JP2021078588A - 靴 - Google Patents

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Abstract

【課題】理想的な歩行を実現可能な構造の靴底部材を備える靴を提供する。【解決手段】靴100は、インソール20およびインソール20より下方に配置される靴底部10を備え、靴底部10の上面である靴底部上面12において、第一中足骨316の遠位骨頭内側330と第五中足骨320の遠位骨頭外側331とを結んでなる基準線140よりも爪先側であって少なくとも足指が当接する領域が平坦状になるよう構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、足裏の構造に基づいた立体構造を有する靴に関する。
近年、靴は、単なる履物ではなく、足の健康状態を維持し、また望ましい歩行状態を促進するといった性能が求められるようになってきている。そして所謂、アナトミー設計(解剖学的構造に基づく設計)仕様の靴の提供が検討されている。
たとえば靴を使用する個人の足の形状や歩行の癖などを分析し、カスタマイズすることで、個々人に適した靴を提供することは可能である。しかし、そのような靴はコストが高く、汎用性がない。
これに対し、現在、種々のタイプの中敷(インソール)が提供されており、自分の適したインソールを選択して購入することが可能となっている。しかしインソールは、直接に足裏面が当たる部材であるため、実際に使用してみるとインソール表面に設けられた凹凸のあたりが強く感じられ歩行時などに気になる場合がある。またインソールを配置した靴の使用状況によっては、短期の使用であっても当該インソールの変形が生じ、期待される効果が持続し難い場合もある。
またインソールではなく、靴底の上面の所定の箇所に凸部などを設けることによって、正常な歩行や歩行安定性の向上を図ることを目的とした靴底も提案されている。たとえば、下記特許文献1には、外側踏み付け部に横幅中央付近から外周縁部にかけて漸次肉厚な隆起部からなる略三角錐状の外側踏み付け部サポートおよび第1中足骨の母趾球部付近に窪みを形成した内側踏み付け部サポートなどの構成を有する靴底が提案されている。
特許文献1には、上記外側踏み付け部サポートは、たとえば、第5中足骨の頭部付近を最頂点とし、その横幅中間端部付近から該最頂点へと稜線を形成し、その外周縁部に向けて厚み差2mmとして漸次肉厚な隆起部を形成することで構成されることが記載されている。また内側踏み付け部サポートは、上述するとおり、第1中足骨の母趾球部付近に設けられた窪みである。
特許文献1に記載の靴底によれば、カスタマイズされた靴に比べて汎用性があり、またインソールのように直接に足が当接する部材ではないため、使用に対する違和感を少なくすること等が可能である。
特開2014−8298号公報
ところで、近年、足の解剖学とともに歩行のメカニズムについても種々の研究がなされている。望ましい歩行としてはたとえば図3の例が知られる。図3は、右足裏面を示し、理想的な歩行(所謂、あおり歩行)を説明するための説明図である。図3Aは、歩行時の右足の足裏340であって、地面に対し接地した初期状態を示す。図3Bは、歩行の中間状態を示しており、図3Cは、歩行の最終段階であり、足裏が地面から離れる直前の状態を示している。
あおり歩行は、踵から地面に接地することで、図3Aに示すとおり、踵に荷重領域(第一荷重領域342)が発生する。続いて、図3Bに示すとおり、足裏340への荷重が移動ライン345に沿って前方に移り、足裏の外側側面であって小趾の手前当たりに荷重領域(第二荷重領域343)が発生する。第二荷重領域343は、第5中足骨(図4参照)付近に発生する。そして、上記荷重は、中足指節関節60(以下、MTP関節60ともいう)付近において小趾から母趾方向に移動し最後に母趾に荷重領域(第三荷重領域344)に移り、地面を蹴り出す(図示省略)。
