JP2021078361A - 飲料 - Google Patents

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俊義 河口
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慎一郎 畠山
正行 秋山
Masayuki Akiyama
正行 秋山
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Abstract

【課題】 果汁感が増強された飲料を提供すること。【解決手段】 甘味料、乳蛋白質加水分解物、酸味成分及び香料を含む飲料; 甘味料、乳蛋白質加水分解物、酸味成分及び香料を混合して原料液を調製する工程を含む、飲料の製造方法; 甘味料、乳蛋白質加水分解物、酸味成分及び香料を、飲料に添加することを特徴とする、飲料の果汁感を増強する方法。 前記乳蛋白質加水分解物が、Met−Lys−Proを含む乳蛋白質加水分解物であることが好適である。【選択図】なし

Description

本技術は、飲料に関する。
果汁飲料や果汁含有飲料など果汁を原料とする飲料は、多くのユーザが好む飲料の一つであり、このような飲料には良好な果汁感が求められている。また、濃縮還元果汁を原料とする飲料ではやや果汁感に欠ける場合もある。
例えば、特許文献1では、γ−オクタデカラクトン及び/又はδ−オクタデカラクトンを有効成分として含有する果汁感増強剤が提案され、これにより果実風味のフレーバー又は果実風味の飲食品の果汁感を増強することで嗜好性を向上させることができることが開示されている。
近年、例えば、ミネラルウォーターなどの飲料で、果汁の含有量が少量の飲料や果汁を含まない飲料も多く存在するようになってきている。また、果汁による沈殿を抑制するために、果汁の含有量を少量にしたり、果汁を含まない飲料にしたりすることもある。
特開2019−97562号公報
そこで、本技術は、果汁感が増強された飲料を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、甘味料、乳蛋白質加水分解物、酸味成分、及び香料の4つを組み合わせることで、果汁感が増強された飲料を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
本技術は、甘味料、乳蛋白質加水分解物、酸味成分及び香料を含む飲料を提供するものである。
本技術は、甘味料、乳蛋白質加水分解物、酸味成分及び香料を混合して原料液を調製する工程を含む、飲料の製造方法を提供するものである。
本技術は、甘味料、乳蛋白質加水分解物、酸味成分及び香料を、飲料に添加することを特徴とする、飲料の果汁感を増強する方法を提供するものである。
前記乳蛋白質加水分解物が、カゼイン蛋白質加水分解物であってもよい。
前記乳蛋白質加水分解物が、Met−Lys−Proを含む乳蛋白質加水分解物であってもよい。
前記乳蛋白質加水分解物の含有量が、0.03質量%以上であってもよい。
前記香料が、柑橘系香料であってもよい。
前記飲料が、清涼飲料水又は乳含有飲料であってもよい。
本技術は、果汁感が増強された飲料を提供することができる。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本技術中に記載された何れかの効果であってもよい。
以下、本技術を実施するための好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。なお、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。また、各数値範囲の上限値と下限値は、所望により、任意に組み合わせることができる。
<1.本技術の飲料>
本技術は、甘味料、乳蛋白質加水分解物、酸味成分及び香料を含む飲料を提供することができる。これにより、飲料における果汁感増強及び/又は甘味料の後味改善をすることができる。また、本技術は、飲料のおいしさを向上することができる。
本技術における「果汁感」とは、高果汁飲料において感じられる自然な風味、ボリューム感、呈味感、実際の果実を想起させるような複雑かつ本格的な果実味のことを指す。
本技術における「甘味料の後味」とは、飲んだ後に舌に残る甘さの余韻、雑味、不快感などを指し、代表的なものとして、高甘味度甘味料に由来するものが挙げられる。他にも、砂糖を高濃度で使用した場合にも後味の不快感を引き起こすことが考えられる。本技術においては、特段言及しない限りは、由来により区別しない。
<1−1.(A)甘味料>
本技術における甘味料は、飲食品(特に飲料)に甘味を付与できる成分を意味し、糖類及び糖類以外の甘味を付与する成分を含む概念である。
本技術に用いられる甘味料は、飲食品に使用できる公知の甘味料や市販品などを適宜用いることができ、公知の製造方法にて製造してもよい。
甘味料としては、特に限定されないが、例えば、糖類、糖アルコール類、高甘味度甘味料;などが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。このうち、糖類及び/又は高甘味度甘味料が好適である。本技術であれば、果汁感増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にできる。
なお、前記糖類には、単糖及び/又はオリゴ糖を含んでもよく、また、当該糖類を還元することで糖アルコール類を得ることができる。また、前記高甘味度甘味料は、合成甘味料類、非糖質天然甘味料類、アミノ酸系甘味料類などに分類することもできる。
また、甘味料及び含有量は、高速液体クロマトグラフ(HPLC)法による甘味料の定量分析にて測定することができる。
また、甘味料の甘さの指標として甘味度という尺度が用いられる。ショ糖(スクロース)が標準物質として使用され、任意の濃度のスクロースと同等の甘味強度を示す濃度の比率、あるいは同条件で求めたスクロースの閾値との比率から判定される。例えば、ある甘味物質Aがあり、スクロース1%溶液と同じ甘味強度を示すAの濃度を官能試験により測定する。そのときのAの濃度が0.5%だとすると、甘味物質Aの甘味度は、スクロースの甘味度1に対して2となる。本技術において、乳蛋白質加水分解物を添加していない飲料の甘味度を測定し、本技術の飲料の甘味度とする。
前記糖類として、特に限定されないが、例えば、砂糖(例えば、上白糖、グラニュー糖、三温糖、黒砂糖など)、水あめ、粉飴、ブドウ糖、砂糖混合異性化糖、異性化糖、乳糖、麦芽糖、果糖、転化糖、還元麦芽水あめ、蜂蜜、ラクチュロース、トレハロース、パラチノース、D−キシロース、フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖などが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
前記糖アルコール類として、特に限定されないが、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトールなどが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
高甘味度甘味料とは、甘味度の高い甘味料の総称である。
前記高甘味度甘味料として、ショ糖の甘さを基準とした場合、ショ糖より大幅に甘い甘味料であり、具体的にはショ糖の100倍以上の甘味度である甘味料であることが好適である。
例えば、スクラロースは甘味度600、アセスルファムカリウムは甘味度200、ステビアは甘味度125、サッカリンは甘味度350、アスパルテームは200、ソーマチンは甘味度2500、カンゾウ抽出物は甘味度250とされている(非特許文献1:2011年 106巻12号 p.818-825、日本醸造協会誌、甘味の基礎知識、前橋 健二)。
前記高甘味度甘味料として、特に限定されないが、例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、ソーマチン、アスパルテーム、アリテーム、ネオテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイドなどが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
このうち、スクラロース及び/又はアセスルファムカリウムが好適であり、このうちスクラロースを用いることがより好適であり、更にスクラロース及びアセスルファムカリウムの併用が更に好適である。
<1−2.(B)乳蛋白質加水分解物>
本技術における乳蛋白質加水分解物は、特に限定されないが、牛乳あるいは脱脂粉乳などの牛乳由来の乳蛋白質の加水分解物が好ましい。
前記加水分解は、例えば、酸加水分解、アルカリ加水分解、酵素加水分解などが挙げられる。このうち、酵素加水分解が、目的とする種々のペプチド成分を調製し易い観点から、好ましい。当該酵素加水分解は、後述の酵素加水分解条件に基づき行うことが可能である。
前記牛乳由来の蛋白質として、例えば、カゼイン蛋白質、ホエイ蛋白質などが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
一般的に、カゼイン蛋白質(以下、「カゼイン」ともいう)は、α−カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼインの3種に分類できる。また、一般的に、ホエイ蛋白質は、乳清蛋白質、可溶性蛋白質とも呼ばれる。
