JP2021085937A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】初期の画像濃度に優れ、かつ、連続印字後の画像濃度の安定性にも優れるトナーが得られる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。【解決手段】樹脂粒子及び着色剤粒子を水系媒体中で凝集及び融着させる工程を含み、前記樹脂粒子が、結晶性ポリエステル樹脂Cを含有し、前記着色剤粒子が、着色剤と、塩基性ポリマーAPとを含有し、前記着色剤がPigment Yellow 185であり、前記塩基性ポリマーBPが、アミノ基及びイミノ基の少なくとも1種の含窒素ユニットを有する重合体Pと、ポリエステル系樹脂Bとの複合物である、静電荷像現像用トナーの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
電子写真の分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応した静電荷像現像用トナーの開発が求められている。
高画質化に対応して、粒径分布が狭く、小粒径のトナーを得る方法として、微細な樹脂粒子等を水系媒体中で凝集、融着させてトナーを得る、凝集融着法(乳化凝集法、凝集合一法)による、所謂ケミカルトナーの製造が行われている。高速化に関しては、トナーには低温定着性が求められる。
また、近年ではトナーには高画質化に加え、高着色力が求められている。高着色力化の手段の1つとして、着色剤の添加量を上げることが知られているが、着色剤の添加量が多くなるにつれトナー中の着色剤の分散を保持することが困難になるという課題があった。
特許文献1には画像濃度を上げる手段として、着色剤を特定のスチレン系化合物由来の付加重合体で分散せしめた着色剤粒子とポリエステル樹脂粒子を乳化凝集法により作製するトナーについて提案されている。
また、特許文献2には、広範囲の樹脂との相溶性に優れ、かつ優れた顔料分散能を有する微粒子粉末分散性化合物を提供するとして、特定構造のポリアリルアミン誘導体が記載されている。
特許文献3には、重合体一次粒子、着色剤一次粒子及びワックス粒子を含む乳化分散液に電解質を添加して各粒子を凝集させる際に、重合体一次粒子に(メタ)アクリル酸のアミド、ヒドラジド、アミノアルキル化合物を含み正帯電化させ、ワックス粒子を負帯電性にすることで、トナーへのワックスの内包性を向上しフィルミング防止や、優れた定着性や光沢性を有するトナーを提案しうることが記載されている。
また、低温定着の手段の1つとして、特許文献4には結晶性ポリエステルを用いた技術が提案されている。すなわち、乳化凝集法トナーにおいて、水系媒体中で、長鎖脂肪族炭化水素基と塩基性窒素含有基とを有する化合物を、酸性基を有する非晶性樹脂と、結晶性樹脂と、共に用いることで、結晶性樹脂の分散性が向上し、低温定着性、耐熱保存性、及び帯電性に優れる静電荷像現像用トナーが得られうることが記載されている。
特開2019−139229号公報 特開平9−169821号公報 特開2002−229253号公報 特開2019−035824号公報
しかし、いずれも乳化凝集法のトナーにおいて高着色力を耐刷時に保持する点に関しては十分ではない。低温定着性のためには結晶性ポリエステルを添加することが広く知られているが、結晶性ポリエステルを含有するケミカルトナーでは混練工程のある粉砕トナーに比べて顔料分散が不十分となる傾向がある。特に高い彩度と着色力を持つ黄色顔料であるPigment Yellow 185はその鮮明な色相と着色力の高さから、トナーに使用されるニーズは高いものの、乳化凝集法による作製方法では、顔料の内包化が困難であり、初期の画像濃度の低下や、連続印字後の画像濃度の安定性が低下するといった課題があった。
本発明は、初期の画像濃度に優れ、かつ、連続印字後であっても画像濃度が維持され、画像濃度の安定性にも優れるトナーが得られる静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
本発明者等は、樹脂粒子と着色剤粒子とを、水系媒体中で凝集及び融着させる工程を有する静電荷像現像用トナーの製造方法において、着色剤がPigment Yellow 185である場合に、特定の塩基性ポリマーを含有する着色剤粒子を用いることにより、上記の課題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明は以下の<1>に関する。
<1> 樹脂粒子及び着色剤粒子を水系媒体中で凝集及び融着させる工程を含み、
前記樹脂粒子が、結晶性ポリエステル樹脂Cを含有し、
前記着色剤粒子が、着色剤と、塩基性ポリマーBPとを含有し、
前記着色剤がPigment Yellow 185であり、
前記塩基性ポリマーBPが、アミノ基及びイミノ基の少なくとも1種の含窒素ユニットを有する重合体Pと、ポリエステル系樹脂Bとの複合物である、
静電荷像現像用トナーの製造方法。
本発明によれば、初期の画像濃度に優れ、かつ、連続印字後であっても画像濃度が維持され、画像濃度の安定性にも優れるトナーが得られる静電荷像現像用トナーの製造方法が提供される。
なお、連続印字後であっても画像濃度が維持され、画像濃度が安定していることを、単に、「画像濃度安定性」ともいう。
[静電荷像現像用トナーの製造方法]
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう)の製造方法は、樹脂粒子及び着色剤粒子を水系媒体中で凝集及び融着させる工程を含み、前記樹脂粒子が、結晶性ポリエステル樹脂Cを含有し、前記着色剤粒子が、着色剤と、塩基性ポリマーBPとを含有し、前記着色剤がPigment Yellow 185であり、前記塩基性ポリマーBPが、アミノ基及びイミノ基の少なくとも1種の含窒素ユニットを有する重合体Pと、ポリエステル系樹脂Bとの複合物である。
本発明の製造方法により得られる静電荷像現像用トナーは、初期の画像濃度に優れ、かつ、連続印字後の画像濃度の安定性にも優れる。
本手法により初期の画像濃度の低下や、連続印字後の画像濃度の安定性が改善するメカニズムについて以下のように考えている。
結晶性ポリエステル樹脂はそのモノマー構造から炭素鎖長が長く、直鎖のモノマーユニットを用いていることから分子配向性が高く、また非晶性ポリエステルに比べSP値が低い。
一方で、Pigment Yellow 185は極性基を多く持ち、ポリエステルやワックスに比べ親水的な傾向がある。水系媒体中で作製する乳化凝集法において、結晶性ポリエステルを含有する樹脂粒子と着色剤粒子を凝集する場合、凝集粒子は形成できるものの、加熱して融着する際には、互いの親和性が低いため着色剤粒子は水系媒体側へ移行し、トナー表面に局在する傾向にあると想定される。融着後のトナーでは、トナー表面に顔料が移行して、表面に露出することで、トナー中の顔料分散性が不均一となり、初期の画像濃度の低下を引き起こすと考えらえる。また、顔料が露出したトナーでは比表面積が高くなり、外添剤の付着強度に偏りができることから、外添剤の埋込や遊離が生じ、粉体の流動性が変わることで、連続印刷した際にべたカスレが発生して、画像濃度安定性の低下が生じると推察される。
この課題に対し、含窒素ユニットを持つ重合体Pとポリエステル系樹脂Bとの複合物である塩基性ポリマーBPで着色剤を分散した場合、融着時の着色剤のトナー表面への移行及び露出が低減することを見出した。この原因は明らかではないが、Pigment Yellow 185のバルビツール酸部位やインドール環の置換基に存在するカルボニル基やアミノ基に対し、塩基性ポリマーBPの含窒素ユニットに含まれる1級から3級アミノ基やイミノ基が、前述の顔料の官能基と相互作用し、水素結合により着色剤を分散安定化すると推察される。また、塩基性ポリマーBPのポリエステル部位が結晶性ポリエステル側に配向することで、樹脂粒子と着色剤粒子の親和性が高まり、加熱、融着時においても、着色剤が水系媒体側に移動することなく、トナー中へ内包化されると考えられる。その結果、トナー中の着色剤の分散性が向上し、初期の画像濃度が高まると共に、表面露出が低減し、外添剤の付着強度が均一になることで、耐刷時の流動性が保持され、画像濃度安定性も改善すると考えられる。
本明細書における各種用語の定義等を以下に示す。
樹脂が結晶性であるか非晶性であるかについては、結晶性指数により判定される。結晶性指数は、後述する実施例に記載の測定方法における、樹脂の軟化点と吸熱の最大ピーク温度との比(軟化点(℃)/吸熱の最大ピーク温度(℃))で定義される。結晶性樹脂とは、結晶性指数が0.6以上1.4以下のものである。非晶性樹脂とは、結晶性指数が0.6未満又は1.4超のものである。結晶性指数は、原料モノマーの種類及びその比率、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができる。
明細書中、ポリエステル樹脂のカルボン酸成分には、その化合物のみならず、反応中に分解して酸を生成する無水物、及び各カルボン酸のアルキルエステル(アルキル基の炭素数1以上3以下)も含まれる。
「体積中位粒径(D50)」とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径である。
粒径分布の変動係数(以下、単に「CV値」ともいう)は、下記式で表される値である。下記式における体積平均粒径とは、体積基準で測定された粒径に、その粒径値を持つ粒子の割合を掛け、それにより得られた値を粒子数で除して得られる粒径である。
CV値(%)=[粒径分布の標準偏差(μm)/体積平均粒径(μm)]×100
本発明の一実施態様に係るトナーの製造方法は、例えば
樹脂粒子及び着色剤粒子を水系媒体中で凝集させて凝集粒子を得る工程(以下、工程1ともいう)、
前記凝集粒子を融着させて、トナー粒子を得る工程(以下、「工程2」ともいう)をこの順で有する。
なお、工程1の後、工程2の前に、工程1で得られた凝集粒子1に、非晶性ポリエステル樹脂A’を含む樹脂粒子Yを付着させて、凝集粒子2を得る工程(以下、「工程1’」)を有していてもよい。
以下、当該実施態様を例にとり、本発明について説明する。
<工程1>
工程1は、樹脂粒子及び着色剤粒子を水系媒体中で凝集させて凝集粒子を得る工程であり、樹脂粒子分散液及び着色剤粒子分散液を混合し、樹脂粒子及び着色剤粒子を凝集させて凝集粒子を得る工程であることが好ましい。
ここで、樹脂粒子分散液は、非晶性樹脂A及び結晶性ポリエステル樹脂Cを同一又は異なる樹脂粒子中に含む樹脂粒子Xを含有する樹脂粒子分散液であることが好ましい。
〔樹脂粒子分散液〕
工程1で使用する樹脂粒子分散液は、樹脂粒子Xを含有し、樹脂粒子Xは、優れた低温定着性を得るため、非晶性樹脂A及び結晶性ポリエステル樹脂Cを同一又は異なる樹脂粒子中に含むことが好ましく、得られるトナーの低温定着性をより向上し、非オフセット温度幅をより広げる観点から、好ましくは、非晶性樹脂A及び結晶性ポリエステル樹脂Cを同一樹脂粒子中に含む。
≪非晶性樹脂A≫
非晶性樹脂Aは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分の重縮合物である非晶性ポリエステル樹脂である。
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、変性されたポリエステル樹脂が挙げられる。変性されたポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂のウレタン変性物、ポリエステル樹脂のエポキシ変性物、ポリエステル樹脂セグメントとビニル系樹脂セグメントとを含む複合樹脂が挙げられる。これらの中でも、アルコール成分及びカルボン酸成分の重縮合物であるポリエステル樹脂セグメントと、スチレン系化合物を含む原料モノマーの付加重合物である付加重合樹脂セグメントとを含む、非晶性樹脂であることが好ましい。
アルコール成分としては、例えば、芳香族ジオールのアルキレンオキシド付加物、直鎖又は分岐の脂肪族ジオール、脂環式ジオール、3価以上の多価アルコールが挙げられる。これらの中でも、低温定着性に優れるトナーを得る観点から、芳香族ジオールのアルキレンオキシド付加物が好ましい。
芳香族ジオールのアルキレンオキシド付加物は、好ましくはビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物であり、より好ましくは式(I):
Figure 2021085937

(式中、OR及びROはオキシアルキレン基であり、R及びRはそれぞれ独立にエチレン基又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の値は、1以上、好ましくは1.5以上であり、16以下、好ましくは8以下、より好ましくは4以下である)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物である。
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物としては、例えば、ビスフェノールA〔2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〕のプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いてもよい。これらの中でも、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物が好ましい。
ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物の含有量は、アルコール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上であり、そして、100モル%以下であり、更に好ましくは100モル%である。
直鎖又は分岐の脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが挙げられる。
脂環式ジオールとしては、例えば、水素添加ビスフェノールA〔2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン〕、水素添加ビスフェノールAの炭素数2以上4以下のアルキレンオキシド付加物(平均付加モル数2以上12以下)が挙げられる。
3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールが挙げられる。
これらのアルコール成分は、1種又は2種上を用いてもよい。
カルボン酸成分としては、例えば、ジカルボン酸、3価以上の多価カルボン酸が挙げられる。
ジカルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸、直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸が挙げられる。これらの中でも、芳香族ジカルボン酸、及び、直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が挙げられる。これらの中でも、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましく、テレフタル酸がより好ましい。
芳香族ジカルボン酸の量は、カルボン酸成分中、好ましくは20モル%以上、より好ましくは30モル%以上、更に好ましくは40モル%以上、更に好ましくは50モル%以上であり、そして、好ましくは90モル%以下、より好ましくは85モル%以下、更に好ましくは80モル%以下である。
直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、そして、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。
直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アゼライン酸、炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基で置換されたコハク酸が挙げられる。炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基で置換されたコハク酸としては、例えば、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸が挙げられる。これらの中でも、フマル酸、セバシン酸、炭素数1以上20以下の脂肪族炭化水素基で置換されたコハク酸が好ましい。
