JP2021088627A - タイヤ用組成物及びタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】高速走行時の応答性を改善できるタイヤ用組成物及びこれを用いたタイヤを提供することを目的とする。【解決手段】エラストマー成分と、窒素吸着比表面積が170m2/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを含む、タイヤ用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用組成物及びタイヤに関する。
従来からタイヤには、種々の性能が求められているが、安全性の観点から、ウェットグリップ性能が重要視されている(例えば、特許文献1参照)。例えば、ウェットグリップ性能を改善するために、ジシクロペンタジエン樹脂を配合する試みが行われている。
特開2008−101127号公報
本発明者が鋭意検討した結果、樹脂、特に、ジシクロペンタジエン樹脂を配合した場合、組成物の弾性率が低下し、高速走行時の応答性が悪化することが判明した。このように、従来の技術では、高速走行時の応答性に改善の余地があることが本発明者によって明らかとなった。
本発明は、本発明者が見出した前記新たな課題を解決し、高速走行時の応答性を改善できるタイヤ用組成物及びこれを用いたタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、エラストマー成分と、窒素吸着比表面積が170m/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを含む、タイヤ用組成物に関する。
上記タイヤ用組成物は、シリカの配合量×シリカの窒素吸着比表面積が8500以上であることが好ましい。
上記タイヤ用組成物は、(ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び水添ジシクロペンタジエン系樹脂の合計配合量)/シリカの配合量が0.125以上であることが好ましい。
上記タイヤ用組成物は、メルカプト系シランカップリング剤を含むことが好ましい。
上記シリカの窒素吸着比表面積が200m/g以上であることが好ましく、210m/g以上であることがより好ましく、220m/g以上であることが更に好ましい。
上記タイヤ用組成物は、トレッド用であることが好ましい。
上記タイヤ用組成物は、乗用車用タイヤ用であることが好ましい。
本発明はまた、上記組成物を用いたタイヤ部材を有するタイヤに関する。
上記タイヤ部材がトレッドであることが好ましい。
本発明によれば、エラストマー成分と、窒素吸着比表面積が170m/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを含む、タイヤ用組成物であるので、高速走行時の応答性を改善できる。
本発明のタイヤ用組成物は、エラストマー成分と、窒素吸着比表面積が170m/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを含む。これにより、高速走行時の応答性(ハンドリング性能)が改善される。
上記タイヤ用組成物は前述の効果が得られるが、このような作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂を配合すると、組成物の粘度を上昇させる傾向があり、混練中のシリカへのせん断力がよく働き、本来難分散である微粒子シリカ(窒素吸着比表面積が170m/g以上のシリカ)の分散性を向上でき、高速走行時の応答性を相乗的に改善できる。
また、上記タイヤ用組成物は、エラストマー成分と、窒素吸着比表面積が170m/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを含むことにより、高速走行時の応答性、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性の総合性能が改善される。
このような作用効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推察される。
ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂と、微粒子シリカ(窒素吸着比表面積が170m/g以上のシリカ)を併用することにより、樹脂によるウェットグリップ性能向上に加えて、前記と同様に微粒子シリカの分散性が改善されることで、耐摩耗性や低燃費性を大きく損なうことなく優れたウェットグリップ性能が得られる。また、前記と同様に高速走行時の応答性を相乗的に改善できる。これらにより、高速走行時の応答性、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性の総合性能を相乗的に改善できる。
以下、上記タイヤ用組成物に使用可能な薬品について説明する。
エラストマー成分としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性エラストマー、ゴム成分等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ゴム成分が好ましい。
本明細書において、エラストマー成分とは、組成物の基材となる成分であり、弾性を有するポリマー成分を意味する。
ここで、エラストマー成分の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは5万以上、より好ましくは15万以上、更に好ましくは35万以上である。Mwの上限は特に限定されないが、好ましくは400万以下、より好ましくは300万以下である。
熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されず、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、スチレン単位(好ましくはスチレンブロック単位)を有する熱可塑性エラストマーであれば特に限定されないが、例えば、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBBS)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、SIS、SBS、SEBS、SBBSが好ましく、SIS、SEBSがより好ましく、SISが更に好ましい。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、カネカ(株)、クレイトンポリマー社、旭化成(株)等により製造・販売されている熱可塑性エラストマーを使用することができる。
ゴム成分としては、特に限定されず、例えば、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴム;ブチルアクリレートゴム、エチルアクリレートゴム、オクチルアクリレートゴム等のアクリルゴム;ニトリルゴム;イソブチレンゴム;シリコーンゴム(ミラブル型、室温加硫型);フッ素ゴム等が挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ジエン系ゴムが好ましく、イソプレン系ゴム、BR、SBRがより好ましく、BR、SBRが更に好ましい。
