JP2021084294A - 粉体溶融混練機 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融した原材料が投入口に付着せず、原材料が投入口からバレルの中に適正に供給される粉体溶融混練機を提供すること。【解決手段】熱可塑性樹脂の粉体が投入される投入口16と、混合及び溶融混練された熱可塑性樹脂が排出される排出口17と、投入口16と排出口17との間に配置され、内部に混入した気体を外部に排出するベント口18とを有する筒状のバレル10と、バレル10の中で回転し、熱可塑性樹脂を投入口16から排出口17に送り出すスクリュー26と、を有し、バレル10は、複数のブロック11,12,13で構成され、複数のブロック11,12,13のうち、投入口16が設けられた第1ブロック11の温度をT1とし、排出口17が設けられた第3ブロック13の温度をT3とし、ベント口18が設けられた第2ブロック12の温度をT2とした場合に、T2>T3>T1の関係が満たされることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、粉体溶融混練機に関する。
従来、投入口から投入される原材料(粉体)が溶融混練され、混練物として排出口から排出される混練機(粉体溶融混練機)が知られている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載の粉体溶融混練機は、原材料を加熱するバレルが3ゾーン以上に分割され、投入口が設けられ原材料が投入されるゾーンと、原材料が溶融混練されるゾーンと、排出口が設けられ混練物が排出されるゾーンとを有している。さらに、混練物が排出されるゾーンと、原材料が溶融混練されるゾーンと、原材料が投入されるゾーンとの順に、ゾーンの温度が高くなっている。
さらに、原材料が投入されるゾーンでは、原材料である粉体が、加熱され、溶融状態になる。
特開2002−6546号公報
ところが、特許文献1に記載の粉体溶融混練機では、投入口付近の温度が高く、原材料が投入口付近で溶融するため、溶融した原材料が投入口に付着し、原材料が投入口からバレルの中に適正に供給されなくなるおそれがあった。
粉体溶融混練機は、熱可塑性樹脂の粉体が投入される投入口と、混合及び溶融混練された前記熱可塑性樹脂が排出される排出口と、前記投入口と前記排出口との間に配置され、内部に混入した気体を外部に排出するベント口とを有する筒状のバレルと、前記バレルの中で回転し、前記熱可塑性樹脂を前記投入口から前記排出口に送り出すスクリューと、を有し、前記投入口が設けられた側の前記バレルの温度をT1とし、前記排出口が設けられた側の前記バレルの温度をT3とし、前記T1の温度の前記バレルと前記T3の温度の前記バレルとの間の前記バレルの温度をT2とした場合に、T2>T3>T1の関係が満たされることを特徴とする。
粉体溶融混練機では、前記バレルは、複数のブロックで構成され、前記複数のブロックのうち、前記投入口が設けられた側に配置された前記ブロックの温度を前記T1とし、前記排出口が設けられた側に配置された前記ブロックの温度を前記T3とし、前記投入口が設けられた側に配置された前記ブロックと前記排出口が設けられた側に配置された前記ブロックとの間に設けられた前記ブロックの温度を前記T2としていることが好ましい。
粉体溶融混練機では、前記複数のブロックのそれぞれには、前記ブロックを加熱する加熱部と前記ブロックを冷却する冷却部とが設けられ、前記ブロックが設定温度に維持されることが好ましい。
粉体溶融混練機では、前記T1は、前記熱可塑性樹脂の軟化温度よりも低いことが好ましい。
粉体溶融混練機では、前記T2は、前記熱可塑性樹脂の軟化温度以上であって、前記軟化温度の3倍以下であることが好ましい。
実施形態1に係る粉体溶融混練機の概略構成を示す側面図。 バレル内に収容されるスクリューの状態を示す平面図。 実施形態2に係る粉体溶融混練機の概略構成を示す側面図。
1.実施形態1
図1は、実施形態1に係る粉体溶融混練機1の概略構成を示す側面図である。図2は、バレル10内に収容されるスクリュー26の状態を示す平面図である。図2では、バレル10の投入口16から見たスクリュー26の状態が図示されている。
本実施形態に係る粉体溶融混練機1は、熱可塑性樹脂の粉体(以降、粉体材料と称す)を混合及び溶融混練し、可塑性を有する熱可塑性樹脂の混練物として送り出す2軸のスクリュー式溶融混練機である。
以降の説明では、粉体溶融混練機1内において粉体材料が搬送される方向を搬送方向Xとする。
図1に示すように、粉体溶融混練機1は、搬送方向Xに沿って延在する筒状のバレル10を備えている。バレル10は、粉体材料が混合及び溶融混練される内部空間Sを有する。バレル10の搬送方向Xにおける上流側の上面には、粉体材料(熱可塑性樹脂の粉体)が投入される投入口16が設けられている。バレル10の搬送方向Xの下流側の端面には、熱可塑性樹脂の混練物(混合及び溶融混練された熱可塑性樹脂)が排出される排出口17が設けられている。投入口16と排出口17との間のバレル10の上面には、内部空間Sに混入した気体をバレル10の外に排出するベント口18が設けられている。