直鎖又は分岐の脂肪族ジカルボン酸の量は、カルボン酸成分中、好ましくは1モル%以上、より好ましくは2モル%以上、更に好ましくは4モル%以上であり、そして、好ましくは80モル%以下、より好ましくは55モル%以下、更に好ましくは40モル%以下である。
3価以上の多価カルボン酸としては、好ましくは3価のカルボン酸であり、例えばトリメリット酸が挙げられる。好ましくはトリメリット酸又はその無水物である。
3価以上の多価カルボン酸を含む場合、3価以上の多価カルボン酸の量は、カルボン酸成分中、好ましくは3モル%以上、より好ましくは5モル%以上、更に好ましくは8モル%以上であり、そして、好ましくは30モル%以下、より好ましくは25モル%以下、更に好ましくは20モル%以下である。
これらのカルボン酸成分は、1種又は2種以上を用いてもよい。
アルコール成分の水酸基に対するカルボン酸成分のカルボキシ基の当量比〔COOH基/OH基〕は、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上であり、そして、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下である。
付加重合樹脂セグメントは、例えば、スチレン系化合物を含む原料モノマーの付加重合物である。
スチレン系化合物としては、例えば、無置換又は置換スチレンが挙げられる。スチレンに置換される置換基としては、例えば、炭素数1以上5以下のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、スルホン酸基又はその塩が挙げられる。
スチレン系化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、スチレンスルホン酸又はその塩が挙げられる。これらの中でも、スチレンが好ましい。
付加重合樹脂セグメントの原料モノマー中、スチレン系化合物の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは65質量%以上、更に好ましくは75質量%以上であり、そして、100質量%以下であり、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
スチレン系化合物以外の原料モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル;エチレン、プロピレン、ブタジエン等のオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のハロゲン化ビニリデン;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルがより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルにおけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは6以上であり、そして、好ましくは24以下、より好ましくは22以下、更に好ましくは20以下である。
(メタ)アクリル酸アルキルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸(イソ)プロピル、(メタ)アクリル酸(イソ又はターシャリー)ブチル、(メタ)アクリル酸(イソ)アミル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸(イソ)オクチル、(メタ)アクリル酸(イソ)デシル、(メタ)アクリル酸(イソ)ドデシル、(メタ)アクリル酸(イソ)パルミチル、(メタ)アクリル酸(イソ)ステアリル、(メタ)アクリル酸(イソ)ベヘニル等が挙げられ、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル又は(メタ)アクリル酸ステアリルが好ましく、(メタ)アクリル酸ステアリルがより好ましく、メタクリル酸ステアリルが更に好ましい。
なお、「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの接頭辞が存在する場合としない場合の双方を意味し、これらの接頭辞が存在しない場合には、ノルマルを示す。また、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸又はメタクリル酸を示す。
付加重合樹脂セグメントの原料モノマー中、(メタ)アクリル酸エステルの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
付加重合樹脂セグメントの原料モノマー中における、スチレン系化合物と(メタ)アクリル酸エステルとの総量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、更に好ましくは100質量%である。
非晶性樹脂Aは、好ましくは、ポリエステル樹脂セグメント及び付加重合樹脂セグメントと共有結合を介して結合した両反応性モノマー由来の構成単位を有する。
「両反応性モノマー由来の構成単位」とは、両反応性モノマーの官能基、付加重合性基が反応した単位を意味する。
付加重合性基としては、例えば、炭素−炭素不飽和結合(エチレン性不飽和結合)が挙げられる。
両反応性モノマーとしては、例えば、分子内に、水酸基、カルボキシ基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する付加重合性モノマーが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、水酸基及びカルボキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する付加重合性モノマーが好ましく、カルボキシ基を有する付加重合性モノマーがより好ましい。
カルボキシ基を有する付加重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸が挙げられる。これらの中でも、重縮合反応と付加重合反応の双方の反応性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
両反応性モノマーがカルボキシ基を有する付加重合性モノマーである場合、両反応性モノマー由来の構成単位の量は、非晶性樹脂Aのポリエステル樹脂セグメントのアルコール成分100モル部に対して、好ましくは1モル部以上、より好ましくは5モル部以上、更に好ましくは8モル部以上であり、そして、好ましくは30モル部以下、より好ましくは25モル部以下、更に好ましくは20モル部以下である。
前記非晶性樹脂Aは、ポリエステル樹脂セグメント及び付加重合樹脂セグメントに加え、更に、カルボキシ基及び水酸基の少なくともいずれかを有する炭化水素ワックス(W1)に由来する構成単位(炭化水素ワックスW1由来の構成単位)を更に含むことが好ましい。
炭化水素ワックスW1由来の構成単位は、例えば、水酸基又はカルボキシ基が反応し、ポリエステル樹脂セグメントと共有結合した炭化水素ワックスW1である。
炭化水素ワックスW1は、カルボキシ基及び水酸基の少なくともいずれかを有する。炭化水素ワックスW1は、水酸基、カルボキシ基のいずれか一方、又は両方を有していてもよいが、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは、水酸基及びカルボキシ基を有する。
炭化水素ワックスW1は、例えば、未変性の炭化水素ワックスを公知の方法で変性させて得られる。炭化水素ワックスW1の原料としては、例えば、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスが挙げられる。これらの中でも、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスが好ましい。
水酸基を有する炭化水素ワックスの市販品としては、例えば、「ユニリン700」、「ユニリン425」、「ユニリン550」(以上、ベーカー・ペトロライト社製)が挙げられる。
カルボキシ基を有する炭化水素ワックスとしては、例えば、酸変性炭化水素ワックスが挙げられる。
カルボキシ基を有する炭化水素ワックスの市販品としては、例えば、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレン共重合体「ハイワックス1105A」(三井化学株式会社製)が挙げられる。
水酸基及びカルボキシ基を有する炭化水素ワックスの市販品としては、例えば、「パラコール6420」、「パラコール6470」、「パラコール6490」(以上、日本精蝋株式会社製)が挙げられる。
炭化水素ワックスW1の水酸基価は、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは35mgKOH/g以上、より好ましくは50mgKOH/g以上、更に好ましくは70mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは180mgKOH/g以下、より好ましくは150mgKOH/g以下、更に好ましくは120mgKOH/g以下である。
炭化水素ワックスW1の酸価は、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上、更に好ましくは10mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは30mgKOH/g以下、より好ましくは25mgKOH/g以下、更に好ましくは20mgKOH/g以下である。
炭化水素ワックスW1の水酸基価と酸価との合計は、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは35mgKOH/g以上、より好ましくは40mgKOH/g以上、更に好ましくは60mgKOH/g以上、更に好ましくは80mgKOH/g以上、更に好ましくは90mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは210mgKOH/g以下、より好ましくは175mgKOH/g以下、更に好ましくは140mgKOH/g以下、更に好ましくは120mgKOH/g以下である。
炭化水素ワックスW1の数平均分子量は、印刷物の画像濃度を向上させる観点から、好ましくは500以上、より好ましくは600以上、更に好ましくは700以上であり、そして、好ましくは2000以下、より好ましくは1700以下、更に好ましくは1500以下である。
炭化水素ワックスW1の水酸基価、酸価の測定方法は、実施例に記載の方法による。また、炭化水素ワックスW1の数平均分子量は、溶媒としてクロロホルムを用いたゲル浸透クロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
非晶性樹脂A中のポリエステル樹脂セグメントの含有量は、ポリエステル樹脂セグメント、付加重合樹脂セグメント、及び両反応性モノマー由来の構成単位の合計量に対して、好ましくは35質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。
非晶性樹脂A中の付加重合樹脂セグメントの含有量は、ポリエステル樹脂セグメント、付加重合樹脂セグメント、及び両反応性モノマー由来の構成単位の合計量に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。
非晶性樹脂A中の両反応性モノマー由来の構成単位の量は、ポリエステル樹脂セグメント、付加重合樹脂セグメント、及び両反応性モノマー由来の構成単位の合計量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.8質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは4質量%以下である。
非晶性樹脂A中の炭化水素ワックスW1由来の構成単位の量は、ポリエステル樹脂セグメント、付加重合樹脂セグメント、及び両反応性モノマー由来の構成単位の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは8質量部以下、更に好ましくは6質量部以下である。
非晶性樹脂A中の、ポリエステル樹脂セグメントと付加重合樹脂セグメントと両反応性モノマー由来の構成単位と炭化水素ワックスW1由来の構成単位の総量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、そして、100質量%以下、そして、更に好ましくは100質量%である。
上記量は、ポリエステル樹脂セグメント、付加重合樹脂セグメントの原料モノマー、両反応性モノマー、ラジカル重合開始剤、炭化水素ワックスW1由来の構成単位の量の比率を基準に算出し、ポリエステル樹脂セグメント等における重縮合による脱水量は除く。なお、ラジカル重合開始剤を用いた場合、ラジカル重合開始剤の質量は、付加重合樹脂セグメントに含めて計算する。
非晶性樹脂Aは、例えば、アルコール成分及びカルボン酸成分による重縮合反応を行う工程Aと、必要に応じて、付加重合樹脂セグメントの原料モノマー及び両反応性モノマーによる付加重合反応を行う工程Bとを含む方法により製造してもよい。
非晶性樹脂Aが、更に炭化水素ワックスW1由来の構成単位を有する場合、上述の工程Aでは、例えば、水酸基及びカルボキシ基の少なくともいずれかを有する炭化水素ワックスW1の存在下、アルコール成分及びカルボン酸成分の重縮合反応を行う。
工程Aの後に工程Bを行ってもよいし、工程Bの後に工程Aを行ってもよく、工程Aと工程Bを同時に行ってもよい。
工程Aにおいて、カルボン酸成分の一部を重縮合反応に供し、次いで工程Bを実施した後に、カルボン酸成分の残部を重合系に添加し、工程Aの重縮合反応及び両反応性モノマー又は両反応性モノマーに由来する構成部位が有するカルボキシ基との重縮合反応を更に進める方法が好ましい。
工程Aでは、必要に応じて、ジ(2−エチルヘキサン酸)錫(II)、酸化ジブチル錫、チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)等のエステル化触媒をアルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対し0.01質量部以上5質量部以下;没食子酸(3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸と同じ)等のエステル化助触媒をアルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対し0.001質量部以上0.5質量部以下用いて重縮合してもよい。
また、重縮合にフマル酸等の不飽和結合を有するモノマーを使用する際には、必要に応じてアルコール成分とカルボン酸成分との総量100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上0.5質量部以下のラジカル重合禁止剤を用いてもよい。ラジカル重合禁止剤としては、例えば、4−tert−ブチルカテコールが挙げられる。
重縮合反応の温度は、好ましくは120℃以上、より好ましくは160℃以上、更に好ましくは180℃以上であり、そして、好ましくは250℃以下、より好ましくは240℃以下である。なお、重縮合は、不活性ガス雰囲気中にて行ってもよい。
工程Bの付加重合のラジカル重合開始剤としては、例えば、ジブチルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。
ラジカル重合開始剤の使用量は、付加重合樹脂セグメントの原料モノマー100質量部に対して、好ましくは1質量部以上20質量部以下である。
付加重合反応の温度は、好ましくは110℃以上、より好ましくは130℃以上であり、そして、好ましくは230℃以下、より好ましくは220℃以下、更に好ましくは210℃以下である。
(非晶性樹脂Aの物性)
