JP2021079019A - 洗浄用アダプタ - Google Patents

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Abstract

【課題】オス部材を取り囲むように雌ネジが設けられたオスコネクタを洗浄するための、高い洗浄性能を備えたアダプタを提供する。【解決手段】アダプタ1は、オスコネクタ900の外筒91が挿入されて外筒に液密に接続可能なハウジング11と、ハウジングの内腔と連通したポート21と、ハウジングが外筒に接続されたときにオス部材と外筒との間の隙間917に挿入されるように、ハウジング内に配されたブラシ55と、ハウジングの外に配された、ハウジングに対して回転可能なハンドル70とを備える。ブラシ55はハンドルと連動して回転可能である。【選択図】図1B

Description

本発明は、オスコネクタを洗浄するためにオスコネクタに装着して使用されるアダプタに関する。
食事を口から摂れなくなった患者に栄養剤、流動食(一般に「経腸栄養剤」と呼ばれる)、又は薬剤等を含む液状物を投与する方法として経腸栄養が知られている。経腸栄養では、カテーテルを体外から消化管(例えば胃)内に挿入した状態で患者に留置する。カテーテルとしては、患者の鼻から挿入する経鼻カテーテルや、患者の腹に形成された孔(胃瘻)を通って胃に挿入される胃瘻カテーテル等が知られている。液状物は、容器に貯留される。容器とカテーテル(経鼻カテーテル、胃瘻カテーテルなど)とは柔軟なチューブ(一般に延長チューブと呼ばれる)を介して接続される。容器からカテーテルまでの液状物の流路を形成するために、オスコネクタとメスコネクタとからなる接続具が用いられる。
この接続具として、図11A及び図11Bに示すオスコネクタ910及び図12A及び図12Bに示すメスコネクタ960が使用される。
図11A及び図11Bのオスコネクタ910は、筒形状のオス部材911と、オス部材911を取り囲む外筒915とを有する。オス部材911と外筒915とは、オス部材911の基端部から半径方向に沿ってフランジ状に突出した底板914を介して連結されている。オス部材911の外周面912は、先端に近づくにしたがって外径が小さくなるテーパ面(いわゆるオステーパ面)である。オス部材911には、その長手方向に沿ってオス部材911を貫通する流路913が設けられている。外筒915のオス部材911に対向する内周面には雌ネジ916が設けられている。
図12A及び図12Bのメスコネクタ960は、中空円筒形状の管状部(メス部材)961を有する。管状部961の内周面962は、先端に近づくにしたがって内径が大きくなるテーパ面(いわゆるメステーパ面)である。管状部961の外周面には螺状突起(雄ネジ)966が設けられている。
オスコネクタ910とメスコネクタ960とは、オス部材911を管状部961に挿入し、且つ、雌ネジ916と螺状突起966とを螺合させることにより接続される。オス部材911の外周面912と管状部961の内周面962とは、径及びテーパ角度が一致するテーパ面であるから、両者は液密な面接触(テーパ嵌合)をする。
経腸栄養では、液状物の流れ方向に関して上流側(容器側)のコネクタとしてメスコネクタ960が、下流側(患者側)のコネクタとしてオスコネクタ910が、それぞれ使用される。
オスコネクタ910では、外筒915がオス部材911を取り囲み、外筒915の内周面には雌ネジ916が設けられている。経腸栄養を行った後、オス部材911と外筒915との間の隙間917内(例えば雌ネジ916の谷内)に液状物(例えば経腸栄養剤)が残留しやすい。隙間917は、一般的な綿棒を挿入できないほどに狭い。このため、隙間917内の液状物を拭き取り除去することは困難である。
オスコネクタ910が、カテーテルの上流側端に設けられている場合には、オスコネクタ910はカテーテルと共に長期間にわたって患者に留置される。オスコネクタ910に残留した液状物は、オスコネクタ910の衛生状態を悪化させうる。
特許文献1,2に、オスコネクタ910の洗浄に好ましく使用することができるアダプタが記載されている。アダプタは、オスコネクタ910の外筒915が挿入されて外筒915と液密に接続される筒状部と、筒状部の内腔と連通したポートとを備える。筒状部に外筒915を接続し、ポートに洗浄液を貯留したシリンジを接続する。この状態で、シリンジ内の洗浄液を筒状部の内腔内に注入する。洗浄液は、オスコネクタ910の隙間917に流入し、隙間917内に残留した液状物を洗い流す。
特開2015−188522号公報 特開2015−188523号公報
ところが、単に隙間917に洗浄液を流入させるだけでは、隙間917を規定する面(以下、「隙間917の内面」という。これは、オス部材911の外周面912、外筒915の内周面(例えば雌ネジ916)、及び底板914の表面を含む。)に付着した液状物を洗浄液と共に完全に洗い流すことが困難である場合がある。この場合、洗浄液を洗い流した後も、液状物は、隙間917の内面に残留し続ける。
本発明は、オス部材を取り囲むように雌ネジが設けられたオスコネクタを洗浄するための、高い洗浄性能を備えたアダプタを提供することを目的とする。
本発明の洗浄用アダプタは、流路が形成された筒状のオス部材と、前記オス部材を取り囲む外筒と、前記外筒の前記オス部材に対向する内周面に設けられた雌ネジとを備えたオスコネクタを洗浄するために、前記オスコネクタに取り外し可能に装着される。前記アダプタは、前記外筒が挿入されて前記外筒に液密に接続可能なハウジングと、前記ハウジングの内腔と連通したポートと、前記ハウジングが前記外筒に接続されたときに前記オス部材と前記外筒との間の隙間に挿入されるように、前記ハウジング内に配されたブラシと、前記ハウジングの外に配された、前記ハウジングに対して回転可能なハンドルとを備える。前記ブラシは前記ハンドルと連動して回転可能である。
本発明によれば、アダプタをオスコネクタに接続した状態でポートを介してオスコネクタの隙間に洗浄液を流入させ、次いで、ブラシを回転させて隙間の内面に付着した汚れを掻き取ることができる。汚れは、洗浄液に触れた後、ブラシから直接力を加えられるので、内面から容易に分離されてしまう。このため、本発明の洗浄用アダプタは高い洗浄性能を備えている。
図1Aは、本発明の実施形態1にかかる洗浄用アダプタを用いてオスコネクタを洗浄する方法を説明するための分解斜視図である。 図1Bは、図1Aの拡大断面図である。 図2は、本発明の実施形態1にかかる洗浄用アダプタの分解斜視図である。 図3は、本発明の実施形態1にかかる洗浄用アダプタを構成するアダプタ本体の主要部の拡大断面図である。 図4Aは、本発明の実施形態1にかかる洗浄用アダプタを構成するブラシアセンブリの斜視図である。 図4Bは、ブラシアセンブリの分解斜視図である。 図5Aは、本発明の実施形態1にかかる洗浄用アダプタを構成するハンドルの下方から見た斜視図である。図5Bは、ハンドルの分解断面斜視図である。 図6Aは、本発明の実施形態1にかかる洗浄用アダプタを用いてオスコネクタを洗浄する一工程を示した斜視図である。 図6Bは、図6Aの拡大断面図である。 図7Aは、本発明の実施形態1にかかる洗浄用アダプタを用いてオスコネクタを洗浄する別の工程を示した斜視図である。 図7Bは、図7Aの拡大断面図である。 図8は、本発明の実施形態2にかかる洗浄用アダプタを用いてオスコネクタを洗浄する方法を説明するための分解斜視図である。 図9Aは、本発明の実施形態2にかかる洗浄用アダプタを用いてオスコネクタを洗浄する一工程を示した拡大斜視図である。 図9Bは、図9Aの断面図である。 図10Aは、本発明の実施形態2にかかる洗浄用アダプタを用いてオスコネクタを洗浄する別の工程を示した斜視図である。 図10Bは、図10Aの断面図である。 図11Aは、経腸栄養で患者側コネクタとして使用されるオスコネクタの斜視図である。図11Bは、当該オスコネクタの中心軸を含む面に沿った断面図である。 図12Aは、経腸栄養で容器側コネクタとして使用されるメスコネクタの斜視図である。図12Bは、当該メスコネクタの中心軸を含む面に沿った断面図である。
