JP7089970B2 - スクリュ、押出機および混練補助エレメント - Google Patents
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Description
特許文献1には、送りねじにより構成された供給域および圧縮域と、送りねじの間にミキシングエレメントが設けられた計量域とを有するスクリュが示されている。このスクリュによると、溶融された原料に位置交換混合作用やせん断作用を与え、添加物を均一に分散混合することができる。
原料を混練する際に、スクリュのミキシングエレメントが設けられた箇所では溶融した原料が充満し、ミキシングエレメントの上流側に向かって原料溜まりが形成される。この原料溜まりが形成された領域は、搬送から混練へと切り替わる際の過渡領域となるが、従来のスクリュではこの過渡領域に送りねじが適用されており、過渡領域となることを考慮して設計されたエレメントを適用したスクリュは見当たらなかった。
以下、第1の実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
押出機10は、スクリュ11と、スクリュ11を回転可能に収容するシリンダ12が形成されたバレル13と、シリンダ12の中でスクリュ11を回転させる駆動機構(図示しない)を備えている。
スクリュ11は、直線状の軸線CLを有し、基端から先端に亘り真っ直ぐに延出したスクリュ本体20と、スクリュ本体20の外周に一体的に形成された搬送部21、混練部22および混練補助部23とを有して構成されている。なお、スクリュ11は、スクリュ本体20の基端が駆動機構(図示しない)に連結されている。
供給区間17では、スクリュ11は、円柱状のスクリュ本体20の外周に、原料を搬送する搬送作用を有する搬送部21として、順送りフライト24が一体的に形成されて構成されている。
圧縮区間18では、スクリュ11は、円錐台状のスクリュ本体20の外周に、搬送部21としての順送りフライト24が一体的に形成されて構成されている。
計量区間19では、スクリュ11は、円柱状のスクリュ本体20の外周に、搬送部21としての順送りフライト24と、混練部22と、混練補助部23とが一体的に形成されて構成されている。
なお、計量区間19におけるスクリュ本体20の直径は、供給区間17におけるスクリュ本体20の直径よりも大きくされている。
図2は、混練補助部23の概要を示す図である。
混練補助部23は、搬送部21(順送りフライト24)と混練部22(逆送りフライト25)との間に設けられ、スクリュ20の基端側では搬送部21と隣接し、スクリュ20の先端側では混練部22と隣接する。
横断壁26は、長手方向が軸線CLに沿った棒状または略棒状に形成され、その断面は、四角形状、略四角形状、扇状または略扇状に形成されている。
横断壁26の後面26bは、スクリュ本体20の外周面より軸線CLに沿って立設され、スクリュ本体20の周方向に面し、スクリュ11の回転方向の後面となる面である。
横断壁26の上面26cは、スクリュ本体20の外周側で前面26aと後面26bとをつなぐ面であり、スクリュ本体20の半径方向に対して先端の面となる。
横断壁26の高さは、搬送部21の順送りフライト24や混練部22の逆送りフライト25と同じ高さとされることが好ましいが、低くされていてもよい。
導入孔27aは、前面26aに開口し、前面26aから後面26bに向けて先細りとなる円錐筒状の壁面28aにより規定される円錐筒状の孔である。
小孔27bは、後面26bに開口し、後面26bから前面26aに向けて設けられた円筒状の壁面28bにより規定される円筒状の孔である。そして、小孔27bの断面積は、導入孔27aの断面積よりも小さくされている。
なお、通孔27を、前面26aと後面26bとに開口し、前面26aから後面26bに向けて先細りとなる円錐筒状の孔としてもよい。
粒状または粉体状の熱可塑性樹脂や添加材などが含まれる原料は、供給口14よりシリンダ12の基端に供給される。そして、供給された原料は、回転するスクリュ11の供給区間17、圧縮区間18を通過することにより、溶融した原料となる。
次に、第2の実施形態に係る押出機30について説明する。
図3は、第2の実施形態に係る押出機30を示している。
第2の実施形態は、スクリュ31の計量区間32に関する事項が第1の実施形態と相違している。それ以外の押出機30の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
スクリュ31の計量区間32は、スクリュ軸部33が形成されたスクリュ本体20に、搬送エレメント34と、混練エレメント35と、混練補助エレメント36とが外嵌されて構成されている。
搬送エレメント34は、筒状のエレメント本体40の外周に、順送りフライト24が一体的に形成されている。
