以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の概略断面図である。この画像形成装置2000は、例えば、電子写真方式を用いたカラー画像形成装置である。特に、画像形成装置2000は、プロセスユニット101(101y、101m、101c、101k)が並べて配置された中間転写タンデム方式の画像形成装置である。プロセスユニット101y、101m、101c、101kは、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色の現像剤のトナー画像を形成する。なお、色数は4色に限定されるものではなく、また色の並び順もこの限りではない。
画像形成装置2000は、画像読取部2と画像形成部3(画像形成手段)とから構成されている。画像読取部2の上部には透明ガラス板からなる原稿台4が設けられている。原稿台4に画像面を下向きにして載置された原稿Dが原稿圧着板5で押圧固定される。原稿台4の下方には、原稿Dを照明するランプ6と、照明した原稿Dの光像を画像処理ユニット7に導くための反射ミラー8、9、10とからなる光学系が設けられている。ランプ6および反射ミラー8、9、10は所定の速度で移動して原稿Dを走査する。
画像形成部3において、プロセスユニット101y、m、c、kは、像担持体としての中間転写ベルト108上に、一定の間隔をおいて略水平な一直線上に配置されている。プロセスユニット101y、m、c、kはそれぞれ、感光ドラム(感光体)102y、m、c、k、帯電ローラ103y、m、c、k、露光装置104y、m、c、k、現像器105y、m、c、k、および補助帯電ブラシ109y、m、c、kを備える。また、現像器105y、m、c、kのそれぞれに、トナー容器106y、m、c、kが接続されている。さらに、画像形成部3は、感光ドラム102y、m、c、kに対応して、一次転写ローラ107y、m、c、kを備える。また、画像形成部3は、中間転写ベルト108、濃度センサ112、二次転写ローラ15、転写クリーニング装置111、定着器19を備える。
中間転写ベルト108は、駆動ローラ122によって回転駆動される。各感光ドラム102は回転駆動される。各帯電ローラ103は、対応する感光ドラム102の表面を一様に帯電させる。各露光装置104は、送られてきた画像情報の信号に基づいて、対応する感光ドラム102に対し静電潜像を形成する。各現像器105は、対応する感光ドラム102上に形成された静電潜像を現像することで、トナー画像として顕在化させる。各感光ドラム102上のトナー画像は、対応する一次転写ローラ107により、所定の加圧力および静電的負荷バイアスが与えられることで、中間転写ベルト108上(像担持体上)に転写される。
中間転写ベルト108上で重ね合わされた各色のトナー画像は、搬送され、駆動ローラ122と二次転写ローラ15とが当接するニップ上において記録材であるシートP上に転写される。なお、上記ニップ部を通過した後の中間転写ベルト108上の転写残トナーは、転写クリーニング装置111によって回収される。シートPは、4つの収容部としての用紙カセット18(18a〜18d)、または手差しトレイ50から供給される。シートPは各用紙カセット18に積載される形で収納されており、分離機構によって、画像形成タイミングに合わせて給送される。送り出されたシートPは、搬送パスを通過し、レジストローラにおいて斜行補正やタイミング補正が行われた後、上記ニップ部へと送られる。
上記ニップ部の下流には定着器19が設けられている。定着器19は、搬送されるシートP上のトナー画像を定着する。定着器19においてトナー画像が定着されたシートPは、排出ローラ対21によって画像形成装置2000の外部へ排出される。画像形成装置2000は、操作部1000を備える。操作部1000は表示部を有する。また、画像形成部3は、冷却用の回転ファン(FAN)300を備える。前カバー125は、画像形成装置2000の前面に開閉可能に設置されている。ユーザは、前カバー125を開けることで、感光ドラム102や現像器105等の交換式消耗品にアクセスすることができる。前カバー125の開閉状態は、前カバーセンサ123によって検知される。
右カバー126は、画像形成装置2000の右側面に開閉可能に設置されている。ユーザは、右カバー126を開けることで、中間転写ベルト108等の交換式消耗品へアクセスできるほか、ジャム発生により残留した紙を取り除くためにアクセスすることができる。右カバー126の開閉状態は、右カバーセンサ124によって検知される。前カバー125および右カバー126には、インターロックスイッチ127が設けられており、各カバーを開く操作により、負荷動作部への電源供給が遮断される構成となっている。
用紙カセット18の各々には、開閉を検知するカセット開閉センサ205と、格納されたシートPのサイズを検知するサイズセンサ(不図示)とが設けられている。用紙カセット18が閉じられると、サイズセンサの出力に基づいてシートサイズが自動的に検知される。また、手差しトレイ50には、トレイ上のシートPの有無を検知する手差しセンサ201が設けられている。シートPが置かれたことを手差しセンサ201が検知すると、置かれたシートPのサイズ設定をユーザに促す画面が操作部1000に表示される。ユーザが画面の指示に従いシートサイズを設定することで、画像形成装置2000はトレイに置かれたシートPのサイズを認識できる。
図2は、画像形成装置2000の制御系統のブロック図である。図3は、画像形成装置2000の制御回路図である。この制御系統は、電源ユニット200、制御ユニット210、ドライバユニット230および高圧ユニット240を有する。これらのユニットにより、以下に説明する電源部、信号出力部、制御部、制御回路部、負荷動作部が構成される。
電源部の構成を説明する。電源部は主に電源ユニット200により実現される。電源ユニット200は、+24[V]の電源電圧を出力する。電源ユニット200は、電源電圧をヒューズFU1、FU2、FU3を介して分配し、各構成部品に給電する。制御ユニット210は、電源ユニット200から給電された+24[V]の電源電圧を、DCDCコンバータ211により3.3[V]の電圧に降圧して、CPU212a、ドライバユニット230(ASIC231)等へ給電する。ドライバユニット230は、電源ユニット200から給電された+24[V]の電源電圧を、ヒューズFU4、FU5によってさらに細分化し、高圧ユニット240やモータ駆動部236(第1モータ駆動部236a、第2モータ駆動部236b)へ給電する。