エラストマー成分100質量%中のゴム成分の含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
エラストマー成分100質量%中のジエン系ゴムの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合SBR(E−SBR)、溶液重合SBR(S−SBR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
SBRのスチレン量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、特に好ましくは25質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
SBRは、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよい。
変性SBRとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するSBRであればよく、例えば、SBRの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性SBR(末端に上記官能基を有する末端変性SBR)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性SBRや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性SBR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性SBR)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性SBR等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)、アミド基が好ましい。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用することができる。
エラストマー成分100質量%中のSBRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上であり、また、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
BRとしては、特に限定されず、例えば、高シス配合量のBR、1,2−シンジオタクチックポリブタジエン結晶(SPB)を含むBR、希土類元素系触媒を用いて合成されたBR(希土類系BR)等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、効果がより好適に得られるという理由から、希土類系BRが好ましい。
希土類系BRとしては、従来公知のものを使用でき、例えば、希土類元素系触媒(ランタン系列希土類元素化合物、有機アルミニウム化合物、アルミノキサン、ハロゲン含有化合物、必要に応じてルイス塩基を含む触媒)などを用いて合成したものが挙げられる。なかでも、ネオジム系触媒を用いて合成したNd系BRが好ましい。
BRのシス量は、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上である。上限は特に限定されず、100質量%であってもよいが、好ましくは98質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
BRのビニル量は、好ましくは1.8質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以下であり、下限は特に限定されない。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
BRは、非変性BR、変性BRのいずれでもよい。変性BRとしては、前述の官能基が導入された変性BRが挙げられる。好ましい態様は変性SBRの場合と同様である。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
エラストマー成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、好ましくは60質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、NRが好ましい。
エラストマー成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下である。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
また、シス量(シス−1,4−結合ブタジエン単位量)、ビニル量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定でき、スチレン量は、H−NMR測定によって測定できる。
上記組成物(好ましくはエラストマー組成物、より好ましくはゴム組成物)は、窒素吸着比表面積が170m/g以上のシリカ(微粒子シリカ)を含有する。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)等が挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
微粒子シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、170m/g以上、好ましくは180m/g以上、より好ましくは190m/g以上、更に好ましくは200m/g以上、特に好ましくは210m/g以上、最も好ましくは215m/g以上、より最も好ましくは220m/g以上、更に最も好ましくは225m/g以上、特に最も好ましくは230m/g以上である。また、上記NSAは、好ましくは600m/g以下、より好ましくは300m/g以下、更に好ましくは250m/g以下、特に好ましくは240m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、シリカのNSAは、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
上記微粒子シリカの含有量は、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは60質量部以上、特に好ましくは70質量部以上、最も好ましくは80質量部以上、より最も好ましくは90質量部以上であり、また、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは120質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
上記組成物は上記微粒子シリカ以外のシリカを配合してもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。微粒子シリカ以外のシリカのNSAは、好ましくは50m/g以上、より好ましくは120m/g以上であり、好ましくは160m/g以下、より好ましくは140m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