非晶性樹脂Aの軟化点は、好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上、更に好ましくは100℃以上であり、そして、低温定着性をより向上させる観点から、好ましくは150℃以下、より好ましくは140℃以下、更に好ましくは125℃以下である。
非晶性樹脂Aのガラス転移温度は、好ましくは30℃以上、より好ましくは35℃以上、更に好ましくは40℃以上であり、そして、低温定着性をより向上させる観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは70℃以下、更に好ましくは60℃以下である。
非晶性樹脂Aの酸価は、好ましくは5mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上、更に好ましくは15mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは40mgKOH/g以下、より好ましくは35mgKOH/g以下、更に好ましくは30mgKOH/g以下である。
非晶性樹脂Aの軟化点、ガラス転移温度、及び酸価は、原料モノマーの種類及びその使用量、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができ、また、それらの値は、実施例に記載の方法により求められる。
なお、非晶性樹脂Aを2種以上組み合わせて使用する場合は、それらの混合物として得られた軟化点、ガラス転移温度及び酸価の値がそれぞれ前述の範囲内であることが好ましい。
非晶性樹脂Aの含有量は、樹脂粒子Xの樹脂成分の合計量に対して、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上であり、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、更に好ましくは75質量%以下である。
≪結晶性ポリエステル樹脂C≫
結晶性ポリエステル樹脂Cは、アルコール成分とカルボン酸成分との重縮合物である。
アルコール成分としては、α,ω−脂肪族ジオールが好ましい。
α,ω−脂肪族ジオールの炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは6以上であり、そして、好ましくは16以下、より好ましくは14以下、更に好ましくは12以下である。
α,ω−脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオールが挙げられる。これらの中でも、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが好ましく、1,10−デカンジオールがより好ましい。
α,ω−脂肪族ジオールの量は、アルコール成分中、好ましくは80モル%以上、より好ましくは85モル%以上、更に好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上であり、そして100モル%以下であり、更に好ましくは100モル%である。
アルコール成分は、α,ω−脂肪族ジオールとは異なる他のアルコール成分を含有していてもよい。他のアルコール成分としては、例えば、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール等のα,ω−脂肪族ジオール以外の脂肪族ジオール;ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。これらのアルコール成分は、1種又は2種以上を用いてもよい。
カルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、直鎖脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
脂肪族ジカルボン酸の炭素数は、好ましくは4以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上であり、そして、好ましくは14以下、より好ましくは12以下である。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸が挙げられる。これらの中でも、セバシン酸、ドデカン二酸が好ましく、セバシン酸がより好ましい。これらのカルボン酸成分は、1種又は2種以上を用いてもよい。
脂肪族ジカルボン酸の量は、カルボン酸成分中、好ましくは80モル%以上、より好ましくは85モル%以上、更に好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上であり、そして、100モル%以下であり、更に好ましくは100モル%である。
カルボン酸成分は、脂肪族ジカルボン酸とは異なる他のカルボン酸成分を含有していてもよい。他のカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;3価以上の多価カルボン酸が挙げられる。これらのカルボン酸成分は、1種又は2種以上を用いてもよい。
アルコール成分の水酸基に対するカルボン酸成分のカルボキシ基の当量比〔COOH基/OH基〕は、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上であり、そして、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下である。
結晶性ポリエステル樹脂Cの製造方法は、例えば、前述の非晶性樹脂Aの工程Aと同様の例が挙げられる。
(結晶性ポリエステル樹脂Cの物性)
結晶性ポリエステル樹脂Cの軟化点は、トナーの保存性の観点から、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、そして、低温定着性をより向上させる観点から、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは100℃以下である。
結晶性ポリエステル樹脂Cの融点は、トナーの保存性の観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは70℃以上であり、そして、低温定着性をより向上させる観点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下、更に好ましくは85℃以下である。
結晶性ポリエステル樹脂Cの酸価は、好ましくは5mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは35mgKOH/g以下、より好ましくは25mgKOH/g以下、更に好ましくは20mgKOH/g以下である。
結晶性ポリエステル樹脂Cの軟化点、融点、及び酸価は、原料モノマーの種類及びその使用量、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができ、後述の実施例に記載の方法により求められる。なお、結晶性ポリエステル樹脂Cを2種以上組み合わせて使用する場合は、それらの混合物として得られた軟化点、融点、及び酸価の値がそれぞれ前記範囲内であることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂Cの含有量は、樹脂粒子Xの樹脂成分の合計量に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、更に好ましくは25質量%以上であり、そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。
樹脂粒子Xにおける非晶性樹脂Aと結晶性ポリエステル樹脂Cとの質量比〔非晶性樹脂A/結晶性ポリエステル樹脂C〕は、好ましくは40/60以上、より好ましくは50/50以上、更に好ましくは60/40以上であり、そして、好ましくは95/5以下、より好ましくは90/10以下、更に好ましくは85/15以下、更に好ましくは80/20以下、更に好ましくは75/25以下である。
非晶性樹脂Aと結晶性ポリエステル樹脂Cとの合計量は、トナー中の樹脂成分の合計量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、そして、100質量%以下である。なお、後述する工程1’を有する場合には、樹脂粒子Xが含有する非晶性樹脂A及び結晶性樹脂C、並びに樹脂粒子Yが含有する非晶性樹脂Aの合計量が、トナー中の樹脂成分の合計量に対して、上記範囲であることが好ましい。
≪樹脂粒子分散液の調製≫
非晶性樹脂A及び結晶性ポリエステル樹脂Cを同一又は異なる樹脂粒子中に含む樹脂粒子Xを含有する樹脂粒子分散液の調製は、公知の方法を用いて行うことができるが、転相乳化法により分散することが好ましい。転相乳化法としては、例えば、樹脂の有機溶媒溶液又は溶融した樹脂に水系媒体を添加して転相乳化する方法が挙げられる。
転相乳化に用いる有機溶媒としては、樹脂を溶解すれば特に限定されないが、転相を容易にする観点から、例えば、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶媒;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等の酢酸エステル系溶媒が挙げられる。これらの中でも、水性媒体添加後の混合液からの除去が容易である観点から、ケトン系溶媒及び酢酸エステル系溶媒が好ましく、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピルがより好ましい。
有機溶媒溶液には、中和剤を添加することが好ましい。中和剤としては、例えば、塩基性物質が挙げられる。塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;アンモニア、トリメチルアミン、ジエタノールアミン等の含窒素塩基性物質が挙げられる。
樹脂粒子Xに含まれる樹脂の酸基に対する中和剤の使用当量(モル%)は、微細な樹脂粒子を得て、かつ、分散安定性を向上させる観点から、好ましくは10モル%以上、より好ましくは30モル%以上、更に好ましくは40モル%以上であり、そして、好ましくは90モル%以下、より好ましくは70モル%以下である。
なお、中和剤の使用当量(モル%)は、下記式によって求めることができる。中和剤の使用当量は、100モル%以下の場合、中和度と同義である。
中和剤の使用当量(モル%)=〔{中和剤の添加質量(g)/中和剤の当量}/[{樹脂粒子Xを構成する樹脂の加重平均酸価(mgKOH/g)×樹脂粒子Xを構成する樹脂の質量(g)}/(56×1000)]〕×100
有機溶媒溶液又は溶融した樹脂を撹拌しながら、水系媒体を徐々に添加して転相させる。
水系媒体を添加する際の有機溶媒溶液温度は、樹脂粒子Xの分散安定性を向上させる観点から、好ましくは樹脂粒子Xを構成する樹脂のガラス転移温度以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは60℃以上であり、そして、好ましくは85℃以下、より好ましくは80℃以下である。
非晶性樹脂A及び結晶性ポリエステル樹脂Cの含有量は、前述のとおりである。
転相乳化の後に、必要に応じて、得られた分散液から蒸留等により有機溶媒を除去してもよい。この場合、有機溶媒の残存量は、分散液中、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは実質的に0質量%である。
分散液中の樹脂粒子Xの体積中位粒径(D50)は、高画質の画像が得られるトナーを得る観点から、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.08μm以上、更に好ましくは0.12μm以上であり、そして、好ましくは0.8μm以下、より好ましくは0.4μm以下、更に好ましくは0.3μm以下である。
分散液中の樹脂粒子XのCV値は、高画質の画像が得られるトナーを得る観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、そして、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下、更に好ましくは30%以下である。
樹脂粒子の体積中位粒径(D50)、CV値は、後述の実施例に記載の方法で求められる。
なお、非晶性樹脂Aを含有する樹脂粒子Xa及び結晶性ポリエステル樹脂Cを含有する樹脂粒子Xcを混合して用いる場合、前述と同様の方法により、樹脂粒子Xa及びXcを得ることができる。
樹脂粒子Xa、樹脂粒子Xcの添加量は、前述の非晶性樹脂A及び結晶性ポリエステル樹脂Cの含有量となる量が好ましい。
〔着色剤粒子〕
着色剤粒子は、初期の画像濃度に優れ、かつ、連続印字後の画像濃度の安定性に優れたトナーを得る観点から、着色剤と、塩基性ポリマーBPとを着色剤粒子中に含む。
≪着色剤≫
本発明において、着色剤は、Pigment Yellow 185であり、下記の構造を有する。
Figure 2021085937
≪塩基性ポリマーBP≫
塩基性ポリマーBPは、初期の画像濃度に優れ、かつ、連続印字後の画像濃度の安定性にも優れるトナーを得る観点から、アミノ基及びイミノ基の少なくとも1種の含窒素ユニットを有する重合体Pと、ポリエステル系樹脂Bとの複合物である。
塩基性ポリマーBPは、
(i)アミノ基及びイミノ基の少なくとも1種の含窒素ユニットを有する重合体P(P−1)と、ポリエステル系樹脂Bとを縮合させて得られた複合物(BP−1)であるか、又は
(ii)アミノ基及びイミノ基の少なくとも1種の含窒素ユニットを有する付加重合性モノマーと、その他のモノマーとの付加重合物である、付加重合樹脂(P−2)に由来するセグメントと、ポリエステル系樹脂Bに由来するセグメントとを有する複合樹脂(BP−2)である。
なお、(i)の場合には、含窒素ユニットは、ポリアルキレンイミン及びポリアリルアミンに由来するにユニットであることが好ましく、(ii)の場合には、含窒素ユニットは、(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルに由来する構成単位を有するユニットであることが好ましい。
以下、それぞれについて説明する。
(i)アミノ基及びイミノ基の少なくとも1種の含窒素ユニットを有する重合体P(P−1)と、ポリエステル系樹脂Bとを縮合させて得られた複合物(BP−1)
上記(i)の場合、塩基性ポリマーBPは、ポリエステル系樹脂Bとアミノ基及びイミノ基の少なくとも1種の含窒素ユニットを有する重合体P(P−1)とを縮合させてなる複合物である。複合物BP−1中には、例えば、ポリエステル系樹脂Bと重合体P−1との反応物及び重合体P−1由来の副生成物、並びに未反応のポリエステル系樹脂B及び未反応の重合体P−1等が含まれる。そして、ポリエステル系樹脂Bと重合体P−1との反応物、及びポリエステル系樹脂Bと重合体P−1由来の副生成物との反応物が、複合物BP−1中で着色剤の分散剤として働くものと考えられる。
−重合体P−1−
上記(i)におけるアミノ基及びイミノ基の少なくとも1種の含窒素ユニットを有する重合体P(重合体P−1)は、好ましくはアミノ基(−NH、−NHR、−NRR’)を有する重合体である。ここで、R、R’は炭素数1以上5以下の炭化水素基を表す。重合体P−1は、後述するポリエステル系樹脂Bの酸基と縮合反応して、樹脂Bの分子骨格中に取り込まれうる化合物である。
重合体P−1は、アミノ基以外の官能基を含んでもよい。該官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、ホルミル基、アセタール基、オキシム基、チオール基が挙げられる。
重合体P−1の量は、初期画像濃度及び画像濃度安定性をより向上させる観点から、ポリエステル系樹脂B 100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上であり、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは6質量部以下、更に好ましくは4質量部以下である。
重合体P−1としては、ポリアルキレンイミン及びポリアリルアミンから選ばれる少なくとも1つであることが好ましく、ポリアルキレンイミンであることがより好ましい。
ポリアルキレンイミンは、好ましくはアルキレン基の炭素数が1以上5以下であるポリアルキレンイミン、より好ましくはアルキレン基の炭素数が2以上4以下であるポリアルキレンイミン、更に好ましくはポリエチレンイミン又はポリプロピレンイミン、更に好ましくはポリエチレンイミンである。
