JP2021088658A - ニトロセルロース安定化剤 - Google Patents

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孝之 大渕
加藤 裕三
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Abstract

【課題】NOxガスを捕捉して、ニトロセルロースを安定に貯蔵できるニトロセルロース安定化剤を提供する。【解決手段】本発明に係るニトロセルロース安定化剤は、細孔径が5nm以下の範囲内にlog微分細孔容積値のピークが存在し、細孔径が6〜8nmの範囲におけるlog微分細孔容積が0.3cm3/g以下である酸化マグネシウムからなる。【選択図】なし

Description

本発明は、ニトロセルロース安定化剤に関する。
硝酸エステル(例えば、ニトロセルロース)をエネルギー性物質として含有する組成物は、発射薬、推進薬、又はシートベルトプリテンショナー用若しくはエアバッグ用のガス発生剤として用いられている。こうした組成物には、熱的安定性を向上させるための安定化剤が含有されている(例えば、特許文献1参照)。
安定化剤としては、ジフェニルアミンやセントラリット、エチルセントラリット、アカルダイトII、2−ニトロジフェニルアミンが知られている。また、代表的な無機安定化剤として、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、および酸化マグネシウム等が知られている。
特開2010−89999号公報
しかしながら、従来の安定化剤には、毒性があり、変異原性や催奇形性の可能性もあるといわれており、人体への影響が懸念される。酸化マグネシウムについては、0.25%加えると安定度を改善できることのみ記載されているが、それ以外の記載はなく、具体的にどのような安定度に対してどのような効果があるか不明である。また、酸化マグネシウムは、NOxガスを捕捉する効果がないため、ニトロセルロースの分解に起因するNOxガスの発生を避けることができない。
本発明は、NOxガスを捕捉して、ニトロセルロースを安定に貯蔵できるニトロセルロース安定化剤を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、log微分細孔容積値のピークが所定の範囲内に存在し、細孔径が6〜8nmの範囲におけるlog微分細孔容積が所定の範囲にある新規な酸化マグネシウムが、NOxガスを捕捉する効果を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、細孔径が5nm以下の範囲内にlog微分細孔容積値のピークが存在し、細孔径が6〜8nmの範囲におけるlog微分細孔容積が0.3cm3/g以下である酸化マグネシウムからなるニトロセルロース安定化剤に関する。
本発明によれば、高比表面積であり、かつ、細孔径が5nmより小さい範囲の細孔容積が大きいために、NOxガスを捕捉して、ニトロセルロースを安定に貯蔵できるニトロセルロース安定化剤を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明のニトロセルロース安定化剤は、細孔径が5nm以下の範囲内にlog微分細孔容積のピークが存在し細孔径が6〜8nmの範囲におけるlog微分細孔容積が0.3cm3/g以下である酸化マグネシウムからなる。
本発明に用いられる酸化マグネシウム(以下、本発明の酸化マグネシウムとも称する)は、直径が5nm以下の細孔容積が大きく、細孔径が5nm以下の範囲内にlog微分細孔容積のピークが存在する。また、本発明の酸化マグネシウムは、細孔径が6〜8nmの範囲におけるlog微分細孔容積は0.3cm3/g以下となる。このlog微分細孔容積値は0.20cm3/g以下であることが好ましく、0.16cm3/g以下であることがより好ましく、0.14cm3/g以下であることがさらに好ましい。
本発明の酸化マグネシウムは、直径が5nm以下の細孔容積が大きいのに加えて、比表面積が大きい。本発明の酸化マグネシウムは、BET比表面積が160m2/g以上であることが好ましく、200m2/g以上であることがより好ましく、250m2/g以上であることが更に好ましい。
このような本発明の酸化マグネシウムは、高比表面積であり、かつ、細孔径が5nmより小さい範囲の細孔容積が大きいために反応活性が高く、NOxガスを良好に捕捉できることが本発明者らによって見出された。
