JP2021080834A - 燃料供給装置 - Google Patents

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Hikari Sakamoto
光 坂本
尚行 篠崎
Naoyuki Shinozaki
尚行 篠崎
浩一 猪俣
Koichi Inomata
浩一 猪俣
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Abstract

【課題】燃料供給装置の指示ケースに対して急激な荷重が付与された場合でも蓋部への割れの進行をより一層確実に阻止する。【解決手段】燃料供給装置10を構成するハウジング18には、燃料ポンプ22の一部を保持する本体部24と、該本体部24から延在し燃料タンク12に開口した開口部16を塞ぐフランジ部26とを備え、前記本体部24には、燃料ポンプ22の外周面を保持可能なポンプ保持壁28a、28bが立設している。そして、ポンプ保持壁28a、28bには、その周方向両端53に所定値以上の荷重が付与された際に破断させる切欠部54a、54bを備えると共に、前記切欠部54a、54bに対して前記フランジ部26側となる位置に複数の第1及び第2リブ50、52が設けられる。【選択図】図3

Description

本発明は、車両における燃料タンク内の燃料を内燃機関へと供給するための燃料供給装置に関する。
本出願人は、二輪車等の車両に搭載された燃料タンク内の燃料を内燃機関へと供給するための燃料供給装置を提案している(特許文献1参照)。
この燃料供給装置は、燃料タンクの天井壁に固定され開口部を閉塞する蓋部と、該蓋部に連設され燃料タンク内へ延在して収納される支持ケースとを備え、前記支持ケースが樹脂製材料から円筒状に形成されると共に、その内部には燃料ポンプを含むポンプユニットが収納されている。
例えば、燃料タンク内に上述した燃料供給装置の搭載された車両が、走行中において事故等の原因で進行状況が急激に変化した場合、ポンプユニットにかかる慣性力により樹脂製材料から形成された支持ケースに対して過大な荷重がかかることがあり、該支持ケースに割れが生じてしまうことが想定される。
この際、支持ケースの割れが一体的に形成された蓋部まで達すると燃料タンクの開口部が開放され燃料漏れが生じてしまうこととなる。そこで、燃料タンクからの燃料漏れを防止するために、燃料供給装置を構成する支持ケースに対してポンプユニットの重心よりも蓋部側となる位置に切欠き部を設けることで、過大な荷重が付与された際に切欠き部から割れが生じるようにし、且つ、前記割れの進展方向を制御することで蓋部側への進行を防止している。
特開2012―207635号公報
本発明は、前記の提案に関連してなされたものであり、支持ケースに対して急激な荷重が付与された場合でも蓋部への割れの進行をより一層確実に阻止することが可能な燃料供給装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の態様は、燃料タンクに設けられた開口を塞ぐ蓋部と、蓋部に連設され燃料タンクの内部に向かって延在する支持ケースと、該支持ケースの内部に収納され燃料タンク内の燃料を内燃機関へと供給する燃料ポンプとを有し、支持ケースには、所定値以上の荷重が付与された際に該支持ケースを破断させる切欠部を備えた燃料供給装置において、
支持ケースには、燃料ポンプの軸方向に沿って延在し燃料ポンプを保持する壁部を有し、切欠部が、蓋部の延在方向に沿った壁部の端部に形成されると共に、壁部には切欠部に対して蓋部側となる位置に補強リブが設けられる。
本発明によれば、燃料供給装置は、燃料タンクに設けられた開口を塞ぐ蓋部と、蓋部に連設され燃料タンクの内部に向かって延在する支持ケースとを備え、支持ケースの内部に燃料ポンプが収納されると共に、燃料ポンプの軸方向に沿って延在して燃料ポンプを保持する壁部には、その蓋部の延在方向に沿った端部に切欠部が形成され、壁部における切欠部に対して蓋部側となる位置には補強リブが設けられている。
従って、燃料供給装置を燃料タンク内に搭載した車両の進行状況が急激に変化し、重量の最も大きな燃料ポンプがその慣性力によって揺動して過大な力で壁部を破断させてしまう場合でも、切欠部を起点として壁部の割れを生じさせ、しかも、切欠部に対して蓋部側となる部位の剛性を補強リブによって高めることで割れの蓋部側への進行を確実に阻止している。
その結果、燃料ポンプに対して付与される過大な慣性力によって壁部が破断してしまう場合でも、その壁部に生じた割れの進行方向を制御して蓋部側への進行を阻止することで、蓋部の割れに起因した燃料タンクからの燃料漏れをより一層確実に阻止することができる。
