた、予め定められている制御ロジックに従って、各デバイスの制御量を演算する。制御ロジックは、メモリ102に記憶されている。
ECU100は、制御量に係る電気信号を、インジェクタ6、点火プラグ25、吸気電動S−VT23、排気電動S−VT24、燃料供給システム61、スロットル弁43、EGR弁54、過給機44の電磁クラッチ45、エアバイパス弁48、及び、スワールコントロール弁56に出力する。
(SPCCI燃焼のコンセプト)
エンジン1は、燃費の向上及び排出エミッション性能の向上を主目的として、所定の運転状態にある場合に、圧縮自己着火による燃焼を行う。圧縮開始前の燃焼室17の中の温度がばらつくと、自己着火のタイミングが大きく変化する。そこで、エンジン1は、SI燃焼とCI燃焼とを組み合わせたSPCCI燃焼を行う。
SPCCI燃焼は、次のような燃焼形態である。つまり、点火プラグ25が、燃焼室17の中の混合気に強制的に点火をすることによって、混合気が火炎伝播によりSI燃焼を開始する。SI燃焼の開始後、(1)SI燃焼の発熱により燃焼室17の中の温度が高くなりかつ、(2)火炎伝播により燃焼室17の中の圧力が上昇することによって、未燃混合気が自己着火によるCI燃焼をする。
ECU10が点火タイミングを調節することで、混合気は目標のタイミングで自己着火する。SPCCI燃焼は、SI燃焼の燃焼量がCI燃焼の開始タイミングをコントロールしている。
(エンジンの運転領域)
図5は、エンジン1の制御マップ501、502、503を例示している。制御マップ501、502、503は、ECU10のメモリ102に記憶されている。ECU10は、制御マップ501、502、503に基づいて、エンジン1を運転する。制御マップは、第1制御マップ501、第2制御マップ502、及び、第3制御マップ503の三種類の制御マップを含んでいる。ECU10は、燃焼室17の壁温(又はエンジン水温)及び吸気の温度それぞれの高低に応じて、第1制御マップ501、第2制御マップ502、及び、第3制御マップ503の中から選択した制御マップを、エンジン1の制御に用いる。
ECU10は、燃焼室17の壁温が第1壁温(例えば80℃)以上でかつ、吸気の温度が第1吸気温(例えば50℃)以上の場合、第1制御マップ501を選択する。第1制御マップ501は、エンジン1の温間時のマップである。
燃焼室17の壁温が第1壁温未満、第2壁温(例えば30℃)以上でかつ、吸気温が第1吸気温未満、第2吸気温(例えば25℃)以上の場合、ECU10は、第2制御マップ502を選択する。第2制御マップ502は、エンジン1の半暖機時のマップである。燃焼室17の壁温が第2壁温未満、又は、吸気温が第2吸気温未満の場合、ECU10は、第3制御マップ503を選択する。第3制御マップ503は、エンジン1の冷間時のマップである。
尚、ECU10は、燃焼室17の壁温に代えて、例えば水温センサSW6が計測するエンジン1の冷却水の温度に基づいて制御マップ501、502、503を選択してもよい。また、ECU10は、各種の計測信号に基づいて、燃焼室17の壁温を推定できる。吸気温は、第2吸気温度センサSW3によって計測される。また、ECU10は、吸気温を、各種の計測信号に基づいて推定してもよい。
各マップ501、502、503は、エンジン1の負荷及びエンジン1の回転数によって規定されている。第1制御マップ501は、領域A1、領域A2、領域A3、領域A4、及び、領域A5の五つの領域に分かれる。領域A1は、Naよりも回転数が低い領域である。エンジン1のアイドル運転は、領域A1に含まれる。領域A2は、Nbよりも回転数が高い領域である。領域A3は、回転数がNaからNbまでの領域のうち、負荷がLaよりも低い領域である。領域A4は、回転数がNaからNbまでの領域のうち、負荷がLa以上の領域である。尚、Laは、エンジン1の最高負荷の1/2負荷としてもよい。領域A5は、領域A3内において、低負荷側の特定の領域である。領域A5は、エンジン1の全運転領域において、低回転低負荷の特定領域に相当する。尚、ここでいう「低回転」は、エンジン1の全運転領域を低回転側と高回転側とに二等分した場合の、低回転側に対応する。「低負荷」は、エンジン1の全運転領域を低負荷側と高負荷側とに二等分した場合の、低負荷側に対応する。
