JP2021077879A - コイル装置 - Google Patents

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Toshiyuki Horikawa
俊之 堀川
正明 岩倉
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正明 岩倉
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勝 熊谷
勝一 佐々木
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Abstract

【課題】回路基板などの基板との位置決めが容易であり、しかも各部品の製造と組立が容易なコイル装置を提供すること。【解決手段】コイル装置10は、ワイヤが外周に巻回される巻回部を持つボビン40と、ワイヤの端部が接続される端子91〜94と、ボビン40のX軸方向とY軸方向の双方に移動自在にボビン40に取り付けられる端子台70,80と、を有する。端子91〜94は、端子台70,80に対して、Z軸方向に移動自在に取り付けられる。【選択図】図2A

Description

本発明は、たとえばトランスなどとしても好適に用いることができるコイル装置に関する。
たとえばトランスなどに用いられるコイル装置としては、特許文献1に示すコイル装置が知られている。この種の従来のコイル装置では、ボビンに端子台を固定し、端子台に端子金具を嵌合して固定し、コイルを構成するワイヤの端部を端子金具に接続し、端子金具に外部回路を接続している。
このようなコイル装置では、端子金具に外部回路からのリード線を接続する場合には問題にならなかった。しかしながら、最近では、コイル装置の端子金具をその接続対象である回路基板やコネクタなどに直接位置決めして接続したいという要請が多くなってきており、その場合には、端子金具の位置と、接続対象の接続部の位置とを高精度に合わせる必要があり、コイル装置の各部品の製造と組立が困難であり、製造コストが増大するという課題がある。
特開2014−36194号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、接続対象との位置決めが容易であり、しかも各部品の製造と組立が容易なコイル装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るコイル装置は、
ワイヤが外周に巻回される巻回部を持つボビンと、
前記ワイヤの端部が接続される端子と、
前記端子が取り付けられる端子台と、を有し、
前記端子は、前記ボビンの第1軸方向と第2軸方向の双方に移動自在である。
本発明の第1の観点に係るコイル装置では、端子は、ボビンの第1軸方向と第2軸方向の双方に移動自在である。そのため、接続対象とコイル装置とをラフに位置決めした後、ボビンに対して端子を相対移動させるのみで、端子と接続対象とを正確に位置決めして接続することができる。
また、本発明の第1の観点に係るに係るコイル装置では、コイル装置の製造段階で、端子台の端子の位置を、接続対象の取付位置に正確に位置合わせして製造する必要がなくなり、コイル装置を構成する各部品の製造と組立が容易になり、製造コストの低減に寄与する。
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点に係るコイル装置は、
ワイヤが外周に巻回される巻回部を持つボビンと、
前記ワイヤの端部が接続される端子と、
前記端子が取り付けられ、前記ボビンの第1軸方向と第2軸方向の双方に移動自在に前記ボビンに取り付けられる端子台と、を有する。
本発明の第2の観点に係るコイル装置では、端子が取り付けられ、ボビンの第1軸方向と第2軸方向の双方に移動自在に前記ボビンに取り付けられる端子台を有する。そのため、接続対象とコイル装置とをラフに位置決めした後、ボビンに対して端子台を相対移動させるのみで、端子台の端子と接続対象とを正確に位置決めして接続することができる。
また、本発明の第2の観点に係るに係るコイル装置においても、コイル装置の製造段階で、端子台の端子の位置を、接続対象の取付位置に正確に位置合わせして製造する必要がなくなり、コイル装置を構成する各部品の製造と組立が容易になり、製造コストの低減に寄与する。
前記端子台は、前記ボビンが収容されるケースまたは前記ボビンの少なくとも一部を覆うカバーに取り付けられていてもよい。このような構成とすることにより、接続対象とコイル装置とをラフに位置決めした後、ケースまたはカバーに対して端子台を相対移動させるのみで、端子台の端子と接続対象とを正確に位置決めして接続することができる。
好ましくは、前記端子が、前記端子台に、前記ボビンの第3軸方向に移動自在に取り付けられる。このように構成することで、端子と接続対象の取付位置とを、第3軸方向にも微調整することが容易になる。その結果、第3軸方向に沿っても、端子の位置を、接続対象の取付位置に正確に位置合わせして製造する必要がなくなり、コイル装置を構成する各部品の製造と組立がさらに容易になり、製造コストの低減にさらに寄与する。
前記端子台は、前記ボビンの第3軸方向に移動自在であってもよい。この場合も、ボビンに対して端子台を第3軸方向に相対移動させることにより、端子と接続対象の取付位置とを、第3軸方向に微調整することが容易になり、上述した効果を得ることができる。
前記ボビンと前記端子台のいずれか一方には、前記第1軸方向に突出する緩嵌合凸部が形成してあり、いずれか他方には、前記緩嵌合凸部が入り込む緩嵌合凹部が形成してあり、前記緩嵌合凸部は、前記緩嵌合凹部内で、所定範囲内で、前記第1軸方向と前記第2軸方向に移動可能に挿入してあってもよい。あるいは、前記ボビンと前記端子台のいずれか一方には、第2軸方向または第3軸方向に突出する緩嵌合凸部が形成してあり、いずれか他方には、前記緩嵌合凸部が入り込む緩嵌合凹部が形成してあり、前記緩嵌合凸部は、前記緩嵌合凹部内で、所定範囲内で、第1軸方向と第2軸方向に移動可能に挿入してあってもよい。このような構成とすることにより、端子が取り付けられる端子台を、ボビンの第1軸方向と第2軸方向の双方に移動自在にボビンに取り付けることができる。
前記緩嵌合凹部を構成する内壁の一部が、前記緩嵌合凹部の入口の幅を開くことが可能に弾性変形可能な支持片で構成され、前記支持片には、前記緩嵌合凸部に係合して抜け止めとなるストッパ凸部が形成してあってもよい。このような構成とすることにより、緩嵌合凹部に緩嵌合凸部を差し込むことのみで、緩嵌合凸部が緩嵌合凹部に対して第1軸方向および第2軸方向に移動自在に取り付けられ、しかもボビンに対する端子台の抜け止めが同時に行われる。そのため、端子台のボビンに対する取り付けが、さらに容易になる。
前記緩嵌合凹部の内部に入り込んだ前記緩嵌合凸部に取り付けられて抜け止めとなるストッパ壁部を有し、前記ストッパ壁部は、前記緩嵌合凸部に嵌合する嵌合部を有していてもよい。嵌合部を緩嵌合凸部に嵌合させることにより、緩嵌合凸部を緩嵌合凹部に対して第1軸方向および第2軸方向に移動自在に取り付けた状態で、ストッパ壁部によりボビンに対する端子台の抜け止めを行うことができる。
前記緩嵌合凹部の内部に入り込んだ前記緩嵌合凸部に取り付けられて抜け止めとなるストッパ壁部を有し、前記ストッパ壁部は、前記緩嵌合凸部に樹脂を介して接続されてもよい。ストッパ壁部を緩嵌合凸部に樹脂で接続することにより、緩嵌合凸部を緩嵌合凹部に対して第1軸方向および第2軸方向に移動自在に取り付けた状態で、ストッパ壁部によりボビンに対する端子台の抜け止めを行うことができる。
好ましくは、前記緩嵌合凸部は、主凸部と、副凸部とを有し、前記緩嵌合凹部は、前記主凸部が挿入される主凹部と、前記副凸部が挿入される副凹部とを有し、前記第3軸方向に沿っての前記副凸部と前記副凹部との隙間が、前記第3軸方向に沿っての前記主凸部と前記主凹部との隙間よりも小さく、前記副凸部と前記副凹部とが接触する案内面に沿って、前記端子台が、前記ボビンに対して前記第1軸方向と前記第2軸方向に移動自在に保持される。このような構成とすることにより、案内面に沿って、端子台がボビンに対して第1軸方向と第2軸方向に、がたつくことなくスムーズに移動することができる。しかも、第3軸方向に沿っての主凸部と主凹部との隙間は、比較的に広いので、緩嵌合凸部を緩嵌合凹部の内部に挿入する作業は、比較的に容易に行うことができる。
好ましくは、主凸部の両側に二つの副凸部が形成してあり、主凹部の両側に二つの副凹部が形成してある。また、好ましくは、主凸部の第1軸方向の突出高さは、副凸部の第1軸方向の突出高さよりも大きい。このように構成することで、緩嵌合凸部を緩嵌合凹部の内部に挿入する作業が容易であると共に、副凸部と副凹部とが接触する案内面での摩擦を低減することができる。
前記端子は、前記ワイヤの端部が固定して接続されるワイヤ接続部と、前記ワイヤ接続部とは別の位置に形成され、前記端子台に形成してある端子溝に前記第3軸方向に移動自在に差し込まれるフック部と、を有していてもよい。このような構成とすることにより、端子へのワイヤの端部の接続を容易に行うことができ、しかも、端子を端子台に対して第3軸方向に沿って容易に移動可能に装着することができる。
好ましくは、前記端子は、前記ワイヤ接続部と前記フック部との間に形成される挿通孔または外部回路接続片を有する。挿通孔には、ボルトまたはビスなどの締結具が取り付けられ、締結具を介して、端子を位置決めして基板に取り付けることができる。また、外部回路接続片は、直接に位置決めされて基板に取り付けることが可能である。
好ましくは、前記フック部に係合して前記端子の前記第3軸方向の移動範囲を制限する内カバーが、前記端子台に取り付けられる。内カバーを取り付けるのみで、端子台に対する端子の抜け止めを行うことができる。また、端子台に対する端子の第3軸方向の移動も制限することができる。
前記端子台は前記ボビンの第3軸方向に移動自在であり、かつ、前記端子は前記端子台に一体成形されていてもよい。このような構成とすることにより、端子台に端子を取り付ける工程を簡素化することが可能となり、コイル装置の製造が容易になる。
前記端子は、複数の前記端子からなり、前記端子台は、複数の前記端子台からなり、複数の前記端子台の各々に対して、複数の前記端子の各々が取り付けられていてもよい。このような構成とすることにより、端子台毎に独立して、ボビンに対して各端子を相対移動させることが可能となり、端子と接続対象とを高精度に位置決めして接続することができる。
好ましくは、前記内カバーを覆うと共に、前記端子台の前記第1軸方向の端部を覆い、さらに、前記端子台の第2軸方向の端部を覆う外カバーが、前記端子台に取り付けられる。外カバーを絶縁部材で構成することで、絶縁性の向上が期待できる。
好ましくは、前記外カバーは、前記ワイヤ接続部が露出するように、前記端子台の第3軸方向の端部を覆う。このような構成とすることにより、緩嵌合凸部と緩嵌合凹部の周囲を外カバーで覆うことが可能となり、これらが外力等により変形することを抑制し、ボビンに対する端子台の抜け止めを効果的に実現することができる。
