JP2021080535A - 粒子解砕方法、および、ニッケル粉末の製造方法 - Google Patents

粒子解砕方法、および、ニッケル粉末の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】湿式処理後に乾燥した粉体において、粗大粒子の含有量を低減することができる、粒子解砕方法、および、ニッケル粉末の製造方法を提供する。【解決手段】乾式ジェットミル100を用いて、湿式処理後に乾燥した粉体Pの粒子を解砕する方法であって、前記乾式ジェットミル100の粉砕室110内において前記粉体の粒子が解砕され、前記乾式ジェットミル100の粉砕室に供給するガスA量(m3/分)の、前記粉砕室の容積(m3)に対する比(供給する前記ガス量/前記粉砕室の容積)を6000/分以上とする。【選択図】図1

Description

本発明は、粒子解砕方法、および、ニッケル粉末の製造方法に関する。
従来、連結した粒子を乾式で解砕する方法としては、ボールミル等の解砕メディアを用いる方法や、ジェットミル等の気流のエネルギーを用いる方法等、種々の方法が知られている。ボールミルやビーズミル等の解砕メディアを用いる方法は、粒子の解砕能力は高いが、解砕メディアが磨耗して不純物として解砕した粒子の粉末に混入するおそれがある。このような欠点を無視することができない粒子においては、ジェットミル等の気流のエネルギーを用いた方法が用いられている。
気流のエネルギーを用いた粒子解砕方法の一例として、例えば、特許文献1には、気流のエネルギーを用いた乾式ジェットミル(以降、「ジェットミル」と記載することがある。)が開示されている。特許文献1に記載の乾式ジェットミルは、ケーシングの内部に粉砕室を形成し、ケーシングの周壁に後端部に送気管を備えたノズルが配置されている。ホッパに貯留された原料粒子を、ノズルから粉砕室の内部に噴射して供給すると共に、ノズルから高圧のエア(空気)を粉砕室の内部に噴射する。粉砕室内では、噴射されるエアにより高速化された粒子同士、もしくは粒子と高圧のエアとが衝突することで、凝集して連結した粗大粒子の連結部が解きほぐされて粒子同士の連結が低減された粒子となる。
積層セラミックコンデンサ(MLCC)の内部電極には、主としてニッケル粉末が用いられる。このニッケル粉末は、湿式還元法で晶析により製造されたり、気相法等の乾式で製造されたりした場合でも、後処理として不純物の洗浄除去や表面処理を施す工程等で、湿式で処理されることが一般的に行われている。湿式で処理されたニッケル粉末は、必要に応じてろ過された後に、乾燥処理した後に、例えばペーストの原料として使用される。この乾燥処理の過程で、乾燥凝集により粒子同士が連結して粗大粒子となることがある。MLCCの内部電極にこのような粗大粒子を含むニッケル粉末を用いると、ショート等の構造欠陥を引き起こすことがあるため、解砕して粗大粒子の連結部を解きほぐす処理が行われる。また、MLCC等の電子部品では不純物の混入を嫌うため、ニッケル粉末の粒子同士が連結した粗大粒子の解砕にはジェットミルが広く用いられてきた。
特開平11−179228号公報 国際公開第2017/069067号
しかしながら、近年のMLCCの内部電極の薄層化により、従来では不良とは判断されないような大きさの粗大粒子や、粗大粒子の含有量でも、MLCCの構造欠陥の原因となることが増えつつある。このことから、粗大粒子であると判定される粒子の大きさの基準がより微粒化したり、その粗大粒子の含有量をより低下させることが要求されたりするようになった。
そこで、本発明は、湿式処理後に乾燥した粉体において、粗大粒子の含有量を低減することができる、粒子解砕方法、および、ニッケル粉末の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の粒子解砕方法は、乾式ジェットミルを用いて、湿式処理後に乾燥した粉体の粒子を解砕する方法であって、前記乾式ジェットミルの粉砕室内において前記粉体の粒子が解砕され、前記乾式ジェットミルの粉砕室に供給するガス量(m/分)の、前記粉砕室の容積(m)に対する比(供給する前記ガス量/前記粉砕室の容積)を6000/分以上とするものである。
本発明の粒子解砕方法において、前記粉砕室に供給するガスが空気であってもよい。
