JP2021078461A - 植物の生育管理システム、植物の生育管理方法、及び植物の生育管理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】圃場内の土壌の状況に応じて、圃場外の水源から圃場内に給水し、土壌温度を所定の温度に調整する生育管理システムを提供する。【解決手段】圃場内の植物の生育を管理する生育管理システム1000は、圃場内に給水する水源の水温を計測する水源水温計測部614、圃場内の土壌温度を計測する土壌温度計測部612又は圃場内の貯留水の水温を計測する圃場水温計測部613、水源から圃場内への給水を制御する給水制御部630を有し、給水制御部630は、土壌温度又は貯留水の水温の計測値が目標値よりも高く、水源の水温が土壌温度又は貯留水の水温の計測値よりも低い場合に、水源から圃場内に給水を行う。【選択図】図2
Description
本願発明は、植物の生育管理システム、植物の生育管理方法、及び植物の生育管理プログラムに関する。
植物は、昼間に光合成でエネルギーを生成しており、温度が高く、日射量が多いと光合成の量も多くなる。一方、夜間には、生成されたエネルギーを栄養として自個体の根、茎、葉の成長に使ったり、種のために蓄積したりする。この点、夜間の土壌温度に応じて、根、茎、葉の成長と種への蓄積に使われる栄養の割合が変化する。即ち、土壌温度が高いと栄養は成長に使われ、土壌温度が低いと種のための蓄積に使われる傾向がある。このようなことから、植物の生育を管理する場合には圃場の土壌温度を調整する必要があり、とりわけ稲等の農作物については、夜間の土壌温度を低下させるように圃場の水温をコントロールすることが望ましい。
特許文献1〜5では、土壌の温度を制御すべく、土壌に水を供給する装置等が提案されている。
しかしながら、圃場に満たされる水により、土壌温度を所望の温度に調整することは容易でない。そこで、本発明は、圃場内の土壌の状況に応じて、圃場外の水源から圃場内に給水し、土壌温度を所定の温度に調整することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る植物の生育管理システムは、圃場内の植物の生育を管理するシステムであって、前記圃場内に給水する水源の水温を計測する水源水温計測手段と、前記圃場内の土壌温度を計測する土壌温度計測手段又は前記圃場内の貯留水の水温を計測する圃場水温計測手段と、前記水源から圃場内への給水を制御する給水制御手段と、を有し、前記給水制御手段は、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が目標値よりも高く、前記水源の水温が前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値よりも低い場合に、前記水源から前記圃場内に給水を行う。
また、前記目標値は、時刻に応じて変化する温度パターンで規定されており、前記給水制御手段は、任意の時刻において、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が前記目標値よりも高く、前記水源の水温が前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値よりも低い場合に、前記水源から前記圃場内に給水を行うものとしてもよい。
また、前記目標値は、任意の時刻における温度で規定されており、前記給水制御手段は、前記任意の時刻において、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が前記目標値よりも高く、前記水源の水温が前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値よりも低い場合に、前記水源から前記圃場内に給水を行うものとしてもよい。
また、前記圃場内からの排水を制御する排水制御手段、をさらに有するものとしてもよい。
また、前記土壌温度を目標値とするために必要な前記圃場内の貯留水の排水量を算出する第一の算出処理手段、をさらに有し、前記排水制御手段は、算出された前記排水量に基づき、前記圃場内の貯留水の排水を制御するものとしてもよい。
また、前記排水制御手段は、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が前記目標値よりも高く、前記水源の水温が前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値以上の場合に、前記圃場から排水を行うものとしてもよい。
また、前記給水制御手段は、給水開始後、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が前記目標値以下となった場合に、前記水源からの給水を停止するものとしてもよい。
また、前記給水制御手段は、給水開始後、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値の単位時間当りの温度低下幅が所定値よりも小さくなった場合に、前記水源からの給水を停止するものとしてもよい。
また、前記土壌温度又は前記貯留水の水温を予め設定された目標値とするために必要な前記圃場内への給水量を算出する第二の算出処理手段、をさらに有し、前記給水制御手段は、算出された前記給水量に基づき、前記圃場内への給水を行うものとしてもよい。
また、前記第二の算出処理手段は、前記土壌温度を計測値から前記目標値とするために必要な前記圃場内の貯留水の水温の目標値を算出すると共に、前記圃場内の貯留水の水温、前記圃場内の水深、圃場面積、及び前記水源の水温に基づき、前記圃場内の貯留水の水温を計測値から当該算出された目標値とするために必要な給水量を算出するものとしてもよい。
また、前記第二の算出処理手段は、前記貯留水から前記圃場内の土壌へ伝わる熱伝達係数に基づいて前記圃場内の貯留水の水温の目標値を算出するものとしてもよい。
また、前記第二の算出処理手段は、前記給水量の算出において、外気との熱伝達及び日射による温度上昇に係る情報を算出根拠に用いるものとしてもよい。
また、前記第二の算出処理手段は、前記給水量の算出において、前記圃場内からの排水の流速、水源から圃場内への給水の流速に係る情報を算出根拠に用いるものとしてもよい。
また、前記第二の算出処理手段は、前記給水量の算出において、前記貯留水の自然減少の推定値に係る情報を算出根拠に用いるものとしてもよい。
また、前記水源と前記圃場の間に設けられ、前記給水制御手段による制御に応じて開閉する水門、をさらに有し、前記給水制御手段は、前記圃場内への給水量が前記目標値となるまで前記水門を制御して全開状態もしくは半開状態に保持するものとしてもよい。
また、前記水源と前記圃場の間に設けられ、前記給水制御手段による制御に応じて開閉する水門、をさらに有し、前記給水制御手段は、圃場内への給水量が前記目標値となるまで、前記水門を制御して繰り返し開状態と閉状態にするものとしてもよい。
また、本発明の別の観点に係る植物の生育管理方法は、圃場内の植物の生育を管理する方法であって、コンピュータにより、前記圃場内に給水する水源の水温を計測する水源水温計測処理と、前記圃場内の土壌温度を計測する土壌温度計測処理又は前記圃場内の貯留水の水温を計測する圃場水温計測処理と、前記水源から前記圃場内への給水を制御する給水制御処理と、を実行し、前記給水制御処理は、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が目標値よりも高く、前記水源の水温が前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値よりも低い場合に、前記水源から前記圃場内に給水を行う。
また、本発明の別の観点に係る植物の生育管理プログラムは、圃場内の植物の生育を管理するためのコンピュータプログラムであって、コンピュータに対し、前記圃場内に給水する水源の水温を計測する水源水温計測処理と、前記圃場内の土壌温度を計測する土壌温度計測処理又は前記圃場内の貯留水の水温を計測する圃場水温計測処理と、前記水源から前記圃場内への給水を制御する給水制御処理と、を実行させ、前記給水制御処理は、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が目標値よりも高く、前記水源の水温が前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値よりも低い場合に、前記水源から前記圃場内に給水を行うものである。
