JP2021082850A - 電子制御装置 - Google Patents

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猛 山川
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Abstract

【課題】機器内部を介して生じる仮想グランド面との結合に起因するコモンモードノイズを低減可能な電子制御装置を実現する。【解決手段】電子制御装置1の高速トランシーバ102は差動伝送路106を介して相対機器105に接続され絶縁電源101と終端回路103がトランシーバ102に接続され絶縁電源101の二次側がトランシーバ102に接続され一次側が仮想グランド面100に接続される。トランシーバ102は絶縁電源101で仮想グランド面100と分離され接地回路104のインピーダンスで結合される。接地回路104のインピーダンスは差動伝送路106の線間コモンインピーダンスより高く、差動伝送路106のコモンインピーダンスは差動伝送路106の線路107と108との線間コモンインピーダンスが最小になるように設定できる。トランシーバ102に流れる電流は差動伝送路107と108の間で結合しトランシーバ102を還流する経路を遮断する。【選択図】図1

Description

本発明は、グランドが不安定な仮想グランド面上に構成された差動通信を有する電子制御装置に関する。
近年、自動車の高機能化に伴い、ユニット間での通信量が増大する傾向にある。これにより、車両内通信の高速化・大容量化が進展しているが、通信の高速化は取り扱う周波数の高周波化と高速で電圧を変化させるため、電圧レベルの低下が進展し、EMC(Electro Magnetic Compatibility)対策が重要な技術課題となっている。
このような高速通信における対策としては次の2つに大別され、一つ目は輻射ノイズの抑制であり、二つ目はイミュニティ耐性の向上である。
輻射ノイズはノーマルモードと呼ぶ、通信によって生じる高周波電流のループが原因となりアンテナ(ループアンテナ)を構成して放射するノイズと、コモンモードと呼ぶ、通信によって流れた電流がグランドを介して還流するときに、グランドが持つインピーダンスによってグランドの左右(還流路の入り口と出口)に電圧差が生じることで、本来安定であるはずのグランドが変動して基板そのものをアンテナとして放射するノイズとに分けられる。
イミュニティ耐性は外部からの干渉の影響の大きさを表しており、基本的に輻射の逆の特性を取る。すなわち、前掲のようにグランドがインピーダンスを持つことで外来ノイズを拾いやすくなり、耐性が低下する。
これらの影響は、ノーマルモードが単一の還流路に依存して構成されるループアンテナから生じるのに対し、コモンモードはグランドがアンテナとなるため、基板自体をアンテナとして放射し、基板につながるあらゆるケーブルをアンテナとして放射することから、アンテナとなる導体のサイズが信号線に比べると格段に大きくなっている。
そのため、コモンモードの影響は、ノーマルモードに対してより広い面積がアンテナとなるため電圧としてはわずかであっても、ノイズを強く放射する為、影響が大きい。
以上より、コモンモード対策が重要となる。
コモンモード対策としては、CAN(Control Area Network)などの低速通信や地上設置型の高速通信の終端回路において、2つの抵抗とコンデンサを組み合わせ、2つの抵抗を直列に差動線路の+と−の間に挿入し、その中点を、コンデンサを介してグランドに接続することでコモンモード成分をグランドに流す(コモンモード成分を逃がす)スプリットターミネーションと呼ばれる構成が提案されている。
このスプリットターミネーションは、たとえば地球のような安定でインピーダンスが限りなく0Ωに近いグランドに接続する場合、あるいは仮想グランドと呼ばれる、安定グランドから切り離されたあるインピーダンスを持つグランド上であってもインピーダンスが等価的に無視できるような周波数の低い通信に対しては有効な手段である。ここで、仮想グランド面を構成する機器としては、車両や航空機等、地球に接続されず車体や機体が仮想グランド面を構成する機器がある。
上述したような機器においては、インピーダンスの絶対値はグランドの抵抗成分、寄生インダクタンスL、寄生容量Cから次式(1)であらわされ、同じ基板であれば周波数が高いほどインピーダンスZが高くなることが分かる。つまり、周波数の高い高速通信では低速の通信のように有効な対策とはならない。