このように、バレル10は、粉体材料(熱可塑性樹脂の粉体)が投入される投入口16と、混合及び溶融混練された熱可塑性樹脂が排出される排出口17と、投入口16と排出口17との間に配置され、内部に混入した気体を外部に排出するベント口18とを有する。
排出口17にはダイ(射出成形加工用の型)を取り付けることができる。排出口17にダイを取り付けることによって、排出口17から排出される熱可塑性樹脂を所定の形状に成形することができる。
投入口16と排出口17とベント口18とは、それぞれ内部空間Sに連通されている。
バレル10は、複数のブロック11,12,13で構成されている。詳しくは、バレル10は、搬送方向Xの上流側から順に配置される第1ブロック11と第2ブロック12と第3ブロック13とで構成される。
詳細は後述するが、バレル10を構成する複数のブロック11,12,13のそれぞれには、加熱部30aと冷却部30bとを有する温度調節部30が取り付けられている。複数のブロック11,12,13のそれぞれは、温度調節部30によって設定温度に維持される。温度調節部30によって設定温度に維持されるバレル10の構成単位が、ブロック11,12,13である。
粉体材料が投入される投入口16は、第1ブロック11に形成されている。気体が排出されるベント口18は、第2ブロック12に形成されている。熱可塑性樹脂の混練物が排出される排出口17は、第3ブロック13に形成されている。
なお、第1ブロック11は、本願における、複数のブロックのうち、投入口が設けられた側に配置されたブロックの一例である。第3ブロック13は、本願における、複数のブロックのうち、排出口が設けられた側に配置されたブロックの一例である。第2ブロック12は、本願における、複数のブロックのうち、投入口が設けられた側に配置されたブロックと排出口が設けられた側に配置されたブロックとの間に設けられたブロックの一例である。
粉体溶融混練機1は、搬送方向Xの上流側の上方に、投入された粉体材料が貯留されるホッパー20を備える。ホッパー20の下端部20aが投入口16に挿通されることによって、ホッパー20が第1ブロック11に取り付けられ、粉体材料がホッパー20と投入口16とを介して、バレル10の内部空間Sに供給可能になる。
バレル10の内部空間Sには、バレル10の長手方向に沿って延びる一対のスクリュー26が回動可能に収納されている。各スクリュー26は、それぞれバレル10の内壁との間に所定の間隔を空けて配置されている。
各スクリュー26は、それぞれスクリュー軸27を備えている。スクリュー軸27の外周面には、長手方向の全体に亘ってスパイラル状の羽根28が設けられている。また、各スクリュー軸27において、羽根28同士の間に位置する箇所は、スクリュー溝29(図2参照)となる。
スクリュー26の構成材料は、金属である。
図2に示すように、各スクリュー26は、搬送方向Xと交差する方向に隣り合って配置されている。各スクリュー26のそれぞれの羽根28は、他方のスクリュー26のスクリュー溝29に交互に入り込むように配置されている。
スクリュー26が回転すると、ホッパー20に貯留される粉体材料が、投入口16から内部空間Sに継続して供給される。さらに、スクリュー26が回転すると、内部空間Sに供給された粉体材料が、スクリュー溝29に沿って搬送方向Xに送り出される。スクリュー溝29に沿って粉体材料が送り出される過程において、粉体材料は、バレル10の中で混合及び溶融混練され、可塑性を有する熱可塑性樹脂の混練物として、排出口17から排出される。
このように、スクリュー26は、バレル10の中で回転し、熱可塑性樹脂を投入口16から排出口17に送り出す。
図1に戻って、バレル10の上流側の端部には、動力機構である駆動モーター50と、動力伝達機構60とが設けられる。駆動モーター50は、動力伝達機構60を介して各スクリュー26に接続される。駆動モーター50は、動力伝達機構60を介して、所定の減速比で各スクリュー26を回転駆動させる。各スクリュー26は、同一の回転方向に回転するようになっている。
粉体材料は熱可塑性樹脂の粉の集合体であり、熱可塑性樹脂の粉の集合体の隙間に気体が存在するので、粉体材料は熱可塑性樹脂の粉と気体とを含む。スクリュー26が回転し、投入口16から粉体材料が内部空間Sに継続して供給されると、熱可塑性樹脂の粉と気体とが内部空間Sに継続して供給され、内部空間Sに気体が継続して混入する。内部空間Sに混入する気体はベント口18から排出され、熱可塑性樹脂の粉の溶融体が排出口17に向けて流動する。
仮に、気体が排出されるベント口18が設けられない場合、内部空間Sに気体が継続して混入し、内部空間Sに気体が蓄積される。すると、内部空間Sに蓄積される気体によって、熱可塑性樹脂の粉の溶融体が排出口17に向けて流動しにくくなり、加えて、投入口16から粉体材料が内部空間Sに継続して供給されにくくなる。