シリカ(上記微粒子シリカ、上記微粒子シリカ以外のシリカ)としては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
シリカ総量(質量部)、すなわち、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対するシリカの合計含有量は、好ましくは10質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは60質量部以上、特に好ましくは70質量部以上、最も好ましくは80質量部以上、より最も好ましくは90質量部以上であり、また、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは120質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
上記組成物において、充填剤(補強性充填剤)100質量%中のシリカの含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
上記組成物がシリカを含有する場合、更にシランカップリング剤を含有することが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。市販されているものとしては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、効果がより良好に得られる傾向がある点から、スルフィド系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤が好ましく、メルカプト系シランカップリング剤がより好ましい。
なお、メルカプト系シランカップリング剤としては、メルカプト基を有する化合物の他、保護基によってメルカプト基が保護された構造の化合物(例えば、下記式(III)で表される化合物)も使用可能である。
特に好適なメルカプト系シランカップリング剤として、下記式(I)で示される結合単位Aと下記式(II)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤、下記式(III)で表されるシランカップリング剤が挙げられる。なかでも、下記式(I)で示される結合単位Aと下記式(II)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤が好ましい。
以下において、下記式(I)で示される結合単位Aと下記式(II)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤について説明する。
Figure 2021088627
Figure 2021088627
(式中、xは0以上の整数、yは1以上の整数である。Rは水素、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基、又は該アルキル基の末端の水素が水酸基若しくはカルボキシル基で置換されたものを示す。Rは分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基、分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基、又は分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基を示す。RとRとで環構造を形成してもよい。)
式(I)で示される結合単位Aと式(II)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤において、結合単位Aの含有量は、好ましくは30モル%以上、より好ましくは50モル%以上であり、好ましくは99モル%以下、より好ましくは90モル%以下である。また、結合単位Bの含有量は、好ましくは1モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは10モル%以上であり、好ましくは70モル%以下、より好ましくは65モル%以下、更に好ましくは55モル%以下である。また、結合単位A及びBの合計含有量は、好ましくは95モル%以上、より好ましくは98モル%以上、特に好ましくは100モル%である。
なお、結合単位A、Bの含有量は、結合単位A、Bがシランカップリング剤の末端に位置する場合も含む量である。結合単位A、Bがシランカップリング剤の末端に位置する場合の形態は特に限定されず、結合単位A、Bを示す式(I)、(II)と対応するユニットを形成していればよい。
式(I)、(II)におけるRについて、ハロゲンとしては、塩素、臭素、フッ素等があげられる。分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキル基としては、メチル基、エチル基等があげられる。分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニル基としては、ビニル基、1−プロペニル基等があげられる。分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニル基としては、エチニル基、プロピニル基等があげられる。
式(I)、(II)におけるRについて、分岐若しくは非分岐の炭素数1〜30のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基等があげられる。分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルケニレン基としては、ビニレン基、1−プロペニレン基等があげられる。分岐若しくは非分岐の炭素数2〜30のアルキニレン基としては、エチニレン基、プロピニレン基等があげられる。
式(I)で示される結合単位Aと式(II)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤において、結合単位Aの繰り返し数(x)と結合単位Bの繰り返し数(y)の合計の繰り返し数(x+y)は、3〜300の範囲が好ましい。
上記式(I)で示される結合単位Aと上記式(II)で示される結合単位Bとを含むシランカップリング剤としては、例えば、モメンティブ社製のNXT−Z15、NXT−Z30、NXT−Z45、NXT−Z80などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
以下において、下記式(III)で表されるシランカップリング剤について説明する。
(C2p+1O)Si−C2q−S−CO−C2k+1 (III)
(式中、pは1〜3の整数、qは1〜5の整数、kは5〜12の整数である。)
pは1〜3の整数であるが、2が好ましい。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
qは1〜5の整数であるが、2〜4が好ましく、3がより好ましい。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