上述のように踵から接地し、爪先(特には母趾)において前方に体重移動するあおり歩行によれば、体に負荷や歪みを与え難く、歩行時の足の疲労も軽減可能である。ここでMTP関節60は、足の指の付け根にある関節であって、詳しくは中足骨と基節骨との間の関節を指す。図3Cの状態では、MTP関節60が回転軸となり体の重心が前下方に移動される。このときMTP関節60部分は、母趾小趾間において荷重が局部に集中することなく分散化され平面化されることが好ましく、これに続いて、極度な外転または内転を誘因せず、自然に母趾に荷重が移動するよう、適度に荷重を足裏全体に分散させることが好ましい。
これに対し上述する引用文献1では、第5中足骨の頭部付近に最頂点を有する外側踏み付け部サポートや、第1中足骨の母趾球部付近に設けられた窪みである内側踏み付け部サポートなどを有し、MTP関節60およびこれより爪先側にかけて荷重が良好に分散し難く、図3に示すような理想的な歩行が得られ難い可能性がある。
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明は、理想的な歩行を実現可能な構造の靴底部材を備える靴を提供する。
本発明の靴は、インソールおよび上記インソールより下方に配置される靴底部を備え、靴底部上面において、第一中足骨の遠位骨頭内側と第五中足骨の遠位骨頭外側とを結んでなる基準線よりも爪先側であって少なくとも足指が当接する領域が平坦状に構成されていることを特徴とする。
上記構成を備える本発明の靴は、足裏に与える負荷が少なく、足裏から靴底部上面に対し荷重が分散され易いため、理想的な歩行を実現し易い。
ができる。
(1A)は、本発明の一実施形態における右足用の靴底部上面を説明する説明図であり、(1B)は、本発明の一実施形態である靴の右足用の内側側面図である。 (2A)から(2D)は、それぞれ図(1A)に示す靴底部のa−a断面、b−b断面、c−c断面、d−d断面における端面図である。 (3A)から(3C)は、下方から観察した右足裏面を示し、理想的な歩行を説明するための説明図である。 右足を構成する骨の説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
以下の説明において、靴に関し、上下方向は、靴が通常の使用の姿勢で地面に置かれた際の上下方向を意味し、左右方向は、使用者における左右と同方向を指し、内側とは両足が向かい合う側を意味し、外側とは上記内側とは反対側を指す。そして靴または足に関連する説明において、爪先踵方向を縦方向といい、内側外側方向を幅方向という場合がある。
また以下の説明に関し、靴または足の遠位および近位とは、ある任意の地点または領域を基準とし踵より相対的に遠い位置を遠位といい、踵寄りの位置を近位といい、本発明の各構成に関し、遠位端とは、当該構成の最も踵から離れた端部(換言すると爪先よりの端部)を意味し、近位端とは、当該構成の最も踵に近い端部を意味する。
また本発明または本発明の説明において、ある線に対し他の線(ライン)が直角に交差するとは、靴底部を上面視した際に確認される交差状態を示す。
本発明の説明に際し、適宜、図4を参照することができる。図4は、人間の右足の骨格(右足骨格300)の上面図である。具体的には、足指の先端部分から足の甲に向けて、第一末節骨306、第二末節骨302、第三末節骨303、第四末節骨304、および第五末節骨305を有しており、続いて踵側に、第二中節骨307、第三中節骨308、第四中節骨309、第五中節骨310を有し、さらに踵側に第一基節骨311、第二基節骨312、第三基節骨313、第四基節骨314、第五基節骨315を有し、足の指の骨(趾骨)の最も近位側には、第一中足骨316、第二中足骨317、第三中足骨318、第四中足骨319、第五中足骨320を有する。
上述する足の指の骨(趾骨)より近位には複数の足根骨が存在する。具体的には、第一中足骨316、第二中足骨317、第三中足骨318の近位端側に、それぞれ、第一楔状骨321、第二楔状骨322、第三楔状骨323を有し、この第三楔状骨323よりも外側に立方骨325が並んでいる。
第一楔状骨321、第二楔状骨322、第三楔状骨323の近位端と立方骨325の内側側面に対向する位置に舟状骨324が存在し、舟状骨324より近位側に距骨326があり、立方骨324の近位側に踵骨327が存在する。