上記の本発明の洗浄用アダプタにおいて、前記ハウジングが前記外筒に接続されたたとき、前記ブラシは前記オス部材の周りを回転可能であってもよい。かかる態様によれば、ブラシは、隙間の内面に接触しながら移動することができる。これは、オスコネクタを清潔に洗浄するのに有利である。
本発明のアダプタは、前記ブラシを含むブラシアセンブリを更に備えていてもよい。前記ブラシアセンブリは前記ハンドルに、前記ハウジングを介して磁気結合されていてもよい。かかる態様は、アダプタの組立及び分解の容易化と、アダプタの構成の簡単化に有利である。
前記ハウジングの前記内腔内に、前記ブラシの回転中心と同軸に柱体が設けられていてもよい。かかる態様によれば、柱体をブラシの回転軸として利用することができるので、ブラシを安定的に回転させるのに有利である。
前記柱体は、前記オス部材の前記流路を液密に封止可能であってもよい。かかる態様は、第1に、オスコネクタを清潔に洗浄するのに有利であり、第2に、洗浄液やブラシで掻き取られた汚れが、オス部材の流路を通って患者の体内に流入するのを防止するのに有利である。
前記ポートは、前記柱体と同軸に配置されていてもよい。かかる態様によれば、ポートから注入した洗浄液を、オスコネクタの隙間に容易に流入させることができる。隙間を洗浄液で効率良く満たすことが可能である。これは、オスコネクタを清潔に洗浄するのに有利である。
前記ハンドルは、前記ポートの周りを回転可能であってもよい。かかる態様によれば、ハンドルの回転軸としてポートを利用することができる。これは、アダプタの構成を簡単化するのに有利である。
本発明のアダプタは、前記ポートを液密に封止することができる封止手段を更に備えていてもよい。かかる態様によれば、洗浄液を、外界に漏れ出ることなく、オスコネクタの隙間内に所望する時間だけ貯留させることが容易である。これは、オスコネクタを清潔に洗浄するのに有利である。
前記ポートが、前記オス部材の外周面と同じ外周面を備えていてもよい。かかる態様によれば、オス部材に接続可能なメスコネクタ(例えばシリンジの筒先)を、ポートにも接続することができる。このため、経腸栄養及び洗浄で共通するメスコネクタを使用することが可能になる。
本発明のアダプタは、前記ハウジングに対する前記外筒の挿入深さを規制する挿入深さ規制構造を更に備えていてもよい。かかる態様は、外筒をハウジングに対して常に所望する深さで挿入することを可能にする。これは、アダプタが有する高い洗浄性能を安定的に発揮するのに有利である。
前記ポートは第1ポートであってもよい。本発明の前記アダプタは、前記ハウジングの内腔と連通した第2ポートを更に備えていてもよい。かかる態様によれば、アダプタをオスコネクタに装着した状態で、オスコネクタの隙間に洗浄液を流入させること、及び、隙間内の洗浄液を外界に排出すること、のいずれもが容易になる。
前記第2ポートを液密に封止することができる第2封止手段を更に備えていてもよい。かかる態様によれば、洗浄液を、外界に漏れ出ることなく、オスコネクタの隙間内に所望する時間だけ貯留させることが容易である。これは、オスコネクタを清潔に洗浄するのに有利である。
前記第2ポートに、柔軟で透明なチューブが接続されていてもよい。かかる態様は、使用済みの洗浄液をチューブ介して空の容器に回収することを容易にする。チューブが柔軟であるので、チューブを容器に挿入した状態を維持することが容易であり、また、汎用のクランプをチューブに装着するだけで第2ポートの開閉を容易に行うことが可能になる。チューブが透明であるので、オスコネクタの隙間が洗浄液で満たされたことを判断するのが容易である。
前記第2ポートが、前記オス部材の外周面と同じ外周面を備えていてもよい。かかる態様によれば、オス部材に接続可能なメスコネクタ(例えばシリンジの筒先)を、第2ポートにも接続することができる。このため、経腸栄養及び洗浄で共通するメスコネクタを使用することが可能になる。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する主要部材を簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、本発明の範囲内において、以下の各図に示された各部材を変更または省略し得る。各実施形態の説明において引用する図面において、先行する実施形態で引用した図面に示された部材に対応する部材には、当該先行する実施形態の図面で付された符号と同じ符号が付してある。そのような部材については、重複する説明が省略されており、先行する実施形態の説明を適宜参酌すべきである。
(実施形態1)
図1Aは、本発明の実施形態1にかかる洗浄用アダプタ(以下、単に「アダプタ」という)1を用いてオスコネクタ900を洗浄する方法を説明するための分解斜視図である。以下の説明の便宜のため、オスコネクタ900、アダプタ1、シリンジ(注入器)950に共通する軸(中心軸)に平行な方向を「上下方向」という。上下方向において、シリンジ950の側を「上」側、オスコネクタ900の側を「下」側という。上下方向に垂直な平面に平行な方向を「水平方向」という。軸に直交する直線に沿った方向を「半径方向」といい、半径方向において、軸に近い側を「内」側、軸から遠い側を「外」側という。なお、上下方向、水平方向は、アダプタ1の使用時の向きを意味するものではない。
図1Bは、アダプタ1の軸(図示せず)を通る上下方向面に沿った、図1Aの拡大断面図である。図2は、アダプタ1の分解斜視図である。図2に示されているように、アダプタ1は、アダプタ本体10、ブラシアセンブリ50、及び、ハンドル70を備える。
図3は、アダプタ本体10の主要部の、軸を通る上下方向面に沿った拡大断面図である。アダプタ本体10は、中空円筒形状を有する筒状部12と、筒状部12の上端を塞ぐ円形の天板13とを備えた有底筒形状を有するハウジング11を備える。筒状部12の内周面から、突起14及び環状リブ15が半径方向内側に向かって突出している。環状リブ15は、周方向に連続している。突起14は、環状リブ15よりも天板13側に配置されている。ハウジング11にオスコネクタ900の外筒915(図1A及び図1B参照)が挿入されたときに、突起14は、外筒915の先端に衝突してハウジング11に対する外筒915の挿入深さを規定し、環状リブ15は、外筒915の外周面に密着して外筒915との間に液密なシールを形成する(後述する図6B参照)。突起14は、本実施形態では周方向に環状に連続しているが、周方向に離散的に配置されていてもよい。環状リブ15は、本実施形態では筒状部12と同一材料で筒状部12に一体的に設けられているが、本発明はこれに限定されない。例えば、環状リブ15が、筒状部12の内周面に装着されたOリングであってもよい。この場合も、Oリングと外筒915との間に液密なシールを形成することができる。
ハウジング11に、第1ポート21及び第2ポート22が設けられている。第1及び第2ポート21,22は、いずれも中空円筒形状を有し、ハウジング11の内腔17と連通している。第1ポート21は、ハウジング11と同軸に配置され、天板13から上方に向かって突出している。第2ポート22は、突起14と天板13との間の位置において、筒状部12から半径方向外側に向かって突出している。第1及び第2ポート21,22の外周面は、例えば、オスコネクタ900のオス部材911の外周面912(図1A及び図1B参照)に設けられたテーパ面と同じ、先端に近づくにしたがって外径が小さくなるテーパ面(いわゆるオステーパ面)であってもよい。
