JP2021080135A - アルカリ土類金属窒化ケイ素 - Google Patents

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Abstract

【課題】大気中の酸素や水分に対して安定性が高いアルカリ土類金属窒化ケイ素の製造方法を提供すること。【解決手段】β−窒化ケイ素を20質量%以上含む窒化ケイ素と、アルカリ土類金属窒化物とを含む混合物を、酸素非含有雰囲気下、1400℃以上で焼成する、アルカリ土類金属窒化ケイ素の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、アルカリ土類金属窒化ケイ素に関する。
Sr2Si58、Ca2Si58等のアルカリ土類金属窒化ケイ素は、蛍光体原料として用いられており、アルカリ土類金属窒化ケイ素の製造には、窒化ケイ素が使用されている。窒化ケイ素にはα型とβ型の結晶多形が存在するが、α−窒化ケイ素は高温で不安定相であり、高温で安定相であるβ−窒化ケイ素に比べてエネルギー的に有利であるため、アルカリ土類金属窒化ケイ素の製造には、α−窒化ケイ素を使用するのが通常であった(特許文献1〜3)。
米国特許公開2003/0024438 特開2009−173489号公報 特開2006−206729号公報
アルカリ土類金属窒化ケイ素は、大気中の僅かな酸素や水分で速やかに酸化されてしまう。酸化が進んだアルカリ土類金属窒化ケイ素は、蛍光体用原料として適さないうえ、厳密な割合で原料調合を行うことが困難になる。そのため、大気中の酸素や水分に対して安定性の高いアルカリ土類金属窒化ケイ素が求められている。
本発明の課題は、大気中の酸素や水分に対して安定性が高いアルカリ土類金属窒化ケイ素の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、従来アルカリ土類金属窒化ケイ素の製造にはエネルギー的に不利と考えられていたβ−窒化ケイ素に着目し、種々検討を重ねたところ、β−窒化ケイ素を一定以上の割合で含む窒化ケイ素を使用すると、α−窒素ケイ素を使用した場合に比べて平均粒子径の大きなアルカリ土類金属窒化ケイ素を製造できることを見出した。そして、得られたアルカリ土類金属窒化ケイ素は、比表面積が小さいため、大気中の酸素や水分に対して酸化され難いことが判明した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔5〕を提供するものである。
〔1〕β−窒化ケイ素を20質量%以上含む窒化ケイ素と、アルカリ土類金属窒化物とを含む混合物を、酸素非含有雰囲気下、1400℃以上で焼成する、アルカリ土類金属窒化ケイ素の製造方法。
〔2〕酸素非含有雰囲気下が窒素ガス雰囲気下、アルゴンガス雰囲気下、窒素水素混合ガス雰囲気下又はアルゴン水素混合ガス雰囲気下である、前記〔1〕記載の製造方法。
〔3〕アルカリ土類金属窒化物が窒化マグネシウム、窒化カルシウム、窒化ストロンチウム及び窒化バリウムから選ばれる1又は2以上である、前記〔1〕又は〔2〕記載の製造方法。
〔4〕当該アルカリ土類金属窒化ケイ素は、平均粒子径が5.5μm以上である、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか一に記載の製造方法。
〔5〕当該アルカリ土類金属窒化ケイ素は、粒子径D10と粒子径D90との比(D90/D10)が320以上である、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか一に記載の製造方法。
本発明によれば、大気中の酸素や水分に対して安定性が高いアルカリ土類金属窒化ケイ素の製造方法を提供することができる。
本発明のアルカリ土類金属窒化ケイ素の製造方法は、β−窒化ケイ素を20質量%以上含む窒化ケイ素と、アルカリ土類金属窒化物とを含む混合物を、酸素非含有雰囲気下、1400℃以上で焼成する工程を含むものである。
ここで、本明細書において「アルカリ土類金属窒化ケイ素」とは、アルカリ土類金属とケイ素を含む複合窒化物をいい、例えば、M2Si58(Mは、アルカリ土類金属)で示される複合窒化物を挙げることができる。