本発明の一実施形態を示す靴100は、図1Bに示すとおり、インソール20およびインソール20より下方に配置される靴底部10を備える。本実施形態における靴100は、足の甲の全面を覆うアッパー22を有するが、図1Bではアッパー22の一部を図示省略している。
靴底部10は、インソール20より下方に配置される部分を指し、靴底面(靴底部底面14)およびインソール20と対向する対向面(靴底部上面12)とを備える一体成形物であってもよいし、靴底面(靴底部底面14)を有する部材と、上記対向面(靴底部上面12)を有する部材とが個別に成形され互いに積層等された複合成形物であってもよい。換言すると、本発明における靴底部10は、靴底部底面14を有する、所謂、アウトソールのみからなる成形物であってもよいし、アウトソールと、当該アウトソールとは個別に成形され、アウトソールとインソール20との間に配置された一または二以上のミッドソールと、を備えた成形物であってもよい。靴底部10は、射出成形体であってもよいし、他の製法で作成されてもよい。
靴100は、靴底部10の上面である靴底部上面12において、第一中足骨316の遠位骨頭内側330と第五中足骨320の遠位骨頭外側331とを結んでなる基準線140よりも爪先側であって少なくとも足指が当接する領域が平坦状に構成されている。ここで「骨頭」とは縦方向における骨の端部領域を意味し、「遠位骨頭」と「近位骨頭」との間は、適宜「骨幹部」と称する。上述する「遠位骨頭内側」および「遠位骨頭外側」とは、所定の骨の遠位側の骨頭であって、当該所定の骨より遠位に位置する隣りの骨との境界であって最も内側の部分、および最も外側の部分をそれぞれ指す。
尚、図1Bは、靴100の右足用の内側部分側面図であり、図1Aは、靴100における右足用の靴底部10の上面を説明する説明図であって、本発明の理解を容易にするため、使用者の右足の骨を併記している。図1Aにおいて靴底部10の内側外縁を超えて一部の骨が記載されているのは、上面視により立体的にみれば足裏よりも内側に存在する骨があることを示している。
また、図2A〜図2Dは、図1Aに示す中心線130に対し直角に交差するラインで厚み方向に切断してなる靴底部10の端面図であり、具体的には、図2Aは図1Aに示すa−a断面の端面図、図2Bは図1Aに示すb−b断面図の端面図、図2Cは図1Aに示すc−c断面の端面図、図2Dは図1Aに示すd−d断面の端面図である。
従来の靴底部の上面形状は、図1Aに参照される基準線140よりも爪先側において中央部がなだらかに下方向に弯曲した曲面形状であるか、あるいは従来技術1のように特定の凹凸部分を有するものであった。しかし、本発明者の研究によれば、人足は、自然立位状態において、基準線140付近、およびそれより爪先側では、荷重(体重)により母趾および小趾間において平坦化されるため、靴底部上面12もそれに併せて平坦状に構成することで、足裏に与える負荷が少なく、また足裏から靴底部上面12に対し荷重が分散され易いことがわかった。かかる靴底部10を備える靴100は、良好な歩行とされるあおり歩行が促され易い。
靴底部上面12が平坦状であるか否かは、たとえば以下のとおり観察することができる。
即ち、基準線140より爪先側であって、踵後端中心54と、第二中足骨317および第三中足骨318の間と、を結んだ線である中心線130に対し直角に交差するラインで厚み方向に切断してなる切断面(たとえば図1Aに示すa−a断面およびb−b断面における断面であり、図2A、図2Bの端面図において参照される)において、靴底部上面12が少なくとも足指が当接する領域で平坦状であるか否かを判断することができる。ここで踵後端中心54とは、上面視において弧状に確認される踵の後外縁において、頂点部分を指す。
靴底部上面12において、基準線140よりも爪先側であって「足指が当接する領域」が不明である場合には、基準線140よりも爪先側であって「上記切断面(たとえば図2A、a−a断面参照)において、靴底部上面12の外縁両端部それぞれから靴底部上面12の全長L1の10%以下を除いた80%長さ部L2(望ましくは5%以下を除いた90%長さ部L2)」を参照すればよい。
