ところで、上記従来のシャリ玉整列装置は、所定形状に成形されたシャリ玉をトレー上に整列状態で落下供給する機能を有するが、所謂寿司を完成させるためには、シャリ玉成形装置からトレーを取り外して、別の場所に設置し、トレー上に整列された複数のシャリ玉上にネタを載せる作業を行う必要があり、シャリ玉と寿司ネタは基本的には別体である。
また、上記装置で成形されたシャリ玉は、所謂、寿司飯用のシャリ玉であるから、角の取れた細長の略直方体形状であり、仮に、寿司飯の形状自体を別の形状に変更しようとすると、シャリ玉供給装置のシャリ玉成形円盤自体を取り替える必要があり、容易にシャリ玉の形状を変更することはできない。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、寿司用のネタと寿司飯を一体に成形することが可能な寿司成形型及び寿司成形方法を提供することを目的とする。
また、飯塊は、従来の略直方体形状の細長の飯塊(シャリ玉)を供給されても、別の形状、例えば球状に近い別の形状の寿司を成形することができる寿司成形型及び寿司成形方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、複数のシャリ玉成形孔が貫通形成された上成形型と、上記上成形型に装着可能なものであって、装着時において上記上成形型と共に平坦面に載置した状態で複数の上記シャリ玉成形孔の各々の下開口を略面一に閉鎖し得る複数の閉鎖用突起を有する下成形型と、上記上成形型の上面に装着可能であって上記上成形型と同数のシャリ玉成形穴が貫通形成され上記シャリ玉成形孔に深さを設けるための中間型とから成形型が構成され、かつ上記中間型の複数の上記シャリ玉成形孔の上開口に対応する下向押圧用突起を有する押圧板が設けられ、上記平坦面に上記成形型が上記下成形型を最下部として載置され、複数の上記シャリ玉成形孔内に寿司ネタを下にした飯塊が供給された状態において、上記押圧板の上記各下向押圧用突起を上記中間型の上記シャリ玉成形孔の上記各上開口に嵌合させ下向きに押圧し得るように構成され、上記押圧により上記シャリ玉成形孔の形状に上記寿司ネタ及び飯塊を成形し得るように構成されたものである寿司成形型により構成される。
このように構成すると、例えば上成形型のシャリ玉成形孔の底面を略半球状とし、閉鎖用突起にて下開口を略面一に閉鎖し、中間型にてシャリ玉成型孔に深さを設け、下向押圧用突起の飯塊に接する端面を例えば球面状とすることにより、該下向押圧用突起にてシャリ玉成形孔内の飯塊を押圧することにより、例えば寿司ネタと共に略球状(手毬状)の寿司を成形することができる。また、シャリ玉成形孔は中間型により深さが設けられているので、既存のシャリ玉供給装置で成形された細長のシャリ玉(飯塊)をそのままシャリ玉成形孔内に例えば縦方向(長手方向が上下方向となるように)に投入しても何ら問題なく、従来のシャリ玉の形状とは異なる形状の例えば、略球状(手毬状)の寿司を成形することができる。
第2に、上記下成形型は上記平坦面に設置されていない状態においては上記上成形型に対してその厚さ方向に摺動し得るように構成され、上記平坦面に上記成形型を上記下成形型を最下部として載置された状態において、上記押圧板を以って上記下向押圧用突起を上記中間型の上記シャリ玉成形孔内の上記上開口に嵌合させ上記シャリ玉成形孔内の飯塊の成形を行った後、上記成形型を上記押圧板を嵌合したまま天地逆転した状態において、上記上成形型及び下成形型を取り外すことにより、上記押圧板の上記下向押圧用突起の上に上部に寿司ネタが乗った状態の成形されたシャリ玉が露出するように構成され、上記天地逆転した状態において、上記下成形型を上記上成形型に近接する方向に摺動することにより、上記閉鎖用突起が上記上成形型の上記シャリ玉成形孔内に突出し得るように構成されたものである上記第1記載の寿司成形型により構成される。
下向押圧用突起の上とは、下向押圧用突起の端面(9a)をいう。このように構成すると、天地逆転した状態において、下成形型を上成形型に近接する方向に摺動して、閉鎖用突起を上成形型のシャリ玉成形孔内に突出させることにより、シャリ玉成形孔から成形された寿司の離脱を促進させることができる。また、押圧板の複数の下向押圧用突起の上に成形された寿司ネタの乗った状態の複数の寿司を一度に成形することができる。
第3に、上記下成形型の上記閉鎖用突起は、その上面が十字状に構成されており、上記上成形型の上記シャリ玉成形孔の上記下開口は、上記上面が嵌合し得る十字状の開口に形成されているものである上記第1又は2記載の寿司成形型により構成される。
このように構成すると、天地逆転して、下成形型を上成形型に近接する方向に摺動して閉鎖用突起をシャリ玉成形孔内に突出させる際、閉鎖用突起の上面が十字状であるため、寿司ネタへの接触面積が小となり、このため閉鎖用突起の上面への寿司ネタくっつきを防止して、円滑に寿司ネタの乗った状態の寿司のシャリ玉成形孔からの離脱を行うことができる。
第4に、上記下成形型の両辺には門型係合部が形成され、上記上成形型の両辺の対応部分の側壁には、上記係合部に係合して上記下成形型の上記上成形型からの下方向への抜け止めを行う係合片が設けられ、上記係合片は外側に弾性変形することにより、上記門型係合部への係合を解除可能に形成されたものである上記第1〜3の何れかに記載の寿司成形型により構成される。