また、一般に、ホエイ蛋白質は、血清アルブミン、β−ラクトアルブミン、α−ラクトアルブミン、免疫グロブリン、プロテオース・ペプトン等に分類できる。
本技術において、Met−Lys−Proからなるペプチド(配列番号1)(以下、「トリペプチドMKP」ともいう)を含む乳蛋白質加水分解物が、本技術の果汁感増強や甘味料の後味改善の観点から、好適である。
また、本技術において、カゼイン蛋白質加水分解物が、本技術の果汁感増強や甘味料の後味改善の観点から、好ましい。また、飲料のおいしさもより向上させることができる。
〔1−2−1.カゼイン蛋白質加水分解物〕
以下、本技術に用いるカゼイン蛋白質加水分解物(以下、「カゼイン加水分解物」ともいう)について、詳述する。
本技術に用いるカゼイン加水分解物は、牛乳由来のカゼイン蛋白質を加水分解して得られる分解物が好適であり、カゼイン蛋白質由来の種々の分解成分が含まれている。
前記カゼイン加水分解物は、次の(a1)〜(a4)の少なくとも何れかを満たすものが好適である。更に、次の(a1)、(a2)、(a3)及び(a4)のうち2種又は3種以上の条件を満たすものがより好適である。
(a1)前記カゼイン加水分解物の平均分子量が1200ダルトン以下、
(a2)前記カゼイン加水分解物の分解率が20〜30%、
(a3)前記カゼイン加水分解物に含まれる全アミノ酸の質量合計に占める遊離アミノ酸の質量割合が10質量%以下、
(a4)Met−Lys−Proからなるペプチドを含む。
前記カゼイン加水分解物は、トリペプチドMKPを少なくとも含むことが、本技術の効能をより良好に発揮させる観点から、好適である。
好ましくは、前記カゼイン加水分解物は、トリペプチドMKPを含み、かつ更に前記(a1)、(a2)及び(a3)からなる群から選択される1種又は2種以上の条件を満たすものが好適である。更に、前記カゼイン加水分解物は、前記(a1)〜(a4)の全ての条件を満たすものがより好適である。
なお、本技術のトリペプチドMKPは、アンジオテンシン変換酵素阻害作用、ジペプチジルペプチダーゼ−IV阻害作用等の効能が知られている(例えば、参考文献1(WO2003/044044)、参考文献2(WO2013/125622)、参考文献3(特開2016−069343号公報)等)。しかしながら、果汁感増強や甘味料の後味改善に関与することは知られていない。
前記カゼイン加水分解物中のトリペプチドMKPの含有率は特に限定されないが、トリペプチドMKPの含有率の下限値は、本技術の効果をより良好に発揮させる観点から、好ましくは0.005質量%以上であり、より好ましくは0.01質量%以上であり、その上限値は、加水分解物の製造効率の観点から、好ましくは0.2質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以下である。当該数値範囲は、更に好ましくは0.01〜0.1質量%である。
以下に、本技術に用いるカゼイン加水分解物の製造方法について、詳述する。
〔1−2−1(a)カゼイン加水分解物の原料〕
原料であるカゼインは、乳由来の蛋白質を主成分とするものであり、当該カゼインは特に限定されないが、例えば、市販の各種カゼイン、カゼイネートなどを利用することができる。より具体的には、乳酸カゼイン、硫酸カゼイン、塩酸カゼイン、ナトリウムカゼイネート、カリウムカゼイネート、カルシウムカゼイネート、マグネシウムカゼイネート又はこれらの任意の混合物などが挙げられる。また、牛乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉乳から常法により精製したカゼインなどを利用することもできる。
本技術の有効成分であるカゼイン加水分解物は、生体材料として比較的安価な乳由来の原料であるカゼインを加水分解することにより製造されるため、安定して簡便に、しかも大量に製造することができる。
〔1−2−1(b)カゼイン加水分解物の製造方法〕
カゼイン加水分解物の製造方法は特に限定されないが、酸又はアルカリを用いて製造する方法、蛋白質分解酵素等の酵素を用いて製造する方法などが挙げられる。このうち酵素を用いることが、目的のペプチド等を含ませることができるので好適である。
以下、蛋白質分解酵素を用いて、カゼイン加水分解物を製造する方法について、具体的に説明する。
まず、原料(カゼイン)を水に分散し溶解させる。当該溶解液の濃度は特に限定されないが、通常、蛋白質換算で5〜15質量%前後の濃度範囲にするのが効率性及び操作性から好ましい。
次に、溶解液のpHを、用いる蛋白質分解酵素の至適pH付近に調整することにより原料水溶液を調製する。具体的には、溶解液のpHを、アルカリ溶液を用いて、多くの蛋白質分解酵素の至適pHがその範囲内に含まれるpH7〜10に調整することが好ましい。
pH調整に用いるアルカリ剤は特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウムなどが挙げられる。
次に、調製した原料水溶液に蛋白質分解酵素を添加する。
蛋白質分解酵素としては、細菌由来、動物由来、植物由来の蛋白質分解酵素などがあり、何れのものも用いることができ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることもできる。
細菌由来の蛋白質分解酵素は特に限定されないが、例えば、バシラス属由来のエンドプロテアーゼとして、アルカラーゼ(ノボザイムズ社製)、ニュートラーゼ(ノボザイムズ社製)、プロチンA(大和化成社製)、プロチンP(大和化成社製)、プロレザー(天野エンザイム社製)、プロテアーゼA(天野エンザイム社製)、プロテアーゼN(天野エンザイム社製)、コロラーゼ7089(樋口商会社製)、ビオプラーゼ(ナガセケムテック社製)、オリエンターゼ90N(エイチビイアイ社製)、オリエンターゼ22BF(エイチビイアイ社製)などが挙げられる。
動物由来の蛋白質分解酵素は特に限定されないが、例えば、トリプシンを主成分とするPTN(ノボザイムズ社製)、トリプシンV(日本バイオコン社製)、パンクレアチン(天野エンザイム社製)などが挙げられる。
植物由来の蛋白質分解酵素は特に限定されないが、パパイン(天野エンザイム社製)、ブロメライン(天野エンザイム社製)などが挙げられる。
また、上述した蛋白質分解酵素からなる群から選択される1種又は2種以上の組み合わせを用いることもできる。
蛋白質分解酵素は、4〜10℃の冷水に分散し、溶解して用いることが好ましい。該蛋白質分解酵素の溶解液の濃度は特に限定されないが、通常、酵素濃度が3〜10%程度となる量で用いることが効率性及び操作性から望ましい。
カゼインの加水分解に用いる蛋白質分解酵素の使用量は、基質濃度、酵素力価、反応温度、及び反応時間等により異なるが、一般的には、カゼインの蛋白質換算質量1g当たり1000〜20000単位(活性単位)の割合を望ましい態様として挙げられる。
蛋白質分解酵素の活性単位は、用いる蛋白質分解酵素の種類に応じて測定することができる。
蛋白質分解酵素の添加に当たっては、1種類ずつ溶解し、添加することが望ましいが、添加の順番は特に制限されない。
酵素反応中、反応系の温度は特に限定されず、酵素作用の発現する最適温度範囲を含む実用に供され得る範囲から選ばれ、通常30〜60℃の範囲から選ばれる。
反応継続時間は、反応温度、初発pH等の反応条件によって進行状態が異なり、例えば、酵素反応の反応継続時間を一定とすると製造バッチ毎に異なる理化学的性質を有する分解物が生じる可能性などの問題があるため、一概に決定することが難しいことがある。したがって、酵素反応をモニターすることにより、カゼイン加水分解物の理化学的性質が所望の値となるように反応継続時間を決定することが望ましい。
なお、酵素反応のモニタリング方法としては、例えば、前記反応溶液の一部を採取し、蛋白質の分解率などを測定する方法などが挙げられる。
次に、酵素反応を停止させる。
酵素反応の停止は、加水分解液中の酵素を失活させることにより行われる。失活処理は、常法、例えば、加熱失活処理などにより実施することができる。
加熱失活処理の条件(加熱温度、加熱時間等)は、使用した酵素の熱安定性を考慮し、十分に失活できる条件を適宜設定することができ、例えば、80〜130℃の温度範囲で30分間〜2秒間の保持時間で行うことができる。
酵素反応停止後、得られた加水分解失活液を、(1)濾過、(2)精密濾過、限外濾過膜等の膜分離処理、及び(3)樹脂吸着分離などからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることによって、適宜精製することが好ましい。
上述した精製を行うことにより、当該失活液中に含まれる不溶物の除去、脂肪や乳糖、その他の不要な成分の低減などを行うことができる。その結果、溶液状態で透明であり、かつ、溶液状態での長期保存においても混濁、沈殿、凝集及び褐変等が生じない、いわゆる保存安定性に優れたカゼイン加水分解物を得ることができる。
また、上述した精製を行うことにより、本技術で用いるカゼイン加水分解物の風味なども向上させることができる。
前記(1)の濾過は、公知の方法により実施することができ、例えば、珪藻土を用い、公知の装置により実施することができる。
濾過を行うことにより、加水分解失活液中に存在する加水分解反応時及び/又は酵素加熱失活時に生成した不溶物を除去できる。
前記(2)の膜分離処理は、公知の装置を用いて行うことができる。公知の装置としては特に限定されないが、例えば、精密濾過モジュールや限外濾過モジュールなどが挙げられ、より具体的には、例えばSEP1053(旭化成社製、分画分子量3,000)、SIP1053(旭化成社製、分画分子量6,000)、SLP1053(旭化成社製、分画分子量10,000)などが挙げられる。