Figure 2021082850
ただし、ω=2πfである。
前掲のスプリットターミネーションの発展型として、その抵抗値に勾配を設けることで、2組の差動通信回線間の相互干渉(クロストーク)の影響を緩和する提案がある(特許文献1参照)。
特許文献1では、複数の差動信号を伝送するツイストペア線に対して、異なる値の抵抗とコンデンサを用いて接地抵抗に勾配を設け、かつ接続先を他の通信線に接続することで、ツイストペア線夫々に重畳されるノイズを低減する方策が提案されている。
特開2014−199988号公報
特許文献1に記載された技術は、スプリットターミネーションを持つ終端回路部を備えた通信回路であって、2組の差動通信回線によって構成された機器についてのみ、有効なノイズ対策手段である。
よって、複数の通信回線を有する機器、あるいはスプリットターミネーションが原理上採用できない規格では使用することができない。加えて、スプリット終端部の夫々の抵抗が別の組み合わせの信号線間に接続されることから、車両等、グランドが不安定な仮想グランド面上に配置される機器で、特に高速通信においてはコモンモードノイズに対しては効果が薄い、あるいはより悪化させる懸念がある。
前提となる通信環境について、仮想グランド面上に機器が配置される自動車を例として考える。
自動車では、車体は絶縁体(ゴム製)のタイヤを介して安定グランドである地球からフローティングされている。そのため、電源を含む車載電子機器は車体のシャシー(金属)を基準として動作することになる。このとき、シャシーは有限の金属質量を有し、かつ溶接等の接合部が存在することから電気的には抵抗分(インピーダンス)を有するため、シャシーへの搭載位置に応じてインピーダンスを持つことになる。
このように、質量が限定され、電子量が有限であり、かつ搭載機器の接続位置によってインピーダンスが生じるような環境を、仮想グランド面と呼び地球等の安定グランドと区別する。
このような仮想グランド面上に機器を搭載し、それら機器間で通信が行われた場合、通信によって生じる電流は仮想グランド面を介して還流することになるが、そのとき、上記式(1)で示した通り、周波数に応じてインピーダンスが大きくなることから、先行技術に基づいた1か所の終端部で、接地抵抗を2つの通信回線をまたぐように配置した場合、相対する通信機器夫々から線路を見た場合、往路(+)と復路(−)で経路が異なり、各線路のインピーダンスが異なってしまうためアンバランスが生じ(対称性が崩れる)終端回路そのものがコモンモードノイズ源となってしまう。
そのため、線路の対称性を維持したまま、仮想グランド面を介して還流するコモンモード成分を制御することが重要となる。
また、通信線路以外の入出力を介して車体や筐体などの仮想グランド面に接続される入出力回路を有する機器においては、機器内部で、回路間で共有するGNDや電源を介して接続されることでリターンループが形成されてしまう。そうすると、装置間で通信に伴って流れる通信電流が、差動線路以外の経路を介して還流してしまうためコモンモードノイズの増大を招いてしまう。
本発明の目的は、機器内部を介して生じる仮想グランド面との結合に起因するコモンモードノイズを低減可能な電子制御装置を実現することである。
上記目的を達成するために、本発明は次のように構成される。
電子制御装置において、第1のトランシーバと、前記第1のトランシーバを駆動する第1の絶縁電源と、前記第1のトランシーバとグランドとの間に配置される第1の接地回路と、前記第1のトランシーバの差動信号を伝送する差動伝搬路と、を備え、前記第1の接地回路のインピーダンスは、前記差動伝搬路のコモンモードインピーダンスよりも大である。
本発明によれば、機器内部を介して生じる仮想グランド面との結合に起因するコモンモードノイズを低減可能な電子制御装置を実現することができる。