気体が排出されるベント口18を設けることによって、内部空間Sに気体が蓄積されにくくなり、熱可塑性樹脂の粉の溶融体が排出口17に向けて流動するようになり、加えて、投入口16から粉体材料が内部空間Sに継続して供給されるようになる。
粉体溶融混練機1は、バレル10の外周面に取り付けられた温度調節部30と、バレル10の温度を検出する温度検出部(図示省略)と、制御装置40とを有する。
温度検出部は、例えば熱電対であり、複数のブロック11,12,13のそれぞれに取り付けられている。制御装置40は、温度検出部の信号から複数のブロック11,12,13のそれぞれの温度を検出する。さらに、制御装置40は、温度調節部30を制御し、複数のブロック11,12,13のそれぞれを設定温度に維持する。
温度調節部30は、バレル10を加熱する加熱部30aと、バレル10を冷却する冷却部30bとで構成される。
加熱部30aは、ヒーターであり、複数のブロック11,12,13の外周面に取り付けられている。冷却部30bは、冷却水が流動する配管であり、複数のブロック11,12,13の外周面に取り付けられている。加熱部30a(ヒーター)と冷却部30b(冷却水が流動する配管)とは、複数のブロック11,12,13の外周面に巻き付けられ、搬送方向Xに沿って交互に配置される。
また、加熱部30aとしては、バンドヒーターや加熱ジャケットなどを使用することができる。冷却部30bとしては、液冷ジャケットや液冷ヒートシンクや空冷ヒートシンクなどを使用することができる。
このように、複数のブロック11,12,13のそれぞれには、ブロック11,12,13を加熱する加熱部30aとブロック11,12,13を冷却する冷却部30bとが設けられ、複数のブロック11,12,13のそれぞれが設定温度に維持されるようになっている。
制御装置40は、温度調節部30に電気的に接続され、加熱部30aに流れる電流を制御し、冷却部30bに流れる冷却水の温度や流量を制御する。そして、制御装置40は、加熱部30aに流れる電流を制御し、冷却部30bに流れる冷媒の温度や流量を制御することによって、複数のブロック11,12,13のそれぞれを設定温度に維持する。
温度調節部30がバレル10を加熱する加熱部30aだけを有する構成も可能である。
例えば、温度調節部30がバレル10を加熱する加熱部30aだけを有する構成の場合、バレル10が設定温度よりも高くなると、バレル10が冷却されにくいので、バレル10の温度が設定温度よりも高くなるオーバーシュートが生じ、バレル10が設定温度に維持されにくくなる。
温度調節部30がバレル10を加熱する加熱部30aとバレル10を冷却する冷却部30bと有する構成の場合、バレル10の温度が設定温度よりも高くなると、冷却部30bによってバレル10が冷却されるので、バレル10の温度が設定温度よりも高くなるオーバーシュートが生じにくくなり、バレル10が設定温度に維持されるようになる。
このように、バレル10を設定温度に維持するためには、温度調節部30は、バレル10を加熱する加熱部30aとバレル10を冷却する冷却部30bと有する構成が好ましい。
温度調節部30は、第1温度調節部31と、第2温度調節部32と、第3温度調節部33とを有している。
第1ブロック11の外周面には第1温度調節部31が取り付けられ、第2ブロック12の外周面には第2温度調節部32が取り付けられ、第3ブロック13の外周面には第3温度調節部33が取り付けられている。
制御装置40は、第1制御装置41と、第2制御装置42と、第3制御装置43とを有している。
第1制御装置41は、第1温度調節部31に電気的に接続され、第1温度調節部31を制御する。第2制御装置42は、第2温度調節部32に電気的に接続され、第2温度調節部32を制御する。第3制御装置43は、第3温度調節部33に電気的に接続され、第3温度調節部33を制御する。
その結果、第1制御装置41は第1ブロック11の温度を制御し、第2制御装置42は第2ブロック12の温度を制御し、第3制御装置43は第3ブロック13の温度を制御する。
本実施形態の粉体材料は、微細なポリエステルの粉である。粉体材料の平均粒径は概略5.2μmである。粉体材料の軟化温度は概略87℃である。なお、粉体材料の軟化温度とは、粉体材料の非晶質部分が流動性を有するようになる温度であり、ガラス転移温度に相当する。
なお、軟化温度は、本願における熱可塑性樹脂の軟化温度であり、以降、熱可塑性樹脂の軟化温度Tmと称す。
さらに、本実施形態の粉体溶融混練機1では、投入口16が設けられた第1ブロック11の温度T1が60℃に維持され、ベント口18が設けられた第2ブロック12の温度T2が130℃に維持され、排出口17が設けられた第3ブロック13の温度T3が120℃に維持されている。換言すれば、第1ブロック11の設定温度は60℃であり、第1ブロック11の温度T1は設定温度(60℃)に維持され、第2ブロック12の設定温度は130℃であり、第2ブロック12の温度T2は設定温度(130℃)に維持され、第3ブロック13の設定温度は120℃であり、第3ブロック13の温度T3は設定温度(120℃)に維持される。