図1Aは本発明の第1実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図1Bは本発明の第2実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図2Aは図1Aに示すコイル装置の分解斜視図である。 図2Bは図2Aに示すボビンの分解斜視図である。 図3は図1Aに示すコイル装置のボビンに取り付けられている端子台の要部拡大斜視図である。 図4は図3に示す外カバーを取り外した端子台の要部拡大分解斜視図である。 図5Aは図4に示す内カバーと端子台と端子金具とを取り外したボビンの要部拡大分解斜視図である。 図5Bは図2に示す端子金具のみの拡大斜視図である。 図5Cは図1Bに示す実施形態のコイル装置で用いる端子金具のみの拡大斜視図である。 図6は図5Aに示す端子台を異なる角度から観察した斜視図である。 図7はボビンと端子台と内カバーとの関係を示す分解斜視図である。 図8は図5Aに示す端子台とは反対側に位置する端子台の分解斜視図である。 図9は図8に示す端子台を異なる角度から観察した斜視図である。 図10は本発明の第3実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図11は図10に示すコイル装置の要部分解斜視図である。 図12は図11に示すボビンに端子を取り付けたときの平面図である。 図13は本発明の第4実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図14は図13に示すコイル装置の要部分解斜視図である。 図15は図14に示す端子台等の拡大斜視図である。 図16は本発明の第5実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図17は図16に示すコイル装置の要部分解斜視図である。 図18Aは図17に示すボビンに端子台を取り付けたときの拡大斜視図である。 図18Bは図17に示すボビンに端子台を取り付けたときの拡大側面図である。 図19Aは図17に示すボビンの変形例を示す斜視図である。 図19Bは図17に示すボビンの他の変形例を示す斜視図である。 図20は本発明の第6実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図21は図20に示すコイル装置の要部分解斜視図である。 図22は図21に示すボビンに端子台を取り付けたときの拡大斜視図である。 図23は本発明の第7実施形態に係るコイル装置の斜視図である。 図24は図23に示すコイル装置の要部分解斜視図である。 図25は図24に示すボビンに端子台を取り付けたときの拡大斜視図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1Aに示すように、本発明の第1実施形態に係るコイル装置10は、たとえば回路基板300などの基板に取り付けられて使用され、コイル装置10の設置面が、Z軸方向の上方に位置し、X軸の両側に、第1端子台70および第2端子台80を有している。コイル装置10は、たとえばトランスなどとして用いることができる。
一方の第1端子台70には、Y軸方向に沿って両側に、一対の端子金具91および92が取り付けてある。他方の第2端子台80には、Y軸方向に沿って両側に、一対の端子金具93および94が取り付けてある。これらの端子金具(端子)91〜94は、それぞれ金属板などの導電性板材をプレス加工などにより、それぞれ一体的に形成してある。
本実施形態では、図において、X軸とY軸とZ軸とは、相互に略垂直に交差してあり、コイル装置10の設置面に対して垂直方向がZ軸であり、一対の端子金具91,92と一対の端子金具93,94とが、それぞれ相互に反対側に位置する方向がX軸である。
図2Aに示すように、コイル装置10は、4つのコア12と、ボビン40と、一対の端子台70,80と、2つのコアカバー60,60とを有する。4つのコア12は、組み立てられて、後述するコイルにより発生する磁束を通過させる磁路を形成する。これらのコア12は、対称な形状を有しており、コアカバー60およびボビン40を上下方向(図においてZ軸方向)から挟むようにして互いに連結される。
各コア12は、それぞれ縦断面(Y軸およびZ軸を含む切断面)が略E字形状のコアである。各コア12は、たとえばフェライト、金属磁性体などの軟磁性体で構成され、Y軸方向に延びる平板状のベース13と、各ベース13のY軸方向の両端からZ軸方向に突出する一対の側脚16,16と、各ベース13のY軸方向の中間位置からZ軸方向に突出する中脚14とを有する。
本実施形態では、各コア12の中脚14が、ボビン40の第1中空筒部44に形成してある第1貫通孔44aの内部に入り込む。第1中空筒部44の内周壁に形成してある分離用凸部44bにより、X軸方向に隣り合うコア12,12には、相互に隙間が形成される。この隙間に、ポッティング樹脂などの高熱伝導性樹脂が入り込むことにより、コイル装置10の内部に発生する熱の放熱性が向上する。
分離用凸部44bにより形成される隙間は、分離用凸部44bのX軸方向の厚みに対応する。分離用凸部44bは、貫通孔44aの内部で、X軸方向の中央部で、Y軸方向の両側に、Z軸に沿って形成してある。分離用凸部44bのX軸方向の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.05〜5mm、さらに好ましくは、0.1〜3mmである。
図2Bに示すように、ボビン40は、そのZ軸方向の下端部に、略楕円形平板状のボビン基板42を有する。ボビン基板42の略中央部には、第1中空筒部44がZ軸方向の上部に伸びるように一体成形してある。
第1中空筒部44のZ軸方向上部には、ボビン上鍔部48がY軸−X軸平面で第1中空筒部44から径方向に突き出るように一体成形してある。ボビン上鍔部48のX軸方向両端部には、それぞれ絶縁壁100および200がY軸に沿ってZ軸の上方に突出するように一体成形してある。
本実施形態では、絶縁壁100および200のX軸方向の外側壁のY軸方向の略中央部に、緩嵌合凸部102aと202aがそれぞれX軸方向に突出するように形成してある。それぞれの緩嵌合凸部102a,202aには、各端子台70,80の緩嵌合凹部72a,82aがそれぞれ取り付けられる。一方の端子台70には、端子としての端子金具91および92が取り付けられ、他方の端子台80には、端子としての端子金具93および94が取り付けられる。本実施形態では、端子台70および80は、それぞれボビン40とは別に成形され、相互に異なる樹脂材料で構成されることが好ましいが、同じ樹脂材料により成形されていてもよい。
図2Bに示すように、ボビン上鍔部48とボビン基板42との間に位置する第1中空筒部44の外周部には、第1巻回部45が形成してある。第1巻回部45では、内側コイル20を構成する第1ワイヤ22の巻回軸(Z軸)に沿って相互に隣り合うワイヤ巻回部分相互を分離する複数の巻回隔壁鍔46が巻回軸に沿って所定間隔で、ボビン基板42(およびボビン上鍔部48)と略平行に第1中空筒部44と一体に形成してある。
ボビン40におけるボビン基板42、第1中空筒部44、ボビン上鍔部48および巻回隔壁鍔46は、射出成形などにより一体成形してあることが好ましい。ボビン基板42における第1中空筒部44の内部には、Z軸方向に貫通する第1貫通孔44aが形成してある。
図2Aに示すように、第1貫通孔44aには、コア12における中脚14が、Z軸方向の上下から入り込み、貫通孔44aのZ軸方向の略中央部において中脚14の先端が突き合わされるようになっている。なお、貫通孔44aのZ軸方向の略中央部において、Z軸の上下から挿入された中脚14の先端は、接触せずに所定間隔でギャップが形成されていてもよい。
図2Bに示すように、ボビンカバー50は、X軸方向に2つに分割可能な一対の半割体50a,50bで構成してあり、巻回軸(Z軸)に平行な分割接続部53で組み合わされ、組み合わされた状態で、第2巻回部55が、カバー50の外周部に形成される。ボビンカバー50は、ボビン40の第1巻回部45に第1ワイヤ22が巻回されて内側コイル20が形成された後に、ボビン40の外周に装着され、分割接続部53で組み合わされる。
ボビンカバー50は、内側コイル20を外側から覆う第2中空筒部54を有し、第2中空筒部54の外周部に、カバー下鍔部52とカバー上鍔部58とがZ軸方向に所定間隔で周方向に沿って形成してある。下鍔部52および上鍔部58は、X−Y軸の平面に平行に設けられ、設置面と平行に延在する。
これらの下鍔部52と上鍔部58との間が、第2巻回部55となり、この第2巻回部55に、たとえば2次コイルとなる外側コイル30を構成する第2ワイヤ32が整列巻き(またはα巻き)される。整列巻とは、巻回軸の一方の端から他方の端に向けてワイヤが巻かれる通常の巻き方である。α巻きについては後述する。
図2Aに示すように、外側コイル30が装着してあるボビンカバー50の外周には、Y軸方向の両側から一対のコアカバー60が装着される。コアカバー60は、たとえば合成樹脂などの絶縁部材で構成され、カバー本体62を有し、その外周面は、コア12における側脚16を案内する案内面となり、その内周面には、外側コイル30が位置する。
カバー本体62のZ軸方向の両端には、取付縁64,64が一体に形成してある。Z軸上側の取付縁64は、ボビン上鍔部48の上面に係合し、Z軸下側の取付縁64は、ボビン基板42の下面に係合し、コアカバー60はボビン40に取り付けられる。
カバー本体62は、コアカバー60の外周面形状に対応した内周面形状を有し、そのX軸方向の両端には、絶縁板部66が一体に成形してある。絶縁板部66のZ軸方向の上下には、Y軸方向の内側に突出する係合凸部66aが形成してある。Z軸上方側の係合凸部66aは、ボビン40の絶縁壁100または200の内面に係合し、Z軸下側の係合凸部66aは、ボビン基板42のX軸両端で、ボビン基板42の下面に係合する。
その結果、コアカバー60の絶縁板部66は、絶縁壁100または200およびボビン基板42と組み合わされて、コア12と図2Bに示す外側コイル30との絶縁を向上させる。絶縁板部66の内面(コイル装置10の中心側)は、コア12と接触していてもよく、コア12の外形状に合わせた形状を有していてもよい。
図2Bに示すように、本実施形態では、略楕円筒形状の第1中空筒部44の外周部に、Z軸方向に沿って所定間隔の巻回区画が形成されるように、楕円リング形状の巻回隔壁鍔46がX−Y軸に略平行な平面で形成してある。本実施形態では、Z軸方向に沿って所定間隔で複数の巻回隔壁鍔46が略平行に形成してあるが、その数は特に限定されない。これらの巻回隔壁鍔46が形成してある領域が、第1巻回部45となる。
巻回隔壁鍔46で分離される各巻回区画における巻回軸(Z軸)に沿っての巻回区画幅は、1本のみのワイヤ22が入り込める幅に設定してある。すなわち、巻回区画幅w1(図示省略)は、ワイヤ22の線径d1(図示省略)に対して、好ましくは、d1<w1<(2×d1)、さらに好ましくはd1<w1<(1.2×d1)の関係にあることが好ましい。線径d1に対して巻回区画幅w1が広すぎると、巻乱れが生じやすくなると共に、コイル装置のコンパクト化の要請に反する。
なお、各巻回区画において、巻回区画幅は、全て同一であることが好ましいが、多少異なっていてもよい。また、ボビン上鍔部48と最上位置の巻回隔壁鍔46との間の巻回区画幅は、巻回隔壁鍔46の相互間の巻回区画幅よりも大きくてもよい。また、同様に、ボビン基板42と最下位置に位置する巻回隔壁鍔46との間の巻回区画幅は、巻回隔壁鍔46の相互間の巻回区画幅よりも大きくてもよい。本実施形態では、各巻回区画に巻回される予定の総巻回数は、特に限定されない。