本発明によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、燃料供給装置を燃料タンク内に搭載した車両の進行状況が急激に変化し、慣性力によって燃料ポンプが揺動して壁部が過大な力で押圧され破断してしまう場合でも、切欠部を起点として割れを生じさせ破断させることができ、しかも、補強リブによって切欠部に対して蓋部側となる部位の剛性を高めているため、割れの蓋部側への進行をより一層確実に阻止することが可能となる。
その結果、過大な慣性力によって燃料ポンプが揺動して壁部を破断させてしまう場合でも、その壁部に生じた割れの進行方向を制御して蓋部側への進行を阻止することで、蓋部の割れに起因した燃料タンクからの燃料漏れをより一層確実に阻止することができる。
本発明の実施の形態に係る燃料供給装置の外観斜視図である。 図1に示す燃料供給装置の全体断面図である。 図1の燃料供給装置を構成するハウジングの平面図である。 図1の燃料供給装置におけるハウジングの一部切欠外観斜視図である。
本発明に係る燃料供給装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
燃料供給装置10は、図1及び図2に示されるように、車両に搭載される燃料タンク12の底板14に対して内側となるように設けられ、前記底板14に開口した開口部(開口)16を閉塞するハウジング18と、該ハウジング18に連結されるポンプケース(支持ケース)20とを備え、前記ハウジング18及び前記ポンプケース20の内部に燃料ポンプ22が収納され保持される。
ハウジング18は、図1〜図4に示されるように、例えば、樹脂製材料から形成され、有底円筒状に形成された本体部(支持ケース)24と、該本体部24の外周面に対して径方向外側に延在したフランジ部(蓋部)26と、前記本体部24の内側に形成され燃料ポンプ22の外周面を保持する一対のポンプ保持壁(壁部)28a、28bと、前記本体部24の底壁30から上方(矢印A方向)に向かって立設した第1燃料流通管32とを有している。
このハウジング18は、本体部24の一部、ポンプ保持壁28a、28b及び第1燃料流通管32が開口部16を介して燃料タンク12内に収納され、フランジ部26が燃料タンク12の底板14に対して外側から当接するように設けられる。そして、フランジ部26が、燃料タンク12の開口部16を塞いだ状態で、図示しない複数のボルトによって底板14へと固定されている。
図2に示されるように、本体部24の内部には、その軸中心に対して径方向外側に偏心し上方(矢印A方向)に向かって開口した吸入通路34と、該吸入通路34の下端から水平方向に延在する吸入連通路36とを有している。この吸入連通路36の上流側端部には、後述する燃料貯留室40に収納されたフィルタ42が接続されている。そして、燃料タンク12内の燃料が、フィルタ42を通じて吸入連通路36及び吸入通路34へと流れ、該吸入通路34に挿入された燃料ポンプ22の吸入部74から吸入される。
また、本体部24は、フランジ部26に対して下方(矢印B方向)となる部位が燃料タンク12の外側となるように設けられ、その外周面から径方向外側へと突出した燃料排出管38が設けられる。燃料排出管38は、フランジ部26と略平行に形成され、本体部24の内部と連通すると共に、その先端は図示しない配管を介して内燃機関の燃料噴射弁(図示せず)と接続される。
ポンプ保持壁28a、28bは、図3に示される燃料供給装置10の軸方向から見て、径方向外側に向かって凸状となる断面円弧状に形成され、一方のポンプ保持壁28aと他方のポンプ保持壁28bとが略同一形状で形成されると共に、ハウジング18の軸中心に対して同一円周上となり、且つ、その内周面48が互いに対向するように配置されている。すなわち、一方のポンプ保持壁28aと他方のポンプ保持壁28bとが、本体部24の軸中心に対して周方向に所定間隔離間して配置されている。
また、ポンプ保持壁28a、28bは、その下端が本体部24の底壁30に対して略直交するように接続され上方(矢印A方向)に向かって所定高さで立設している。そして、一方のポンプ保持壁28aと他方のポンプ保持壁28bとの間には、上方から内部へと燃料ポンプ22が収納され、該燃料ポンプ22の外周面が前記ポンプ保持壁28a、28bの内周面48で保持される。