また、本発明の別の観点に係る植物の生育管理システムは、圃場内の植物の生育を管理するシステムであって、前記圃場内の土壌温度を計測する土壌温度計測手段又は前記圃場内の貯留水の水温を計測する圃場水温計測手段と、前記圃場からの排水を制御する排水制御手段と、を有し、前記排水制御手段は、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が目標値よりも高い場合に、前記圃場から排水を行うものとしてもよい。
また、本発明の別の観点に係る植物の生育管理システムは、水源から圃場内への給水を制御する給水制御手段、をさらに有し、前記給水制御手段は、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が目標値よりも高く、前記水源の水温が前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値よりも低い場合に、前記水源から前記圃場内に給水を行うものとしてもよい。
なお、コンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD−ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
なお、コンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD−ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
本発明によれば、土壌の状況に応じて圃場内に供水し、これにより土壌温度を所定の温度に調整することができる。
以下、図を参照しながら、本願発明を実施するための形態について説明する。図はすべて例示である。以下の詳細な説明では、説明のために、開示された実施形態の完全な理解を促すために、ある特定の詳細について述べられている。しかしながら、実施形態は、これらの特定の詳細に限られない。また、図面を単純化するために、周知の構造および装置については概略的に示されている。
●圃場および周辺の構成
図1に示すように、圃場403には、圃場403外の水源900からの水が流入する給水路901と、圃場403に貯留されている水(以下、「貯留水」ともいう)が水路910に流出する排水路911が連結されている。給水路901には、流入する水量、すなわち給水量を調節する水門902が配設されている。また、排水路911には、排水される水量を調節する水門912が配設されている。圃場403は給水路901から排水路911に向かって僅かに鉛直方向下向きに傾斜しており、水門902および水門912を開閉すると、傾斜に従って水が流入および流出する。なお、水門902、912は、バルブであってもよい。
図1に示すように、圃場403には、圃場403外の水源900からの水が流入する給水路901と、圃場403に貯留されている水(以下、「貯留水」ともいう)が水路910に流出する排水路911が連結されている。給水路901には、流入する水量、すなわち給水量を調節する水門902が配設されている。また、排水路911には、排水される水量を調節する水門912が配設されている。圃場403は給水路901から排水路911に向かって僅かに鉛直方向下向きに傾斜しており、水門902および水門912を開閉すると、傾斜に従って水が流入および流出する。なお、水門902、912は、バルブであってもよい。
圃場403は、農作物等の植物を生育させる田圃である。圃場403は、盛土によって形成された畔によって周囲と区画されており、この畔により、植物が根を張る土壌上に貯留池のごとく水を貯留させる。
この圃場403には、生育管理装置600が備えるハードウェア構成の少なくとも一部が配置されている。生育管理装置600は、ハードウェア構成として、水深センサ921、土壌温度センサ922、圃場水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925、第2流量センサ926、水門板開閉装置931、および第2水門板開閉装置932を備える。
この圃場403には、生育管理装置600が備えるハードウェア構成の少なくとも一部が配置されている。生育管理装置600は、ハードウェア構成として、水深センサ921、土壌温度センサ922、圃場水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925、第2流量センサ926、水門板開閉装置931、および第2水門板開閉装置932を備える。
水深センサ921は、圃場403内の貯留水の水深を計測するセンサであり、フロート式、テープ式、超音波式等適宜の形式のセンサであってよい。
土壌温度センサ922は、圃場403の土壌温度を計測するセンサであり、例えば計測部を土壌中に埋没させて土壌温度を計測する。
圃場水温センサ923は、圃場403内の貯留水の水温を計測するセンサである。
水源水温センサ924は、水源900の水温を計測するセンサである。なお、水源900は、圃場403の周りを流れる用水やため池が想定されており、基本的には外気の影響を受けて水温が一定していない。そのため、圃場403内に給水することによって貯留水、ひいては土壌の温度を下げられるか否かを判断するためには、水源水温センサ924によって水温を計測することが必要である。
流量センサ925は給水路901に配設され、圃場403に流入する水量を計測するセンサである。
第2流量センサ926は、排水路911に配設され、圃場403から排水する水量を計測するセンサである。
水深センサ921、土壌温度センサ922、圃場水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925および第2流量センサ926は、いずれも外部機器と通信可能な通信処理部を有していて、生育管理装置600に計測結果を送信可能である。
土壌温度センサ922は、圃場403の土壌温度を計測するセンサであり、例えば計測部を土壌中に埋没させて土壌温度を計測する。
圃場水温センサ923は、圃場403内の貯留水の水温を計測するセンサである。
水源水温センサ924は、水源900の水温を計測するセンサである。なお、水源900は、圃場403の周りを流れる用水やため池が想定されており、基本的には外気の影響を受けて水温が一定していない。そのため、圃場403内に給水することによって貯留水、ひいては土壌の温度を下げられるか否かを判断するためには、水源水温センサ924によって水温を計測することが必要である。
流量センサ925は給水路901に配設され、圃場403に流入する水量を計測するセンサである。
第2流量センサ926は、排水路911に配設され、圃場403から排水する水量を計測するセンサである。
水深センサ921、土壌温度センサ922、圃場水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925および第2流量センサ926は、いずれも外部機器と通信可能な通信処理部を有していて、生育管理装置600に計測結果を送信可能である。
水門板開閉装置931、932は、水門902、912とそれぞれ接続されていて、電気的に水門902、912を開閉する装置である。
水門板開閉装置931、932は、例えば水門902、912を上下動させて水路910を開閉させるアクチュエータで構成されていてもよいし、水門902、912を回転させて水路910を開放するモータにより構成されていてもよいし、袋体の中に水や空気を出し入れすることにより起伏させる構造で構成されてもよい。水門板開閉装置931,932は、外部機器と通信可能な通信処理部を有していて、生育管理装置600が有するソフトウェア構成からの指令に基づいて、水門902、912を開閉する。