本実施形態では、ボビン基板42に最も近い巻回隔壁鍔46には、ボビンカバー50のカバー下鍔部52の下面に差し込まれて位置決めするための仕切凸片46aが周方向の一部に断続的に形成してある。仕切凸片46a 以外では、巻回隔壁鍔46の外周面とボビ
ンカバー50の内周面との間には、高熱伝導性樹脂が軸方向に流通可能な流通隙間が切り欠き状に形成してある。
仕切凸片46aは、好ましくは、ボビンカバー50の分割接続部53の位置でも、巻回隔壁鍔46の外周面から突出している。仕切凸片46aの突出高さ(径方向高さ)は、流通隙間の径方向幅を規定している。
ボビンカバー50の分割接続部53では、一方の半割体50aの内側接続片53aの径方向の外側に、他方の半割体50bの外側接続片53bが差し込まれて、半割体50a,50bが連結されてボビンカバー50を構成する。
ボビンカバー50は、第1ワイヤ22とは異なる第2ワイヤ32が外周に巻回される第2巻回部54と、第2巻回部54の軸方向に沿った下方に具備してある非巻回部としての隙間保持片52aとを有する。非巻回部としての隙間保持片52aは、ボビンカバー50の内部と外部とを連通させる開口部52bまたは切り欠きを有する。隙間保持片52aは、カバー下鍔部の外周縁から、Z軸下方向へ延びるように形成してあり、その下端は、ボビン基板42の上面に当接可能になっている。
開口部52bは、X軸方向の両側に位置する半割体50a,50bのそれぞれに形成され、ボビン40の巻回隔壁鍔46に設けられた仕切凸片46aの流通隙間に対応する位置に形成してある。ボビンカバー50のX軸方向の両端部では、カバー下鍔部52の外周縁には、隙間保持片52aは形成されておらず、カバー下鍔部52とボビン基板42との間の隙間から、高熱伝導性樹脂などが自由に入り込めるようになっている。
また、一方の半割体50aの接続部53aに位置するカバー上鍔部58には、他の部分よりもZ軸に沿って上方に高くなる段差状の接続上鍔部58aが形成してある。また、他方の半割体50bの接続部53bに位置するカバー上鍔部58には、接続上鍔部58aよりもZ軸に沿って下側に位置し、接続上鍔部58aの下に差し込まれて接続可能な接続上鍔部58bが形成してある。
また、他方の半割体50bの接続部53bに位置するカバー上鍔部58には、接続上鍔部58aの接続先端が当接可能なストッパ凸部58eが形成してある。ストッパ凸部58eは、カバー上鍔部58に対して、Z軸に沿って上側に突出している。ストッパ凸部58eのカバー上鍔部58の上面に対する突出高さは、接続上鍔部58aのZ軸に沿った突出高さと略同一であることが好ましい。これらのストッパ凸部58eの上面と、接続上鍔部58aの上面とは、ボビン40のボビン上鍔部48の下面に接触し、分割接続部53以外の大部分のカバー上鍔部58の上面とボビン上鍔部48の下面との間に、空気の出口隙間を形成する。
図2Bに示す第1ワイヤ22は、単線で構成されても良く、あるいは撚り線で構成されても良く、絶縁被覆導線で構成されることが好ましい。第1ワイヤ22の外径d1(図示省略)は、特に限定されないが、大電流を流す場合には、たとえばφ1.0〜φ3.0mmが好ましい。第2ワイヤ32は、第1ワイヤ22と同じであっても良いが、異なっていても良い。
この実施形態では、第1ワイヤ22から成る内側コイル20は、トランスの一次コイルを構成し、ボビンカバー50の回りに巻回される第2ワイヤ32から成る外側コイル30が二次コイルを構成する。そのため、本実施形態では、外側コイル30を構成する第2ワイヤ32の線径が、第1ワイヤ22に比較して線径を太くしてあるが、線径は、特に限定されず、線径を同じにしても良いし、逆に異ならせても良い。また、第1ワイヤ22および第2ワイヤ32の材質に関しても同一でも異なっていても良い。
本実施形態のボビン40では、各巻回隔壁鍔46には、隣接する各巻回区画相互を連絡する少なくとも1の連絡溝が形成してある。本実施形態では、それぞれの連絡溝の周方向幅を規定するように巻回隔壁鍔46に形成してある一対の切欠縁部の少なくともいずれか一方の周方向位置が、Z軸方向(巻軸)に沿って隣接する巻回隔壁鍔46の相互間で異なっているが、同じ位置であってもよい。なお、周方向とは、中空筒部44の楕円状外周面に沿った方向である。
本実施形態のボビン40では、第1ワイヤ22が、たとえば第1巻回部45のZ軸方向の中央部からα巻きされる。すなわち、第1ワイヤ22の中央部22bを、第1巻回部45のZ軸方向の中央部に位置する連絡溝を通過するように配置し、第1ワイヤ22の中央部から端に向けて一方の下巻回部分を、中央から一段下の巻回区画に通す。また、第1ワイヤ22の中央部から端に向けて他方の上巻回部分を、下巻回部分が通された巻回区画の一つ上に位置する巻回区画に通す。
その後に、下巻回部分は、同じ巻回区画で、Z軸上から見て右巻きで1回以上で巻回し、上巻回部分は、上の段の同じ巻回区画で、Z軸上から見て左巻きで1回以上で巻回する。その後に、下巻回部分は、巻回した巻回区画から、連絡溝を通し、Z軸方向の一段下の巻回区画に移動し、その巻回区画で、同様に同じ方向に巻回される。また、上巻回部分は、巻回した巻回区画から、連絡溝を通し、Z軸方向の一段上の巻回区画に移動し、その巻回区画で、同様に同じ方向に巻回される。
その動作を繰り返すことで、第1巻回部45の周囲に、第1ワイヤがα巻きされる。本実施形態では、第1巻回部45は、仕切凸片46aとボビン上鍔部48との間に位置する第1メイン巻回部45aと、仕切凸片46aとボビン基板42との間に位置する第1サブ巻回部45bとに区分けされる。第1メイン巻回部45aでは、第1ワイヤ22が径方向に1層または2層以上でα巻きされており、第1サブ巻回部45bでは、第1メイン巻回部45aで巻回されている径方向の巻回層数(第1メイン巻回層数)と同等、またはそれよりも多い層数(第1サブ巻回層数)で、第1ワイヤ22がα巻きされている。
第1サブ巻回部45bに巻回してある第1ワイヤ22の最外周層の位置は、第2巻回部55の筒壁よりも外側に位置する。このように構成することで、第1サブ巻回部45bに巻回された第1ワイヤ22の鍔状コイル部と、第2巻回部55に巻回された第2ワイヤ32の外側コイル部30とが軸方向から見て重複するようにすることもできる。なお、図2Bでは、第1サブ巻回部45bでは、第1メイン巻回部45aで巻回されている径方向の巻回層数(第1メイン巻回層数)と同等の場合を図示してある。そのため、第1サブ巻回部45bに巻回された第1ワイヤ22の鍔状コイル部と、第2巻回部55に巻回された第2ワイヤ32の外側コイル部30とが軸方向から見て重複していない。
α巻き後の第1ワイヤ22の下巻回部分の最下端に位置する鍔状コイル部からのリード部(ワイヤ22の一方の端部)22aは、図8に示すボビン40の絶縁壁200に形成してある取出溝206から台座58fの上に引き出されて、ボビンカバー50の外側に引き出される。ボビンカバー50の外側に引き出されたリード部22aは、端子金具93のワイヤ接続部93aに挟まれて接合される。
また、図2Bに示すα巻き後の第1ワイヤ22の上巻回部分からのリード部22aは、図8に示すボビン40の絶縁壁200に形成してある取出溝206から図2Bに示す台座58fの上に引き出されて、ボビンカバー50の外側に引き出される。ボビンカバー50の外側に引き出されたリード部22aは、端子金具94のワイヤ接続部94aに挟まれて接合される。
なお、図2Bに示すように、台座58fは、一方のボビンカバー50のX軸方向の端部で、カバー上鍔部58の一部として形成してある。他方のボビンカバー50にも、X軸方向の反対側の端部で、台座58gがカバー上鍔部58の一部として形成してあるが、台座58fよりはX軸方向の幅が短い。なお、本実施形態において、「外側」とは、ボビン40の中心軸から遠ざかる側であり、「内側」とは、ボビンの中心軸に近づく側である。
図2Bに示すボビンカバー50では、その第2巻回部55に、二次コイルとなる外側コイル30を構成する第2ワイヤ32が整列巻きされる。整列巻とは、巻回部55の外周面に対して、Z軸方向の一端から他端に向けて順次にワイヤ32が巻回される巻き方であり、本実施形態では、径方向に1層または2層以上で整列巻きしてある。仮に、二層で整列巻きする場合には、一層目が全て巻かれてから、その上に二層目が巻かれる。
図5Aに示すように、外側コイル30を構成する第2ワイヤ30の各リード部32a,32aは、ボビン40に形成してある緩嵌合凸部102aのZ軸下方で、Y軸方向に沿って相互に反対方向に引き出される。一方のリード部32aは、端子金具91のワイヤ接続部91aに挟まれて接合され、他方のリード部32aは、端子金具92のワイヤ接続部92aに挟まれて接合される。
図5Aに示すように、端子金具91および93は、端子台70に装着される。また、図8に示すように、端子金具93および94は、端子台80に装着される。図5Bに示すように、本実施形態では、4つの端子金具91〜94を有する。一対の端子金具91および92が、X軸およびZ軸に相互に線対称な形状を有し、その他の一対の端子金具93および94が、X軸およびZ軸に相互に線対称な形状を有する。
図5Aに示すように、端子金具91,92は、それぞれ、ワイヤ32のリード部32aを挟み込んで接合するためのワイヤ接続部91a,92aを有する。また、端子金具91,92は、それぞれ、ワイヤ接続部91a,92aとは別の位置に形成されるフック部91b,92bを有する。フック部91b,92bは、それぞれ、端子台70に形成してある端子溝74にZ軸方向に移動自在に差し込まれる。
フック部91b,92bは、それぞれ平面状の取付部91c,92cのY軸方向の端部からZ軸方向の下側に突出するように形成してあり、フック部91b,92bの下端先端は、鈎状に成形してある。取付部91c,92cの中央部には、それぞれ挿通孔91d,92dが形成してある。挿通孔91d,92dは、それぞれ、端子台70に設けられた取付孔76に装着してあるナット77のボルト孔にラフに位置合わせされて、各端子金具91,92が端子台70に取り付けられる。ナット77のボルト孔の内径よりも、取付孔76の内径は、十分に大きくてよい。
取付部91c,92cとワイヤ接続部91a,92aとは、それぞれ連結部91e,92eにより一体的に連結してある。連結部91e,92eは、取付部91c,92cの平面と面一の平面となるように一体成形してある。連結部91e,92eのX軸方向幅は、取付部91c,92cのX軸方向幅よりも狭くなっている。
連結部91e,92eよりもX軸方向の幅が広くなっている取付部91c,92cのフック部91b,92bとは反対側端部には、取付部91c,92cの平面からZ軸方向の下方に向けて突出している差込凸部91f,92fが形成してある。差込凸部91f,92fは、端子台70のY軸方向の両端部の上面に形成してある嵌合溝75,75にそれぞれ差し込まれる。
図8に示すように、端子金具93,94は、それぞれ、ワイヤ22のリード部22aを挟み込んで接合するためのワイヤ接続部93a,94aを有する。また、端子金具93,94は、それぞれ、ワイヤ接続部93a,94aとは別の位置に形成されるフック部93b,94bを有する。フック部93b,94bは、それぞれ、端子台80に形成してある端子溝84,84にZ軸方向に移動自在に差し込まれる。