ポリアルキレンイミンの数平均分子量は、初期画像濃度及び画像濃度安定性をより向上させる観点から、好ましくは500以上、より好ましくは800以上、更に好ましくは1,000以上であり、そして、好ましくは10,000以下、より好ましくは5,000以下、更に好ましくは4,000以下である。
該数平均分子量の値は、実施例に記載の方法により求められる。
ポリアリルアミンとしては、アリルアミン、ジメチルアリルアミン等のアリルアミン化合物の単独重合体又は共重合体などのアミノ基を側鎖に有するポリマーが挙げられる。
ポリアリルアミンの重量平均分子量は、画像濃度及び彩度をより向上させる観点から、好ましくは800以上、より好ましくは1,000以上、更に好ましくは1,300以上であり、そして、好ましくは10,000以下、より好ましくは5,000以下、更に好ましくは4,000以下である。
該重量平均分子量の値は、実施例に記載の方法により求められる。
重合体P−1は1種又は2種以上を用いてもよい。
これらの中でも、初期画像濃度及び画像濃度安定性をより向上させる観点から、好ましくは、アルキレン基の炭素数が1以上5以下であるポリアルキレンイミン及びポリアリルアミンから選ばれる1種以上を含み、より好ましくは、アルキレン基の炭素数が1以上5以下であるポリアルキレンイミンを含み、更に好ましくはポリエチレンイミンを含む。
重合体P−1がアルキレン基の炭素数が1以上5以下であるポリアルキレンイミンを含む場合、重合体P−1中のアルキレン基の炭素数が1以上5以下であるポリアルキレンイミンの総量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、そして、100質量%以下、更に好ましくは100質量%である。
−ポリエステル系樹脂B−
ポリエステル系樹脂Bは、上記(i)の場合、重合体P−1との反応性の観点から、酸基を有することが好ましい。酸基としては、例えば、カルボキシ基、スルホ基が挙げられる。これらの中でも、カルボキシ基が好ましい。
更に、着色剤の分散性の観点から、ポリエステル系樹脂Bは、非晶性ポリエステル系樹脂であることが好ましい。
非晶性ポリエステル系樹脂Bとしては、例えば、非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。
前記非晶性ポリエステル樹脂は、アルコール成分(B−al)とカルボン酸成分(B−ac)との重縮合物である。以下、前記非晶性ポリエステル樹脂に含まれるアルコール成分(B−al)とカルボン酸成分(B−ac)について説明する。
アルコール成分(B−al)として、上述した非晶性樹脂Aにおいて記載した非晶性ポリエステル樹脂のアルコール成分が例示され、好ましい範囲も同様である。
カルボン酸成分(B−ac)としては、上述した非晶性樹脂Aにおいて記載した非晶性ポリエステル樹脂のカルボン酸成分が例示される。これらの中でも、芳香族ジカルボン酸化合物が好ましく、イソフタル酸、テレフタル酸がより好ましく、テレフタル酸が更に好ましい。芳香族ジカルボン酸化合物の量は、カルボン酸成分(B−ac)中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは60モル%以上、更に好ましくは70モル%以上、更に好ましくは80モル%以上であり、そして、100モル%以下であり、更に好ましくは100モル%である。
アルコール成分(B−al)のヒドロキシ基(OH基)に対するカルボン酸成分(B−ac)のカルボキシ基(COOH基)の当量比(COOH基/OH基)は、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上であり、そして、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.0以下である。
ポリエステル系樹脂Bの酸価は、着色剤との相互作用を高める観点、及び初期画像濃度及び画像濃度安定性をより向上させる観点から、好ましくは2mgKOH/g以上、より好ましくは3mgKOH/g以上、更に好ましくは5mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは40mgKOH/g以下、より好ましくは30mgKOH/g以下、更に好ましくは20mgKOH/g以下である。
ポリエステル系樹脂Bの重量平均分子量は、初期画像濃度及び画像濃度安定性をより向上させる観点から、好ましくは2,000以上、より好ましくは3,000以上、更に好ましくは4,000以上であり、そして、好ましくは100,000以下、より好ましくは50,000以下、更に好ましくは10,000以下である。
ポリエステル系樹脂Bは、上述した非晶性樹脂Aで述べたアルコール成分及びカルボン酸成分による重縮合を行う工程Aと同様の工程により製造できる。また、工程Aにおいて、非晶性樹脂Aと同様に、エステル化触媒及びエステル化助触媒を使用することが好ましい。
−複合物BP−1の製造−
複合物BP−1は、前述のとおり、ポリエステル系樹脂Bと重合体P−1とを縮合させて得られる。
塩基性ポリマーBP−1の製造方法は、例えば、
工程i:ポリエステル系樹脂Bと重合体P−1とを縮合させる工程、
を含む。
工程iにおける縮合時の温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは100℃以上、更に好ましくは130℃以上であり、そして、好ましくは235℃以下、より好ましくは200℃以下、更に好ましくは170℃以下である。
工程iでの重合体P−1配合量は、着色剤の分散性を向上させ、画像濃度及び彩度をより向上させる観点から、ポリエステル系樹脂B 100質量部に対して、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更に好ましくは0.5質量部以上であり、そして、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは6質量部以下、更に好ましくは4質量部以下である。
(ii)アミノ基及びイミノ基の少なくとも1種の含窒素ユニットを有する付加重合性モノマーと、その他のモノマーとの付加重合物である、付加重合樹脂(P−2)に由来するセグメントと、ポリエステル系樹脂Bに由来するセグメントとを有する複合樹脂(BP−2)
−重合体P−2−
上記(ii)における重合体P−2は、付加重合樹脂(P−2)であり、アミノ基及びイミノ基の少なくとも1種の含窒素ユニットを有する付加重合性モノマーと、その他のモノマーとの付加重合物である。塩基性ポリマーBP−2は、前記付加重合樹脂(P−2)に由来する付加重合樹脂セグメントとポリエステル系樹脂Bに由来するセグメントとを有する。
付加重合樹脂(P−2)は、イミノ基及びアミノ基の少なくとも1種の含窒素基を含有する付加重合モノマーと、その他のモノマーを含む原料モノマーとの付加重合物である。
イミノ基及びアミノ基の少なくとも1種の含窒素基を有する付加重合モノマーは、アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体(d−1)であることが好ましく、(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルであることがより好ましい。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体(d−1)としては、式(II):
Figure 2021085937

(式中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素数1以上4以下の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を示し、それらは互いに結合して環構造を形成していてもよく、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、炭素数2以上4以下の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、Yは−O−又は−NH−を示す)で表されるアミノ基を有するモノマー、又はこのモノマーの酸中和物(3級アミン塩)もしくは4級アンモニウム塩が好ましい。
上記の酸中和物を得るための好ましい酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、スルファミン酸、トルエンスルホン酸、乳酸、ピロリドン−2−カルボン酸、コハク酸等が挙げられる。上記第4級アンモニウム塩を得るための好ましい4級化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等の一般的なアルキル化剤が挙げられる。
式(II)において、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、NRは3級アミノ基が好ましい。R及びRの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられ、エチレン基が好ましい。
式(II)においてNRが3級アミノ基であるモノマー(3級アミノ基を有するモノマー)の具体例としては、ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」は、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステル、「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミドとメタクリルアミドの双方の場合を含むことを示す。
ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる1種以上等が挙げられる。
ジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリルアミドとしては、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドからなる群から選ばれる1種以上等が挙げられる。
これらの中で、初期画像濃度及び画像濃度安定性をより向上させる観点から、好ましくはアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、より好ましくはジアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、更に好ましくはジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、更に好ましくはジメチルアミノエチルメタクリレートである。
アミノ基を有するエチレン性不飽和単量体の含有量は、付加重合樹脂の原料モノマー中の好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
その他のモノマーとしては、スチレン系化合物が例示される。スチレン系化合物としては、例えば、無置換又は置換スチレンが挙げられる。スチレンに置換される置換基としては、例えば、炭素数1以上5以下のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、スルホン酸基又はその塩が挙げられる。
スチレン系化合物としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、スチレンスルホン酸又はその塩が挙げられる。これらの中でも、スチレンが好ましい。
付加重合樹脂セグメントの原料モノマー中、スチレン系化合物の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。
上記(ii)におけるポリエステル系樹脂Bは、上記(i)におけるポリエステル系樹脂Bと同様のポリエステル系樹脂が適用される。
なお、上記(ii)におけるポリエステル系樹脂Bは、後述する両反応性モノマーとの反応性の観点から、カルボキシ基及び水酸基の少なくとも1つを有することが好ましく、水酸基を有することがより好ましい。
塩基性ポリマーBP−2は、好ましくは、ポリエステル樹脂セグメント及び付加重合樹脂セグメントと共有結合を介して結合した両反応性モノマー由来の構成単位を有する。
「両反応性モノマー由来の構成単位」とは、両反応性モノマーの官能基、付加重合性基が反応した単位を意味する。
付加重合性基としては、例えば、炭素−炭素不飽和結合(エチレン性不飽和結合)が挙げられる。
両反応性モノマーとしては、例えば、分子内に、水酸基、カルボキシ基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する付加重合性モノマーが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点から、水酸基及びカルボキシ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する付加重合性モノマーが好ましく、カルボキシ基を有する付加重合性モノマーがより好ましい。
カルボキシ基を有する付加重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸が挙げられる。これらの中でも、重縮合反応と付加重合反応の双方の反応性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
両反応性モノマーがカルボキシ基を有する付加重合性モノマーである場合、両反応性モノマー由来の構成単位の量は、複合樹脂BP−2のポリエステル樹脂セグメントのアルコール成分100モル部に対して、好ましくは1モル部以上、より好ましくは2モル部以上、更に好ましくは3モル部以上であり、そして、好ましくは20モル部以下、より好ましくは15モル部以下、更に好ましくは10モル部以下である。
複合樹脂BP−2中のポリエステル樹脂セグメントの含有量は、ポリエステル樹脂セグメント、付加重合樹脂セグメント、及び両反応性モノマー由来の構成単位の合計量に対して、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、そして、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
複合樹脂BP−2中の付加重合樹脂セグメントの含有量は、ポリエステル樹脂セグメント、付加重合樹脂セグメント、及び両反応性モノマー由来の構成単位の合計量に対して、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
複合樹脂BP−2中の両反応性モノマー由来の構成単位の量は、ポリエステル樹脂セグメント、付加重合樹脂セグメント、及び両反応性モノマー由来の構成単位の合計量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.4質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
複合樹脂BP−2中の、ポリエステル樹脂セグメントと付加重合樹脂セグメントと両反応性モノマー由来の構成単位の総量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、そして、100質量%以下、そして、更に好ましくは100質量%である。
上記量は、ポリエステル樹脂セグメント、付加重合樹脂セグメントの原料モノマー、両反応性モノマー、及びラジカル重合開始剤の量の比率を基準に算出し、ポリエステル樹脂セグメント等における重縮合による脱水量は除く。なお、ラジカル重合開始剤を用いた場合、ラジカル重合開始剤の質量は、付加重合樹脂セグメントに含めて計算する。
−複合樹脂BP−2の製造−
複合樹脂BP−2は、例えば、非晶性樹脂Aにおいて上述した、アルコール成分及びカルボン酸成分による重縮合反応を行う工程Aと、必要に応じて、付加重合樹脂セグメントの原料モノマー及び両反応性モノマーによる付加重合反応を行う工程Bとを含む方法により製造してもよく、反応工程及び触媒、助触媒等は、非晶性樹脂Aで述べたとおりである。
(塩基性ポリマーBPの物性)