柱体16が、天板13から下方に向かって内腔17内に突出している。柱体16は、中実の円柱形状(棒形状)を有し、ハウジング11及び第1ポート21と同軸に配置されている。柱体16は、第1ポート21とハウジング11の内腔17との連通が確保されるように、第1ポート21の内周面または天板13に保持されている。柱体16の先端(下端)は、突起14よりもわずかに下側に位置している。柱体16の外周面には、柱体16の先端に向かって外径が小さくなるテーパ面(オステーパ面)が設けられている。ハウジング11にオスコネクタ900が接続されたとき、柱体16がオス部材911の流路913(図1B参照)に挿入され、柱体16のテーパ面が流路913を規定する内面に密着し、流路913が液密に封止される(後述する図6B参照)。
図2に示すように、アダプタ本体10は、キャップ18を更に備える。キャップ18は、柔軟で屈曲変形可能なバンド19を介してハウジング11(特に、天板13の外周端)に接続されている。キャップ18は、第1ポート21の先端(上端)に着脱可能である(後述する図7A及び図7B参照)。キャップ18は、第1ポート21を液密に封止する封止手段(第1封止手段)として機能する。キャップ18は、第1ポート21の先端の開口を液密に封止することができれば、その構成は任意である。本発明では、キャップ18がアダプタ本体10につながっている必要はなく、バンド19を省略してもよい。
第2ポート22には、柔軟な中空のチューブ23が接続されている。チューブ23の先端(第2ポート22とは反対側端)は外界に開放されている。チューブ23には、クランプ25が装着されている。クランプ25は、第2ポート22及びチューブ23を介してハウジング11の内腔17と外界とを連通させる開状態と、チューブ23を直径方向に押し潰してハウジング11の内腔17と外界との連通を遮断させる閉状態とに切り替え可能である。クランプ25は、第2ポート22を液密に封止する封止手段(第2封止手段)として機能する。クランプ25の構成は任意であり、公知のクランプを使用することができる。
アダプタ本体10の材料は、制限はないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、熱可塑性エラストマー(スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等)等の樹脂材料を用いることができる。オスコネクタ900及びシリンジ950の筒先953(図1A参照)に対して液密な接続を可能にするために、これらよりアダプタ本体10は相対的に柔らかいことが好ましく、この観点から、アダプタ本体10の材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、熱可塑性エラストマーが好ましい。アダプタ本体10は、上記の樹脂材料を用いて、射出成形法等により全体を一部品として一体的に製造することができる。
キャップ18及びバンド19の材料が、アダプタ本体10のこれら以外の部分(アダプタ本体主要部)の材料と異なっていてもよい。キャップ18及びバンド19は、アダプタ本体主要部とは別個に製造された後、アダプタ本体主要部に組み付けられる。この場合、キャップ18及びバンド19は、熱可塑性エラストマー等の比較的柔軟な材料で構成し、アダプタ本体主要部は、ポリプロピレンまたはポリエチレン等のキャップ18及びバンド19よりは硬質の材料で構成することができる。
チューブ23は、柔軟で透明な(または透光性を有する)材料からなる。具体的には、ポリウレタン、軟質塩化ビニル等の樹脂を用いることができる。
図4Aは、ブラシアセンブリ50の下方から見た斜視図、図4Bはブラシアセンブリ50の上方から見た分解斜視図である。ブラシアセンブリ50は、ベース51、2つのブラシ55、2つのマグネット(第1マグネット)58を備える。
ベース51は、水平方向に平行な薄板状の基板52を有し、その平面視形状は円弧(または略「C」字もしくは半円)である。基板52は、内周端52a及び外周端52bを有する。内周端52a及び外周端52bは、それぞれ同心の円弧に沿っている。ブラシアセンブリ50の上下方向に延びる軸(図示せず)は、これらの円弧の中心を通る。内周端52aの円弧の半径は、ハウジング11の柱体16(図3参照)の半径と同じかこれよりわずかに大きい。外周端52bの円弧の半径は、ハウジング11の筒状部12(図3参照)の内周面の半径と同じからこれよりわずかに小さい。2本の第1支軸53が基板52から上下方向に沿って下方に向かって延びている。2本の第2支軸54が、2本の第1支軸53とそれぞれ同軸に、基板52から上下方向に沿って上方に向かって延びている。平面視したとき、内周端52aの円弧の中心(またはブラシアセンブリ50の軸)に対して、2本の第1支軸53は対称位置に配置されており、2本の第2支軸54も対称位置に配置されている。
ベース51は、硬い材料(硬質材料)からなり、外力によって実質的に変形しない機械的強度(剛性)を有している。このような硬質材料は、制限はないが、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン、硬質ポリ塩化ビニル、アクリル−ブタジエン−スチレン共重合体等の樹脂材料を用いることができ、中でもポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタールが好ましい。ベース51は、上記の樹脂材料を用いて、射出成形法等により全体を一部品として一体的に製造することができる。
ブラシ55は、歯間ブラシのように、心棒としての筒体56の外面から突出した多数のブラシ毛57を備える。いくつかのブラシ毛57は、筒体56から水平方向に沿って放射状に延び、また、別のいくつかのブラシ毛57は、筒体56の先端(下端)から下方に向かって延びている。筒体56は、上方に向かった開口した中空円筒形状を有する。筒体56に第1支軸53が挿入されて、ブラシ55はベース51に一体化される。ブラシアセンブリ50の軸から半径方向外側に向かって延びたブラシ毛57及び下方に向かって延びたブラシ毛57は相対的に長く、当該軸に向かって(即ち、半径方向内側に向かって)延びたブラシ毛57は相対的に短い。但し、本発明は、これに限定されず、全てのブラシ毛57の長さが略同一であってもよい。
ブラシ毛57は、外力によって比較的容易に変形可能であり、且つ、外力を取り除くと直ちに変形前の状態(自然状態)に回復するように、弾性(あるいは可撓性)を有する軟質材料(いわゆるエラストマー)からなる。使用しうる軟質材料としては、制限はないが、軟質ポリ塩化ビニル、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー)、ゴム(例えばイソプレンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム)等を例示することができる。本実施形態1では、ブラシ毛57及び筒体56を含むブラシ55全体が、上記の材料を用いて一体的に製造される。ベース51とブラシ55とを別々に製造した後、両者を一体化させてもよいし、ベース51及びブラシ55のいずれか一方を先に製造し、次いで二色成形法により他方をこれに一体的に成形してもよい。
なお、本発明のブラシは、外方向に向かって突出した多数のブラシ毛を有していれば、本実施形態に限定されず、公知のブラシの構成を適用しうる。例えば、ブラシが、2つ折りにした金属ワイヤ間に多数の一定長さのフィラメントを挟み、次いでワイヤを捩ることにより、ワイヤからなる心棒から多数のフィラメント(ブラシ毛)が放射状に延びた、いわゆるねじりブラシであってもよい。この場合、心棒の基端がベース51の基板52に固定される。
マグネット58は、中空の円筒形状を有する。マグネット58の種類は、制限されないが、ネオジム磁石が、小型で高い磁束密度を有する点で好ましい。マグネット58の外面は、防錆処理がされていることが好ましい。防錆処理としては、制限はないが、メッキ(例えばニッケルメッキ)や塗装(例えば樹脂塗装)を例示できる。マグネット58に第2支軸54が挿入される。マグネット58は、摩擦力または接着剤等により、ベース51にしっかりと装着される。なお、マグネット58の形状やマグネット58をベース51に固定する方法は任意である。例えば、後述するマグネット78(図5A及び図5B参照)と同様に、マグネット58が中実の円柱形状を有していてもよく、第2支軸54の代わりにベース51に設けた凹部にマグネット58を収納してもよい。