本発明のニッケル粉末の製造方法は、湿式処理後に乾燥したニッケル粉末を、本発明の粒子解砕方法を用いて解砕する解砕工程を含む。
本発明の粒子解砕方法であれば、湿式処理後に乾燥した粉体において、粗大粒子の含有量を低減することができる。
また、本発明のニッケル粉末の製造方法であれば、本発明の粒子解砕方法を用いることから、湿式処理後に乾燥した粉体において、粗大粒子の含有量を低減したニッケル粉末を製造することができる。
本発明の一実施形態にかかる粒子解砕方法において用いられるジェットミル装置の一例を模式的に示す断面図である。 実験例において、(供給するガス量/粉砕室の容積)に対する粗大粒子の含有量を示す図である。
[粒子解砕方法]
本発明の一実施形態にかかる粒子解砕方法について、図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明者は鋭意検討した結果、湿式処理後に乾燥した粉体の粒子を解砕する方法において、ジェットミルの粉砕室に供給するガス量を特定の範囲以上とすることで、粉体における粗大粒子の含有量を低減できることを見出した。本実施形態の粒子解砕方法は、例えば、ニッケル粉末や銅粉末等の粉体の粒子を解砕するために適用することができる。
湿式処理された粉体の粒子は、乾燥凝集等により、粒子同士が連結した粗大粒子を含むことがあり、連結した粒子を解きほぐす解砕処理が行われる。本実施形態における「湿式処理された粒子」とは、湿式法で生成された粒子だけでなく、他の製法で生成された粒子を例えば表面処理等で湿式処理することも含まれ、少なくとも湿式で粒子を処理した後に、乾燥する処理が施された粒子の総称である。なお、湿式処理ののち、乾燥する処理の前に、必要に応じて、粒子と液体を分離するためにろ過を行ってもよい。乾燥凝集等による粒子の連結は、いわゆるフロック(Flocculation)の状態であり、例えば熱処理による焼結凝集と比較して、その結合面の結合力は相対的に弱い。すなわち、焼結凝集により粒子同士が結合した粗大粒子よりも、湿式処理された粒子の粗大粒子は弱い力で解砕することが可能となる。
本実施形態の粒子解砕方法においては、例えば、気流式粉砕機である、図1に示す乾式ジェットミル100を用いることができ、乾式ジェットミル100の粉砕室110内において粉体Pの粒子が解砕される。図1は、乾式ジェットミル100の断面模式図である。乾式ジェットミル100は、粉体供給ノズル1を備え、噴射口22より噴射された、解砕対象である粉体PとガスAとの混合流体Fが導入されて、当該混合流体F中の粉体Pの粒子を解砕する粉砕室110を備える。
また、乾式ジェットミル100は、粉砕機本体150と、粉体供給ノズル1と、ガス噴射ノズル120と、を備えている。ガス噴射ノズル120は、外部から供給されたガスAを加速して粉砕室110内の外周部112に向けて高圧のジェット気流を噴射することで、粉砕室110内に高速で高圧の旋回流を発生させる。粉体供給ノズル1では、外部から供給されたガスAによる負圧により、ホッパ9から粉体導入管5を介して粉体Pが導入され、粉砕室110に噴射される高圧の気流に粉体Pが移送され、粉体Pが粉砕室110に供給される。
粉砕機本体150は、円周状の周壁111を有する粉砕室110と、分級室130と、微粉排出筒140と、を備えている。また、粉体供給ノズル1と、ガス噴射ノズル120は、粉砕室110の周壁111に配置されている。
粉体供給ノズル1は、流体噴射部2と、送気管3と、粉体導入管5と、ホッパ9と、を備える。流体噴射部2は、粉体PをガスAに導入する導入部21と、粉体PとガスAを含む混合流体Fを外部へ噴射する噴射口22と、を有する。なお、図1では、導入部21の内部は四角形の部屋状の形状となっているが、形状は特に限定されない。例えば、ガスAの加速を考慮して、後述するディフューザ部34と一体となって噴射口22へと先太りするテーパー形状の内部形状であってもよい。また、噴射口22についても、ディフューザ部34および導入部21と一体となって噴射口22の外部へと先太りするテーパー形状の内部形状であってもよい。