塩基性ポリマーBPの軟化点は、初期画像濃度及び画像濃度安定性をより向上させる観点から、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、更に好ましくは95℃以上であり、そして、好ましくは130℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは110℃以下である。
塩基性ポリマーBPのガラス転移温度は、画像濃度及び彩度をより向上させる観点から、好ましくは40℃以上、より好ましくは50℃以上、更に好ましくは55℃以上であり、そして、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下である。
塩基性ポリマーBPの軟化点、及びガラス転移温度は、原料の種類及びその比率、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができる。それらの値は、後述の実施例に記載の方法により求められる。なお、塩基性ポリマーを2種以上組み合わせて使用する場合は、それらの混合物として得られた物性の値がそれぞれ前記範囲内であることが好ましい。
着色剤粒子中、着色剤と塩基性ポリマーBPとの質量比(着色剤/塩基性ポリマーBP)は、初期画像濃度及び画像濃度安定性に優れるトナーを得る観点から、50/50以上であり、好ましくは60/40以上、より好ましくは70/30以上、更に好ましくは75/25以上であり、そして、95/5以下であり、好ましくは90/10以下、より好ましくは85/15以下である。
着色剤粒子には、上述した塩基性ポリマーに加えて、他の分散剤を添加してもよい。他の分散剤としては、芳香族基を有する付加重合性モノマーaを含む原料モノマーの付加重合体Eが例示される。
≪付加重合体E≫
付加重合体Eは芳香族基を有する付加重合性モノマーa(以下、単に「モノマーa」ともいう)を含む原料モノマーの付加重合体である。そして、付加重合体Eは芳香族基を有する付加重合性モノマーa由来の構成単位を主鎖に含むことが好ましい。
付加重合体Eの原料モノマーは、芳香族基を有する付加重合性モノマーaの他、好ましくはイオン性基を有する付加重合性モノマーb(以下、単に「モノマーb」ともいう)を含有する。
また、付加重合体Eの原料モノマーは、モノマーbに加えて、より好ましくは、ポリアルキレンオキシド基を有する付加重合性モノマーc(以下、単に「モノマーc」ともいう)又はマクロモノマーd(以下、単に「モノマーd」ともいう)から選ばれる少なくとも1種を更に含有する。
芳香族基を有する付加重合性モノマーaの分子量は、好ましくは1,000以下、より好ましくは800以下、更に好ましくは500以下、更に好ましくは300以下であり、そして、好ましくは80以上、より好ましくは90以上、更に好ましくは100以上である。
芳香族基を有する付加重合性モノマーaは、好ましくは非イオン性である。
芳香族基を有する付加重合性モノマーaとしては、例えば、スチレン系化合物a−1、芳香族基含有(メタ)アクリレートa−2が挙げられる。
スチレン系化合物a−1としては、例えば、置換又は無置換のスチレンが挙げられる。スチレンに置換される置換基としては、例えば、炭素数1以上5以下のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1以上5以下のアルコキシ基、スルホ基又はその塩が挙げられる。
スチレン系化合物a−1の分子量は、好ましくは1,000以下、より好ましくは800以下、更に好ましくは500以下、更に好ましくは300以下であり、そして、好ましくは80以上、より好ましくは90以上、更に好ましくは100以上である。
スチレン系化合物a−1としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、スチレンスルホン酸又はその塩が挙げられる。これらの中でも、スチレンが好ましい。
スチレン系化合物a−1の量は、耐ホットオフセット性及び画質をより向上させる観点から、付加重合体Eの原料モノマー中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、更に好ましくは35質量%以上であり、そして、好ましくは98質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは65質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
芳香族基含有(メタ)アクリレートa−2としては、例えば、(メタ)アクリル酸ベンジル、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
芳香族基含有(メタ)アクリレートa−2を使用する場合には、耐ホットオフセット性及び画質をより向上させる観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートa−2の含有量は、付加重合体Eの原料モノマー中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
芳香族基を有する付加重合性モノマーaの量は、画像濃度をより向上させる観点から、付加重合体Eの原料モノマー中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、更に好ましくは35質量%以上であり、そして、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、更に好ましくは65質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。
モノマーbにおける、イオン性基とは、水中でイオン解離する基を意味する。
イオン性基としては、例えば、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基、アミノ基、又はこれらの塩が挙げられる。
イオン性基としては、着色剤粒子の分散安定性を向上させる観点から、好ましくはアニオン性基である。アニオン性としては、酸性基又はこれらの塩が好ましく、カルボキシ基、スルホ基、又はこれらの塩がより好ましく、カルボキシ基、又はこれらの塩が更に好ましい。
カルボキシ基を有する付加重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸が挙げられる。
これらの中でも、アニオン性基を有する付加重合性モノマーが好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましく、メタクリル酸が更に好ましい。
モノマーbを含有する場合、モノマーbの量は、付加重合体Eの原料モノマー中、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
モノマーcのポリアルキレンオキシド基のアルキレンオキシドの平均付加モル数は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上であり、そして、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは10以下である。
モノマーcは、好ましくは非イオン性である。
モノマーcとしては、例えば、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;フェノキシ(エチレングリコール−プロピレングリコール共重合)(メタ)アクリレート等のアリールオキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
モノマーcを含有する場合、モノマーcの量は、付加重合体Eの原料モノマー中、好ましくは3質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
モノマーdは、例えば、片末端に付加重合性官能基を有するスチレン系化合物重合体(以下、「スチレン系マクロモノマー」ともいう)が挙げられる。付加重合性官能基としては、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリロイル基が好ましい。
モノマーdにおいて、スチレン系化合物としては、スチレンが好ましい。
モノマーdの数平均分子量は1,000以上10,000以下が好ましい。なお、数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミンを含有するクロロホルムを用いたゲル浸透クロマトグラフィー法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
スチレン系マクロモノマーの市販品としては、例えば、「AS−6」、「AS−6S」、「AN−6」、「AN−6S」、「HS−6」、「HS−6S」(以上、東亞合成株式会社製)等が挙げられる。
モノマーdを含有する場合、モノマーdの量は、付加重合体Eの原料モノマー中、好ましくは3質量%以上、より好ましくは6質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
更に、付加重合体Eの原料モノマーとしては、モノマーa〜d以外の付加重合性モノマー(その他のモノマー)を含有していてもよい。
その他のモノマーとしては、例えば、炭素数1以上22以下(好ましくは6以上18以下)のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
その他のモノマーを含有する場合、その他のモノマーの量は、付加重合体Eの原料モノマー中、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
付加重合体Eの重量平均分子量は、画像濃度をより向上させる観点から、好ましくは3,000以上、より好ましくは5,000以上、更に好ましくは20,000以上、更に好ましくは40,000以上、更に好ましくは48,000以上であり、そして、好ましくは200,000以下、より好ましくは90,000以下、更に好ましくは60,000以下、更に好ましくは53,000以下である。なお、重量平均分子量の測定は実施例に記載の方法により行うことができる。
付加重合体Eは、例えば、原料モノマーを公知の重合法により共重合させることによって製造できる。重合法としては、好ましくは、原料モノマーを溶媒中で重合開始剤や重合連鎖移動剤等と共に加熱して重合させる、溶液重合法である。
重合開始剤としては、例えば、ジブチルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。
重合開始剤の添加量は、原料モノマー100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上であり、そして、好ましくは30質量部以下である。
重合連鎖移動剤としては、例えば、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロピオン酸等のメルカプタン類が挙げられる。
重合連鎖移動剤の添加量は、原料モノマー100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下である。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したポリマーを単離及び精製してもよい。
着色剤粒子中、塩基性ポリマーBPに対する付加重合体Eの質量比(付加重合体E/塩基性ポリマーBP)は、初期の画像濃度に優れ、かつ、連続印字後の画像濃度の安定性に優れたトナーを得る観点から、好ましくは10/90以上、より好ましくは15/85以上であり、そして、好ましくは90/10以下、より好ましくは85/15以下、更に好ましくは60/40以下、更に好ましくは40/60以下、更に好ましくは30/70以下である。
なお、付加重合体Eを含有する場合、着色剤粒子中、着色剤と、塩基性ポリマーBP及び付加重合体Eの合計量との質量比(着色剤/(塩基性ポリマーBP+付加重合体E))は、初期画像濃度及び画像濃度安定性に優れるトナーを得る観点から、好ましくは50/50以上、より好ましくは60/40以上、更に好ましくは70/30以上であり、そして、95/5以下であり、好ましくは90/10以下、より好ましくは85/15以下である。
≪着色剤粒子分散液の製造方法≫
着色剤粒子は、例えば、着色剤と塩基性ポリマーBPとを混合して得られる。
着色剤粒子分散液の製造方法に特に制限はなく、公知の混練機、分散機等を用いて所望の体積中位粒径D50の着色剤粒子を得るよう制御できればよいが、好ましくは、着色剤と、塩基性ポリマーBPの分散液とをビーズミル、又は、ホモジナイザーにより混合して得られる。
着色剤粒子の製造方法は、好ましくは、
工程a:塩基性ポリマーBPと有機溶媒とを混合した後、必要に応じて中和剤を混合し、更に水系媒体を混合して、塩基性ポリマーBPの分散液を得る工程、及び
工程b:工程aで得られた分散液と着色剤とを分散処理して着色剤粒子の分散液(着色剤粒子分散液)を得る工程
を有する方法である。
有機溶媒が含まれることで、塩基性ポリマーBPが有機溶媒に溶解し、着色剤へ塩基性ポリマーBPが吸着しやすくなり、より着色剤の分散性を高めることができる。
また、工程bが、工程aで得られた分散液と着色剤とをビーズミル、又は、ホモジナイザーにより分散処理する工程であることが好ましい。
工程aにおいて、まず塩基性ポリマーBPと有機溶媒とを混合して、塩基性ポリマーBPを溶解することが好ましい。なお、付加重合体Eを使用する場合には、塩基性ポリマーBPと共に、有機溶媒と混合して溶解することが好ましい。
ここで使用する有機溶媒としては、例えば、炭素数1以上3以下のアルキルアルコール、総炭素数3以上5以下のジアルキルケトン、環状エーテルが挙げられる。これらの中でも、総炭素数3以上5以下のジアルキルケトンが好ましく、メチルエチルケトンがより好ましい。
中和剤としては、例えば、塩基性物質が挙げられる。塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;アンモニア、トリメチルアミン、ジエタノールアミン等の含窒素塩基性物質が挙げられる。
塩基性ポリマーBPの中和度は、好ましくは15モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは40モル%以上、更に好ましくは60モル%以上、更に好ましくは70モル%以上であり、そして、好ましくは100モル%以下、より好ましくは90モル%以下、更に好ましくは85モル%以下である。
なお、塩基性ポリマーの中和度は、下記式によって求めることができる。
中和度(モル%)=〔{中和剤の添加質量(g)/中和剤の当量}/[{塩基性ポリマーBPの加重平均酸価(mgKOH/g)×塩基性ポリマーBPの質量(g)}/(56×1000)]〕×100
工程aにおいて、混合に用いる装置としては、例えば、アンカー翼、ディスパー翼等を備えた混合撹拌装置が挙げられる。
混合時の温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上であり、そして、好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下、更に好ましくは25℃以下である。
混合時間は、好ましくは1分以上、より好ましくは3分以上、更に好ましくは5分以上であり、そして、好ましくは30時間以下、より好ましくは10時間以下、更に好ましくは5時間以下、更に好ましくは3時間以下、更に好ましくは1時間以下である。
工程bにおいて、着色剤と塩基性ポリマーBPの質量比〔着色剤/塩基性ポリマーBP〕は、前述のとおりである。
工程bでは、工程aで得られた分散液と着色剤であるPigment Yellow 185とを混合した後、分散処理することが好ましい。工程bでの混合に用いる装置としては、工程aにおいて混合に用いる装置と同様の装置が例示される。
工程bにおける混合時の温度は、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上であり、そして、好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下、更に好ましくは25℃以下である。
