JP2014136074A - コネクタ用弁体及びコネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】所定量の流体を注入でき、衛生面にも優れ、小型にし得るコネクタ、及び、このコネクタに用いられるコネクタ用弁体を提供すること。
【解決手段】少なくとも2つの接続口11〜13及び内部流路14を有するコネクタ管4の接続口11内部に収納されるゴム製のコネクタ用弁体5であって、表面連通スリット31を有する第1シール部21と貫通孔32有する第2シール部22と流路連通スリット33を有する第3シール部23とを軸線方向に隣接して備え、表面開口スリット31、貫通孔32及び流路連通スリット33が連通してなる弁体貫通路4cを有しているコネクタ用弁体5、並びに、このコネクタ用弁体5と、少なくとも2つの接続口11〜13及び内部流路14を有するコネクタ管4とを備えているコネクタ1。
【選択図】 図1

Description

本発明はコネクタ用弁体及びコネクタに関し、さらに詳しくは、所定量の流体を注入でき、衛生面にも優れ、小型にし得るコネクタ、及び、このコネクタに用いられるコネクタ用弁体に関する。
少なくとも2つの管体同士を接続するコネクタには種々のものが知られており、例えば、医療用コネクタが挙げられる。医療用コネクタとしては、例えば、患者に留置されたカテーテル等を介して患者に必要な薬液、体液、栄養剤等(本発明において流体と称する。)を投与する静脈内投与又は輸血等に用いられるコネクタ、1つの管体に接続された第1の流体とは異なる種類又は濃度の第2の流体を同様にして患者に静脈内投与する場合に用いられるコネクタ、具体的には混注管等が挙げられる。
従来、混注管等の医療用コネクタに第2の流体を注入するのに注射針を備えた注射器等が用いられていたが、医療従事者の針刺しによる感染を未然に回避するために、近年、このような注射器に代えて、注射針を備えていない注射器等の管体、例えば、ルアーロック付きシリンジ、ルアーロック付き輸液管等が医療用コネクタに接続する管体として用いられるようになっている。
このような注射針を備えていない管体を接続可能又は使用可能な医療用コネクタは、接続口を常時液密に密閉する一方、必要時に限って接続口を開いて流体を投与可能にするために、その内部に弁体を備えている。
このような医療用コネクタとして、例えば、特許文献1には、ゴム製のシール弁と、キャップ部材と、キャップ部材内に収容され、シール弁の弁孔を開くアダプタと、位置復元部材とを備えた注射器接続ポートが記載されている。また、特許文献2には、中空弾体と、盤状弾体と、前記中空弾体の空洞部内に埋設され、盤状弾体を貫通する中空針とを備えた側注管が記載されている。特許文献1に記載の注射器接続ポート及び特許文献2に記載の側注管は、いずれも、弁を開通させるアダプタ又は中空針を弁内部に備えており、デッドスペースが大きく、複雑な構造を有している。
医療用コネクタにおいて、デッドスペースが大きいと、注入後に注射器接続ポート又は側注管内に薬液が多量に残存して損失量が多くなり、所定量の薬液を注入できないことがある。この問題は、特に、投与量が正確に定められている薬液、高価な薬液を注入する際に重大になる。加えて、デッドスペースが大きいと、残存する薬液等によって内部に雑菌等が繁殖する可能性もある。したがって、医療用コネクタには、弁体としての機能を損なうことなく、デッドスペースの狭小化及び流体の損失量の低減が望まれている。
特開2004−000463号公報 特許第4739701号公報
本発明は、上述の問題を解消して、所定量の流体を注入でき、衛生面にも優れ、小型にし得る小型構造のコネクタ、及び、このコネクタに用いられるコネクタ用弁体を提供することを、課題にする。