エンジン1の負荷及び回転数によって定まる運転状態が、領域A1内にある場合、ECU10は、SI燃焼を行うようにエンジン1を制御する。尚、混合気の空燃比は、理論空燃比又はほぼ理論空燃比である。混合気の空燃比は、三元触媒511、513の浄化ウインドウに含まれればよい。尚、空燃比は、燃焼室17の全体における平均の空燃比である。エンジン1の運転状態が、領域A2内にある場合も、ECU10は、SI燃焼を行うようにエンジン1を制御する。尚、混合気の空燃比は、理論空燃比又はほぼ理論空燃比である。
エンジン1の運転状態が、領域A3内にある場合、ECU10は、SPCCI燃焼を行うようにエンジン1を制御する。尚、混合気の空燃比は、理論空燃比又はほぼ理論空燃比である。また、エンジン1の運転状態が領域A3内にある場合、過給機44はオフである。エンジン1の運転状態が、領域A4内にある場合、ECU10は、SPCCI燃焼を行うようにエンジン1を制御する。尚、混合気の空燃比は、理論空燃比又はほぼ理論空燃比である。また、エンジン1の運転状態が領域A4内にある場合、過給機44はオンである。
エンジン1の運転状態が、領域A5内にある場合、ECU10は、SPCCI燃焼を行うようにエンジン1を制御する。尚、混合気の空燃比は、理論空燃比よりもリーンである。燃焼室17の全体における平均の空燃比は、具体的には、30以上40以下である。エンジン1の運転状態が領域A5内にある場合、過給機44はオフである。また、エンジン1の運転状態が領域A5内にある場合、ECU10はまた、吸気弁21及び排気弁22が共に開弁するオーバーラップ期間を設ける。内部EGRガスが燃焼室17の中に導入される。これにより、燃焼室17の中の温度が高くなる。エンジン1の負荷が低い領域A5において、燃焼室17の中の温度が高いことによりSPCCI燃焼のCI燃焼が安定化する。尚、以下においては、領域A5を、SPCCIリーン領域A5と呼ぶ。
第2制御マップ502は、領域B1、領域B2、領域B3、及び、領域B4の四つの領域に分かれる。領域B1は、Naよりも回転数が低い領域であり、第1制御マップ501の領域A1に対応する。領域B2は、Nbよりも回転数が高い領域であり、第1制御マップ501の領域A2に対応する。領域A3は、回転数がNaからNbまでの領域のうち、負荷がLaよりも低い領域であり、第1制御マップ501の領域A3に対応する。領域B4は、回転数がNaからNbまでの領域のうち、負荷がLa以上の領域であり、第1制御マップ501の領域A4に対応する。第2制御マップ502は、第1制御マップ501の領域A5に対応する領域を有していない。温度が低いとリーンな混合気のSPCCI燃焼が不安定になるためである。
エンジン1の運転状態が、領域B1内にある場合、ECU10は、SI燃焼を行うようにエンジン1を制御する。尚、混合気の空燃比は、理論空燃比又はほぼ理論空燃比である。エンジン1の運転状態が、領域B2内にある場合も、ECU10は、SI燃焼を行うようにエンジン1を制御する。尚、混合気の空燃比は、理論空燃比又はほぼ理論空燃比である。エンジン1の運転状態が、領域B3内にある場合、ECU10は、SPCCI燃焼を行うようにエンジン1を制御する。尚、混合気の空燃比は、理論空燃比又はほぼ理論空燃比である。また、エンジン1の運転状態が領域B3内にある場合、過給機44はオフである。エンジン1の運転状態が、領域B4内にある場合、ECU10は、SPCCI燃焼を行うようにエンジン1を制御する。尚、混合気の空燃比は、理論空燃比又はほぼ理論空燃比である。また、エンジン1の運転状態が領域B4内にある場合、過給機44はオンである。
第3制御マップ503は、領域C1のみを有している。領域C1は、エンジン1の全運転領域に広がる。エンジン1の運転状態が、領域C1内にある場合、ECU10は、SI燃焼を行うように、エンジン1を制御する。尚、混合気の空燃比は、理論空燃比又はほぼ理論空燃比である。
(燃料のオクタン価による制御内容の差異)
エンジン1の制御装置は、燃焼室17に導入される燃料のオクタン価に応じてエンジン1の制御内容を変更している。具体的には、図6に示すように、エンジン1の制御装置は、燃料のオクタン価が所定オクタン価未満であるときの燃焼制御マップ(以下、低オクタン価マップ601)と、燃料のオクタン価が所定オクタン価以上であるときの燃焼制御マップ(以下、高オクタン価マップ602という)とを有している。低オクタン価マップ601及び高オクタン価マップ602は、いずれもメモリ102内に格納されている。所定オクタン価は、レギュラー燃料とハイオク燃料とが区別できるような値であって、例えば96に設定されている。以下の説明において、レギュラー燃料を低オクタン価燃料といい、ハイオク燃料を高オクタン価燃料ということがある。