水門板開閉装置931、932は、例えば水門902、912を上下動させて水路910を開閉させるアクチュエータで構成されていてもよいし、水門902、912を回転させて水路910を開放するモータにより構成されていてもよいし、袋体の中に水や空気を出し入れすることにより起伏させる構造で構成されてもよい。水門板開閉装置931,932は、外部機器と通信可能な通信処理部を有していて、生育管理装置600が有するソフトウェア構成からの指令に基づいて、水門902、912を開閉する。
●生育管理システムの構成
図2に示すように、生育管理システム1000は、生育管理装置600を含むシステムであり、圃場403の状態に応じて圃場403内への水源900からの給水と圃場403外への貯留水の排水を制御するシステムである。生育管理システム1000に含まれる生育管理装置600および水量制御装置700は、ネットワークNWを通じて互いに通信可能に接続されている。
なお、図2に示した構成は例示であり、ある構成要素が別の構成要素を包含していてもよいし、各構成要素が有する機能部は、別の構成要素が有していてもよい。
図2に示すように、生育管理システム1000は、生育管理装置600を含むシステムであり、圃場403の状態に応じて圃場403内への水源900からの給水と圃場403外への貯留水の排水を制御するシステムである。生育管理システム1000に含まれる生育管理装置600および水量制御装置700は、ネットワークNWを通じて互いに通信可能に接続されている。
なお、図2に示した構成は例示であり、ある構成要素が別の構成要素を包含していてもよいし、各構成要素が有する機能部は、別の構成要素が有していてもよい。
生育管理装置600は、情報処理を実行するためのCPU(Central Processing Unit)などの演算装置、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶装置を備え、これによりソフトウェア資源として少なくとも、圃場計測部610、算出処理部620、給水制御部630、排水制御部640を備える。
圃場計測部610は、圃場403の状態を示す指標を計測する機能部である。圃場403の状態を示す指標とは、少なくとも圃場403に貯留される水の給排水に起因して変化する指標であり、例えば、貯留水の水深、土壌温度、水温、および給排水の流量を含む。圃場計測部610は、水深計測部611、土壌温度計測部612、圃場水温計測部613、水源水温計測部614、および流水量計測部615の各機能ブロックを備える。
水深計測部611は、水深センサ921により圃場403の水深を取得する機能部である。
土壌温度計測部612は、土壌温度センサ922により圃場403の土壌の温度を取得する機能部である。
水温計測部613は、圃場水温センサ923により、圃場403内の貯留水の水温を取得する機能部である。
水源水温計測部614は、水源水温センサ924により、水源900の水温を取得する機能部である。
流水量計測部615は、流量センサ925および第2流量センサ926により、給水路901から圃場403に流入する水量、および排水路911を介して圃場403から流出する水量を取得する機能部である。
土壌温度計測部612は、土壌温度センサ922により圃場403の土壌の温度を取得する機能部である。
水温計測部613は、圃場水温センサ923により、圃場403内の貯留水の水温を取得する機能部である。
水源水温計測部614は、水源水温センサ924により、水源900の水温を取得する機能部である。
流水量計測部615は、流量センサ925および第2流量センサ926により、給水路901から圃場403に流入する水量、および排水路911を介して圃場403から流出する水量を取得する機能部である。
算出処理部620は、圃場403内の土壌温度又は貯留水の水温を目標値とするために必要な圃場403内への給水量と、貯留水の排水量を算出する。
より具体的には、圃場403内の貯留水の水温、圃場403内の水深、圃場面積、及び水源900の水温に基づき、圃場403内の土壌温度又は貯留水の水温を計測値から当該算出された目標値とするために必要な給水量と排水量を算出する。この給水量と排水量の算出においては、算出根拠として、圃場403内からの排水の流速、水源900から圃場403内への給水の流速に係る情報、貯留水の自然減少の推定値に係る情報、外気との熱伝達及び日射による温度上昇に係る情報のいずかを単独、あるいは適宜に組み合わせて用いることができる。
なお、圃場403内の貯留水は、排水を行わなくとも、土壌への染み込み、植物による吸収、あるいは大気への気化によって自然に減少する。このような自然減少の推定値は、所定の記憶部に一定値として保持しておくこともできるし、水深センサ921等による計測値から算出することもできる。
また、本実施形態においては、土壌温度又は貯留水の水温を目標値とすべく、給水量と排水量を算出するものとしたが、これにかかわらず、給水のみによって土壌温度又は貯留水の水温を目標値とすることができる場合もある。即ち、圃場403内の貯留水は自然減少するため、減少分を給水によって補うことで、土壌温度又は貯留水の水温を目標値としたり、目標値に近づけたりすることができる場合もある。
また、本実施形態においては、土壌温度又は貯留水の水温を目標値とすべく、給水量と排水量を算出するものとしたが、これにかかわらず、給水のみによって土壌温度又は貯留水の水温を目標値とすることができる場合もある。即ち、圃場403内の貯留水は自然減少するため、減少分を給水によって補うことで、土壌温度又は貯留水の水温を目標値としたり、目標値に近づけたりすることができる場合もある。
給水制御部630は、算出処理部620によって算出された給水量に基づく給水の制御を水量制御装置700に指示し、これにより圃場403内へ給水する。
排水制御部640は、算出処理部620によって算出された排水量に基づく排水の制御を水量制御装置700に指示し、これにより圃場403から排水する。
水量制御装置700は、圃場403内の貯留水の量を調節する装置である。水量制御装置700は、図1に示す水門板開閉装置931、および第2水門板開閉装置932により水門902、912をそれぞれ開閉させることで、圃場403内の水量を調節する。
水量制御装置700は、生育管理装置600の給水制御部630及び排水制御部640から、所定の給水量と排水量に係る情報と共に、給水及び排水の制御指示を受け付ける。そして、当該制御指示に応じて水門902、912を開閉させ、所定量の給水と排水の制御を実行する。
実施例1では、土壌温度(もしくは貯留水の水温)を所定の目標値とすべく、給水と排水を行う。
この実施例1では、目標値は図3に示されるように、時刻に応じて変化する温度パターンで規定されている。一般に、夜間は日中の光合成で生成したショ糖を稲の籾に貯蓄することを促すために夜間の土壌温度(もしくは貯留水の水温)を所定温度以下にすることが望ましい。また、圃場403の土壌温度(もしくは貯留水の水温)が40℃を超えると稲の活動が低下する。そのため、図3の例では、日中の平均目標温度と夜間の平均目標温度をそれぞれ設け、16〜17時頃(夕方の時間帯)に目標温度が日中の平均目標温度から夜間の平均目標温度に下がるパターンとなっている。このような目標温度のパターンにより、夕方に給水が開始されやすく、夜の圃場403の温度が低下するようになっている。
この実施例1では、目標値は図3に示されるように、時刻に応じて変化する温度パターンで規定されている。一般に、夜間は日中の光合成で生成したショ糖を稲の籾に貯蓄することを促すために夜間の土壌温度(もしくは貯留水の水温)を所定温度以下にすることが望ましい。また、圃場403の土壌温度(もしくは貯留水の水温)が40℃を超えると稲の活動が低下する。そのため、図3の例では、日中の平均目標温度と夜間の平均目標温度をそれぞれ設け、16〜17時頃(夕方の時間帯)に目標温度が日中の平均目標温度から夜間の平均目標温度に下がるパターンとなっている。このような目標温度のパターンにより、夕方に給水が開始されやすく、夜の圃場403の温度が低下するようになっている。
また、本例において、給水制御部630と排水制御部640は、以下のように機能する。