また、+24[V]の電源電圧は2つの電源系統に分かれている。その1つは、前カバー125、右カバー126の各開閉動作に連動して電力を供給・遮断するインターロックスイッチ127により、電力供給のオンオフがされる電源系統である。他の1つは、カバーの開閉状態に関係なく電力供給される電源系統である。本実施の形態では、着脱モータ603およびFAN300は、カバーの開閉状態に関係なく電力が供給される電源系統である。
制御部について説明する。制御部は、主に制御ユニット210により実現される。制御ユニット210は、CPU212aがROM212bに格納された制御プログラムを実行することで、各構成要素の動作を制御し、画像形成等に関する様々な制御シーケンスを行う。その際、RAM212cは、ワークメモリとして用いられ、書き換え可能なデータを格納する。RAM212cには、例えば高圧ユニット240への高圧設定値、着脱可能なユニットに関する駆動設定情報などが保持されている。CPU212aは、シリアル通信を通じてドライバユニット230のASIC231と接続される。CPU212aは、ASIC231内部のレジスタやRAM212cに対するリード/ライト動作をシリアル通信により行うことで、ASIC231の動作を制御する。また、CPU212aは、ユーザからの画像出力要求の実行タイミングの制御や、画像出力の要求内容に従って、使用する用紙カセット18、設定するカラーモード(モノクロ・カラー)といった、プリント画像出力に必要な情報を生成する。
信号出力部について説明する。信号出力部は、主にASIC231により実現される。ASIC231は、AD変換器232、高圧制御部233、モータ制御部234といった機能モジュールを備える。ドライバユニット230は、モノクロドラムモータ600、カラードラムモータ601、定着モータ602、着脱モータ603を制御する。AD変換器232は、アナログ信号値を取り込む。高圧制御部233は、高圧ユニット240を制御する。モータ制御部234は、モータ駆動部236を制御する。ASIC231は、シリアル通信を通じてCPU212aから設定値を取得し、設定値に基づいて各機能モジュールの設定を行う。各機能モジュールは、設定値に基づいてロジック回路が動作することで、制御信号を出力する。
着脱モータ603は、ベルト着脱ユニット118を駆動する(図4で後述)。モノクロドラムモータ600は、感光ドラム102k、中間転写ベルト108、現像器105kを駆動する。カラードラムモータ601は、感光ドラム102y、102m、102c、現像器105y、105m、105cを駆動する。定着モータ602は、定着器19を駆動する。
制御回路部を説明する。制御回路部は、主に高圧ユニット240や、ドライバユニット230内のモータ駆動部236により実現される。図3に示すように、ドライバユニット230はさらに、信号検知部305、第1電流検知部306aを備える。ドライバユニット230はさらに、電圧検知部303(第1電圧検知部303a、第2電圧検知部303b)を備える。モータ駆動部236、信号検知部305、第1電流検知部306aはいずれも、モータごとに設けられているが、図3では、いずれも1つの着脱モータ603に対応するものだけ図示している。図2に示すように、第1モータ駆動部236aは、着脱モータ603を駆動する。第2モータ駆動部236bは、モノクロドラムモータ600、カラードラムモータ601、定着モータ602を駆動する。電源部からの電源供給と信号出力部からの出力信号とに基づいて制御回路部が動作する。
例えば、モータ駆動部236にはモータを駆動するための回路としてドライバICが備えられており、モータを回転させるための制御信号が入力されるとドライバICはモータを回転制御する。モータが回転すると、個々のモータの負荷部である感光ドラム102、中間転写ベルト108、現像器105、定着器19、ベルト着脱ユニット118、FAN300が駆動される。また、ベルト着脱ユニット118に設けられたホームポジションセンサ(HPセンサ)242(図4で後述)が中間転写ベルト108の着脱位置を検出し、その検出結果がASIC231に入力される。ASIC231への入力値は通信を通じてCPU212aへと報知され、CPU212aは入力値に基づいてベルト着脱ユニット118の位置制御を行う。
高圧ユニット240は、第2電流検知部306b、帯電DC高圧部220を備える(図3)。第2電流検知部306bは、帯電DC高圧部220からの出力電流を検知し、その検出結果をASIC231に送る。
負荷動作部(負荷部)には、主に、感光ドラム102、中間転写ベルト108、現像器105、定着器19、ベルト着脱ユニット118およびFAN300が含まれる。モータ駆動部236によりモータが回転されると、個々のモータに対応する負荷動作部が駆動される。なお、モータ駆動部236は、モータごとに備えられるが、図3では代表して1つが示されている。
図2に示すように、CPU212aは、操作部1000およびLAN1001に接続される。CPU212aは、操作部1000から指示等の入力信号を取得して、入力信号に応じた情報を操作部1000の画面に表示させる。CPU212aは、LAN1001を介してコンピュータ等の外部装置と通信する。HPセンサ242(図4)の出力信号は、ASIC231に入力される。
図4(a)〜(c)は、ベルト着脱ユニット118の模式図である。ベルト着脱ユニット118は、ステッピングモータである着脱モータ603の回転によって、感光ドラム102に対する中間転写ベルト108および一次転写ローラ107の当接状態/離間状態を切り替える。ホームポジションフラグ(HPフラグ)243は、着脱モータ603の回転に連動して動作する。HPセンサ242によって、中間転写ベルト108の3つの着脱位置が検出される。
図4(a)は、HPセンサ242がHPフラグ243を検知してON(オン)を出力している状態を示している。この状態は、一次転写ローラ107kと感光ドラム102kとが当接し、一次転写ローラ107y、m、cと感光ドラム102y、102m、102cとが当接していないモノクロ着位置に該当する。
図4(b)は、HPセンサ242がHPフラグ243を検知しなくなった位置(OFF位置)からHPフラグ243が第1の所定パルスだけ進んだ状態を示している。この状態は、全色の一次転写ローラ107と感光ドラム102とが当接している全色着位置に該当する。
図4(c)は、HPフラグ243の上記OFF位置からHPフラグ243が第2の所定パルスだけ進んだ状態を示している。この状態は、全色の一次転写ローラ107と感光ドラム102とが当接していない全色脱位置に該当する。