上記下成形型の両辺とは例えば両短辺をいう。上記上成形型の両辺の対応部分の側壁とは例えば上成形型の両短辺側の側壁をいう。このように構成すると、上成形型の係合片を門型係合部に係合させることにより、上成形型を持ち上げても下成形型が下方向に抜けないので、例えば、シャリ玉供給装置にて飯塊をシャリ玉成形孔内に自動的に投入後に、上成形型を持って、他の平坦面に成形型を載置する際、下成形型は上成形型への係合状態を維持し得るので便宜である。また、成形が終了して、洗浄時等、上成形型と下成形型を分離する際は、係合部を外側に弾性変形することにより簡単に両者を分離することができる。
第5に、シャリ玉排出口の下側に載置部のX方向Y方向移動機構を有するシャリ玉供給装置が設けられ、上記成形型は上記中間型を上側に上記載置部の上面に設置固定され、上記複数のシャリ玉成形孔内への飯塊の供給は、上記X方向Y方向移動機構によって上記成形型をX方向又はY方向に移動しながら上記シャリ玉排出口から上記シャリ玉成形孔内に飯塊を1個ずつ落下供給されることにより行われるものである上記第1〜4の何れかに記載の寿司成形型により構成される。
上記載置部は例えばトレー(20)により構成することができる。このように構成すると、シャリ玉成形孔内の飯塊の投入を既存のシャリ玉供給装置により自動的にシャリ玉成形孔内に飯塊を投入することができる。この場合、既存のシャリ玉供給装置により成形される飯塊は細長の略直方体形状であるが、成形型には中間型によってシャリ玉成形孔に深さを設けているので、シャリ玉成形孔内に縦に落下供給することができ、細長の飯塊であっても何ら支障を来すことはない。
第6に、上記飯塊は細長形状であり、上記シャリ玉供給装置からの上記シャリ玉成形孔内への上記飯塊の上記落下供給は、上記シャリ玉成形孔内において上記飯塊が縦方向に位置するように行われるものである上記第5記載の寿司成形型により構成される。
上記細長形状は、例えば細長の略直方体形状をいう。このように構成すると、既存のシャリ玉供給装置で成形される細長形状の飯塊をそのまま寿司成形型のシャリ玉成形孔に縦方向に落下供給することができ、既存のシャリ玉供給装置をそのまま利用することができる。
第7に、複数のシャリ玉成形孔が貫通形成された上成形型と、上記上成形型に装着可能なものであって、装着時において上記上成形型と共に平坦面に載置した状態で複数の上記シャリ玉成形孔の各々の下開口を略面一に閉鎖し得る複数の閉鎖用突起を有する下成形型と、上記上成形型の上面に装着可能であって上記上成形型と同数のシャリ玉成形穴が貫通形成され上記シャリ玉成形孔に深さを設けるための中間型とから成形型が構成され、上記中間型の複数の上記シャリ玉成形孔の上開口に対応する複数の下向押圧用突起を有する押圧板を具備する寿司成形型を使用した寿司成形方法であって、上記平坦面に上記成形型が上記下成形型を最下部として載置する工程と、複数の上記シャリ玉成形孔の底部に寿司ネタを入れる工程と、複数の上記シャリ玉成形孔内に飯塊を入れる工程と、上記押圧板の上記各下向押圧用突起を上記中間型の上記シャリ玉成形孔の上記各上開口に嵌合させ下向きに押圧することにより、上記シャリ玉成形孔の形状に上記寿司ネタ及び飯塊を成形する工程と、上記押圧板を嵌合したまま上記成形型を天地逆転させて上記押圧板を最下部として上記平坦面に載置する工程と、上記上成形型及び下成形型を取り外すことにより、上記押圧板の上記下向押圧用突起の上に上部に寿司ネタが乗った状態の成形されたシャリ玉を露出させる工程とからなる寿司成形型を使用した寿司成形方法により構成される。
このように構成すると、例えば、シャリ玉成形孔の底面の形状を球面状とし、かつ下向押圧用突起の押圧面(端面)の形状を球面状とすることにより、寿司ネタの乗った状態の略球状(手鞠状)の寿司を成形することができ、既存のシャリ玉供給装置のシャリ玉の形状に限定されない形状の寿司を成形することができる。
第8に、上記下成形型は上記平坦面に設置されていない状態においては上記上成形型に対してその厚さ方向に摺動し得るように設けられており、上記成形型を天地逆転させて上記平坦面に載置した後、上記上成形型及び下成形型を取り外す際に、上記下成形型を上記上成形側の方向に摺動させることにより、上記閉鎖用突起を上記上成形型の上記シャリ玉成形孔内に突出させ、上記シャリ玉成形孔内からの上記寿司ネタ及びシャリ玉の離脱を促進させる工程を含む上記第7記載の寿司成形型を使用した寿司成形方法により構成される。
このように構成すると、天地逆転した後、下成形型の閉鎖用突起を上成形型のシャリ玉成形孔内に突出させることにより、シャリ玉成形孔からの寿司ネタ及びシャリ玉の離脱を促進させることができ、円滑に、上成形型及び下成形型を押圧板から離脱することができる。尚、このとき、中間型は、押圧板側に残すことが好ましい。
第9に、シャリ玉排出口の下側に、載置部のX方向Y方向移動機構を有するシャリ玉供給装置が設けられ、上記複数のシャリ玉成形孔内への飯塊の供給は、上記載置部上に上記成形型を設置し、上記X方向Y方向移動機構によって上記成形型をX方向又はY方向に移動しながら上記シャリ玉排出口から上記シャリ玉成形孔内に飯塊を自動的に落下供給することにより行うことを特徴とする上記第7又は8に記載の寿司成形型を使用した寿司成形方法により構成される。
上記載置部は例えばトレー(20)である。このように構成すると、シャリ玉成形孔内への飯塊の供給を完全に自動化することができる。
第10に、上記飯塊は細長形状であり、上記シャリ玉供給装置からの上記シャリ玉成形孔内への上記飯塊の上記落下供給は、上記シャリ玉成形孔内において、上記飯塊が縦方向に位置するように行われる上記第9記載の寿司成形型を使用した寿司成形方法により構成される。
このように構成すると、既存のシャリ玉供給装置で成形される細長形状の飯塊をそのまま寿司成形型のシャリ玉成形孔に縦方向に落下供給することができ、既存のシャリ玉供給装置をそのまま利用することができる。