また、工程bにおける混合時間は、好ましくは1分以上、より好ましくは10分以上、更に好ましくは30分以上であり、そして、好ましくは30時間以下、より好ましくは10時間以下、更に好ましくは5時間以下、更に好ましくは3時間以下である。
工程bの分散処理で用いる装置としては、例えば、ロールミル、ニーダー等の混練機、マイクロフルイダイザー(Microfluidic社製)、スターバースト(株式会社スギノマシン製)等のホモジナイザー、ペイントシェーカー、ビーズミル等のメディア式分散機が挙げられる。これらの装置は、1種又は2種以上を用いてもよい。これらの中でも、顔料を小粒径化する観点から、ビーズミル、ホモジナイザーが好ましい。
ホモジナイザーを用いる場合、処理圧力は、好ましくは60MPa以上、より好ましくは100MPa以上、更に好ましくは130MPa以上であり、そして、好ましくは270MPa以下、より好ましくは200MPa以下、更に好ましくは180MPa以下である。
また、パス回数は、好ましくは5以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは12以上であり、そして、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。
得られた着色剤粒子分散液は、有機溶媒を除去することが好ましい。
また、着色剤粒子分散液は、金網等で濾過し、粗大粒子等を除去するのが好ましい。
また、有機溶媒、防腐剤、防黴剤等の各種添加剤を、着色剤粒子分散液に添加してもよい。
着色剤粒子分散液中、着色剤であるPigment Yellow 185の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。
着色剤粒子分散液の固形分濃度は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
着色剤粒子分散液中の着色剤粒子の体積中位粒径D50は、画像濃度を向上させる観点から、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.07μm以上、更に好ましくは0.08μm以上であり、そして、好ましくは0.4μm以下、より好ましくは0.3μm以下、更に好ましくは0.2μm以下である。
着色剤粒子のCV値は、画像濃度を向上させる観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上であり、そして、好ましくは45%以下、より好ましくは40%以下、更に好ましくは35%以下である。
着色剤粒子の体積中位粒径D50及びCV値は、実施例の方法によって測定される。
本発明において、トナー粒子中の着色剤の含有量は、優れた初期画像濃度を得る観点、並びに画像濃度安定性に優れたトナーを得る観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下、更に好ましくは9質量%以下である。
着色剤粒子の量は、樹脂粒子100質量部に対して、初期画像濃度及び画像濃度安定性をより向上させる観点から、好ましくは3質量部以上、より好ましくは6質量部以上、更に好ましくは10質量部以上であり、そして、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。
〔混合条件〕
工程1では、樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液とを混合し、凝集させて凝集粒子1を得る。
工程1において、必要に応じて、樹脂粒子X及び着色剤粒子と共に、離型剤粒子を凝集させることができる。
≪離型剤≫
工程1では、樹脂粒子X及び着色剤粒子と共に、離型剤を含む離型剤粒子を凝集させてもよい。
離型剤としては、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンポリエチレン共重合体ワックス;マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス等の炭化水素系ワックス又はそれらの酸化物;カルナウバワックス、モンタンワックス又はそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス;脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いてもよい。
離型剤の融点は、好ましくは60℃以上、より好ましくは70℃以上であり、そして、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下、更に好ましくは140℃以下である。
離型剤の含有量は、トナー中、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。
(離型剤粒子の分散液)
離型剤は、離型剤粒子の分散液として、樹脂粒子分散液及び着色剤粒子分散液と混合し、凝集させることで、凝集粒子に含有させることが好ましい。
離型剤粒子の分散液は、界面活性剤を用いて得ることも可能であるが、離型剤と後述する樹脂粒子Zとを混合して得ることが好ましい。離型剤と樹脂粒子Zを用いて離型剤粒子を調製することで、樹脂粒子Zにより離型剤粒子が安定化され、界面活性剤を使用しなくても離型剤を水系媒体中に分散させることが可能となる。離型剤粒子の分散液中では、離型剤粒子の表面に樹脂粒子Zが多数付着した構造を有していると考えられる。
離型剤を分散する樹脂粒子Zを構成する樹脂は、好ましくはポリエステル系樹脂であり、ポリエステル樹脂セグメントと付加重合樹脂セグメントを有する複合樹脂Dを用いることがより好ましい。
複合樹脂Dの軟化点は、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上、更に好ましくは90℃以上であり、そして、好ましくは140℃以下、より好ましくは125℃以下、更に好ましくは110℃以下である。
複合樹脂Dの酸価は、微細な樹脂粒子を得る観点及び微細な離形剤粒子分散液を得る観点から、好ましくは5mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上、更に好ましくは15mgKOH/g以上、更に好ましくは20mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは40mgKOH/g以下、より好ましくは35mgKOH/g以下、更に好ましくは30mgKOH/g以下である。
複合樹脂Dのその他の樹脂特性の好適範囲、樹脂を構成する原料モノマーの好適例等は、非晶性樹脂Aで示した例と同様である。樹脂粒子Zの分散液は、例えば、前述の転相乳化法により得ることができる。
樹脂粒子Zの体積中位粒径(D50)は、離型剤粒子の分散安定性の観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.03μm以上であり、そして、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。
樹脂粒子ZのCV値は、離型剤粒子の分散安定性の観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上であり、そして、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下、更に好ましくは30%以下である。
離型剤粒子分散液は、例えば、離型剤と樹脂粒子分散液と必要に応じて水系媒体とを、離型剤の融点以上の温度で、ホモジナイザー、高圧分散機、超音波分散機等の分散機を用いて分散することによって得られる。
分散時の加熱温度は、好ましくは離型剤の融点以上かつ80℃以上、より好ましくは85℃以上、更に好ましくは90℃以上であり、そして、好ましくは、樹脂粒子Zに含まれる樹脂の軟化点より10℃高い温度未満かつ100℃以下、より好ましくは98℃以下、更に好ましくは95℃以下である。
樹脂粒子Zの量は、離型剤100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上、更に好ましくは20質量部以上であり、そして、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは50質量部以下である。
離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は、凝集により均一な凝集粒子を得る観点から、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.2μm以上、更に好ましくは0.4μm以上であり、そして、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.8μm以下、更に好ましくは0.6μm以下である。
離型剤粒子のCV値は、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上であり、そして、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下、更に好ましくは30%以下である。
離型剤粒子の体積中位粒径(D50)及びCV値の測定方法は、実施例に記載の方法による。
凝集粒子1は、その他、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を含んでいてもよい。
≪界面活性剤≫
工程1では、少なくとも樹脂粒子分散液と着色剤粒子分散液とを混合した混合分散液を調製した後に樹脂粒子X及び着色剤粒子を凝集させることが好ましい。
混合分散液を調製する際、樹脂粒子X、着色剤粒子、並びに必要に応じて添加される離型剤粒子等の任意成分の分散安定性を向上させる観点から、界面活性剤の存在下で行ってもよい。界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル類等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、1種又は2種以上を用いてもよい。
界面活性剤を使用する場合、その使用量は、樹脂粒子X 100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。
前述の樹脂粒子Xの分散液、着色剤粒子分散液、及び任意成分の混合は、常法により行われる。当該混合により得られた混合分散液に、凝集を効率的に行う観点から、凝集剤を添加することが好ましい。
≪凝集剤≫
凝集剤としては、例えば、第四級塩のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン等の有機系凝集剤;硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等の無機金属塩;硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等の無機アンモニウム塩;2価以上の金属錯体等の無機系凝集剤が挙げられる。凝集性を向上させ均一な凝集粒子を得る観点から、1価以上5価以下の無機系凝集剤が好ましく、1価以上2価以下の無機金属塩、無機アンモニウム塩がより好ましく、硫酸アンモニウムが更に好ましい。凝集剤はそのまま添加してもよいが水系媒体へ溶解し水溶液として添加することが好ましい。また、凝集剤を水溶液として添加する場合、凝集剤水溶液のpHを調整してもよい。
凝集剤を用いて、例えば、0℃以上40℃以下の樹脂粒子X及び着色剤粒子を含む混合分散液に、樹脂粒子X 100質量部に対し5質量部以上50質量部以下の凝集剤を添加し、樹脂粒子X及び着色剤粒子を水系媒体中で凝集させて、凝集粒子1を得る。更に、凝集を促進させる観点から、凝集剤を添加した後に分散液の温度を上げることが好ましい。
<工程1’>
本発明において、凝集粒子1に非晶性樹脂A’を含む樹脂粒子Yを付着させて、凝集粒子2を得る工程(工程1’)を有していてもよい。
ここで、樹脂粒子Yは、非晶性ポリエステル系樹脂を含有することが好ましく、樹脂粒子Yに使用される非晶性ポリエステル系樹脂としては、前述した樹脂粒子Xにおける非晶性ポリエステル系樹脂が例示される。
なお、樹脂粒子Yに使用される非晶性ポリエステル系樹脂の軟化点は、好ましくは70℃以上、より好ましくは90℃以上、更に好ましくは100℃以上であり、そして、トナーの帯電安定性及び耐久性をより向上させる観点から、好ましくは140℃以下、より好ましくは130℃以下、更に好ましくは125℃以下である。
また、樹脂粒子Yに使用される非晶性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度は、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、更に好ましくは50℃以上であり、そして、トナーの帯電安定性及び耐久性をより向上させる観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは75℃以下、更に好ましくは70℃以下である。
樹脂粒子Yに使用される非晶性ポリエステル系樹脂の酸価は、トナーの帯電安定性及び耐久性をより向上させる観点から、好ましくは5mgKOH/g以上、より好ましくは10mgKOH/g以上、更に好ましくは15mgKOH/g以上であり、そして、好ましくは40mgKOH/g以下、より好ましくは35mgKOH/g以下、更に好ましくは30mgKOH/g以下である。
樹脂粒子Yに使用される非晶性ポリエステル系樹脂の軟化点、ガラス転移温度、及び酸価は、原料モノマーの種類及びその使用量、並びに反応温度、反応時間、冷却速度等の製造条件により適宜調整することができ、また、それらの値は、実施例に記載の方法により求められる。
なお、樹脂粒子Yに使用される非晶性ポリエステル系樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合は、それらの混合物として得られた軟化点、ガラス転移温度及び酸価の値がそれぞれ前述の範囲内であることが好ましい。
樹脂粒子Yは、例えば、前述の樹脂粒子Xと同様の方法により得られる。
工程1’を有する場合、非晶性樹脂A’と、非晶性樹脂A及び結晶性ポリエステル樹脂Cの合計量との質量比〔非晶性樹脂A’/非晶性樹脂A及び結晶性ポリエステル樹脂Cの合計量〕は、好ましくは3/97以上、より好ましくは5/95以上、更に好ましくは10/90以上であり、そして、好ましくは30/70以下、より好ましくは25/75以下、更に好ましくは20/80以下である。
トナー中の樹脂成分の合計量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上であり、そして、好ましくは96質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
トナーの製造方法が工程1のみを有する場合には凝集粒子1が、また、工程1’を有する場合には、工程1’において凝集粒子2が、トナー粒子として適度な粒径に成長したところで凝集を停止させてもよい。
凝集を停止させる方法としては、分散液を冷却する方法、凝集停止剤を添加する方法、分散液を希釈する方法等が挙げられる。不必要な凝集を確実に防止する観点からは、凝集停止剤を添加して凝集を停止させる方法が好ましい。
〔凝集停止剤〕
凝集停止剤としては、界面活性剤が好ましく、アニオン性界面活性剤がより好ましい。アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を用いてもよい。凝集停止剤は、水溶液で添加してもよい。
凝集停止剤の添加量は、不必要な凝集を確実に防止する観点から、樹脂粒子中の樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、そして、トナーへの残留を低減する観点から、好ましくは60質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。
凝集粒子の体積中位粒径D50は、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは4μm以上であり、そして、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下、更に好ましくは6μm以下である。凝集粒子の体積中位粒径D50は、後述の実施例に記載の方法で求められる。