画像形成装置2000の起動時には、ベルト着脱ユニット118は初期化動作としてモノクロ着位置へ移動する。画像形成開始の際、ベルト着脱ユニット118は、モノクロ画像を形成する場合はモノクロ着位置へ移動し、カラー画像を形成する場合は全色着位置へ移動する。また、右カバー126が開けられたときは、ベルト着脱ユニット118は、中間転写ベルト108が交換される可能性があるため全色脱位置へ移動する。
濃度センサ112は、中間転写ベルト108上で重ね合わされた各色のトナー画像を読み取る。濃度センサ112は、全色脱位置(図4(c))では中間転写ベルト108から離れた状態となり、モノクロ着位置(図4(a))または全色着位置(図4(b))では中間転写ベルト108に当接または近接する状態となる。
ベルト着脱ユニット118の異常検出は次のようになされる。CPU212aは、ベルト着脱ユニット118が全色着位置または全色脱位置からモノクロ着位置へ遷移する際、第1の所定時間以内にHPセンサ242のONが検知されない場合は、ベルト着脱ユニット118に異常が発生したと判定する。また、CPU212aは、ベルト着脱ユニット118がモノクロ着位置から全色着位置または全色脱位置へ遷移する際、第2の所定時間以内にHPセンサ242のOFFが検知されない場合は、ベルト着脱ユニット118に異常が発生したと判定する。
画像形成装置2000の各所における異常がセンサ等によって検出されるようになっている。異常のタイプ(種別)には複数あり、そのうち第1のタイプ、第2のタイプ、第3のタイプについて説明する。第1のタイプは、装置内部にアクセスするために開けられるカバーが開状態になると、異常箇所に関する故障診断のために動作する負荷部に対する電力供給が遮断されるタイプである。第2のタイプは、装置内部にアクセスするために開けられるカバーが開状態になっても、異常箇所に関する故障診断のために動作する負荷部に対する電力供給が遮断されないタイプである。第2のタイプは第3のタイプを含む。第3のタイプは、第2のタイプのうち、異常箇所に関する故障診断のために動作する負荷部に対してユーザが触れるおそれがあるタイプである。図5も参照して、異常のタイプの例をさらに説明する。
図5は、タイプデータテーブルの例を示す図である。このタイプデータテーブルは、エラーコードと異常のタイプと異常の内容との関係を規定するテーブルであり、予めROM212bに格納されている。
動作制御が正常に終了しない場合等、画像形成装置2000内で何らかの異常が検出されると、CPU212aはエラーコードを発行する。CPU212aは、そのエラーコードを、操作部1000の画面に表示したり、LAN1001を介してコールセンターへ送信したりすることで報知する。例えば、ベルト着脱ユニット118の異常が検出されると、「E006」というエラーコードが報知される。
図5に示すように、各エラーコードには、異常のタイプを示す情報として‘1’、‘2’または‘3’が対応付けられている。例えば、現像器105y、m、c、kの各異常を示す「E001」〜「E004」には、第1のタイプ‘1’が対応付けられている。FAN300の異常を示す「E005」には、第2のタイプ‘2’が対応付けられている。ベルト着脱ユニット118の異常を示す「E006」には、第3のタイプ‘3’が対応付けられている。モノクロドラムモータ600、カラードラムモータ601、定着モータ602の異常を示す「E007」〜「E009」には、第1のタイプ‘1’が対応付けられている。
なお、タイプデータテーブル(図5)における異常検出内容の項目は、エラーコードの内容を理解しやすいように記載されているものである。従って、実際にROM212bに記憶されるのは、エラーコードと異常タイプを示す情報のみであってもよい。
インターロックスイッチ127は、一部の負荷部に対する電力供給を遮断する遮断手段である。例えば、前カバー125または右カバー126が開状態になると、現像器105、感光ドラム102、定着器19、高圧ユニット240への電力供給が遮断される(図2参照)。従って、現像器105、感光ドラム102(ドラムモータ600、601)、定着器19(定着モータ602)、高圧ユニット240の異常は第1のタイプに該当する。これらの負荷部は、画像形成部3による画像形成のために動作が不可欠な負荷部である。
一方、前カバー125や右カバー126が開状態となっても、FAN300やベルト着脱ユニット118に関する負荷部への電力供給は遮断されず、これらの負荷部は動作可能である。従って、FAN300やベルト着脱ユニット118の異常は第2のタイプに該当する。ところが、右カバー126が開いていると、ベルト着脱ユニット118に関する負荷部に対してユーザが触れるおそれがある。故障診断の正確性をより高めるためには、ベルト着脱ユニット118における負荷部にユーザが触れないように、右カバー126を閉じた状態で故障診断を実施するのが望ましい。従って、ベルト着脱ユニット118の異常は、第2のタイプのうち第3のタイプに該当する。
言い換えると、第1のタイプは、電力供給の観点から、カバーを閉じないと、異常の箇所に関する故障診断を開始できないタイプである。第2のタイプは、電力供給の観点からは、カバーが開いたままでも、異常の箇所に関する故障診断を開始できるタイプである。第3のタイプは、故障診断の正確性の観点から、カバーを閉じないと、異常の箇所に関する故障診断を開始できないタイプである。
図6は、異常発生時処理のフローチャートである。この処理は、ROM212bに格納されたプログラムをCPU212aがRAM212cに展開して実行することにより実現される。この処理は、例えば、画像形成装置2000の電源がオンにされたときに開始される。この処理において、CPU212aは、本発明における判定手段、制御手段としての役割を果たす。
まず、CPU212aは、ステップS101で、画像形成装置2000内で何らかの異常が検出されるまで待機し、異常が検出されると、ステップS102で、画像形成装置2000を緊急停止させる。なお、HPセンサ242、濃度センサ112は、CPU212aと協働して、画像形成装置2000に異常が発生したことを検出するので、本発明における検出手段としての役割を果たす。
ステップS103では、CPU212aは、タイプデータテーブル(図5)を参照し、今回、異常が検出されたことに応じて発行されたエラーコードから、今回発生した異常のタイプを判定する。例えば、エラーコードが「E001」であれば、CPU212aは、異常タイプは第1のタイプであると判定する。また、CPU212aは、エラーコードが「E005」であれば、異常タイプは第2のタイプであると判定し、エラーコードが「E006」であれば、異常タイプは第3のタイプであると判定する。