本発明は上述のように、下向押圧用突起にてシャリ玉成形孔内の飯塊を押圧することにより、既存のシャリ玉の形状とは異なる形状、例えば寿司ネタと共に略球状(手毬状)の寿司を容易に成形することができる。
また、シャリ玉成形孔は中間型により深さが設けられているので、既存のシャリ玉供給装置で成形された細長のシャリ玉(飯塊)をそのままシャリ玉成形孔内に投入しても何ら問題なく、例えば略球状(手毬状)の寿司を成形することができる。
また、天地逆転した状態において、下成形型を上成形型に近接する方向に摺動可能に構成したので、閉鎖用突起を上成形型のシャリ玉成形孔内に突出させることにより、シャリ玉成形孔から成形された寿司の離脱を促進させることができる。
また、押圧板の複数の下向押圧用突起の上に成形された寿司ネタの乗った状態の複数の寿司を一度に成形することができる。
また、閉鎖用突起の上面が十字状であるため、寿司ネタへの接触面積が小となり、このため閉鎖用突起の上面への寿司ネタくっつきを防止して、円滑に寿司ネタの乗った状態の寿司のシャリ玉成形孔からの離脱を行うことができる。
上成形型の係合片を門型係合部に係合させることにより、上成形型を持ち上げても下成形型が下方向に抜けないので、成形型の移送に便宜である。
また、成形が終了して、洗浄時等、上成形型と下成形型を分離する際は、係合部を外側に弾性変形することにより簡単に両者を分離することができる。
シャリ玉成形孔内の飯塊の投入を、既存のシャリ玉供給装置により自動的に行うことができる。この場合、既存のシャリ玉供給装置により成形される飯塊は細長の略直方体形状であるが、成形型には中間型によってシャリ玉成形孔に深さを設けているので、細長形状の飯塊であってもシャリ玉成形孔内に縦に落下供給することができ、何ら支障を来すことはない。
また、天地逆転した状態の複数の下向押圧用突起の上に、複数の寿司ネタが載った状態の寿司(例えば手毬寿司)を極めて容易に成形することができるので、その後の作業(例えば皿載せ作業等)に容易に移行することができる。
以下、本発明における寿司成形型及びそれを使用した寿司成形方法について詳細に説明する。
図1に示すように、複数のシャリ玉成形孔2が貫通形成された上成形型1と、上記上成形型1の内側に装着可能なものであって、装着時において上記上成形型1と共に平坦面8に載置した図3の状態で、複数の上記シャリ玉成形孔2の各々の例えば十字状の下開口2b(図8参照)を略面一に閉鎖し得る例えば十字状の上面3aを有する複数の閉鎖用突起3を有する下成形型4と、上記上成形型1の上面に装着可能であって上記上成形型1と同数のシャリ玉成形孔5が貫通形成され上記シャリ玉成形孔2に深さを設けるための中間型6とから成形型7が構成され、かつ上記中間型6の複数の上記シャリ玉成形孔5の上開口5aに対応する下向押圧用突起9を有する押圧板10が設けられ、図4に示すように、上記平坦面8に上記成形型7が上記下成形型4を最下部として載置され、複数の上記シャリ玉成形孔2,5内に寿司ネタNを下にした飯塊Rが供給された状態において、図5に示すように、上記押圧板10の上記各下向押圧用突起9を上記中間型6の上記シャリ玉成形孔5の上記各上開口5aに嵌合させ下向き(図5(b)矢印B参照)に押圧し得るように構成され、これにより上記シャリ玉成形孔2,5の形状に上記寿司ネタN及び飯塊Rを同時に成形し得るように構成されたものである寿司成形型により構成される(図5(b)参照)。尚、上成形型1、下成形型4、中間型6及び押圧板10は何れも合成樹脂製である。
上記上成形型1は、図1に示すように、長方形の箱状に構成されており、その上面2’に、短辺方向に沿って3個、長辺方向に沿って6個の計18個のシャリ玉成形孔2が凹状に形成されており、これらのシャリ玉成形孔2は、図2、図8に示すように、内部は略半球状であり、底面には十字状(又は「×」状)の下開口2bが貫通形成されている。このシャリ玉成形孔2は、より詳細には、上開口2aは円形であり、上開口2aより下向に若干の円筒部を経て、底面2hは360度に亘り球面状に湾曲した略半球状を成しており、シャリ玉成形孔2,5内に飯塊Rを投入し、後述の押圧板10の下向押圧用突起9の半球状(上に凹状)の端面9aで押圧することにより、略球状(手毬状)のシャリ玉R’(図6(b)、図13参照)を成形することができるようになっている。尚、上記下開口2bは、上記球面状に湾曲した底面2hに、十字状の中心Pが上開口2aの円の中心に一致するように開口形成されている(図2、図8参照)。
また、この上成形型1は、周辺の側壁(短辺側の側壁2c,2c、長辺側の側壁2d,2d)が上下方向に長く形成されており、上記シャリ玉成形孔2は上下方向の上半部に位置しており(図2参照)、内部の上下方向の下半部(シャリ玉成形孔2の下側)には、下成形型4の挿入空間Sが形成され、下方向には長方形の開口部2eが形成されている(図12参照)。
上記下成形型4は、図1に示すように、長方形の底板4a上に、上記18個のシャリ玉成形孔2に対応して、18本(短辺方向に沿って3本、長辺方向に沿って6本の計18本)の閉鎖用突起3が上向きに突出形成されている。
これらの閉鎖用突起3は、何れも上面は、上記シャリ玉成形孔2の十字状の上記下開口2bに嵌合可能な十字状(又は「×」状)の上面3aを構成していると共に(図9参照)、上記各シャリ玉成型孔2の底面2hの球状の湾曲形状に沿う、球状の湾曲形状(凹面状)をなしている(図1、図2参照)。また、閉鎖用突起3そのものも、上記上面3aを上下方向に延長した十字状円柱3bをなしており、どの位置で横断面を切っても横断面は十字状をなすように構成されている。従って、各閉鎖用突起3は、各々対応するシャリ玉成形孔2内に、その十字状の下開口2bからシャリ玉成形孔2内に挿入し得るように構成されている(図6(b)上面3aの二点鎖線参照)。