給水制御部630による給水の制御は、任意の時刻において、土壌温度が当該任意の時刻における目標値よりも高く、水源900の水温が土壌温度(土壌温度は、貯留水の水温に置き換えることも可能である)の計測値よりも低い場合に実行される。また、給水制御部630は、給水開始後、土壌温度の計測値が目標値以下となった場合に、水源900からの給水を停止する。
給水制御部630による給水の制御は、任意の時刻において、土壌温度が当該任意の時刻における目標値よりも高く、水源900の水温が土壌温度(土壌温度は、貯留水の水温に置き換えることも可能である)の計測値よりも低い場合に実行される。また、給水制御部630は、給水開始後、土壌温度の計測値が目標値以下となった場合に、水源900からの給水を停止する。
排水制御部640による排水の制御も、給水制御部630による給水の制御と同様、土壌温度が当該任意の時刻における目標値よりも高く、水源900の水温が土壌温度の計測値よりも低い場合に実行される。また、排水制御部640は、排水開始後、土壌温度の計測値が目標値以下となった場合に、排水を停止する。
●処理フロー(実施例1)
続いて、本実施例において、生育管理システム1000によって実行される処理の流れを、図4を参照して説明する。
まず、圃場403では、各センサ(水深センサ921、土壌温度センサ922、圃場水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925、第2流量センサ926)によって圃場403の状態が計測されており、圃場計測部610は当該各センサによる計測情報を取得する(S11)。なお、圃場403の状態は継続的又は所定のタイミングで計測されているが、計測に応じて以降の処理が実行されてもよいし、所定のタイミングや管理者からの指示、あるいは水深の計測結果(例えば、所定の閾値を下回る水深となった場合)に基づいて以降の処理を実行するものとしてもよい。
続いて、本実施例において、生育管理システム1000によって実行される処理の流れを、図4を参照して説明する。
まず、圃場403では、各センサ(水深センサ921、土壌温度センサ922、圃場水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925、第2流量センサ926)によって圃場403の状態が計測されており、圃場計測部610は当該各センサによる計測情報を取得する(S11)。なお、圃場403の状態は継続的又は所定のタイミングで計測されているが、計測に応じて以降の処理が実行されてもよいし、所定のタイミングや管理者からの指示、あるいは水深の計測結果(例えば、所定の閾値を下回る水深となった場合)に基づいて以降の処理を実行するものとしてもよい。
そして、現在時刻における土壌温度の目標値と、土壌温度の計測値を対比した結果(S12)、土壌温度が目標値を下回る場合には、給水と排水を実行しないことに決定し(S13)、処理を終了する。
また、S12による処理と同時並行的に、水源900の水温と土壌温度の計測値を対比し(S14)、水源900の水温が土壌温度よりも高い場合には、水源900から圃場403へ給水しても土壌温度を下げることができないため、給水と排水を実行しないことに決定し(S13)、処理を終了する。
また、S12による処理と同時並行的に、水源900の水温と土壌温度の計測値を対比し(S14)、水源900の水温が土壌温度よりも高い場合には、水源900から圃場403へ給水しても土壌温度を下げることができないため、給水と排水を実行しないことに決定し(S13)、処理を終了する。
一方、土壌温度が目標値を上回ると共に、水源900の水温が土壌温度の計測値を下回る場合には、算出処理部620は、圃場403内の土壌温度を目標値とするために必要な圃場403内への給水量と、貯留水の排水量を算出する(S15)。
なお、給水量と排水量の算出においては、算出根拠として例えば、圃場403内からの排水の流速、水源900から圃場403内への給水の流速に係る情報、貯留水の自然減少の推定値に係る情報、外気との熱伝達及び日射による温度上昇に係る情報が用いられる。
なお、給水量と排水量の算出においては、算出根拠として例えば、圃場403内からの排水の流速、水源900から圃場403内への給水の流速に係る情報、貯留水の自然減少の推定値に係る情報、外気との熱伝達及び日射による温度上昇に係る情報が用いられる。
これに応じて給水制御部630と排水制御部640がそれぞれ、算出処理部620によって算出された給水量に基づく給水及び排水量に基づく排水の制御を水量制御装置700に指示すると、水量制御装置700は水門902、912を適宜に開閉させ、指示された給水と排水の制御を実行する(S16)。
給水と排水の実行後、土壌温度の計測値が目標値を下回ると(S17)、給水制御部630と排水制御部640はそれぞれ、給水と排水を停止し(S18)、処理を終了する。
なお、以上の処理において、給水と排水は同時並行的に行うこともできるし、排水を行ってから給水を行ったり、排水と給水を交互に繰り返して行ったりすることもできる。
また、本例では、目標値は時刻に応じて変化する温度パターンで規定されているものとしたが、規定されている情報に基づき、天候等の変動要因や圃場403の状況等に応じた補正が行われるようになっていてもよいし、所定のアルゴリズムに基づいて処理ごとに算出されるようになっていてもよい。
これらの排水と給水に関する処理、あるいは目標値の補正や算出は、他の実施例においても、適用を妨げる特段の自由がない限り、適用できる。
また、本例では、目標値は時刻に応じて変化する温度パターンで規定されているものとしたが、規定されている情報に基づき、天候等の変動要因や圃場403の状況等に応じた補正が行われるようになっていてもよいし、所定のアルゴリズムに基づいて処理ごとに算出されるようになっていてもよい。
これらの排水と給水に関する処理、あるいは目標値の補正や算出は、他の実施例においても、適用を妨げる特段の自由がない限り、適用できる。
実施例2では、圃場403内の貯留水の水温を所定の目標値とすべく、給水と排水を行う。圃場403内の土壌温度と貯留水の水温は略同視し得ることから、貯留水の水温を調整することによっても、圃場403の土壌温度を植物の生育に最適な温度に調整することができる。
この実施例2でも、目標値は図3に示されるように、時刻に応じて変化する温度パターンで規定されている。
この実施例2でも、目標値は図3に示されるように、時刻に応じて変化する温度パターンで規定されている。
また、本例において、給水制御部630と排水制御部640は、以下のように機能する。
給水制御部630による給水の制御は、任意の時刻において、貯留水の水温が当該任意の時刻における目標値よりも高く、水源900の水温が貯留水の水温の計測値よりも低い場合に実行される。また、給水制御部630は、給水開始後、貯留水の水温の計測値が目標値以下となった場合に、水源900からの給水を停止する。
給水制御部630による給水の制御は、任意の時刻において、貯留水の水温が当該任意の時刻における目標値よりも高く、水源900の水温が貯留水の水温の計測値よりも低い場合に実行される。また、給水制御部630は、給水開始後、貯留水の水温の計測値が目標値以下となった場合に、水源900からの給水を停止する。
排水制御部640による排水の制御は、貯留水の水温が当該任意の時刻における目標値よりも高い場合に実行される。また、排水制御部640は、排水開始後、貯留水の水温の計測値が目標値以下となった場合に、排水を停止する。
●処理フロー(実施例2)
続いて、本実施例において、生育管理システム1000によって実行される処理の流れを、図5を参照して説明する。
まず、圃場403では、各センサ(水深センサ921、土壌温度センサ922、圃場水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925、第2流量センサ926)によって圃場403の状態が計測されており、圃場計測部610は当該各センサによる計測情報を取得する(S21)。なお、以降の処理の実行タイミングについては実施例1と同様である。
続いて、本実施例において、生育管理システム1000によって実行される処理の流れを、図5を参照して説明する。