この場合、膜分離処理後の膜透過画分としてカゼイン加水分解物を含有する溶液が得られる。
膜分離処理を行うことにより、前記(1)の濾過と同様、加水分解失活液中に存在する加水分解反応時及び/又は酵素加熱失活時に生成した不溶物を除去できる。
前記(3)の樹脂吸着分離は、公知の方法により実施することができ、例えば、樹脂をカラムに充填し、前記加水分解失活液を、当該カラムを通過させることにより実施することができる。樹脂としては特に限定されないが、例えば、商品名:ダイヤイオン、セパビーズ(三菱化学社製)、アンバーライトXAD(オルガノ社製)、KS−35(味の素ファインテクノ社製)などが挙げられる。
樹脂吸着分離は、これらの樹脂をカラムに充填して前記加水分解失活液を連続的に流入させ、流出させることによる連続方式で行うこともでき、また、前記加水分解失活液中に樹脂を投入し、一定時間接触させた後、加水分解失活液と樹脂とを分離するバッチ方式で行うこともできる。
加水分解失活液中には、保存期間中に混濁、沈殿、凝集及び褐変等を惹起する因子(例えば、疎水性アミノ酸を多く含むペプチドなど)が残存している可能性があり、樹脂吸着分離を行うことにより、これらの因子を除去できる。
また、精製後、得られたカゼイン加水分解物を含有する溶液を殺菌してもよい。
殺菌方法は、常法による加熱処理方法などを用いることができる。
加熱処理時の加熱温度と保持時間は、殺菌できる条件を適宜設定すればよく、例えば、70〜140℃で2秒間〜30分間加熱処理することにより殺菌できる。
加熱殺菌の方式は、バッチ方式、連続方式の何れの方式も可能であり、連続方式においてもプレート熱交換方式、インフュージョン方式、インジェクション方式等の方式を用いることができる。
更に、得られたカゼイン加水分解物を含有する溶液は、そのまま用いることもでき、また、必要に応じて、当該溶液を公知の方法により、濃縮した濃縮液として用いることもできる。また、当該濃縮液を公知の方法により乾燥し、粉末にして用いることもできる。
加えて、カゼイン加水分解物の前記不溶物の成分を除去した後、風味改善又は物性改善などを目的として、エンドプロテアーゼ又はエキソプロテアーゼを添加して、二次的な加水分解を行ってもよい。
ここで、本技術に用いるカゼイン加水分解物としては、その平均分子量が、好ましくは1200ダルトン以下、より好ましくは1000ダルトン以下、更に好ましくは800ダルトン以下、より好ましくは450ダルトン以下になるように、カゼイン加水分解物を調製することが、より良好な本技術の効果を発揮できる観点から、好適である。当該平均分子量が、より好ましくは250〜450ダルトン、更に好ましくは360〜390ダルトンに調製することが好適である。
また、本技術に用いるカゼイン加水分解物としては、その分解率が、その上限は好ましくは10%以上、その下限は好ましくは40%以下であり、更に当該範囲はより好ましくは20〜30%になるように、カゼイン加水分解物を調製することが、より良好な本技術の効果を発揮できる観点から、好ましい。
本技術において、加水分解の程度を、加水分解に伴って発生する不溶物を濾過により除去した後の濾液中に含まれるカゼイン加水分解物の平均分子量が目的の範囲となるように、及び/又は、その分解率が目的の範囲となるように、反応温度、反応継続時間などの反応条件を決定することが好ましい。
また、本技術で用いるカゼイン加水分解物としては、これに含まれる全アミノ酸の質量合計に占める遊離アミノ酸の質量合計の割合が、好ましくは15質量%以下に、より好ましくは10質量%以下になるように、カゼイン加水分解物を調製することが、より良好な本技術の効果を発揮できる観点から、より好適である。
また、本技術で用いるカゼイン加水分解物としては、当該加水分解物に含まれるトリペプチドMKPの割合が、好ましくは0.001〜1質量%、より好ましくは0.005〜0.5質量%、更に好ましくは0.01〜0.1質量%になるように調製することが、本技術の効果及び製造効率の観点から、好適である。
本技術において、遊離アミノ酸の質量合計の割合又はトリペプチドMKPの割合は、それぞれの目的の割合になるように、カゼインを加水分解させる際の酵素の種類、酵素の添加量、反応時間、及び/又は加水分解後の精製条件(膜分離、樹脂吸着分離)などにより調製することができる。
なお、本技術のカゼイン加水分解物における<アミノ酸の分解率>、<平均分子量の算定方法>、<アミノ酸遊離率の算定方法>、<トリペプチドMKP含有量の測定>について、以下に説明する。
<分子量の算定方法>
本技術におけるカゼイン加水分解物の平均分子量(Da:ダルトン)は、以下の数平均分子量の概念により求めるものである。
数平均分子量(Number Average of Molecular Weight)は、例えば非特許文献(社団法人高分子学会編、「高分子科学の基礎」、第116〜119頁、株式会社東京化学同人、1978年)に記載されているとおり、高分子化合物の分子量の平均値を次のとおり異なる指標に基づき示すものである。
すなわち、蛋白質加水分解物などの高分子化合物は不均一な物質であり、かつ分子量に分布があるため、蛋白質加水分解物の分子量は、物理化学的に取り扱うためには、平均分子量で示す必要があり、数平均分子量(以下、Mnと略記することがある。)は、分子の個数についての平均であり、ペプチド鎖iの分子量がMiであり、その分子数をNiとすると、次の数式(1)により定義される。
Figure 2021078361
<分解率の算定方法>
カゼイン加水分解物の分解率は、下記の数式(2)で算出することができる。
Figure 2021078361
<アミノ酸遊離率の算定方法>
本技術において、遊離アミノ酸の質量合計の割合は、例えば、以下の手順で求めることができる。
(i)アミノ酸組成の測定
トリプトファン、システイン及びメチオニン以外のアミノ酸については、試料を6N塩酸で110℃、24時間加水分解し、トリプトファンについては、水酸化バリウムで110℃、22時間アルカリ分解し、システイン及びメチオニンについては、過ギ酸処理後、6N塩酸で110℃、18時間加水分解し、それぞれアミノ酸分析機(日立製作所製、835型)により分析し、アミノ酸の質量を測定する。
なお、この方法では、試料のグルタミンとグルタミン酸の量は、両者を合わせた合計量であるグルタミン酸分析値として定量される。
(ii)遊離アミノ酸の質量合計の割合の算定
試料中の各アミノ酸組成を前記(i)アミノ酸組成の測定の方法により測定し、これを合計して試料中の全アミノ酸の質量を算出する。次いで、スルホサリチル酸で試料を除蛋白し、残留する各遊離アミノ酸の質量を前記(i)アミノ酸組成の測定の方法により測定し、これを合計して試料中の全遊離アミノ酸の質量を算出する。これらの値から、試料中の遊離アミノ酸の質量合計の割合を下記の数式(3)により算出する。
Figure 2021078361
<トリペプチドMKP含有量の測定>
(i)試料粉末を、1.0mg/mLとなるように、0.2%ギ酸水溶液に希釈溶解し、10分間超音波破砕したのち、0.22μm口径のPVDFフィルター(Millipore社製)で濾過して粉末溶液を調製し、下記測定条件によるLC/MS分析を実施する。一方、トリペプチドMKPの化学合成標準ペプチド(ペプチド研究所社製)の溶解液を濃度別に数点調製し、下記測定条件によるLC/MS分析を実施し、検量線を作成する。
前記粉末溶液の分析におけるピークのうち、標準ペプチドと分子量及びリテンションタイムが一致するものを、標準ペプチドと同一の配列として同定する。標準ペプチドのピーク面積と試料粉末のピーク面積を対比することにより、前記粉末溶液中にトリペプチドMKPの含有量を求める。
(ii)MKP含有量(mg/カゼイン加水分解物1g)
MKP含有量(mg/カゼイン加水分解物1g)=〔得られたカゼイン加水分解物中のトリペプチドMKP測定値(mg)〕/〔得られたカゼイン加水分解物の質量(g)〕
〔得られたカゼイン加水分解物中のトリペプチドMKP測定値(mg)〕は、下記「LC/MS」による、試料中のトリペプチドMKPの測定値である。
(iii)LC/MS使用機器
質量分析計:TSQ Quantum Discovery MAX(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)。
高速液体クロマトグラフ:Prominence (島津製作所社製)、カラム:XBridge BEH300 C18 φ2.1 mm×250 mm,3.5 μm(Waters社製)。
(iv)LC/MS測定条件
移動相A:0.2重量% ギ酸−水溶液
移動相B:0.2重量% ギ酸−アセトニトリル溶液
タイムプログラム:2%B(0.0分)−25%B(5.0分)−65%B(5.1分)−65%B(10分)−85%B(10.1分)−85%B(13.0%)−2%B(13.1分)−STOP(30.0分)。
試料注入量:10μL、カラム温度:40℃、液体流量:200μL/min
分析モード:SRM測定。
Product Mass:m/z=260.10(Parent m/z = 375.21)
<1−3.(C)酸味成分>
本技術における酸味成分は、飲食品(特に飲料)に酸味を付与できる成分を意味し、酸性成分及び酸性成分以外の酸味を付与する成分を含む概念であり、口中で酸味を呈し得る成分が好適である。
本技術に用いる酸味成分は、飲食品に使用できる公知の酸味成分や市販品などを適宜用いることができ、公知の製造方法にて製造することができる。