このように、上記下成形型4の上記閉鎖用突起3は、その上端部(上面)3aが十字状に構成されており、上記上成形型1の上記シャリ玉成形孔2の上記下開口2bは、上記上端部(上面)3aが嵌合し得る十字状の開口に形成されている。
そして、上記下成形型4は、上記底板4aの面積は、上記上成形型1の開口部2eの面積より小に形成されており、図3に示すように、上記下成形型4をその底板4aを以って作業机等の平坦面8に載置した状態において、その上に上成形型1をシャリ玉成形孔2を上側にして被覆すると、上記下成形型4の上記底板4aは上記上成形型1の上記開口部2e内(上成形型1の内側)に入り込んだ状態となり、上記上成形型1はその側壁2c,2c、2d,2dの下端縁2fが上記平坦面8上に接した状態となるように構成されている(図3、図4参照)。
上記状態において、上記下成形型4の底板4aの周縁4dと、上記上成形型1の側壁2c,2c、2d,2dの内周縁2gとの間には、一定幅の小隙間T1が設けられる(図3参照)。
また、図3に示すように、上記下成形型4を上記平坦面8に載置し、上記上成形型1を下成形型4上に被覆した状態(上記上成形型1の下縁2fを平坦面8上に接した状態)において、各閉鎖用突起3の上面3aは、各々対応する上記シャリ玉成型孔2の下開口2bを面一の状態に閉鎖するように構成されている。即ち、この状態において、各シャリ玉成形孔2の十字状の下開口2bには、下方から上記閉鎖用突起3の十字状の上面3aが入り込み、かつ、上記上面3aの湾曲面と上記シャリ玉成形孔2の底面2hの湾曲面とが360度に亘り略面一となるように構成されている(図3参照)。
このように上記下開口2bと上記閉鎖用突起3の上面3aを共に十字状に形成したのは、上記シャリ玉成形孔2の上記上開口2aから上記上面3aにて閉鎖状態の上記下開口2b(底面2h)側には、寿司ネタNが載置され(図5(a)参照)、その後、天地逆転して上成形型1が外され(図6(a)(b)参照)、このとき、上記閉鎖用突起3をシャリ玉成形孔2内に突出することで、成形されたシャリ玉R’をシャリ玉成型孔2から外すことを行うが(図6(b)閉鎖用突起3の二点鎖線参照)、このとき寿司ネタNの上記上面3aへの接触面積を少なくすることで、寿司ネタNの上面3aへのくっつきを防止して、寿司ネタN及びシャリ玉R’の上記上面3aからの離脱性を高めるためである。
上記下成形型4は上記平坦面8に設置されていない状態においては、上記上成形型1に対してその厚さ方向に摺動し得るように設けられている(図6(b)、図7矢印A方向)。
そして、図4に示すように、上記平坦面8に上記成形型7を上記下成形型4を最下部として上成形型1及び中間型6を載置した状態において、上記シャリ玉成形型2,5内に、寿司ネタNを各々投入すると共に、飯塊R(細長形状、即ち細長の略直方体形状)を縦方向に1つずつ投入し(図5(a)参照)、図5(b)に示すように、上記押圧板10を以って、上記下向押圧用突起9を上記中間型6の上記シャリ玉成形孔5内の上記上開口5aに嵌合させ、下方向(矢印B方向)に押圧して、上記シャリ玉成形孔2,5内の飯塊Rの成形を行った後、上記成形型7を上記押圧板10を嵌合したまま天地逆転した状態において(図6(a)参照)、上記上成形型1及び下成形型4を取り外すことにより(中間型6は押圧板10側に残されている)、上記押圧板10の上記下向押圧用突起9の上に上部(端面9a)に寿司ネタNが乗った状態の成形されたシャリ玉R(寿司R”)が露出するように構成されている(図6(b)参照)。
上記天地逆転した状態において(図6参照)、上記下成形型4を上記上成形型1に近接する方向(厚さ方向)に摺動することにより(図6(b)矢印A方向参照)、上記閉鎖用突起3が上記上成形型1の上記シャリ玉成形孔2内に突出し得るように構成され(図6(b)閉鎖用突起3の二点鎖線参照及び図12参照)、これにより、シャリ玉成形孔2から寿司ネタN及びシャリ玉R’を容易に離脱し得るように構成されている。
次に、上成形型1と下成形型4との係合構造について詳細に説明する。
図1、図2に示すように、上記下成形型4の両短辺4b,4bに沿う底板4aの上面には、各々2個ずつの門型係合部4c,4cが上方向きに突出形成されている。尚、上記門型係合部4c,4cの下側は開口4c’,4c’が形成されており、門型係合部4c,4cの高さは閉鎖用突起3の高さと略同一である。
上記上成形型1の両短辺の側壁2c,2cにおいて、上記門型係合部4c,4cの対応部分には、上記門型係合部4c,4c内に係合して上記下成形型4の上記上成形型1からの抜け止めを行う係合片11,11が上記上成形型1の両短辺側の側壁2c,2cに一体に設けられ(図7、図10参照)、上記係合片11,11は外側に弾性変形することにより(図7係合片11の二点鎖線参照)、上記門型合部4c,4cへの係合を解除可能に形成されている。
上記係合片11は、図1、図2、図7、図10に示すように、側壁2cに開口部12,12が設けられ、各開口部12,12の底面12a,12aより、片部11a,11aが、上記開口部12,12内に上方に、かつ、下部は側壁2c,2cに一体に設けられ(図2参照)、片部11a,11aの上端部に、上記片部11a,11aに直角に内部方向に突出する係止部11b,11bが一体に設けられ、かつ、上記片部11a,11aの上端部に、上記片部11a,11aに直角に外部方向に突出する指掛部11c,11cが設けられている。