まず、圃場403では、各センサ(水深センサ921、土壌温度センサ922、圃場水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925、第2流量センサ926)によって圃場403の状態が計測されており、圃場計測部610は当該各センサによる計測情報を取得する(S21)。なお、以降の処理の実行タイミングについては実施例1と同様である。
そして、現在時刻における貯留水の水温の目標値と、貯留水の計測値を対比した結果(S22)、貯留水の水温が目標値を下回る場合には、給水と排水を実行しないことに決定し(S23)、処理を終了する。
また、S22による処理と同時並行的に、水源900の水温と貯留水の水温の計測値を対比し(S24)、水源900の水温が貯留水の水温よりも高い場合には、水源900から圃場403へ給水しても貯留水の水温を下げることができないため、給水と排水を実行しないことに決定し(S23)、処理を終了する。
また、S22による処理と同時並行的に、水源900の水温と貯留水の水温の計測値を対比し(S24)、水源900の水温が貯留水の水温よりも高い場合には、水源900から圃場403へ給水しても貯留水の水温を下げることができないため、給水と排水を実行しないことに決定し(S23)、処理を終了する。
一方、貯留水の水温が目標値を上回ると共に、水源900の水温が貯留水の水温の計測値を下回る場合には、算出処理部620は、圃場403内の貯留水の水温を目標値とするために必要な圃場403内への給水量と、貯留水の排水量を算出する(S25)。
なお、給水量と排水量の算出においては、算出根拠として例えば、圃場403内からの排水の流速、水源900から圃場403内への給水の流速に係る情報、貯留水の自然減少の推定値に係る情報が用いられる。
なお、給水量と排水量の算出においては、算出根拠として例えば、圃場403内からの排水の流速、水源900から圃場403内への給水の流速に係る情報、貯留水の自然減少の推定値に係る情報が用いられる。
これに応じて給水制御部630と排水制御部640がそれぞれ、算出処理部620によって算出された給水量に基づく給水及び排水量に基づく排水の制御を水量制御装置700に指示すると、水量制御装置700は水門902、912を適宜に開閉させ、指示された給水と排水の制御を実行する(S26)。
給水と排水の実行後、貯留水の水温の計測値が目標値を下回ると(S27)、給水制御部630と排水制御部640はそれぞれ、給水と排水を停止し(S28)、処理を終了する。
実施例1及び実施例2では、図3に示されるように、土壌温度または貯留水の水温の目標値を時刻に応じて変化する温度パターンで規定する例を示したが、本実施例2では、図6に示すように目標温度を日中や夕方の時間帯の土壌温度または貯留水の水温で規定する例を示す。
図6の実線で示す温度は、圃場403の土壌温度または貯留水の水温の時間変化を示している。例えば夕方18:00時点での圃場403の土壌温度または貯留水の水温(例えば30℃)から予想される夜間の平均土壌温度(または平均水温)が25℃であった場合、夜間の目標平均土壌温度(例えば20℃)を上回ることが予想される。このような場合に夜間の平均温度を低下させるために、日中の任意の時間帯(例えば、18:00)における目標温度を予め設定しておき、当該時間帯に計測された土壌温度又は貯留水の水温と当該目標温度を比較して、図4のS12(図5のS12)の判断以降の処理を行う。
このように、日中の時間帯(例えば、10時〜19時)に目標温度と実測値とを比較して給水及び/又は排水の要否を判断し、給水及び/又は排水を開始することにより、図6の二点鎖線で示すように、夕方以降の土壌温度又は貯留水の水温が低下して、夜間の平均土壌温度(または平均水温)を夜間の目標平均土壌温度(または目標平均水温)まで低下させることが可能となる。
なお、図6では、18時時点での目標値を設定する例を示したが、図7に示すように日中の最も気温が高くなる時間帯(14:00頃)の時点での目標値を規定してもよい。
なお、図6では、18時時点での目標値を設定する例を示したが、図7に示すように日中の最も気温が高くなる時間帯(14:00頃)の時点での目標値を規定してもよい。
実施例1〜3では、土壌温度または貯留水の水温の計測値が、目標温度を上回る場合に、水源900から水を供給する例を説明したが、本実施例4では、夜間の土壌温度または貯留水の水温を効果的に低下させる方法として、圃場403の水深を調整する例を説明する。
日中の日射で暖められた圃場403の土壌と貯留水は、図6や図7の実線で示したように夕方から夜明けの時間帯まで徐々に低下する。ここで、この温度低下の変化幅は圃場403の貯留水の量に応じて変化する。つまり、貯留水の量が多い場合(水深が深い場合)は、外気温の影響を受けにくく日中と夜間の温度変化幅が小さくなり、逆に貯留水の量が少ない場合(水深が浅い場合)は、外気温の影響を受けやすく日中と夜間の温度変化幅が大きくなる傾向がある。
そのため、日中の圃場403の土壌温度または貯留水の水温から予想される夜間の平均土壌温度(または平均水温)が夜間の目標平均土壌温度(または平均水温)よりも高い場合に、圃場403からの排水を行って圃場403の水深を低下させることにより、夜間の平均土壌温度(または平均水温)を目標平均土壌温度(または目標平均水温)に追従させることができる。
●処理フロー(実施例4)
続いて、本実施例において、生育管理システム1000によって実行される処理の流れを、図8を参照して説明する。
まず、圃場403では、各センサ(水深センサ921、土壌温度センサ922、圃場水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925、第2流量センサ926)によって圃場403の状態が計測されており、圃場計測部610は当該各センサによる計測情報を取得する(S31)。
続いて、本実施例において、生育管理システム1000によって実行される処理の流れを、図8を参照して説明する。
まず、圃場403では、各センサ(水深センサ921、土壌温度センサ922、圃場水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925、第2流量センサ926)によって圃場403の状態が計測されており、圃場計測部610は当該各センサによる計測情報を取得する(S31)。
そして、予想される夜間の土壌温度又は貯留水の水温と、夜間における土壌温度又は貯留水の水温の目標値とを対比する(S32)。その結果、予想される夜間の土壌温度又は貯留水の水温が目標値を上回る場合には、夜間に土壌温度又は貯留水の水温を下げるために必要な排水量を算出し(S33)、所定量の排水を実行する(S34)。
なお、夜間に土壌温度又は貯留水の水温を下げるために必要な排水量については、植物の生育のために最低限必要とされる水深を維持すべく、水深に基づいた排水量の限界値を規定しておくのが好適である。
なお、夜間に土壌温度又は貯留水の水温を下げるために必要な排水量については、植物の生育のために最低限必要とされる水深を維持すべく、水深に基づいた排水量の限界値を規定しておくのが好適である。
本実施例5では、実施例1〜3で説明した水源からの水の取込と、実施例4で説明した圃場403からの排水とを組み合わる水管理について説明する。本実施例4では、圃場403の土壌温度または貯留水の水温の計測値が、目標温度を上回る場合であって、水源900の温度が圃場403の土壌温度または貯留水の水温の計測値以上となる場合に、圃場403からの排水を行って、圃場403の水深を下げることにより、夜間の圃場403の平均温度を目標平均温度に追従させることができる。
●処理フロー(実施例5)
続いて、本実施例において、生育管理システム1000によって実行される処理の流れを、図9を参照して説明する。
まず、圃場403では、各センサ(水深センサ921、土壌温度センサ922、圃場水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925、第2流量センサ926)によって圃場403の状態が計測されており、圃場計測部610は当該各センサによる計測情報を取得する(S41)。なお、以降の処理の実行タイミングについては実施例1と同様である。