kは5〜12の整数であるが、5〜10が好ましく、6〜8がより好ましく、7が更に好ましい。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる傾向がある。
上記式(III)で表されるシランカップリング剤としては、例えば、モメンティブ社製のNXTなどがあげられる。上記式(III)で表されるシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂(DCPD−芳香族化合物共重合樹脂)及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂(水添DCPD系樹脂)を含有する。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂が好ましい。
本明細書において、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂とは、ジシクロペンタジエンとともに芳香族化合物を共重合して得られる樹脂(レジン)を意味する。なお、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂は水添されていてもよい。
なお、芳香族化合物とジシクロペンタジエンとの割合は、適宜設定することができるが、芳香度は、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上であり、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは12質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ここで、本明細書において、芳香度は、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂100質量%中の芳香族化合物由来単位の含有量を意味する。
ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは200以上、より好ましくは300以上、更に好ましくは500以上であり、好ましくは5000以下、より好ましくは3000以下、更に好ましくは2000以下、特に好ましくは1500以下、最も好ましくは1000以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記芳香族化合物としては、芳香環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール、不飽和炭化水素基含有フェノールなどのフェノール化合物;ナフトール、アルキルナフトール、アルコキシナフトール、不飽和炭化水素基含有ナフトールなどのナフトール化合物;スチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、不飽和炭化水素基含有スチレンなどのスチレン誘導体;クマロン、インデンなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、フェノール、スチレン誘導体が好ましく、スチレン誘導体がより好ましく、アルキルスチレンが更に好ましく、α−メチルスチレンが特に好ましい。
ここで、上記化合物中の、アルキル基やアルコキシ基の炭素数としては、1〜20が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜8が更に好ましく、1〜5が特に好ましく、1〜3が最も好ましい。また、上記化合物中の、不飽和炭化水素基の炭素数としては、2〜20が好ましく、2〜12がより好ましく、2〜5が更に好ましい。
なお、上記芳香族化合物は、芳香環上に置換基を1つ有していてもよいし、2つ以上有していてもよく、芳香環上の置換基が2つ以上の場合、それらの置換位置は、o位、m位、p位のいずれであってもよい。更に芳香環上に置換基を有するスチレン誘導体においては、該置換基の置換位置はスチレン由来のビニル基に対してo位であってもよいし、m位、又はp位であってもよい。
これら芳香族化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記アルキルフェノールの具体例としては、例えば、メチルフェノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、デシルフェノール、ジノニルフェノールなどが挙げられる。これらは、o位、m位、p位のいずれが置換されたものであってもよい。なかでも、t−ブチルフェノールが好ましく、p−t−ブチルフェノールがより好ましい。
上記アルキルナフトールの具体例としては、上記アルキルフェノールのフェノール部分をナフトールに置き換えた化合物が挙げられる。
上記アルキルスチレンの具体例としては、上記アルキルフェノールのフェノール部分をスチレンに置き換えた化合物が挙げられる。
上記アルコキシフェノールの具体例としては、上記アルキルフェノールのアルキル基を対応するアルコキシ基で置き換えた化合物が挙げられる。同様に、上記アルコキシナフトールの具体例としては、上記アルキルナフトールのアルキル基を対応するアルコキシ基で置き換えた化合物が挙げられる。また、上記アルコキシスチレンの具体例としては、上記アルキルスチレンのアルキル基を対応するアルコキシ基で置き換えた化合物が挙げられる。
上記不飽和炭化水素基含有フェノールとしては、1分子中に少なくとも1個のヒドロキシフェニル基を含み、かつフェニル基の水素原子のうちの少なくとも1個が不飽和炭化水素基で置換された化合物が挙げられる。当該不飽和炭化水素基における不飽和結合としては、二重結合、三重結合が挙げられる。
上記不飽和炭化水素基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられる。
上記不飽和炭化水素基含有フェノールの具体例としては、イソプロペニルフェノール、ブテニルフェノールなどが挙げられる。上記不飽和炭化水素基含有ナフトール、上記不飽和炭化水素基含有スチレンについても同様である。
本明細書において、水添ジシクロペンタジエン系樹脂とは、水素添加されたジシクロペンタジエン系樹脂(レジン)を意味する。
本明細書において、ジシクロペンタジエン系樹脂とは、樹脂の骨格(主鎖)を構成する主なモノマー成分として、ジシクロペンタジエンを含む樹脂(ただし、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂は除く)であり、樹脂100質量%中のジシクロペンタジエン由来単位の含有量が、50質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、特に好ましくは98質量%以上、最も好ましくは100質量%である。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる傾向がある。
ジシクロペンタジエン系樹脂としては、例えば、石油のC5留分から抽出されたシクロペンタジエンを二量体化したジシクロペンタジエンを主原料に製造された石油樹脂が挙げられる。