基本的な電流ループ(コモンループ)を遮断する実施例1の電子制御装置の概略構成図である。 実施例1における電流ループ(コモンループ)遮断の原理を説明する図である。 電子制御装置が高速トランシーバと第2のトランシーバとを有する実施例2を示す図である。 実施例2における電流ループ(コモンループ)遮断の原理を説明する図である。 実施例3の電子制御装置の概略構成図である。 実施例3における電流ループ遮断の原理を説明する図である。 複数のマイコンを有する実施例4の電子制御装置を示す図である。 実施例4における電流ループ遮断の原理を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本発明の実施形態においては、車両の仮想グランド面上に搭載される電子制御装置、または通信装置に設けられることとして説明するが、本発明の適用範囲はこれに限定されない。
(実施例1)
図1は、基本的な電流ループ(コモンループ)を遮断する実施例1の電子制御装置の概略構成図であり、図2は実施例1における電流ループ(コモンループ)遮断の原理を説明する図である。
図1に示すように、電子制御装置1は、絶縁電源101(第1の絶縁電源)と、高速トランシーバ(第1のトランシーバ)102と、終端回路103と、接地回路104(第1の接地回路(接地素子))と、差動伝送路106(差動ペアとなる線路107(+)と108(−)とを有する)を備える。
守るべき高速トランシーバ102に接続された差動伝送路106が、電子制御装置1の外部に配置された通信の相対機器105に接続され、高速トランシーバ102に電源を供給するための絶縁電源101と、高速トランシーバ102の入出力端に終端回路103とが高速トランシーバ102に接続されている。
さらに、絶縁電源101の二次側を接地させるための抵抗またはコンデンサから構成される接地回路104が仮想グランド面100に接続されている。電子制御装置1及び相対機器105は、仮想グランド面100に搭載され、絶縁電源101の二次側が高速トランシーバ102に接続され、絶縁電源101の一次側が仮想グランド面100に接続されている。図示する例では、仮想グランド面100は車両フレーム(FG)である。
上述した構成によって、高速トランシーバ102は、絶縁電源101の効果で給電線路経由での仮想グランド面100との結合が電気的に分離され、接地回路104のインピーダンスで結合される。
さらに、接地回路104のインピーダンスは、差動伝送路106の線間コモンインピーダンスよりも大となるように設定することで、差動伝送路106のコモンインピーダンスは差動伝送路106を構成する線路107と108との線間のコモンインピーダンスが最小になるように設定することができる。
その結果、図2に示すように、接地回路104のインピーダンスが差動伝送路106の線間コモンインピーダンスよりも高いことから、高速トランシーバ102の動作による信号の送受信に伴って流れる電流は、差動伝送路107と108との間で結合し、経路201を介して流れるパスが支配的となる。このため、仮想グランド面100を介して高速トランシーバ102還流する経路202や203を遮断することが可能となる。
本発明の実施例1によれば、機器内部を介して生じる仮想グランド面との結合に起因するコモンモードノイズを低減可能な電子制御装置を実現することができる。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2について説明する。
図1に示した電子制御装置1は、一つの高速トランシーバ102を備える例であるが、高速トランシーバ102のみならず、第2のトランシーバを追加する場合も同様な構成とすることができる。
図3は、電子制御装置1が、高速トランシーバ102と、第2のトランシーバ302とを有する実施例2を示す図である。
図3に示す第2のトランシーバ302を追加した構成においては、高速トランシーバ102の系統の構成は図1の構成と同一としたまま、第2のトランシーバ302に接続された差動伝送路307(線路305と306とを有する)が、電子制御装置1の外部に配置された通信の相対機器308に接続されている。
また、第2のトランシーバ302に電源を供給するための絶縁電源301(第2の絶縁電源)と、第2のトランシーバ302の入出力端に接続された終端回路304とが搭載される。
さらに、絶縁電源301の二次側を接地させるための抵抗またはコンデンサから構成される接地回路303(第2の接地回路(接地素子))が、絶縁電源301の二次側と、相対機器308が搭載される仮想グランド面100の間に配置されている。
さらに、第2のトランシーバ302の系に設けられた接地回路303と高速トランシーバ102の系に設けられた接地回路104とは、電子制御装置1内に設けた1点接地点309(第2のトランシーバ302、接地回路303、高速トランシーバ102、及び接地回路104が配置される同一基板内の接地点)により一点で接続の上、仮想グランド面100に接続される。