フック部93b,94bは、それぞれ平面状の取付部93c,94cのY軸方向の端部からZ軸方向の下側に突出するように形成してあり、フック部93b,94bの下端先端は、鈎状に成形してある。取付部93c,94cの中央部には、それぞれ挿通孔93d,94dが形成してある。挿通孔93d,94dは、それぞれ、端子台80に設けられた取付孔86に取り付けられるナット(図示省略)のボルト孔にラフに位置合わせされて、各端子金具93,94が端子台80に取り付けられる。
取付部93c,94cとワイヤ接続部93a,94aとは、それぞれ連結部93e,94eにより一体的に連結してある。各連結部93e,94eには、段差状折曲部が形成してあり、取付部93c,94cの平面よりもワイヤ接続部93a,94aのZ軸方向の高さが低くなるようにしてある。連結部93e,94eのX軸方向幅は、取付部93c,94cのX軸方向幅よりも狭くなっている。
連結部93e,94eよりもX軸方向の幅が広くなっている取付部93c,94cのフック部93b,94bとは反対側端部には、取付部93c,94cの平面からZ軸方向の下方に向けて突出している差し込み凸部93f,94fが形成してある。差込凸部93f,94fは、端子台80のY軸方向の両端部の上面に形成してある嵌合溝85,85にそれぞれ差し込まれる。
図5Aに示すように、端子台70は、台本体71を有する。台本体71には、台本体71をX軸方向に貫通する貫通孔72を有する。台本体71のY軸方向の両側には、端子取付部73,73が一体的に形成してある。端子取付部73,73の上面略中央部には、それぞれ取付孔76,76が形成してあり、各取付孔76には、それぞれナット77が装着可能になっている。
端子取付部73,73と台本体71との境界には、それぞれ端子溝74,74が形成してあり、各端子溝74,74には、それぞれ端子金具91,92のフック部91b,92bがZ軸方向に移動自在に差し込まれる。また、端子取付部73,73のY軸方向の端部の上面には、嵌合溝75,75が形成してあり、それぞれに端子金具91,92の差込凸部91f,92fが差し込まれる。その結果、端子金具91,92は、端子台70に対して、X軸およびY軸方向の移動が制限され、各端子金具91,92は、端子台70に対して、Z軸方向の移動のみが許容される。
本実施形態では、各端子金具91,92のワイヤ接続部91a,92aは、端子台70のY軸方向の両端からY軸方向に沿って外側に位置し、ワイヤ接続部91a,92aの上面は、取付部91c,92cの上面とほぼ面一となっている。
台本体71に形成してある貫通孔72のボビン40に向き合う側には、ボビン40に形成してある緩嵌合凸部102aが入り込む緩嵌合凹部72aが形成してある。また、貫通孔72のボビン40に向き合う側と反対側には、取付凹部72bが形成してある。取付凹部72bには、図7に示す内カバー78が取り付けられる。
内カバー78は、図5Aに示す端子金具91,92のフック部91b,92bが端子台70の端子溝74,74にそれぞれ挿入された後に、端子台70の取付凹部72bに取り付けられる。その結果、端子金具91,92の先端鈎状のフック部91b,92bが、図7に示す内カバー78に係合し、端子金具91,92を端子台70から抜け出すことを抑制すると共に、端子金具91,92の端子台70に対するZ軸移動範囲を制限する。
内カバー78の外側には、図4に示す外カバー79が取り付けられる。外カバー79は、内カバー78が取り付けられた端子台70を、端子金具91および92と共に、X軸およびY軸の外側から覆い、これらのZ軸の下方も覆うが、Z軸の上方は覆わないようになっている。外カバー79は、たとえば端子台70に対して取り付けられ、端子台70と共に、ボビン40に対して、X軸およびY軸方向に相対移動可能になっている。
図5Aに示すように、ボビン40の絶縁壁100のY軸方向の略中央部からX軸方向の外側に突出している緩嵌合凸部102aは、主凸部102a1と、その主凸部102a1のY軸方向の両側に形成してある一対の副凸部102a2,102a2とを有する。各副凸部102a2のZ軸方向の厚みは、主凸部102a1のZ軸方向の厚みよりも小さくなっている。また、各副凸部102a2のX軸方向の突出高さは、主凸部102a1のX軸方向の突出高さよりも小さくなっている。
絶縁壁100に連結する主凸部102a1の基端部には、抜け止め孔104が形成してある。図7に示すように、抜け止め孔104は、Z軸方向に主凸部102a1を貫通している。図7に示す抜け止め孔104には、図6に示す支持片72a3の先端に形成してあるストッパ凸部72a4が入り込み、端子台70がボビン40の緩嵌合凸部102aから抜け止めないように構成してある。
図6に示すように、貫通孔72の一方の開口部である緩嵌合凹部72aは、Y軸方向の中央に位置する主凹部72a1と、そのY軸方向の両側に位置する一対の副凹部72a2,72a2とを有する。副凹部72a2のZ軸方向の幅は、主凹部72a1のZ軸方向の幅よりも狭くなっている。
図6に示す副凹部72a2には、図7に示すボビン40の副凸部102a2が、X軸およびY軸方向に移動自在に嵌合し、図6に示す主凹部72a1には、図7に示す主凸部102a1がX軸およびY軸方向に移動自在に挿入されるようになっている。図6に示す副凹部72a2のX軸およびY軸と略平行な内面が、副凸部102a2との案内面(摺動面)となる。
本実施形態では、Z軸方向に沿っての副凸部102a2と副凹部72a2との隙間が、Z軸方向に沿っての主凸部102a1と主凹部72a1との隙間よりも小さくなっている。副凸部102a2と副凹部72a2とが接触する案内面に沿って、端子台70が、ボビン40に対してX軸方向とY軸方向に移動自在に保持される。すなわち、緩嵌合凸部102aは、緩嵌合凹部72a1内で、所定範囲内で、X軸方向とY軸方向に移動可能に挿入してある。
また、本実施形態では、図6に示すように、緩嵌合凹部72を構成する内壁の一部が、緩嵌合凹部72の開口入口のZ軸方向の幅を開くことが可能に弾性変形可能な支持片72a3で構成してある。支持片72a3の先端側には、図7に示す緩嵌合凸部102aの抜け止め孔104に係合して抜け止めとなる図6に示すストッパ凸部72a4が形成してある。支持片72a3を片持ち梁城に弾性変形させるために、支持片72a3のY軸方向の両側には、それぞれスリットが形成してある。
また、図6に示すストッパ凸部72a4と図7に示す抜け止め孔104との係合は、端子台70のボビン40に対する抜け止めとなっているが、ボビン40に対する端子台70のX軸およびY軸方向の自由なスライド移動を許容するようになっている。
図2Aに示す端子台80、内カバー88および外カバー89は、それぞれ端子台70、内カバー78および外カバー79と同様な構成を有する。特に、内カバー88および外カバー89は、それぞれ内カバー78および外カバー79とほとんど同じであるので説明は省略する。
以下、端子台80とボビン40との関係について主として説明する。
図8に示すように、端子台80は、台本体81を有する。台本体81には、台本体81をX軸方向に貫通する貫通孔82を有する。台本体81のY軸方向の両側には、端子取付部83,83が一体的に形成してある。端子取付部83,83の上面略中央部には、それぞれ取付孔86,86が形成してあり、各取付孔86には、それぞれナット(図示省略)が装着可能になっている。
端子取付部83,83と台本体81との境界には、それぞれ端子溝84,84が形成してあり、各端子溝84,84には、それぞれ端子金具93,94のフック部93b,94bがZ軸方向に移動自在に差し込まれる。また、端子取付部83,83のY軸方向の端部の上面には、嵌合溝85,85が形成してあり、それぞれに端子金具93,94の差込凸部93f,94fが差し込まれる。その結果、端子金具93,94は、端子台80に対して、X軸およびY軸方向の移動が制限され、各端子金具93,94は、端子台80に対して、Z軸方向の移動のみが許容される。
本実施形態では、各端子金具93,94のワイヤ接続部93a,94aは、端子台80のY軸方向の両端からY軸方向に沿って外側に位置し、ワイヤ接続部93a,94aの上面は、取付部93c,94cの上面からZ軸方向に段差状に低い位置に配置してある。
台本体81に形成してある貫通孔82のボビン40に向き合う側には、ボビン40に形成してある緩嵌合凸部202aが入り込む緩嵌合凹部82aが形成してある。また、貫通孔82のボビン40に向き合う側と反対側には、取付凹部82bが形成してある。取付凹部88bには、内カバー88が取り付けられる。
内カバー88は、端子金具93,94のフック部93b,94bが端子台80の端子溝84,84にそれぞれ挿入された後に、端子台80の取付凹部82bに取り付けられる。その結果、端子金具93,94の先端鈎状のフック部93b,94bが、内カバー88に係合し、端子金具93,94を端子台80から抜け出すことを抑制すると共に、端子金具93,94の端子台80に対するZ軸移動範囲を制限する。
内カバー88の外側には、外カバー89が取り付けられる。外カバー89は、内カバー88が取り付けられた端子台80を、端子金具93および94と共に、X軸およびY軸の外側から覆い、これらのZ軸の下方も覆うが、Z軸の上方は覆わないようになっている。外カバー89は、たとえば端子台80に対して取り付けられ、端子台80と共に、ボビン40に対して、X軸およびY軸方向に相対移動可能になっている。
ボビン40の絶縁壁200のY軸方向の略中央部からX軸方向の外側に突出している緩嵌合凸部202aは、主凸部202a1と、その主凸部202a1のY軸方向の両側に形成してある一対の副凸部202a2,202a2とを有する。各副凸部202a2のZ軸方向の厚みは、主凸部202a1のZ軸方向の厚みよりも小さくなっている。また、各副凸部202a2のX軸方向の突出高さは、主凸部202a1のX軸方向の突出高さよりも小さくなっている。
絶縁壁200に連結する主凸部202a1の基端部には、抜け止め孔204が形成してある。抜け止め孔204は、Z軸方向に主凸部202a1を貫通している。抜け止め孔204には、図9に示す支持片82a3の先端に形成してあるストッパ凸部82a4が入り込み、端子台80がボビン40の緩嵌合凸部202aから抜け止めないように構成してある。
図9に示すように、貫通孔82の一方の開口部である緩嵌合凹部82aは、Y軸方向の中央に位置する主凹部82a1と、そのY軸方向の両側に位置する一対の副凹部82a2,82a2とを有する。副凹部82a2のZ軸方向の幅は、主凹部82a1のZ軸方向の幅よりも狭くなっている。
副凹部82a2には、図8に示すボビン40の副凸部202a2が、X軸およびY軸方向に移動自在に嵌合し、図9に示す主凹部82a1には、図8に示す主凸部202a1が挿入されるようになっている。図9に示す副凹部82a2のX軸およびY軸と略平行な内面が、副凸部202a2との案内面(摺動面)となる。
本実施形態では、Z軸方向に沿っての副凸部202a2と副凹部82a2との隙間が、Z軸方向に沿っての主凸部202a1と主凹部82a1との隙間よりも小さくなっている。副凸部202a2と副凹部82a2とが接触する案内面に沿って、端子台80が、ボビン40に対してX軸方向とY軸方向に移動自在に保持される。すなわち、緩嵌合凸部202aは、緩嵌合凹部82a1内で、所定範囲内で、X軸方向とY軸方向に移動可能に挿入してある。