酸味成分としては、特に限定されないが、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酢酸、酒石酸、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、リン酸、アスコルビン酸、フィチン酸、乳酸、フマル酸、又はそれらの塩(例えば、ナトリウム塩など)などが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。また、炭素数1〜2や3程度の有機酸が好適である。これにより、果汁感増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にすることができる。
前記酸味成分のうち、クエン酸又はその塩(例えば、三ナトリウム塩など)が、果汁感増強及び/又は甘味料の後味改善の観点から、好適であり、飲料のおいしさもより向上させることができる。当該塩として、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムなど)やアルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウムなど)が挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。このうち、好ましくはアルカリ金属であり、更にナトリウムである。
また、酸味成分は、柑橘類に含まれる成分であってもよく、例えば、レモンに含まれるクエン酸や、ブドウに含まれる酒石酸のように、果汁などに含有されている成分であっても良い。
また、柑橘類として、特に限定されないが、例えば、オレンジ、うんしゅうみかん、グレープフルーツ、レモン、ライム、柚子、いよかん、なつみかん、はっさく、ポンカン、シークワーサー、かぼすなどが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
なお、酸度(%)は、日本農林規格:果実飲料の日本農林規格(最終改正 平成28年2月24日農林水産省告示第 489号)に記載の(測定方法)の事項:酸度:「2 自動滴定による場合」に従って、クエン酸換算値として測定し、求めることができる。
<1−4.(D)香料>
本技術における香料は、飲食品(特に飲料)に香りを付与できる成分を意味し、天然由来の成分、合成された成分、又はそれらの混合物の何れも用いることができる。
本技術に用いる香料は、飲食品に使用できる公知の香料や市販品などを適宜用いることができ、また、公知の製造方法にて製造することができる。
香料として、特に限定されないが、果汁系香料が好ましく、例えば、柑橘系香料、リンゴ香料、ブドウ香料、イチゴ香料、パイナップル香料、バナナ香料、ナシ香料、モモ香料、ウメ香料、ブルーベリー香料、メロン香料、グアバ香料、マンゴー香料、アセロラ香料及びパパイヤ香料などが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
る。
このうち、柑橘系香料を用いることが、柑橘系の果汁感をより増強できるので好適である。このとき、甘味料の後味改善や飲料のおいしさ向上もより良好にすることができる。
前記柑橘系香料としては、例えば、レモン香料、みかん香料、オレンジ香料、ライム香料、グレープフルーツ香料、及びゆず香料などが挙げられる。柑橘系香料のうち、グレープフルーツ香料が好適であり、また、リモネン及び/又はシトラールを含有する香料が好適である。
<1−5.前記(A)〜(D)の各含有量及び質量比>
前記(A)甘味料、(B)乳蛋白質加水分解物、(C)酸味成分、(D)香料のそれぞれの含有量は、飲料中に、以下になるように調整することが好適である。
<1−5−1.甘味料の含有量>
前記甘味料の含有量は、特に限定されないが、飲料の甘味度が1〜12になるように、甘味料を配合することが好適であり、より好ましくは甘味度 2〜12、更に好ましくは甘味度 4〜11であり、より更に好ましくは甘味度 4〜9である。これにより、果汁感増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にすることができる。
前記甘味料として糖類を用いる場合、特に限定されないが、飲料中に、好ましくは1〜17質量%、より好ましくは2〜16質量%、更に好ましくは4〜15質量%になるように含有させることが好適である。これにより、果汁感増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にすることができる。
前記甘味料として高甘味度甘味料を用いる場合、特に限定されないが、飲料中に、好ましくは0.005〜0.06質量%、より好ましくは0.01〜0.05質量%、更に好ましくは0.02〜0.045質量%になるように含有させることが好適である。これにより、果汁感増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にすることができる。
<1−5−2.乳蛋白質加水分解物の含有量>
飲料中の乳蛋白質加水分解物の含有量は、特に限定されないが、この下限値は、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.04質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上であり、また、この上限値は、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは0.4質量%以下である。当該乳蛋白質加水分解物の含有量の好適な範囲は、飲料中に、より好ましくは0.05〜0.5質量%である。これにより、果汁感増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にすることができる。本技術によれば、乳蛋白質加水分解物を少量にて、無果汁や低果汁の場合でも、果汁感が増強できるという優れた利点がある。
清涼飲料水における果汁感増強及び甘味料の後味改善をより良好にする場合、より好ましくは0.05〜0.2質量%、更に好ましくは0.05〜0.075質量%である。
乳含有飲料における果汁感増強及び甘味料の後味改善をより良好にする場合、より好ましくは0.3〜0.5質量%、更に好ましくは0.3〜0.4質量%である。
<トリペプチドMKPの含有量>
本技術において、飲料中に、前記(a4)トリペプチドMKPが含まれることが好適である。これにより、果汁感の増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にすることができ、また飲料のおいしさ向上をより良好にすることができる。
飲料中の(a4)トリペプチドMKPの含有量は、特に限定されないが、この下限値は、好ましくは0.00002質量%以上、より好ましくは0.00009質量%以上、更に好ましくは0.0001質量%以上であり、また、この上限値は、好ましくは0.001質量%以下、より好ましくは0.0008質量%以下、更に好ましくは0.0005質量%以下である。当該(a4)トリペプチドMKPの含有量の好適な範囲は、飲料中に、より好ましくは0.00002〜0.001質量%、更に好ましくは0.00009〜0.0008質量%、より更に好ましくは0.0001〜0.0005質量%である。これにより、果汁感の増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にすることができ、また飲料のおいしさ向上をより良好にすることができる。
<1−5−3.酸味成分の含有量>
前記酸味成分は、特に限定されないが、飲料中に、0.05〜0.5質量%を含有することが好適であり、より好適には0.1〜0.5質量%である。
また、飲料中の酸度(%)は、好ましくは0.01〜1.0、より好ましくは0.05〜0.5、更に好ましくは0.1〜0.4である。これにより、果汁感増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にすることができる。
<1−5−4.香料の含有量>
前記香料は、特に限定されないが、飲料中に、0.5質量%以下含有することが好適であり、より好適には0.01〜0.3質量%である。これにより、果汁感増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にすることができる。
<1−5−5.甘味度1に対する乳蛋白質加水分解物の含有量>
飲料に配合する乳蛋白質加水分解物の含有量は、飲料の甘味度1に対して、下限値は、飲料中に、好ましくは0.004質量%以上、より好ましくは0.006質量%以上であり、また、上限値は、飲料中に、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.08質量%以下、更に好ましくは0.06質量%以下、より更に好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.04質量%以下である。当該数値範囲は、飲料の甘味度1に対して、飲料中に、乳蛋白質加水分解物の含有量は、より好ましくは0.004〜0.1質量%、更に好ましくは0.008〜0.08質量%、より更に好ましくは0.009〜0.06質量%である。
また飲料の甘味度1に対して、飲料中に、乳蛋白質加水分解物の含有量は、清涼飲料水の場合には、0.005〜0.015質量%がより好適であり、乳含有飲料の場合には0.025〜0.04質量%がより好適である。