図3に示した構成によって、第2のトランシーバ302は、絶縁電源301の効果で給電線路経由での仮想グランド面100との結合が電気的に分離され、接地回路303のインピーダンスを介してのみ仮想グランド面100と結合される。このとき、接地回路303のインピーダンスは、高速トランシーバ102の系に接続される差動伝送路106の線路107と108との間のコモンインピーダンスよりも大きく、かつ、高速トランシーバ102の系に接続される接地回路104のインピーダンスよりも小さな値となるよう値を決定する。
これにより、高速トランシーバ102の系に対しては、第2のトランシーバ102の系の接地回路303と高速トランシーバ102の系の接地回路104を介して接続されることから、少なくとも高速トランシーバ102に接続された差動伝送路106の線間のコモンインピーダンスより高くなり、かつ高速トランシーバ102の系の仮想グランド面100への接地インピーダンスより第2のトランシーバ302の系の接地インピーダンスを低く抑えられる。
よって、第2のトランシーバ302と、この系統に接続される差動伝送路307による電流ループの影響は、高速トランシーバ102と当該系統に接続される差動伝送路106に及ばないよう構成することができる。
図4は、実施例2における電流ループ(コモンループ)遮断の原理を説明する図である。
図4に示すように、高速トランシーバ102の動作による信号の送受信に伴って流れる電流は、相対機器308と仮想グランド面100を介して還流するが、接地回路104のインピーダンスが高く設定されていることから経路401を介して流れるパスと差動伝送路307を構成する線路305と306とのペア間での結合が支配的となるため、仮想グランド面100を介して還流する経路402や403を遮断することが可能となる。
本発明の実施例2は、第2のトランシーバ302の終端回路304はスプリットターミネーションとして構成されていることから、特にコモンモード電流については主たる還流パスは仮想グランド面100を介したパスとなるが、有効に制御可能であることが分かる。
実施例2においても、実施例1と同様な効果を得ることができる。
なお、線路間終端であっても、線間のコモンインピーダンスに対して十分高いインピーダンスを接地回路303に設定することで還流パスを差動線路経路401に簡易限定できるため、適切に制御可能である。
その他、絶縁電源101は、守るべき回線が高速トランシーバ102の系のみである場合は、非絶縁電源としても同等の効果を得ることができる。
また、第2のトランシーバ302の系統は、実施例2で示したルールに従い、第三、第四と必要に応じトランシーバの系統を追加することが可能である。
(実施例3)
次に、本発明の実施例3について説明する。
図5は、実施例3の電子制御装置の概略構成図であり、図6は、実施例3における電流ループ遮断の原理を説明する図である。
図5において、実施例3は、実施例2の構成に、その他の入出力回路を1回路以上する例である。つまり、実施例3は、高速トランシーバ102の系統と第2のトランシーバ302の構成は、実施例2と同一としたまま、外部入出力回路の駆動回路502と、この駆動回路502に接続された通信線路504が接続され、この通信回路504が、電子制御装置1の外部に配置される相対機器505に接続される例である。
また、実施例3では入出力回路の駆動回路502は、コモンモードノイズの影響を受けにくい入出力と定義する。このことから、駆動回路502の電源には非絶縁電源501を用いており、さらに仮想グランド面100への結合パスをインピーダンスの低い電源にのみ返せるように、外部入出力回路の駆動回路502に接続される通信回線504には、接地回路503(第3の接地回路(接地素子))を配置する。
接地回路503は、接地回路503のインピーダンスは、高速トランシーバ102の系に接続される差動伝送路106の線路107と108の間のコモンインピーダンスよりも大きく、かつ高速トランシーバ102の系(複数系統を接続する場合はすべての系統)に接続される接地回路104のインピーダンスよりも小さな値となるよう値を決定する。