本発明の酸化マグネシウムのlog微分細孔容積分布において、細孔径が1.2〜5nmの範囲内に存在するlog微分細孔容積値のピーク値(ピークにおけるlog微分細孔容積値)は0.2cm3/g以上であることが好ましく、0.3cm3/g以上であることがより好ましく、0.4cm3/g以上であることがさらに好ましい。こうしたピーク値が大きいほど、本発明の酸化マグネシウムの反応活性がより高くなる。
本発明の酸化マグネシウムの大きさや形状は特に限定されない。例えば球形や板状の粒子であってもよい。本発明の酸化マグネシウムの平均粒子径は、0.1〜30μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましく、1〜6μmであることが更に好ましい。
本発明の酸化マグネシウムの主成分である酸化マグネシウムの含有量は、1000℃で1時間加熱した後の強熱基準で80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましい。本発明の酸化マグネシウムには、Ca、Si,Fe,Al,B,Na,K,Cl,Sなどのその他の成分が含まれていてもよい。
本発明の酸化マグネシウムは高比表面積であり、かつ、5nm以下の細孔径が主であるために、水との反応活性が高い。したがって、水和速度温度上昇率(Δ℃/H)が高くなる。具体的には、水和速度温度上昇率が8.2℃/H以上となることが好ましく、10℃/H以上となることがより好ましく、12℃/H以上となることがさらに好ましい。
ここで、水和速度温度上昇率(Δ℃/H)は、水和による温度上昇のピーク温度(Δ℃)を、温度上昇のピークに達するまでの時間(H)にて除したものであり、水との反応性を示す指標である。水との反応性が高い酸化マグネシウムは、有機物等との反応性も高いと考えられる。
このようして求める水和速度温度上昇率(Δ℃/H)が高い酸化マグネシウムは、水等との反応活性が高いと言える。
本発明の酸化マグネシウムは、CAA40が8秒以下のものであることが好ましい。CAA(Citric Acid Activity)は酸化マグネシウムの活性度を示す指標である。本発明の酸化マグネシウムは活性度が高いため、CAA40が8秒以下となり得る。なお、CAA40の測定方法は後述する。
本発明の酸化マグネシウムは、原料のマグネシウム塩を焼成炉によって400〜750℃、滞留時間30分未満の条件で焼成して製造することができる。
マグネシウム塩としては、例えば水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム等を用いることができる。特に水酸化マグネシウムが好ましい。水酸化マグネシウムは、海水法によるもの、および天然に産出するブルーサイトを粉砕したもののいずれでも良いが、海水法によるものが特に好ましい。
焼成炉は、バッチ式および連続式のいずれでも良く、連続式の場合はロータリーキルンや気流式焼成炉が挙げられる。焼成炉は、雰囲気の影響を受けにくい外熱式による間接加熱が好ましいが、バーナー等による内熱式による加熱でも良い。
原料をロータリーキルン等の回転式焼成炉へ装入し、400〜750℃、好ましくは500〜750℃、より好ましくは550〜720℃の温度で30分未満、好ましくは20分以下、より好ましくは15分以下の間、焼成することで、酸化マグネシウム粉末を得ることができる。
こうして得られる本発明の酸化マグネシウムは高比表面積であり、かつ、細孔径が5nmより小さい範囲の細孔容積が大きいために反応活性が高いので、NOxガスを捕捉してニトロセルロース安定化剤として好ましく用いられる。
ニトロセルロース安定化剤としての性能は、例えば次のような手法により評価することができる。まず、ニトロセルロースに対し、本発明の酸化マグネシウムを2wt%程度添加して試料を調製する。得られた試料を恒温槽で120℃に加熱して、試料から発生するガスを、流通空気と共にサンプリングバッグに捕集する。捕集したガスに含まれるNOxガス濃度を、検知管により測定する。
NOxガス濃度が小さいほど酸化マグネシウムに捕捉されたNOxガスが多く、ニトロセルロース安定化剤として有効に用いることができる。
本発明の酸化マグネシウムは、ガス吸着材として用いることもできる。
ガス吸着材として用いる場合は、相対圧(P/P0)が0.2のときの水蒸気吸着量X0.2が40〜150cm3/g(好ましくは50〜120cm3/g)であり、相対圧(P/P0)が0.5のときの水蒸気吸着量X0.5が120〜350cm3/g(好ましくは150〜300cm3/g)であり、水蒸気吸着量X0.2に対する水蒸気吸着量X0.5の値の比が、X0.5/X0.2>1であることが好ましい。X0.5/X0.2は2以上であることがより好ましい。