また、本実施形態では、図9に示すように、緩嵌合凹部82を構成する内壁の一部が、緩嵌合凹部82の開口入口のZ軸方向の幅を開くことが可能に弾性変形可能な支持片82a3で構成してある。支持片82a3の先端側には、図8に示す緩嵌合凸部202aの抜け止め孔204に係合して抜け止めとなる図9に示すストッパ凸部82a4が形成してある。支持片82a3を片持ち梁城に弾性変形させるために、支持片82a3のY軸方向の両側には、それぞれスリットが形成してある。
また、図9に示すストッパ凸部82a4と図8に示す抜け止め孔204との係合は、端子台80のボビン40に対する抜け止めとなっているが、ボビン40に対する端子台80のX軸およびY軸方向の自由なスライド移動を許容するようになっている。
本実施形態では、端子台70および80は、ボビン40とは別体に形成されている。端子台70および80を構成する材料としては、たとえばボビン40と異なる樹脂を洗濯することができ、たとえばボビン40よりも成形性が良好な樹脂、あるいは放熱性が良好な樹脂を選択することができる。具体的には、たとえばPET、PBKあるいはPPS等の樹脂材料が挙げられる。
本実施形態に係るコイル装置10は、図2A〜図2Bに示す各部材を組み立てると共に、ボビン40およびボビンカバー50に、それぞれワイヤ22,32を巻回することによって製造される。本実施形態のコイル装置10は、たとえばポッティング樹脂などが充填可能なケース(図示せず)の内部に収容されてもよいが、ケースは、必ずしも無くてもよい。
以下に、コイル装置10の製造方法の一例を説明する。コイル装置10の作製においては、まず、図2Bに示すボビン40を準備する。ボビン40の材質は特に限定されないが、ボビン40は、樹脂等の絶縁材料によって形成される。
次に、ボビン40の第1中空筒部44の外周に第1ワイヤ22を巻回し、内側コイル20を形成する。内側コイル20の形成に使用される第1ワイヤ22としては、特に限定されないが、リッツ線等が好適に使用される。内側コイル20には、他の内側コイル20の部分よりも外径が大きな鍔状コイル部が内側コイル部20のZ軸下端にα巻きで形成されてもよい。
次に、内側コイル20が形成されたボビン40に対して、ボビンカバー50を取り付ける。ボビンカバー50における第2中空筒部54の外周には、外側コイル30を構成する第2ワイヤ32を巻回する。ボビンカバー50におけるカバー下鍔部52の隙間保持片52aの内側に、鍔状コイル部が位置することになる。
リード部22a,22aをボビンカバー50の台座58fの上で、Y軸方向の相互に反対側に引き出すと共に、リード部32a,32aを、台座58gの下からY軸方向の相互に反対側に引き出す。その後に、ボビン40の各絶縁壁100,200の外側に、それぞれ端子ブロック70および80をX軸方向の外側から移動させて取り付ける。
それぞれの端子ブロック70および80に、それぞれ端子金具91,92および端子金具93,94が取り付けてある場合には、その後に、各端子金具91〜94のワイヤ接続部91a〜94aに、各リード部22a,32aを接続する。各端子金具91〜94のワイヤ接続部91a〜94aに、各リード部22a,32aを接続するための方法としては、特に限定されず、はんだ付け、溶接、抵抗溶接、超音波溶接、レーザ溶接、カシメ止め、熱圧着、熱融着などが例示される。
なお、本実施形態では、ボビン40の各絶縁壁100,200の外側に、それぞれ端子ブロック70および80を取り付ける前に、各端子金具91〜94のワイヤ接続部91a〜94aに、各リード部22a,32aを予め接続してあってもよい。その場合には、その後に、ボビン40の各絶縁壁100,200の外側に、それぞれ端子ブロック70および80を取り付けて、その後に、各端子金具91〜94を、それぞれの端子台70および80に取り付け、その後に、内カバー78および88を、それぞれ端子台70,80に取り付ければよい。その後に、外カバー79および89を、必要に応じて、それぞれ端子台70,80に取り付ければよい。
その前後に、図2Aに示すコアカバー60をボビン40におけるY軸方向の両側に取り付け、その後に、Z軸方向の上下方向から、コア12を取り付ける。すなわち、コア12の中脚14,14の先端同士、側脚16,16の先端同士を突き合わせる。なお、中脚14,14の先端同士の間には、ギャップを持たせても良い。
各コア12の材質としては、金属、フェライト等の軟磁性材料が挙げられるが、特に限定されない。コア12は、接着材を用いて接着されるか、または外周をテープ状部材で巻かれることによって、ボビンカバー50およびボビン40に固定されてもよいが、単に取り付けるのみでもよい。本実施形態では、このようにして組み立てられたコイル装置10の大部分は、図示しないケースの内部に収容されてもよい。ケースの内部には、コイル装置10が収容された状態で、ポッティング樹脂などの高熱伝導性樹脂が充填してあってもよい。
コア12の上には、放熱プレートがコア12の上面およびY軸方向の側面接触するように配置してあってもよく、各放熱プレートのY軸方向の両端から下側に延びる側脚部は、ケースの内部に貯留してある高伝導性樹脂の内部に浸されるようになっていてもよい。このように構成することで、コア12の上部の熱をケースの内部に貯留してある高熱伝導性樹脂に伝達し、効率的に放熱が図れるようになっている。放熱プレートは、たとえばアルミニウムなどの金属などの高熱伝導性材料で構成されることが好ましい。
なお、ケースの内部への高熱伝導性樹脂の充填は、コイル装置10をケースの内部に収容する前が好ましいが、樹脂の充填は、コイル装置10をケースの内部に収容した後でもよい。
本実施形態のコイル装置10は、実装基板面に対して、コイルの巻軸が垂直に配置される縦タイプのコイル装置として用いることができるので、ボビン40の中空部に挿入されるコア12を冷却しやすい。
さらに本実施形態では、ボビンカバー50は、図2Bに示すように、巻回軸に平行な分割接続部53で分割可能であるため、ボビン40の外周に、ボビンカバー50を容易に配置することができる。
さらに、本実施形態のコイル装置10では、各巻回区画においては巻回軸方向に沿って単一のワイヤ巻回部分のみが存在するようにワイヤ22を巻回するために、径方向の一層当たりのワイヤ22の巻回数のバラツキを防止することが容易になり、リーケージ特性(コイル間結合)の安定化に寄与する。すなわち、二次コイルを構成する外側コイル30と一次コイルを構成する内側コイル20との結合係数を厳密に制御することが容易になり、本実施形態のコイル装置10をリーケージトランスとしても好適に用いることができる。
また本実施形態では、図2Bに示すように、ボビンカバー50のカバー下鍔部52の外縁端に、隙間保持片52aを断続的に具備してある。このために、第1コイル20のZ軸方向の下端部に、径方向の巻回層数が多い鍔状コイル部を形成することが容易になる。
さらに本実施形態では、巻回隔壁鍔46の外周縁とボビンカバー50の内周面との間には、流通隙間が均一に形成してある。このように構成することで、ボビンカバー50の内側と外側に巻回されるワイヤのコイル20,30間距離を一定にし易くなり、コイル特性値のばらつきが少なくなる。
特に本実施形態に係るコイル装置10では、ボビンカバー50が隙間保持片52aを有し、隙間保持片52aには、開口部52bまたは切り欠きが形成してある。このため、開口部52bまたは切り欠きを通して、たとえばポッティング樹脂などの高熱伝導性樹脂が、ボビンカバー50の内部に入り込み、ボビンカバー50とボビン40との間に入り込む。その結果、ボビン40の第1巻回部45に巻回してある第1ワイヤ22が高熱伝導性樹脂に接触し、第1ワイヤ22からの発熱が高熱伝導性樹脂に伝達して良好に放熱される。したがって、本実施形態のコイル装置10では、コイル装置10を小型化しても放熱性に優れている。
また本実施形態では、ボビンカバー50は、カバー下鍔部52とカバー上鍔部58とを有する。そして、カバー下鍔部52の下方に、隙間保持片52aが具備してある。さらに、ボビン上鍔部48の軸方向の下側にカバー上鍔部58が配置され、ボビン上鍔部48とカバー上鍔部58との間には、ボビンカバー50の内部の空気を外部に排出可能な出口隙間が形成してある。出口隙間は、カバー上鍔部58の上面に形成してある接続上鍔部58a、段差凸部58c,58dおよびストッパ凸部58eが、ボビン上鍔部48の下面に当接することで形成される。
このように構成することで、カバー下鍔部52の下からボビンカバー50の内部に、高熱伝導性樹脂が入り込む際に、ボビンカバー50の内部に位置する空気が、出口隙間から排出されやすくなり、樹脂の流れが、よりスムーズになる。
さらに本実施形態では、内周側に配置される第1ワイヤ22が、トランスの一次コイルであるが、その逆に、さらに高電圧が作用する二次コイル(内側コイル20)であってもよい。その場合には、高電圧が作用する二次コイル(内側コイル20)を、比較的に低電圧が作用する一次コイル(外側コイル30)の内側に配置することで絶縁が容易になる。
また、本実施形態では、端子台70および80は、ボビン40とは別体に形成されている。そのため、ボビン40の仕様変更が生じた場合などには、その仕様に応じた端子台70および80を用意し、ボビン40に取り付ければよい。すなわち、ボビンの全体の設計を変更する必要はなく、仕様変更に対して柔軟に対応することができる。
さらに本実施形態のコイル装置10では、第1メイン巻回部45aに巻回してある第1ワイヤ22の内側コイル部20と、第2巻回部55に巻回してある第2ワイヤ32の外側コイル部30との間の半径方向の隙間で、コイル間結合の調整を図ることができる。さらに、本実施形態のコイル装置10では、第1サブ巻回部45bに巻回してある第1ワイヤ22の鍔状コイル部(図示省略)と、第2巻回部55に巻回してある第2ワイヤ32の外側コイル部30との間のZ軸方向の隙間でも、コイル間結合の調整を図ることができる。
また、第1サブ巻回部45bに巻回してある第1ワイヤ22の巻回層数を多くすれば、軸方向から見た鍔状コイル部と外側コイル部30との重複面積も大きくなり、リーケージ特性の調整が可能である。このように本実施形態のコイル装置10では、径方向隙間と軸方向隙間との両方でリーケージ特性の調整が可能である。
また、本実施形態のコイル装置10では、第1巻回部45の第1サブ巻回部45bに巻回してある第1ワイヤ22の巻回層数を多くすることで、第1ワイヤ22のトータルのターン数を増やすことができるため、ボビン40の軸方向寸法を短くすることができる。そのため、コイル装置10の低背化を図ることが可能になる。
また、本実施形態では、第1巻回部45には、巻回隔壁鍔46がZ軸方向に沿って所定間隔で形成してある。このように構成することで、第1ワイヤ22のα巻きが容易になる。また、第1メイン巻回部45aと第1サブ巻回部45bとを仕切る巻回隔壁鍔46には、第1メイン巻回部45aの範囲内に形成してある巻回隔壁鍔46の外縁端よりも外側に突出する凸部としての仕切凸片46a(図2B参照)が形成してある。この仕切凸片46aは、ボビンカバー50との位置決めとしても機能することができる。
さらに本実施形態では、ボビンカバー50のカバー下鍔部52の外周縁に、周方向に沿って断続的に隙間保持片52aが形成してあり、その隙間保持片52aの内側に、第1サブ巻回部45bが位置して、鍔状コイル部が形成される。このように構成することで、第1サブ巻回部45bの外周に第1ワイヤ22を多数のターン数で巻回することが容易になる。