本実施形態の靴100は、図2A、図2Bに示すとおり、基準線140より先端側は、靴底部10の外縁を構成する側壁部16を除き、靴底上面12は平坦状に形成されている。
靴100は、靴底部上面12の所定の領域に凸部30を備える。より具体的には、靴100は、第二中足骨317と第三中足骨318との間であって、前記基準線140よりも踵側に頂点40を有する凸部30を有している。凸部30の遠位端32は、基準線140よりも踵側に位置するとともに、凸部30の近位端34は、舟状骨324と立方骨325との間であって楔状骨(第三楔状骨323)寄りに位置している。
図2Cに示すとおり、本実施形態の靴100は、靴底上面12において、頂点40を最高位置とし、それより内側方向(紙面左方向)および外側方向(紙面右方向)に向けて下り傾斜するよう構成されており、これによって凸部30が形成されている。
凸部30は本発明において必須の構成ではないが、凸部30を有する靴100は以下の優れた効果が発揮される。
即ち、靴100は、基準線140より踵側の足裏を凸部30によって下支えして足裏をサポートすることができる。これによって、靴100は、歩行時の足の疲労を軽減することができるとともに、MTP関節60において第一中足骨316から第五中足骨320まで荷重を良好に分散させることができる。その結果、足裏において、MTP関節60の中央付近に荷重が集中することが防止され、MTP関節60の中央付近にできやすい所謂「胼胝」の発生を防止または軽減することができる。さらに上述のとおり凸部30を設けることによって足裏が下支えされ、これにより足指が伸び易くなり、歩行時に5本の足指でしっかり踏み込み易くなるため、歩きやすい。
また靴100は、基準線140より爪先側が平坦状に構成されているため、凸部30の下支えにより伸びた5本の足指に対し、荷重が分散されやすく、足への負担が小さい。
上述する凸部30の高さは特に限定されないが、凸部30の高さが低すぎると、足裏の下支えの効果が有意に得られ難い場合があり、凸部30の高さが高すぎると、足裏に違和感を与える虞がある。そのため、このような不都合が発生しないようにするという観点からは、凸部30の高さは、たとえば以下の範囲であることが好ましい。即ち、頂点40を通り、かつ上面視において踵を長尺方向に二分する後足部中心線110に対し直角に交差するウエスト部計測線120において、頂点40と、頂点40に対し最も低い位置との高低差が2mm以上10mm以下であることが好ましく、3mm以上8mm以下であることがより好ましく、3.5mm以上5.5mm以下であることがより好ましい。
頂点40の位置は、第二中足骨317と第三中足骨318との間であって、基準線140よりも踵側において適宜、設計することができる。足の骨に影響を与え難いという観点からは、頂点40の位置は、基準線140よりも踵側であって、第二中足骨317の骨幹部と第三中足骨318の骨幹部との間であることが好ましい。またさらに、上述する凸部30の効果をより確実に発揮させるという観点からは、図1に示すとおり、中心線130上に設けられる頂点40は、部分足長H2の終端と幅方向において同じ位置であることが好ましい。ここで、部分足長H2とは、踵後端中心54と幅方向において同じ位置である基端H0から、中心線130と並行な方向に伸長する足長線150において、靴100に対し適切な標準の足の長さを示す足長H1を100%とし、基端H0から足長H1の55%以上60%以下の範囲に含まれる長さを指し、部分足長H2の終端とは、部分足長H2の基端H0とは反対側の終端を意味する。
上述する部分足長H2の終端は、足長H1の56%以上58%以下の範囲に含まれることがより好ましく、57%の位置に相当することがさらに好ましい。標準的な人の足骨格を分析し、足裏面において、部分足長H2の終端と幅方向に同じ位置が最も凹んだ部分(所謂、土踏まず)またはその近傍となる傾向にあり、凸部30による下支えが非常に効果的に足に対し作用するからである。