図5Aはハンドル70の下方から見た斜視図、図5Bはハンドル70の分解断面斜視図である。ハンドル70は、ハンドル本体71と、2つのマグネット(第2マグネット)78とを備える。ハンドル本体71は、円筒形状の外筒72を有し、その下方を向いた開口が円形の底板73で塞がれている。底板73には、円形の貫通孔75と2つの凹部76とが設けられている。貫通孔75は、底板73の中央に、即ち外筒72と同軸に、配置され、ハンドル本体71を上下方向に貫通している。貫通孔75の内径は、第1ポート21(図2参照)の外径と同じかこれよりわずかに大きい。2つの凹部76は、貫通孔75を直径方向に挟むように配置されている。凹部76は、下方に向かって開口した有底の略円筒形状を有する。
ハンドル本体71は、硬い材料(硬質材料)からなり、外力によって実質的に変形しない機械的強度(剛性)を有している。このような硬質材料は、制限はないが、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン、硬質ポリ塩化ビニル、アクリル−ブタジエン−スチレン共重合体等の樹脂材料を用いることができ、中でもポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタールが好ましい。ハンドル本体71は、上記の樹脂材料を用いて、射出成形法等により全体を一部品として一体的に製造することができる。
マグネット78は、中実の円柱形状を有する。マグネット78の種類は、制限されないが、ネオジム磁石が、小型で高い磁束密度を有する点で好ましい。マグネット78は、凹部76に収納される。マグネット78は、摩擦力または接着剤等により、ハンドル本体71にしっかりと装着される。マグネット78の下面と底板73の下面とは、共通する水平方向面にほぼ沿っている(図5A参照)。マグネット58と同様の防錆処理が、マグネット78の外面に施されていてもよい。なお、マグネット78の形状やマグネット78をハンドル本体71に固定する方法は任意である。例えば、マグネット58(図4A及び図4B参照)と同様に、マグネット78が中空の円筒形状を有していてもよい。この場合、マグネット78に挿入可能な柱状突起を、凹部76の底面に設けてもよい。
図2に示すように、ブラシアセンブリ50は、下方からハウジング11内に収納される。ハンドル70は、上方からハウジング11(または天板13)に載置される。
図1Bに示されているように、ブラシアセンブリ50の基板52及びマグネット58が、ハウジング11の筒状部12と柱体16との間の隙間に収容されている。基板52の内周端52a(図4A及び図4B参照)は、柱体16の外周面に、半径方向に接触または接近している。基板52の外周端52b(図4A及び図4B参照)は、筒状部12の内周面に、半径方向に接触または接近している。ブラシアセンブリ50はハウジング11(または柱体16)と同軸である。マグネット58の上面は、天板13に接触または接近している。基板52は、突起14より上側に位置している。ブラシ55の先端(下端)は、突起14よりも下側に位置している。ブラシアセンブリ50は、柱体16の周りを回転可能である。
第1ポート21が、ハンドル70の貫通孔75(図5A及び図5B参照)を貫通している。ハンドル本体71の底板73(図5B参照)及びマグネット78の下面は、天板13に接触または接近している。ハンドル70は、ハウジング11(または第1ポート21)と同軸である。ハンドル70は、第1ポート21の周りを回転可能である。
2つのマグネット58と2つのマグネット78とが、天板13を挟んで上下方向に対向する。上下方向に対向したマグネット58とマグネット78とが、天板13を介して互いに吸引し合い磁気結合する。このため、ハンドル70をアダプタ本体10に対して第1ポート21周りに回転させると、ブラシアセンブリ50はアダプタ本体10に対して柱体16周りに、ハンドル70に追従して回転する。また、アダプタ1の向き(姿勢)を変化させても、ブラシアセンブリ50及びハンドル70は、重力によってアダプタ本体10から分離しない。
アダプタ1は、経腸栄養を行った後のオスコネクタ900(図1A及び図1B参照)を洗浄するために使用することができる。オスコネクタ900は、図11A及び図11Bに示した従来のオスコネクタ910と互換性を有する。オスコネクタ900を構成する部材のうち、オスコネクタ910を構成する部材と同じ部材には図11A及び図11Bと同じ符号が付してあり、そのような部材についての詳細な説明を省略する。オスコネクタ900は、柔軟な経鼻カテーテル905の上流端(または末端)に設けられている。図示を省略するが、カテーテル905は、患者の鼻腔から挿入され、その先端は胃に達している。オスコネクタ900は、キャップ928を更に備える。キャップ928は、柔軟で屈曲変形可能なバンド929を介して外筒915の基端に装着されている。キャップ928は外筒915の先端に着脱可能である。オスコネクタ910を介して患者に液状物(例えば経腸栄養剤)を投与するときを除いて、キャップ928を外筒915の先端に装着し、オス部材911の流路913及びオス部材911と外筒915との間の隙間917を塞ぐ。
キャップ928及びバンド929は、変形可能な材料からなる。具体的には、比較的硬質の樹脂材料(例えばポリプロピレン、ポリエチレン)、ゴム(例えばイソプレンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム)、または、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー)等の、ゴム弾性を有する軟質の材料(いわゆるエラストマー)を用いることができる。
キャップ928及びバンド929を除くオスコネクタ900の部分は、外力によって実質的に変形しない機械的強度(剛性)を有する硬い材料(硬質材料)からなる。具体的には、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン、硬質ポリ塩化ビニル、アクリル−ブタジエン−スチレン共重合体等の樹脂材料を用いることができる。オスコネクタ900は、上記の樹脂材料を用いて、射出成形法等により一体的に製造することができる。
カテーテル905は、柔軟で透明な(または透光性を有する)材料からなる。カテーテル905の材料は、制限はないが、一般に、ゴム状の弾性を有する軟質の材料(いわゆるエラストマー)を用いることができ、具体的には、ゴム(例えば天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム)、または、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー)を用いることができる。
オスコネクタ900の洗浄方法を説明する。
図1Aに示すように、シリンジ950を準備する。シリンジ950内には洗浄液が貯留されている。洗浄液としては、制限はないが、例えば、ぬるま湯、水、お茶、希釈酢水などを用いうる。シリンジ950の外筒952の筒先953には、図12A及び図12Bに示したメスコネクタ960と互換性を有するメスコネクタが設けられている。このため、シリンジ950の筒先953を、オスコネクタ900に、オスコネクタ910(図11A及び図11B参照)に対するメスコネクタ960(図12A及び図12B参照)の接続と同様に接続することができる。筒先953を構成する部材のうち、図12A及び図12Bに示した従来のメスコネクタ960を構成する部材と同じ部材には図12A及び図12Bと同じ符号が付してあり、そのような部材についての詳細な説明を省略する。