これにより、果汁感の増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にすることができ、また飲料のおいしさ向上をより良好にすることができる。また、本技術であれば、無果汁や低果汁の場合でも、果汁感が増強できるという優れた利点がある。
<1−5−6.〔甘味度/酸度〕の比1に対する乳蛋白質加水分解物の含有量>
飲料の〔甘味度/酸度〕は特に限定されず、好ましくは5〜80、より好ましくは10〜60である。また、飲料の〔甘味度/酸度〕は、清涼飲料水の場合には、15〜30がより好適であり、乳含有飲料の場合には40〜60がより好適である。これにより、果汁感の増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にすることができ、また飲料のおいしさ向上をより良好にすることができる。また、本技術であれば、無果汁や低果汁の場合でも、果汁感が増強できるという優れた利点がある。
また、飲料に配合する乳蛋白質加水分解物の含有量は、飲料の〔甘味度/酸度〕の比1に対して、下限値は、飲料中に、好ましくは0.0015質量%以上、より好ましくは0.002質量%以上、更に好ましくは0.0025質量%以上であり、また、上限値は、飲料中に、好ましくは0.015質量%以下、より好ましくは0.0125質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以下である。また、飲料の〔甘味度/酸度〕の比1に対して、清涼飲料水の場合には、0.0025〜0.00375質量%がより好適であり、乳含有飲料の場合には、0.006〜0.008質量%がより好適である。これにより、果汁感の増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にすることができ、また飲料のおいしさ向上をより良好にすることができる。また、これにより、無果汁や低果汁の飲料であっても、果汁感のある飲料を提供することができる。
<1−5−7.酸味成分の含有量及び乳蛋白質加水分解物の含有量の質量比>
飲料中の〔酸味成分の含有量/乳蛋白質加水分解物の含有量〕の質量比は、特に限定されないが、好ましくは10〜0.1、より好ましくは6〜0.5である。これにより、果汁感の増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にすることができ、また飲料のおいしさ向上をより良好にすることができる。また、これにより、無果汁や低果汁の飲料であっても、果汁感のある飲料を提供することができる。
清涼飲料水の場合には、飲料中の〔酸味成分の含有量/乳蛋白質加水分解物の含有量〕の質量比は、果汁感の増強、甘味料の後味改善、飲料のおいしさ向上の観点から、好ましくは10〜0.5、より好ましくは6〜1.5、更に好ましくは6〜4である。
乳含有飲料の場合には、飲料中の〔酸味成分の含有量/乳蛋白質加水分解物の含有量〕の質量比は、果汁感の増強、甘味料の後味改善、飲料のおいしさ向上の観点から、好ましくは5〜0.1、より好ましくは3〜0.2、更に好ましくは2.5〜0.4であり、より更に好ましくは1〜0.5である。
<1−5−8.香料の含有量及び乳蛋白質加水分解物の含有量の質量比>
飲料中の〔香料の含有量/乳蛋白質加水分解物の含有量〕の質量比は、特に限定されないが、好ましくは3〜0.1、より好ましくは2〜0.1、更に好ましくは1.5〜0.2である。これにより、果汁感の増強及び/又は甘味料の後味改善をより良好にすることができ、また飲料のおいしさ向上をより良好にすることができる。また、これにより、無果汁や低果汁の飲料であっても、果汁感のある飲料を提供することができる。
清涼飲料水の場合には、飲料中の〔香料の含有量/乳蛋白質加水分解物の含有量〕の質量比は、果汁感の増強、甘味料の後味改善、飲料のおいしさ向上の観点から、好ましくは1.2〜0.3、より好ましくは1.2〜0.6、更に好ましくは1.2〜0.8である。
乳含有飲料の場合には、飲料中の〔香料の含有量/乳蛋白質加水分解物の含有量〕の質量比は、果汁感の増強、甘味料の後味改善、飲料のおいしさ向上の観点から、好ましくは1.1〜0.2、より好ましくは0.3〜0.2、更に好ましくは0.35〜0.25である。
<1−6.任意成分>
本技術の飲料には、本技術の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて、飲食品などの成分として使用可能な任意成分を配合することができる。
この任意成分として、例えば、酸性成分、プロバイオティクス、乳成分、食物繊維、ヒトミルクオリゴ糖、安定剤、前記(D)香料以外の香料成分、植物油脂、植物性乳、増粘多糖類、油脂、蛋白質、アミノ酸、有機酸、ビタミン、無機塩類などが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
酸性成分は、上述した酸味成分を用いることができるが、pH調整剤として用いることができ、当該酸性成分により、本技術の組成物に酸味を付与したり、酸性領域にしたりすることができる。
酸性成分は特に限定されないが、上記酸味成分の例示の他、例えば、グルコン酸、フィチン酸、リン酸、二酸化炭素及びこれらの塩などが挙げられ、これらからからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
プロバイオティクスは特に限定されないが、例えば、乳酸菌、ビフィドバクテリウム属細菌、酢酸菌、及び枯草菌などが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。このうち、乳酸菌及び/又はビフィドバクテリウム属細菌(例えば、B.ロンガム、B.インファンティス、B.ブレーベ等)が好ましい。プロバイオティクスは、生菌体、死菌体、これらを用いた培養物の何れでもよいが、プロバイオティクス効果の観点から生菌体が好ましい。また、菌体、細菌培養物、発酵物又は発酵乳を配合させることで、プロバイオティクス効果を期待することも可能である。
乳成分は、少なくとも乳蛋白質及び/又は乳脂肪分を含有するものであればよい。当該乳成分を発酵菌(例えば、前記プロバイオティクスなど)にて、発酵させて得られた発酵乳を、乳成分として使用してもよい。発酵乳は、一般的な発酵方法を用いて発酵させて得ることができるが、当該発酵方法は特に限定されない。
前記乳成分は、主に哺乳動物の乳(例えば、牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等)由来の乳成分、好適は牛乳由来の乳成分を用いることができる。
前記乳成分として、例えば、生乳、牛乳、脱脂乳、部分脱脂乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、練乳、全粉乳、脱脂粉乳、乳清(ホエー)、乳清蛋白質濃縮物(WPC)、乳清蛋白質分離物(WPI)、全乳蛋白質濃縮物(TMP)、クリーム、クリームパウダー、及びホエーパウダーなどが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
食物繊維としては、ヒトの酵素において難消化性の糖類が好適であり、当該糖類として、多糖及び/又はオリゴ糖が挙げられる。本明細書において、「難消化性」とは、ヒトの消化酵素で消化されにくいことをいう。
当該糖類として、植物由来及び/又は細菌由来の食物繊維などを用いることができ、これらに特に限定されない。当該食物繊維として、ビフィドバクテリウム属細菌及び/又は乳酸菌が資化できるものが好適である。水溶性の食物繊維として、4〜30℃程度の水に溶解性のある多糖及び/又はオリゴ糖が好適である。
本技術における食物繊維として、例えば、オリゴ糖(例えば、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、コーヒー豆マンノオリゴ糖、グルコン酸等)、並びに、食物繊維(ポリデキストロース、イヌリン、キシラン、アラビナン、ペクチン、ガラクタン、セルロース、大豆繊維、デキストリン、デキストラン、難消化性デキストリン等)などが挙げられ、これらからなる群より選択される1種又は2種以上を用いることができる。食物繊維の含有量としては、特に限定されないが、例えば、0.5〜3質量%などが挙げられる。
例えば、食物繊維の一種である難消化性デキストリンは、澱粉から調製して得られる水溶性の食物繊維の一種である。当該難消化性デキストリンは、例えば、焙焼デキストリンを酵素消化して得ることができるものであり、酵素消化後次いで水素添加して得ることができるものでもよい。また、ファイバーソル2(松谷化学工業社製)などの市販品でもよい。
ヒトミルクオリゴ糖として、例えば、2’−フコシルラクトース、3−フコシルラクトース、2’,3−ジフコシルラクトース、ラクト−N−トリオースII、ラクト−N−テトラオース、ラクト−N−ネオテトラオース、ラクト−N−フコペンタオースI、ラクト−N−ネオフコペンタオース、ラクト−N−フコペンタオースII、ラクト−N−フコペンタオースIII、ラクト−N−フコペンタオースV、ラクト−N−ネオフコペンタオースV、ラクト−N−ジフコヘキサオースI、ラクト−N−ジフコヘキサオースII、6’−ガラクトシルラクトース、3’−ガラクトシルラクトース、ラクト−N−ヘキサオース及びラクト−N−ネオヘキサオースなどの中性ヒトミルクオリゴ糖;3’−シアリルラクトース、6’−シアリルラクトース、3−フコシル−3’−シアリルラクトース、ジシアリル−ラクト−N−テトラオースなどの酸性ヒトミルクオリゴ糖などが挙げられる。これらからなる群より選択される1種又は2種以上を用いることができる。