本発明の発明者等は、コネクタ弁体の構造及び性能を種々の観点から検討したところ、シリンジ等の針無し管体の外周面に密接する貫通孔の軸線方向両側にスリットを配置して少なくとも3つの開閉機構を連設すると、内部に収納される部材を用いない小型で、かつ複雑でない構造であっても、常時は2つのスリットで密閉し、注入時は貫通孔で密閉でき、弁体としての機能を損なわないことを見出した。また、このように、スリット−貫通孔−スリットを含む少なくとも3つの開閉機構を連設することにより、針無し管体をこれらの開閉機構内に貫通挿入してコネクタ管内に直接流体を注入でき、上記の課題を解決できることを見出した。これらの知見に基づき本発明者等はさらに研究を重ね、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の課題は、以下の手段によって達成された。
(1)管体を接続可能な少なくとも2つの接続口及び前記接続口を連通させる内部流路を有するコネクタ管の、1つの前記接続口内部に収納されるゴム製のコネクタ用弁体であって、前記接続口の開口側に配置され、表面連通スリットを有する第1シール部と、前記管体が挿入されたときに前記管体の外周に密着する貫通孔を有する第2シール部と、流路連通スリットを有する第3シール部とを軸線方向に隣接して備え、前記表面開口スリット、前記貫通孔及び前記流路連通スリットが前記軸線方向に連通して形成され、前記管体が貫入される弁体貫通路を有しているコネクタ用弁体。
(2)前記弁体貫通路が、貫通路内に前記流路連通スリットを開く管状部材を備えてない中空孔である(1)に記載のコネクタ用弁体。
(3)前記貫通孔が、前記管体の外径よりも小さな内径を有している(1)又は(2)に記載のコネクタ用弁体。
(4)前記ゴムが、シリコーンゴムである(1)〜(3)のいずれか1項に記載のコネクタ用弁体。
(5)第1シール部を有する蓋体と、第2シール部及び第3シール部が一体形成された弁本体とからなる(1)〜(4)のいずれか1項に記載のコネクタ用弁体。
(6)前記第1シール部が、前記1つの接続口の開口端に面一に露出する表面を有している(1)〜(5)のいずれか1項に記載のコネクタ用弁体。
(7)前記第1シール部が、少なくとも1つの表面連通スリットを有している(1)〜(6)のいずれか1項に記載のコネクタ用弁体。
(8)前記第3シール部が、少なくとも1つの流路連通スリットを有している(1)〜(7)のいずれか1項に記載のコネクタ用弁体。
(9)前記弁本体が、放射状に膨出する環状鍔部を有している(1)〜(8)のいずれか1項に記載のコネクタ用弁体。
(10)管体を接続可能な少なくとも2つの接続口及び前記接続口を連通する内部流路を有するコネクタ管と、1つの前記接続口内部に収納される(1)〜(9)のいずれか1項に記載のコネクタ用弁体とを備えているコネクタ。
(11)前記コネクタ管が、3つ以上の前記接続口を有する混注管である(10)に記載のコネクタ。
本発明のコネクタ用弁体は、表面連通スリット、貫通孔及び流路連通スリットが連通してなる弁体貫通路に針無し管体を貫通挿入できるから、所定量の流体をコネクタ管内に直接注入でき、コネクタ用弁体の内部に残留する流体の残存量、すなわち損失量を大幅に低減できる。また、本発明のコネクタ用弁体は、針無し管体が貫通挿入されるから、スリット等を開通させる部材を設ける必要はなく、小型化できる構造になる。したがって、本発明によれば、所定量の流体を注入でき、衛生面にも優れ、小型にし得る構造のコネクタ、及び、このコネクタに用いられるコネクタ用弁体を提供できる。
図1は、本発明のコネクタ用弁体の一例を示す概略図である。 図2は、本発明のコネクタ用弁体の一例に針無し管体を挿入した状態を示す概略図である。 図3は、本発明のコネクタ用弁体の一例に針無し管体を貫通挿入した状態を示す概略図である。 図4は、本発明のコネクタ用弁体の別の一例を示す概略図である。
本発明のコネクタ用弁体は、少なくとも2つの管体同士を接続するコネクタ、例えば、患者に留置されたカテーテルに連結されたチューブ等と輸液管等とを接続する医療用コネクタに、好適に用いられる。特に、本発明のコネクタ用弁体は、上述のチューブと、注射針を備えていない注射器等の管体、例えば、ルアーロック付きシリンジ、ルアーロック付き輸液管等(本発明において、針無し管体という)とを接続する医療用コネクタに好適に用いられる。以下に医療用コネクタを例に挙げて本発明を説明する。