ステップS104では、CPU212aは、前カバー125または右カバー126の少なくともいずれかが開状態であるか否かを判別する。これは、前カバーセンサ123および右カバーセンサ124による検知結果から判別される。なお、開状態か否かの判別対象となるカバーは、前カバー125または右カバー126に限定されない。すなわち、開状態になることで、インターロックスイッチ127により負荷部に対する電力が遮断されるカバーであれば、判別対象に含めてもよい。ステップS104での判別の結果、前カバー125および右カバー126のいずれも閉状態であれば、CPU212aは、処理をステップS108に進める。一方、前カバー125または右カバー126の少なくともいずれかが開状態である場合は、CPU212aは、処理をステップS105に進める。
ステップS105では、CPU212aは、ステップS103で判定した、今回の異常のタイプが第1のタイプまたは第3のタイプのいずれかであるか否かを判別する。その判別の結果、今回の異常のタイプが第1のタイプまたは第3のタイプのいずれかである場合は、故障診断を実施するためにカバーを閉じる必要があるので、CPU212aは、処理をステップS106に進める。ステップS106では、開いているカバー(前カバー125または右カバー126)を閉じることを促すための報知処理を実行する。例えば、CPU212aは、操作部1000に、カバーを閉じることを流すメッセージを含む報知画面を表示させる。この報知画面では、例えば、後述する図7に示す画面と同様の態様でエラーコードと故障箇所とが表示されることに加えて、上記メッセージが表示される。なお、以降の場合も含め、報知は音声によってもよい。
次に、ステップS107では、CPU212aは、開いていたカバーが閉じられるまで待機する。すなわち、上記報知画面を見たユーザは、通常、開いているカバーを閉じる。従って、CPU212aは、開いていたカバーが閉状態になったか否かを、前カバーセンサ123および右カバーセンサ124による検知結果から判別する。なお、前カバーセンサ123および右カバーセンサ124は、CPU212aと協働して、カバーの開閉状態を取得するので、本発明における取得手段としての役割を果たす。そして、開いていたカバーが閉状態になった場合は、CPU212aは、処理をステップS108に進める。
一方、ステップS104での判別の結果、今回の異常のタイプが第2のタイプである場合は、カバーを閉じなくても故障診断を開始可能であるので、処理をステップS108に進める。ステップS108では、CPU212aは、故障診断処理(図10〜図12で後述)を実行する。なお、故障診断処理としては、今回の異常箇所に対応したものが実行される。例えば、図10、図11、図12ではそれぞれ、現像器105、FAN300、ベルト着脱ユニット118の各異常に対応した故障診断処理が示されている。
図7、図8は、操作部1000に表示される報知画面の例を示す図である。ステップS109では、CPU212aは、ステップS108での故障診断処理によって故障箇所が特定されたか否かを判別する。そして、CPU212aは、故障箇所が特定された場合は、ステップS111に進み、図7に示すように、特定された故障箇所を報知する。その際、エラーコードや故障箇所の具体的名称も表示される。一方、故障箇所が特定されなかった場合は、CPU212aは、ステップS110で、故障箇所は特定不能であると判定し、ステップS111に処理を進める。ステップS110から遷移したステップS111では、CPU212aは、図8に示すように、エラーコードと、故障箇所を特定できなかったことを意味する「−」とを報知する。ユーザは、エラーコードにより、異常は検出されたが、具体的な故障箇所は特定できなかったことがわかる。ステップS111の後、CPU212aは、図6に示す処理を終了する。
図9は、電気故障診断テーブルの例を示す図である。電気故障診断テーブルは、ROM212bに格納されている。電気故障診断テーブルにおいては、モータやDC出力といった診断対象と、それに対応する電源部、信号出力部、制御回路部、負荷動作部が規定されている。この電気故障診断テーブルは、主に、後述する電気故障診断処理(図13、図14)で用いられる。
図10は、図6のステップS108で実行される故障診断処理のフローチャートである。この処理は、特に、異常箇所が現像器105である場合に実行される故障診断処理である。
まず、ステップS201では、CPU212aは、現像器105の駆動を開始するよう指令を出すと共に、現像器105の駆動が開始されるまで待機する。そして、現像器105の駆動が開始されると、CPU212aは、ステップS202で、現像器105の異常検出処理を開始すると共に、現像器105の異常が検出されたか否かを判別する。ここで、異常検出処理は、現像器105に備えられているトナー濃度センサ(不図示)の読み取り値を周期的に監視することでなされる。トナー濃度の読み取り値が所定範囲から外れている場合に、現像器105に異常が発生したことが検出される。
ステップS202での判別の結果、現像器105の異常が検出されない場合は、CPU212aは、ステップS203で、現像器105の駆動が停止されたか否かを判別する。なお、現像器105の駆動開始からの駆動継続期間は予め定められている。そして、CPU212aは、現像器105の駆動が停止されない場合は、処理をステップS202に戻し、現像器105の駆動が停止された場合は、現像器105の異常が検出されなかったため、図10に示す処理を終了する。従って、CPU212aは、現像器105の駆動が停止されるまでの間に現像器105の異常が検出された場合に、処理をステップS204に進める。
なお、前述した図6のステップS101において、ステップS201〜S203に相当する処理は実行されているので、図10において、ステップS201〜S203の処理を省略してもよい。
ステップS204では、CPU212aは、画像形成装置2000を緊急停止させると共に、現像器105に関する電気故障診断の開始処理を実行する。ここでは、帯電DC高圧出力および現像DC高圧出力の診断が開始される。CPU212aは、ステップS205で、高圧出力するに際し必要な感光ドラム102や中間転写ベルト108といった画像形成部3の準備動作を開始する。画像形成部3の準備動作が完了して高圧印加できる状態になると、CPU212aは、ステップS206で、電気故障診断処理を実行する。ここでは、図14に示す電気故障診断処理が実行される(後述)。