0.5/X0.2の上限は特に限定されないが、7であってよい。
また、この場合、相対圧(P/P0)が0.2のときのNH3ガス吸着量Y0.2が8〜30cm3/g(好ましくは10〜20cm3/g)であり、相対圧(P/P0)が0.5のときのNH3ガス吸着量Y0.5が12〜40cm3/g(好ましくは13〜25cm3/g)であり、NH3ガス吸着量Y0.2に対するNH3ガス吸着量Y0.5の値の比が、Y0.5/Y0.2>1であることが好ましい。Y0.5/Y0.2は1.1以上であることがより好ましい。Y0.5/Y0.2の上限は特に限定されないが、3であってよい。
さらに、相対圧(P/P0)が0.2のときのCO2ガス吸着量Z0.2が7〜20cm3/g(好ましくは8〜18cm3/g)であり、相対圧(P/P0)が0.5のときのCO2ガス吸着量Z0.5が9〜25cm3/g(好ましくは10〜22cm3/g)であり、CO2ガス吸着量Z0.2に対するCO2ガス吸着量Z0.5の値の比が、Z0.5/Z0.2>1であることが好ましい。Z0.5/Z0.2は1.1以上であることがより好ましい。Z0.5/Z0.2の上限は特に限定されないが、2であってよい。
ここで、相対圧(P/P0)が0.2のときのガス吸着量はミクロポア(おおむね2nm未満)へのガス吸着量を示しており、相対圧(P/P0)が0.5のときのガス吸着量はメソポア(おおむね2〜100nm)への水蒸気またはガス吸着量を示していると考えられる。
本発明の酸化マグネシウムは、ミクロポアが多いため水蒸気またはガスが吸着しやすいと考えられる。
また、本発明の酸化マグネシウムは、破過試験によるH2Sガス吸着量が0.2〜0.5mmol/gであることが好ましく、0.2〜0.4mmol/gであることがより好ましい。
上述したように、本発明の酸化マグネシウムは、高比表面積であり、かつ、細孔径が5nmより小さい範囲の細孔容積が大きいために反応活性が高い。このため、ニトロセルロース安定化剤、ガス吸着剤に加えて、化学蓄熱材用途、電池材料、塗布絶縁膜、太陽電池、ゴム受酸剤、セラミックス、CMPなどの研磨剤、触媒などの用途においても、好ましく用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。
本実施例において、酸化マグネシウムの平均粒子径、BET比表面積、log微分細孔容積分布、水和速度温度上昇率、CAA40は、下記の方法により測定した。
[平均粒子径]
酸化マグネシウムをエタノール中に投入し、超音波ホモジナイザーにて分散した後、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EXII(マイクロトラック・ベル社製)」を用いて測定し、体積基準の平均粒子径を求めた。
[BET比表面積]
BET比表面積の測定は、Monosorb(カンタクローム・インスツルメンツ・ジャパン合同会社製)を用いて、200℃、20分の脱気処理を行った後、1点法により測定した。
[log微分細孔容積分布]
全自動ガス吸着量測定装置:AS−iQ(Quantchrome社製)を用いて窒素ガス吸着等温線を測定し、BJH法により求めた。
測定項目:任意測定点の吸着/脱着等温線
解析項目:BJH法による細孔径分布
なお、解析はBJH法(吸着側および脱離側、解析範囲:1nm〜100nm)で行った。
測定項目の任意測定点は以下の分圧にて測定した。
1.02213×10-7、2.57970×10-7、3.24912×10-7、3.67578×10-7、4.12821×10-7、4.65553×10-7、5.25408×10-7、1.03838×10-6、1.64760×10-6、2.22202×10-6、2.89937×10-6、3.50009×10-6、4.18252×10-6、4.93417×10-6、5.65123×10-6、6.87758×10-6、1.30327×10-5、2.23572×10-5、3.13641×10-5、4.18803×10-5、5.38074×10-5、6.10369×10-5、7.52325×10-5、8.31687×10-5、9.23874×10-5、2.01518×10-4、3.05410×10-4、3.97543×10-4、5.06311×10-4、6.01809×10-4、7.08444×10-4、8.14958×10-4、9.03575×10-4、1.00144×10-3、