また、本実施形態では、第1メイン巻回部45aと第1サブ巻回部45bとには、第1ワイヤ22が連続的にα巻きされている。α巻きとすることにより、第1ワイヤ22の巻回が容易となると共に、第1ワイヤ22により形成される内側コイル20の軸方向長さを小さくすることができる。また、第1サブ巻回部45bの外周に、第1ワイヤ22を多数ターンで巻回しやすい。
特に本実施形態に係るコイル装置10では、図2Aおよび図2Bに示すように、たとえば端子金具91〜94で構成される端子が取り付けられる端子台70および80が、ボビン40のX軸方向とY軸方向の双方に移動自在にボビン40に取り付けられている。そのため、図1Aに示す回路基板300などの基板とコイル装置10とをラフに位置決めした後、ボビン40に対して端子台70および80をX軸およびY軸方向に相対移動させるのみで、端子金具91〜94の挿通孔91d〜94dと回路基板300の取付孔302とを正確に位置決めできる。したがって、ビス304などの締結具を用いて、回路基板300の回路パターンと各端子金具91〜94とを正確に位置決めして接続することが容易になる。
また、本実施形態に係るコイル装置10では、コイル装置10の製造の段階で、端子台70,80の端子金具91〜94の位置を、回路基板300の取付孔302の位置に正確に位置合わせして製造する必要がなくなり、コイル装置10を構成する各部品の製造と組立が容易になり、製造コストの低減に寄与する。
さらに、本実施形態では、端子金具91〜94が、端子台70および80に対して、それぞれ独立してZ軸方向に移動自在に取り付けられる。このように構成することで、端子金具91〜94と回路基板300の各取付孔302の位置とを、Z軸方向にも独立して微調整することが容易になる。その結果、Z軸方向に沿っても、端子台70,80への端子金具91〜94の取付位置を、回路基板300に正確に位置合わせして製造する必要がなくなり、コイル装置10を構成する各部品の製造と組立がさらに容易になり、製造コストの低減にさらに寄与する。
さらにまた本実施形態では、ボビン40にはX軸方向に突出する緩嵌合凸部102a,202aが形成してあり、端子台70,80には、それぞれ緩嵌合凸部102a,202aが入り込む緩嵌合凹部72a,82aが形成してある。また、緩嵌合凸部102a,202aは、それぞれ緩嵌合凹部72a,82a内で、所定範囲内で、X軸およびY軸方向に移動可能に挿入してある。このように構成することで、端金具子91〜94が取り付けられる端子台70および80を、ボビン40のX軸およびY軸方向の双方に移動自在にボビン40に取り付けることができる。
さらに本実施形態では、図6および図9に示すように、緩嵌合凹部72a,82aを構成する内壁の一部が、緩嵌合凹部72a,82aの開口入口のZ軸方向幅を開くことが可能に弾性変形可能な支持片72a3,82a3で構成してある。しかも、支持片72a3,82a3には、図7および図8に示す緩嵌合凸部102a,202aの貫通孔104,204に係合して抜け止めとなるストッパ凸部72a4,82a4(図6および図9参照)が形成してある。
このように構成することで、本実施形態では、緩嵌合凹部72a,82aに緩嵌合凸部102a,202aをそれぞれ差し込むことのみで、緩嵌合凸部102a,202aが緩嵌合凹部72a,82aに対してX軸およびY軸方向に移動自在に取り付けられ、しかもボビン40に対する端子台70,80の抜け止めが同時に行われる。そのため、端子台70,80のボビン40に対する取り付けが、さらに容易になる。
また本実施形態では、図7および図8に示すように、緩嵌合凸部102a,202aは、それぞれ主凸部102a1,202a1と、副凸部102a2,202a2とを有する。また、図6および図9に示すように、緩嵌合凹部72a,82aには、図7および図8に示す主凸部102a1,202a1が挿入される主凹部72a1,82a1と、副凸部102a2,202a2が挿入される副凹部72a2,82a2とを有する。Z軸方向に沿っての副凸部102a2,202a2と副凹部72a2,82a2との隙間が、Z軸方向に沿っての主凸部102a1,202a1と主凹部72a1,82a1との隙間よりも小さい。
このように構成することで、副凸部102a2,202a2と副凹部72a2,82a2とが接触する案内面に沿って、端子台70,80が、ボビン40に対してX軸とY軸方向に移動自在に保持される。しかも、案内面に沿って、端子台70,80がボビン40に対してX軸とY軸方向に、がたつくことなくスムーズに移動することができる。しかも、Z軸方向に沿っての主凸部102a1,202a1と主凹部72a1,82a1との隙間は、比較的に広いので、緩嵌合凸部102a,202aを緩嵌合凹部72a,82aの内部に挿入する作業は、比較的に容易に行うことができる。
しかも本実施形態では、主凸部102a1,202a1の両側に、それぞれ二つの副凸部102a2,202a2が形成してあり、主凹部72a1,82a1の両側に二つの副凹部72a2,82a2がそれぞれ形成してある。また、主凸部102a1,202a1のX軸方向の突出高さは、副凸部102a2,202a2のX軸方向の突出高さよりも大きい。このように構成することで、緩嵌合凸部102a,202aを緩嵌合凹部72a,82aの内部にそれぞれ挿入する作業が容易であると共に、副凸部102a2,202a2と副凹部72a2,82a2とが接触する案内面での摩擦を低減することができる。
また本実施形態では、図5Bに示すように、端子金具91〜94は、それぞれ、図2Bに示すワイヤ22,32の端部であるリード部22a,32aが固定して接続されるワイヤ接続部91a〜94aと、フック部91b〜94bとを有する。このように構成することで、端子金具91〜94へのワイヤ22,32のリード部22a,32aの接続を容易に行うことができ、しかも、端子金具91〜94を端子台70および80に対してZ軸方向に沿って容易に移動可能に装着することができる。
また、端子金具91〜94は、ワイヤ接続部91a〜94aとフック部91b〜94bとの間に形成される挿通孔91d〜94dを有している。これらの挿通孔91d〜94dには、図1Aに示すボルトまたはビス304などの締結具が取り付けられ、締結具を介して、端子金具91〜94を位置決めして回路基板300に取り付けることができる。
また本実施形態では、各端子金具91〜94のフック部91a〜94aに係合して端子金具91〜94のZ軸方向の移動範囲を制限する内カバー78,88(図2A参照)が、端子台70,80にそれぞれ取り付けられる。内カバー78,88を取り付けるのみで、端子台70,80に対する各端子金具91〜94の抜け止めを行うことができる。また、端子台70,80に対する端子金具91〜94のZ軸方向の移動も制限することができる。
さらに、内カバー78,88を覆うと共に、端子台70,80のX軸方向の端部を覆い、さらに、端子金具91〜94のY軸方向の端部を覆う外カバー79,89が、端子台70,80にそれぞれ取り付けられる。外カバー79,89を絶縁部材で構成することで、絶縁性の向上が期待できる。
第2実施形態
図1Bおよび図5Cに示す第2実施形態に係るコイル装置10Aは、以下に示す点を除いて、第1実施形態に係るコイル装置10と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図1Bおよび図5Cにおいて、第1実施形態のコイル装置10における各部材と共通する部材には、同様な符号を付し、その説明は一部省略する。
本実施形態におけるコイル装置10Aは、各端子金具95〜98の構成が、第1実施形態のコイル装置10の端子金具91〜94の構成と少し異なると共に、それに合わせて、端子台70および80の構成が一部異なるのみである。
本実施形態では、図5Cに示す各端子金具の符号95〜98に示す部材が、図5Bに示す端子金具の符号91〜94に示す部材に対応し、ほとんど共通している。ただし、図5Cに示す本実施形態の取付部95c〜98cには、図5Bに示す取付部91c〜94cとは異なり、取付孔91d〜94dが形成されない。その代わりに、図5Cに示す本実施形態の取付部95c〜98cには、各取付部95c〜98cの平面からZ軸方向の上方に立ち上げられる外部回路接続片95d〜98dが形成してある。
これらの各端子金具95〜98に形成してある外部回路接続片95d〜98dは、図1Bに示す回路基板300a(図1Aに示す回路基板300に対応)に形成してある4つのスリット状の取付孔302aに、それぞれ差込可能になっている。取付孔302aに差し込まれた外部回路接続片95d〜98dは、回路基板300aに形成してある回路パターンとそれぞれ接続されるように、ハンダ付けあるいは導電性接着剤などで接続される。
本実施形態では、図5Cに示すように、端子金具95〜98には、図5Bに示す取付孔91d〜94dが形成されないことから、図5Aに示す端子台70および図8に示す端子台80において、ナット77などの取付孔76,86を形成する必要がない。その他の端子台70,80の構成は、第1実施形態と第2実施形態とでは、略同一である。また、ボビン40やその他の部材の構成も略同一である。
本実施形態に係るコイル装置10Aにおいても、第1実施形態のコイル装置10と同様な作用効果を奏する。すなわち、本実施形態のコイル装置10Aにおいても、図1Bに示す回路基板300aなどの基板との位置決めが容易であり、しかも各部品の製造と組立が容易である。
第3実施形態
図10〜図12に示す第3実施形態に係るコイル装置10Bは、以下に示す点を除いて、第1実施形態に係るコイル装置10と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図10〜図12において、第1実施形態のコイル装置10における各部材と共通する部材には、同様な符号を付し、その説明は一部省略する。
図10に示すように、コイル装置10Bは、ボビン40Bと、端子台70B,80Bと、端子金具91B,92Bとを有するという点において、第1実施形態におけるコイル装置10とは異なる。
図11に示すように、端子金具91B,92Bは、連結部91e’,92e’に段差状折曲部が形成されているという点において、第1実施形態における端子金具91,92(図5B)とは異なる。端子金具91B,92Bの形状は、端子金具93,94の形状と略等しくなっており、ワイヤ接続部91a,92aのZ軸方向の高さは、取付部91c,92cの平面よりも低くなっている。
ボビン40Bは、端子台70B,80Bが具備されているという点において、第1実施形態におけるボビン40(図2A)とは異なる。端子台70B,80Bは、ボビン40Bに一体的に形成されており、それぞれボビン40B(ボビン上鍔部48)のX軸方向の一方側の端部および他方側の端部に配置されている。
端子台70B,80Bは、X軸方向の外側に向かって所定長で突出しており、Y軸方向に所定幅を有する。端子台70B,80Bは、第1実施形態における端子70,80と同様に、台本体71,81と、端子取付部73,83と、取付孔76,86とを有する一方で、貫通孔72,82を具備していない。また、端子台70B,80Bは、端子溝74,84に代えて端子溝74B,84Bを有し、嵌合溝75,85に代えて嵌合溝75B,85Bを有する。端子溝74B,84Bおよび嵌合溝75B,85Bは、端子台70B,80Bの表面から裏面に向かって貫通している。