本発明のコネクタは、コネクタ管と本発明のコネクタ用弁体とを備えている。そして、本発明のコネクタ用弁体は、ゴム製のコネクタ用弁体であって、コネクタ管の接続口の開口側に配置され、表面連通スリットを有する第1シール部と、針無し管体が挿入されたときに針無し管体の外周に密着する貫通孔を有する第2シール部と、流路連通スリットを有する第3シール部とを軸線方向に隣接して備えている。また、このコネクタ用弁体は、表面開口スリット、貫通孔及び流路連通スリットがコネクタ用弁体の軸線方向に連通して形成される弁体貫通路であって、針無し管体が貫通状態に挿入される、すなわち貫入される弁体貫通路を有している。
本発明のコネクタは、スリット−貫通孔−スリットを含む少なくとも3つの開閉機構を有する、小型化し得る構造であっても、流体を注入しないとき(常時ということがある)は、表面連通スリット及び流路連通スリットそれぞれが密接して、コネクタ管の内外を隔離できる。一方、流体を注入するとき又は注入中(注入時という)は、表面連通スリット及び流路連通スリットと針無し管体との間に間隙が生じても、貫通孔が針無し管体の外周に密着して、コネクタ管の内部をその外部から隔離できる。このように、本発明のコネクタは、流体を注入しないときも注入時もコネクタ管の内外を隔離でき、開閉弁としての所期の機能を発揮する。
そして、本発明のコネクタは、コネクタ内部に到達するまで針無し管体を弁体貫通路に貫通挿入できるから、小型化できる構造であっても、所定量の流体をコネクタ管内に注入できるうえ、流体がコネクタ用弁体内にほとんど残存せず、衛生面にも優れる。
本発明のコネクタの一例であるコネクタ1を、本発明のコネクタ用弁体の一例であるコネクタ用弁体(単に、弁体ということもある。)5と共に、図面を参酌して、説明する。図1(a)はコネクタ1の平面図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図、図1(c)は図1(b)のB−B断面図、図1(d)は図1(b)のC−C断面図が示されている。
このコネクタ1は、図1に示されるように、コネクタ管4と弁体5とを備えている。
コネクタ管4は、弁体5を第1接続口11に内蔵できる限り従来公知のコネクタ管を限定されることなく用いることができ、例えば、3個の接続口を有するT字管、3個の接続口を有する平面視略Y字状のコネクタ管、4個の接続口を有する平面視略十字状のコネクタ管及び2個の接続口を有する管状のコネクタ管が挙げられる。
このコネクタ管4は、図1に示されるように、両端及び周面に開口する管状の本体4bと、周面の開口を覆うように本体4bに設けられるキャップ4aとを有するT字管であって、各端部に管体が接続される3個の接続口11〜13と、これらの接続口11〜13を連通させる内部流路14とを有している。そして、3個の接続口11〜13のうち、例えば、本体4bの一端にある第2接続口12は患者に留置されたカテーテル等に連結された管体(図示しない)が接続され、他端にある第3接続口13は患者に投与する流体を収納したバッグ等に連結された管体(図示しない)が接続され、本体4bの周面にある第1接続口11は針無し管体81(図2等参照。)が接続される。3個の接続口11〜13を有するコネクタ管4は混注管として機能する。
第1接続口11は、本体4bとキャップ4aとで形成され、その内部に弁体5を収納する。キャップ4aは、一端が開口する管状体であって他端の底部には底孔を有している。このキャップ4aと本体4bとは超音波溶着又は接着等により液密に形成されている。コネクタ管4の各接続口11〜13には必要に応じて、管体と接続可能な構造又は接続を一時的に保持可能な構造、例えばルアーロックネジ等が形成されていてもよい。
コネクタ1に接続される針無し管体81は、図2及び図3に示されるように、内腔81aすなわち流体を収納する収納部と収納部に連接された先端部82とを有していれば、特に限定されず、上述した各種の管体が挙げられる。管体81の先端部82は、弁体5に挿入可能な形状及び寸法を有しており、通常、断面が円形で先細の管状になっている。
コネクタ管4及び針無し管体81は通常剛性のある材料、例えば、各種樹脂、各種ガラス、各種セラミックス、各種金属で形成される。樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素系樹脂、又はこれら樹脂を1種以上含むブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられる。
