JP2021082592A - 検査方法、及び、組電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の検査方法は、検査対象物の表面に導電体プローブを接触させて、上記検査対象物の表面の複数箇所における電気抵抗を測定する工程と、上記電気抵抗が許容範囲外である箇所が上記検査対象物に存在するか否かを判定する工程と、を備える。
図1では、検査対象物1の両面に一対の導電体プローブ2が配置されており、検査対象物1の表面のうち、検査対象物1の積層方向(図1では上下方向)において対向する箇所に導電体プローブ2を接触させている。この状態で、検査対象物1を矢印の向きに移動させることにより、検査対象物1の表面の複数箇所における電気抵抗を連続的に測定することができる。なお、検査対象物の両面には、矢印の向きに沿って複数対の導電体プローブ2が配置されていてもよい。
図2では、検査対象物1の幅方向に沿って複数対の導電体プローブ2が検査対象物1の両面に配置されており、検査対象物1の表面のうち、検査対象物1の積層方向において対向する箇所に導電体プローブ2を接触させている。この状態で、検査対象物1を矢印の向きに移動させることにより、検査対象物1の幅方向における電気抵抗を同時に測定することができる。なお、複数対の導電体プローブ2は、いわゆるジグザグ状に配置されていてもよい。また、検査対象物の両面には、矢印の向きに沿って複数対の導電体プローブ2がさらに配置されていてもよい。
図3では、検査対象物1の測定箇所Pに対応する箇所に複数対の導電体プローブ2が検査対象物1の両面に配置されており、検査対象物1の表面のうち、検査対象物1の積層方向において対向する箇所に導電体プローブ2を接触させる。これにより、検査対象物1の表面の複数箇所における電気抵抗を同時に測定することができる。導電体プローブ2の配置は特に限定されず、例えば、千鳥状や格子状等に配置される。
導電体プローブとして、検査対象物との接触面を構成する先端部分の材料(表1中、「接触面材料種」と記載する)が炭素材料であり、先端部分の面積が48cm2である測定端子を単電池の両面(上面及び下面)に接触させる。この際、同端子に5kPaの圧力がかかるよう押圧する。また、測定端子の先はLCRメーター(テクシオ・テクノロジー製、LCR−916)に接続し、単電池の電気抵抗をモニタリングする。その状態で、単電池の端をクリップでつかんで、図1に示すように単電池を引っ張り、測定端子間に単電池を通過させる。移動速度は10〜60mm/secとする。その結果、実施例1の仕様では、正常領域では抵抗平均値が51.0Ω・cm2を示し、意図的に短絡させた箇所を通過すると抵抗値が46.0Ω・cm2まで低下する事象が確認された。
単電池の上面に接触させる測定端子の先端部分の面積(表1中、「上面プローブ面積」と記載する)、単電池の下面に接触させる測定端子の先端部分の面積(表1中、「下面プローブ面積」と記載する)、及び、測定端子を接触させるときの圧力(表1中、「押圧」と記載する)を表1に示す値に変更したことを除いて、実施例1と同様に単電池の電気抵抗をモニタリングした。
実施例2の条件で単電池の電気抵抗をモニタリングした。
検査対象物との接触面を構成する先端部分の材料(表2中、「接触面材料種」と記載する)を炭素材料から金属系材料である銅に変更したことを除いて、実施例8と同様に単電池の電気抵抗をモニタリングした。
検査対象物との接触面を構成する先端部分の材料を炭素材料から金属系材料であるアルミニウムに変更したことを除いて、実施例8と同様に単電池の電気抵抗をモニタリングした。
単電池10個に対して、実施例2の条件で電気抵抗をモニタリングし、それぞれの単電池における抵抗値の標準偏差Nを算出した。また、各実施例において、単電池の設計から算出される出力と、実際に単電池の出力試験を行った際の出力との比である出力/設計割合を算出した。この数値が100%に近いほど、設計通りの出力が出ていることを表しているため、良品と判断できる。
図4に示す単電池10は、略矩形平板状の正極樹脂集電体17の表面に正極活物質層15が形成された正極12と、同様に略矩形平板状の負極樹脂集電体19の表面に負極活物質層16が形成された負極13とが、同様に略平板状のセパレータ14を介して積層されて構成され、全体として略矩形平板状に形成されている。この正極12と負極13とがリチウムイオン電池の正極及び負極として機能する。
正極活物質としては、リチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属元素が1種である複合酸化物(LiCoO2、LiNiO2、LiAlMnO4、LiMnO2及びLiMn2O4等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO4、LiNi1−xCoxO2、LiMn1−yCoyO2、LiNi1/3Co1/3Al1/3O2及びLiNi0.8Co0.15Al0.05O2)及び遷移金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMaM’bM’’cO2(M、M’及びM’’はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/3O2)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO4、LiCoPO4、LiMnPO4及びLiNiPO4)、遷移金属酸化物(例えばMnO2及びV2O5)、遷移金属硫化物(例えばMoS2及びTiS2)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ−p−フェニレン及びポリビニルカルバゾール)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
正極活物質の周囲が被覆用樹脂で被覆されていると、電極の体積変化が緩和され、電極の膨張を抑制することができる。
これらの導電助剤は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物として用いられてもよい。
なかでも、電気的安定性の観点から、より好ましくはアルミニウム、ステンレス、銀、金、銅、チタン、炭素系導電助剤及びこれらの混合物であり、さらに好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及び炭素系導電助剤であり、特に好ましくは炭素系導電助剤である。