図6に示すように、低オクタン価マップ601は、インジェクタ6による燃料噴射タイミングを示す第1噴射タイミングマップ601aと、スワールコントロール弁56の開度を示す第1SCV(Swirl Control Valve)マップ601bと、外部EGRシステム(特に、EGR弁54)の制御に用いられる第1外部EGRマップ601cと、内部EGRシステム(特に、吸気電動S−VT23及び排気電動S−VT24)の制御に用いられる第1内部EGRマップ601dとを含む。高オクタン価マップ602は、第2噴射タイミングマップ602aと、第2SCVマップ602bと、第2外部EGRマップ602cと、第2内部EGRマップ602dとを含む。ECU10は、例えば、燃料のオクタン価が所定オクタン価未満から所定オクタン価以上になったときには、低オクタン価マップ601に含まれるマップの全てを、高オクタン価マップ602に含まれる対応するマップに切り換える。
ECU10は、インジェクタ6からの燃料の噴射タイミングについては第1及び第2噴射タイミングマップ601a,602aに応じて制御する一方で、燃料の噴射量については、燃焼室17に導入される空気量に応じて制御する。
燃料のオクタン価については、例えば、自着火前の熱量の変化により判定することが可能である。すなわち、オクタン価が高い燃料ほど自着火しにくいため、燃料のオクタン価が所定オクタン価未満である場合は、燃料のオクタン価が所定オクタン価以上である場合と比較して、自着火前の熱量が小さくなる。この違いを利用することにより、燃料のオクタン価を判定することができる。筒内圧センサSW5は、このような熱量を精度高く検出できるので、動的な状態のオクタン価を精度高く判定できる。しかも、既存の装置を利用するので、新たに高価なセンサを設置する必要も無い。すなわち、このエンジン1では、筒内圧センサSW5がオクタン価検出手段を構成する。尚、自着火前の熱量はエンジン負荷によっても変化するため、実際には、エンジン負荷も考慮してオクタン価を判定することが好ましい。
前述の方法以外にも、例えば、燃料タンク63内に貯留された燃料のオクタン価を超音波センサ等からなるセンサにより検出することで、燃焼室17に導入される燃料のオクタン価を検出するようにしてもよい。
(EGRの制御)
本実施形態では、エンジン1の制御装置は、少なくともSPCCI燃焼を実行する運転領域、すなわち、エンジン1の半暖機状態であって、エンジン1の運転領域が領域B2,B4にあるときには、EGRガスを燃焼室17に導入する。これにより、ノッキングやプリイグニッション等の異常燃焼を抑制させて、燃焼安定性を向上させるようにしている。
図7は、エンジン負荷とEGR率との関係を示す。図7の上図は、燃焼室17内に導入する全ガス量に対する、外部EGRガス量と内部EGRガス量との和であるEGRガス量の割合である総EGR率の変化を示す。図7の中図は、全ガス量に対する外部EGRのガス量の割合である外部EGR率の変化を示す。図7の下図は、燃焼室17内に導入する全ガス量における内部EGRのガス量の割合である内部EGR率の変化を示す。外部EGR率及び内部EGR率は以下の式でそれぞれ表される。EGR率は、外部EGR率と内部EGR率との和とみなしてもよい。
(外部EGR率)=(外部EGRのガス量/全ガス量)
(内部EGR率)=(内部EGRのガス量/全ガス量)
外部EGR率及び内部EGR率を示すグラフにおいて、実線は低オクタン価燃料の場合を示し、一点鎖線は高オクタン価燃料の場合を示す。総EGR率に関しては、燃焼が低オクタン価燃料である場合と燃料が高オクタン価燃料である場合とで同じであるため、実線のみ示している。レギュラー燃料とハイオク燃料とで外部及び内部EGRが異なることについては後述する。尚、図7はエンジン1の回転数がNaからNbの領域にあるときの図である。
図7に示すように、エンジン負荷が一定負荷を超えると燃焼室17内にEGRガスが導入される。このEGRの目的は、燃焼室17内にEGRガスを導入することで、エンジン負荷が低い状態であるときに早期に燃焼室17内の温度を上昇させることにある。このため、エンジン負荷が低いときには、外部EGRガスよりも内部EGRガスの割合を高くして、高温の内部EGRガスを燃焼室17内に導入する。これにより。燃焼室17内の温度が早期に上昇するため、失火を抑制することができる。