アルカリ土類金属(M)としては周期表第2族元素であれば特に限定されないが、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられ、1種でも、2種以上であってもよい。中でも、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムから選択される1以上が好ましく、カルシウム、ストロンチウム、又はストロンチウムとカルシウム若しくはバリウムとを組み合わせたものがより好ましく、ストロンチウムが更に好ましい。
(窒化ケイ素)
窒化ケイ素にはα型とβ型の結晶多形が存在するが、本発明においては、β−窒化ケイ素を20質量%以上含む窒化ケイ素を使用する。本発明者らは、アルカリ土類金属窒化ケイ素の製造に通常使用されないβ−窒化ケイ素を20質量%以上という特定の割合で含有する窒化ケイ素を使用すると、意外にも、α−窒化ケイ素を使用した場合に比べて、大気中の酸素や水分に対する安定性がより高められたアルカリ土類金属窒化ケイ素を製造できることを見出したものである。
窒素ケイ素中のβ−窒化ケイ素の含有割合は20質量%以上であるが、大気中の酸素や水分に対する、より一層の安定性向上の観点から、21質量%以上が好ましく、23質量%以上がより好ましく、25質量%以上が更に好ましい。窒素ケイ素中のβ−窒化ケイ素の含有割合の上限値は特に限定されず、100質量%であっても構わない。なお、窒素ケイ素中のβ−窒化ケイ素の含有割合は、X線回折装置により得られたX線回折パターンから解析ソフトを用いて算出することが可能である。具体的には、後掲の実施例に記載の方法により分析することができる。
(アルカリ土類金属窒化物)
アルカリ土類金属窒化物としては周期表第2族元素の窒化物であれば特に限定されないが、例えば、窒化マグネシウム、窒化カルシウム、窒化ストロンチウム、窒化バリウムが挙げられ、1種でも、2種以上であってもよい。中でも、窒化カルシウム、窒化ストロンチウム及び窒化バリウムから選択される1以上が好ましく、窒化カルシウム、窒化ストロンチウム、又は窒化ストロンチウムと窒化カルシウム若しくは窒化バリウムとを組み合わせたものがより好ましく、窒化ストロンチウムが更に好ましい。
また、アルカリ土類金属窒化物としては、例えば、M32、MN、M2N(Mは前記と同義である)で表される化合物を使用することが好ましく、1種又は2種以上を使用することができる。
原料化合物は混合物の形態で使用されるが、例えば、乳鉢、ボールミル等を用いて混合することができる。混合順序は特に限定されず、一方を他方に添加して混合しても、両者を同時に添加して混合してもよい。なお、混合は、不純物の生成等を抑制する観点から、不活性雰囲気としたグローブボックス内で行うことが好ましい。
窒化ケイ素及びアルカリ土類金属窒化物の使用量は、目的とするM2Si58(Mは前記と同義である)の化学量論組成を満たす量であればよく、使用する窒化ケイ素とアルカリ土類金属窒化物の種類に応じて適宜選択することができる。
また、混合物中には、窒化ケイ素及びアルカリ土類金属窒化物以外の他の化合物が含まれていてもよい。他の化合物としては、例えば、ユーロピウム化合物が好ましい。ユーロピウム化合物としては、例えば、塩化ユーロピウム(EuCl3・6H2O)、酸化ユーロピウム(Eu23)、窒化ユーロピウム(EuN)、フッ化ユーロピウム(EuF3)を挙げることができる。この場合、窒化ケイ素、窒化カルシウム及びユーロピウム化合物の使用量は、例えば、M2Si58:Eu(Mは前記と同義である)の化学量論組成を満たす量であればよい。
(焼成)
本発明においては、混合物を、酸素非含有雰囲気下で焼成する。
焼成炉は、炉内の雰囲気を調整できる炉であればよく、高温加熱炉のような特殊な焼成炉であることを要しない。
炉内圧は、常圧でよく、高圧にすることを要しない。
炉内の雰囲気は酸素非含有雰囲気であれば特に限定されないが、例えば、不活性ガス雰囲気を挙げることができる。例えば、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気、窒素水素混合ガス雰囲気、アルゴン水素混合ガス雰囲気を挙げることができる。中でも、アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気が好ましい。なお、窒素水素混合ガス又はアルゴン水素混合ガスを用いる場合は、水素を3〜5体積%とすることが好ましい。