続いて、本実施例において、生育管理システム1000によって実行される処理の流れを、図9を参照して説明する。
まず、圃場403では、各センサ(水深センサ921、土壌温度センサ922、圃場水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925、第2流量センサ926)によって圃場403の状態が計測されており、圃場計測部610は当該各センサによる計測情報を取得する(S41)。なお、以降の処理の実行タイミングについては実施例1と同様である。
そして、現在時刻における土壌温度(貯留水の水温)の目標値と、計測値を対比した結果(S42)、計測値が目標値を下回る場合には、給水と排水を実行しないことに決定し(S43)、処理を終了する。
一方、土壌温度(貯留水の水温)が目標値を上回る場合において、水源900の水温と貯留水の水温の計測値を対比した結果(S44)、水源900の水温が貯留水の水温よりも高い場合には、水源900から圃場403へ給水しても貯留水の水温を下げることができない。そのため、算出処理部620は、土壌温度又は貯留水の水温を下げるために必要な排水量を算出する(S45)。これに応じて排水制御部640が、算出処理部620によって算出された排水量に基づく排水の制御を水量制御装置700に指示すると、水量制御装置700は水門902、912を適宜に開閉させ、指示された排水の制御を実行する(S46)。
さらに、土壌温度(貯留水の水温)が目標値を上回ると共に、水源900の水温が貯留水の水温の計測値を下回る場合には、算出処理部620は、圃場403内の貯留水の水温を目標値とするために必要な圃場403内への給水量と、貯留水の排水量を算出する(S47)。
これに応じて給水制御部630と排水制御部640がそれぞれ、算出処理部620によって算出された給水量に基づく給水及び排水量に基づく排水の制御を水量制御装置700に指示すると、水量制御装置700は水門902、912を適宜に開閉させ、指示された給水と排水の制御を実行する(S48)。
給水と排水の実行後、土壌温度(貯留水の水温)の計測値が目標値を下回ると(S49)、給水制御部630と排水制御部640はそれぞれ、給水と排水を停止し(S4a)、処理を終了する。
実施例6では、圃場403内の土壌の目標値から貯留水の水温の目標値を算出し、貯留水の水温を当該算出された目標値にすることで、圃場403の温度を調整する。
本例において、算出処理部620は以下のように機能する。
本例において、算出処理部620は以下のように機能する。
算出処理部620は、土壌温度を計測値から目標値とするために必要な圃場403内の貯留水の水温の目標値を算出する。この水温の目標値の算出においては、貯留水から圃場403内の土壌へ伝わる熱伝達係数を用いることができる。
●処理フロー(実施例6)
続いて、本実施形態に係る生育管理システム1000によって実行される処理の流れについて、図10を参照して説明する。
まず、圃場403では、各センサ(水深センサ921、土壌温度センサ922、圃場水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925、第2流量センサ926)によって圃場403の状態が計測されており、圃場計測部610は当該各センサによる計測情報を取得する(S51)。なお、以降の処理の実行タイミングについては実施例1と同様である。
続いて、本実施形態に係る生育管理システム1000によって実行される処理の流れについて、図10を参照して説明する。
まず、圃場403では、各センサ(水深センサ921、土壌温度センサ922、圃場水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925、第2流量センサ926)によって圃場403の状態が計測されており、圃場計測部610は当該各センサによる計測情報を取得する(S51)。なお、以降の処理の実行タイミングについては実施例1と同様である。
土壌温度の目標値と実際の土壌温度を対比した結果(S52)、土壌温度が目標値を下回る場合には、給水と排水を実行しないことに決定し(S53)、処理を終了する。
一方、土壌温度の目標値と実際の土壌温度を対比した結果(S52)、土壌温度が目標値を上回る場合には、圃場403内の土壌温度を目標値とするために必要な圃場403内への給水量と、貯留水の排水量を算出すべく、貯留水の水温の目標値を算出する(S54)。この水温の目標値の算出においては、貯留水から圃場403内の土壌へ伝わる熱伝達係数が好適に用いられる。
そして、圃場403内の貯留水の水温、圃場403内の水深、圃場面積、及び水源900の水温に基づき、水源900の水温が貯留水の水温の目標値よりも低いことを条件として(S55)、圃場403内の貯留水の水温を計測値から目標値とするために必要な給水量と排水量を算出する(S56)。
そして、圃場403内の貯留水の水温、圃場403内の水深、圃場面積、及び水源900の水温に基づき、水源900の水温が貯留水の水温の目標値よりも低いことを条件として(S55)、圃場403内の貯留水の水温を計測値から目標値とするために必要な給水量と排水量を算出する(S56)。
なお、給水量と排水量の算出においては、算出根拠として例えば、圃場403内からの排水の流速、水源900から圃場403内への給水の流速に係る情報、貯留水の自然減少の推定値に係る情報が用いられる。
また、水源900の水温が目標値と同じかそれよりも高い場合には、水源900から圃場403へ給水しても貯留水の水温、ひいては土壌温度を下げることができないため、給水と排水を実行しないことに決定し(S53)、処理を終了する。
また、水源900の水温が目標値と同じかそれよりも高い場合には、水源900から圃場403へ給水しても貯留水の水温、ひいては土壌温度を下げることができないため、給水と排水を実行しないことに決定し(S53)、処理を終了する。
これに応じて給水制御部630と排水制御部640がそれぞれ、算出処理部620によって算出された給水量に基づく給水及び排水量に基づく排水の制御を水量制御装置700に指示すると、水量制御装置700は水門902、912を適宜に開閉させ、指示された給水と排水の制御を実行する(S57)。
給水と排水の実行後、貯留水の水温の計測値が目標値を下回ると(S58)、給水制御部630と排水制御部640はそれぞれ、給水と排水を停止し(S59)、処理を終了する。
実施例7では、上述した実施例において、給水制御部630と排水制御部640がそれぞれ、給水又は排水の開始後、土壌温度又は貯留水の水温の計測値の単位時間当りの温度低下幅が所定値よりも小さくなった場合に、給水又は排水を停止する。
図11は、給水制御部630により給水を開始してから、圃場403の土壌温度が目標値(目標温度)に向かって低下していく状況を示している。図11から明らかなように、単位時間当たりの温度低下幅が0.2℃/hよりも小さくなると、給水による温度低下の効果が小さくなっている。そこで、温度低下幅が0.2℃/hとなったことをトリガーとして、給水制御部630による給水と排水制御部640による排水を停止する。なお、給水と排水の停止に好適な温度低下幅は、季節や天候等の影響に応じて変わるため、状況に応じた値を参照用テーブルに保持し、これに基づいて制御するとよい。
また、土壌温度又は貯留水の水温が目標値を下回ったか否かの判断と、温度低下幅が所定の値に達したか否かの判断は、重畳的に実行されてもよい。
また、土壌温度又は貯留水の水温が目標値を下回ったか否かの判断と、温度低下幅が所定の値に達したか否かの判断は、重畳的に実行されてもよい。
実施例8では、上述した実施例において、給水制御部630による給水の制御指示に応じて、水量制御装置700が水門板開閉装置931および第2水門板開閉装置932により水門902、912を所定の態様で開閉させ、圃場403の温度を効率よく調整する。
本例では、水門902、912の開閉制御として例えば、図12に示すように3つの方法を示す。
方法1は、半開状態(50%)で給水量を調整する。
方法2は、開状態の時間t1と閉状態の時間t2を交互に繰り返す方法であり、t1とt2の時間を調整して給水量を調整する。