図7に示すように、総EGR率は上昇した後、ほぼ一定の値を維持する。このとき、外部EGR率はエンジン負荷の上昇に伴い緩やかに上昇する。一方で、内部EGR率は、一度上昇した後、エンジン負荷の上昇とともに徐々に低下する。これは、エンジン負荷が高い状態で燃焼室17の温度が過剰に高くなることにより、プリイグニッションが発生するのを抑制するためである。つまり、外部EGR率を上昇させてEGRクーラー53によって冷却された外部EGRガスを燃焼室17内に導入することで、燃焼室17内を外部EGR率によって冷却する。また、同時に内部EGR率を低下することで、高温の内部EGRガスが燃焼室17内に導入されるのを抑制して、燃焼室17内の温度が上昇するのを抑制する。これにより、プリイグニッションを抑制することができる。
そして、エンジン1の運転状態が過給領域(領域B4)になると、図7に示すように、内部EGR率をさらに低下させて、最終的に内部EGR率を実質的に0にさせる。これは、内部EGRガスにより燃焼室17内の温度が過剰に上昇するのを抑制するためである。また、過給領域では、総EGR率はエンジン負荷の上昇に伴い減少していく。これは、過給により、燃焼室17に導入される全ガス量に対する新気の割合が高くなるためである。これにより、燃焼を安定させることができる。尚、「内部EGR率を実質的に0にする」とは、内部EGRガスが燃焼室17の温度に影響を与えない程度にまで内部EGR率を低下させることを表しており、内部EGR率を0にする場合を含んでいる。
このように、外部EGR率及び内部EGR率を調整することにより、ノッキングやプリイグニッションを抑制させて、燃焼安定性を向上させることができる。
ここで、低オクタン価燃料は、高オクタン価燃料に対して着火性が高い。このため、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料とで、EGRガスの制御を同じにしてしまうと、図8に示すように、低オクタン価燃料(破線)を燃料として用いた際に、自着火するタイミングが高オクタン価燃料(実線)よりも早くなってノッキング等の異常燃焼が生じるおそれがある。
そこで、本実施形態におけるECU10は、図7に示すように、燃料として低オクタン価燃料を用いるときには、高オクタン価燃料を用いるときと比較して、外部EGR率を高くするように、外部EGRシステムに制御信号を出力する。すなわち、燃料が低オクタン価燃料であるときには、高オクタン価燃料のときと比較して、燃焼室17内に導入する外部EGRガス量を多くする。これにより、燃焼室17内の温度を積極的に低下させることができる。特に、本実施形態では、EGR通路52にEGRクーラー53が設けられているため、燃焼室17には十分に冷却された外部EGRガスが導入される。この結果、図8に示すように、低オクタン価燃料のときの自着火のタイミングを、高オクタン価燃料のときの自着火のタイミングに近づけることができる。したがって、異常燃焼を抑制することができる。
ECU10は、EGR通路52のEGR弁54の開度を調整することで外部EGR率を調整する。すなわち、ECU10は、燃料として低オクタン価燃料を用いるときには、高オクタン価燃料を用いるときと比較して、EGR弁54の開度を大きくする。これにより、燃料として低オクタン価燃料を用いるときには、高オクタン価燃料を用いるときと比較して、外部EGR率を高くすることができる。尚、ECU10は、EGR弁54の上流側(排気通路50側)と下流側(吸気通路40側)との差圧と、EGR弁54の開度から外部EGR率を推定する。このため、ECU10は、EGR弁54の上流側と下流側との差圧に応じてEGR弁54の開度を適宜調整する。
また、本実施形態では、図7に示すように、ECU10は、燃料として低オクタン価燃料を用いるときには、高オクタン価燃料を用いるときと比較して、内部EGR率が低くなるように内部EGRシステムに制御信号を出力する。すなわち、内部EGRガスは、高温の既燃ガスを燃焼室17内に導入するため、基本的には、燃焼室17内の温度を上昇させる。そこで、内部EGR率を低くすれば、内部EGRガスによる燃焼室17の温度上昇が抑制される。この結果、低オクタン価燃料のときの自着火のタイミングを、高オクタン価燃料のときの自着火のタイミングに近づけることができる。したがって、異常燃焼をより効果的に抑制することができる。