靴100は、靴底部上面12であって使用者の踵に対向する領域に、凹部50が形成されている。凹部50は、図1Aに示すとおり、使用者の踵の裏面と対向する位置に設けられた凹みである。凹部50は、踵をすっぽりと覆うように大きな面積で設けられてもよいし、図2Dに示す端面170dにおいて確認されるように、外縁側よりも相対的に中央部が凹んでなる凹部であってもよい。尚、端面170dは、踵の幅方向略中央を通り、かつ中心線130に対し直角に交差するラインで厚み方向に切断してなるd−d断面において示される端面である。
凹部50は、本発明において必須の構成ではないが、凹部50が設けられることによって、踵が安定し、歩行時の初期段階(図3A参照)において踵が接地する際に踵を保護することができる。
また、上述する凸部30および凹部50が設けられた靴100は、凸部30により中間部を下支えすることによって、歩行時に足指がより伸びやすくなり、歩き易さ、荷重分散、あるいは足への負担軽減といった効果がより良好に発揮される。
図1Aに示すとおり、靴100には、さらに靴底部上面12において踵保護部52が形成されている。踵保護部52は、靴底部上面12において使用者の踵に対向する領域であって幅方向中央領域から外縁に向かってなだらかに登り傾斜する傾斜部である。
踵保護部52は、本発明において必須の構成ではないが、踵保護部52を設けることによって、使用者の踵が良好に保護されるため好ましく、また踵保護部52を設けることによって、靴底部上面12の上記踵に対向する領域であって幅方向中央領域が相対的に凹んだ状態になるため、上記凹部50が設けられ易い。
踵保護部52は、踵の周囲にのみ形成されてもよいし、踵よりもさらに前方まで靴底部上面12の外縁に沿って設けられてもよい。本実施形態では、上面視において略U字状に形成された踵保護部52は、靴底部上面12の外側外縁においては踵骨327よりやや爪先側にて終端している。一方、靴底部上面12の内側外縁においては第一中足骨316の骨幹部または遠位骨頭付近にて終端している。かかる踵保護部52の内側外縁の一部は、凸部30の一部と重なっている。
次に靴100の靴底部底面14について説明する。本実施形態の靴100は、靴底部底面14にクリアランスが設けられている。ここでクリアランスとは、靴底部10の底面である靴底部底面14と床面FLとの間の距離を意味する。
具体的には、靴100は、靴底部底面14において、中足指節関節60(MTP関節60)またはその近傍より爪先側に向かって、クリアランス(図2A、2Bにおけるh1、h2、h3、h4参照)が、0を超えるとともに連続的に増加するよう構成されている。
つまり、MTP関節60よりも踵側におけるc−c断面(図2C参照)およびd−d断面(図2D参照)では、靴底部底面14は床面FLに当接しクリアランスは実質的に0である。一方、MTP関節60より爪先側におけるb−b断面(図2B参照)およびa−a断面(図2A参照)は、有意なクリアランス(クリアランスh1、h2、h3、h4)が確保されている。そして、縦方向において同じまたは近いライン上において観察されるクリアランスh3とクリアランスh1では、より爪先に近い位置のクリアランスであるクリアランスh1の方が大きい。同様に、クリアランスh4よりもクリアランスh2の方が大きい。即ち、クリアランスは、爪先側に向かって増加しており、その増加は、図1Bに示すとおり連続的である。
靴底部底面14に上述するクリアランスが設けられることによって、歩行時に踵接地から、スムーズに爪先に向けて体重移動がし易い。そのため、上記クリアランスを有する靴100は、あおり歩行を容易に実現させ易い。
また、凸部30および上述するクリアランスを備える靴100によれば、歩行時の良好な荷重分散とともに前方への荷重移動がスムーズになり、あおり歩行をより容易に実現させ易い。
上述するクリアランスは、小趾側よりも母趾側が大きくなるよう設けることによりさらに好ましい効果が発揮される。
即ち、本実施形態の靴100は、基準線140より爪先側であって、踵後端中心54と、第二中足骨317および第三中足骨318との間を通過する中心線130に対し直角に交差するラインで厚み方向に切断してなる切断面において、クリアランスが、小趾側よりも母趾側の方が大きくなるよう構成されている。たとえば、図2Aおよび図2Bに示すとおり、本実施形態におけるクリアランスは、b−b断面において観察される端面170bにおいて、外側(小趾側)のクリアランスh4よりも内側(母趾側)のクリアランスh3が大きく、同様にa−a断面において観察される端面170aにおいて外側(小趾側)のクリアランスh2よりも内側(母趾側)のクリアランスh1が大きい。