上記水素添加は、公知の方法により行うことができ、例えば、金属触媒による接触水素添加、ヒドラジンを用いる方法などをいずれも好適に使用することができる(特開昭59−161415号公報など)。例えば、金属触媒による接触水素添加は、有機溶媒中、金属触媒の存在下、水素を加圧添加することにより実施することができ、該有機溶媒としては、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール等をいずれも好適に使用することができる。これら有機溶媒は、1種単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、金属触媒としては、例えば、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、ニッケルなどをいずれも好適に使用することができる、これら金属触媒は1種単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。加圧する際の圧力としては、例えば、1〜300kg重/cmであることが好ましい。
水添ジシクロペンタジエン系樹脂において、二重結合の水素添加率(水添率)は、好ましくは20モル%以上、より好ましくは35モル%以上、更に好ましくは50モル%以上、特に好ましくは65モル%以上、最も好ましくは80モル%以上、より最も好ましくは90モル%以上、更に最も好ましくは100モル%である。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、水素添加率(水添率)は、H−NMRを測定して得られたスペクトルの二重結合部のスペクトル減少率から計算することができる。本明細書において、水素添加率(水添率)とは、二重結合の水素添加率を意味する。
ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂、水添ジシクロペンタジエン系樹脂の軟化点は、60〜200℃が好ましい。上限は160℃以下がより好ましく、150℃以下が更に好ましく、下限は80℃以上がより好ましく、90℃以上が更に好ましい。上記範囲内にすることで、前記効果がより好適に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂、水添ジシクロペンタジエン系樹脂としては、例えば、JXTGエネルギー社、丸善石油化学株式会社、Exxon Mobil社等の製品を使用できる。
本明細書において、上記樹脂における各構成単位の含有量は、H−NMR測定により算出される。
ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂、水添ジシクロペンタジエン系樹脂の含有量(ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂、水添ジシクロペンタジエン系樹脂の合計含有量)は、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは15質量部以上、特に好ましくは20質量部以上、最も好ましくは25質量部以上、より最も好ましくは30質量部以上、更に、最も好ましくは40質量部以上であり、また、好ましくは100質量部以下、より好ましくは80質量部以下、更に好ましくは70質量部以下、特に好ましくは60質量部以下、最も好ましくは50質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂、水添ジシクロペンタジエン系樹脂以外の樹脂を含有してもよい。
ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂、水添ジシクロペンタジエン系樹脂以外の樹脂としては、特に限定されないが、例えば、固体状のスチレン系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、アクリル系樹脂、非水添ジシクロペンタジエン系樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂、水添ジシクロペンタジエン系樹脂以外の樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXTGエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
上記組成物は、軟化剤を含んでもよい。これにより、効果がより良好に得られる傾向がある。軟化剤としては特に限定されないが、オイル、液状ジエン系重合体、エステル系可塑剤などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、オイルが好ましい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、効果が良好に得られるという理由から、プロセスオイルが好ましく、アロマ系プロセスオイルがより好ましい。
オイルとしては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
液状ジエン系重合体は、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。
液状ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは3.0×10以上、より好ましくは4.0×10以上であり、好ましくは1.0×10以下、より好ましくは1.5×10以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。
液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、効果がより好適に得られるという理由から、液状SBRが好ましい。
液状SBRのスチレン量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、好ましくは55質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより好適に得られる。
液状ジエン系重合体としては、例えば、サートマー社、(株)クラレ等の製品を使用できる。
エステル系可塑剤としては、前記植物油;グリセリン脂肪酸モノエステル、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリン脂肪酸トリエステル等の合成品や植物油の加工品;リン酸エステル(ホスフェート系、これらの混合物等);が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
軟化剤(好ましくはオイル)の含有量は、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは70質量部以下、より好ましくは50質量部以下、更に好ましくは30質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、カーボンブラックを含んでもよい。これにより、効果がより良好に得られる傾向がある。