また、これらの導電助剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料[好ましくは、上記した導電助剤のうち金属のもの]をめっき等でコーティングしたものでもよい。
導電助剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
ここで、非結着体とは、正極活物質が結着材(バインダともいう)により位置を固定されておらず、正極活物質同士及び正極活物質と集電体が不可逆的に固定されていないことを意味する。
粘着性樹脂としては、例えば、特開2017−054703号公報に記載された非水系二次電池活物質被覆用樹脂に少量の有機溶剤を混合してそのガラス転移温度を室温以下に調整したもの、及び、特開平10−255805公報に粘着剤として記載されたもの等を好適に用いることができる。
なお、粘着性樹脂は、溶媒成分を揮発させて乾燥させても固体化せずに粘着性(水、溶剤、熱などを使用せずに僅かな圧力を加えることで接着する性質)を有する樹脂を意味する。一方、結着材として用いられる溶液乾燥型の電極バインダは、溶媒成分を揮発させることで乾燥、固体化して活物質同士を強固に接着固定するものを意味する。
従って、溶液乾燥型の電極バインダ(結着材)と粘着性樹脂とは異なる材料である。
負極活物質としては、公知のリチウムイオン電池用負極活物質が使用でき、炭素系材料[黒鉛、難黒鉛化性炭素、アモルファス炭素、樹脂焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの等)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス等)及び炭素繊維等]、珪素系材料[珪素、酸化珪素(SiOx)、珪素−炭素複合体(炭素粒子の表面を珪素及び/又は炭化珪素で被覆したもの、珪素粒子又は酸化珪素粒子の表面を炭素及び/又は炭化珪素で被覆したもの並びに炭化珪素等)及び珪素合金(珪素−アルミニウム合金、珪素−リチウム合金、珪素−ニッケル合金、珪素−鉄合金、珪素−チタン合金、珪素−マンガン合金、珪素−銅合金及び珪素−スズ合金等)等]、導電性高分子(例えばポリアセチレン及びポリピロール等)、金属(スズ、アルミニウム、ジルコニウム及びチタン等)、金属酸化物(チタン酸化物及びリチウム・チタン酸化物等)及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金等)等及びこれらと炭素系材料との混合物等が挙げられる。
導電助剤及び被覆用樹脂としては、上述した被覆正極活物質と同様の導電助剤及び被覆用樹脂を好適に用いることができる。
樹脂集電体の形状は特に限定されず、導電性高分子材料からなるシート状の集電体、及び、導電性高分子材料で構成された微粒子からなる堆積層であってもよい。
樹脂集電体の厚さは、特に限定されないが、50〜500μmであることが好ましい。
導電性高分子材料を構成する導電剤としては、上述した被覆正極活物質に含まれる導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、さらに好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
電解液としては、公知のリチウムイオン電池の製造に用いられる、電解質及び非水溶媒を含有する公知の電解液を使用することができる。
電解液の電解質濃度が1mol/L未満であると、電池の充分な入出力特性が得られないことがあり、5mol/Lを超えると、電解質が析出してしまうことがある。
なお、電解液の電解質濃度は、リチウムイオン電池用電極又はリチウムイオン電池を構成する電解液を、溶媒などを用いずに抽出して、その濃度を測定することで確認することができる。
本発明の組電池の製造方法は、本発明の検査方法により電気抵抗が許容範囲外である箇所が存在しないと判定された検査対象物を用いて、複数の単電池を積層する工程を備える。
図5に示す組電池100は、単電池10が複数個接続されてなる。図5には、図4に示す単電池10が5つ積層された組電池100を示している。組電池100では、隣り合う単電池10の負極樹脂集電体19の上面と正極樹脂集電体17の下面が隣接するように積層されている。この場合、単電池10は複数個直列接続されている。
2 導電体プローブ
10 単電池
12 正極
13 負極
14 セパレータ
15 正極活物質層
16 負極活物質層
17 正極樹脂集電体
18 枠部材
19 負極樹脂集電体
100 組電池
110 外装体
120 正極引出端子
130 負極引出端子
P 測定箇所
Claims (5)
- 樹脂集電体、前記樹脂集電体に活物質層が積層された電極シート、前記電極シートにセパレータが組み合わされたセパレータ付き電極シート、又は、順に積層された一組の正極樹脂集電体と正極活物質層とセパレータと負極活物質層と負極樹脂集電体とを備える単電池を検査対象物として、前記検査対象物の表面に導電体プローブを接触させて、前記検査対象物の表面の複数箇所における電気抵抗を測定する工程と、
前記電気抵抗が許容範囲外である箇所が前記検査対象物に存在するか否かを判定する工程と、を備えることを特徴とする検査方法。 - 前記検査対象物の表面のうち、積層方向において対向する箇所に前記導電体プローブを接触させる請求項1に記載の検査方法。
- 前記導電体プローブが積層方向において対向した状態で配置された領域に前記検査対象物を通過させることで、前記検査対象物の表面に前記導電体プローブを接触させる請求項1又は2に記載の検査方法。
- 前記導電体プローブが炭素材からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の検査方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の検査方法により前記電気抵抗が許容範囲外である箇所が存在しないと判定された検査対象物を用いて、複数の単電池を積層する工程を備えることを特徴とする組電池の製造方法。
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