なお、端子金具91B,92Bのフック部91b,92bには、Z軸方向の下方に向かって延びておりX軸方向に幅狭となっている部分と、X軸方向の外側に向かって延びておりX軸方向に幅広となっている部分とが具備されているが、以下では、前者の部分を幅狭部91b1,92b1と呼び、後者の部分を幅広部91b2,92bと呼ぶ。同様に、端子金具93,94のフック部93b1,94b1についても、Z軸方向の下方に向かって延びておりX軸方向に幅狭となっている部分を幅狭部93b1,94b1と呼び、X軸方向の外側に向かって延びておりX軸方向に幅広となっている部分を幅広部93b2,94b2と呼ぶ。
端子台70Bの2つの端子溝74B,74Bは、第1実施形態における端子溝74,74(図5A)に比べて、そのX軸方向およびY軸方向の各方向の溝幅が大きくなるように形成されている。端子溝74B,74BのX軸方向幅は、端子金具91B,92Bのフック部91b,92b(幅狭部91b1,92b1)のX軸方向幅よりも大きくなっており、端子溝74B,74BのY軸方向幅は、端子金具91B,92Bのフック部91b,92b(幅狭部91b1,92b1)のY軸方向幅(端子金具91B,92Bの板厚)よりも大きくなっている。そのため、端子溝74B,74Bにフック部91b,92bが差し込まれた状態では、図12に示すように、フック部91b,92bと端子溝74B,74Bの内壁との間に隙間G1が形成される。
また、端子台70Bの2つの嵌合溝75B,75Bは、第1実施形態における嵌合溝75,75に比べて、そのX軸方向およびY軸方向の各方向の溝幅が大きくなるように形成されている。嵌合溝75B,75BのX軸方向幅は、端子金具91B,92Bの差込凸部91f,92fのX軸方向幅よりも大きくなっており、嵌合溝75B,75BのY軸方向幅は、端子金具91B,92Bの差込凸部91f,92fのY軸方向幅(端子金具91B,92Bの板厚)よりも大きくなっている。そのため、嵌合溝75B,75Bに差込凸部91f,92fが差し込まれた状態では、差込凸部91f,92fと嵌合溝75B,75Bの内壁との間に隙間G2が形成される。
そのため、端子溝74B,74Bの内部において、フック部91b,92bは隙間G1の範囲内で、X軸方向およびY軸方向の双方に自在に移動することができる。また、嵌合溝75B,75Bの内部において、差込凸部91f,92fは隙間G2の範囲内で、X軸方向およびY軸方向に自在に移動することができる。結果として、本実施形態では、端子金具91B,92Bが、ボビン40BのX軸方向およびY軸方向の双方に移動自在となっている。また、第1実施形態と同様に、端子金具91B,92Bは、ボビン40BのZ軸方向にも移動自在となっている。
なお、フック部91b,92bの幅広部91b2,92b2のX軸方向幅は、端子溝74B,74BのX軸方向幅よりも大きくなっており、これによりフック部91b,92bが端子溝74B,74Bから抜けることを防止することが可能となっている。幅広部91b2,92b2の一部は、端子台70Bの内部に形成された溝(図示略)の内部に配置されており、当該溝の内部をXYZの各軸に沿って自在に移動することができる。なお、端子台70Bに対する端子金具91B,92Bの抜け止めは、差込凸部91f,92fに具備されていてもよく、あるいはフック部91b,92bおよび差込凸部91f,92fの両方に具備されていてもよい。
図示の例では、隙間G1,G2の各々のX軸方向幅は同一となっているが、異なっていてもよい。また、隙間G1,G2の各々のY軸方向幅は同一となっているが、異なっていてもよい。隙間G1,G2のX軸方向幅およびY軸方向幅については、ボビン40Bに対する端子金具91B,92BのX軸方向およびY軸方向への移動予定量に応じて適宜決定すればよい。
以上で示した構成は端子台80Bにも同様に備わっており、端子溝84B,84Bの内部において、フック部93b,94bは隙間G1の範囲内で、X軸方向およびY軸方向の双方に自在に移動することができる。また、嵌合溝75B,75Bの内部において、差込凸部93f,94fは隙間G2の範囲内で、X軸方向およびY軸方向の双方に自在に移動することができる。結果として、本実施形態では、端子金具93,94についても、ボビン40BのX軸方向およびY軸方向の双方に移動自在となっている。また、第1実施形態と同様に、端子金具93,94は、ボビン40BのZ軸方向にも移動自在となっている。
本実施形態では、端子台70B,80Bは、ボビン40Bに一体的に形成されているため、ボビン40Bに対してX軸方向およびY軸方向の双方に相対移動することはなく、その位置が固定されている。その一方で、端子金具91B,92B,93,94自体がボビン40Bに対してX軸方向およびY軸方向の双方に相対移動する。このように、本実施形態では、端子金具91B,92B,93,94がボビン40BのX軸方向とY軸方向の双方に移動自在であるため、図1Aに示す回路基板300などの基板とコイル装置10Bとをラフに位置決めした後、ボビン40Bに対して端子金具91B,92B,93,94を相対移動させるのみで、端子金具91B,92B,93,94の挿通孔91d〜94dと回路基板300の取付孔302とを正確に位置決めできる。したがって、ビス304などの締結具を用いて、回路基板300の回路パターンと各端子金具91B,92B,93,94とを正確に位置決めして接続することが容易になる。
第4実施形態
図13〜図15に示す第4実施形態に係るコイル装置10Cは、以下に示す点を除いて、第1実施形態に係るコイル装置10と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図13〜図15において、第1実施形態のコイル装置10における各部材と共通する部材には、同様な符号を付し、その説明は一部省略する。
図13に示すように、コイル装置10Cは、ボビン40Cと端子台70C,80Cとを有し、さらにこれらに加えてケース400を有するという点において、第1実施形態におけるコイル装置10とは異なる。以下に示すように、本実施形態では、コイル装置10Cは、端子台70C,80Cがケース400のX軸方向とY軸方向の双方に移動自在となるように構成されている。
図14に示すように、ボビン40Cは、絶縁壁100,200に緩嵌合凸部102a,202aが形成されていないという点において、第1実施形態におけるボビン40とは異なる。
ケース400は、ボビン40Cやコア12等を収容するため容器であり、その内部には樹脂600が充填される。ケース400は、側方部410と、2つの端子台取付部420,420と、2つの緩嵌合凸部430,430とを有する。
側方部410は、ケース400の側壁を構成しており、その四方を取り囲んでいる。端子台取付部420,420は、それぞれ側方部410のX軸方向の各端部に形成されており、Y軸に沿ってZ軸の上方に突出するように一体成形されている。緩嵌合凸部430,430は、それぞれ端子台取付部420,420のY軸方向の略中央部に形成されており、そのX軸方向の外側壁からX軸方向の外側に向かって突出している。緩嵌合凸部430,430は略角柱形状を有しており、緩嵌合凸部430,430には端子台70C,80Cの緩嵌合凹部72a,82aがそれぞれ取り付けられる。
図15に示すように、端子台70Cは、Y軸方向の一方側に形成された一対の挟持部740,740と、Y軸方向の他方側に形成された一対の挟持部740,740とを有するという点において、第1実施形態における端子台70(図5A)とは異なる。一方の挟持部740,740には端子金具91Bのフック部91b(幅広部91b2)が差し込まれて挟持され、これにより端子金具91Bが安定した状態で端子台70Cに固定される。他方の挟持部740,740には端子金具92Bのフック部92b(幅広部92b2)が差し込まれて挟持され、これにより端子金具92Bが安定した状態で端子台70Cに固定される。端子台80Cについても同様に構成されており、上述した一対の挟持部がY軸方向の一方側および他方側の各々に具備されている。
緩嵌合凹部72aのY軸方向幅は、緩嵌合凸部430のY軸方向幅よりも大きくなっている。そのため、端子台70Cの緩嵌合凹部72aに緩嵌合凸部430が取り付けられた状態では、緩嵌合凸部430と緩嵌合凹部72aの内壁との間に隙間G3が形成される。そのため、緩嵌合凹部72aの内部において、緩嵌合凸部430は隙間G3の範囲内でY軸方向に移動可能に挿入され、端子金具91B,92Bが取り付けられる端子台70Cをボビン40CのY軸方向に移動自在にケース400に取り付けることができる。
また、緩嵌合凸部430は、第1実施形態における緩嵌合凸部102a(図5A)と同様、X軸方向に移動可能に挿入されており、端子金具91B,92Bが取り付けられる端子台70Cをボビン40CのX軸方向に移動自在にケース400に取り付けることができる。
以上で示した構成は端子台80Cにも備わっており、端子台80Cについても同様に、ケース400あるいはボビン40CのX軸方向およびY軸方向の双方に移動自在にケース400に取り付けることが可能となっている。
本実施形態においても第1実施形態と同様の効果が得られる。特に、本実施形態では、端子台70C,80Cがボビン40Cが収容されるケース400に取り付けられているため、図1Aに示す回路基板300などの基板とコイル装置10Cとをラフに位置決めした後、ケース400に対して端子台70C,80Cを相対移動させることにより、端子台70C,80Cがボビン40Cに対して相対移動し、端子台70C,80Cの端子金具91B,92B,93,94の挿通孔91d〜94dと回路基板300の取付孔302とを正確に位置決めできる。したがって、ビス304などの締結具を用いて、回路基板300の回路パターンと各端子金具91B,92B,93,94とを正確に位置決めして接続することが容易になる。
第5実施形態
図16〜図19Bに示す第5実施形態に係るコイル装置10Dは、以下に示す点を除いて、第1実施形態に係るコイル装置10と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図16〜図19Bにおいて、第1実施形態のコイル装置10における各部材と共通する部材には、同様な符号を付し、その説明は一部省略する。
図16に示すように、コイル装置10Dは、ボビン40Dと端子台70D,80Dとを有するという点において、第1実施形態におけるコイル装置10とは異なる。以下に示すように、本実施形態におけるコイル装置10Dは、端子台70D,80Dがボビン40DのX軸方向およびY軸方向に加えて、Z軸方向にも移動自在となるように構成されている。なお、図面では、上記構成を実現するための概念的な特徴のみ記載しており、抜け止め機構(例えば図5Aに示す抜け止め孔104,204あるいは図6に示すストッパ凸部72a4,82a4)については図示を省略している。
ボビン40Dは、緩嵌合凸部102aに副凸部102a2が具備されておらず主凸部102a1のみ具備されているという点において、第1実施形態におけるボビン40とは異なる。
本実施形態では、端子金具91B,92B,93,94は、端子台70D,80Dに圧入またはインサート成形されている。端子金具91B,92B,93,94のフック部91b〜94bおよび差込凸部91f〜94fは端子台70D,80Dの内部に埋め込まれており、端子金具91B,92B,93,94は端子台70D,80Dに対して一体となっている。