ステップS207では、CPU212aは、電気故障診断処理の結果、故障箇所を特定できたか否かを判別する。そして、CPU212aは、故障箇所を特定できた場合は、図10に示す処理を終了する。この場合、図6のステップS111では、電気故障診断処理の結果、特定された故障箇所が報知される。一方、電気故障診断処理の結果、故障箇所を特定できなかった場合は、帯電DC高圧出力と現像DC高圧出力は正常であり、高圧出力の異常により現像器105からトナーや磁性キャリアが排出されたことが異常の原因ではないと判断される。従って、CPU212aは、ステップS208で、現像器105または露光装置104が故障していると特定し、図10に示す処理を終了する。この場合、図6のステップS111では、ステップS208で特定された故障箇所が報知される。
なお、現像器105の故障診断処理のために動作が必要な負荷部は、ドラムモータ600、601、高圧ユニット240等である。これらは、インターロックスイッチ127により電力が供給されない(遮断される)電源系統であるため、カバーを閉めないと故障診断を実行できない(第1のタイプ)。図10に示すように、現像器105の故障診断処理では、電気故障診断は実行されるが、負荷故障診断(後述する図12のステップS407〜S412に相当する処理)は実行されない。
図11は、図6のステップS108で実行される故障診断処理のフローチャートである。この処理は、特に、異常箇所がFAN300である場合に実行される故障診断処理である。
まず、ステップS301では、CPU212aは、FAN300の駆動を開始するよう指令を出すと共に、FAN300の駆動が開始されるまで待機する。そして、FAN300の駆動が開始されると、CPU212aは、ステップS302で、FAN300の異常検出処理を開始すると共に、FAN300の異常が検出されたか否かを判別する。ここで、異常検出処理は、FAN300から入力されるロック信号を周期的に監視することでなされる。ロック信号は、FAN300が回転しているか停止しているかを示す信号である。FAN300の駆動開始から第3の所定時間が経過してもロック信号が回転状態を示さないか、あるいは回転状態を示した後に、停止状態を継続して第4の所定時間だけ示す場合に、FAN300に異常が発生したことが検出される。
ステップS302での判別の結果、FAN300の異常が検出されない場合は、CPU212aは、ステップS303で、FAN300の駆動が停止されたか否かを判別する。なお、FAN300の駆動開始からの駆動継続期間は予め定められている。そして、CPU212aは、FAN300の駆動が停止されない場合は、処理をステップS302に戻し、FAN300の駆動が停止された場合は、FAN300の異常が検出されなかったため、図11に示す処理を終了する。従って、CPU212aは、FAN300の駆動が停止されるまでの間にFAN300の異常が検出された場合に、処理をステップS304に進める。
なお、前述した図6のステップS101において、ステップS301〜S303に相当する処理は実行されているので、図11において、ステップS301〜S303の処理を省略してもよい。
ステップS304では、CPU212aは、画像形成装置2000を緊急停止させると共に、FAN300に関する電気故障診断の開始処理を実行する。ステップS305では、電気故障診断処理を実行する。ここでは、図13に示す電気故障診断処理が実行される(後述)。
ステップS306では、CPU212aは、電気故障診断処理の結果、故障箇所を特定できたか否かを判別する。そして、CPU212aは、故障箇所を特定できた場合は、図11に示す処理を終了する。この場合、図6のステップS111では、電気故障診断処理の結果、特定された故障箇所が報知される。一方、電気故障診断処理の結果、故障箇所を特定できなかった場合は、FAN300が故障していると特定し、図11に示す処理を終了する。この場合、図6のステップS111では、ステップS307で特定された故障箇所が報知される。
なお、FAN300の故障診断処理のために動作が必要な負荷部(FANモータ)は、インターロックスイッチ127により電力供給が遮断されない電源系統であるため、カバーが開いていても故障診断を実行できる(第2のタイプ)。FAN300の故障診断処理では、電気故障診断は実行されるが、負荷故障診断(後述する図12のステップS407〜S412に相当する処理)は実行されない。
図12は、図6のステップS108で実行される故障診断処理のフローチャートである。この処理は、特に、異常箇所がベルト着脱ユニット118である場合に実行される故障診断処理である。
まず、ステップS401では、CPU212aは、ベルト着脱ユニット118の初期化動作および着脱位置変更動作を開始するよう指令を出すと共に、これらの動作が開始されるまで待機する。そして、ベルト着脱ユニット118の初期化動作および着脱位置変更動作が開始されると、CPU212aは、ステップS402で、ベルト着脱ユニット118の異常検出処理を開始すると共に、ベルト着脱ユニット118の異常が検出されたか否かを判別する。ここで、着脱モータ603によりベルト着脱ユニット118の動作を開始してから第5の所定時間が経過しても、初期化動作または着脱位置変更動作が完了しない場合に、ベルト着脱ユニット118に異常が発生したことが検出される。
ステップS402での判別の結果、ベルト着脱ユニット118の異常が検出されない場合は、CPU212aは、ステップS403で、ベルト着脱ユニット118の駆動が停止されたか否かを判別する。なお、ベルト着脱ユニット118の駆動開始からの駆動継続期間は予め定められている。そして、CPU212aは、ベルト着脱ユニット118の駆動が停止されない場合は、処理をステップS402に戻し、ベルト着脱ユニット118の駆動が停止された場合は、ベルト着脱ユニット118の異常が検出されなかったため、図12に示す処理を終了する。従って、CPU212aは、ベルト着脱ユニット118の駆動が停止されるまでの間にベルト着脱ユニット118の異常が検出された場合に、処理をステップS404に進める。
なお、前述した図6のステップS101において、ステップS401〜S403に相当する処理は実行されているので、図12において、ステップS401〜S403の処理を省略してもよい。
ステップS404では、CPU212aは、画像形成装置2000を緊急停止させると共に、ベルト着脱ユニット118に関する電気故障診断の開始処理を実行する。ステップS405では、電気故障診断処理を実行する。ここでは、図13に示す電気故障診断処理が実行される(後述)。