ECU10は、吸気電動S−VT23及び排気電動S−VT24により、吸気弁21と排気弁22との両方が開弁するポジティブオーバーラップ期間を調整することで、内部EGR率を変更する。すなわち、図9に示すように、ECU10は、燃料として低オクタン価燃料を用いるときには、高オクタン価燃料を用いるときと比較して、ポジティブオーバーラップ期間を短くする。特に、本実施形態では、ECU10は、吸気電動S−VT23により吸気弁21の開弁タイミングを遅角させて、オーバーラップ期間を短くする。
吸気弁21の開弁タイミングが排気上死点よりも前であるときには、ピストン3の上昇に伴い既燃ガスが吸気ポート18に入り込む。これにより、ピストン3が下降したときには、吸気ポート18から新気と共に既燃ガスが燃焼室17に導入される(噴き戻される)。吸気弁21の開弁タイミングを遅角させると、吸気ポート18から噴き戻される既燃ガス(内部EGRガス)の量が減少するため、内部EGR率が低下する。
また、吸気弁21の開弁タイミングを排気上死点よりも後まで遅角した場合でも、吸気が燃焼室17に導入されるタイミングが変化することで、排気ポート20から燃焼室17に引き込まれる既燃ガスの量が変化する。このため、吸気弁21の開弁タイミングを遅角させることで、内部EGR率を低下させることができる。
吸気弁21の遅角範囲は、基本的には、排気上死点よりも前の範囲であることが好ましい。吸気弁21の開弁タイミングを排気上死点よりも前で調整した方が、内部EGR率を調整しやすいためである。
このように、ポジティブオーバーラップ期間を設けることで内部EGRガスを燃焼室17に導入すると、高温の既燃ガスは、一旦、吸気ポート19や排気ポート20に移動する。このため、ポジティブオーバーラップにより内部EGRガスを燃焼室17に導入する場合は、燃焼室17に高温の既燃ガスをそのまま閉じ込めるネガティブオーバーラップにより内部EGRガスを燃焼室17に導入する場合と比較して、燃焼室17の温度を低くすることができる。したがって、燃焼室17の温度を効果的に低下させることができ、異常燃焼を効果的に抑制することができる。
尚、排気電動S−VT24により排気弁22の閉弁タイミングを進角させることで、内部EGR率を低下させてもよい。また、吸気弁21の開弁タイミングを遅角させるとともに、排気弁22の閉弁タイミングを進角させて、内部EGR率を低下させてもよい。
前述したように、本実施形態において、総EGR率は、燃料が低オクタン価燃料の場合と燃料が高オクタン価燃料の場合とで同じである。つまり、本実施形態では、ECU10は、燃料のオクタン価に応じて外部EGR率及び内部EGR率を調整しつつ、総EGR率については、燃料のオクタン価にかかわらず同じになるように、外部EGRシステム及び内部EGRシステムに制御信号をそれぞれ出力する。これにより、燃焼室17に導入される新気の割合は、燃料のオクタン価に依存しない。このため、燃焼安定性を向上させることができる。
これら燃料のオクタン価に応じた外部EGR率及び内部EGR率の制御は、低オクタン価マップ601の第1外部EGRマップ601c及び第1内部EGRマップ601d、並びに、高オクタン価マップ602の第2外部EGRマップ602c及び第2内部EGRマップ602dにそれぞれ記憶されている。つまり、ECU10は、第1及び第2外部EGRマップ601c、602cに基づいて、EGR弁54の開度を調整する。ECU10は、第1及び第2内部EGRマップ601d、602dに基づいて、吸気電動S−VT23及び排気電動S−VT24を制御して、吸気弁21及び排気弁22のバルブタイミングをそれぞれ調整する。
ここで、前述したように、外部EGRガス率の調整は、外部EGRマップの選択により実行される。また、内部EGRガス率の調整は、内部EGRマップの選択により実行される。このため、低オクタン価マップ601が選択されたとしても、燃料のオクタン価が所定オクタン価に近いときと、所定オクタン価よりも十分に低いときとでは、自着火のタイミングが異なることがある。特に、燃料タンク63に高オクタン価燃料が残っている状態で、低オクタン価燃料を給油したときには、オクタン価が所定オクタン価に近くなる。このため、外部EGRガス率を調整することにより自着火のタイミングを調整したとしても、図8に一点鎖線で示すように、高オクタン価燃料の自着火のタイミングから僅かにずれる。