焼成温度は1400℃以上であるが、大気中の酸素や水分に対する、より一層の安定性向上の観点から、1450℃以上が好ましく、1500℃以上が更に好ましい。なお、焼成温度の上限値は特に限定されないが、通常1800℃以下であり、好ましくは1600℃以下である。
焼成時間は、大気中の酸素や水分に対する、より一層の安定性向上の観点から、0.5〜12時間が好ましく、2〜10時間がより好ましく、4〜8時間が更に好ましい。
焼成工程後、生成したアルカリ土類金属窒化ケイ素を、更にユーロピウム化合物と焼成し、例えば、M2Si58:Eu(Mは前記と同義である)で示される蛍光体を製造しても構わない。かかる蛍光体の製造は、常法により行うことが可能であり、特に限定されない。
このようにして本発明のアルカリ土類金属窒化ケイ素を製造することができるが、本発明の方法により製造されるアルカリ土類金属窒化ケイ素は、下記の特性を具備することができる。
〔1〕アルカリ土類金属窒化ケイ素は、単相である。
〔2〕アルカリ土類金属窒化ケイ素は、20℃、相対湿度60%の環境下で3時間大気暴露したときの酸素増加率を通常13%以下、好ましくは12%以下、更に好ましくは11%以下に抑えることができる。酸素増加率の下限値は特に限定されず、0%であっても構わない。なお、酸素増加率の測定は、後掲の実施例に記載に方法により行うことができる。
〔3〕アルカリ土類金属窒化ケイ素は、平均粒子径が通常5.5μm以上であり、好ましくは6μm以上であり、更に好ましくは7μm以上である。このように本発明の方法により製造されたアルカリ土類金属窒化ケイ素は、従来に比して平均粒子径が大きいため、比表面積が小さくなる結果、大気中の酸素や水分に対する安定性がより一層高められる。平均粒子径の上限値は特に限定されないが、ハンドリング性の観点から、通常20μm以下であり、好ましくは15μm以下である。ここで、本明細書において「平均粒子径」とは、体積基準の累積分布曲線において小径側からの累積体積が50体積%に相当する粒子径(D50)を意味する。なお、体積基準の累積分布曲線は、JIS R 1629「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法」に準拠して作成することが可能であり、レーザ回折・散乱法による粒子径分布測定装置として、例えば、マイクロトラックMT3300EX II(マイクロトラック・ベル社製)を使用することができる。
〔4〕アルカリ土類金属窒化ケイ素は、粒子径D10と、粒子径D90との比(D90/D10)が、通常320以上であり、好ましくは330以上であり、より好ましくは340以上であり、更に好ましくは350以上であり、そして好ましくは800以下であり、より好ましくは700以下であり、更に好ましくは600以下である。ここで、本明細書において「粒子径D10」とは、体積基準の累積分布曲線において小粒子側からの累積体積が10体積%に相当する粒子径をいい、また「粒子径D90」とは、体積基準の累積分布曲線において小径側からの累積体積が90体積%に相当する粒子径をいう。なお、体積基準の累積分布曲線は、JIS R 1629「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法」に準拠して作成することが可能であり、レーザ回折・散乱法による粒子径分布測定装置として、上記と同様のものを使用することができる。
このように、本発明の方法により製造されるアルカリ土類金属窒化ケイ素は、大気中の酸素や水分に対する安定性に優れているため、例えば、蛍光体の原料として極めて有用である。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
1.生成物の同定
X線回折装置(D8 ADVANCE、ブルカー社製)によりX線回折スベクトルを測定し、X線回折パターンから生成物を同定した。
2.粒子径の測定