弁体5は、図1に示されるように、コネクタ管4に収納可能となるように、通常、軸線に垂直な断面形状が円形の柱状体に形成され、蓋体5aと弁本体5bとからなる。弁体5は、第1接続口11内に収納可能な寸法に形成され、少なくとも一部が径方向に圧縮された状態で収納される。この弁体5は、軸線方向に貫通し、針無し管体81の先端部82が貫通するまで挿入される弁体貫通路4cを有している。この弁体貫通路4cは、後述するように、表面開口スリット31、貫通孔32及び流路連通スリット33が軸線方向に連通して形成され、好ましくは弁体5と軸線を共有する。したがって、弁体貫通路4cは、その内部に流路連通スリットを開く管状部材を備えてなく、中空孔になっている。以下、弁体5について詳細に説明する。
弁本体5bは、図1に示されるように、第2シール部22及び第3シール部23が一体的にゴムで形成された弾性を有する柱状体であって、放射状に膨出する環状の鍔部24を軸線方向の中央近傍に有している。
第2シール部22は、第3シール部23と共に円柱状の弁本体5bを形成しており、弁本体5bの一端側に配置されている。この第2シール22は、略円錐台形をなし、その一端面に開口する貫通孔32を有している。したがって、第2シール部22のみを見ると貫通孔32を有する環状体に形成されている。なお、貫通孔32は、図1(b)において、弁本体5bが第3シール部23と一体形成されているので、第3シール部23側の端部が閉塞しているように図示されている。
貫通孔32は、第3シール部23に向けて内径が徐々に小さくなる先細の軸孔として形成されている。貫通孔32は針無し管体81の先端部82と相似形に形成されている。そして、貫通孔32は針無し管体81の外径よりも小さな内径を有している。例えば、貫通孔32の内径は、針無し管体81の先端部82の外径に対して50%以上100%未満であるのが好ましく、70〜95%であるのが特に好ましい。したがって、貫通孔32は、後述するように、針無し管体81が挿入されたときに、内周面が針無し管体81の外周に密着して、コネクタ管4の内外の連通を遮断して密閉状態にする。この貫通孔32は、弁本体5bの弾性により針無し管体81の外周に高度に密着する点で、垂直断面形状が針無し管体81の先端部82の断面形状と相似形であるのが好ましく、例えば、円形、楕円形又は多角形に形成される。この例において貫通孔32は断面円形の軸孔に形成されている。
第3シール部23は、第2シール部22に連接されて第2シール部22と共に円柱状の弁本体5bを形成しており、弁本体5bの他端側に配置されている。この第3シール23は、第2シール部22よりも外径の小さな円柱状体をなし、軸線方向に貫通する1つの流路連通スリット33を有している。
この流路連通スリット33は、図1に示されるように、コネクタ管4の内部通路14側に配置されているから、内部スリットとも称され、常時は閉塞状態にある。このようなスリット形状として、例えば、一文字スリット、三叉スリット、十字スリット等が挙げられる。流路連通スリット33の寸法すなわちスリット幅は、先端部82の挿脱性と内部流路14内を流通する流体の漏洩防止とを高い水準で両立できる点で、例えば、先端部82の外径に対して120〜200%であるのが好ましく、140〜170%であるのが特に好ましい。なお、スリット幅は、スリットの端部に外接する仮想外接円の直径であり、例えば、一文字スリットの場合はその全長、三叉スリット又は十字スリットの場合は3つ又は4つのスリットそれぞれの端部に外接する仮想外接円の直径である。この例において、流路連通スリット33は一文字スリットに形成されている。
鍔部24は、図1に示されるように、弁本体5bの軸線方向の略中央に、弁本体5bの外周面から放射状に膨出する環状に、形成されている。すなわち、鍔部24は、第2シール部22及び第3シール部23にわたって形成されている。鍔部24は、本体4bにおける第1接続口11及びキャップ4aの内径よりも大きな外径に形成され、弁本体5bは鍔部24において第1接続口11に半径方向に圧縮された状態に収納される。このように収納されると、貫通孔32を半径方向に収縮させて、特に先端部82との密着性が向上すると共に、流路連通スリット33の密着性が向上する。また、流路連通スリット33に針無し管体81の先端部82を繰返し挿脱しても流路連通スリット33の損傷を防止できる。