よって、上記上成形型1に下成形型4に装着する場合、図7に示すように、指掛部11c,11cに指を掛けて、外側に倒すと、片部11a,11aの弾性力によって係合片11,11を外側に湾曲させ、上記門型係合部4c,4cの通過ルートから係止部11b,11bを避けた状態で、下成形型4を上記上成形型1の空間S内に挿入嵌合し、その後、指掛部11c,11cから指を外すと、片部11a,11aの弾性復帰力によって片部11a,11aが垂直状態に復帰し、これにより、図3、図7、図10に示すように、門型係合部4c,4c内に係止部11b,11bが係合した状態、即ち、上記上成形型1から上記下成形型4が、下方向に抜け止め状態で、装着することができるように構成されている。
従って、図7に示す状態から、上記下成形型4を上記上成形型1に対して上方(矢印A方向)に移動すると、上記上成形型1のシャリ玉成形型2の下開口2bから閉鎖用突起3をシャリ玉成形型2内に突出させることができるように構成されている(図7の閉鎖用突起3、門型係合部4cの二点鎖線参照)。
図1において、6は上記中間型であり、上記上成形型1と略同一の面積の長方形箱型の型であり、上記上成形型1と同じ位置に18個のシャリ玉成形孔5が設けられている。より具体的には、短辺側の側壁6a,6aに沿って3個、長辺側の側壁6b,6bに沿って6個、計18個のシャリ玉成形孔5が設けられている。これらのシャリ玉成形孔5は略円柱形状であり、上下が開口(上記シャリ玉成形孔2と同一径の円形の上開口5a,下開口5b)が形成されており、上記シャリ玉成形孔に、中間型6の高さ分の深さT2を設けるためである(図2参照)。
この深さT2を設けたのは、既存のシャリ玉供給装置24(図14参照)を使用すると、成形される飯塊Rは、図5(a)に示されるように、縦長(細長)の形状であるため、深さの浅い上成形型1のシャリ玉成形孔2にそのまま挿入すると、縦長(細長形状)の飯塊Rが安定しないため、上記中間型6を設けて、シャリ玉成形孔5の分の深さT2を設けて、シャリ玉成形孔2,5内で、飯塊Rが縦方向に安定するように構成したものである(図5(a)参照)。
また、上記上成形型1の上部の周囲には水平リブ13が設けられ、該水平リブ13の上部に嵌合部14が設けられており(図1、図2参照)、上記中間型6の下部の周囲には下向リブ15が設けられており、上記上成形型1の上に上記中間型6を装着すると、上記嵌合部14が上記中間型6の下向リブ15内に嵌合し、これにより上記上成形型1上に上記中間型6を位置決め状態で嵌合装着できるように構成されている。
このとき、上記上成形型1の各シャリ玉成形孔2に対応して中間型6の各シャリ玉成形孔5が対応して位置し、上記中間型6の各シャリ玉成形孔5の各下開口5bに下向に突出形成された円形の嵌合リブ16が上記上成形型1のシャリ玉成型孔2の上開口2aに嵌合し、これにより、上成形型1と中間型6の各シャリ玉成形孔2、5同士が上下方向に一体に各々位置決めされるように構成されている(図2参照)。
図1において、10は上記押圧板であり、板状の基板10’と、該基板10’の下面10cに複数の下向押圧用突起9が設けられている。上記下向押圧用突起9の端面9aの形状は凹状(湾曲形状)の皿形状に形成されており(図2参照)、シャリ玉成形孔2の湾曲した底面2hと共に、略球状(手毬状)にシャリ玉を成形し得るように構成されている。
具体的には、短辺10a側に沿って3個、長辺10b側に沿って6個の計18個の下向押圧用突起9が設けられており、これらの設置位置は、上記上成形型1、上記中間型6のシャリ玉成形孔2,5に対応する位置に各々設けられている。よって、図5に示すように、下成形型4、上成形型1、中間型6を重ねた状態で、全ての上記各シャリ玉成形孔2,5内に寿司ネタN及び飯塊Rを各々挿入した状態で、上記中間型6の上から、全てのシャリ玉成形孔5内に、押圧板10の対応する各下向押圧用突起9を各々挿入し、上方から下方(図5矢印B方向)に押圧することで、上記シャリ玉成形孔2,5内においてシャリ玉成形孔2,5の形状(例えば手毬状等)に飯塊Rを成形してシャリ玉R’を成形することができるように構成されている(図5(b)参照)。
上記押圧板10の下向押圧用突起9をシャリ玉成形孔5,2内に挿入した状態で、押圧板10を下向に押圧する程度は、シャリ玉成形孔2,5内に供給された飯塊Rがシャリ玉成形孔2,5内で広がり、上記シャリ玉成形孔2,5の形状に沿って略球状(手毬状)になるまでであり、図5(b)の押圧程度であれば、シャリ玉R’の側面に円柱部分17(図6(b)参照)が形成されるが、押圧板10をさらに下方に押圧し、下向押圧用突起9をさらに下方まで進入させると、上記円柱部分17の存在しない略球状のシャリ玉R’も成形することができる。この程度は、使用者の押圧加減にて調整することができる。
尚、図1において、18は上記係合片11,11間に設けられた取手であり、上記短辺側の側壁2c,2cの両方に、各側壁2c,2cに一体に設けられている(図8、図10参照)。この取手18,18は、例えば既存のシャリ玉供給装置24(図14参照)において、X方向Y方向移動機構21の載置部(トレー20)上に上記成形型7を載置し、各シャリ玉成形孔2,5内に飯塊を自動投入した後、成形型7を別の平坦面8に移動する必要があるが、その際、上記取手18,18を手で持って成形型7を容易に移動し得るためである。このとき、上記下成形型4の門型係合部4c,4c内に上成形型1の係止部11b,11bが係止しているので、上記取手18,18を以って成形型7を持ち上げても、上成形型1から下成形型4が下方向に落ちることはない(図7参照)。
本発明は上述のように構成されているから、以下、その作用を説明する。