すなわち、本実施形態の粉体溶融混練機1では、複数のブロック11,12,13のうち、投入口16が設けられた側に配置された第1ブロック11の温度をT1とし、排出口17が設けられた側に配置された第3ブロック13の温度をT3とし、第1ブロック11と第3ブロック13との間に配置されベント口18が設けられた第2ブロック12の温度をT2とした場合に、T2>T3>T1の関係が満たされる。
また、本実施形態の粉体溶融混練機1では、投入口16が設けられた第1ブロック11の温度T1は熱可塑性樹脂の軟化温度Tmよりも低く、ベント口18が設けられた第2ブロック12の温度T2は、熱可塑性樹脂の軟化温度Tm以上であって、熱可塑性樹脂の軟化温度の3倍以下となっている。
仮に、ベント口が設けられたブロックの温度T2が、熱可塑性樹脂の軟化温度の3倍よりも高いと、熱可塑性樹脂に不可逆的な変化(例えば、分解)が生じ、熱可塑性樹脂の性能が著しく低下するおそれがある。従って、ベント口18が設けられた第2ブロック12の温度T2は、熱可塑性樹脂の軟化温度の3倍以下であることが好ましい。
仮に、投入口16が設けられた第1ブロック11の温度T1が熱可塑性樹脂の軟化温度Tmよりも高い場合、投入口16において粉体材料が軟化(溶融)し、溶融した粉体材料が投入口16に付着し、例えば投入口16が閉塞され、スクリュー26が回転しても、粉体材料が投入口16から内部空間Sに供給されにくくなる。
本実施形態では、投入口16が設けられた第1ブロック11の温度T1は熱可塑性樹脂の軟化温度Tmよりも低いので、投入口16において粉体材料は軟化(溶融)せず、溶融した粉体材料が投入口16に付着しない。すると、スクリュー26が回転することによって、粉体材料が投入口16から内部空間Sに安定して供給されようになる。
仮に、ベント口18が設けられた第2ブロック12の温度T2が低く、軟化した熱可塑性樹脂が高粘度流体である場合、例えば、加熱されて膨らんだ餅のようになり、内部に気体を含む高粘度流体(熱可塑性樹脂)がベント口18から噴出するようになる。すなわち、気体と一緒に、軟化した熱可塑性樹脂(高粘度流体)がベント口18から排出されるようになる。すると、ベント口18に軟化した熱可塑性樹脂が付着し、気体がベント口18から正常に排出されなくなる。
このため、粉体溶融混練機1を停止し、ベント口18に付着した熱可塑性樹脂を取り除く作業が必要になり、粉体溶融混練機1の生産性が低下する。
本実施形態では、ベント口18が設けられた第2ブロック12の温度T2は、他のブロック11,13の温度(T1、T3)よりも高いので、軟化した熱可塑性樹脂は、低粘度流体となり、流動しやすくなる。すると、高粘度流体で想定される不具合、すなわち、気体と一緒に高粘度流体がベント口18から排出され、粉体溶融混練機1の生産性が低下するという不具合が生じにくくなる。
すなわち、軟化した熱可塑性樹脂が低粘度流体である場合、ベント口18から気体だけが排出されやすくなり、ベント口18に低粘度流体が付着しにくくなるので、ベント口18に付着した熱可塑性樹脂を取り除く作業が不要になり、粉体溶融混練機1の生産性が低下しない。
さらに、ベント口18から気体が正常に排出されるので、スクリュー26が回転すると、粉体材料が投入口16から内部空間Sに安定して供給され、熱可塑性樹脂の粉の溶融体(軟化した熱可塑性樹脂)が排出口17に向けて安定して流動するようになる。
仮に、排出口17が設けられた第3ブロック13の温度T3が高く、排出口17から排出される熱可塑性樹脂が低粘度流体である場合、排出口17から排出される熱可塑性樹脂は、排出口17から垂れ下がり、排出口17から排出される熱可塑性樹脂を所定の形状に成形することが難しくなる。
例えば、排出口17にダイを取り付けても、熱可塑性樹脂が所定の形状に成形されなくなる。
本実施形態では、排出口17が設けられた第3ブロック13の温度T3は、ベント口18が設けられた第2ブロック12の温度T2よりも低いので、排出口17が設けられた第3ブロック13内の熱可塑性樹脂は、ベント口18が設けられた第2ブロック12内の熱可塑性樹脂と比べて、粘度が高くなる。排出口17から排出される熱可塑性樹脂の粘度が高くいので、排出口17から排出される熱可塑性樹脂を所定の形状に成形することができるようになる。
仮に、排出口17が設けられた第3ブロック13の温度T3が、投入口16が設けられた第1ブロック11の温度T1よりも低いと、排出口17が設けられた第3ブロック13内の熱可塑性樹脂の流動性が悪くなりすぎ、熱可塑性樹脂は排出口17から適正に排出されにくくなる。本実施形態では、排出口17が設けられた第3ブロック13の温度T3は、投入口16が設けられた第1ブロック11の温度T1よりも高いので、排出口17が設けられた第3ブロック13内の熱可塑性樹脂は、適正な流動性(粘度)を有するようになり、排出口17から適正に排出されやすくなる。