ステップS406では、CPU212aは、電気故障診断処理の結果、故障箇所を特定できたか否かを判別する。そして、CPU212aは、故障箇所を特定できた場合は、図12に示す処理を終了する。この場合、図6のステップS111では、電気故障診断処理の結果、特定された故障箇所が報知される。一方、電気故障診断処理の結果、故障箇所を特定できなかった場合は、ステップS407以降の負荷故障診断処理を実行する。
CPU212aは、ステップS407で負荷部故障診断を開始し、ステップS408で、着脱モータ603の駆動を開始し、ステップS409で、濃度センサ112による読み取りを開始する。ステップS410では、CPU212aは、濃度センサ112による読み取り値に変化があるかを判定する。ここで、着脱モータ603の駆動を開始することで着脱位置は変わるが、着脱位置が変わることで中間転写ベルト108に対する濃度センサ112の位置関係も変わる。そのため、着脱位置が正常に切り替わっているならば、全色脱位置とモノクロ着位置・全色着位とでは、濃度センサ112の読み取り値に差が生じる。そこでCPU212aは、濃度センサ112の読み取り値を第6の所定時間サンプリングし、読み取り値が所定値以上に変化したか否かを判別する。
読み取り値に変化がある場合は、着脱動作は行われているがHPセンサ242が反応しないと判断できるため、CPU212aは、ステップS411で、故障箇所はHPセンサ242であると特定する。一方、読み取り値に変化がない場合は、着脱動作が行われていないと判断できるので、CPU212aは、ステップS412で、故障箇所は、ベルト着脱ユニット118に関するギア等の駆動伝達メカ機構であると特定する。ステップS411、S412の後、CPU212aは、図12に示す処理を終了する。この場合、図6のステップS111では、ステップS411またはS412で特定された故障箇所が報知される。
なお、診断対象である着脱モータ603は、インターロックスイッチ127により電力供給が遮断されない電源系統であるため、カバーが開いていても故障診断を実行できる。しかし、故障診断の正確性の観点から、カバーを閉じないと故障診断を開始できない(第3のタイプ)。ベルト着脱ユニット118の故障診断処理では、電気故障診断だけでなく、負荷故障診断も実行される。
図13は、図11のステップS305または図12のステップS405で実行される電気故障診断処理のフローチャートである。図13では、着脱モータ603の駆動に関連する電気部品を例にとって説明する。図2、図3も適宜参照する。
まず、CPU212aは、ステップS501で、電源部の故障判定を行い、ステップS502で、電源部が故障しているか否かを判別する。そして、CPU212aは、電源部が故障している場合は、処理をステップS503に進め、電源部が故障していない場合は、処理をステップS506に進める。ステップS503では、CPU212aは、電源ユニット200が故障しているか否かを判別し、電源ユニット200が故障している場合は、処理をステップS504に進め、電源ユニット200が故障していない場合は、処理をステップS505に進める。
具体的には、ステップS501〜S503で、CPU212aは、以下のようにして電源部の故障判定を行う。電気故障診断テーブル(図9)によれば、着脱モータ603に電源供給する電源部は+24V_B_FUであるので、CPU212aは、+24V_B_FU電源の出力チェックを行う。そのために、ドライバユニット230の第1電圧検知部303aは、ヒューズFU5を通過する前の+24V_Bの電圧が第1閾値th1以上であるか否かを検知する。ここでは、第1閾値th1は18[V]であるとする。
第1電圧検知部303aによる検知結果は、ASIC231を介してCPU212aへ送信される。CPU212aは、第1電圧検知部303aの検知結果に応じて、故障箇所を判定する。CPU212aは、+24V_Bの電圧が第1閾値th1未満であることを検知結果が示す場合に、電源部(電源ユニット200)の出力が異常であると判定する。すなわち、CPU212aは、電源ユニット200の+24V_Bの電圧を出力する経路(ヒューズFU3)が故障箇所であると判定する。この場合、CPU212aは、故障部品が電源ユニット200であると特定する。
+24V_Bの電圧が正常である場合、ドライバユニット230の第2電圧検知部303bは、ヒューズFU5を通過した+24V_B_FUの電圧が第2閾値th2以上であるか否かを検知する。第2閾値th2は、例えば第1閾値th1と同じ値である。第2電圧検知部303bは、第1電圧検知部303aと同様に検知処理を行い、ASIC231を介して検知結果をCPU212aへ送信する。CPU212aは、第2電圧検知部303bの検知結果に応じて、+24V_B_FUの電圧が正常であるか否かを判定する。すなわち、CPU212aは、+24V_B_FUの電圧が第2閾値th2未満である場合に、+24V_B_FUの電圧が異常であると判定する。CPU212aは、+24V_B_FUの電圧が異常であると判定した場合に、故障箇所がヒューズFU5であると判定する。この場合、CPU212aは、故障部品がドライバユニット230であると特定する。CPU212aは、+24V_Bおよび+24V_B_FUの電圧が共に正常である(+24V_Bの電圧≧第1閾値th1が成立し、且つ+24V_B_FUの電圧≧第2閾値th2が成立する)と判定した場合に、電源部が正常であると判定する。
以上をまとめると次のようになる。CPU212aは、ステップS502での判別の結果、+24V_Bの電圧≧第1閾値th1、または、+24V_B_FUの電圧≧第2閾値th2のいずれかが成立しない場合は、処理をステップS503に進める。CPU212aは、+24V_Bの電圧≧第1閾値th1が成立し、且つ+24V_B_FUの電圧≧第2閾値th2が成立する場合は、電源部が正常であると判定し、処理をステップS506に進める。
ステップS503では、CPU212aは、電源ユニット200が故障しているか否かを判別する。CPU212aは、+24V_Bの電圧<第1閾値th1が成立する場合は、ステップS504に進み、故障箇所が電源ユニット200であると特定する。また、CPU212aは、+24V_Bの電圧≧第1閾値th1が成立し、且つ+24V_B_FUの電圧<第2閾値th2が成立する場合は、ステップS505に進み、故障箇所がドライバユニット230であると特定する。