図6Aに示すように、オスコネクタ900にアダプタ1のハウジング11を接続する。アダプタ1の第1ポート21にシリンジ950の筒先953を接続する。アダプタ1のチューブ23は開状態にある。
図6Bは図6Aの拡大断面図である。オスコネクタ900の外筒915がハウジング11の筒状部12に嵌入している。外筒915の先端は、筒状部12の内周面から突出した突起14(図1B及び図3参照)に上下方向に衝突し、外筒915の筒状部12に対する挿入深さが規制される。筒状部12の内周面から突出した環状リブ15(図1B及び図3参照)が外筒915の外周面に密着し、筒状部12(特に環状リブ15)と外筒915との間に液密なシールが形成されている。
柱体16がオス部材911の先端の開口に嵌入し、流路913を液密に封止している。
ブラシ55が、オス部材911と外筒915との間の隙間917に挿入されている。アダプタ1の軸(これは、ハウジング11、柱体16、第1ポート21の軸でもある)から半径方向外向きに向かって延びた相対的に長いブラシ毛57(図4A及び図4B参照)は、外筒915の内周面に設けられた雌ネジ916の谷内に入り込んでいる。半径方向内向きに向かって延びた相対的に短いブラシ毛57(図4A及び図4B参照)は、オス部材911の外周面912(図1B参照)に接触している。下方に向かって延びたブラシ毛57は、底板914に接触している。各ブラシ毛57は、隙間917の内面によって適宜変形される。
シリンジ950の筒先953の管状部961に、第1ポート21が嵌入している。第1ポート21の外周面には、オス部材911の外周面912(図11A及び図11B参照)に設けられたテーパ面と同じテーパ面が設けられている。このため、オスコネクタ910の外周面912(図11A及び図11B参照)に対するメスコネクタ960の内周面962(図12A及び図12B参照)のテーパ嵌合と同様のテーパ嵌合で、第1ポート21に対して筒先953が液密に接続される。
図6A及び図6Bの状態で、シリンジ950のプランジャ955を外筒952に押し込んで、洗浄液をシリンジ950の筒先953から押し出す。洗浄液は、第1ポート21からハウジング11の内腔17に流入し、更にオスコネクタ900の隙間917に流入する。内腔17及び隙間917に存在していた空気は第2ポート22及びチューブ23を介して外界に排出される。内腔17及び隙間917が洗浄液で満たされるように、洗浄液をアダプタ1に注入するときに第2ポート22及びチューブ23を上方に向けることが好ましい。
更にプランジャ955を押し込むと、洗浄液は第2ポート22及びチューブ23に流入する。洗浄液がチューブ23内に流入したのを確認後、クランプ25を閉状態に切り替える。第2ポート22と外界との連通が遮断される。
次いで、図7A及び図7Bに示すように、シリンジ950を第1ポート21から分離する。続いて、キャップ18を第1ポート21に装着する。第1ポート21は液密に封止される。洗浄液をハウジング11の内腔17及びオスコネクタ900の隙間917に貯留した状態で所定時間放置する(放置工程)。外筒915はハウジング11に液密に接続され、第1ポート21及びチューブ23は封止され、オス部材911の流路913も封止されている。このため、洗浄液は外界や患者の体内に漏れ出ない。
その後、ハンドル70をアダプタ本体10に対して第1ポート21周りに回転させる。上述したように、ブラシアセンブリ50はハンドル70に磁気結合されているので、ハンドル70の回転に追従してブラシアセンブリ50が柱体16の周りを回転する。この結果、ブラシ55が隙間917内で、オス部材911の周りを回転する。ブラシ毛57は、雌ネジ916、オス部材911の外周面912、及び底板914に接触しながら移動する。これらの面(隙間917の内面)に付着していた汚れは、ブラシ毛57で掻き取られる(ブラシ洗浄工程)。面から分離した汚れは洗浄液中に浮遊する。
次いで、第1ポート21からキャップ18を取り外し、代わりにシリンジ950の筒先953を第1ポート21に接続する。シリンジ950内には洗浄液が貯留されている。クランプ25を開状態に切り替える。アダプタ1は、外観上は図6A及び図6Bと実質的に同じ状態に戻る。チューブ23の先端を下方に向けて空の容器(図示せず)に挿入する。この状態で、プランジャ955を外筒952に押し込む。シリンジ950内の洗浄液は、内腔17及び隙間917に既に存在していた洗浄液(この中に、ブラシ55によって掻き取られた汚れが浮遊している)を、第2ポート22及びチューブ23を通って容器へ押し出す。更に、シリンジ950内の洗浄液を内腔17及び隙間917に注入し、内腔17及び隙間917に残存する汚れを洗い流して容器へ排出する。プランジャ955を外筒952に強く押し込むことにより、洗浄液を内腔17及び隙間917内に勢いよく噴射(フラッシュ)させてもよい。
次いで、シリンジ950を第1ポート21から分離する。外界の空気が第1ポート21を通って内腔17及び隙間917に流入する。内腔17及び隙間917に存在していた洗浄液は第2ポート22及びチューブ23を介して容器へ排出される。内腔17及び隙間917内の洗浄液を排出した後、アダプタ1をオスコネクタ900から分離する。オスコネクタ900に付着する洗浄液を可能な限り拭き取り、キャップ928(図1A参照)を外筒915の先端に装着する。洗浄されたオスコネクタ900は、患者に留置される。
以上のアダプタ1を用いたオスコネクタ900の洗浄作業は、オスコネクタ900を介した経腸栄養を行った直後に毎回行うことが好ましい。
上記の洗浄方法において、ブラシ洗浄工程を行った後、内腔17及び隙間917内に洗浄液がある状態で、アダプタ1をオスコネクタ900から分離してもよい。分離の際に内腔17及び隙間917内の洗浄液がこぼれて周囲を汚さないように、容器やタオル等で洗浄液を回収する。
以上のように、アダプタ1を用いたオスコネクタ900の洗浄方法では、オス部材911と外筒915との間の隙間917に洗浄液を貯留した状態で所定時間放置し(放置工程)、その後、ブラシ55で隙間917の内面に付着した汚れを掻き取る(ブラシ洗浄工程)。
経腸栄養で使用した液状物がオスコネクタ900の隙間917の内面に残留したまま長時間放置されると、液状物は乾燥し隙間917の内面に固形物として固着する。放置工程では、この固形物(汚れ)が、洗浄液中に所定時間浸漬されることによりふやかされ、内面から分離されやすくなる。
続くブラシ洗浄工程では、ブラシ毛57が隙間917の内面に付着した固形物に直接接触し力を加えて、固形物を内面から分離させる。内面に固着した固形物は、これより前の放置工程で洗浄液でふやかされている。したがって、固形物をブラシ55で内面から掻き取るのは容易である。更に、ブラシ洗浄工程は、隙間917に洗浄液が貯留された状態で行われる。このため、隙間917の内面から分離された固形物は、洗浄液中に浮遊し、内面に再付着する可能性は低い。
上述した特許文献1,2の洗浄用アダプタでは、ブラシを使用せず、単に汚れを洗浄液とともに洗い流すだけである。隙間917内に洗浄液を勢いよく噴射したとしても、洗浄液の流れだけで隙間917の内面に強く付着した汚れ(固形物)を除去することは困難である。しかも、隙間917内で洗浄液の流れの強弱にムラが生じるため、洗浄液の流れが弱い箇所では汚れが残存しやすい。これに対して、本実施形態1は、ブラシ毛57が、隙間917の内面(即ち、オス部材911の外周面912、雌ネジ916、及び底板914)に接触しながら移動する。このため、ブラシ毛57で隙間917の内面に付着した汚れをムラなく掻き取ることができる。したがって、アダプタ1は、従来の洗浄用アダプタに比べて、汚れの除去能が格段に向上し、高い洗浄性能を有している。
放置工程の時間や、ブラシ洗浄工程でのブラシ55(またはハンドル70)の回転数は、オスコネクタ900の汚れの程度や経腸栄養で使用した液状物の種類等に応じて適宜変更できる。場合によっては、放置工程の時間を短縮したり、あるいは、放置工程を省略してもよい。