このように、排出口17が設けられた第3ブロック13の温度T3は、投入口16が設けられた第1ブロック11の温度T1よりも高く、ベント口18が設けられた第2ブロック12の温度T2よりも低いことが好ましい。
2.実施形態2
図3は、実施形態2に係る粉体溶融混練機1Aの概略構成を示す側面図である。
本実施形態に係る粉体溶融混練機1Aは、4つのブロック11,14,12,13と2つの投入口16,19とを有している。実施形態1に係る粉体溶融混練機1は、3つのブロック11,12,13と1つの投入口16とを有している。この点が、本実施形態と実施形態1との主な相違点である。
以下、図3を参照し、本実施形態に係る粉体溶融混練機1Aの概要を、実施形態1に係る粉体溶融混練機1との相違点を中心に説明する。また、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態に係る粉体溶融混練機1Aでは、投入口16が設けられた第1ブロック11と、投入口19が設けられた第4ブロック14と、ベント口18が設けられた第2ブロック12と、排出口17が設けられた第3ブロック13とが、搬送方向Xに沿って順に配置されている。
一方、実施形態1に係る粉体溶融混練機1では、投入口16が設けられた第1ブロック11と、ベント口18が設けられた第2ブロック12と、排出口17が設けられた第3ブロック13とが、搬送方向Xに沿って順に配置されている。
すなわち、本実施形態に係る粉体溶融混練機1Aでは、投入口16が設けられた第1ブロック11と、ベント口18が設けられた第2ブロック12との間に、投入口19が設けられた第4ブロック14が新たに設けられている。すなわち、粉体材料が投入される投入口16と気体が排出されるベント口18との間に、新たな粉体材料が投入される別の投入口19が設けられている。
なお、第1ブロック11及び第4ブロック14は、本願における、複数のブロックのうち、投入口が設けられた側に配置されたブロックの一例である。
粉体溶融混練機1Aは、ホッパー20(投入口16)とベント口18との間に、新たな粉体材料が貯留される別のホッパー21を備える。ホッパー21の下端部21aが投入口19に挿通されることによって、ホッパー21が第4ブロック14に取り付けられ、新たな粉体材料がホッパー21と投入口19とを介して、バレル10Aの内部空間Sに供給可能になる。
バレル10Aは、投入口16が設けられた第1ブロック11と、投入口19が設けられた第4ブロック14と、ベント口18が設けられた第2ブロック12と、排出口17が設けられた第3ブロック13とで構成される。すなわち、バレル10Aは、4つのブロック11,14,12,13で構成される。
本実施形態に係る粉体溶融混練機1Aでは、スクリュー26が回転すると、ホッパー20に貯留される粉体材料が投入口16から内部空間Sに継続して供給されることに加えて、ホッパー21に貯留される新たな粉体材料が投入口19から内部空間Sに継続して供給される。さらに、スクリュー26が回転すると、粉体材料と新たな粉体材料とは、バレル10Aの中で混合及び溶融混練され、可塑性を有する熱可塑性樹脂の混練物となり、排出口17から排出される。
温度調節部30Aは、第1温度調節部31と第2温度調節部32と第3温度調節部33とに加えて、新たに第4温度調節部34を有している。第1温度調節部31は第1ブロック11の外周面に取り付けられ、第2温度調節部32は第2ブロック12の外周面に取り付けられ、第3温度調節部33は第3ブロック13の外周面に取り付けられ、第4温度調節部34は第4ブロック14の外周面に取り付けられている。
制御装置40Aは、第1制御装置41と第2制御装置42と第3制御装置43とに加えて、新たに第4制御装置44を有している。第1制御装置41は第1温度調節部31に電気的に接続され、第2制御装置42は第2温度調節部32に電気的に接続され、第3制御装置43は第3温度調節部33に電気的に接続され、第4制御装置44は第4温度調節部34に電気的に接続されている。
第4温度調節部34は、温度調節部31,32,33と同じ構成であり、バレル10Aを加熱する加熱部30aと、バレル10Aを冷却する冷却部30bとを有している。第4制御装置44は第4ブロック14の温度を制御する。
ホッパー21に貯留される新たな粉体材料はポリエステルの粉末であり、新たな粉体材料の平均粒径は概略86μmである。ホッパー20に貯留される粉体材料(実施形態1の粉体材料)は微細なポリエステルの粉末であり、粉体材料の平均粒径は概略5.2μmである。ホッパー21に貯留される新たな粉体材料の軟化温度は概略87℃であり、ホッパー20に貯留される粉体材料の軟化温度と同じである。
このように、本実施形態に係る粉体溶融混練機1Aでは、ホッパー20に貯留される粉体材料に加えて、ホッパー21に貯留される新たな粉体材料がバレル10Aの中に投入される。
粉体材料の軟化温度及び新たな粉体材料の軟化温度は、本願における熱可塑性樹脂の軟化温度であり、以降、熱可塑性樹脂の軟化温度Tmと称す。