混練エレメント35は、筒状のエレメント本体40の外周に、逆送りフライト25が一体的に形成されている。
混練補助エレメント36は、筒状のエレメント本体40の外周より突出して、一体的に形成された横断壁26を有している。横断壁26には通孔27が設けられている。混練補助エレメント36がスクリュ軸部33に外嵌された状態において、筒状のエレメント本体40の中心軸線は軸線CLと一致する。横断壁26は、長手方向が筒状のエレメント本体40の中心軸線に沿い、筒状のエレメント本体40の一端から他端に亘り形成されている。
そして、混練補助エレメント36は、搬送エレメント34と混練エレメント35との間に設けられ、スクリュ31の基端側ではエレメント34と隣接し、スクリュ31の先端側では混練エレメント35と隣接する。
図5は、第2の実施形態の変形例を示している。
図5に示される変形例は、混練補助エレメント50の構成が第2の実施形態と異なっている。
通孔53は、前面26aから後面26bに向けて、順に、前面26aに開口する導入孔55と、導入孔55と連通する第1の小孔57と、第1の小孔57と連通する中間孔59と、中間孔59と連通し、後面26bに開口する第2の小孔61により形成されている。なお、小孔57,61の断面積は、導入口55および中間孔59の断面積よりも小さい。
通孔53を形成する溝54は、前面26aから後面26bに向けて、順に、導入孔55を形成する第1の広幅溝56と、第1の小孔57を形成する第1の狭幅溝58と、中間孔59を形成する第2の広幅溝60と、第2の小孔61を形成する狭幅溝62により形成されている。
同様に、第2エレメント部50bの横断壁片52と第3エレメント部50cの横断壁片52の接合面52a、52aにも、それぞれ、通孔53を形成する溝54が設けられている。
次に、第3の実施形態に係る押出機70について説明する。
図6は、第3の実施形態に係る押出機70を示している。
第3の実施形態は、スクリュ71に関する事項が第2の実施形態と相違している。それ以外の押出機70の構成は、基本的に第2の実施形態と同様である。そのため、第3の実施形態において、第2の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
13…バレル、17…供給区間、18…圧縮区間、
19,32…計量区間、20…スクリュ本体、21…搬送部、
22…混練部、23…混練補助部、26…横断壁、
27,53…通孔、33…スクリュ軸部、34…搬送エレメント、
35…混練エレメント、36,50…混練補助エレメント、
38…スクリュヘッド、72…スクリュ軸
Claims (3)
- 基端から先端に向けて、原料を搬送しつつ混練するスクリュであって、
直線状の軸線を有し、前記軸線を中心に回転するスクリュ軸を備え、
前記スクリュ軸には、原料を搬送する搬送エレメントと、原料を混練する混練エレメントと、前記スクリュの基端側で前記搬送エレメントと隣接するとともに前記スクリュの先
端側で前記混練エレメントと隣接する混練補助エレメントとが外嵌され、
前記混練補助エレメントは、
複数のエレメント部を有し、
それぞれのエレメント部は、同一断面の円環板状のエレメント本体片と、前記エレメント本体片の外周から突出して形成された同一断面の横断壁片が設けられ、
前記複数のエレメント部を突き合せて一体化することにより、円筒状のエレメント本体と、前記エレメント本体の外周より突出した横断壁が形成され、
前記横断壁は、前記スクリュ軸の周方向に面する前面と後面とを有し、
前記横断壁の前記前面と前記後面とに開口する通孔が形成されるように、前記エレメント部の横断壁片の接合面に溝が設けられていることを特徴とするスクリュ。 - 請求項1に記載のスクリュを備え、前記スクリュで原料を混練し、混練物を吐出する押出機であって、
前記スクリュが回転可能に挿通されたシリンダを有するバレルと、
前記バレルに設けられ、前記シリンダ内に原料を供給する供給口と、
前記バレルに設けられ、混練物を吐出する吐出口と、を備えていることを特徴とする押出機。 - スクリュ軸に外嵌される混練補助エレメントであって、
複数のエレメント部を有し、
それぞれのエレメント部は、同一断面の円環板状のエレメント本体片と、前記エレメント本体片の外周から突出して形成された同一断面の横断壁片が設けられ、
前記複数のエレメント部を突き合せて一体化することにより、円筒状のエレメント本体と、前記エレメント本体の外周より突出した横断壁が形成され、
前記横断壁は、前記スクリュ軸の周方向に面する前面と後面とを有し、
前記横断壁の前記前面と前記後面とに開口する通孔が形成されるように、前記エレメント部の横断壁片の接合面に溝が設けられていることを特徴とする混練補助エレメント。
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