カーボンブラックとしては、特に限定されず、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは30m/g以上、より好ましくは80m/g以上、更に好ましくは100m/g以上であり、また、好ましくは200m/g以下、より好ましくは150m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217−2:2001に準拠して測定される値である。
カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
カーボンブラックの含有量は、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、また、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、架橋剤(加硫剤)として硫黄を含有することが好ましい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
硫黄の含有量は、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、また、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、加硫促進剤を含有することが好ましい。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤及びグアニジン系加硫促進剤の併用がより好ましい。
加硫促進剤としては、例えば、川口化学(株)、大内新興化学(株)、ラインケミー社製等の製品を使用できる。
加硫促進剤の含有量は、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、ワックスを含んでもよい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、石油系ワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。
ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
ワックスの含有量は、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対して、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、老化防止剤を含んでもよい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましい。
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
老化防止剤の含有量は、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、ステアリン酸を含有してもよい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
ステアリン酸の含有量は、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物は、酸化亜鉛を含有してもよい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
酸化亜鉛の含有量は、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、また、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
上記組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤、例えば、有機過酸化物;水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、マイカなどの充填剤;等を更に配合してもよい。これらの添加剤の含有量は、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対して、0.1〜200質量部が好ましい。
上記組成物は、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を混練するベース練り工程では、混練温度は、通常100〜180℃、好ましくは120〜170℃である。加硫剤、加硫促進剤を混練する仕上げ練り工程では、混練温度は、通常120℃以下、好ましくは80〜110℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を混練した組成物は、通常、プレス加硫等の加硫処理が施される。加硫温度としては、通常130〜190℃、好ましくは150〜185℃である。加硫時間は、通常5〜30分である。
上記組成物は、例えば、トレッド(キャップトレッド)、サイドウォール、ベーストレッド、アンダートレッド、クリンチ、ビードエイペックス、ブレーカークッションゴム、カーカスコード被覆用ゴム、インスレーション、チェーファー、インナーライナー等や、ランフラットタイヤのサイド補強層などのタイヤ部材に(タイヤ用ゴム組成物として)用いることができる。なかでも、トレッド(キャップトレッド)に好適に用いられる。キャップトレッド及びベーストレッドで構成されるトレッドの場合、キャップトレッドに好適に使用可能である。
上記組成物において、シリカの配合量(質量部)×該シリカの窒素吸着比表面積(m/g)が8500以上であることが好ましい。下限は、より好ましくは10000以上、更に好ましくは12000以上、特に好ましくは15000以上、最も好ましくは20000以上、より、最も好ましくは23000以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは35000以下、より好ましくは32500以下、更に好ましくは30000以下、特に好ましくは27000以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ここで、シリカの配合量とは、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対するシリカの配合量を意味する。また、該シリカの窒素吸着比表面積も特に限定されない。すなわち、ここで言うシリカには、窒素吸着比表面積が170m/g以上のシリカだけではなく、窒素吸着比表面積が170m/g未満のシリカも含まれる。
なお、複数のシリカを配合している場合、例えば、窒素吸着比表面積が150m/gのシリカAを50質量部、窒素吸着比表面積が180m/gのシリカBを30質量部配合している場合は、「シリカの配合量×シリカの窒素吸着比表面積」=50×150+30×180=12900である。
また、上記パラメータは、シリカの配合量、シリカの窒素吸着比表面積を適宜調整することにより達成できる。