そこで、本実施形態では、燃料のオクタン価が所定オクタン価未満であって低オクタン価マップ601が選択されたときには、オクタン価に応じて点火プラグ25による点火タイミングを調整するようにしている。すなわち、エンジン1の制御装置は、低オクタン価マップ601が選択された状態で、自着火のタイミングが目標のタイミングからずれたときには、点火プラグ25による点火タイミングを変更する。これにより、低オクタン価燃料を使用したときの自着火のタイミングを高オクタン価燃料の自着火のタイミングに合わせることができる。この結果、異常燃焼をさらに効果的に抑制することができる。
尚、この点火プラグ25の点火タイミングの調整は、ECU10がエンジン1の燃焼制御マップとして高オクタン価マップ602を選択した場合でも実行される。すなわち、オクタン価が所定オクタン価以上であっても、ほぼ所定オクタン価と同じであるときには、自着火のタイミングが目標のタイミングよりも早く自着火する可能性がある。このため、高オクタン価マップ602を選択した場合であっても、オクタン価に応じて点火タイミングを調整することで、自着火のタイミングを目標のタイミングに近づけるようにしている。
次に、ECU10が実行するエンジン1の制御の処理動作について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、ステップS101において、ECU10は、各センサSW1〜SW11からの検出信号を読み込む。
次のステップS102では、ECU10はオクタン価の算出を行う。このステップS102では、例えば、自着火前の熱量の変化によりオクタン価を算出する。
続くステップS103では、ECU10は、前記ステップS102で算出したオクタン価が所定オクタン価未満であるか否かを判定する。オクタン価が所定オクタン価未満であるYESのときにはステップS104に進む一方で、オクタン価が所定オクタン価以上であるNOのときにはステップS106に進む。
前記ステップS104では、ECU10は、エンジン1の燃焼制御マップとして低オクタン価マップ601を選択する。
次のステップS105では、ECU10は、低オクタン価マップ601の第1外部EGRマップ601c及び第1内部EGRマップ601dに基づいて、外部EGR率を高オクタン価のときより高く、かつ、内部EGR率を高オクタン価のときより低くする。ステップS105の後は、ステップS108に進む。
前記ステップS103の判定がNOであるときに進むステップS106では、ECU10は、エンジン1の燃焼制御マップとして高オクタン価マップ602を選択する。
次のステップS107では、ECU10は、高オクタン価マップ602の第2外部EGRマップ602c及び第2内部EGRマップ602dに基づいて、外部EGR率を低オクタン価のときより低く、かつ、内部EGR率を低オクタン価のときより低くする。
ステップS108では、前記ステップS102で算出したオクタン価に応じて、点火プラグ25による点火タイミングを調整する。ステップS108の後は、リターンする。
したがって、本実施形態では、燃料のオクタン価を検出するオクタン価検出手段と、燃焼室17から排気通路50に配出された既燃ガスの一部を、EGR通路52を介して吸気通路40に還流することで、燃焼室17に外部EGRガスを導入するための外部EGRシステム(EGR通路52、EGRクーラー53、及びEGR弁54)と、外部EGRシステムに制御信号を出力するECU10とを備え、ECU10は、オクタン価検出手段により検出される燃料のオクタン価が所定オクタン価未満であるときには、該燃料のオクタン価が前記所定オクタン価以上であるときと比較して、燃焼室17に導入される全ガス量に対する外部EGRガス量の割合である外部EGR率が高くなるように、外部EGRシステムに制御信号を出力する。これにより、燃料のオクタン価が低いときには、燃焼室17内に導入されるガスの外部EGR率が上昇するため、該外部EGRガスにより燃焼室17内の温度を下げることができる。これにより、燃料のオクタン価が低くても、該燃料を含む混合気が圧縮着火しにくくなって、プリイグニッションやノッキングが抑制される。したがって、燃料のオクタン価の異なる燃料が供給されたとしても、異常燃焼を抑制することができる。