JIS R 1629「ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法」に準拠して、試料の粒度分布を体積基準で作成した。そして、累積分布曲線において50%に相当する粒子径D50(平均粒子径)、10%に相当する粒子径D10、90%に相当する粒子径D90を求めた。なお、レーザ回折・散乱法による粒子径分布測定装置として、マイクロトラックMT3300EX II(マイクロトラック・ベル社製)を使用した。
3.酸素濃度測定
各実施例及び比較例で得られたSr2Si58について、グローブボックス内で試料カプセルに充填し、酸素窒素同時分析装置(TCH−600、LECOジャパン社製)により酸素濃度を測定した。
4.大気暴露試験
グローブボックス内で、各実施例及び比較例で得られたSr2Si580.3gをスクリュー管に量り取り、密栓し大気中に取り出した。次いで、20℃、相対湿度60%の大気下でスクリュー管を開放状態で3時間静置した後、密栓し再びグローブボックス内に戻し、試料カプセルに充填して酸素窒素同時分析装置により酸素濃度を測定した。そして、大気暴露試験後における酸素増加率を下記式(1)により算出した。
酸素増加率(%)=(X−Y)/Y×100 (1)
〔式中、Xは大気暴露試験後のSr2Si58の酸素濃度(質量%)を示し、Yは大気暴露試験前のSr2Si58の酸素濃度(質量%)を示す。〕
本実施例で使用した窒化ケイ素
窒化ケイ素として、宇部マテリアル社製の商品名「SE−10」(以下、「Si34−A」と称する)と、信濃精錬社製の商品名「SSN−β1」(以下、「Si34−B」と称する)を用いた。各窒化ケイ素の物性を表1に示す。なお、粒子径は、上記にしたがって測定し、平均粒子径(D50)を算出した。また、結晶多形の割合は、X線回折装置(D8 ADVANCE、ブルカー社製)を用いて得られたX線回折パターンから、解析ソフト「Topas」を用いてリートベルト解析を行い、算出した。
Figure 2021080135
実施例1
原料の取扱いは、露点を−90℃以下に保っているグローブボックス内で行った。窒化ケイ素としてSi34−Bを使用し、窒化ストロンチウム(太平洋セメント社製)及び窒化ケイ素をSr:Siのモル比で2:5になるように秤量した。秤量後、メノウ乳鉢と乳棒を用いて10分間混合した。混合物を管状炉に仕込み、窒素ガスを1L/minの速度で流通させ、1450℃まで5℃/minで昇温し、6時間保持して焼成を行った。焼成後、管状炉から生成物を取り出た。得られた生成物について、X線回折装置によりX線回折スベクトルを測定し、X線回折パターンから鉱物相を同定したところ、Sr2Si58単相であることを確認した。次いで、粒子径の測定、大気暴露試験を行った。その結果を表2に示す。
実施例2
Si34−AとSi34−Bとを表2に示す割合で含む窒化ケイ素を使用したこと以外は、実施例1と同様の操作により生成物を得た。得られた生成物について、実施例1と同様にX線回折装置によりX線回折スベクトルを測定し、X線回折パターンから鉱物相を同定したところ、Sr2Si58単相であることを確認した。次いで、粒子径の測定、大気暴露試験を行った。その結果を表2に示す。
実施例3
Si34−AとSi34−Bとを表2に示す割合で含む窒化ケイ素を使用したこと以外は、実施例1と同様の操作により生成物を得た。得られた生成物について、実施例1と同様にX線回折装置によりX線回折スベクトルを測定し、X線回折パターンから鉱物相を同定したところ、Sr2Si58単相であることを確認した。次いで、粒子径の測定、大気暴露試験を行った。その結果を表2に示す。
実施例4
Si34−AとSi34−Bとを表2に示す割合で含む窒化ケイ素を使用し、かつ焼成温度を1500℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作により生成物を得た。得られた生成物について、実施例1と同様にX線回折装置によりX線回折スベクトルを測定し、X線回折パターンから鉱物相を同定したところ、Sr2Si58単相であることを確認した。次いで、粒子径の測定、大気暴露試験を行った。その結果を表2に示す。
実施例5
焼成温度を1450℃に変更したこと以外は、実施例4と同様の操作により生成物を得た。得られた生成物について、実施例4と同様にX線回折装置によりX線回折スベクトルを測定し、X線回折パターンから鉱物相を同定したところ、Sr2Si58単相であることを確認した。次いで、粒子径の測定、大気暴露試験を行った。その結果を表2に示す。