蓋体5aは、図1に示されるように、第1シール部21を底部として有する、一端が開口した円筒状体に形成されている。この蓋体5aは、ゴムで形成され、弾性を有している。蓋体5aの外径はキャップ4aの内径及び鍔部24の外径よりも小さく、内径は第2シール部22の外径に適合するように自身の底部に向かって徐々に小さくなっている。蓋体5aの底部には、外方に突出し、キャップ4aの孔に圧縮状態に嵌め込まれる錐台状凸部21aが形成されている。蓋体5aは、第1接続口11の開口側に配置され、錐台状凸部21aの高さがキャップ4aの厚さと略同一になっている。したがって、錐台状凸部21aの表面は第1接続口11の開口端に面一に露出し、表面連通スリット31はコネクタ管4の表面に開口している。
第1シール部21は、蓋体5aの底部と錐台状凸部21aとで形成されており、軸線方向に貫通する1つの表面連通スリット31を有している。第1シール部21が第1接続口11内に圧縮収納されると、表面連通スリット31は高い密着性を発揮し、常時は高度に閉塞状態にある。
この表面連通スリット31は、例えば、一文字スリット、三叉スリット、十字スリット等の形状に形成される。表面連通スリット31の寸法すなわちスリット幅は、針無し管体81の挿脱性と常時の閉塞度を高い水準で両立できる点で、例えば、先端部82の外径に対して120〜200%であるのが好ましく、140〜170%であるのが特に好ましい。なお、スリット幅は、流路連通スリット33と同様である。この例において、流路連通スリット33は、図1(b)及び図(d)に示されるように、幅方向が流路連通スリット33の幅方向と同一の一文字スリットに形成されている。
このように、弁体5は、軸線方向に隣接する第1シール部21、第2シール部22及び第3シール部23、すなわち蓋体5a及び弁本体5bを備えており、第1シール部21、第2シール部22及び第3シール部23は互いに密接している。そして、蓋部5aは、弁本体5bの第2シール部22上に配置されて弁体5を形成し、第1接続口11内に収納される。弁体5の弁体貫通路4cは、表面開口スリット31、貫通孔32及び流路連通スリット33が軸線方向に連通して形成され、かつ中空孔になっているから、その流路長が短くても高いシール性を発揮する。コネクタ1はこのように形成された弁体5を有しているから小型化できる。特に弁体5を偏平な柱状体にするとコネクタ自体を大幅に小型化できる。
弁体5は、針無し管体81の挿脱性に優れるうえ、高いシール性を発現する点で、弾性材料で作製され、弾性を有しているのが好ましい。例えば、弁体5は、JIS A硬度が30〜70のJIS A硬度を発現させる弾性を有しているのが好ましい。このような硬度を発現させる弾性材料として、例えば、各種ゴム、各種エラストマー等が挙げられる。ゴムとしては、例えば、シリコーンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。エラストマーとしては、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、トランスポリイソプレン系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマー、塩素化ポリエチレン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
これらの中でも、針無し管体81の挿脱性及び弁体としての密閉性により一層優れ、耐薬品性にも優れる点で、シリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムは、特に限定されず、各種のシリコーンゴムを用いることができ、例えば、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、炭素数1〜6のアルキル基を有するオルガノシリコーンゴム等が挙げられる。ゴムは通常用いられる各種添加剤を含有していてもよい。このような添加剤としては、例えば、分散剤、発泡剤、加硫剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、可塑剤、難燃性向上剤、離型剤等が挙げられる。