また、本実施形態では、燃焼室17に内部EGRガスを導入し、ECU10から制御信号が入力される内部EGRシステム(特に、吸気電動S−VT23及び排気電動S−VT24)を更に備え、ECU10は、オクタン価検出手段により検出される燃料のオクタン価が所定オクタン価未満であるときには、該燃料のオクタン価が前記所定オクタン価以上であるときと比較して、燃焼室17に導入される全ガス量に対する内部EGRガス量の割合である内部EGR率が低くなるように、内部EGRシステムに制御信号を出力する。これにより、燃料のオクタン価が低いときには、燃焼室17内に導入されるガスの内部EGR率が低下するため、内部EGRガスにより燃焼室17内の温度が上昇するのを抑制することができる。このため、燃焼室17内の温度をより効率的に下げることができる。この結果、異常燃焼をより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態において、ECU10は、燃焼室17に導入される全ガス量に対する総EGRガス量の割合である総EGR率については、オクタン価検出手段により検出される燃料のオクタン価にかかわらず同じになるように、外部EGRシステム及び内部EGRシステムに制御信号をそれぞれ出力する。これにより、燃焼室17に導入される新気の割合は、燃料のオクタン価に依存しないため、燃焼室17内の温度は外部EGR率及び内部EGR率に依存しやすくなる。このため、燃焼室17内の温度調整がより容易になる。この結果、異常燃焼を一層効果的に抑制することができる。
また、本実施形態において、ECU10は、吸気弁21と排気弁22との両方が開弁するオーバーラップ期間を調整することで、内部EGR率を変更するように、内部EGRシステムに制御信号を出力する。すなわち、吸気弁21及び排気弁22のオーバーラップ期間は、比較的応答性よく変更することが可能である。このため、内部EGR率を調整することによる燃焼室17の温度調整を応答性よく行うことができる。この結果、異常燃焼をより一層効果的に抑制することができる。
また、本実施形態において、ECU10は、少なくとも外部EGRシステムの制御に利用される燃焼制御マップを、燃料のオクタン価毎に分けて2つ有しており、さらにECU10は、オクタン価検出手段により検出される燃料のオクタン価が所定オクタン価未満であるときには、該燃料のオクタン価が所定オクタン価以上であるときとは別の燃焼制御マップ(低オクタン価マップ)に切り替える。これにより、燃料のオクタン価に応じて燃焼制御マップを切り替えるため、外部EGRシステムの制御を簡単に切り替えることができる。すなわち、燃料のオクタン価に応じた制御が容易になるため、異常燃焼をさらに効果的に抑制することができる。
〈その他の実施形態〉
ここに開示された技術は、前述の実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、前述の実施形態では、外部EGR率に加えて、内部EGR率についても燃料のオクタン価に応じて調整していた。これに限らず、内部EGR率は、燃料のオクタン価に関わらず同じ値にしてもよい。この場合、例えば、燃料のオクタン価毎の外部EGR率の差を大きくすることが好ましい。
また、前述の実施形態では、吸気弁21と排気弁22との両方が開弁するオーバーラップ期間を調整することで、内部EGR率を変更していた。これに限らず、例えば、排気弁22の2度開きにより内部EGRを燃焼室17に導入する場合には、排気弁22の2度目の開弁期間を調整することで内部EGR率を変更してもよい。
また、前述の実施形態では、ECU10のメモリ102には、燃料のオクタン価に応じた燃焼制御マップとして、低オクタン価マップ601と高オクタン価マップ602との2種類のマップが格納されていた。これに限らず、燃料のオクタン価に応じた燃焼制御マップとして、3種類以上のマップがメモリ102に格納されていてもよい。
また、オクタン価の検出は、前述の方法に限定されない。例えば、燃料供給システムに設置したセンサでオクタン価を検出する時などでは、検出値の逆数で判定してもよい。この場合、検出値が低い時にオクタン価が高いと判定し、検出値が高い時にオクタン価が低いと判定することになる。