アダプタ1は、オスコネクタ900の外筒915に液密に接続可能なハウジング11と、オス部材911の流路913を液密に封止可能な柱体16と、第1ポート21を液密に封止することができるキャップ18と、第2ポート22を間接的に液密に封止するクランプ25とを備える。このため、シリンジ950から注入された洗浄液をハウジング11の内腔17及びオスコネクタ900の隙間917内に所望する時間だけ確実に貯留させることができる。
なお、本実施形態1では、キャップ18及びクランプ25のうちの一方または両方を省略することができる。例えば、放置工程及びブラシ洗浄工程(図7A及び図7B参照)において第1ポート21及び第2ポート22のうちの一方のみが封止されていれば、他方から洗浄液が漏れ出る可能性は低い。また、上記の実施形態において放置工程及びブラシ洗浄工程を、第1ポート21にシリンジ950を接続したままで行うことも可能であり、この場合にはキャップ18を省略することができる。
ブラシアセンブリ50とハンドル70とは、第1マグネット58と第2マグネット78との磁気結合により連結される。これは、アダプタ1の組立及び分解の容易化と、アダプタ1の構成の簡単化に有利である。
詳細に説明すると、図2の状態において、ブラシアセンブリ50をアダプタ本体10のハウジング11に収納し、ハンドル70をアダプタ本体10の天板13上に載置するだけで、第1マグネット58と第2マグネット78とが磁気結合してアダプタ1の組立が完了する(図1A及び図1B参照)。第1マグネット58が第2マグネット78に対して回転方向に位置ずれしていても、第1マグネット58と第2マグネット78との間の磁気吸引力がこの位置ずれを自動的に修正する。このため、アダプタ1の組立時に、ブラシアセンブリ50とハンドル70との間での回転方向の位置合わせは不要である。
また、図1Aの状態において、ハンドル70を磁気吸引力より大きな力で引き上げれば、ハンドル70をアダプタ本体10から分離することができる。これと同時に、ブラシアセンブリ50とハンドル70との磁気結合が破壊され、ブラシアセンブリ50はハウジング11から落下する(図2参照)。
このように、ブラシアセンブリ50がハンドル70に磁気結合により連結されることは、アダプタ1の組立及び分解を容易にする。このため、使用済みのアダプタ1をアダプタ本体10、ブラシアセンブリ50、ハンドル70に分解して、それぞれを洗浄することが容易である。これは、アダプタ1を常に清浄な状態に維持するのに有利である。このため、不潔なアダプタ1によりオスコネクタ900が汚染されてしまうという問題を回避することができる。
また、ブラシアセンブリ50がハンドル70にハウジング11を介して磁気結合されているので、ハンドル70からブラシ55へ回転力が伝達されるようにハンドル70とブラシアセンブリ50とを連結する機構が不要である。これは、洗浄液がハウジング11外への漏れ出すのを防止するための密閉構造を簡単化するのに有利である。従って、ブラシアセンブリ50とハンドル70との磁気結合は、アダプタ1の構成を簡単化する。
ハウジング11の内腔17内に、ブラシ55の回転中心と同軸に柱体16が設けられている。オスコネクタ900にアダプタ1を接続すると、柱体16はオス部材911と同軸となる(図6B及び図7B参照)。このため、柱体16をブラシ55を含むブラシアセンブリ50の回転軸として利用することができる。柱体16は、ブラシ55を安定的に回転させるのに有利である。
オスコネクタ900にアダプタ1を接続したとき、柱体16はオス部材911の流路913を液密に封止する(図6B及び図7B参照)。これは、以下の効果を奏する。第1に、ブラシ洗浄工程に先だって放置工程を行うことができるので、オスコネクタを清潔に洗浄することが可能になる。第2に、洗浄液やブラシ55で掻き取られた汚れが、オス部材911の流路913を通って患者の体内に流入するのを防止することができる。
第1ポート21は、柱体16と同軸に配置されている。このため、第1ポート21は、ハウジング11に接続されたオスコネクタ900とも同軸となる(図6A及び図6B参照)。第1ポート21から注入された洗浄液は、軸方向に沿ってほぼまっすぐに流れて隙間917へ流入する。このため、隙間917内に存在していた空気を排出し、隙間917を洗浄液で満たすことが容易である。これは、オスコネクタ900を清潔に洗浄するのに有利である。
ハンドル70は、第1ポート21の周りを回転可能である。即ち、ハンドル70の回転軸として第1ポート21を利用する。これは、アダプタ1の構成を簡単化するのに有利である。但し、上記の実施形態とは異なり、第1ポート21の位置にハンドル70の回転軸として機能する柱状突起を設け、第1ポート21を例えば柱体16に対して第2ポート22と対称となるように配置してもよい。
第1ポート21が、オス部材911の外周面912と同じ外周面を備えている。第1ポート21がオス部材911と互換性を有するので、オス部材911に接続可能なシリンジ950の筒先953を、第1ポート21にも接続することができる。即ち、経腸栄養を行うときにオスコネクタ900に接続するシリンジ950を、オスコネクタ900を洗浄するときにアダプタ1の第1ポート21にも接続することが可能である。経腸栄養及び洗浄のそれぞれに専用の異なるシリンジを準備する必要がない。
アダプタ1は、ハウジング11の内腔17と連通した第2ポート22を更に備える。このため、アダプタ1をオスコネクタ900に接続した状態で(図6B参照)、隙間917を洗浄液で満たすのが容易であり、また、隙間917内の洗浄液を外界に排出するのが容易である。
第2ポート22にチューブ23が接続されている。このため、チューブ23の先端を空の容器に挿入すれば、使用済みの洗浄液をチューブ23から容器に回収することができる。チューブ23の先端が容器に挿入された状態を確実に維持するために、チューブ23の先端に、容器に係合する部材や、容器に液密に接続されるコネクタ等が設けられていてもよい。チューブ23は柔軟であるので、アダプタ1の位置や向きが変化してもチューブ23の先端を容器に挿入された状態を維持するのが容易である。また、柔軟なチューブ23に汎用のクランプ25を設けるという簡単な構成で、第2ポート22の開放及び封止の切り替えを容易に行うことができる。更に、チューブ23は透明であるので、シリンジ950から注入した洗浄液がチューブ23に流入したことを目視することにより、内腔17及び隙間917が洗浄液で満たされたことの判断を行うことができる。
但し、本実施形態1では、チューブ23を省略してもよい。第2ポート22の開放及び封止の切り替えを、キャップ18と同様のキャップを第2ポート22に着脱することにより行ってもよい。
あるいは、チューブ23に代えて、または、チューブ23を介して、第2ポート22に空のシリンジ(第2シリンジ)を接続してもよい。第1ポート21に接続したシリンジ(第1シリンジ)950と第2ポート22に接続した第2シリンジとが、内腔17及び隙間917を介して互いに連通する。例えば、洗浄液を、第1シリンジと第2シリンジとの間で往復移動させることにより、隙間917内に洗浄液の流れを生じさせて洗浄効果を高めることができる。また、使用済みの洗浄液を第2シリンジに回収すれば、チューブ23から容器に回収する場合に比べて、使用済みの汚れた洗浄液を外界に誤ってこぼしてしまう可能性を低減することができる。放置工程及びブラシ洗浄工程は、第1及び第2ポート21,22に第1及び第2シリンジを接続したままで行ってもよい。
第2ポート22の外周面は、第1ポート21の外周面と同様に、オス部材911の外周面912と同じ外周面を備えている。第2ポート22がオス部材911と互換性を有するので、経腸栄養を行うときにオスコネクタ900に接続するシリンジ950を、第2ポート22にも接続することが可能である。即ち、オスコネクタ900、第1ポート21、及び第2ポート22に、同じシリンジを接続することができる。