安定剤は特に限定されないが、安定剤として、例えば、ハイメトキシルペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び大豆多糖類などが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。なお、大豆多糖類は大豆から得られた多糖類で、主成分はヘミセルロースである。市販品でもよく、市販品として、例えば、ハイメトキシルペクチン(SM−666、三栄源エフ・エフ・アイ社製)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(セロゲンFZ(製品名)、第一工業製薬社製)、大豆多糖類(SM−1200、三栄源エフ・エフ・アイ社製)などが挙げられるが、特にこれらに限定されない。
前記(D)香料以外の香味成分は特に限定されないが、飲料の味付け及び香り付け目的のため使用可能な成分を用いることができる。香味成分として、前記(D)香料の例示以外で、例えば、コーヒー、茶類(例えば、紅茶、緑茶、ほうじ茶、番茶、煎茶、ウーロン茶等)及びこれらのエキス;野菜汁類(例えば、トマト、ニンジン等)、これらの粉末又はフレーバーなどが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
<1−7.本技術の飲料の提供>
本技術の飲料としては、特に限定されないが、例えば、炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料水、果肉飲料、果粒入り果実飲料、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料などが挙げられ、これらの群から選択される1種又は2種以上である。
本技術の飲料は、酸性飲料であってもよい。当該酸性飲料は、通常、pHが7未満の飲料を意味する。当該飲料のpH(20℃)は、好ましくは6以下、更に好ましくは2〜6、より更に好ましくは2〜4である。
一般的な飲料として、例えば、清涼飲料水(アルコール分1%未満)及びアルコール飲料などが知られており、通常アルコール分を含まない飲料(具体的にはアルコール分1%未満)を清涼飲料水と読んでいる。
本技術の飲料は、清涼飲料水又は乳含有飲料が好適である。本技術の飲料は、アルコール分1%未満の飲料が好適である。
<1−7−1.清涼飲料水>
本技術の「清涼飲料水」として、例えば、炭酸飲料、果汁飲料、野菜ジュース、スポーツ飲料、茶系飲料、コーヒー飲料、乳性飲料、発酵乳入り飲料、乳酸菌飲料などが挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上である。本技術において、清涼飲料水のうちで、無果汁や低果汁の場合が、好ましい。
<1−7−2.乳含有飲料>
本技術の「乳含有飲料」とは、少なくとも乳成分を配合した飲料であり、例えば、乳飲料及び清涼飲料水などに分類されることもある。本技術に用いる乳成分は、少なくとも乳由来の成分のいずれかを含有するものであればよく、乳蛋白質及び/又は乳脂肪分及び/又は乳糖及び/又は乳由来のミネラル分を含有するものでもよい。当該乳成分として、発酵乳又は非発酵乳の何れの成分を用いてもよい。本技術において、乳含有飲料のうちで、無果汁や低果汁の場合が、好ましい。
乳含有飲料において、上述した「乳成分」を適宜使用したり、当該飲料中の無脂乳固形分や乳脂肪分の含有量を適宜調整することができる。
飲料中の乳脂肪分を調整する場合、上述した「乳成分」の他、「乳脂肪源」を使用することができ、当該乳脂肪源は乳脂肪分を含むものであれば特に限定されない。当該乳脂肪源として、例えば、クリーム、バター、バターオイル、及びクリームチーズ等が挙げられ、これらからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
<無脂乳固形分>
乳含有飲料において、当該飲料中の無脂乳固形分の含有量は、特に限定されないが、その下限値として、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上であり、その上限値として、好ましくは12.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下である。当該数値範囲として、より好ましくは0.1〜12.0質量%、更に好ましくは0.5〜8.0質量%である。これにより、良好である。
<乳脂肪分>
乳含有飲料において、当該飲料中の乳脂肪分の含有量は、特に限定されないが、当該乳脂肪分の含有量として、その上限値として、好ましくは4.0質量%以下、より好ましくは3.5質量%以下である。
本技術の飲料が低脂肪である場合、飲料中の乳脂肪分含有量は、その上限値として、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.2質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下、より更に好ましくは0.8質量%以下である。
また、本技術において「乳固形分」とは、無脂乳固形分及び乳脂肪分の合計である。本技術における、乳固形分、無脂乳固形分、乳脂肪分、及びその他乳成分の含有量は、「乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)」の「乳等の成分規格の試験法」に記載の各定量方法によって測定することができる。
<1−7−3.低果汁飲料、無果汁飲料>
本技術であれば、果汁の含有量を少量にした飲料(例えば、低果汁飲料)、果汁を含まない飲料(いわゆる無果汁飲料、例えば果汁5%未満)であっても、果汁感を付与でき、また、果汁感を増強できる。果汁の含有量が少量の飲料として、例えば、果汁10%未満飲料、果汁5%以上10%未満飲料などが挙げられる。また、果汁を含まない飲料(いわゆる無果汁飲料)として、例えば、果汁5%未満飲料、果汁4%、3%、2%又は1%以下の飲料、果汁無添加の飲料などが挙げられる。
なお、本技術の「無果汁飲料」の「無果汁」の定義としては、日本国消費者庁の「無果汁の清涼飲料水等についての表示」(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/representation_regulation/case_006/)に基づき、果汁5%未満をいう。なお、日本国消費者庁において「無果汁の清涼飲料水等」の「等」とは、乳飲料、はっ酵乳、乳酸菌飲料、粉末飲料、アイスクリーム類であり、清涼飲料水を含め、容器に入っているもの又は包装されているものに限られる」と定義されている。
本技術の飲料は、飲食品用、医薬品用などに適用することも可能である。
なお、本技術は、適用対象であるヒト若しくはヒト以外の動物(例えば、ペット、家畜等)に使用してもよく、また治療目的使用であっても、非治療目的であってもよい。「非治療目的」とは、医療行為、すなわち、治療による人体への処置行為を含まない概念である。
<2.本技術の飲料の製造方法>
本技術の飲料の製造方法は、特に限定されず、公知の飲料の製造方法を利用して行うことができる。本技術の飲料の製造方法は、甘味料、乳蛋白質加水分解物、酸味成分及び香料を混合して原料液を調製する工程を含むことを特徴とすることが好適である。
本技術の飲料の製造方法は、上述した<1.本技術の飲料>と共通する構成については説明を省略する。
本技術の飲料の製造方法における原料及びその使用量は、上述した<1.本技術の飲料>の前記(A)甘味料、前記(B)乳蛋白質加水分解物、前記(C)酸味成分、前記(D)香料、や任意成分などを原料として用いることができ、また、各含有量や各質量比になるように使用量を適宜調整することができる。
本技術の飲料の製造方法において、本技術の飲料に用いる各成分の添加は、飲料の製造工程中の何れの工程でもよく、特に限定されず、例えば、調製工程での添加が挙げられる。また、各成分は上述したような含有量、質量比などになるように適宜添加し、飲料を調製することができる。
本技術の飲料の製造工程として、例えば、前記(A)〜(D)の各成分などの原料を混合して原料液を調製する工程、当該原料液を加熱殺菌又は除菌(膜処理等)する工程、当該殺菌又は除菌した原料液を容器に充填する工程などが挙げられる。また、殺菌前の原料液を容器に充填後に加熱殺菌工程を行ってもよい。本技術の製造工程は、これらに限定されない。
本技術において、乳蛋白質加水分解物の添加工程は、飲料の製造工程中であれば特に限定されず、何れの工程でもよい。例えば、調製工程で添加してもよいし、加熱殺菌工程前に添加してもよいし、容器充填工程前に添加してもよい。また、乳蛋白質加水分解物の添加工程は、添加後に加熱殺菌工程を行うことが好適である。
また、飲料を酸性に調製する場合、何れかの工程において、酸性成分などの含有液を適宜混合して、飲料を酸性に調整してもよい。
本技術において、均質化処理することが好適である。当該均質化処理は、常法により行うことができる。例えば、ホモジナイザーを用い、60〜90℃の条件下、5〜25MPaの圧力で均質化する方法を例示することができるが、これに限定されない。
本技術において、加熱殺菌又は除菌することが好適である。常法の加熱殺菌又は除菌により行うことができる。加熱殺菌の場合、通常は120〜150℃で1〜120秒間、飲料風味の観点からより好ましくは120〜140℃で1〜3秒間程度であり、UHT殺菌(Ultra-High Temperature pasteurization)を行ってもよい。また、除菌はフィルターなどを用いて行ってもよい。