前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示の範囲を限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
ここに開示された技術は、混合気の一部を点火によりSI燃焼させた後、残部の混合気を圧縮着火によりCI燃焼させるエンジンの制御装置として有用である。
1 エンジン
6 インジェクタ
10 ECU(制御部)
17 燃焼室
21 吸気弁
22 排気弁
23 吸気電動S−VT(内部EGRシステム)
24 排気電動S−VT(内部EGRシステム)
25 点火プラグ(点火装置)
40 吸気通路
50 排気通路
52 EGR通路(外部EGRシステム)
53 EGRクーラー(外部EGRシステム)
54 EGR弁(外部EGRシステム)
601 低オクタン価マップ(燃焼制御マップ)
602 高オクタン価マップ(燃焼制御マップ)
SW5 筒内圧センサ(オクタン価検出手段)

Claims (5)

  1. 燃焼室に燃料を供給するインジェクタと、前記燃焼室の中の混合気に点火する点火装置とを備え、混合気の一部を前記点火装置を用いた点火によりSI燃焼させた後、残部の混合気を圧縮着火によりCI燃焼させるエンジンの制御装置であって、
    前記燃料のオクタン価を検出するオクタン価検出手段と、
    前記燃焼室から排気通路に配出された既燃ガスの一部を、EGR通路を介して吸気通路に還流することで、前記燃焼室に外部EGRガスを導入するための外部EGRシステムと、
    前記外部EGRシステムに制御信号を出力する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記オクタン価検出手段により検出される燃料のオクタン価が所定オクタン価未満であるときには、該燃料のオクタン価が前記所定オクタン価以上であるときと比較して、前記燃焼室に導入される全ガス量に対する外部EGRガス量の割合である外部EGR率が高くなるように、前記外部EGRシステムに制御信号を出力することを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの制御装置において、
    前記燃焼室に内部EGRガスを導入し、前記制御部から制御信号が入力される内部EGRシステムを更に備え、
    前記制御部は、前記オクタン価検出手段により検出される燃料のオクタン価が所定オクタン価未満であるときには、該燃料のオクタン価が前記所定オクタン価以上であるときと比較して、前記燃焼室に導入される全ガス量に対する内部EGRガス量の割合である内部EGR率が低くなるように、前記内部EGRシステムに制御信号を出力することを特徴とするエンジンの制御装置。
  3. 請求項2に記載のエンジンの制御装置において、
    外部EGRガス量と内部EGRガス量との和を総EGRガス量として、
    前記制御部は、前記燃焼室に導入される全ガス量に対する総EGRガス量の割合である総EGR率については、前記オクタン価検出手段により検出される燃料のオクタン価にかかわらず同じになるように、前記外部EGRシステム及び前記内部EGRシステムに制御信号をそれぞれ出力することを特徴とするエンジンの制御装置。
  4. 請求項2又は3に記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御部は、吸気弁と排気弁との両方が開弁するポジティブオーバーラップ期間を調整することで、前記内部EGR率を変更するように、前記内部EGRシステムに制御信号を出力することを特徴とするエンジンの制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のエンジンの制御装置において、
    前記制御部は、少なくとも前記外部EGRシステムの制御に利用される燃焼制御マップを、燃料のオクタン価毎に分けて複数有しており、
    さらに前記制御部は、前記オクタン価検出手段により検出される燃料のオクタン価が所定オクタン価未満であるときには、該燃料のオクタン価が前記所定オクタン価以上であるときとは別の燃焼制御マップに切り替えることを特徴とするエンジンの制御装置。
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