ハウジング11の筒状部12に設けられた突起14は、ハウジング11に対する外筒915の挿入深さを規定する挿入深さ規制構造として機能する(図6B参照)。ハウジング11に対する外筒915の挿入深さが深すぎると、外筒915によって第2ポート22が塞がれる、ブラシ55の先端がオスコネクタ900の底板914に衝突しブラシ55が破損する、等の問題が生じる。逆に、ハウジング11に対する外筒915の挿入深さが浅すぎると、オスコネクタ900の隙間917に対するブラシ55の挿入深さが浅くなるので、隙間917の深部(底板914近傍)の洗浄が不十分になる等の問題が生じる。挿入深さ規制構造は、外筒915をハウジング11に対して常に所望する深さで挿入することを保証するので、上記の問題が生じず、アダプタ1が有する高い洗浄性能を安定的に発揮することを可能にする。
挿入深さ規制構造の構成は、ハウジング11に対する外筒915の挿入深さを規定することができればよく、突起14に限定されない。
例えば、筒状部12の内周面に、筒状部12の下方に向いた開口に向かって内径が大きくなるテーパ面(メステーパ面)を形成してもよい。このテーパ面は、外筒915に嵌合することによって、ハウジング11に対する外筒915の挿入深さを規定する挿入深さ規制構造として機能する。テーパ面は、外筒915の外周面との間に液密なシールを形成することが可能であり、この場合には、環状リブ15(図3参照)を省略することができる。
あるいは、柱体16を、挿入深さ規制構造として機能させてもよい。例えば、柱体16の外周面に設けたオステーパ面を、ハウジング11に対する外筒915の挿入深さを規定する挿入深さ規制構造としても機能させることができる。
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態2にかかる洗浄用アダプタ2を用いてオスコネクタ900を洗浄する方法を説明するための分解斜視図である。本実施形態2のアダプタ2は、実施形態1のアダプタ1が備えていた第2ポート22(図1B参照)を備えていない。従って、アダプタ2は、第2ポート22に接続されたチューブ23、チューブ23に設けられたクランプ25も備えていない(図1A参照)。
アダプタ2を用いたオスコネクタ900の洗浄方法は、実施形態1と概略同じである。図9A及び図9Bに示すように、オスコネクタ900にアダプタ2のハウジング11を接続する。アダプタ2のポート21に、洗浄液を貯留したシリンジ950の筒先953を接続する。ハウジング11の内腔17及びオスコネクタ900の隙間917は、ポート21を介してシリンジ950のみと連通している。
この状態で、シリンジ950のプランジャ955を外筒952に押し込む。内腔17及び隙間917内には空気が存在する。空気は圧縮性を有するので、プランジャ955を押し込むことにより、洗浄液を内腔17及び隙間917内に注入することが可能である。実施形態1とは異なり、プランジャ955の一度の押し込みで、内腔17及び隙間917を洗浄液でほぼ満たすことは困難である。但し、プランジャ955の押し引きと、シリンジ950に対するアダプタ2の上げ下げとを組み合わせた操作を繰り返すことにより、内腔17及び隙間917内に予め存在していた空気をシリンジ950に移動させ、その代わりに洗浄液を内腔17及び隙間917内に移動させることができる。
次いで、図10A及び図10Bに示すように、シリンジ950をポート21から分離する。続いて、キャップ18をポート21に装着する。ポート21は液密に封止される。洗浄液をハウジング11の内腔17及びオスコネクタ900の隙間917に貯留した状態で所定時間放置する(放置工程)。好ましくは、アダプタ2を上、オスコネクタ900を下にして放置する。内腔17及び隙間917内にわずかに空気が残留していても、少なくとも隙間917を洗浄液で満たすことができるからである。
その後、ハンドル70をアダプタ本体10に対してポート21周りに回転させる。ハンドル70の回転に追従してブラシアセンブリ50が柱体16周りに回転する。この結果、ブラシ55が隙間917内で、オス部材911周りに回転する。雌ネジ916、オス部材911の外周面912、及び底板914に付着していた汚れは、ブラシ毛57で掻き取られる(ブラシ洗浄工程)。これらから分離した汚れは洗浄液中に浮遊する。
次いで、ポート21からキャップ18を取り外し、代わりにシリンジ950の筒先953をポート21に接続する。シリンジ950内にはわずかな空気が貯留されている。アダプタ2は、外観上は図9A及び図9Bと実質的に同じ状態に戻る。この状態で、プランジャ955の押し引きと、シリンジ950に対するアダプタ2の上げ下げとを組み合わせた操作を繰り返すことにより、内腔17及び隙間917内の洗浄液をシリンジ950に移動させ、その代わりにシリンジ950内の空気を内腔17及び隙間917内に移動させる。
次いで、アダプタ2をオスコネクタ900から分離する。洗浄液は既にシリンジ950に回収されている。オスコネクタ900に付着する洗浄液を可能な限り拭き取り、キャップ928(図8参照)を外筒915の先端に装着する。洗浄されたオスコネクタ900は、患者に留置される。
上記の洗浄方法において、ブラシ洗浄工程を行った後、内腔17及び隙間917内に洗浄液がある状態で、アダプタ2をオスコネクタ900から分離してもよい。分離の際に内腔17及び隙間917内の洗浄液がこぼれて周囲を汚さないように、容器やタオル等で洗浄液を回収する。
実施形態1と同様に、アダプタ2を用いたオスコネクタ900の洗浄方法でも、オス部材911と外筒915との間の隙間917に洗浄液を貯留した状態で所定時間放置し(放置工程)、その後、ブラシ55で隙間917の内面に付着した汚れを掻き取る(ブラシ洗浄工程)。したがって、アダプタ2は、汚れの除去能が格段に向上し、高い洗浄性能を有している。
本実施形態2は、上記を除いて実施形態1と同じである。第2ポート22に関する説明を除いて、実施形態1の説明が本実施形態2にも適用される。
上記の実施形態1,2は例示に過ぎない。本発明は、上記の実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
第1及び第2ポート21,22の構成は、上記の実施形態1,2に限定されず、任意に変更できる。例えば、第1ポート21及び/又は第2ポート22の外周面が、オスコネクタ900のオス部材911の外周面912(図1B参照)に設けられたテーパ面と同じテーパ面を備えていなくもよい。あるいは、第1ポート21及び/又は第2ポート22が、オスコネクタ900と互換性を有するように、外周面912のテーパ面と同じテーパ面に加えて、オスコネクタ900の外筒915及び雌ネジ916と同じ外筒及び雌ネジを更に備えていてもよい。
実施形態1,2では、第1ポート21にシリンジ950を直接接続したが(図6A、図6B、図9A、図9B参照)、例えば柔軟なチューブを介して第1ポート21とシリンジ950とを接続してもよい。この場合、チューブにクランプ25と同様のクランプを設け、キャップ18を省略してもよい。
実施形態1,2では、柱体16は、ハウジング11にオスコネクタ900が接続されたときオス部材911の流路913を液密に封止した。流路913を封止可能な柱体16の構成は任意である。例えば、柱体16は、ハウジング11にオスコネクタ900が接続されたとき柱体16がオス部材911の先端に上下方向に当接してオス部材911の流路913を液密に封止するように構成されていてもよい。このように構成された柱体16は、ハウジング11に対する外筒915の挿入深さを規定する挿入深さ規制構造としても機能しうる。この場合、突起14を省略してもよい。