これにより、図6に示すように、外部入出力回路503を追加した場合であっても、主たる還流パスは、経路601に限定され、高速トランシーバ102の系へのパス603、第2のトランシーバ302の系へのパス604及び駆動回路502へのパス605を遮断することが可能となる。また、外部入出力回路502についても接地抵抗503を介して外部入出力回路502に接続される通信線路504を接地することで、複数の還流パスが生じることのないよう制御することが可能となる。
なお、接地回路303のインピーダンスと接地回路503のインピーダンスとの大小関係は、第2のトランシーバ302と駆動回路502とを比較していずれの方の重要度が高いか、またはコモンモードノイズに対する耐性が低いかに基づいて設定することができる。重要度が高い方または耐性が低い方の接地回路303のインピーダンスまたは接地回路503のインピーダンスを大とすることができる。
実施例3においても、実施例1、2と同様な効果を得ることができる。
(実施例4)
次に、本発明の実施例4について説明する。
図7は、実施例4の電子制御装置1を示す図である。図7に示すように、実施例4は、実施例3の高速トランシーバ102と絶縁電源101との間に接続されるマイコン701(マイコンA(第1のマイコン))を配置し、絶縁電源301を省略し、第2のトランシーバ302と絶縁電源101との間に接続されるマイコン702(マイコンB(第2のマイコン))を配置した例であり、他の構成は、実施例3と同様となっている。
マイコン701と702は、電源のグランドを共通とし、電流ループ経路を構成する。
図7に示した実施例4の電子制御装置1においても、実施例3と同様に、接地制御を構成する接地回路104、303、503が上述した規則に従って設計されることで接地回路104、303、503のインピーダンス勾配(インピーダンスの差)によって電流ループ経路が一意に制御される。
また、図8は実施例4における電流ループ遮断の原理を説明する図である。図8に示すように、マイコン701及び702を介した電流ループ801が遮断され、守るべき高速トランシーバ102と、第2のトランシーバ302間で電流ループが生じることが防止される。
なお、上述した実施例4の構成は、電源を共有する構成であれば、マイコンの数は二つに限定されることはなく、三個以上、または一個のマイコンを高速トランシーバ102と、第2のトランシーバ302とで共有する構成も実施例とすることができ、このような構成においても同等の制御性を確保可能となる。
以上説明した実施例1〜4により、他系統の入出力を有する装置であっても、仮想グランド面100からの還流パスを制御して、コモンモードノイズを効果的に抑制することが可能となる。
以上のように、本発明の電子制御装置1によれば、外部機器である通信の相対機器105と通信するための差動伝送線路106と、信号を送受信するためのトランシーバ102と、このトランシーバ102を駆動するための電源101を有する。上記トランシーバ102、電源部101、及び差動線伝送路106は電子制御装置1内に設けられたプリント基板上に配置されており、通信系統の数だけ回路が搭載される。すなわち、同一基板上に複数の回路が同居する状態となる。なお、仮想グランド面100との結合は積極的な導体接続が無い状態でも容量結合等のAC的な結合が形成されることから、電子制御装置1の筐体は絶縁体、導体、積極的な接地の有無は問わない。
このとき守るべき通信回線、または高速通信回路等のコモンモード特性が厳しい通信回線について、トランシーバ102、及び差動伝送線路106間の結合を分離するために、トランシーバ102の電源101に絶縁電源を搭載する。また絶縁電源101の二次側をフローティングに保ち、仮想グランド面100、及び仮想グランド面100と結合した筐体との間に還流パスを形成しないように、差動伝送線路の有するコモンモードインピーダンスが高くなるように定数を設定したコンデンサ、抵抗、あるいはこれらの複合回路によって構成された接地回路104によって接地される。
この構造により、差動伝送線路106間の結合インピーダンスを、仮想グランド面100と伝送線路106、及び仮想グランド面100とトランシーバ102や相対機器105との結合インピーダンスよりより低く抑えることが可能となり、通信に伴う電流の還流経路を差動伝送線路106の1か所に限定できることから効果的に仮想グランド面100を介して還流する電流成分に起因したコモンモードノイズを抑制することが可能となる。