<工程2>
工程2は、凝集粒子を融着させて、トナー粒子を得る工程である。工程2では、例えば、凝集粒子を水系媒体内で融着させる。
融着によって、凝集粒子に含まれる各粒子を融着し、融着粒子が得られる。
融着により得られた融着粒子の体積中位粒径D50は、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは4μm以上であり、そして、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下、更に好ましくは6μm以下である。
融着により得られる融着粒子の円形度は、好ましくは0.955以上、より好ましくは0.960以上であり、そして、好ましくは0.990以下、より好ましくは0.985以下、更に好ましくは0.980以下である。
融着は、上記好ましい円形度に達した後に終了することが好ましい。
円形度は、実施例に記載の方法により測定される。
工程2の後に融着粒子を単離することによってトナー粒子が得られる。工程2で得られた融着粒子は、水系媒体中に存在するため、まず、固液分離を行うことが好ましい。固液分離には、吸引濾過法等が好ましく用いられる。
固液分離後に洗浄を行うことが好ましい。このとき、添加した界面活性剤も除去することが好ましいため、界面活性剤の曇点以下で水系媒体により洗浄することが好ましい。洗浄は複数回行うことが好ましい。
次に乾燥を行うことが好ましい。乾燥方法としては、例えば、真空低温乾燥法、振動型流動乾燥法、スプレードライ法、冷凍乾燥法、フラッシュジェット法が挙げられる。
〔トナー粒子〕
トナー粒子の体積中位粒径D50は、高画質の画像を得る観点、トナーのクリーニング性をより向上させる観点から、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは4μm以上であり、そして、好ましくは10μm以下、より好ましくは8μm以下、更に好ましくは6μm以下である。
トナー粒子のCV値は、トナーの生産性を向上させる観点から、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上であり、そして、高画質の画像を得る観点から、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下、更に好ましくは30%以下である。
[静電荷像現像用トナー]
静電荷像現像用トナー(単にトナーともいう。)は、トナー粒子を含む。
トナー粒子をトナーとしてそのまま用いることもできるが、流動化剤等を外添剤としてトナー粒子表面に添加処理したものをトナーとして使用することが好ましい。
トナー粒子の含有量は、トナー中、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上であり、そして、100質量%以下であり、好ましくは99質量%以下である。
<外添剤>
外添剤としては、例えば、疎水性シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、カーボンブラック等の無機材料の微粒子、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子が挙げられる。これらの中でも、疎水性シリカが好ましい。外添剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を使用してもよい。また、粒径の異なる疎水性シリカを2種以上使用してもよい。
外添剤を用いてトナー粒子の表面処理を行う場合、外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上であり、そして、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは4質量部以下である。
本発明により得られる静電荷像現像用トナーは、一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
以下に実施例等により、本発明を更に具体的に説明する。
以下の実施例等においては、各物性の測定及び評価は次の方法により行った。
[測定方法]
〔ポリアルキレンイミンの数平均分子量(Mn)〕
以下に示す、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、数平均分子量を求めた。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.2g/100mLになるように、ポリアルキレンイミンを、0.15モル/LでNaSOを1質量%酢酸水溶液に溶解させた溶液に溶解させた。次いで、この溶液をポアサイズ0.2μmのフッ素樹脂フィルター「FP−200」(住友電気工業株式会社製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とした。
(2)分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液として0.15モル/LでNaSOを1質量%酢酸水溶液に溶解させた溶液を、毎分1mLの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させた。そこに、試料溶液100μLを注入して測定を行った。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出した。このときの検量線には、数種類の標準プルラン「P−5」(5.9×10)、「P−50」(4.73×10)、「P−200」(2.12×10)、「P−800」(7.08×10)(以上昭和電工株式会社製)を標準試料として作成したものを用いた。
測定装置:「HLC−8320GPC」(東ソー株式会社製)
分析カラム:α+α−M+α−M(東ソー株式会社製)
〔酸価及び水酸基価〕
樹脂及びワックスの酸価及び水酸基価は、JIS K0070:1992に記載の中和滴定法に従って測定した。ただし、測定溶媒をクロロホルムとした。
〔樹脂の軟化点、結晶性指数、融点及びガラス転移温度〕
(1)軟化点
フローテスター「CFT−500D」(株式会社島津製作所製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
(2)結晶性指数
示差走査熱量計「Q100」(ティー エイ インスツルメント ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.02gをアルミパンに計量し、降温速度10℃/minで0℃まで冷却した。次いで試料をそのまま1分間静止させ、その後、昇温速度10℃/minで180℃まで昇温し熱量を測定した。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を吸熱の最大ピーク温度(1)として、(軟化点(℃))/(吸熱の最大ピーク温度(1)(℃))により、結晶性指数を求めた。
(3)融点及びガラス転移温度
示差走査熱量計「Q100」(ティー エイ インスツルメント ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却した。次いで試料を昇温速度10℃/minで昇温し、熱量を測定した。観測される吸熱ピークのうち、ピーク面積が最大のピークの温度を吸熱の最大ピーク温度(2)とした。結晶性樹脂の時には該ピーク温度を融点とした。
また、非晶性樹脂の場合にピークが観測されるときはそのピークの温度を、ピークが観測されずに段差が観測されるときは該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の低温側のベースラインの延長線との交点の温度をガラス転移温度とした。
〔ワックスの融点〕
示差走査熱量計「Q100」(ティー エイ インスツルメント ジャパン株式会社製)を用いて、試料0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温した後、200℃から降温速度10℃/minで0℃まで冷却した。次いで、試料を昇温速度10℃/minで昇温し、熱量を測定し、吸熱の最大ピーク温度を融点とした。
〔分散粒子の体積中位粒径D50、CV値〕
(1)測定装置:レーザー回折型粒径測定機「LA−920」(株式会社堀場製作所製)
(2)測定条件:測定用セルに試料を入れ、蒸留水を加え、吸光度が適正範囲になる濃度で体積中位粒径D50及び体積平均粒径を測定した。また、CV値は次の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積平均粒径)×100
〔トナーの体積中位粒径D50、CV値〕
トナーの体積中位粒径D50は次のとおり測定した。
・測定機:「コールターマルチサイザー(登録商標)III」(ベックマンコールター株式会社製)
・アパチャー径:50μm
・解析ソフト:「マルチサイザー(登録商標)IIIバージョン3.51」(ベックマンコールター株式会社製)
・電解液:「アイソトン(登録商標)II」(ベックマンコールター株式会社製)
・分散液:ポリオキシエチレンラウリルエーテル「エマルゲン(登録商標)109P」〔花王株式会社製、HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)=13.6〕を前記電解液に溶解させ、濃度5質量%の分散液を得た。
・分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、更に、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製した。
・測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒径分布から体積中位粒径D50、体積平均粒径、12μm以上の含有量(体積%)を求めた。
また、CV値(%)は次の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積平均粒径)×100
〔画像濃度の評価〕
まず、以下の定着試験を行い、最低定着温度を設定した。
上質紙「J紙A4サイズ」(富士ゼロックス株式会社製)に市販のプリンタ「Microline(登録商標)5400」(株式会社沖データ製)を用いて、トナーの紙上の付着量が0.30±0.03mg/cmとなるベタ画像をA4紙の上端から5mmの余白部分を残し、50mmの長さで定着させずに出力した。
次に、定着器を温度可変に改造した同プリンタを用意し、定着器の温度を110℃にし、A4縦方向に1枚あたり1.2秒の速度でトナーを定着させ、印刷物を得た。
同様の方法で定着器の温度を5℃ずつ上げて、トナーを定着させ、印刷物を得た。
印刷物の画像上の上端の余白部分からベタ画像にかけて、メンディングテープ「Scotch(登録商標)メンディングテープ810」(住友スリーエム株式会社製、幅18mm)を長さ50mmに切ったものを軽く貼り付けた後、500gの円柱型おもり(接触面積:157mm)を載せ、速さ10mm/sで1往復押し当てた。その後、貼付したテープを下端側から剥離角度180°、速さ10mm/sで剥がし、テープ剥離後の印刷物を得た。テープ貼付前及び剥離後の印刷物の下に上質紙「J紙A4サイズ」(富士ゼロックス株式会社製)を30枚敷き、各印刷物のテープ貼付前及び剥離後の定着画像部分の反射画像濃度を、測色計「SpectroEye」(GretagMacbeth社製、光射条件;標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DINNB、絶対白基準)を用いて測定し、各反射画像濃度から次の式に従って定着率を算出した。
定着率(%)=(テープ剥離後の反射画像濃度/テープ貼付前の反射画像濃度)×100
定着率が90%以上となる最低の温度を最低定着温度とした。
次に、上質紙「J紙A4サイズ」(富士ゼロックス株式会社製)に市販のプリンタ「Microline(登録商標)5400」(株式会社沖データ製)を用いて、トナーの紙上の付着量が0.30mg/cmとなる全面ベタ画像を出力した。
上記定着試験で得られた最低定着温度+10℃の温度に定着器の温度を設定し、A4縦方向に1枚あたり1.2秒の速度でトナーを定着させて、印刷物を得た。
印刷物の下に上質紙「J紙A4サイズ」(富士ゼロックス株式会社製)を30枚敷き、出力した印刷物のベタ画像部分の反射画像濃度を、測色計「SpectroEye」(GretagMacbeth社製、光射条件;標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DINNB、絶対白基準)を用いて測定し、画像上の任意の10点を測定した値を平均して画像濃度とした。数値が大きいほど着色力に優れる。
〔5k印字後の画像濃度の評価〕
前述のプリンタを用いて、全面ベタ画像のトナーの紙上の付着量が0.30mg/cmとなる現像バイアスに固定したまま、上質紙「J紙A4サイズ」(富士ゼロックス株式会社製)に印字率5%のチャートを5000枚(5k)連続印刷した。その後、同じ現像バイアスにて全面黒ベタ画像を1枚印字した。初期の画像濃度の評価方法と同様の手法により定着させた印刷物を得た後、同様の手法にて画像濃度を測色した。5k印字後の画像濃度の値を初期の画像濃度の値で除した数値を画像濃度の安定性の指標とした。この値が高いほど連続印字後の画像濃度安定性に優れ、また、初期及び5k後の画像濃度の値が高いほど着色力に優れる。
[樹脂の製造]
製造例A1(非晶性ポリエステル樹脂A−1の製造)
表1に示すフマル酸、トリメリット酸無水物以外のポリエステル樹脂の原料モノマー、パラコール6490、エステル化触媒及び助触媒を、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃に昇温して5時間反応させた。更に8kPaに減圧して1時間反応させた。その後、常圧に戻して160℃に降温し、スチレン系樹脂の原料モノマー、両反応性モノマー及び重合開始剤の混合液を滴下ロートより1時間かけて滴下した。160℃に保持したまま1時間付加重合反応を行った後、210℃に昇温し、8kPaにて1時間保持した。その後、大気圧に戻した後、フマル酸、トリメリット酸無水物及びラジカル重合禁止剤を添加し、210℃まで10℃/hrで昇温し、その後、4kPaにて所望の軟化点まで反応を行って、樹脂A−1を得た。物性を表1に示す。
製造例A2(非晶性ポリエステル樹脂A−2の製造)
表1に示すセバシン酸、トリメリット酸無水物以外のポリエステル樹脂の原料モノマー及びエステル化触媒と助触媒を、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃に昇温して10時間反応させた後、フラスコ内の圧力を下げ、8kPaにて1時間保持した。その後、大気圧に戻した後、190℃まで冷却し、セバシン酸、及びトリメリット酸無水物を加え、210℃まで10℃/hrで昇温し、その後、10kPaにて所望の軟化点まで反応を行って非晶性ポリエステル樹脂A−2を得た。得られた樹脂の物性を表1に示す。
製造例D1(非晶性ポリエステル樹脂D−1の製造)
表1に示すポリエステル樹脂の原料モノマー、エステル化触媒及び助触媒を、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃に昇温して5時間反応させた。更に8kPaに減圧して1時間反応させた。その後、常圧に戻して160℃に降温し、スチレン系樹脂の原料モノマー、両反応性モノマー及び重合開始剤の混合液を滴下ロートより1時間かけて滴下した。160℃に保持したまま30分間加重合反応を行った後、200℃に昇温し、8kPaにて所望の軟化点まで反応を行って、樹脂D−1を得た。物性を表1に示す。
製造例B11(非晶性ポリエステル樹脂B1−1の製造)
表1に示すポリエステル樹脂の原料モノマー及びエステル化触媒及び助触媒を、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃に昇温して7時間反応させた。その後、235℃で8kPaにて所望の軟化点に達するまで反応させて非晶性ポリエステル樹脂B1−1を得た。得られた樹脂の物性を表1に示す。
製造例BP21(非晶性ポリエステル系樹脂BP2−1の製造)