本技術において、容器に充填する場合は、常法により行うことができ、本技術の飲料に用いる組成物容器として、例えば、紙パック、PET容器、缶、ビン等が挙げられるが、これに限定されないが、飲料の組成物の状態(例えば、飲料や流動食など)によって適宜容器を選択してもよい。
上記製造方法により、果汁感が増強された及び/又は甘味の後味が改善された飲料を得ることができ、更に飲料のおいしさを向上することもできる。
本術の飲料の形態は特に限定されないが、液状又は流動状の何れでもよい。
また、一般的に加熱処理により果汁感の風味が弱まる傾向にあるが、本技術は加熱殺菌後の飲料であっても、果汁感の増強及び/又は甘味の後味改善をすることができる。これにより、本技術は、良好な加熱殺菌済みの飲料を提供することもできる。
<3.本技術の用途>
本技術は、甘味料、乳蛋白質加水分解物、酸味成分及び香料を、飲料に添加することを特徴とする、飲料の果汁感を増強する方法、及び/又は、飲料の甘味料の後味を改善する方法を提供することもできる。
また、本技術の乳蛋白質加水分解物は、果汁感を期待する飲料(より好適には低果汁や無果汁)に対して果汁感を増強することが可能であり、また、甘味料(より好適には高甘味度甘味料)の後味を改善することが可能である。本技術の乳蛋白質加水分解物を、清涼飲料水又は乳含有飲料に用いることが、好適である。
また、本技術の乳蛋白質加水分解物を用いて飲料の果汁感を増強する場合、飲料中に酸味成分及び香料を含有することが好適である。また、甘味料の後味を改善する場合、飲料中に甘味料を含有することが好適である。更に好適には、飲料中に、甘味料、並びに、酸味成分及び香料の3成分を含有することであり、これにより、果汁感の増強及び/又は甘味料の後味改善がより良好になり、また、飲料のおいしさ向上もより良好になる。
よって、本技術の乳蛋白質加水分解物は、飲料に対する果汁感の増強剤及び/又は甘味料の後味改善剤の有効成分として含有させることができ、また、当該飲料に対する果汁感の増強剤及び/又は甘味料の後味改善剤を製造するために使用することができる。また、本技術は、飲料に対する果汁感の増強のための及び/又は甘味料の後味改善のための乳蛋白質加水分解物又はその使用を提供することもできる。また、本技術は、乳蛋白質加水分解物を飲料中に配合することによって、飲料に対する果汁感を増強する方法及び/又は甘味料の後味を改善する方法を提供することも可能である。
本技術において、上述した<1.本技術の飲料>及び<2.本技術の飲料の製造方法>と共通する構成については説明を省略する。本技術の甘味料、乳蛋白質加水分解物、酸味成分及び香料などの使用量や使用比率は、上述した<1.本技術の飲料>及び<2.本技術の飲料の製造方法>の各構成の含有量及び各質量含有比などと同様である。
以下、実施例等に基づいて本技術を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例等は、本技術の代表的な実施例等の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
〔実施例1及び比較例1:無果汁清涼飲料水(無果汁グレープフルーツジュース)〕
カゼイン加水分解物の添加量を調整した無果汁の清涼飲料水を製造し、各清涼飲料水について、果汁感増強、甘味料の後味改善、おいしさ向上について、検討を行った。
<実施例1及び比較例1に用いた原料>
実施例1及び比較例1に用いた原料は以下のとおりである。
乳蛋白質加水分解物として、カゼイン蛋白質加水分解物(製造例1):下記の〔製造例1〕で得られたカゼイン蛋白質加水分解物を用いた。
ファイバーソル2(食物繊維;松谷化学工業社製)は、難消化性デキストリンである。
酸味成分として、クエン酸を用いた。
高甘味度甘味料として、サンスイートSA5050:(三栄源FFI社製)を用いた。サンスイートSA5050は、アセスルファムカリウムとスクラロースを含む甘味料であり、甘味度は砂糖の約200倍である。
グレープフルーツ香料として、高砂香料工業社製の天然由来原料を含むグレープフルーツ香料を用いた。
飲料中のカゼイン蛋白質加水分解物の含有量は、試験例1で0質量%、試験例2で0.05質量%、試験例3で0.075質量%、試験例4で0.1質量%、試験例5で0.2質量%であった。
試験例1の飲料の甘味度は6であった。このカゼイン蛋白質加水分解物の無添加の飲料を、試験例2〜5の飲料の甘味度とした。
試験例1〜5の飲料の酸度は、上述した「果実飲料の日本農林規格」にて測定した結果、それぞれ0.3%であった。
なお、表2及び表4中の、「加水分解物(%)」は「カゼイン加水分解物(質量%)」である。「甘味度1に対す加水分解物量」は「甘味度1に対する飲料中のカゼイン加水分解物の含有量(質量%)」である。「〔甘味度/酸度〕の比1に対する加水分解物量」は「〔甘味度/酸度〕の比1に対する飲料中のカゼイン加水分解物の含有量(質量%)」である。「〔酸味成分/加水分解物〕の質量比」は、「飲料中の〔酸味成分の含有量(質量%)/加水分解物の含有量(質量%)〕の質量比」である。「〔香料/加水分解物〕の質量比」は、「飲料中の〔香料の含有量(質量%)/カゼイン加水分解物(質量%)〕の質量比」である。
〔製造例1:カゼイン蛋白質加水分解物〕
(A)乳タンパク質加水分解物として、カゼイン蛋白質加水分解物を用いた。
市販のカゼイン蛋白質(牛乳由来、ニュージーランドデーリーボード社製)100mgに水900mgを加え、よく分散させ、水酸化ナトリウムを添加して溶液のpHを7.0に調整し、カゼイン蛋白質を完全に溶解し、濃度約10%のカゼイン蛋白質水溶液を調製した。
該カゼイン蛋白質水溶液を85℃で10分間加熱殺菌し、50℃に温度調整し、水酸化ナトリウムを添加してpHを9.0に調整した後、パンクレアチン2mg(天野エンザイム社製)、プロテアーゼA4mg(天野エンザイム社製)を添加して、加水分解反応を開始した。8時間後に80℃で6分間加熱して酵素を失活させて酵素反応を停止し、10℃に冷却した。
この加水分解液を分画分子量1000の限外濾過膜(日本ポール社製)で限外濾過し、濃縮後凍結乾燥し、カゼイン蛋白質加水分解分解物を85mg得た。
(A)カゼイン蛋白質加水分解物は、上記工程を複数ロット実施した結果、分解率20〜30%、平均分子量800Da以下、アミノ酸遊離率10%以下、トリペプチドMKP0.01〜0.1質量%の範囲であった。これらは上述の<アミノ酸の分解率>、<平均分子量の算定方法>、<アミノ酸遊離率の算定方法>、<トリペプチドMKP含有量の測定>にて算定した。なお、カゼイン蛋白質加水分解物は、平均分子量360〜390Daに調製可能である。
<実施例1及び比較例1の飲料の調製及び評価>
上述した<実施例1及び比較例1に用いた原料>、表1及び2に示す試験例1〜5の配合組成を用いて、無果汁清涼飲料水を5種類(試験例1〜5)製造した。
試験例1の無果汁清涼飲料水は、表1の組成のうち、製造例1のカゼイン蛋白質加水分解物を配合しない以外は下記の試験例2と同様にして基準となる無果汁清涼飲料水1(比較例1)を作製した。
試験例2の配合組成において、高甘味度甘味料、製造例1のカゼイン蛋白質加水分解物、酸味成分、香料及び水、並びにその他原料を混合して原料液を調製し、上述した<実施例1及び比較例1に用いた原料>、表1及び表2の組成になるように混合物(pH2.5〜4.0(20℃))を調製した。この調製混合物を、60℃・20MPaで均質化し、更に加熱殺菌(120〜140℃で1〜3秒間程度のUHT殺菌)した後、室温まで冷却して、無果汁清涼飲料水2(pH2.5〜4.0(20℃))を得た。
上述した<実施例1及び比較例1に用いた原料>、表1及び2に示す配合組成に従って、順次、試験例3〜5の各配合組成を用いて各無果汁清涼飲料水3〜5を得た。
<評価方法>
評価パネラー間の果汁感の均一化のために天然果汁を基準液とし、これを日常的に確認し、果汁感の判断基準について摺合せを行っている開発担当のうち7名を評価パネラーとして選出した。今回は、グレープフルーツの天然果汁を用いて評価パネラー間の摺合せも行った。
各甘味度を振り分けた各試料液を日常的に確認しつつ、甘味料の後味の判断基準についても摺合せを行っている開発担当のうち7名を評価パネラーとして選出した。
評価パネラー間のおいしさの均一化のため、おいしさについて問診を行い、おいしさの判断基準について摺合せができた開発担当のうち7名を評価パネラーとして選出した。
<評価点>
<果汁感の評価点(1点がワースト/7点がベスト:7段階評価)>
1(非常に弱い);2(弱い);3(少し弱い);4(どちらともいえない);5(少し強い);6(強い);7(とても強い)
<甘味料の後味感(べたつき)の評価点(1点がベスト/7点がワースト:7段階評価)>
1(非常に弱い);2(弱い);3(少し弱い);4(どちらともいえない);5(少し強い);6(強い);7(とても強い)
<おいしさの評価点(1点がワースト/7点がベスト:7段階評価)>
1(非常においしくない);2(おいしくない);3(少しおいしくない);4(どちらともいえない);5(少しおいしい);6(おいしい);7(とてもおいしい)
<実施例1の飲料の結果>
甘味料、酸味成分及び柑橘系香料を含む清涼飲料水に、カゼイン加水分解物を配合することで、果汁感が増強し、甘味料の後味が改善され、おいしさが向上した実施例1の飲料を得ることができた。実施例1の飲料は、果汁が含まれていない無果汁の飲料であったが、果汁感が付与され、果汁感のある飲料にすることができた。実施例1の飲料は、高甘味度甘味料特有の後味の悪さが改善された飲料にすることができた。