まず、概略を説明すると、作業机等の平坦面8に上記成形型7が上記下成形型4を最下部として載置する工程と(図4参照)、複数のシャリ玉成形孔2の底面2hに寿司ネタNを入れる工程と(図5(a)参照)、複数の上記シャリ玉成形孔内2,5に飯塊Rを入れる工程と(図5(a)参照)、押圧板10の各下向押圧用突起9を上記中間型6の上記シャリ玉成形孔5の上記各上開口5aに嵌合させ下向きに押圧することにより、上記シャリ玉成形孔2,5の形状に上記寿司ネタN及び飯塊Rを成形する工程と(図5(b)参照)、上記押圧板10を嵌合したまま上記成形型7を天地逆転させて上記押圧板10を最下部として上記平坦面8に載置する工程と(図6(a)参照)、上記押圧板10側に上記中間型6を残して、上記上成形型1及び下成形型4を取り外すことにより、上記押圧板10の上記下向押圧用突起9の上部(端面9a)に寿司ネタNが乗った状態の成形されたシャリ玉R’を露出させる工程(図6(b)参照)、により構成される。
そして、上記成形型7を天地逆転させて上記平坦面8に載置した後(図6(a)参照)、上記押圧板10側に上記中間型を残し、上記上成形型1及び下成形型4を取り外す際に、上記下成形型4を上記上成形型1の方向に摺動することにより(図6(b)下成形型4の閉鎖用突起3の二点鎖線、矢印A方向参照、図12参照)、上記閉鎖用突起3を上記上成形型1の上記シャリ玉成形孔2内に突出させ、上記シャリ玉成形孔2内からの上記シャリ玉R’及び寿司ネタNの離脱を促進させる。
なお、図5、図6は、一つのシャリ玉成形孔2,5について説明するが、他のシャリ玉成形孔2,5においても同様である。
より詳細に説明すると、まず、上成形型1の空間Sに下成形型4を閉鎖用突起3が空間S内に位置するように収納する。このとき、上成形型1の短辺側の側壁2c,2cにある2か所(計4か所)の係合片11,11の指掛部11c,11cを外側に押圧することで係合片11,11を外側に弾性変形させ、係止片11b,11bを外側方向に避けて(図7係合片11の二点鎖線参照)、下成形型4の門型係合部4c,4cの通過ルートを確保し、その後、下成形型4の閉鎖用突起3が上成形型1の空間S側に位置する方向で、上成形型1に下成形型4を嵌合する。
すると、上成形型1の空間S内に下成形型4が収納され、下成形型4の18個の閉鎖用突起3の十字状の上面3aが、上成形型1の対応する18個のシャリ玉成型孔2の十字状の下開口2bに挿通され(図7閉鎖用突起3の二点鎖線参照)、門型係合部4cも係止片11bの正規位置よりも上方に位置するので(図7、門型係合部4cの二点鎖線参照)、その段階で指掛部11c,11cから指を離すと、係合片11,11の弾性復帰力により、上記係合片11,11が図7の実線位置(正規位置)に弾性復帰する(図3、図7参照)。
この状態で、上成形型1と下成形型4を、下成形型4が下に位置するように平坦面8に載置する。この状態では(図3参照)、上成形型1の下端縁2fが平坦面8上に載置され、上成形型1の開口部2e内に下成形型4の底板4aが位置しており、該底板4aの裏面4a’が上記平坦面8上に載置された状態となる。
このとき、下成形型4の18本の閉鎖用突起3の十字状の上面3aは、上成形型1の12個の対応するシャリ玉成形孔2の十字状の下開口2bに嵌合閉鎖され、各下開口2bを面一に閉鎖し、これにより上記シャリ玉成型孔2の底面2h(18個)は上記上面3a(18個)にて面一に閉鎖された状態となる(図3参照)。
そして、上成形型1の係合片11,11の係止片11b,11bは、下成形型4の門型係合部4c内に位置(係合)しているので(図3、図7参照)、上成形型1を平坦面8から持ち上げても、下成形型4が上成形型1から下方向に外れることはなく、下成形型4は上成形型1に対して下方向に抜け止めされた状態となる。尚、平坦面8に載置している状態においては、上記閉鎖用突起3の上面3aは上記シャリ玉成形孔2の下開口2bを面一に閉鎖しているが、下成形型4は、図7の矢印A方向に移動可能であり、これにより上成形型1のシャリ玉成型孔2内に閉鎖用突起3を突出させることができる(図7の上面3aのニ点鎖線参照)。
次に、上記上成形型1の上に中間型6を嵌合する(図3参照)。このとき、中間型6の下向リブ15と上成形型1の嵌合部14を嵌合すると、中間型6の各シャリ玉成形孔5(18個)と、上成形型1の各シャリ玉成形孔2(18個)が上下に位置決めされ、かつ、各シャリ玉成形孔5の嵌合リブ16が対応するシャリ玉成形孔2の上開口2aに各々挿入嵌合され、図4に示すように、シャリ玉成形孔2(18個)とシャリ玉成形孔5(18個)が連通する。このとき、各シャリ玉成形孔2,5は、略半球状のシャリ玉成形孔2の上部に、深さT2の円筒状のシャリ玉成形孔5が接続された状態となる(図10参照)。
その後、図4に示すように、シャリ玉成形孔2(全18個)の底面2hに、寿司ネタN(所謂トロ、白身魚等の刺身、18枚)を各々載置し、その後、飯塊R(18個)をシャリ玉成形孔(全18個)2,5内に各々挿入する。この飯塊Rの投入作業は手作業で行っても良いし、後述のシャリ玉供給装置24(例えば特開2014−23510号公報記載のシャリ玉供給装置)で自動的に行うこともできる。このとき図4、図5(a)に示すように、飯塊Rは細長形状(例えば細長の略直方体形状)であるので、シャリ玉成形孔2,5内に縦(長手方向が上下方向となるように)に投入されることになる。このとき、飯塊Rは細長形状であるが、シャリ玉成形孔2,5は中間型6による深さT2が形成されているので、飯塊Rはシャリ玉成形孔2,5内において安定して収納される。
上記飯塊R(18個)及び寿司ネタNを全部のシャリ玉成形孔2,5内に挿入した後、図5(a)(b)に示すように、押圧板10を各下向押圧用突起9を下向きにした状態で、各下向押圧突起9(18本)を、対応するシャリ玉成形孔2,5内(18個)に挿入し、基板10’を上から下に(図5(b)の矢印B方向に)押圧する。尚、押圧板10を中間型6に、完全に挿入した状態を図11に示す。この状態は、押圧板10の下面10cが中間型6の上縁6cに接した状態である。