弁体5はこれら弾性部材を定法によって成形又は加工して製造できる。
コネクタ管4及び弁体5を備えたコネクタ1は、図1に示されるように、貫通孔32の軸線方向の両側にスリット31及び33を配置してなる少なくとも3つの開閉機構からなる弁体貫通路4cを有しているから、小型化できる構造になっている。それにもかかわらず、弁体としての機能を発揮する。すなわち、針無し管体81が第1接続口11に接続されていないときは、弁体貫通路4cのうち表面連通スリット31及び流路連通スリット33が密着しており、弁体貫通路4cは全体として密閉状態にある。また、錐台状凸部21aがキャップ4aの孔に圧縮状態に嵌め込まれ、かつ鍔部24が第1接続口11内に少なくとも半径方向に圧縮状態に収納されているから、第1接続口11は、弁体貫通路4c以外も、コネクタ管4の内外が隔離された密閉状態にある。このように、第1接続口11は高いシール性で密閉されている。この状態において、錐台状凸部21aの表面は第1接続口11の開口端に面一に露出しているから容易に清掃することができ、衛生面に優れる。
コネクタ1を介して患者に流体を供給するには、図2及び図3に示されるように、管体81の先端部82を第1接続口11、すなわち弁体5の弁体貫通路4cに貫通するまで圧入する。図3(a)は注入時のコネクタ1の軸線に沿う断面図、図3(b)は図3(a)のD−D断面図、図3(c)は注入時のコネクタ1の軸線に垂直な断面図、図3(d)は図3(c)のE−E断面図である。
すなわち、先端部82を弁体5に圧入すると、先端部82は、図2に示されるように、表面連通スリット31を貫通し、貫通孔32に到達する。このとき、蓋体5aの外径はキャップ4aの内径及び鍔部24の外径よりも小さくなっているから先端部82の挿入によって蓋体5aは半径方向への変形が容易になっている。したがって、先端部82は表面連通スリット31に容易に圧入される。一文字状の表面連通スリット31に先端部82が挿入されると、例えば図3(b)及び図3(d)示されるように、表面連通スリット31の端部と先端部82との間に間隙が生じる。その一方で、貫通孔32に到達した先端部32は、貫通孔32の内面が貫通孔32の外周面に密着するから、先端部82と貫通孔32との密閉性が確保されている。このように、先端部82を貫通孔32内に挿入すると、弁体貫通路4cが密閉状態になる。
先端部82をさらに圧入すると、図3に示されるように、弁体貫通路4cを貫通し、先端部82が内部流路14に到達する。このとき、上述したように表面連通スリット31の端部と先端部82との間に間隙が生じ、また、図3(b)及び図3(d)示されるように、流路連通スリット33と先端部82との間にも間隙Gが生じる。その一方で、先端部32は上述のように貫通孔32に密着しているから、先端部82と貫通孔32との密閉性が確保されている。このように、先端部82を弁体貫通路4cに貫通挿入しても、弁体貫通路4cは密閉状態が確保されている。そして、先端部82を弁体貫通路4cに貫通挿入して内部流路14に到達させているから、密閉状態を保持したまま、針無し管体81の内腔81aに収容された流体を、所定の投与量で、コネクタ管4内に直接注入できる。
このようにして所望の流体を注入した後に針無し管体81を第1接続口11から抜脱すると、弁体5の弾性力で圧入前の状態に復帰して、表面連通スリット31及び流路連通スリット33が密着する。このようにして弁体5が元の密閉状態に復帰して第1接続口11が再度高いシール性で密閉される。
針無し管体81の抜脱の過程において、先端部81を流路連通スリット33から退避させると、流路連通スリット33は内部流路14側から密着するから、内部流路14内の流体が弁体5外、例えば貫通孔32にほとんど漏出せず、流体注入後に弁体5の内部に残留する流体の残存量を大幅に低減できる。したがって、貫通孔32内で雑菌等の繁殖を防止でき、衛生面に優れる。また、第1シール部21の表面を拭き取ることもできる。