なお、上述した高速トランシーバは、帯域による規定ではなく、通信の重要度等によっても適用されることから特定の周波数範囲に依存しないものである。
また、本発明は、帯域の異なる通信回線である第2のトランシーバ302を1系統追加搭載した場合に、これらの差動伝送線路106、307を介して形成される電流ループを抑制するために、守るべき通信回線(たとえば高速トランシーバ102)への還流を抑止するために、接地回路104、303にインピーダンスの勾配を設ける構成とする。
具体的には、高速通信などの守るべき回線設置回路104の接地インピーダンスより、低い接地インピーダンスで追加回路302を仮想グランド面100に接地する。これにより、通信に伴うリターン電流は、より低いインピーダンスの追加回路302(第2のトランシーバ)側に流れるよう制御することができ、複数の通信回線を有する場合であっても通信回線間にまたがってコモンモードノイズの影響が輻輳することを回避可能となる。
また、さらに1つ以上の外部入出力回路の駆動回路502を追加した場合に、守るべき通信回線よりもさらに小さいインピーダンスの接地回路503を構成することで、複数の入出力がある装置であってもよりインピーダンスの低い接地回路503に積極的に還流させることで電流ループ経路を制御することが可能となり、コモンモードノイズが悪化することを回避可能となる。
なお、本発明の効果を最大化する方策として、外部入出力回路502についても絶縁電源を採用してもよい。
これにより、高速トランシーバ102をコモンモードノイズから守るだけでなく、各回線の耐ノイズ性や重要度に応じて還流経路を制御することが可能となり、電子制御装置1全体のコモンモードノイズ耐性を向上することが可能となる。
さらに、第2のトランシーバ302や外部入出力回路の駆動回路502等、複数の入出力を搭載したユニットにあって、回線の重要度や電源の絶縁/非絶縁などの状態に応じたコモンモードノイズ耐性に対応して、接地回路104、303、503のインピーダンスに勾配を設ける構成である。
これにより、より重要度の高い回線、あるいは耐性の低い回線を優先的に保護することが可能となり、電子制御装置1全体でのコモンモードノイズ耐性を向上することが可能となる。
さらに、各通信回線の接地回路104、303、503を一点での共通グランド(一点接地点309)に接地する構成である。これにより、電子制御装置1の基板内の迷走電流を抑制することが可能となり、多チャンネル入出力を搭載する機器のコモンモードノイズ耐性を改善することが可能となる。
さらに、高速トランシーバ102と第2のトランシーバ302を、電源101を共有する一つまたは二つのマイコンに接続した場合でも、トランシーバ102側の接地状態を管理することによって、夫々の通信回線に搭載した接地回路104、202にインピーダンスの勾配を設けることでコモンモードノイズ耐性を改善することが可能となる。
本発明の実施例について図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成は実施例に限られたものではない。
例えば、高速トランシーバ102の差動伝送路106など、各通信線路と仮想グランド面100との結合方法には、抵抗やコンデンサ等の回路素子を用いずに電界結合による手法など、本発明に係るインピーダンス差を利用して接地制御を行うという、発明の趣旨を逸脱しない範囲の設計変更も含まれる。
また、実施例として車両を例示して説明したが、同様の仮想グランド面を有する装置、たとえば航空機や宇宙機など、地球から切り離された状態で動作する装置全般も本発明を適用することができる。
上述した実施例においては、接地回路104、303、503の例を抵抗素子の例としたが、抵抗に限らず、コイルやコンデンサとすることや、これら抵抗素子、コイル、コンデンサのうちの任意のものの組み合わせを用いることも可能である。
100・・・仮想グランド面、101・・・高速トランシーバ用絶縁電源、102・・・高速トランシーバ、103・・・高速トランシーバの終端回路、104・・・接地回路、105・・・通信の相対機器、106・・・差動伝送路、107、108・・・線路、301・・・第2のトランシーバの絶縁電源、302・・・第2のトランシーバ、303・・・第2のトランシーバの接地回路、304・・・第2のトランシーバの終端回路、305、306・・・線路、307・・・差動伝送路、308・・・相対機器、309・・・接地回路の一点接地、501・・・非絶縁電源、502・・・駆動回路、503・・・接地回路、504・・・通信線路、505・・・相対機器、701、702・・・マイコン