果汁感の増強において、カゼイン加水分解物の含有量が、0.05〜0.2質量%のときに、果汁感の増強ができ、このなかで0.05〜0.075質量%のときに果汁感の増強がより良好であった。
甘味料の後味改善において、カゼイン加水分解物の含有量が、0.05〜0.2質量%のときに、後味の改善ができ、このなかで0.1〜0.2質量%のときに後味の改善がより良好であった。
カゼイン加水分解物の含有量が、0.05〜0.05質量%のときに、おいしさ向上がより良好であった。
総合的に判断すると、カゼイン加水分解物の含有量が、0.05〜0.075質量%が好ましかった。
甘味度1に対するカゼイン加水分解物の飲料中の含有量は、甘味度1に対して、0.008〜0.016質量%のときに、果汁感の増強がより良好であった。
〔甘味度/酸度〕の比1に対するカゼイン加水分解物の飲料中の含有量は、〔甘味度/酸度〕の比1に対して、0.0025〜0.00375質量%のときに、果汁感の増強、甘味料の後味改善、おいしさ向上が、より良好であった。
酸味成分の含有量/カゼイン加水分解物の含有量の質量比は、6.00〜1.5(より好適には6.00〜4.00)のときに、果汁感の増強、甘味料の後味改善、おいしさ向上が、より良好であった。
香料の含有量/カゼイン加水分解物の含有量の質量比は、1.20〜0.30(より好適には1.20〜0.80)のときに、果汁感の増強、甘味料の後味改善、おいしさ向上が、より良好であった。
Figure 2021078361
Figure 2021078361
〔実施例2及び比較例2:無果汁の乳含有飲料(グレープフルーツ味の乳含有飲料)〕
カゼイン加水分解物の添加量を調整した無果汁の乳含有飲料を製造し、各乳含有飲料について、果汁感増強、甘味料の後味改善、おいしさ向上について、検討を行った。
<実施例2及び比較例2の飲料に用いた原料>
実施例2及び比較例2に用いた原料は以下のとおりである。
乳蛋白質加水分解物として、カゼイン蛋白質加水分解物(製造例1):前記〔製造例1〕で得られたカゼイン蛋白質加水分解物を用いた。
甘味料として、果糖ブドウ糖液糖(昭和産業株式会社製)、グラニュー糖(三井製糖株式会社製)の糖類を用いた。
乳成分として、脱脂粉乳(森永乳業株式会社製)、ホエイパウダー(森永乳業株式会社社製)を用いた。
酸味成分として、クエン酸及びクエン酸3ナトリウムを用いた。
グレープフルーツ香料として、香料(高砂香料工業株式会社製)を用いた。
安定剤として、大豆多糖類及びペクチン;三栄源エフエフアイ株式会社製を用いた。
着色料として、カルミン酸色素;三栄源エフエフアイ株式会社製を用いた。
試験例6の飲料の甘味度は11であった。このカゼイン蛋白質加水分解物の無添加の飲料を、試験例7〜11の飲料の甘味度とした。
上述した「果実飲料の日本農林規格」にて測定した結果、比較例2及び実施例2(試験例6〜11)の飲料の酸度(%)は、それぞれ0.22であった。
飲料中のカゼイン蛋白質加水分解物の含有量は、試験例6で0質量%、試験例7で0.1質量%、試験例8で0.2質量%、試験例9で0.3質量%、試験例10で0.4質量%、試験例11で0.5質量%であった。
実施例2(試験例6〜11)の飲料について、上述した「乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)」の「乳等の成分規格の試験法」にて測定した結果、無脂乳固形分の含有量は、それぞれ0.54質量%であり、乳脂肪分の含有量は、それぞれ0.01質量%であった。
<実施例2及び比較例2の飲料の調製及び評価>
上述した<実施例2及び比較例2に用いた原料>、表3及び4に示す試験例6〜11の配合組成を用いて、乳含有飲料を6種類(試験例6〜11)製造した。
試験例6の無果汁の乳含有飲料は、表2の組成のうち、製造例1のカゼイン蛋白質加水分解物を配合しない以外は下記の試験例7と同様にして基準となる無果汁の乳含有飲料6(比較例2)を作製した。
試験例7の配合組成において、糖類、乳成分、製造例1のカゼイン蛋白質加水分解物、酸味成分、香料及び水、並びにその他原料を混合して原料液を調製し、上述した<実施例2及び比較例2に用いた原料>、表3及び表4の組成になるように混合物(pH2.5〜4.0(20℃))を調製した。この調製混合物を、60℃・20MPaで均質化し、更に加熱殺菌(120〜140℃で1〜3秒間程度のUHT殺菌)した後、室温まで冷却して、乳含有飲料7(pH2.5〜4.0(20℃))を得た。
上述した<実施例2及び比較例2に用いた原料>、表3及び4に示す配合組成に従って、順次、試験例8〜11の各配合組成を用いて各乳含有飲料8〜11を得た。
<実施例2及び比較例2の飲料の評価方法及び評価点>
実施例2及び比較例2の飲料に対する評価方法及び評価点は、上述した<実施例1及び比較例1の飲料の調製及び評価>と同様の評価方法及び評価点にて、行った。
<実施例2の飲料の結果>
甘味料、酸味成分及び柑橘系香料を含む乳含有飲料に、カゼイン加水分解物を配合することで、果汁感が増強し、甘味料の後味が改善され、おいしさが向上した実施例2の飲料を得ることができた。実施例2の飲料は、果汁が含まれていない無果汁の飲料であったが、果汁感が付与され、果汁感のある飲料にすることができた。実施例2の飲料は乳を含む飲料であるが、乳成分を含んでも果汁感のある良好な乳含有飲料にすることができた。
果汁感の増強において、カゼイン加水分解物の含有量が、0.1〜0.5質量%のときに、果汁感の増強ができ、このなかで0.2〜0.5質量%(より0.2〜0.4質量%)のときに果汁感の増強がより良好であった。
甘味料の後味改善において、カゼイン加水分解物の含有量が、0.2〜0.5質量%のときに、甘味料の後味の改善ができ、このなかで0.3〜0.5質量%のときに甘味料の後味の改善がより良好であった。
カゼイン加水分解物の含有量が、0.1〜0.5質量%のときに、おいしさ向上がより良好であった。
総合的に判断すると、カゼイン加水分解物の含有量が、0.3〜0.5質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜0.4質量%であった。
甘味度1に対するカゼイン加水分解物の飲料中の含有量は、甘味度1に対して、0.009〜0.045質量%のときに、果汁感の増強がより良好であった。
〔甘味度/酸度〕の比1に対するカゼイン加水分解物の飲料中の含有量は、〔甘味度/酸度〕の比1に対して、0.002〜0.01質量%のときに、果汁感の増強、甘味料の後味改善、おいしさ向上が、より良好であった。
酸味成分の含有量/カゼイン加水分解物の含有量の質量比は、2.90〜0.58(より好適には0.97〜0.58)のときに、果汁感の増強、甘味料の後味改善、おいしさ向上が、より良好であった。
香料の含有量/カゼイン加水分解物の含有量の質量比は、1.10〜0.22(より好適には0.37〜0.28)のときに、果汁感の増強、甘味料の後味改善、おいしさ向上が、より良好であった。
Figure 2021078361
Figure 2021078361
<処方例>
下記に本技術の飲食品組成物の製造例や処方例などを示すが、本技術の組成物は、これに限定されない。
<処方例1及び2:無果汁の清涼飲料水/乳含有飲料>
処方例1の無果汁の清涼飲料水として、試験例2のグレープフルーツ香料に代えて、レモン香料を使用した以外は、試験例2と同様にして、無果汁の清涼飲料水を得ることができる。この処方例1の清涼飲料水における、果汁感の増強、甘味料の後味改善、おいしさ向上が良好である。
処方例2の無果汁の乳含有飲料として、試験例8のグレープフルーツ香料に代えて、レモン香料を使用した以外は、試験例8と同様にして、無果汁の乳含有飲料を得ることができる。この処方例2の乳含有飲料における、果汁感の増強、甘味料の後味改善、おいしさ向上が良好である。
<処方例3:低果汁の清涼飲料水>
試験例3のグレープフルーツ香料に代えて、市販品の濃縮還元果汁100%のグレープフルーツ果汁(香料入り)を使用し、5%以上10%未満の範囲になるようにして、処方例3の低果汁の清涼飲料水を得ることができる。この処方例3は、試験例3と同様に、カゼイン蛋白質加水分解物(製造例1)及びその量(0.075%)を使用する。この製法は、試験例3の製造方法に準じて行うことができる。この低果汁の清涼飲料水には、この低果汁の清涼飲料水は、甘味度6、甘味度1に対する加水分解量0.012%、〔甘味度/酸度〕20になるように調整して得ることができる。
この低果汁の清涼飲料水における、果汁感の増強、甘味料の後味改善、おいしさ向上が良好である。

Claims (8)

  1. 甘味料、乳蛋白質加水分解物、酸味成分及び香料を含む飲料。
  2. 前記乳蛋白質加水分解物が、カゼイン蛋白質加水分解物である、請求項1に記載の飲料。
  3. 前記乳蛋白質加水分解物が、Met−Lys−Proを含む乳蛋白質加水分解物である、請求項1又は2に記載の飲料。
  4. 前記乳蛋白質加水分解物の含有量が、0.03質量%以上である、請求項1〜3の何れか1項に記載の記載の飲料。
  5. 前記香料が、柑橘系香料である、請求項1〜4の何れか1項に記載の飲料。
  6. 前記飲料が、清涼飲料水又は乳含有飲料である、請求項1〜5の何れか1項に記載の飲料。
  7. 甘味料、乳蛋白質加水分解物、酸味成分及び香料を混合して原料液を調製する工程を含む、飲料の製造方法。
  8. 甘味料、乳蛋白質加水分解物、酸味成分及び香料を、飲料に添加することを特徴とする、飲料の果汁感を増強する方法。
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