次に、CPU212aは、ステップS506で、信号出力部の故障判定を行い、ステップS507で、信号出力部が故障しているか否かを判別する。そしてCPU212aは、信号出力部が故障している場合は、処理をステップS505に進め、信号出力部が故障していない場合は、処理をステップS508に進める。
具体的には、ステップS506、S507では、CPU212aは、以下のようにして信号出力部の故障判定を行う。CPU212aは、信号出力部の故障箇所の判定のために、ASIC231のモータ制御部234から第1モータ駆動部236aへ送信されるモータ制御信号をチェックする。モータ制御信号には、モータの回転方向や速度、駆動モードといった信号が含まれる。CPU212aは、電気故障診断テーブル(図9)から、着脱モータ603の信号出力部のモータ制御信号は着脱モータ制御信号であることを取得する。CPU212aはASIC231に対して、着脱モータ制御信号がハイ(High)レベルで出力されるように設定する。
ドライバユニット230の信号検知部305は、着脱モータ制御信号を第3閾値th3と比較する。第3閾値th3は2.8[V]とする。信号検知部305による比較結果は、ASIC231を介してCPU212aへ送信される。CPU212aは、信号検知部305による比較結果に応じて、出力状態を確認する。CPU212aは、比較結果が、着脱モータ制御信号が第3閾値th3以上であることを示す場合に、着脱モータ制御信号が異常でないと仮判定する。CPU212aは、比較結果が、着脱モータ制御信号が第3閾値th3未満であることを示す場合に、着脱モータ制御信号が異常であると判定する。CPU212aは、着脱モータ制御信号が異常であると判定した場合、故障箇所がモータ制御部234であると特定する。この場合、CPU212aは、故障部品がドライバユニット230であると特定する。
次いでCPU212aは、ASIC231に対して、着脱モータ制御信号がロー(Low)レベルで出力されるように設定する。信号検知部305は、着脱モータ制御信号を第4閾値th4と比較することで、着脱モータ制御信号をチェックする。第4閾値th4は0.8[V]とする。信号検知部305による比較結果は、ASIC231を介してCPU212aへ送信される。CPU212aは、信号検知部305による比較結果に応じて、出力状態を確認する。CPU212aは、比較結果が、着脱モータ制御信号が第4閾値th4未満であることを示す場合に、着脱モータ制御信号が異常でないと仮判定する。CPU212aは、比較結果が、着脱モータ制御信号が第4閾値th4以上であることを示す場合に、着脱モータ制御信号が異常であると判定する。CPU212aは、着脱モータ制御信号が異常であると判定した場合、故障箇所がモータ制御部234であると特定する。この場合、CPU212aは、故障部品がドライバユニット230であると特定する。
CPU212aは、ハイレベルの着脱モータ制御信号を出力した場合と、ローレベルの着脱モータ制御信号を出力した場合のいずれにおいても、着脱モータ制御信号が異常でないと仮判定したとき、着脱モータ制御信号が正常であると判定する。
以上をまとめると次のようになる。CPU212aは、ステップS507での判別の結果、ハイレベルの着脱モータ制御信号<th3、または、ローレベルの着脱モータ制御信号≧th4が成立する場合は、着脱モータ制御信号が異常であると判定する。従って、CPU212aは、ステップS505で、故障箇所がモータ制御部234であり、故障箇所がドライバユニット230であると特定する(S505)。一方、ハイレベルの着脱モータ制御信号≧th3、且つ、ローレベルの着脱モータ制御信号<th4が成立する場合は、CPU212aは、着脱モータ制御信号が正常であり、信号出力部が故障していないと判定する。この場合、CPU212aは、処理をステップS508に進める。
次に、CPU212aは、ステップS508で、制御回路部の故障判定を行い、ステップS509で、制御回路部が故障しているか否かを判別する。そして、CPU212aは、制御回路部が故障している場合は、処理をステップS505に進め、制御回路部が故障していない場合は、処理をステップS510に進める。
制御回路部の故障判定(S508)において、CPU212aは、電気故障診断テーブル(図9)から、着脱モータ603の制御回路部は第1モータ駆動部236aであることを取得する。CPU212aはASIC231の第1モータ駆動部236aに対して、着脱モータ603を動作させるように設定を行う。信号出力部よりモータ制御信号が出力され、第1モータ駆動部236aへ入力される。このように電源と信号が制御回路部に入力されている状態で、第1電流検知部306aは、制御回路部からの出力電流を検知する。
第1電流検知部306aは、第1モータ駆動部236aから着脱モータ603へ流れる電流が第5閾値th5以上であるか否かを検知する。第5閾値th5は100[mA]とする。第1電流検知部306aによる検知結果は、ASIC231を介してCPU212aへ送信される。CPU212aは、第1電流検知部306aによる検知結果に応じて故障箇所を判定する。CPU212aは、検知結果が、着脱モータ603に流れる電流が第5閾値th5以上であることを示す場合に、第1モータ駆動部236aが正常であると判定する。CPU212aは、検知結果が、着脱モータ603に流れる電流が第5閾値th5未満であることを示す場合に、第1モータ駆動部236aが異常であると判定する。CPU212aは、第1モータ駆動部236aが異常である判定した場合、故障箇所が制御回路部であると特定する。すなわち、CPU212aは、着脱モータ603に流れる電流が第5閾値th5未満であることを示す場合、故障部品がドライバユニット230であると特定する(S505)。制御回路部が正常である場合、CPU212aは、診断対象の電気部品は故障していないと判定する(S510)。
このほか、モノクロドラムモータ600、カラードラムモータ601、定着モータ602、FAN300の電気故障診断についても、着脱モータ603と同様に実行される。その際、CPU212aは、電気故障診断テーブル(図9)から、診断対象の電源部、信号出力部、制御回路部を取得する。
このように、CPU212aは、ステップS504では、故障部品は電源ユニット200であると特定し、ステップS505では、故障部品はドライバユニット230であると特定し、ステップS510では、診断対象の電気部品の故障は無いと判定する。CPU212aは、ステップS504、S505、S510の後、図13に示す処理を終了する。