2.04972×10-3、3.07596×10-3、4.01258×10-3、5.04934×10-3、6.10794×10-3、7.03333×10-3、8.02909×10-3、9.06248×10-3、1.00041×10-2、2.07154×10-2、3.08986×10-2、3.84886×10-2、4.80765×10-2、5.85785×10-2、6.90262×10-2、7.95087×10-2、9.02526×10-2、1.00187×10-1、1.26056×10-1、1.51273×10-1、1.76193×10-1、2.01365×10-1、2.26596×10-1、2.51677×10-1、2.76928×10-1、3.02997×10-1、3.22333×10-1、3.53222×10-1、3.73536×10-1、3.97718×10-1、4.23577×10-1、4.49227×10-1、4.74735×10-1、5.00285×10-1、5.25471×10-1、5.50498×10-1、5.76202×10-1、6.00404×10-1、6.26250×10-1、6.50385×10-1、6.75494×10-1、7.00229×10-1、7.24646×10-1、7.49168×10-1、7.73251×10-1、8.02674×10-1、8.27003×10-1、8.51219×10-1、8.73078×10-1、9.00351×10-1、9.24474×10-1、9.50327×10-1、9.73776×10-1、9.92735×10-1、9.91251×10-1、9.77243×10-1、9.52937×10-1、9.25459×10-1、8.97978×10-1、8.72643×10-1、8.52292×10-1、8.25729×10-1、8.01937×10-1、7.76961×10-1、7.48109×10-1、7.27611×10-1、6.97427×10-1、6.76435×10-1、6.52645×10-1、6.21760×10-1、6.01646×10-1、5.77062×10-1、5.52170×10-1、5.26480×10-1、5.01432×10-1、4.75524×10-1、4.48023×10-1、4.26599×10-1、3.97186×10-1、3.76838×10-1、3.47107×10-1、3.26669×10-1、2.98075×10-1、2.72693×10-1、2.47886×10-1、2.23458×10-1、1.98617×10-1、1.73687×10-1、1.47246×10-1、1.22429×10-1、9.78258×10-2、7.35297×10-2、5.01216×10-2、2.45083×10-2
[水和速度温度上昇率]
まず、容積1000mLの円柱状デュワー瓶にイオン交換水(20℃)を400g収容し、温度センサーと撹拌機をセットする。そして、400rpmで撹拌しつつ、本発明の酸化マグネシウム(50g)を添加する。酸化マグネシウム懸濁液の温度を1分毎に測定して温度上昇のピーク温度と、測定開始温度(20℃)との差(Δ℃)を求める。さらに温度差(Δ℃)を測定開始から温度上昇のピークに達するまでの時間(ΔH)にて除することにより、水和速度温度上昇率(℃/H)を求める。
[CAA40]
200ccビーカーに、フェノールフタレイン指示薬1滴を含む100mLの0.4Nクエン酸を準備し、クールスターラー(SANSYOSAC−900)にセットして、溶液温度を30℃±0.5℃にした。その溶液に秤量した当該酸化マグネシウム粉末2gを1秒以内に添加し、同時にストップウォッチをスタートさせ、さらに同時にマグネティックスターラーを550rpmで回転させ溶液を撹拌した。撹拌を開始してから、測定溶液の色が無色から赤紫色へと変化した瞬間にストップウォッチを止め、その時間(秒)を測定した。測定は3回行い、その平均値を評価した。
[実施例1]
水酸化マグネシウム粉末(UD653、宇部マテリアルズ株式会社製)を、外熱式ロータリーキルンで700℃、滞留時間10分の条件で焼成して、実施例1の酸化マグネシウム粉末を得た。
得られた酸化マグネシウム粉末の強熱基準での含有量は98.5%、BET比表面積は232m2/g、log微分容積がピークとなる細孔径は3.70nm、ピークにおけるlog微分容積細孔容積(dV/dlogd)は0.637cm3/g、細孔径6〜8nmのlog微分容積細孔容積(dV/dlogd)の最大値は0.166cm3/g、水和速度温度上昇率は15.7℃/h、CAA40は5.33秒であった。その結果を表1に示す。