本発明では、ハウジング11にオスコネクタ900をしたとき、柱体16がオス部材911の流路913を封止しなくてもよい。例えば、柱体16が、オス部材911に接触不能な程度に短くてもよい。あるいは、柱体16が流路913の内面から半径方向に離間するように、柱体16の外径が流路913の内径に比べて小さくてもよい。流路913が封止されない場合、オスコネクタ900の隙間917に洗浄液を貯留した状態を維持する放置工程を行うことが困難になるかも知れない。そのような場合であっても、例えば、ハウジング11にオスコネクタ900を接続した状態で隙間917に洗浄液を注入すれば、隙間917の内面に付着した固形物は洗浄液に触れて濡れる。その後、所定時間放置すれば、固形物を洗浄液でふやかすことは可能である。また、ブラシ洗浄工程では、ブラシ55が隙間917の内面に付着した汚れに直接力を加えて掻き取る。このため、隙間917に洗浄液を流入させることのみが可能な特許文献1,2の洗浄用アダプタに比べて、本発明のアダプタは高い洗浄性能を備えている。なお、柱体16がオス部材911の流路913を封止しない場合、洗浄液や汚れがオス部材911の流路913を通って患者の体内に流入する可能性がある。しかしながら、洗浄液として一般に人体に無害な液体が使用され、また、汚れは経腸栄養において患者に投与される液状物に起因する。このため、洗浄液や汚れが患者の体内に流入したとしても、患者に悪影響を及ぼす可能性は低い。
本発明のアダプタは、柱体16を備えていなくてもよい。これは、ハウジング11の構成を簡単化するのに有利である。柱体16を備えていなくても、ブラシアセンブリ50を筒状部12の内周面に沿って回転させるなどにより、ブラシアセンブリ50(更にはブラシ55)を安定的に回転させることは可能である。
ブラシアセンブリ50の構成も任意に変更できる。基板52の平面視形状は、円弧(または略「C」字)である必要はなく、例えばドーナツ状(環状リング)であってもよい。ハウジング11にオスコネクタ900を接続した状態(図6B及び図9B参照)においてポート21,22とオスコネクタ900の隙間917との間で洗浄液及び空気の移動を容易にするために、基板52を上下方向に貫通する孔や切欠きが基板52に設けられていてもよい。ブラシアセンブリ50に設けられるブラシ55の数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。ブラシ毛57の数、配置、長さ、材質などは任意に選択できる。
実施形態1,2では、第1マグネット58と第2マグネット78とが天板13を挟んで上下方向に対向したが、第1及び第2マグネット58,78の配置はこれに限定されない。例えば、第1マグネット58と第2マグネット78とがハウジング11の筒状部12を挟んで半径方向に対向してもよい。この場合、ハンドル70は、筒状部12を取り囲むように配置してもよい。
第1マグネット58の数及び第2マグネット78の数も任意に変更しうる。第1マグネット58と第2マグネット78とが同数でなくてもよい。
上記の実施形態1,2では、ブラシアセンブリ50はハンドル70にハウジング11を介して磁気結合されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ハンドル70とブラシ55とが、磁気結合ではなく、構造的に連結されていてもよい。ハンドル70とブラシ55とを連結するための構造は、ハウジング11を貫通していてもよい。この場合、可動部(ハンドル70もしくは連結構造)とハウジング11との間には、洗浄液漏れを防止するためにシール材(例えばOリング)を設けてもよい。
本発明のアダプタで洗浄されるオスコネクタの用途に制限はない。オスコネクタは、経腸栄養において患者に留置されるカテーテル(経鼻カテーテル、胃瘻カテーテル等)の上流端に設けられていてもよく、当該カテーテルに接続される延長チューブに設けられていてもよい。さらに、オスコネクタは、経腸栄養以外の用途に使用されるものであってもよい。オスコネクタは、柔軟なチューブに設けられている必要はなく、例えば容器に設けられていてもよい。
本発明のアダプタは、流路が形成されたオス部材と、オス部材を取り囲む外筒と、外筒の内周面に形成された雌ネジとを備えたオスコネクタを洗浄するために利用することができる。特に、経腸栄養を行うために患者に留置されたカテーテルの上流端に設けられたオスコネクタを洗浄するために、本発明のアダプタを好ましく利用することができる。
1,2 洗浄用アダプタ(アダプタ)
10 アダプタ本体
11 ハウジング
12 筒状部
13 天板
14 突起(挿入深さ規制構造)
15 環状リブ
16 柱体
17 ハウジングの内腔
18 キャップ(第1封止手段)
21 第1ポート(ポート)
22 第2ポート
23 チューブ
25 クランプ(第2封止手段)
50 ブラシアセンブリ
55 ブラシ
57 ブラシ毛
58 第1マグネット
70 ハンドル
78 第2マグネット
900 オスコネクタ
911 オス部材
912 オス部材の外周面
913 オス部材の流路
914 底板
915 外筒
916 雌ネジ
917 オス部材と外筒との間の隙間

Claims (14)

  1. 流路が形成された筒状のオス部材と、前記オス部材を取り囲む外筒と、前記外筒の前記オス部材に対向する内周面に設けられた雌ネジとを備えたオスコネクタを洗浄するために、前記オスコネクタに取り外し可能に装着される洗浄用アダプタであって、前記アダプタは、
    前記外筒が挿入されて前記外筒に液密に接続可能なハウジングと、
    前記ハウジングの内腔と連通したポートと、
    前記ハウジングが前記外筒に接続されたときに前記オス部材と前記外筒との間の隙間に挿入されるように、前記ハウジング内に配されたブラシと、
    前記ハウジングの外に配された、前記ハウジングに対して回転可能なハンドルとを備え、
    前記ブラシは前記ハンドルと連動して回転可能であることを特徴とする洗浄用アダプタ。
  2. 前記ハウジングが前記外筒に接続されたたとき、前記ブラシは前記オス部材の周りを回転可能である請求項1に記載の洗浄用アダプタ。
  3. 前記ブラシを含むブラシアセンブリを更に備え、
    前記ブラシアセンブリは前記ハンドルに、前記ハウジングを介して磁気結合されている請求項1又は2に記載の洗浄用アダプタ。
  4. 前記ハウジングの前記内腔内に、前記ブラシの回転中心と同軸に柱体が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗浄用アダプタ。
  5. 前記柱体は、前記オス部材の前記流路を液密に封止可能である請求項4に記載の洗浄用アダプタ。
  6. 前記ポートは、前記柱体と同軸に配置されている請求項4又は5に記載の洗浄用アダプタ。
  7. 前記ハンドルは、前記ポートの周りを回転可能である請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗浄用アダプタ。
  8. 前記ポートを液密に封止することができる封止手段を更に備える請求項1〜7のいずれか一項に記載の洗浄用アダプタ。
  9. 前記ポートが、前記オス部材の外周面と同じ外周面を備える請求項1〜8のいずれか一項に記載の洗浄用アダプタ。
  10. 前記ハウジングに対する前記外筒の挿入深さを規制する挿入深さ規制構造を更に備える請求項1〜9のいずれか一項に記載の洗浄用アダプタ。
  11. 前記ポートは第1ポートであり、
    前記アダプタは、前記ハウジングの内腔と連通した第2ポートを更に備える請求項1〜10のいずれか一項に記載の洗浄用アダプタ。
  12. 前記第2ポートを液密に封止することができる第2封止手段を更に備える請求項11に記載の洗浄用アダプタ。
  13. 前記第2ポートに、柔軟で透明なチューブが接続されている請求項11又は12に記載の洗浄用アダプタ。
  14. 前記第2ポートが、前記オス部材の外周面と同じ外周面を備える請求項11〜13のいずれか一項に記載の洗浄用アダプタ。
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