さらに、一方のポンプ保持壁28aと本体部24の外周壁との間には、燃料タンク12内の燃料を貯留可能な燃料貯留室40が形成され、この燃料貯留室40は、上方(矢印A方向)に向かって開口し径方向に所定幅を有した空間である。
そして、燃料貯留室40の内部には、燃料中に含まれる不純物等を除去するためのフィルタ42が収納されると共に、燃料ポンプ22及び後述する液面センサ68に接続された各リード線(図示せず)の接続されるコネクタ部44(図3参照)が設けられている。なお、フィルタ42は、例えば、濾材から袋状に形成されている。
また、ポンプ保持壁28a、28bには、その外周面46と本体部24の底壁30に跨るように複数の第1リブ(補強リブ)50が形成されると共に、内周面48と前記底壁30とに跨るように複数の第2リブ(補強リブ)52(図3参照)が形成されている。
第1リブ50は、例えば、断面矩形状で本体部24の外周面46から径方向外側及び底壁30から上方(矢印A方向)へと所定高さだけ突出して形成され、本体部24の軸中心に対して周方向に等間隔離間して設けられる。
そして、第1リブ50は、ポンプ保持壁28a、28bの外周面46から底壁30に沿って径方向外側へと放射状に形成されると共に、該底壁30から前記外周面46に沿って上方(矢印A方向)へと所定高さで形成されている。すなわち、第1リブ50は、ハウジング18の軸線と略直交する本体部24の周方向から見た場合に、断面略L字状となるように形成されている。
第2リブ52は、例えば、本体部24の内周面48に対して径方向内側へと所定高さだけ突出して形成され、本体部24の軸中心に対して周方向に等間隔離間して設けられると共に、本体部24の底壁30から上方(矢印A方向)に向かって所定高さで形成されている。
また、一対のポンプ保持壁28a、28bには、その周方向に沿った周方向両端(端部)53から内側へ向かって切り欠かれた一対の切欠部54a、54bをそれぞれ有し、一方の切欠部54aと他方の切欠部54bが互いに接近する方向に向かって所定長さで直線状に切り欠かれている。この切欠部54a、54bは、ポンプ保持壁28a、28bの軸方向(矢印A、B方向)に一定幅となるように形成されている。
また、切欠部54a、54bは、第1及び第2リブ50、52の上端よりも上方(矢印A方向)となる位置に形成されると共に、ポンプ保持壁28a、28bに収納される燃料ポンプ22の重心G(図1及び図2参照)よりも下方(矢印B方向)となる位置に形成されている。すなわち、一対のポンプ保持壁28a、28bに設けられる4つの切欠部54a、54bは、ハウジング18の軸方向(矢印A、B方向)に沿った高さが同一となり、周方向に沿って一直線状となるように形成されている。
そして、各ポンプ保持壁28a、28bの上端が二股状に形成され、それぞれ略矩形状に開口した係合孔56が形成される。この係合孔56が後述するポンプケース20の外周面に形成された係合突起70へと係合されることで、ポンプ保持壁28a、28bを介してハウジング18が前記ポンプケース20に一体的に連結される。
第1燃料流通管32は、上下方向(矢印A、B方向)に長尺な筒状に形成され、その下端が本体部24の底壁30に接続され略直交するように延在した燃料排出管38と連通すると共に、その上端がポンプ保持壁28a、28bと略平行に延在して後述するポンプケース20の第2燃料流通管66と接続される。
ポンプケース20は、図2に示されるように、例えば、樹脂製材料から形成され、開口したハウジング18の上端を覆うように連結される。このポンプケース20には、軸中心から径方向外側へと偏心して燃料ポンプ22の吐出部76と接続される吐出通路58と、該吐出通路58の下流側で分岐してプレッシャレギュレータ60と接続される第1吐出連通路62と、前記吐出通路58から分岐して前記第1吐出連通路62とは反対側へと延在する第2吐出連通路64とを有し、前記第2吐出連通路64の下流側には第2燃料流通管66が形成されている。
また、図1に示されるように、ポンプケース20の外周面には、燃料タンク12内における燃料の液面を検知可能な液面センサ68が装着され、ハウジング18のコネクタ部44に対して図示しないリード線を介して接続されると共に、前記外周面において、径方向外側へ突出した複数の係合突起70が形成されハウジング18の係合孔56へと係合される。
燃料ポンプ22は、円筒状に形成されたケーシング72と、該ケーシング72の内部に収納され通電作用下に回転駆動するポンプ部(図示せず)と、前記ケーシング72の下端部に設けられ燃料を吸入する吸入部74と、前記ケーシング72の上端部に設けられ前記吸入部74から内部へと吸入された燃料を吐出する吐出部76とを含む。