図5(b)に示すように、下向押圧用突起9の湾曲状の端面9aが飯塊Rをシャリ玉成形孔2,5内で押圧し、上記成形孔2,5の形状に飯塊Rが成形される。即ち、押圧板10を図5(b)の位置まで矢印B方向に押圧すると、飯塊Rの下面Ra及び寿司ネタNはシャリ玉成形孔2の底面2hの湾曲形状(略球面状)に成形され、飯塊Rの上面Rbは、下向押圧用突起9の端面9aの湾曲形状(略球面状)に成形され、上面Rbと下面Raの間は、円柱部分17が残った状態に飯塊Rが成形される。
また、上記押圧板10を、上記下向押圧用突起9の下端がシャリ玉成形孔2の上開口2aの位置まで下方に押圧すると、上記飯塊Rは略球状(手鞠状)に成形することができる。この押圧の加減は、操作者が任意に設定することができる。
上記押圧板10による押圧が終了すると、図6(a)に示すように、押圧板10をシャリ玉成形孔5に挿入したままの状態(成形型7に押圧板10を挿入嵌合した状態)で全体を天地逆転し、上記押圧板10を平坦面8上に載置する。天地逆転した状態を図12に示す。
天地逆転すると、下向押圧用突起9(18本)が各シャリ玉成形孔5(18個)に挿入されている中間型6は、そのまま図6(a)、図12に示すように、下向押圧用突起9に沿って(天地逆転後の)下方にスライドし、押圧板10の下面10c上に上縁6cが接した状態となり、即ち、中間型6は押圧板10側に残る(図12参照)。尚、図12は各部の位置関係を明示するための図面であり、上成形型1と中間型6間は密着しているが、実際には、上成形型1と中間型6間には、シャリ玉R’が存在する関係上、図6(a)に示すように、若干の隙間が形成される。
この状態で、シャリ玉成形孔5(18個)から下向押圧用突起9(18本)が突出し、突出部における下向押圧用突起9の18個の端面9a上に、寿司ネタNが上面に乗った状態の成形された寿司R’(18個)が存在している状態となる(図6(a)参照)。ここで、図6(b)に示すように、下成形型4を上成形型1に対して厚み方向(図6(b)の矢印A方向)に摺動すると、下成形型4の閉鎖用突起3が上成形型1のシャリ玉成形孔2内に、下開口2bを介して突出するため、シャリ玉成形孔2からの成形された寿司ネタN及びシャリ玉R’の離脱を促進させることができる。図12では、上成形型1に対して下成形型4を下方に摺動した状態を示している。
そして、上記下成形型4を上成形型1方向に摺動してシャリ玉R’のシャリ玉成形孔2からの離脱を促進しながら、上記上成形型1と上記下成形型4を上記押圧板10から取り外す。すると、図6(b)、図13に示すように、押圧板10の各下向押圧用突起9の端面9a上(18個)に、成形された寿司ネタNが上に乗った状態の寿司(18個)R”が露出することになる。図13では下向押圧用突起9の端面9aには1個の寿司R”を二点鎖線にて記載しているが、実際は、全ての端面9a上に18個の寿司R”が成形されている。
この寿司R”は、図6(b)において、下方が端面9aに沿った球面状に成形され、寿司ネタNが乗った上面も略球面状に成形されており、若干円柱面17が存在するが、略手毬状に成形されたものであり、既存のシャリ玉供給装置24で成形される既存のシャリ玉とは異なる形状である。尚、上述のように、押圧板10の押圧加減により円柱面が存在しない略球状(手鞠状)の寿司R”も成形することが可能である。
その後は、上記寿司R”が載置された上記押圧板10をそのまま客に提供することもできるし、各寿司R”を皿に移し換えた上で客に提供することもできる。
次に、シャリ玉供給装置24を使用して飯塊Rをシャリ玉成形孔5内に挿入する場合を、図14に基づいて説明する。尚、成形型7のシャリ玉成形孔5,2内の底面2h(18個)には、予め寿司ネタN(18枚)が各々供給されているものとする。
図14に示すように、X方向Y方向移動機構21(X方向レール21a,Y方向レール21b)を有するシャリ玉供給装置24のシャリ玉排出口19の下側に、上記X方向Y方向移動機構21によってX方向Y方向に移動可能なトレー20を載置し、上記トレー20上の平坦面8上に上記成形型7(中間型6と上成形型1と下成形型4とが嵌合した状態の成形型7)を、シャリ玉成形孔5,2を上側として設置し、上記シャリ玉排出口19の直下に、例えば、成形型7のシャリ玉成形孔5,2の内、左上の1つのシャリ玉成形孔5’(図24参照)を位置させる。尚、上記シャリ玉供給装置24のシャリ玉排出口19には、円周方向に複数の成形孔23(縦長(細長形状)の飯塊Rが成形される)が貫通形成されたシャリ玉成形円盤22が設けられ、該円盤22が回転しながら、上記成形孔23内に上部から飯塊が供給され、上記シャリ玉排出口19において、押圧具(図示せず)により下方に押されることにより、上記シャリ玉排出口19から下方の上記シャリ玉成形孔5(5’)、2内に縦長(細長)の飯塊Rが落下供給されるものである。
上記複数のシャリ玉成形孔5内への飯塊Rの供給は、上記トレー20上に上記成形型7を上述のように設置し、上記X方向Y方向移動機構21によって上記成形型7をX方向レール21a及びY方向レール21bに沿ってX方向及び/又はY方向に移動しながら、上記シャリ玉排出口19から上記シャリ玉成形孔5内に飯塊Rを順次1個ずつ落下供給することにより行うことができる。
即ち、上記シャリ玉排出口19から1個の飯塊Rがシャリ玉成形孔5’,2内に投入され、その後、X方向Y方向移動機構21が例えばトレー20をY方向(縦方向)に1個分移動し、上記シャリ玉成形孔5’に隣接するシャリ玉成形孔5,2内に上記シャリ玉排出口19から飯塊Rが供給される、という動作が順次行われ、最終的に18個の全てのシャリ玉成形孔5,2内に飯塊Rが自動的に供給される。