ガスAは、例えば、不図示のボンベやコンプレッサー等の外部から送気管3、ガス噴射ノズル120へ供給される。また、ガスAとしては、特に限定されることはなく、例えば、空気や、解砕中に酸化等の状態変化を抑制するために窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス等を使用することができ、コストの面からエア(空気)とすることができる。粉体供給ノズル1において、粉体PがガスAに導入されることにより、これらが混合された混合流体Fとなる。
送気管3は、ガスAを導入部21へ導入する管である。ガスAが侵入する圧縮ガス侵入部31、圧縮ガス侵入部31よりも内径が狭くなることで、ガスAをさらに圧縮するスロート部32、圧縮ガス侵入部31からスロート部32へ内径が先細りとなるテーパー形状の中間部33、およびスロート部32から導入部21へ内径が先太りとなるテーパー形状のディフューザ部34を備えるラバールノズル形状となっている。この形状により、ガスAが送気管3を通過する際に収縮し拡大することで加速される。
なお、図1において送気管3はラバールノズル形状であるが、本発明ではこの形状に限定されることはなく、粉体PをガスAとの混合流体Fとして供給することができれば、送気管3の内径が変わらないストレート管等、他の形状を採用することができる。
粉体導入管5は、ホッパ9に供給された粉体Pを導入部21へ導入する管である。粉体Pが外部へ飛散しないよう、導入部21へ粉体Pを導入することが重要であり、管の形状は特に限定されないが、例えば、テーパー形状の管や内径が変化しないストレート管を粉体導入管5として用いることができる。
また、粉体供給ノズル1において、順に、送気管3と、導入部21と、噴射口22とが一直線上に配置されていることが好ましい。送気管3と、導入部21と、噴射口22とが一直線上に配置されることにより、ガスAの移動速度が低下することなく噴射される。ここで、送気管3の内部形状がラバールノズル形状となっていることにより、ガスAが加速されるため、噴射口22より圧縮ガスが勢いよく噴射される。なお、送気管3と、導入部21および噴射口22の配置は、粉体Pが問題なく供給できれば、一直線上でなくてもよく、これらの配置がクランク状や曲線状であってもよい。また、前記一直線状の配置により発生する負圧を利用しなくても、別途コンプレッサー(不図示)等を粉体供給ノズル1へ適宜導入することにより、粉体Pを導入部21へ導入することができる。
また、ホッパ9は、粉体Pを供給するためのものであり、粉体Pが供給される供給口91を備える供給端9aと、粉体導入管5に連結して粉体Pを流体噴射部2へ導入する導入口92を備える導入端9bと、を有する。また、ホッパ9の内部は、供給口91から導入口92へと先細りするテーパー形状となっている。
粉体Pは、まず、フィーダー7等を用いて上からホッパ9に供給され、一時的にホッパ9内に貯留される。その後、ガスAが送気管3、導入部21および噴射口22を一直線上に通過することで発生する負圧により、ホッパ9の下部から粉体導入管5を介して導入部21へ所定量の粉体Pが供給され、導入部21において粉体PがガスAに導入されて混合流体Fとなり、混合流体Fが噴射口22から粉砕室110内に噴射されることにより、粉体Pが粉砕室110内に供給される。
また、粉体供給ノズル1は、上記した構成の他にも、粉体PやガスA、混合流体Fが噴射口22以外の部分から漏れることを防止するシール部材や、ガスAの流量を調整するバルブ等の構成を備えることができる。
ガス噴射ノズル120は特に限定されることはなく、ガスAを加速できるノズルを用いればよく、公知のエジェクタノズルが利用可能である。例えば、送気管3と同様に、圧縮ガス侵入部121、スロート部122、中間部123、およびディフューザ部124を備えることにより、ジェット気流を発生させることのできるラバールノズルが好適である。
ガス噴射ノズル120により噴射された高圧のジェット気流は、粉砕室110内で高速で高圧の旋回流を形成し、その旋回流へ高圧の気流に移送された粉体Pは、粉体Pの粒子と気流との衝突や粒子相互の衝突により解砕される。解砕された粉体Pは、高圧のジェット気流の影響により粉砕室110の上部に設けられた分級室130へ移送され、遠心力により粗粒と微粉に分けられる。その後、微粉は微粉排出筒140の排出口141より排出されて回収される。