方法3は、全開状態で給水量を調整する。
本例では、水門902、912の開閉制御として例えば、図12に示すように3つの方法を示す。
方法1は、半開状態(50%)で給水量を調整する。
方法2は、開状態の時間t1と閉状態の時間t2を交互に繰り返す方法であり、t1とt2の時間を調整して給水量を調整する。
方法3は、全開状態で給水量を調整する。
以上の本実施形態に係る生育管理システム1000により、土壌の状況に応じて圃場403外の水源900から圃場403に給水し、これにより土壌温度を所定の温度に調整することができる。特に、農作物の生育においては、光合成によって生み出され、植物の生長に使われるショ糖を胚乳の生長により多く分配させるべく土壌温度を低くすることが求められる。この点で、圃場403外の水源900から貯留水よりも低温な水を圃場403に供給することによって土壌温度を低くすることができる。その結果、栄養価の高い米を多量に生育させられるなど、質の良い農作物の収穫が期待できる。
なお、本実施形態に係る生育管理装置600又は生育監視システム1000においては、土壌温度を目標値とする制御のみならず、目標値に近づける制御やそのための構成も本発明の射程範囲にある。例えば、計測された貯留水の水温が、土壌温度を目標値とすべく算出された水温の目標値を上回る場合に、貯留水の自然減少分のみの給水を実行し、これにより土壌温度を目標値に近づける処理も、本発明によって実現することができる。また、水源900の水温が高く、土壌温度を目標値にすることが難しい場合でも、水源900から給水することによって土壌温度を少しだけでも目標値に近づけられることもある。このような例も、土壌温度を目標値に近づけることができるという点において一定の程度、本発明が目的とする効果を実現しているということができる。
また、本実施形態に係る生育管理装置600及び生育監視システム1000による処理においては、図3を参照して説明したとおり、土壌温度又は貯留水の水温が目標値を上回ると共に、水源900の水温が目標値を下回る場合に給水と排水を実行するものとしたが、これに限らず、他の実施形態においては、土壌温度又は貯留水の水温が目標値を上回るか否か、又は水源900の水温が目標値を下回るか否かのいずれかの判断のみを実行し、その結果に応じて給水と排出を実行することもできる。
また、土壌温度を目標値とする処理のログを各センサ(水深センサ921、土壌温度センサ922、水温センサ923、水源水温センサ924、流量センサ925、第2流量センサ926)、とりわけ植物の生育に影響する土壌温度センサ922や水温センサ923の計測結果を記録し、生育時の記録と実際の収量とを対比、分析するようにしてもよい。生育状況の分析においてはさらに、赤色光(波長約650nm)と近赤外光(波長約774nm)の反射光による圃場403の画像を取得してNDVI(Normalized Difference Vegetation Index)を計算することが有効である。NDVIによれば、植物の生育状況の分析、ひいては、作物の収穫量の予測を行うことができる。一般に、NDVIは(IR − R)/(IR + R)という計算式により求められる(ここで、IRは近赤外光の反射率、Rは赤色光の反射率)である。IRとRは圃場403の画像を周波数帯域毎に分析することにより得られるが、カメラにより得られる光量はその時点の環境光等に大きく影響されるため、単に光量のデータだけでは正確な分析を行なうことはできない。状況に応じた適切な補正を行なうことが必要である。
また、植物の全生育過程は、栽培的に3つの生育期間、すなわち栄養生長期、生殖生長期および
登熟期に分けられる。例えば、稲であれば、栄養生長期間は発芽から穂の基となるもの(穂の原基)ができるまで、生殖生長期間は穂の原基ができてから出穂・開花まで、登熟期間は出穂・開花から成熟までに相当する。栄養生長期間は、一定の間隔で本葉が形成され、それに伴ってある規則性に則って分げつが作られる。分げつ盛期は茎数が急増する時期をいう。また単位面積当たりの茎数が最大になった時期は最高分げつ期といわれる。この時期は、品種・地域によって幼穂分化の前になったり後になったりする。分げつ数が出穂期の穂数と等しくなる時期を有効分げつ終止期という。生殖生長期間は、稈の伸長、分げつの減少、止葉の出現、穂ばらみ、出穂・開花に特徴づけられる。栽培の分野では“幼穂形成期”という言葉が生育診断や追肥時期の判定によく使われる。これは幼い穂の長さが約2mmに達した時期をいい、出穂前25日頃に当たる。この頃から節間の伸長が始まる。出穂は先端の穎花が止葉の基部からでることである。普通よく使用される出穂期は圃場全体で50%が出穂している状態をいう。登熟期間は受精を終えると始まり、乳熟、糊熟、黄熟および完熟の4期に区分される。これらは生長する玄米の固さや籾の色に基づいている。たとえば、乳熟期は籾を指で押しつぶすと乳液状の時期、また糊熟期は同様に糊状の時期に当たる。このような稲の生育特性はどの品種、地域にも適用できる基本的なものである。
この点、栄養生長期、生殖生長期、及び登熟期に応じて土壌温度の目標値を変更したり、胚乳が生長する登熟期にのみ土壌温度を管理して胚乳に栄養が多く使われるようにしたりしてもよい。
登熟期に分けられる。例えば、稲であれば、栄養生長期間は発芽から穂の基となるもの(穂の原基)ができるまで、生殖生長期間は穂の原基ができてから出穂・開花まで、登熟期間は出穂・開花から成熟までに相当する。栄養生長期間は、一定の間隔で本葉が形成され、それに伴ってある規則性に則って分げつが作られる。分げつ盛期は茎数が急増する時期をいう。また単位面積当たりの茎数が最大になった時期は最高分げつ期といわれる。この時期は、品種・地域によって幼穂分化の前になったり後になったりする。分げつ数が出穂期の穂数と等しくなる時期を有効分げつ終止期という。生殖生長期間は、稈の伸長、分げつの減少、止葉の出現、穂ばらみ、出穂・開花に特徴づけられる。栽培の分野では“幼穂形成期”という言葉が生育診断や追肥時期の判定によく使われる。これは幼い穂の長さが約2mmに達した時期をいい、出穂前25日頃に当たる。この頃から節間の伸長が始まる。出穂は先端の穎花が止葉の基部からでることである。普通よく使用される出穂期は圃場全体で50%が出穂している状態をいう。登熟期間は受精を終えると始まり、乳熟、糊熟、黄熟および完熟の4期に区分される。これらは生長する玄米の固さや籾の色に基づいている。たとえば、乳熟期は籾を指で押しつぶすと乳液状の時期、また糊熟期は同様に糊状の時期に当たる。このような稲の生育特性はどの品種、地域にも適用できる基本的なものである。
この点、栄養生長期、生殖生長期、及び登熟期に応じて土壌温度の目標値を変更したり、胚乳が生長する登熟期にのみ土壌温度を管理して胚乳に栄養が多く使われるようにしたりしてもよい。
また、本実施形態に係る生育管理装置600又は生育監視システム1000は、植物の生育を管理することが望ましい各種の場面に適用させることができ、例えば、農業用ドローンを用いた農業システムに組み込むことができる。各種のシステムへの組み込みにおいては、本例で説明したハードウェアやソフトウェアの機能あるいは処理結果の全部や一部を共有することもできる。
また、各種の処理結果や処理状況を確認可能とすべく、携帯可能な端末等に有線あるいは無線によるネットワーク経由で情報を出力したり、かかる端末により処理結果等のデータの加工や編集等の入力を受け付けたりしてもよい。
また、各種の処理結果や処理状況を確認可能とすべく、携帯可能な端末等に有線あるいは無線によるネットワーク経由で情報を出力したり、かかる端末により処理結果等のデータの加工や編集等の入力を受け付けたりしてもよい。
Claims (20)
- 圃場内の植物の生育を管理するシステムであって、
前記圃場内に給水する水源の水温を計測する水源水温計測手段と、
前記圃場内の土壌温度を計測する土壌温度計測手段又は前記圃場内の貯留水の水温を計測する圃場水温計測手段と、
前記水源から圃場内への給水を制御する給水制御手段と、を有し、