本実施形態の粉体溶融混練機1Aでは、投入口16が設けられた第1ブロック11の温度T1が60℃に維持され、投入口19が設けられた第4ブロック14の温度T1が60℃に維持され、ベント口18が設けられた第2ブロック12の温度T2が130℃に維持され、排出口17が設けられた第3ブロック13の温度T3が120℃に維持されている。換言すれば、第1ブロック11の設定温度は60℃であり、第1ブロック11の温度T1は設定温度(60℃)に維持され、第4ブロック14の設定温度は60℃であり、第4ブロック14の温度T1は設定温度(60℃)に維持され、第2ブロック12の設定温度は130℃であり、第2ブロック12の温度T2は設定温度(130℃)に維持され、第3ブロック13の設定温度は120℃であり、第3ブロック13の温度T3は設定温度(120℃)に維持される。
すなわち、本実施形態の粉体溶融混練機1Aでは、複数のブロック11,14,12,13のうち、投入口16,19が設けられた側に配置されたブロック11,14の温度をT1とし、排出口17が設けられた側に配置された第3ブロック13の温度をT3とし、ブロック11,14と第3ブロック13との間に配置されベント口18が設けられた第2ブロック12の温度をT2とした場合に、T2>T3>T1の関係が満たされる。
また、本実施形態の粉体溶融混練機1Aでは、投入口16,19が設けられたブロック11,14の温度T1は熱可塑性樹脂の軟化温度Tmよりも低くなっている。
仮に、投入口19が設けられた第4ブロック14の温度T1が熱可塑性樹脂の軟化温度Tmよりも高い場合、投入口19において粉体材料が軟化(溶融)し、溶融した粉体材料が投入口19に付着し、例えば投入口19が閉塞され、スクリュー26が回転しても、粉体材料が投入口19から内部空間Sに供給されにくくなる。
本実施形態では、投入口19が設けられた第4ブロック14の温度T1は熱可塑性樹脂の軟化温度Tmよりも低いので、投入口19において粉体材料は軟化(溶融)せず、溶融した粉体材料が投入口19に付着しない。すると、スクリュー26が回転することによって、粉体材料が投入口19から内部空間Sに安定して供給されようになる。すなわち、投入口19が設けられた第4ブロック14は、実施形態1における投入口16が設けられた第1ブロック11と同じ効果を得ることができる。
さらに、第1ブロック11と第2ブロック12と第3ブロック13とは、本実施形態と実施形態1とで同じ構成を有し、本実施形態と実施形態1とで同じ温度で使用されているので、実施形態1と同じ効果を得ることができる。
本実施形態の粉体溶融混練機1Aは、粉体材料が投入される投入口16,19が2つ設けられているので、2種類の樹脂をバレル10Aの中でまぜて、2種類の樹脂をアロイ化し、双方の特性を補う新たな特性を有する新たな樹脂を作り出すことができる。
例えば、投入口16から第1粉体材料が投入され、投入口19から第2粉体材料が投入され、第1粉体材料の軟化温度がTm1であり、第2粉体材料の軟化温度がTm2である場合、投入口16が設けられた第1ブロック11の温度は第1粉体材料の軟化温度Tm1よりも低いことが好ましく、投入口19が設けられた第4ブロック14の温度は第2粉体材料の軟化温度Tm2よりも低いことが好ましい。さらに、ベント口18が設けられた第2ブロック12の温度は排出口17が設けられた第3ブロック13の温度よりも高く、排出口17が設けられた第3ブロック13の温度は投入口16,19が設けられたブロック11,14の温度よりも高いことが好ましい。
また、本実施形態の粉体溶融混練機1Aでは、一方の投入口から粉体材料を投入し、他方の投入口から新たな機能材料を投入すると、排出口17から排出される熱可塑性樹脂に、色、香り、難燃などの機能を付加することができる。例えば、一方の投入口から粉体材料を投入し、他方の投入口から顔料を投入すると、排出口17から排出される熱可塑性樹脂の色を調整することができる。
3.変形例1
実施形態1では、バレル10が3つのブロック11,12,13で構成され、実施形態2では、バレル10Aが4つのブロック11,14,12,13で構成されていた。バレルを構成するブロックの数は3つまたは4つに限定されず、4つより多くてもよい。
バレルを構成するブロックの数が4つよりも多い場合、ベント口が設けられたブロックの温度は、排出口が設けられたブロックの温度よりも高く、排出口が設けられたブロックの温度は、投入口が設けられたブロックの温度よりも高いことが好ましい。さらに、投入口が設けられたブロックの温度は、投入口から投入される熱可塑性樹脂の軟化温度よりも低いことが好ましい。
さらに、バレルを構成するブロックの数は3つよりも少なくてもよい。
例えば、バレルは、複数のブロックに分割されるのでなく、一体となった構成であってもよい。バレルが一体となった構成である場合、バレルの投入口が設けられた部分(投入口が設けられた側のバレル)とバレルのベント口が設けられた部分とバレルの排出口が設けられた部分(排出口が設けられた側のバレル)とのそれぞれに温度調節部30を設け、バレルの投入口が設けられた部分(投入口が設けられた側のバレル)とバレルのベント口が設けられた部分とバレルの排出口が設けられた部分(排出口が設けられた側のバレル)とのそれぞれが最適温度に維持されることが好ましい。