実施例6
焼成温度を1400℃に変更したこと以外は、実施例4と同様の操作により生成物を得た。得られた生成物について、実施例4と同様にX線回折装置によりX線回折スベクトルを測定し、X線回折パターンから鉱物相を同定したところ、Sr2Si58単相であることを確認した。次いで、粒子径の測定、大気暴露試験を行った。その結果を表2に示す。
比較例1
Si34−AとSi34−Bとを表2に示す割合で含む窒化ケイ素を使用したこと以外は、実施例4と同様の操作により生成物を得た。得られた生成物について、実施例4と同様にX線回折装置によりX線回折スベクトルを測定し、X線回折パターンから鉱物相を同定したところ、Sr2Si58単相であることを確認した。次いで、粒子径の測定、大気暴露試験を行った。その結果を表2に示す。
比較例2
窒化ケイ素としてSi34−Aを使用したこと以外は、実施例4と同様の操作により生成物を得た。得られた生成物について、実施例4と同様にX線回折装置によりX線回折スベクトルを測定し、X線回折パターンから鉱物相を同定したところ、Sr2Si58単相であることを確認した。次いで、粒子径の測定、大気暴露試験を行った。その結果を表2に示す。
比較例3
焼成温度を1300℃に変更したこと以外は、実施例2と同様の操作により生成物を得た。得られた生成物について、実施例2と同様にX線回折装置によりX線回折スベクトルを測定し、X線回折パターンから鉱物相を同定したところ、Sr2Si58とSrSiN2との混晶であることが確認された。そのため、粒子径の測定、大気暴露試験を断念した。
Figure 2021080135
表2から、次の知見が得られた。
窒化ケイ素としてα−Si34を使用する従来法により製造されたSr2Si58は、平均粒子径が5.4μmであり、また大気暴露試験後の酸素増加率が約15%程度であった(比較例2)。
これに対し、β−Si34を20質量%以上含む窒化ケイ素を使用する本発明の方法により製造されたSr2Si58は、平均粒子径が5.8μm以上と大きく、また大気暴露試験後の酸素増加率が11.5%以下に抑えられていた(実施例1〜6)。
なお、窒化ケイ素中のβ−Si34の含有量が20質量%に満たないと、Sr2Si58の平均粒子径が5.3μmと小さく、また大気暴露試験後の酸素増加率が約17%と高いものになり(比較例1)、またβ−Si34を20質量%以上含む窒化ケイ素を使用したとしても、焼成温度が1400℃に満たないと、Sr2Si58単晶が得られなかった(比較例3)
以上から、β−Si34を20質量%以上含む窒化ケイ素を使用し、1400℃以上で焼成する本発明によれば、従来に比して平均粒子径が大きくなるため、比表面積が小さくなる結果、大気中の酸素や水分による酸化が抑えられ、安定性が高められたアルカリ土類金属窒化ケイ素を製造できることがわかる。

Claims (5)

  1. β−窒化ケイ素を20質量%以上含む窒化ケイ素と、アルカリ土類金属窒化物とを含む混合物を、酸素非含有雰囲気下、1400℃以上で焼成する、アルカリ土類金属窒化ケイ素の製造方法。
  2. 酸素非含有雰囲気下が窒素ガス雰囲気下、アルゴンガス雰囲気下、窒素水素混合ガス雰囲気下又はアルゴン水素混合ガス雰囲気下である、請求項1記載の製造方法。
  3. アルカリ土類金属窒化物が窒化マグネシウム、窒化カルシウム、窒化ストロンチウム及び窒化バリウムから選ばれる1又は2以上である、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 当該アルカリ土類金属窒化ケイ素は、平均粒子径が5.5μm以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 当該アルカリ土類金属窒化ケイ素は、粒子径D10と粒子径D90との比(D90/D10)が320以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
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