かかる構成によれば、歩行時において、図3Bの状態から図3Cの状態に移行する際、荷重移動ライン346に沿って、荷重が第三荷重領域344側(つまり母趾側)にスムーズに移動させることができ、望ましいあおり歩行を容易に実現可能である。
以上に説明する所定のクリアランスが設けられた本実施形態の靴100は、本発明を何ら限定するものではなく、本発明は、靴底部底面14において実質的にクリアランスが設けられていない態様を包含する。
靴100は、インソール20を備える。靴底部上面12に設けられた上述する各構成は、インソール20を介して足裏に作用する。そのため、靴底部上面12に設けられた適宜の形状が使用者に対し違和感を与えることが防止されている。
インソール20の形状や厚み、素材は特に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜決定することができるが、好ましくは、インソール20の平均厚みが3mm以上7mm以下であり、かつ全体に略均一の厚みとなるよう構成されるとよい。かかる構成のインソール20を採用すれば、靴底部上面12に設けられた上述する各構成が奏する効果を損なうことなく良好に発揮される。
ここでインソール20の平均厚みは、インソール20から無作為に選択された10箇所において厚みを実測し、得られた値を算術平均して求めることができる。またインソール20の厚みが全体に略均一であるとは、インソール20から無作為に選択された10箇所において厚みを実測し、それらの最大値と最小値の差が1mm以内であることをいう。
インソール20の硬度は、特に限定されないが、少なくとも、上面視において凸部30を覆う領域の硬度は、40以上50以下であることが好ましい。硬度が40以上50以下であれば、足の負担の軽減を図ることができる。尚、ここでいうインソールの硬度とは、アスカーC硬度計で測定される硬度である。
以上に本発明の一実施形態である靴100について説明した。靴100の各構成に関し、適宜、使用者の足の骨を基準に位置関係などを説明したが、かかる足の骨は、靴100に適したサイズの足の標準的な骨格であって、靴100と当該骨格の位置関係は、当該骨格の踵の後端を靴底部10の後端に合わせた際の位置関係を指す。
上述する本発明の一実施形態である靴100は、足の甲全体を覆うアッパー22を備えるが、本発明はこれに限定されない。本発明の靴とは、靴底部と足の甲の少なくとも一部を覆うアッパーと中敷であるインソールを備えるものをいい、足の甲の全体を実質的に覆うアッパーを備えた靴、足の甲の一部を覆うサンダル、足の甲より上方(例えば足首)まで覆うブーツや長靴などを包含する。
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)インソールおよび前記インソールより下方に配置される靴底部を備え、
靴底部上面において、
第一中足骨の遠位骨頭内側と第五中足骨の遠位骨頭外側とを結んでなる基準線よりも爪先側であって少なくとも足指が当接する領域が平坦状に構成されていることを特徴とする靴。
(2)第二中足骨と第三中足骨との間であって、前記基準線よりも踵側に頂点を有する凸部を有し、
前記凸部の遠位端が前記基準線よりも踵側に位置するとともに、前記凸部の近位端が、舟状骨と立方骨との間であって楔状骨寄りに位置する上記(1)に記載の靴。
(3)前記靴底部上面において、
前記凸部の前記頂点を通り、かつ上面視において踵を長尺方向に二分する後足部中心線と直角に交差するウエスト部計測線において、前記頂点と、前記頂点に対し最も低い位置との高低差が2mm以上10mm以下である上記(2)に記載の靴。
(4)前記靴底部上面であって使用者の踵に対向する領域に凹部が形成されている上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の靴。
(5)靴底部底面において、中足指節関節またはその近傍より爪先側に向かって、