図14は、図10のステップS206で実行される電気故障診断処理のフローチャートである。図14では、帯電DC出力に関連する電気部品を例にとって説明する。
ステップS601〜S605の処理は、図13のステップS501〜S505の処理を同様である。ただし、電気故障診断テーブル(図9)によれば、帯電DC出力に対応する電源部は+24V_A_FUであるので、CPU212aは、+24V_A_FU電源の出力チェックを行う。CPU212aは、第2電圧検知部303bによる検知結果に基づき、ステップS501〜S503と同様の手法で出力チェックを行い、故障箇所が電源ユニット200であるか(S604)、ドライバユニット230であるか(S605)を特定する。
以上をまとめると次のようになる。CPU212aは、ステップS602での判別の結果、+24V_Aの電圧≧第1閾値th1、または、+24V_A_FUの電圧≧第2閾値th2のいずれかが成立しない場合は、処理をステップS603に進める。CPU212aは、+24V_Aの電圧≧第1閾値th1が成立し、且つ+24V_A_FUの電圧≧第2閾値th2が成立する場合は、電源部が正常であると判定し、処理をステップS606に進める。
ステップS603では、CPU212aは、電源ユニット200が故障しているか否かを判別する。CPU212aは、+24V_Aの電圧<第1閾値th1が成立する場合は、ステップS604に進み、故障箇所が電源ユニット200であると特定する。また、CPU212aは、+24V_Aの電圧≧第1閾値th1が成立し、且つ+24V_A_FUの電圧<第2閾値th2が成立する場合は、ステップS605に進み、故障箇所がドライバユニット230であると特定する。
ステップS606、S607では、CPU212aは、図13のステップS506、S507と同様の信号出力部の故障判定処理を実行する。ただし、CPU212aは、電気故障診断テーブル(図9)から、帯電DC出力の信号出力部は帯電DC高圧制御信号であることを取得する。従って、CPU212aは、信号出力部の故障箇所の判定のために、ASIC231の高圧制御部233から高圧ユニット240への帯電DC高圧制御信号をチェックする。この帯電DC高圧制御信号には、出力電圧設定信号やトランス駆動用のクロックといった信号が含まれる。
CPU212aは、帯電DC高圧制御信号をハイ(High)レベル、ロー(Low)レベルで出力されるように設定した場合の帯電DC高圧制御信号をチェックする。帯電DC高圧制御信号は、第3閾値th3、第4閾値th4と比較される。
以上をまとめると次のようになる。CPU212aは、ステップS607での判別の結果、ハイレベルの帯電DC高圧制御信号<th3、または、ローレベルの帯電DC高圧制御信号≧th4が成立する場合は、帯電DC高圧制御信号が異常であると判定する。従って、CPU212aは、ステップS605で、故障箇所がモータ制御部234であり、故障箇所がドライバユニット230であると特定する(S605)。一方、ハイレベルの帯電DC高圧制御信号≧th3、且つ、ローレベルの帯電DC高圧制御信号<th4が成立する場合は、CPU212aは、帯電DC高圧制御信号が正常であり、信号出力部が故障していないと判定する。この場合、CPU212aは、処理をステップS608に進める。
次に、CPU212aは、ステップS608で、制御回路部の故障判定を行い、ステップS609で、制御回路部が故障しているか否かを判別する。そして、CPU212aは、制御回路部が故障していない合は、処理をステップS610に進め、診断対象の電気部品の故障は無いと判定する。しかし、制御回路部が故障している場合は、CPU212aは、ステップS611で、高圧ユニット240の故障であると特定する(S611)。これは、帯電DC高圧出力に関する高圧制御回路が高圧ユニット240内に搭載されているからである。
制御回路部の故障判定(S608)において、CPU212aは、電気故障診断テーブル(図9)から、帯電DC高圧出力の制御回路部は帯電DC高圧部220であることを取得し、帯電DC高圧部220の出力チェックを行う。そのために、CPU212aは、ASIC231の高圧制御部233に対して、−1000Vの出力を行うように設定を行う。このときの帯電DC高圧部220からの出力電流を第2電流検知部306bが検知する。CPU212aは、第2電流検知部306bにより検知された電流値が20uA以下である場合には、帯電DC高圧部220の出力異常と判定する。この場合、CPU212aは、高圧ユニット240の故障であると特定する(S611)。検知された電流値が20uAを超える場合は、CPU212aは、高圧ユニット240は故障していないと判定する(S610)。ステップS604、S605、S610、S611の後、CPU212aは、図14に示す処理を終了する。
現像DC出力、一次転写DC出力、二次転写DC出力の高圧に関連する電気部品の故障診断処理も、帯電DC高圧出力と同様に実行される。その際、CPU212aは、電気故障診断テーブル(図9)から、診断対象の電源部、信号出力部、制御回路部を取得する。なお、信号検知部305、第2電流検知部306b、モータ駆動部236は、個々の高圧出力毎に備えられる。図14に示す処理と同様の処理によって、各高圧に関連する電源ユニット200、ドライバユニット230、高圧ユニット240の故障箇所が特定される。
本実施の形態によれば、CPU212aは、異常が検出され且つカバーが開状態である場合において、異常のタイプが第1のタイプであるときは、カバーを閉じる旨を報知すると共に、カバーが閉状態となってから故障診断を開始する(S107)。これにより、カバー閉状態でないと実施できない故障箇所の特定処理を迅速に開始することができる。
また、CPU212aは、異常が検出され且つカバーが開状態である場合において、異常のタイプが第2のタイプであるときは、カバーを閉じる旨を報知することなくカバーが開状態のままであっても故障診断を開始する(S105→S108)。これにより、カバー開状態であっても実施できる故障箇所の特定処理を迅速に開始することができる。
また、異常が検出され且つカバーが開状態である場合において、異常のタイプが第3のタイプであるときは、カバーを閉じる旨を報知すると共にカバーが閉状態となってから故障診断を開始する(S107)。これにより、故障箇所の特定の正確性を高めることができる。
なお、カバーが閉状態になると一部の負荷部に対する電力供給を遮断する遮断手段は、インターロックスイッチ127のような構成に限定されない。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。