前記給水制御手段は、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が目標値よりも高く、前記水源の水温が前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値よりも低い場合に、前記水源から前記圃場内に給水を行う、
植物の生育管理システム。 - 前記目標値は、時刻に応じて変化する温度パターンで規定されており、
前記給水制御手段は、任意の時刻において、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が前記目標値よりも高く、前記水源の水温が前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値よりも低い場合に、前記水源から前記圃場内に給水を行う、
請求項1記載の植物の生育管理システム。 - 前記目標値は、任意の時刻における温度で規定されており、
前記給水制御手段は、前記任意の時刻において、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が前記目標値よりも高く、前記水源の水温が前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値よりも低い場合に、前記水源から前記圃場内に給水を行う、
請求項1に記載の植物の生育管理システム。 - 前記圃場内からの排水を制御する排水制御手段、をさらに有する、
請求項1乃至3いずれかの項に記載の植物の生育管理システム。 - 前記土壌温度を目標値とするために必要な前記圃場内の貯留水の排水量を算出する第一の算出処理手段、をさらに有し、
前記排水制御手段は、算出された前記排水量に基づき、前記圃場内の貯留水の排水を制御する、
請求項4記載の植物の生育管理システム。 - 前記排水制御手段は、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が前記目標値よりも高く、前記水源の水温が前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値以上の場合に、前記圃場から排水を行う、
請求項4又は5に記載の植物の生育管理システム。 - 前記給水制御手段は、給水開始後、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が前記目標値以下となった場合に、前記水源からの給水を停止する、
請求項1乃至6いずれかの項に記載の植物の生育管理システム。 - 前記給水制御手段は、給水開始後、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値の単位時間当りの温度低下幅が所定値よりも小さくなった場合に、前記水源からの給水を停止する、
請求項1乃至7いずれかの項に記載の植物の生育管理システム。 - 前記土壌温度又は前記貯留水の水温を予め設定された目標値とするために必要な前記圃場内への給水量を算出する第二の算出処理手段、をさらに有し、
前記給水制御手段は、算出された前記給水量に基づき、前記圃場内への給水を行う、
請求項1乃至8のいずれかの項に記載の植物の生育管理システム。 - 前記第二の算出処理手段は、前記土壌温度を計測値から前記目標値とするために必要な前記圃場内の貯留水の水温の目標値を算出すると共に、前記圃場内の貯留水の水温、前記圃場内の水深、圃場面積、及び前記水源の水温に基づき、前記圃場内の貯留水の水温を計測値から当該算出された目標値とするために必要な給水量を算出する、
請求項9記載の植物の生育管理システム。 - 前記第二の算出処理手段は、前記貯留水から前記圃場内の土壌へ伝わる熱伝達係数に基づいて前記圃場内の貯留水の水温の目標値を算出する、
請求項10記載の植物の生育管理システム。 - 前記第二の算出処理手段は、前記給水量の算出において、外気との熱伝達及び日射による温度上昇に係る情報を算出根拠に用いる、
請求項9乃至11いずれかの項に記載の植物の生育管理システム。 - 前記第二の算出処理手段は、前記給水量の算出において、前記圃場内からの排水の流速、水源から圃場内への給水の流速に係る情報を算出根拠に用いる、
請求項9乃至12いずれかの項に記載の植物の生育管理システム。 - 前記第二の算出処理手段は、前記給水量の算出において、前記貯留水の自然減少の推定値に係る情報を算出根拠に用いる、
請求項7乃至13いずれかの項に記載の植物の生育管理システム。 - 前記水源と前記圃場の間に設けられ、前記給水制御手段による制御に応じて開閉する水門、をさらに有し、
前記給水制御手段は、前記圃場内への給水量が前記目標値となるまで前記水門を制御して全開状態もしくは半開状態に保持する、
請求項1乃至14いずれかの項に記載の植物の生育管理システム。 - 前記水源と前記圃場の間に設けられ、前記給水制御手段による制御に応じて開閉する水門、をさらに有し、
前記給水制御手段は、圃場内への給水量が前記目標値となるまで、前記水門を制御して繰り返し開状態と閉状態にする、
請求項1乃至14いずれかの項に記載の植物の生育管理システム。 - 圃場内の植物の生育を管理する方法であって、
コンピュータにより、
前記圃場内に給水する水源の水温を計測する水源水温計測処理と、
前記圃場内の土壌温度を計測する土壌温度計測処理又は前記圃場内の貯留水の水温を計測する圃場水温計測処理と、
前記水源から前記圃場内への給水を制御する給水制御処理と、を実行し、
前記給水制御処理は、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が目標値よりも高く、前記水源の水温が前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値よりも低い場合に、前記水源から前記圃場内に給水を行う、
植物の生育管理方法。 - 圃場内の植物の生育を管理するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに対し、
前記圃場内に給水する水源の水温を計測する水源水温計測処理と、
前記圃場内の土壌温度を計測する土壌温度計測処理又は前記圃場内の貯留水の水温を計測する圃場水温計測処理と、
前記水源から前記圃場内への給水を制御する給水制御処理と、を実行させ、
前記給水制御処理は、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が目標値よりも高く、前記水源の水温が前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値よりも低い場合に、前記水源から前記圃場内に給水を行うものである、
植物の生育管理プログラム。 - 圃場内の植物の生育を管理するシステムであって、
前記圃場内の土壌温度を計測する土壌温度計測手段又は前記圃場内の貯留水の水温を計測する圃場水温計測手段と、
前記圃場からの排水を制御する排水制御手段と、を有し、
前記排水制御手段は、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が目標値よりも高い場合に、前記圃場から排水を行う、
植物の生育管理システム。 - 水源から圃場内への給水を制御する給水制御手段、をさらに有し、
前記給水制御手段は、前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値が目標値よりも高く、前記水源の水温が前記土壌温度又は前記貯留水の水温の計測値よりも低い場合に、前記水源から前記圃場内に給水を行う、
請求項19に記載の植物の生育管理システム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022234791A1 (ja) | 2021-05-06 | 2022-11-10 | 日本製鉄株式会社 | 骨格部材 |
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2019
- 2019-11-21 JP JP2019210778A patent/JP2021078461A/ja active Pending
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