また、乾式ジェットミル100においては、上記説明した通り、粉砕室110内に噴射されるエア等のガスにより供給される粒子同士の衝突もしくは噴射されたガスと粒子との衝突により、粒子同士の結合が解きほぐされて解砕される。焼結凝集のように粒子同士の結合力が相対的に強い時には、粉砕室内に噴射されるガス及びそれにより運ばれる粒子の運動エネルギーを高めて、衝突時の衝撃力を増強することにより解砕能力を高めることが広く行われている。すなわち図1で例示すれば、一般的に、解砕能力を高めるには、粉体供給ノズル1、ガス噴射ノズル120の粉砕室110側の径寸法を小さくして噴射されるガスの流速を高めることが有効である。
一方、湿式処理後に乾燥した粒子の解砕では、粒子同士の結合力は相対的に強くないことから、衝突時の衝撃力が粒子同士の結合を解きほぐすのに十分であれば、それを超える衝撃力を与えたとしても、解砕能力が大きく向上しないことがある。このような場合には、粒子同士の結合を解きほぐすために必要な衝撃力を満たしている条件下で、粒子同士の衝突の頻度(確率)を高めた方が、解砕能力を高めることができる。
本実施形態にかかる粒子解砕方法は、乾式ジェットミル100を用いて、湿式処理後に乾燥した粉体の粒子を解砕する方法であって、乾式ジェットミル100の粉砕室110内において粉体Pの粒子が解砕され、乾式ジェットミル100の粉砕室110に供給するガス量(m/分)の、粉砕室110の容積(m)に対する比(粉砕室110に供給するガス量/粉砕室110の容積)を6000/分以上とするものである。なお、以下の記載において、「乾式ジェットミルの粉砕室に供給するガス量(m/分)の、粉砕室の容積(m)に対する比」、すなわち、「粉砕室に供給するガス量/粉砕室の容積」を「比R」と記載することがある。
比Rの値は1分間に粉砕室110内のガスが何回置換されるかを表す指標となり、この数値が大きくなるほど粉砕室110内に供給されるガス量が増大することを意味している。なお、比Rの値は、主として解砕に用いる粉体供給ノズル1、ガス噴射ノズル120の粉砕室110側の径寸法、および供給するガスのガス圧により調整される。すなわち、例えば、ノズル(粉体供給ノズル1、ガス噴射ノズル120)の径を大口径化したり、供給するガスのガス圧を高圧化したりすることで、この比Rの値を大きくすることができる。比Rの値が6000/分未満の場合では、粒子同士が連結した粗大粒子の含有量が十分に低下しないことがある。例えば、湿式処理されて、乾燥処理が行われたニッケル粉末に、この比Rの値が6000/分未満の条件で解砕を行い、このニッケル粉末をMLCCの内部電極に用いた場合には、MLCCの構造欠陥を引き起こす可能性がある。供給するガス量の乾式ジェットミル100の粉砕室110の容積に対する比Rの値の上限は特に限定されないが、乾式ジェットミルの仕様、及び供給するガスのガス圧の上限等の条件により自ずと上限が決まり、通常用いられる構成では20000/分程度が上限となる。比Rの値を高めること、つまり供給するガス量を増大させることにより粗大粒子の含有量が低減する理由としては、供給するガス量を増大させることで、粉砕室内の流体の流れが微視的に乱流状態となりやすくなり、流体により運ばれる粒子同士の衝突の頻度(確率)が増加していると推察される。
上記説明したとおり、比Rの値を大きくするにはノズルの径を大口径化したり、供給するガスのガス圧を高圧化したりすることが有効であるが、これらはいずれも、ノズルの径の小口径化で発生し得るノズルでのジェットミルに供給する原料粒子の閉塞を抑制する方向に働く。従って、本実施形態に係るジェットミルを用いた粒子の解砕方法を行えば、粒子によるノズルの閉塞の発生は低減され、単位時間当たりの処理量(生産性)を低下させることを抑制することができ、逆に向上させることも可能となる。
なお、本実施形態の粒子解砕方法により解砕した後の粒子の評価は、例えば、以下の方法により行うことができる。すなわち、評価対象となる解砕した後の粉末の粒子を走査電子顕微鏡(SEM)により観察して、走査電子顕微鏡写真(SEM像)(例えば、倍率10,000倍)を、SEM像が互いに重ならない20箇所で撮影する。その20箇所のSEM像において、主に粒子が連結して形成された基準粒径以上の粗大粒子および全粒子の個数を計測する。さらに、計測した数値から、粗大粒子の個数/全粒子の個数×1,000,000、を算出することにより粗大粒子の含有量(ppm)を求めることができる。基準粒径は、解砕した後の粒子の用途により、適宜設定することができる。