上記組成物において、(ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び水添ジシクロペンタジエン系樹脂の合計配合量(質量部))/シリカの配合量(質量部)が0.125以上であることが好ましい。下限は、より好ましくは0.150以上、更に好ましくは0.200以上、特に好ましくは0.250以上、最も好ましくは0.300以上、より最も好ましくは0.350以上、更に最も好ましくは0.400以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは0.600以下、より好ましくは0.500以下、更に好ましくは0.450以下、特に好ましくは0.420以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
ここで、シリカの配合量とは、複数のシリカを使用している場合は、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対するシリカの合計配合量を意味する。また、該シリカの窒素吸着比表面積も特に限定されない。すなわち、ここで言うシリカには、窒素吸着比表面積が170m/g以上のシリカだけではなく、窒素吸着比表面積が170m/g未満のシリカも含まれる。
また、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び水添ジシクロペンタジエン系樹脂の合計配合量(質量部)は、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対する上記樹脂の合計配合量を意味する。
また、上記パラメータは、上記樹脂の配合量、シリカの配合量を適宜調整することにより達成できる。
上記組成物は、エラストマー成分と、窒素吸着比表面積が170m/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを含むが、好ましくはエラストマー成分と、窒素吸着比表面積が180m/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを含み、より好ましくはエラストマー成分と、窒素吸着比表面積が200m/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを含み、更に好ましくはエラストマー成分と、窒素吸着比表面積が210m/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを含み、特に好ましくはエラストマー成分と、窒素吸着比表面積が220m/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを含み、最も好ましくはエラストマー成分と、窒素吸着比表面積が230m/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを含む。
上記各好ましい態様において、エラストマー成分として、BR及び/又はSBRを使用することが好ましく、BR及びSBRを使用することが好ましい。
上記組成物は、上記各好ましい態様において、エラストマー成分100質量%中のSBRの含有量が、40質量%以上、80質量%以下、エラストマー成分100質量%中のBRの含有量が、20質量%以上、60質量%以下であることが好ましい。
また、上記組成物は、上記各好ましい態様において、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂、水添ジシクロペンタジエン系樹脂の含有量(ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂、水添ジシクロペンタジエン系樹脂の合計含有量)は、エラストマー成分(好ましくはゴム成分)100質量部に対して、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは60質量部以下、特に好ましくは50質量部以下である。
また、上記組成物は、上記各好ましい態様において、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂を含有することが好ましい。
本発明のタイヤは、上記組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合した組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材(特に、トレッド(キャップトレッド))の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
なお、上記タイヤのトレッドは、少なくとも一部が上記組成物で構成されていればよく、全部が上記組成物で構成されていてもよい。
上記タイヤとしては、特に限定されず、例えば、空気入りタイヤ、ソリッドタイヤ、エアレスタイヤ等が挙げられる。なかでも、空気入りタイヤが好ましい。
上記タイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用、大型SUV用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ、スノータイヤ、スタッドタイヤ)、オールシーズンタイヤ、ランフラットタイヤ、航空機用タイヤ、鉱山用タイヤ等として好適に用いられる。上記タイヤは、特に、乗用車用タイヤとして好適に使用できる。ここで、乗用車とは、もっぱら人間の移動のために用いられる自動車のことである。自動車としては最もありふれた形式である。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
SBR:Versalis社製のEuroprene SOL R C2525(スチレン量:25質量%)
BR:ランクセス(株)製のCB24(Nd系触媒を用いて合成したBR、シス量:96質量%、ビニル量:0.7質量%、Mw:50万)
熱可塑性エラストマー1:クレイトンポリマー社製のD1161(SIS)
熱可塑性エラストマー2:旭化成(株)製のタフテックP2000(SEBS)
カーボンブラック:三菱化学製のN220(NSA:114m/g)
シリカ1:デグッサ社製の9100Gr(NSA:235m/g)
シリカ2:Rhodia社製のZEOSIL 1165MP(NSA:160m/g)
シリカ3:デグッサ社製のVN3(NSA:175m/g)
シリカ4:Rhodia社製のZeosil HRS 1200MP(NSA:200m/g)
シリカ5:Rhodia社製のZeosil Premium 200MP(NSA:220m/g)
シランカップリング剤1:モメンティブ社製 NXT−Z45(結合単位Aと結合単位Bとの共重合体(結合単位A:55モル%、結合単位B:45モル%))
シランカップリング剤2:モメンティブ社製のNXT(上記式(III)で表されるシランカップリング剤において、p=2、q=3、k=7の化合物)
レジン1(ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂):Exxon Mobil社製のOppera PR−383(芳香度:9.6質量%、軟化点:103℃、Mw:770)
レジン2(水添ジシクロペンタジエン系樹脂):JXTGエネルギー社製のT−REZ OP501(水添DCPD系樹脂、軟化点:140℃、ジシクロペンタジエン由来単位の含有量:100質量%)