[実施例2]
水酸化マグネシウム粉末(UD653、宇部マテリアルズ株式会社製)を、外熱式ロータリーキルンで600℃、滞留時間10分の条件で焼成して、実施例2の酸化マグネシウム粉末を得た。
得られた酸化マグネシウム粉末の強熱基準での含有量は98.8%、BET比表面積は303m2/g、log微分容積がピークとなる細孔径は2.25nm、ピークにおけるlog微分容積細孔容積(dV/dlogd)は0.547cm3/g、細孔径6〜8nmのlog微分容積細孔容積(dV/dlogd)の最大値は0.091cm3/g、水和速度温度上昇率は15.9℃/h、CAA40は5.03秒であった。その結果を表1に示す。
[実施例3]
焼成温度を720℃に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例3の酸化マグネシウムを作製した。得られた酸化マグネシウム粉末の強熱基準での含有量は97.8%、BET比表面積は170m2/g、log微分容積がピークとなる細孔径は4.17nm、ピークにおけるlog微分容積細孔容積(dV/dlogd)は0.614cm3/g、細孔径6〜8nmのlog微分容積細孔容積(dV/dlogd)の最大値は0.218cm3/g水和速度温度上昇率は13.5℃/h、CAA40は6.00秒であった。
[比較例1]
水酸化マグネシウム粉末(UD650、宇部マテリアルズ株式会社製)を、外熱式ロータリーキルンで530℃、滞留時間30分の条件で焼成して、比較例1の酸化マグネシウム粉末を得た。
得られた酸化マグネシウム粉末の強熱基準での含有量は98.3%、BET比表面積は151m2/g、log微分容積がピークとなる細孔径は10.50nm、水和速度温度上昇率は8.0℃/h、CAA40は8.33秒であった。その結果を表1に示す。
[比較例2]
焼成温度を800℃に変更した以外は比較例1と同様にして、比較例2の酸化マグネシウムを得た。
得られた酸化マグネシウム粉末の強熱基準での含有量は97.8%、BET比表面積は48m2/g、log微分容積がピークとなる細孔径は15.97nm、水和速度温度上昇率は3.6℃/hであった。その結果を表1に示す。
Figure 2021088658
次に、上記の実施例1〜3および比較例1で得られた酸化マグネシウムからなるガス吸着材(酸化マグネシウムをガス吸着材とした)について、水蒸気、NH3ガスおよびCO2ガスの吸着量ならびにH2Sガス吸着量を下記の方法により測定した。
[水蒸気吸着量]
全自動ガス吸着量測定装置:AS−iQ(Quantchrome社製)を用いて、相対圧(P/P0)が0.2のときの水蒸気吸着量X0.2、相対圧(P/P0)が0.5のときの水蒸気吸着量X0.5を測定し、さらに水蒸気吸着量X0.2に対する水蒸気吸着量X0.5の値の比(X0.5/X0.2)を算出した。結果を表2に示す。
[NH3ガス吸着量]
全自動ガス吸着量測定装置:AS−iQ(Quantchrome社製)を用いて、相対圧(P/P0)が0.2のときのNH3ガス吸着量Y0.2、相対圧(P/P0)が0.5のときのNH3ガス吸着量Y0.5を測定し、さらにNH3ガス吸着量Y0.2に対するNH3ガス吸着量Y0.5の値の比(Y0.5/Y0.2)を算出した。結果を表2に示す。
[CO2ガス吸着量]
全自動ガス吸着量測定装置:AS−iQ(Quantchrome社製)を用いて、相対圧(P/P0)が0.2のときのCO2ガス吸着量Z0.2、相対圧(P/P0)が0.5のときのCO2ガス吸着量Z0.5を測定し、さらにCO2ガス吸着量Z0.2に対するCO2ガス吸着量Z0.5の値の比(Z0.5/Z0.2)を算出した。結果を表2に示す。
[H2Sガス吸着量]
試料粉末へのH2Sガス吸着量を破過試験により測定した。触媒分析装置(マイクロトラック・ベル(株)製BEL-CAT II)を用いて、測定温度70℃±2℃、ガス種および流量を2%H2S/H2バランスガス:30mL/minの条件で吸脱量測定を行った。赤外線吸収スペクトル法(測定ガス:H2S、セル長:5mセル、波数分解能:0.5cm-1、ガス流量:500mL/min(触媒装置30mL/min+IR装置470mL/min))によりH2Sガス濃度を測定した。ブランクの吸着面積と試料の吸着面積の差を試料重量で割り、吸着量を算出した。結果を表2に示す。
Figure 2021088658
以上説明した本発明の実施形態をまとめると、以下のとおりである。