本実施形態の粒子解砕方法によれば、乾式ジェットミルの粉砕室内へのガスの供給量を多くして、粒子同士の衝突の頻度を高めることにより、湿式処理後に乾燥した粉末の粒子において、粗大粒子の含有量を低減することができる。
[ニッケル粉末の製造方法]
本発明の一実施形態にかかるニッケル粉末の製造方法について、図面を参照して説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態のニッケル粉末の製造方法は、湿式処理後に乾燥したニッケル粉末(粉体)を、前述した実施形態の粒子解砕方法を用いて解砕する解砕工程を含むものである。
前述した実施形態に係る粒子解砕方法は、湿式処理した粒子を乾燥した後、解砕された粒子の、粒子同士が連結した粗大粒子の含有量を低減して、粗大粒子の含有量を低いレベルで管理したい分野に適用するのが好適であり、このような分野の一例としてニッケル粉末が挙げられる。ニッケル粉末は、主としてMLCCの内部電極に用いられており、電極厚さの薄層化に伴い、粗大粒子の含有量を低減させることが求められている。
ニッケル粉末の製造方法としては、溶媒中で還元反応やプラズマ法等でニッケル粉末を析出させる湿式法や、CVD法やプラズマ法等でニッケル粉末を生成させる乾式法がある。また乾式法でニッケル粉末を生成した場合にも、不純物を洗浄したり、ニッケル粉末の表面に硫黄含有化合物を被覆(修飾)したりする目的で湿式の表面処理することは広く行われている。これらの湿式処理は、ニッケル粉末を主として水を溶媒として溶媒中に懸濁させたスラリー状にして処理が行われる。このスラリー状のニッケル粉末は、乾燥状態のニッケル粉末とするために、必要に応じて洗浄された後、必要に応じてろ過によりニッケル粉末と溶媒とを分離(固液分離)して、乾燥処理が行われる。ろ過(固液分離)と乾燥の具体的な処理方法は特に限定されず、スラリーの量等に応じて適宜公知の方法を用いればよい。なお、ろ過については、不要な場合は行わなくてもよい。以上のようにして得られたニッケル粉末(粒子)を解砕工程に供する。
解砕工程は、前述した実施形態の粒子解砕方法を用いて行われる。すなわち、湿式処理後に乾燥したニッケル粉末(粒子)を、例えば、図1に示すフィーダー7を介して乾式ジェットミル100に供する。このとき、乾式ジェットミル100の粉砕室110に供給するガス量(m/分)の、粉砕室110の容積(m)に対する比(供給するガス量/粉砕室110の容積)を6000/分以上とする。また、[粒子解砕方法]で前述したように、解砕工程後の粒子をSEMで観察して粗大粒子の含有量を算出することにより、解砕工程後の粒子を評価することができる。
前述したように、湿式処理後に乾燥したニッケル粉末は、乾燥凝集により粒子同士が連結した粗大粒子を形成していることがある。本実施形態のニッケル粉末の製造方法によれば、このようなニッケル粉末に対して、前述した実施形態の粒子解砕方法を行って解砕することにより、湿式処理後に乾燥したニッケル粉末において、粗大粒子の含有量を低減したニッケル粉末を製造することができ、例えば、薄層化されたMLCCに用いられるニッケル粉末を好適に製造することできる。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
以下、本実施形態に係る乾式ジェットミルを用いた粒子解砕方法を、湿式処理後に乾燥したニッケル粉末に適用して、ニッケル粉末を製造した実験例を用いて具体的に説明する。なお、本発明は以下の実験例に何ら限定されるものではない。また、実験例で評価した粒子の数平均粒径、および、粗大粒子の含有量の測定方法は以下の通りである。
(粒子の数平均粒径、および、粗大粒子の含有量)
評価対象となる粉末の粒子を走査電子顕微鏡(SEM)により観察して、走査電子顕微鏡写真(SEM像)(倍率10,000倍)を、SEM像が互いに重ならない20箇所で撮影した。その20箇所のSEM像において、主にニッケル粒子が連結して形成された基準粒径以上の粗大粒子および全粒子の個数を計測した。また、全粒子の粒径を計測して、粒子の数平均粒径を算出した。さらに、計測した粒子の個数から、粗大粒子の個数/全粒子の個数×1,000,000、を算出することにより粗大粒子の含有量(ppm)を求めた。本実施例においては、基準粒径は、0.6μmとした。また、粒径0.6μm以上の粗大粒子の含有量は、積層セラミックコンデンサの内部電極の薄層化に対応するという観点からすると、500ppm以下であることが望ましいことから、本実施例においては粒径0.6μm以上の粗大粒子の含有量が500ppm以下であれば、十分に粗大粒子が低減されていると判断した。