このとき、上記シャリ玉排出口19から排出される飯塊Rは、上述のように縦長(細長形状、例えば細長の略直方体形状)であるが、縦長の飯塊Rが、図4、図5(a)に示すように、シャリ玉成形孔2,5内に縦(長手方向が上下方向となるように)に落下供給されることになる。従って、飯塊Rは細長形状であるが、シャリ玉成形孔2,5は中間型6による深さT2が形成されているので、飯塊Rはシャリ玉成形孔2,5内において安定して縦に収納される。
尚、このとき、シャリ玉成形孔5内に供給される既存の飯塊Rは、略直方体形状の縦長(細長)の飯塊Rであり(図5(a)に二点鎖線で示す飯塊R参照)、上記シャリ玉成形孔5,2内に図5に示すように略直方体形状の飯塊Rが落下供給されたとき、シャリ玉成形孔2,5は、中間型6のシャリ玉成形孔5によって深さT2が設けられているため、シャリ玉成形孔5,2内に縦長の飯塊Rが縦方向に落下供給されても、飯塊Rはシャリ玉成形孔5,2内で安定しており、何ら支障はなく、上記シャリ玉成形孔5から飯塊Rの上部が若干突出する程度なので、その後の押圧板10による押圧動作(成形動作)(図6(a)参照)に影響を与えることもない。
その後、押圧板10の下向押圧用突起9で押圧することにより、上記シャリ玉成形孔5,2内において球状のシャリ玉R’を成形することができる。即ち、シャリ玉供給装置24自体は、従来の略直方体形状の縦長(細長)の飯塊(シャリ玉)を成形するシャリ玉供給装置24をそのまま使用することができ、本発明に係る寿司成形型のために特別にシャリ玉供給装置を新設する必要はない。
以上のように、手作業又はシャリ玉供給装置16にて自動的に、全てのシャリ玉成形孔5,2(18個)内に飯塊(18個)を供給することができる。
上記全てのシャリ玉成形孔5,2内に飯塊Rが供給され、上記シャリ玉供給装置24で自動的に飯塊Rを供給した場合は、上記トレー20から成形型7を取り外す。このとき、上成形型1の短辺側の取手18,18を以って当該成形型1を持ち上げると、下成形型4の門型係合部4cに係合片11の係止部11bが係合しているので、上記上成形型1から下成形型4が下方に落下することはない。そして、上記成形型7を再び机等の平坦面8上に載置する。
このように、シャリ玉排出口19の下側にトレー20のX方向Y方向移動機構21を有するシャリ玉供給装置24が設けられ、上記成形型7は上記中間型6を上側に上記トレー20の上面に設置固定され、上記複数のシャリ玉成形孔5,2内への飯塊Rの供給は、上記X方向Y方向移動機構21によって上記成形型7をX方向及びY方向に移動しながら上記シャリ玉排出口19から上記シャリ玉成形孔5,2内に飯塊Rを1個ずつ落下供給されることにより行われるものである。
その後は、上記の手作業で飯塊Rをシャリ玉成形孔5,2内に投入した場合の動作と同様に、押圧板10にてシャリ玉成形孔5,2内の飯塊Rを押圧し(図5(a)(b)参照)、その後天地逆転し、上成形型1及び下成形型4を取り外し(図6(a)(b)参照)、押圧板10の下向押圧用突起9の端面9a上に寿司R”(18個)が形成された状態とすれば良い。
尚、閉鎖用突起3の上面3aは十字状としたが、寿司ネタNとの接触面積を小さくすることができれば十字状に限定されず、接触面積の小さいその他の形状(閉鎖用突起3より小径の三角形状、円形状等)であっても良い。
本発明は上述のように、下向押圧用突起9にてシャリ玉成形孔5,2内の飯塊Rを押圧することにより、既存のシャリ玉の形状とは異なる形状、例えば寿司ネタNと共に略球状(手毬状)の寿司を容易に成形することができる。
また、シャリ玉成形孔2、5は中間型6により深さが設けられているので、既存のシャリ玉供給装置24で成形された細長のシャリ玉(飯塊)をそのままシャリ玉成形孔2,5内に投入しても何ら問題なく、例えば略球状(手毬状)の寿司を成形することができる。
また、天地逆転した状態において、下成形型4を上成形型1に近接する方向に摺動可能に構成したので、閉鎖用突起3を上成形型1のシャリ玉成形孔2内に突出させることにより、シャリ玉成形孔2から成形された寿司の離脱を促進させることができる。
また、押圧板10の複数の下向押圧用突起9の上に成形された寿司ネタNの乗った状態の複数の寿司を一度に成形することができる。
また、閉鎖用突起3の上面3aが十字状であるため、寿司ネタNへの接触面積が小となり、このため閉鎖用突起3の上面3aへの寿司ネタNのくっつきを防止して、円滑に寿司ネタの乗った状態の寿司のシャリ玉成形孔2からの離脱を行うことができる。
上成形型1の係合片11を門型係合部4cに係合させることにより、上成形型1を持ち上げても下成形型4が下方向に抜けないので、成形型7の移送に便宜である。
また、成形が終了して、洗浄時等、上成形型1と下成形型4を分離する際は、係合片11を外側に弾性変形することにより簡単に両者を分離することができる。
シャリ玉成形孔2,5内の飯塊の投入を、既存のシャリ玉供給装置24により自動的に行うことができる。この場合、既存のシャリ玉供給装置24により成形される飯塊は細長の略直方体形状であるが、成形型7には中間型6によってシャリ玉成形孔5に深さを設けているので、細長形状の飯塊であってもシャリ玉成形孔内に縦に落下供給することができ、何ら支障を来すことはない。
また、天地逆転した状態の複数の下向押圧用突起9の上に、複数の寿司ネタNが載った状態の寿司(例えば手毬寿司)を極めて容易に成形することができるので、その後の作業(例えば皿載せ作業等)に容易に移行することができる。