そして、燃料ポンプ22は、ケーシング72の外周面が一対のポンプ保持壁28a、28bによって保持されると共に、吸入部74がハウジング18の吸入通路34へと挿入され、吐出部76がポンプケース20の吐出通路58へと挿入されることで、ハウジング18及びポンプケース20の軸方向(矢印A、B方向)に沿って保持されている。
本発明の実施の形態に係る燃料供給装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
先ず、図示しないコントローラからの制御信号に基づいて燃料ポンプ22が駆動することで、燃料タンク12内の燃料が燃料貯留室40からフィルタ42を透過して塵埃等が除去された後、吸入連通路36及び吸入通路34を通じて吸入部74からケーシング72の内部へと吸入される。
そして、燃料ポンプ22内に吸入された燃料は、圧縮された後に吐出部76から吐出通路58及び第2燃料流通管66、第1燃料流通管32を通じて燃料排出管38から図示しない内燃機関の燃料噴射弁へと供給される。一方、燃料噴射弁への燃料の供給が余剰となり吐出通路58内の燃料圧力が高まった場合には、該吐出通路58から第1吐出連通路62を通じてプレッシャレギュレータ60へと流通した後に、該プレッシャレギュレータ60が開弁することで燃料タンク12内へと戻される。
次に、上述した燃料供給装置10の搭載された車両が、例えば、走行中において事故等の原因で進行状況に急激に変化が生じた場合には、前記燃料供給装置10において最も重量が大きく、且つ、上下方向(矢印A、B方向)に延在するように配置された燃料ポンプ22に働く慣性力も過大なものとなる。具体的には、燃料ポンプ22の重心Gを支点としたモーメント方向に慣性力が働いて揺動することとなる。
これにより、燃料ポンプ22の揺動によって、その外周側を保持しているポンプ保持壁28a、28bが過大な力で押圧されることとなり、最も脆弱である切欠部54a、54bを起点として割れが発生する。
この際、ポンプ保持壁28a、28bにおける割れが、一方の切欠部54a及び他方の切欠部54bからそれぞれ周方向に沿って内側へと進行していき(図4中、二点鎖線参照)、しかも、前記切欠部54a、54bの下方(矢印B方向)には複数の第1及び第2リブ50、52が設けられポンプ保持壁28a、28bの剛性が高められているため、該切欠部54a、54bに対して下方側(矢印B方向)への進行が確実に阻止される。
このように、燃料ポンプ22からポンプ保持壁28a、28bへと過大な力によって破断してしまう場合でも、その割れが切欠部54a、54bから始めるように制御し、しかも、その割れの進行方向をフランジ部26側へと進行することがないように好適にコントロールすることで、前記フランジ部26の割れが確実に阻止されるため、該フランジ部26に割れが生じた際に懸念される開口部16を通じた燃料タンク12内からの燃料漏れをより一層確実に阻止することができる。
また、ハウジング18において、第1及び第2リブ50、52を設ける代わりに、ポンプ保持壁28a、28bの下端近傍及び本体部24の底壁30の厚さを増やして剛性を高めることも考えられるが、樹脂製材料からなるハウジング18を成形する際の引けや寸法精度を考慮すると好ましくなく、前記第1及び第2リブ50、52のようなリブ状とした方が好適である。
なお、本発明に係る燃料供給装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…燃料供給装置 12…燃料タンク
16…開口部 18…ハウジング
20…ポンプケース 22…燃料ポンプ
26…フランジ部 28a、28b…ポンプ保持壁
30…底壁 50…第1リブ
52…第2リブ 54a、54b…切欠部

Claims (1)

  1. 燃料タンクに設けられた開口を塞ぐ蓋部と、該蓋部に連設され前記燃料タンクの内部に向かって延在する支持ケースと、該支持ケースの内部に収納され前記燃料タンク内の燃料を内燃機関へと供給する燃料ポンプとを有し、前記支持ケースには、所定値以上の荷重が付与された際に該支持ケースを破断させる切欠部を備えた燃料供給装置において、
    前記支持ケースには、前記燃料ポンプの軸方向に沿って延在し該燃料ポンプを保持する壁部を有し、前記切欠部が、前記蓋部の延在方向に沿った前記壁部の端部に形成されると共に、前記壁部には前記切欠部に対して前記蓋部側となる位置に補強リブが設けられる、燃料供給装置。
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