前記靴底部底面と床面との間の距離であるクリアランスが、0を超えるとともに連続的に増加している上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の靴。
(6)踵後端中心と、第二中足骨および第三中足骨との間を通過する中心線に対し直角に交差するラインで厚み方向に切断してなる切断面において、
前記クリアランスが、小趾側よりも母趾側の方が大きい上記(5)に記載の靴。
(7)前記インソールの平均厚みが、3mm以上7mm以下であり、かつ
全体に略均一の厚みである上記(1)から(6)のいずれか一項に記載の靴。
10・・・靴底部
12・・・靴底部上面
14・・・靴底部底面
16・・・側壁部
20・・・インソール
22・・・アッパー
30・・・凸部
32・・・遠位端
34・・・近位端
40・・・頂点
50・・・凹部
52・・・踵保護部
54・・・踵後端中心
60・・・中足指節関節(MTP関節)
100・・・靴
110・・・後足部中心線
120・・・ウエスト部計測線
130・・・中心線
140・・・基準線
150・・・足長
170a、170b、170c、170d・・・端面
300・・・右足骨格
302・・・第二末節骨
303・・・第三末節骨
304・・・第四末節骨
305・・・第五末節骨
306・・・第一末節骨
307・・・第二中節骨
308・・・第三中節骨
309・・・第四中節骨
310・・・第五中節骨
311・・・第一基節骨
312・・・第二基節骨
313・・・第三基節骨
314・・・第四基節骨
315・・・第五基節骨
316・・・第一中足骨
317・・・第二中足骨
318・・・第三中足骨
319・・・第四中足骨
320・・・第五中足骨
321・・・第一楔状骨
322・・・第二楔状骨
323・・・第三楔状骨
324・・・舟状骨
325・・・立方骨
326・・・距骨
327・・・踵骨
330・・・遠位骨頭内側
331・・・遠位骨頭外側
340・・・足裏
342・・・第一荷重領域
343・・・第二荷重領域
344・・・第三荷重領域
345、346・・・荷重移動ライン
FL・・・床面
h1、h2、h3、h4・・・クリアランス
L1・・・全長
L2・・・80%長さ部

Claims (7)

  1. インソールおよび前記インソールより下方に配置される靴底部を備え、
    靴底部上面において、
    第一中足骨の遠位骨頭内側と第五中足骨の遠位骨頭外側とを結んでなる基準線よりも爪先側であって少なくとも足指が当接する領域が平坦状に構成されていることを特徴とする靴。
  2. 第二中足骨と第三中足骨との間であって、前記基準線よりも踵側に頂点を有する凸部を有し、
    前記凸部の遠位端が前記基準線よりも踵側に位置するとともに、前記凸部の近位端が、舟状骨と立方骨との間であって楔状骨寄りに位置する請求項1に記載の靴。
  3. 前記靴底部上面において、
    前記凸部の前記頂点を通り、かつ上面視において踵を長尺方向に二分する後足部中心線と直角に交差するウエスト部計測線において、前記頂点と、前記頂点に対し最も低い位置との高低差が2mm以上10mm以下である請求項2に記載の靴。
  4. 前記靴底部上面であって使用者の踵に対向する領域に凹部が形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の靴。
  5. 靴底部底面において、中足指節関節またはその近傍より爪先側に向かって、
    前記靴底部底面と床面との間の距離であるクリアランスが、0を超えるとともに連続的に増加している請求項1から4のいずれか一項に記載の靴。
  6. 踵後端中心と、第二中足骨および第三中足骨との間を通過する中心線に対し直角に交差するラインで厚み方向に切断してなる切断面において、
    前記クリアランスが、小趾側よりも母趾側の方が大きい請求項5に記載の靴。
  7. 前記インソールの平均厚みが、3mm以上7mm以下であり、かつ
    全体に略均一の厚みである請求項1から6のいずれか一項に記載の靴。

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