本発明に係るコネクタ用弁体及びコネクタは、上述した例に限定されることはなく、本発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、コネクタ用弁体5において、流路連通スリット33は、図1(b)及び図1(d)に示されるように、表面連通スリット31及び流路連通スリット33は幅方向が同一方向になるように形成されているが、表面連通スリッ及び流路連通スリットの幅方向は異なっていてもよく、例えば図4に示されるように、互いに直交する方向であってもよい。
また、コネクタ用弁体5は、上述の範囲の内径を有する軸孔としての貫通孔32を有しているが、貫通孔は針無し管体が挿入され、針無し管体の外周面に密着するものであればよく、内径が極めて小さいピンホール、針刺し穴等の常時閉塞状態にある軸孔であってもよい。
コネクタ用弁体5は、表面連通スリット31及び流路連通スリット33それぞれを1つ有し、合計3個の開閉機構を有しているが、開閉機構は4以上有していてもよい。具体的には、表面連通スリット及び流路連通スリットは、それぞれ、少なくとも1つであればよく、複数であってもよい。
コネクタ1は、3つの接続口11〜13を有するコネクタ管4を備えているが、コネクタ管は2つ又は4つ以上の接続口を有していてもよい。
1、2 コネクタ
4 コネクタ管
4a キャップ
4b 本体
4c 弁体貫通路
5 コネクタ用弁体(弁体)
5a 蓋体
5b 弁本体
11 第1接続口
12 第2接続口
13 第3接続口
14 内部流路
21 第1シール部
21a 錐台状凸部
22 第2シール部
23 第3シール部
24 鍔部
31 表面連通スリット
32 貫通孔
33 流路連通スリット(内部スリット)
81 針無し管体
81a 内腔
82 先端部

Claims (11)

  1. 管体を接続可能な少なくとも2つの接続口及び前記接続口を連通させる内部流路を有するコネクタ管の、1つの前記接続口内部に収納されるゴム製のコネクタ用弁体であって、
    前記接続口の開口側に配置され、表面連通スリットを有する第1シール部と、前記管体が挿入されたときに前記管体の外周に密着する貫通孔を有する第2シール部と、流路連通スリットを有する第3シール部とを軸線方向に隣接して備え、
    前記表面開口スリット、前記貫通孔及び前記流路連通スリットが前記軸線方向に連通して形成され、前記管体が貫入される弁体貫通路を有しているコネクタ用弁体。
  2. 前記弁体貫通路が、貫通路内に前記流路連通スリットを開く管状部材を備えてない中空孔である請求項1に記載のコネクタ用弁体。
  3. 前記貫通孔が、前記管体の外径よりも小さな内径を有している請求項1又は2に記載のコネクタ用弁体。
  4. 前記ゴムが、シリコーンゴムである請求項1〜3のいずれか1項に記載のコネクタ用弁体。
  5. 第1シール部を有する蓋体と、第2シール部及び第3シール部が一体形成された弁本体とからなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のコネクタ用弁体。
  6. 前記第1シール部が、前記1つの接続口の開口端に面一に露出する表面を有している請求項1〜5のいずれか1項に記載のコネクタ用弁体。
  7. 前記第1シール部が、少なくとも1つの表面連通スリットを有している請求項1〜6のいずれか1項に記載のコネクタ用弁体。
  8. 前記第3シール部が、少なくとも1つの流路連通スリットを有している請求項1〜7のいずれか1項に記載のコネクタ用弁体。
  9. 前記弁本体が、放射状に膨出する環状鍔部を有している請求項1〜8のいずれか1項に記載のコネクタ用弁体。
  10. 管体を接続可能な少なくとも2つの接続口及び前記接続口を連通する内部流路を有するコネクタ管と、1つの前記接続口内部に収納される請求項1〜9のいずれか1項に記載のコネクタ用弁体とを備えているコネクタ。
  11. 前記コネクタ管が、3つ以上の前記接続口を有する混注管である請求項10に記載のコネクタ。
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