(実験例1)
国際公開第2017/069067号の実施例1に記載の晶析工程により、湿式法によりニッケル粉末を晶析した。このニッケル粉末を含むスラリーにチオグリコール酸の水溶液を加えて、ニッケル粉末の表面処理を施した。表面処理後のニッケル粉末を、導電率が1μS/cmの純水を用いてろ過洗浄した。ニッケル粉末含有スラリーからろ過したろ液の導電率が10μS/cm以下になるまでろ過洗浄し、固液分離した後、150℃の温度に設定した真空乾燥器中でニッケル粉末を乾燥して、ニッケル粉末を得た。このような操作を繰り返して、乾燥処理したニッケル粉末を12ロット用意した。これらのニッケル粉末の数平均粒径は0.26μm〜0.28μmであり、粗大粒子の含有量は30000ppm〜50000ppmであった。
これらのニッケル粉末を乾式ジェットミル(PJM−200SP、日本ニューマチック工業株式会社製)の粉砕機本体に粉体供給ノズル1、ガス噴射ノズル120、フィーダー7およびホッパ9を設置して、解砕処理を行った。解砕条件としては、ノズルの径や供給するエアの圧力を調整して、供給するガス量(m/分)のジェットミルの粉砕室の容積(m)に対する比(供給するガス量/粉砕室の容積)を4100/分、5100/分、6400/分、8000/分とした。4100/分、5100/分の条件においては12ロットの内の各4ロット、6400/分、8000/分の条件においては12ロットの内の各2ロットのニッケル粉末を解砕工程に供して、解砕後のニッケル粉末の粗大粒子の含有量を評価した。評価結果を図2に示した。
図2より、供給するガス量(m/分)の乾式ジェットミルの粉砕室の容積(m)に対する比(供給するガス量/粉砕室の容積)を6000/分以上にすることにより、ニッケル粉末の粗大粒子の含有量を500ppm以下に低減することができることが分かった。
(実験例2)
国際公開第2017/069067号の実施例7に記載の晶析工程とした以外は実験例1と同様にして乾燥処理したニッケル粉末を用意した。このニッケル粉末の数平均粒径は0.18μmであり、粗大粒子の含有量は25000ppmであった。
このニッケル粉末を実験例1と同様に乾式ジェットミル(PJM−200SP、日本ニューマチック工業株式会社製)を用い、供給するガス量(m/分)のジェットミルの粉砕室の容積(m)に対する比(供給するガス量/粉砕室の容積)を6400/分の条件で解砕工程に供した。解砕後のニッケル粉末の粗大粒子の含有量を評価すると、290ppmであった。
(まとめ)
以上の評価結果により本発明の例示的態様である実験例において、前記乾式ジェットミルの粉砕室に供給するガス量(m/分)の、前記粉砕室の容積(m)に対する比(供給する前記ガス量/前記粉砕室の容積)を6000/分以上とすることにより、湿式処理後に乾燥した粉末の粒子において、粗大粒子の含有量を低減したニッケル粉末を製造することができことが示された。
100 乾式ジェットミル
110 粉砕室
1 粉体供給ノズル
120 ガス噴射ノズル
A ガス
P 粉体

Claims (3)

  1. 乾式ジェットミルを用いて、湿式処理後に乾燥した粉体の粒子を解砕する方法であって、
    前記乾式ジェットミルの粉砕室内において前記粉体の粒子が解砕され、
    前記乾式ジェットミルの粉砕室に供給するガス量(m/分)の、前記粉砕室の容積(m)に対する比(供給する前記ガス量/前記粉砕室の容積)を6000/分以上とする粒子解砕方法。
  2. 前記粉砕室に供給するガスが空気である、請求項1に記載の粒子解砕方法。
  3. 湿式処理後に乾燥したニッケル粉末を、請求項1または2に記載の粒子解砕方法を用いて解砕する解砕工程を含む、ニッケル粉末の製造方法。
JP2019210513A 2019-11-21 2019-11-21 粒子解砕方法、および、ニッケル粉末の製造方法 Pending JP2021080535A (ja)

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