表1に示すトリメリット酸無水物以外のポリエステル樹脂の原料モノマー、エステル化触媒及び助触媒を、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、235℃に昇温して5時間反応させた。更に8kPaに減圧して1時間反応させた。その後、常圧に戻して160℃に降温し、スチレン系樹脂の原料モノマー、両反応性モノマー及び重合開始剤の混合液を滴下ロートより1.5時間かけて滴下した。160℃に保持したまま8kPaにて2時間反応を行った。その後、大気圧に戻した後、トリメリット酸無水物を添加し、230℃まで5時間かけて昇温し、その後、4kPaにて所望の軟化点まで反応を行って、樹脂BP2−1を得た。物性を表1に示す。
Figure 2021085937
製造例C1及びC2(結晶性ポリエステル樹脂C−1及びC−2の製造)
表2に示すポリエステル樹脂の原料モノマーを、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、130℃まで加熱し、その後130℃から200℃まで10時間かけて昇温した。その後、エステル化触媒を加え、更に200℃で1時間保持した後、8kPaに減圧して1時間反応させて、結晶性ポリエステル樹脂C−1及びC−2を得た。得られた樹脂の物性を表2に示す。
Figure 2021085937
製造例BP11〜BP14(複合物BP1−1〜複合物BP1−4の製造)
表1に示す非晶性ポリエステルB1−1と表3に示すポリアルキレンイミンを、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した10Lの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、150℃まで昇温し、常圧で3時間反応を行い、複合物BP1−1〜BP1−4を得た。得られた複合物の物性を表3に示す。
Figure 2021085937
[樹脂粒子分散液の製造]
製造例X1(樹脂粒子分散液X−1の製造)
撹拌器、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた内容積3Lの容器に、非晶性樹脂A−1を210g、結晶性ポリエステル樹脂C−1を90g、及びメチルエチルケトン300gを入れ、73℃にて2時間かけて樹脂を溶解させた。得られた溶液に、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を、樹脂の酸価に対して中和度60モル%になるように添加し60分撹拌した。
次いで、73℃に保持したまま、200r/min(周速度63m/min)で撹拌しながら、脱イオン水600gを60分かけて添加し、転相乳化した。継続して73℃に保持したまま、メチルエチルケトンを減圧下で留去し水系分散液を得た。その後、撹拌を行いながら水系分散液を30℃に冷却した後、固形分濃度が20質量%になるように脱イオン水を加えて調整したのち、150メッシュ金網でろ過し、樹脂粒子分散液X−1を得た。得られた樹脂粒子の体積中位粒径(D50)及びCV値を表4に示す。
製造例X2、X3(樹脂粒子分散液X−2、X−3の製造)
使用する樹脂の種類を表4のように変更した以外は、製造例X1と同様にして、樹脂粒子分散液X−2〜X−3を得た。得られた樹脂粒子の体積中位粒径D50及びCV値を表4に示す。
Figure 2021085937
製造例Z1(樹脂粒子分散液Z−1の製造)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた内容積3Lの容器に、樹脂D−1を200g及びメチルエチルケトン200gを入れ、73℃にて2時間かけて樹脂を溶解させた。得られた溶液に、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を、樹脂D−1の酸価に対して中和度60モル%になるように添加して30分撹拌した。
次いで、73℃に保持したまま、280r/min(周速度88m/min)で撹拌しながら、脱イオン水700gを50分かけて添加し、転相乳化した。継続して73℃に保持したまま、メチルエチルケトンを減圧下で留去し水系分散体を得た。その後、280r/min(周速度88m/min)で撹拌を行いながら水系分散体を30℃に冷却した後、固形分濃度が20質量%になるように脱イオン水を加えることにより、樹脂粒子分散液Z−1を得た。得られた樹脂粒子の体積中位粒径D50は0.09μm、CV値は23%であった。
製造例W1(ワックス粒子分散液W−1の製造)
内容積1Lのビーカーに、脱イオン水120g、樹脂粒子分散液Z−1 86g、及びパラフィンワックス「HNP−9」(日本精蝋株式会社製、融点75℃)40gを添加し、90〜95℃に温度を保持して溶融させ、撹拌し、溶融混合物を得た。
得られた溶融混合物を更に90〜95℃に温度を保持しながら、超音波ホモジナイザー「US−600T」(株式会社日本精機製作所製)を用いて、20分間分散処理した後に室温(20℃)まで冷却した。脱イオン水を加え、固形分濃度を20質量%に調整し、ワックス粒子分散液W−1を得た。分散液中のワックス粒子の体積中位粒径D50は0.47μm、CV値は27%であった。
製造例W2(ワックス粒子分散液W−2の製造)
使用するワックス種をフィッシャートロプシュワックス「FNP−0090」(日本精蝋株式会社製、融点90℃)に変更した以外は、製造例W1と同様にしてワックス粒子分散液W−2を得た。分散液中のワックス粒子の体積中位粒径D50は0.45μm、CV値は28%であった。
[付加重合体の製造]
製造例E1(付加重合体E−1の合成)
表5に示す種類及び量の原料モノマーを混合し、モノマー総量100gのモノマー混合液を調製した。窒素導入管、滴下ロート、撹拌機、及び熱電対を装備した四つ口フラスコの内部を窒素置換し、メチルエチルケトン18g、2−メルカプトエタノール0.03g、及び前記モノマー混合液の10質量%を入れ、撹拌しながら75℃まで昇温した。75℃に保持した状態で、前記モノマー混合液の残りの90質量%と2−メルカプトエタノール0.27g、メチルエチルケトン42g及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)「V−65」(富士フィルム和光純薬株式会社製)3gを混合した混合液を滴下ロートより3時間かけて滴下した。滴下終了後2時間75℃に保持した後、V−65 3gをメチルエチルケトン5gに溶解した溶液を加え、更に75℃で2時間、80℃で2時間保持した。その後、メチルエチルケトンを減圧下で留去し、付加重合体E−1を得た。得られた付加重合体の重量平均分子量を表5に示す。
Figure 2021085937
[着色剤粒子分散液の製造]
製造例F1(着色剤粒子分散液F−1の製造)
ディスパー翼を備えた撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた内容積2Lの容器に、複合物BP1−1を50g及びメチルエチルケトン141gを入れディスパー翼で2400r/minの回転数で20℃にて樹脂を溶解させた。得られた溶液に、5質量%水酸化ナトリウム水溶液9.1g(複合物BP1−1の中和度が80モル%になる量)を添加し、更に脱イオン水を650g添加して、ディスパー翼で20℃にて10分撹拌した。次いで、イエロー顔料「パリオトールイエローD1155」(BASF社製、C.I.ピグメントイエロー185)150gを加え、ディスパー翼で6400r/minにて20℃にて2時間撹拌を行った。その後、200メッシュのフィルターを通し、ホモジナイザー「Microfluidizer M−110EH」(Microfluidics社製)を用いて150MPaの圧力で15パス処理した。得られた分散液を撹拌しながら、減圧下70℃でメチルエチルケトンと一部の水を除去した。冷却後、200メッシュのフィルターを通し、固形分濃度が20質量%になるように脱イオン水を加えることにより着色剤粒子分散液F−1を得た。得られた着色剤粒子の体積中位粒径D50及びCV値を表6に示す。
製造例F2〜F7(着色剤粒子分散液F−2〜F−7の製造)
使用する分散剤の種類を表6のように変更した以外は、製造例F1と同様にして、着色粒子分散液F−2〜F−7を得た。得られた着色粒子の体積中位粒径D50及びCV値を表6に示す。
製造例F8(着色剤粒子分散液F−8の製造)
使用する分散剤の種類を表6記載のものに変更し、複合物BP1−1を40g、付加重合体E−1を10g、5質量%水酸化ナトリウム水溶液19g(複合物BP1−1と付加重合体E−1の中和度が80モル%になる量)に変更した以外は、製造例F1と同様にして着色剤粒子分散液F−8を得た。得られた着色剤粒子の体積中位粒径D50及びCV値を表6に示す。
製造例F9(着色剤粒子分散液F−9の製造)
使用する分散剤の種類を表6記載のものに変更し、複合物BP1−1を25g、付加重合体E−1を25g、5質量%水酸化ナトリウム水溶液34g(複合物BP1−1と付加重合体E−1の中和度が80モル%になる量)に変更した以外は、製造例F1と同様にして着色剤粒子分散液F−9を得た。得られた着色剤粒子の体積中位粒径D50及びCV値を表6に示す。
製造例F10(着色剤粒子分散液F−10の製造)
使用する分散剤の種類を表6記載のものに変更し、複合物BP1−1を10g、付加重合体E−1を40g、5質量%水酸化ナトリウム水溶液49g(複合物BP1−1と付加重合体E−1の中和度が80モル%になる量)に変更した以外は、製造例F1と同様にして着色剤粒子分散液F−10を得た。得られた着色剤粒子の体積中位粒径D50及びCV値を表6に示す。
製造例F11(着色剤粒子分散液F−11の製造)
内容積2L容器にイエロー顔料「パリオトールイエローD1155」(BASF社製、C.I.ピグメントイエロー185)200g、陰イオン性界面活性剤「ネオペレックスG−15」(花王株式会社製、有効成分16%)313g、及び脱イオン水646gを添加して、ディスパー翼を備えた撹拌機「ラボ・リューション」(プライミクス株式会社製)を用いて6400r/minにて20℃にて1時間撹拌を行った。その後、200メッシュのフィルターを通し、ホモジナイザー「Microfluidizer M−110EH」(Microfluidics社製)を用いて150MPaの圧力で15パス処理した。その後、200メッシュのフィルターを通し、固形分濃度が20質量%になるように脱イオン水を加えることにより、着色剤粒子分散液F−11を得た。得られた分散液の物性を表6に示した。
製造例F12(着色剤粒子分散液F−12の製造)
使用する分散剤の種類を表6のように変更した以外は、製造例F1と同様にして、着色粒子分散液F−12を得た。得られた着色粒子の体積中位粒径D50及びCV値を表6に示す。
Figure 2021085937
[トナーの製造]
実施例1
トナー1の作製
脱水管、撹拌装置及び熱電対を装備した内容積3Lの4つ口フラスコに、樹脂粒子分散液X−1を500g、ワックス粒子分散液W−1を56g、ワックス粒子分散液W−2を28g、着色剤粒子分散液F−1を67g、ポリオキシエチレン(50)ラウリルエーテル「エマルゲン150」(花王株式会社製、非イオン性界面活性剤)の10質量%水溶液を10g、及び15質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液「ネオペレックスG−15」(花王株式会社製、アニオン性界面活性剤)を10g、温度25℃で混合した。次に、当該混合物を撹拌しながら、硫酸アンモニウム43gを脱イオン水771gに溶解した水溶液に4.8質量%水酸化カリウム水溶液を添加してpH8.6に調整した溶液を、25℃で10分かけて滴下した後、59℃まで2時間かけて昇温し、凝集粒子の体積中位粒径D50が5.2μmになるまで、59℃で保持し、凝集粒子の分散液を得た。
得られた凝集粒子の分散液に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム「エマールE−27C」(花王株式会社製、アニオン性界面活性剤、有効濃度27質量%)50g、脱イオン水450g、及び0.1mol/Lの硫酸水溶液40gを混合した水溶液を添加した。その後、75℃まで1時間かけて昇温し、75℃で30分保持した後、0.1mol/Lの硫酸水溶液20gを添加し、更に75℃で15分保持した。その後、再度0.1mol/Lの硫酸水溶液20gを添加し、円形度が0.960になるまで75℃で保持することにより、凝集粒子が融着した融着粒子の分散液を得た。
得られた融着粒子分散液を30℃に冷却し、分散液を吸引濾過して固形分を分離した後、25℃の脱イオン水で洗浄し、25℃で2時間吸引濾過した。その後、真空定温乾燥機「DRV622DA」(ADVANTEC社製)を用いて、33℃で24時間真空乾燥を行って、トナー粒子を得た。得られたトナー粒子の物性を表7に示す。
トナー粒子100質量部、疎水性シリカ「RY50」(日本アエロジル株式会社製、個数平均粒径;0.04μm)2.5質量部、及び疎水性シリカ「キャボシル(登録商標)TS720」(キャボットジャパン株式会社製、個数平均粒径;0.012μm)1.0質量部をヘンシェルミキサーに入れて撹拌し、150メッシュの篩を通過させてトナー1を得た。得られたトナーの物性、及びトナーの評価結果を表7に示す。
実施例2〜5、8〜12、及び比較例1、2
トナー2〜5、8〜14の作製
使用する樹脂粒子分散液の種類及び着色剤粒子分散液の種類を表7に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー2〜5、8〜14を作製した。得られたトナー粒子の物性、及びトナーの評価結果を表7に示す。
実施例6及び7
トナー6及び7の作製
使用する樹脂粒子分散液の種類及び着色剤粒子分散液の種類を表7に示すように変更し、着色剤粒子分散液F−6及びF−7の添加量をそれぞれ、56g及び83gに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー6及び7を作製した。得られたトナー粒子の物性、及びトナーの評価結果を表7に示す。
Figure 2021085937
以上、実施例及び比較例の結果から、本発明の製造方法により、初期の画像濃度に優れると共に、連続印刷後であっても、画像濃度が維持され、画像濃度の安定性に優れたトナーを提供することができることがわかる。

Claims (6)

  1. 樹脂粒子及び着色剤粒子を水系媒体中で凝集及び融着させる工程を含み、
    前記樹脂粒子が、結晶性ポリエステル樹脂Cを含有し、
    前記着色剤粒子が、着色剤と、塩基性ポリマーBPとを含有し、
    前記着色剤がPigment Yellow 185であり、
    前記塩基性ポリマーBPが、アミノ基及びイミノ基の少なくとも1種の含窒素ユニットを有する重合体Pと、ポリエステル系樹脂Bとの複合物である、
    静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 塩基性ポリマーBPの含窒素ユニットが、ポリアルキレンイミン、ポリアリルアミン、(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルから選択される少なくとも1つに由来する、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 前記着色剤粒子中の着色剤と塩基性ポリマーBPとの質量比(着色剤/塩基性ポリマーBP)が、50/50以上95/5以下である、請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  4. 前記塩基性ポリマーBPのガラス転移温度が50℃以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 前記着色剤粒子が、更に、芳香族基を有する付加重合性モノマーaを含む原料モノマーの付加重合体Eを含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 塩基性ポリマーBPに対する付加重合体Eの質量比(付加重合体E/塩基性ポリマーBP)が、10/90以上90/10以下である、請求項5に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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