この場合、投入口が設けられた側のバレルの温度をT1とし、排出口が設けられた側のバレルの温度をT3とし、T1の温度のバレルとT3の温度のバレルとの間のバレルの温度をT2とした場合に、T2>T3>T1の関係が満たされことが好ましい。加えて、投入口が設けられたバレルの温度T1は、投入口から投入される熱可塑性樹脂の軟化温度よりも低いことが好ましい。
4.変形例2
上述した実施形態では、バレル10,10Aの中に2つのスクリュー26が収納されていた。バレル10,10Aの中に収容されるスクリュー26の数は1つであってもよく、2つよりも多くてもよい。すなわち、本実施形態に係る粉体溶融混練機は、単軸のスクリュー式溶融混練機であってもよく、多軸のスクリュー式溶融混練機であってもよい。
さらに、バレル10,10Aの数は単数であってもよく、複数であってもよい。
5.変形例3
投入口から投入される粉体材料は、ポリエステルに限定されず、熱可塑性樹脂であればよい。例えば、投入口から投入される粉体材料は、ポリエチレンやポリプロピレンであってもよい。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
粉体溶融混練機は、熱可塑性樹脂の粉体が投入される投入口と、混合及び溶融混練された前記熱可塑性樹脂が排出される排出口と、前記投入口と前記排出口との間に配置され、内部に混入した気体を外部に排出するベント口とを有する筒状のバレルと、前記バレルの中で回転し、前記熱可塑性樹脂を前記投入口から前記排出口に送り出すスクリューと、を有し、前記投入口が設けられた側の前記バレルの温度をT1とし、前記排出口が設けられた側の前記バレルの温度をT3とし、前記T1の温度の前記バレルと前記T3の温度の前記バレルとの間の前記バレルの温度をT2とした場合に、T2>T3>T1の関係が満たされることを特徴とする。
粉体溶融混練機では、投入口から投入される粉体が、バレルの中で混合及び溶融混練され、熱可塑性樹脂の混練物として排出口から排出される。バレルは、投入口が設けられた部分(投入口が設けられた側のバレル)と、ベント口が設けられた部分(投入口が設けられた側のバレルと排出口が設けられた側のバレルとの間のバレル)と、排出口が設けられた部分(排出口が設けられた側のバレル)とを有する。さらに、バレルの投入口が設けられた部分の温度T1、バレルの排出口が設けられた部分の温度T3、バレルのベント口が設けられた部分の温度T2の順に、温度が高くなっている。
バレルの投入口が設けられた部分の温度T1が最も低いので、投入口から投入される粉体は溶融しにくく、粉体の溶融物が投入口に付着しにくい。従って、粉体の溶融物が投入口に付着し、粉体が投入口からバレルの中に適正に供給されなくなるという不具合が生じにくい。
粉体溶融混練機では、前記バレルは、複数のブロックで構成され、前記複数のブロックのうち、前記投入口が設けられた側に配置された前記ブロックの温度を前記T1とし、前記排出口が設けられた側に配置された前記ブロックの温度を前記T3とし、前記投入口が設けられた側に配置された前記ブロックと前記排出口が設けられた側に配置された前記ブロックとの間に設けられた前記ブロックの温度を前記T2としていることが好ましい。
粉体溶融混練機では、投入口から投入される粉体が、バレルの中で混合及び溶融混練され、熱可塑性樹脂の混練物として排出口から排出される。バレルは、投入口が設けられたブロックと、ベント口が設けられたブロックと、排出口が設けられたブロックとに分割されている。さらに、投入口が設けられたブロックの温度T1、排出口が設けられたブロックの温度T3、ベント口が設けられたブロックの温度T2の順に、温度が高くなっている。
投入口が設けられたブロックの温度T1が最も低いので、投入口から投入される粉体は溶融しにくく、粉体の溶融物が投入口に付着しにくい。従って、粉体の溶融物が投入口に付着し、粉体が投入口からバレルの中に適正に供給されなくなるという不具合が生じにくい。
粉体は、熱可塑性樹脂の粉の集合体であり、熱可塑性樹脂の粉と気体とを含む。このため、粉体が投入口からバレルの中に投入されると、粉体に含まれる気体がバレルの中に混入し、混入した気体がバレルの中に蓄積されると、粉体の溶融物が投入口から排出口に向けて移動しにくくなり、加えて、粉体がバレルの中に適正に供給されなくなる。
このため、粉体溶融混練機では、バレルの中に混入する気体を排出するベント口が、バレルに設けられている。
仮に、ベント口が設けられたブロックの温度T2が低い場合、粉体の溶融物の粘度が高くなり、粉体の溶融物が流動しにくくなるので、例えば加熱されて膨らんだ餅のように、気体と一緒に粉体の溶融物がベント口から排出され、粉体の溶融物がベント口に付着する。すると、ベント口から気体が適正に排出されなくなるので、ベント口に付着した粉体の溶融物を取り除く必要があり、粉体溶融混練機の生産性が低下する。