レジン3(非水添ジシクロペンタジエン樹脂):東京化成工業(株)製のDCPD樹脂(製品コードDO443、非水添DCPD樹脂、軟化点:140℃、ジシクロペンタジエン由来単位の含有量:100質量%)
TDAEオイル:H&R社製のvivatec500(TDAE、Low Polycyclic Aroma Oil、アロマ系プロセスオイル)
ステアリン酸:日油(株)製 椿
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製 亜鉛華2種
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製 ノクラック6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD))
ワックス:大内新興化学工業(株)製 サンノックN
硫黄:鶴見化学工業(株)製 粉末硫黄
加硫促進剤NS:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド[TBBS])
加硫促進剤DPG:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(N,N’−ジフェニルグアニジン)
(実施例及び比較例)
表1に示す配合処方にしたがい、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を165℃で、4分間混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、80℃で、4分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に押出し成形し、タイヤ成形機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、150℃の条件下で10分間プレス加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:205/55R16)を得た。
得られた試験用タイヤを用いて以下の評価を行った。結果を表1に示す。
<低燃費性>
転がり抵抗試験機を用い、試験用タイヤを内圧(230kPa)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定し、比較例1を100とした時の指数で表示した。数値が大きいほど、低燃費性に優れることを示す。指数が95以上の場合に良好であると判断した。
<ウェットグリップ性能>
試験用タイヤを車輌(国産FF2000cc)の全輪に装着して、湿潤アスファルト路面にて初速度100km/hからの制動距離を求めた。結果は指数で表し、数字が大きいほどウェットグリップ性能が良好である。指数は次の式で求めた。
ウェットグリップ性能指数=(比較例1の制動距離)/(各実施例又は各比較例の制動距離)×100
<耐摩耗性>
試験用タイヤを車両に装着し、走行距離8000km後のトレッドの溝探さを測定した。そして、溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し、下記式により指数表示した。数値が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(各配合の溝深さが1mm減るときの走行距離)/(比較例1の溝深さが1mm減るときの走行距離)×100
<高速走行時の応答性>
路面温度が25℃のドライアスファルト路面のテストコースにて時速100kmで実車走行を行い、その際の応答性(微小操舵角変化に対する車両の応答性)をテストドライバーが比較例1の結果を100として官能評価した。なお、数値が大きいほど高速走行時の応答性が良好であることを示す。
Figure 2021088627
表1より、エラストマー成分と、窒素吸着比表面積が170m/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを含む実施例は、高速走行時の応答性を改善できることが分かった。
また、エラストマー成分と、窒素吸着比表面積が170m/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを含む実施例は、高速走行時の応答性、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性の総合性能(高速走行時の応答性、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性の4つの指数の総和で表す)が改善されることも分かった。
また、実施例1、比較例1〜3の比較、実施例2、比較例1〜3の比較により、窒素吸着比表面積が170m/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを併用することにより、高速走行時の応答性を相乗的に改善できること、高速走行時の応答性、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性の総合性能を相乗的に改善できることが分かった。

Claims (11)

  1. エラストマー成分と、窒素吸着比表面積が170m/g以上のシリカと、ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び/又は水添ジシクロペンタジエン系樹脂とを含む、タイヤ用組成物。
  2. シリカの配合量×シリカの窒素吸着比表面積が8500以上である請求項1記載のタイヤ用組成物。
  3. (ジシクロペンタジエン−芳香族化合物共重合樹脂及び水添ジシクロペンタジエン系樹脂の合計配合量)/シリカの配合量が0.125以上である請求項1又は2記載のタイヤ用組成物。
  4. メルカプト系シランカップリング剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用組成物。
  5. 前記シリカの窒素吸着比表面積が200m/g以上である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用組成物。
  6. 前記シリカの窒素吸着比表面積が210m/g以上である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用組成物。
  7. 前記シリカの窒素吸着比表面積が220m/g以上である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用組成物。
  8. トレッド用である請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用組成物。
  9. 乗用車用タイヤ用である請求項1〜8のいずれかに記載のタイヤ用組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の組成物を用いたタイヤ部材を有するタイヤ。
  11. 前記タイヤ部材がトレッドである請求項10記載のタイヤ。
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