Claims (7)

  1. 第1のトランシーバと、
    前記第1のトランシーバを駆動する第1の絶縁電源と、
    前記第1のトランシーバとグランドとの間に配置される第1の接地回路と、
    前記第1のトランシーバの差動信号を伝送する差動伝搬路と、
    を備え、前記第1の接地回路のインピーダンスは、前記差動伝搬路のコモンモードインピーダンスよりも大であることを特徴とする電子制御装置。
  2. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    第2のトランシーバと、
    前記第2のトランシーバを駆動する第2の絶縁電源と
    前記第2のトランシーバとグランドとの聞に配置され、前記第1の接地回路よりもインピーダンスが小さく、かつ前記第1のトランシーバに接続された差動伝送路のコモンモードインピーダンスより大きい第2の接地回路と、
    を備えることを特徴とする電子制御装置。
  3. 請求項2に記載の電子制御装置において、
    外部入出力回路の駆動回路と、
    前記駆動回路を駆動する非絶縁電源と、
    前記外部入出力回路の駆動回路とグランドとの聞に配置され、前記第1の接地回路よりもインピーダンスが小さく、かつ、前記第1のトランシーバに接続された差動伝送路のコモンモードインピーダンスより大きい第3の接地回路と、
    を備えることを特徴とする電子制御装置。
  4. 請求項3に記載の電子制御装置において、
    前記第2のトランシーバと前記外部入出力回路の駆動回路とのうちの重要度またはコモンモードノイズに対する耐性に基づいて、前記第2の接地回路のインピーダンスと前記第3の接地回路のインピーダンスとの大小関係を設定することを特徴とする電子制御装置。
  5. 請求項4に記載の電子制御装置において、
    前記第1のトランシーバの前記第1の接地回路を介しての前記グランドへの接地および前記第2のトランシーバの前記第2の接地回路を介して前記グランドへの接地は、一点接地点により前記グランドに接続されることを特徴とする電子制御装置。
  6. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記第1のトランシーバに接続され、前記第1の絶縁電源で動作する第1のマイコンと、
    第2のトランシーバと、
    前記第2のトランシーバに接続され、前記第1の絶縁電源で動作する第2のマイコンと、
    外部入出力回路の駆動回路と、
    前記駆動回路を駆動する非絶縁電源と、
    前記第2のトランシーバとグランドとの聞に配置され、前記第1の接地回路よりもインピーダンスが小さく、かつ前記第1のトランシーバに接続された差動伝送路のコモンモードインピーダンスより大きい第2の接地回路と、
    前記外部入出力回路の駆動回路とグランドとの聞に配置され、前記第1の接地回路よりもインピーダンスが小さく、かつ、前記第1のトランシーバに接続された差動伝送路のコモンモードインピーダンスより大きい第3の接地回路と、
    を備えることを特徴とする電子制御装置。
  7. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記第1のトランシーバに接続され、前記第1の絶縁電源で動作する第1のマイコンと、
    前記第1のマイコンに接続される第2のトランシーバと、
    外部入出力回路の駆動回路と、
    前記駆動回路を駆動する非絶縁電源と、
    前記第2のトランシーバとグランドとの聞に配置され、前記第1の接地回路よりもインピーダンスが小さく、かつ前記第1のトランシーバに接続された差動伝送路のコモンモードインピーダンスより大きい第2の接地回路と、
    前記外部入出力回路の駆動回路とグランドとの聞に配置され、前記第1の接地回路よりもインピーダンスが小さく、かつ、前記第1のトランシーバに接続された差動伝送路のコモンモードインピーダンスより大きい第3の接地回路と、
    を備えることを特徴とする電子制御装置。
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