ベント口が設けられたブロックの温度T2は最も高いので、粉体の溶融物の粘度が低くなり、粉体の溶融物が流動しやすくなる。すると、加熱されて膨らんだ餅のように、気体と一緒に粉体の溶融物がベント口から排出されるという不具合が生じにくくなる。
粉体溶融混練機では、前記複数のブロックのそれぞれには、前記ブロックを加熱する加熱部と前記ブロックを冷却する冷却部とが設けられ、前記ブロックが設定温度に維持されることが好ましい。
仮に、加熱部だけによってブロックを設定温度に維持する場合、ブロックの温度が設定温度よりも高くなると、ブロックが冷却されにくいので、ブロックの温度が設定温度よりも高くなるオーバーシュートが生じ、ブロックが設定温度に維持されにくくなる。
加熱部及び冷却部によってブロックを設定温度に維持する場合、ブロックの温度が設定温度よりも高くなると、冷却部によってブロックを冷却することができるので、ブロックの温度が設定温度よりも高くなるオーバーシュートが生じにくくなり、ブロックが設定温度に維持されやすくなる。
粉体溶融混練機では、前記T1は、前記熱可塑性樹脂の軟化温度よりも低いことが好ましい。
投入口が設けられたブロックの温度T1が熱可塑性樹脂の軟化温度よりも低いと、投入口から投入される粉体は溶融せず、粉体が溶融物として投入口に付着しなくなる。従って、粉体の溶融物が投入口に付着し、粉体が投入口からバレルの中に適正に供給されなくなるという不具合が生じにくい。
粉体溶融混練機では、前記T2は、前記熱可塑性樹脂の軟化温度以上であって、前記軟化温度の3倍以下であることが好ましい。
ベント口が設けられたブロックの温度T2が、熱可塑性樹脂の軟化温度以上であって、熱可塑性樹脂の軟化温度の3倍以下であると、粉体の溶融物の粘度が低くなり、粉体の溶融物が流動しやすくなり、加熱されて膨らんだ餅のように、気体と一緒に粉体の溶融物がベント口から排出されるという不具合が生じにくくなる。
さらに、ベント口が設けられたブロックの温度T2が、熱可塑性樹脂の軟化温度の3倍よりも高いと、熱可塑性樹脂の不可逆的な変化(例えば、分解)が生じ、熱可塑性樹脂の性能が著しく低下するおそれがある。従って、ベント口が設けられたブロックの温度T2は、熱可塑性樹脂の軟化温度の3倍以下であることが好ましい。
1…粉体溶融混練機、10…バレル、11…第1ブロック、12…第2ブロック、13…第3ブロック、14…第4ブロック、16,19…投入口、17…排出口、18…ベント口、20,21…ホッパー、26…スクリュー、27…スクリュー軸、28…羽根、29…スクリュー溝、30…温度調節部、30a…加熱部、30b…冷却部、31…第1温度調節部、32…第2温度調節部、33…第3温度調節部、34…第4温度調節部、40…制御装置、41…第1制御装置、42…第2制御装置、43…第3制御装置、44…第4制御装置、50…駆動モーター、60…動力伝達機構。

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂の粉体が投入される投入口と、
    混合及び溶融混練された前記熱可塑性樹脂が排出される排出口と、
    前記投入口と前記排出口との間に配置され、内部に混入した気体を外部に排出するベント口とを有する筒状のバレルと、
    前記バレルの中で回転し、前記熱可塑性樹脂を前記投入口から前記排出口に送り出すスクリューと、
    を有し、
    前記投入口が設けられた側の前記バレルの温度をT1とし、前記排出口が設けられた側の前記バレルの温度をT3とし、前記T1の温度の前記バレルと前記T3の温度の前記バレルとの間の前記バレルの温度をT2とした場合に、T2>T3>T1の関係が満たされることを特徴とする粉体溶融混練機。
  2. 前記バレルは、複数のブロックで構成され、
    前記複数のブロックのうち、前記投入口が設けられた側に配置された前記ブロックの温度を前記T1とし、前記排出口が設けられた側に配置された前記ブロックの温度を前記T3とし、前記投入口が設けられた側に配置された前記ブロックと前記排出口が設けられた側に配置された前記ブロックとの間に設けられた前記ブロックの温度を前記T2としていることを特徴とする請求項1に記載の粉体溶融混練機。
  3. 前記複数のブロックのそれぞれには、前記ブロックを加熱する加熱部と前記ブロックを冷却する冷却部とが設けられ、前記ブロックが設定温度に維持されることを特徴とする請求項2に記載の粉体溶融混練機。
  4. 前記T1は、前記熱可塑性樹脂の軟化温度よりも低いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の粉体溶融混練機。
  5. 前記T2は、前記熱可塑性樹脂の軟化温度以上であって、前記軟化温度の3倍以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の粉体溶融混練機。
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