<1>細孔径が5nm以下の範囲内にlog微分細孔容積値のピークが存在し、細孔径が6〜8nmの範囲におけるlog微分細孔容積が0.3cm3/g以下である酸化マグネシウム。
<2>BET比表面積が160m2/g以上である、上記<1>に記載の酸化マグネシウム。
<3>BET比表面積が200m2/g以上である、上記<1>または<2>に記載の酸化マグネシウム。
<4>BET比表面積が250m2/g以上である、上記<1>〜<3>のいずれかに記載の酸化マグネシウム。
<5>前記ピークにおけるlog微分細孔容積が0.2cm3/g以上である、上記<1>〜<4>のいずれかに記載の酸化マグネシウム。
<6>水和速度温度上昇率が8.2℃/H以上である、上記<1>〜<5>のいずれかに記載の酸化マグネシウム。
<7>CAA40が8秒以下である、上記<1>〜<6>のいずれかに記載の酸化マグネシウム。
<8>水酸化マグネシウムを焼成炉によって400〜750℃で30分未満、焼成し、上記<1>〜<7>のいずれかに記載の酸化マグネシウムを得る、酸化マグネシウムの製造方法。
<9>上記<1>〜<7>のいずれかに記載の酸化マグネシウムからなるガス吸着材。
<10>相対圧(P/P0)が0.2のときの水蒸気吸着量X0.2が40〜150cm3/gであり、相対圧(P/P0)が0.5のときの水蒸気吸着量X0.5が120〜350cm3/gであり、水蒸気吸着量X0.2に対する水蒸気吸着量X0.5の値の比が、X0.5/X0.2>1である、上記<9>に記載のガス吸着材。
<11>相対圧(P/P0)が0.2のときのNH3ガス吸着量Y0.2が8〜30cm3/gであり、相対圧(P/P0)が0.5のときのNH3ガス吸着量Y0.5が12〜40cm3/gであり、NH3ガス吸着量Y0.2に対するNH3ガス吸着量Y0.5の値の比が、Y0.5/Y0.2>1である、上記<9>に記載のガス吸着材。
<12>相対圧(P/P0)が0.2のときのCO2ガス吸着量Z0.2が7〜20cm3/gであり、相対圧(P/P0)が0.5のときのCO2ガス吸着量Z0.5が9〜25cm3/gであり、CO2ガス吸着量Z0.2に対するCO2ガス吸着量Z0.5の値の比が、Z0.5/Z0.2>1である、上記<9>に記載のガス吸着材。
<13>破過試験によるH2Sガス吸着量が0.2〜0.5mmol/gである、上記<9>に記載のガス吸着材。
本発明によれば、高比表面積であり、かつ、細孔径が5nmより小さい範囲の細孔容積が大きいために反応活性高く、化学蓄熱材、電池材料、塗布絶縁膜、太陽電池、ゴム受酸剤、セラミックス、吸着剤、CMPなどの研磨剤、触媒などの用途において好ましく用いることができる酸化マグネシウムを提供することができる。また、そのような酸化マグネシウムからなるガス吸着材を提供することができる。

Claims (8)

  1. 細孔径が5nm以下の範囲内にlog微分細孔容積値のピークが存在し、細孔径が6〜8nmの範囲におけるlog微分細孔容積が0.3cm3/g以下である酸化マグネシウムからなるニトロセルロース安定化剤。
  2. 前記酸化マグネシウムは、BET比表面積が160m2/g以上である、請求項1に記載のニトロセルロース安定化剤。
  3. 前記酸化マグネシウムは、BET比表面積が200m2/g以上である、請求項1または2に記載のニトロセルロース安定化剤。
  4. 前記酸化マグネシウムは、BET比表面積が250m/g以上である、請求項1〜3のいずれかに記載のニトロセルロース安定化剤。
  5. 前記酸化マグネシウムは、前記ピークにおけるlog微分細孔容積が0.2cm3/g以上である、請求項1〜4のいずれかに記載のニトロセルロース安定化剤。
  6. 前記酸化マグネシウムは、水和速度温度上昇率が8.2℃/H以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のニトロセルロース安定化剤。
  7. 前記酸化マグネシウムは、CAA40が8秒以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のニトロセルロース安定化剤。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のニトロセルロース安定化剤の製造方法であって、
    水酸化マグネシウムを焼成炉によって400〜750℃で30分未満焼成して、酸化マグネシウムを得る工程を含む、ニトロセルロース安定化剤の製造方法。

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