端子台70D,80Dは、台本体71D,81Dに緩嵌合凹部72aD,82aDを有する貫通孔72D,82Dが具備されているという点において、第1実施形態における端子台70,80とは異なる。図18Aおよび図18Bに示すように、緩嵌合凹部72aDのY軸方向幅は、緩嵌合凸部102aのY軸方向幅よりも大きくなっている。また、緩嵌合凹部72aDのZ軸方向幅は、緩嵌合凸部102aのZ軸方向幅よりも大きくなっている。そのため、端子台70Dの緩嵌合凹部72aDに緩嵌合凸部102aが取り付けられた状態では、緩嵌合凸部102aと緩嵌合凹部72aDの内壁との間に、緩嵌合凸部102aの周囲を取り囲むように隙間G4が形成される。そのため、緩嵌合凹部72aDの内部において、緩嵌合凸部102aは隙間G4の範囲内でY軸方向およびZ軸方向の双方に移動可能に挿入され、端子金具91B,92Bが取り付けられる端子台70Dをボビン40DのY軸方向およびZ軸方向の双方に移動自在にボビン40Dに取り付けることができる。
また、緩嵌合凸部102aは、第1実施形態と同様、X軸方向に移動可能に挿入されており、端子金具91B,92Bが取り付けられる端子台70Dをボビン40DのX軸方向に移動自在にボビン40Dに取り付けることができる。
例えば回路基板300(図1A)にコイル装置10Dが取り付けられた状態において、図示のように、緩嵌合凸部102aは緩嵌合凹部72aDの内部空間においてその内壁に接触することなく浮いた状態で固定されてもよい。あるいは、緩嵌合凸部102aは緩嵌合凹部72aDの内壁(上側の内壁または下側の内壁)に接触した状態で固定されていてもよい。
以上で示した構成は端子台80Dにも同様に備わっており、端子台80Dについても同様に、ボビン40DのX軸方向およびY軸方向に加えて、Z軸方向にも移動自在にボビン40Dに取り付けることができる。
本実施形態においても第1実施形態と同様の効果が得られる。特に、本実施形態では、ボビン40Dに対して端子台70D,80DをZ軸方向に相対移動させることにより、端子金具91B,92B,93,94の挿通孔91d〜94dと回路基板300の取付孔302との取付位置を、Z軸方向に微調整することが容易になる。したがって、ビス304などの締結具を用いて、回路基板300の回路パターンと各端子金具91B,92B,93,94とを正確に位置決めして接続することが容易になる。
また、本実施形態では、端子台70D,80Dがボビン40DのZ軸方向に移動自在であり、かつ、端子91B,92B,93,94は端子台40Dに一体成形されている。そのため、端子台70D,80Dに端子91B,92B,93,94を取り付ける工程を簡素化することが可能となり、コイル装置10Dの製造が容易になる。
なお、図17に示す例では、緩嵌合凸部102aはX軸方向の外方に向かって突出しているが、緩嵌合凸部102aの突出方向はこれに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。緩嵌合凸部202aについても同様である。例えば、図19Aに示すボビン40D’には、Z軸方向の外方に向かって突出する緩嵌合凸部102a’が形成されている。緩嵌合凸部102a’と絶縁壁100とは端子台載置部105によって接続されており、緩嵌合凸部102a’は端子台載置部105の上面からZ軸方向に沿って延びている。端子台70Dの緩嵌合凹部72aDに緩嵌合凸部102a’を入り込ませたときに、端子台載置部105に端子台70Dを載置することが可能となっている。
詳細な図示は省略するが、端子台70D(80D)にZ軸方向に延びる緩嵌合凹部72a(82a)を形成し、当該緩嵌合凹部72a(82a)の内部に緩嵌合凸部102a’を入り込ませることにより、端子台70D(80D)をZ軸方向に沿って移動自在にボビン40Dに取り付けることができる。また、当該緩嵌合凹部72a(82a)のX軸方向幅およびY軸方向幅を緩嵌合凸部102a’のX軸方向幅およびY軸方向幅よりも大きくしておくことにより、端子台70D(80D)をX軸方向およびY軸方向の双方に移動自在にボビン40Dに取り付けることができる。
また、図19Bに示すボビン40D’’には、Y軸方向の外方に向かって突出する緩嵌合凸部102a’’が形成されている。緩嵌合凸部102a’’のY軸方向の一端と絶縁壁100とは、絶縁壁100のX軸方向の外壁面からX軸方向の外側に向かって延びる接続部106によって接続されている。
詳細な図示は省略するが、端子台70D(80D)にY軸方向に延びる緩嵌合凹部72a(82a)を形成し、当該緩嵌合凹部72a(82a)の内部に緩嵌合凸部102a’’を入り込ませることにより、端子台70D(80D)をY軸方向に沿って移動自在にボビン40Dに取り付けることができる。また、当該緩嵌合凹部72a(82a)のX軸方向幅およびZ軸方向幅を緩嵌合凸部102a’’のX軸方向幅およびZ軸方向幅よりも大きくしておくことにより、端子台70D(80D)をX軸方向およびZ軸方向の双方に移動自在にボビン40Dに取り付けることができる。
第6実施形態
図20〜図22に示す第6実施形態に係るコイル装置10Eは、以下に示す点を除いて、第1実施形態に係るコイル装置10と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図20〜図22において、第1実施形態のコイル装置10における各部材と共通する部材には、同様な符号を付し、その説明は一部省略する。
図20に示すように、コイル装置10Eは、ボビン40Eと端子台70D,80Dとを有するとともに、これらに加えてストッパ壁部500をさらに有するという点において、第1実施形態におけるコイル装置10とは異なる。以下に示すように、本実施形態におけるコイル装置10Eでは、蓋部500によって、ボビン40Eに対する端子台70D,80Dの抜け止めが行われる。
図21に示すように、ボビン40Eは、緩嵌合凸部102aE,202aEを有するという点において、第1実施形態におけるボビン40とは異なる。緩嵌合凸部102aEには、図5Aに示す抜け止め孔104が形成されていない一方で、それに代えて挿通孔102a3が形成されている。挿通孔102a3は緩嵌合凸部102aEの長手方向(X軸方向)に沿って延びており、挿通孔102a3のX軸方向の長さは後述するストッパ壁部500の嵌合部520の長さよりも長くなっている。挿通孔102a3の内部には、ストッパ壁部500の嵌合部520を挿入させることが可能となっている。
ストッパ壁部500は、緩嵌合凹部52aDの内部に入り込んだ緩嵌合凸部102aEに取り付けられ、ボビン40Eに対する端子台70Dの抜け止めとして機能する。ストッパ壁部500は、壁部510と嵌合部520とを有する。壁部510は略平板形状を有し、壁部510のX軸方向の各面の面積は緩嵌合凹部72aDの取付部72bの開口面積よりも大きくなっている。
嵌合部520は、壁部510のX軸方向の内側の面に形成されており、X軸方向の内側に向かって突出している。嵌合部520は、中実形状を有し、緩嵌合凹部72aDの内部に緩嵌合凸部102aEが配置された状態において、緩嵌合凸部102aEの挿通孔102a3の内部に挿入され、緩嵌合凸部102aEと嵌合する。
嵌合部520が緩嵌合凸部102aEと嵌合した状態では、端子台70Dは絶縁壁100と壁部510によって挟まれるように配置される(図20参照)。端子台70Dは、この絶縁壁100と壁部510との間の範囲内において、X軸方向に移動自在となっている。端子台70DがX軸方向の外側に向けて所定量だけ移動すると、端子台70Dの取付部72bの周辺部が壁部510に接触し、その接触位置よりもX軸方向の外側への端子台70Dの移動が阻止される。これにより、壁部510によって、ボビン40Eに対して端子台70DがX軸方向の外側に抜けることを防止することが可能となっている。
図22に示すように、緩嵌合凹部72aDのY軸方向幅は、緩嵌合凸部102aDのY軸方向幅よりも大きくなっている。また、緩嵌合凹部72aDのZ軸方向幅は、緩嵌合凸部102aDのZ軸方向幅よりも大きくなっている。そのため、端子台70Dの緩嵌合凹部72aDに緩嵌合凸部102aEが取り付けられた状態では、緩嵌合凸部102aEと緩嵌合凹部72aDの内壁との間に、緩嵌合凸部102aEを取り囲むように隙間G5が形成される。それ故、緩嵌合凹部72aEの内部において、緩嵌合凸部102aは隙間G5の範囲内でY軸方向およびZ軸方向の双方に移動自在に挿入され、端子金具91B,92Bが取り付けられる端子台70Dをボビン40EのY軸方向およびZ軸方向の双方に移動自在にボビン40Dに取り付けることができる。
また、緩嵌合凸部102aEは、第1実施形態と同様、X軸方向に移動可能に挿入されており、端子金具91B,92Bが取り付けられる端子台70Dをボビン40EのX軸方向に移動自在にボビン40Eに取り付けることができる。
以上で示した構成は緩嵌合凸部202aEにも同様に備わっており、端子台80Dについても同様に、ボビン40EのXYZの各軸に沿って移動自在にボビン40Eに取り付けることができる。また、壁部510によって、ボビン40Eに対して端子台80DがX軸方向の外側に抜けることを防止することが可能となっている。
本実施形態においても第1実施形態と同様の効果が得られる。加えて、本実施形態では、嵌合部510を緩嵌合凸部102aEに嵌合させることにより、緩嵌合凸部102aEを緩嵌合凹部72aDに対してX軸方向およびY軸方向に移動自在に取り付けた状態で、ストッパ壁部500によりボビン40Eに対する端子台70Dの抜け止めを行うことができる。
なお、ストッパ壁部500と緩嵌合凸部102aEとを嵌合部520を介して接続する代わりに、ストッパ壁部500と緩嵌合凸部102aEとを樹脂(例えば、ペースト状の充填剤あるいは接着剤)で接続してもよい。この場合、ストッパ壁部500の形状は、緩嵌合凹部72aDの内部に入り込んだ緩嵌合凸部102aEに樹脂を介して取り付けることができるのであれば、特に限定されるものではない。ストッパ壁部500を緩嵌合凸部102aEに樹脂で接続することにより、緩嵌合凸部102aEを緩嵌合凹部72aDに対してX軸方向およびY軸方向に移動自在に取り付けた状態で、ストッパ壁部500によりボビン40Eに対する端子台70D,80Dの抜け止めを行うことができる。
第7実施形態
図23〜図25に示す第6実施形態に係るコイル装置10Fは、以下に示す点を除いて、第5実施形態に係るコイル装置10Eと同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。図23〜図25において、第5実施形態のコイル装置10Eにおける各部材と共通する部材には、同様な符号を付し、その説明は一部省略する。
図23に示すように、コイル装置10Fは、ボビン40Fと、2つの端子台70F,70Fと、2つの端子台80F,80Fとを有するという点において、第5実施形態におけるコイル装置10Eとは異なる。本実施形態では、複数の端子台70F,70F,80F,80Fの各々に対して、複数の端子金具91B,92B,93,94の各々が取り付けられており、端子金具毎に端子台が具備されている。
図24に示すように、ボビン40Fは、絶縁壁100に2つの緩嵌合凸部102aE,102aEが形成され、絶縁壁200に2つの緩嵌合凸部202aE,202aEが形成されているという点において、第5実施形態におけるボビン40Eとは異なる。2つの緩嵌合凸部102aE,102aEは、それぞれY軸方向に所定の間隔で配置されており、互いに略平行となるように、絶縁壁100からX軸方向の外側に向かって延びている。2つの緩嵌合凸部202aE,202aEは、それぞれY軸方向に所定の間隔で配置されており、互いに略平行となるように、絶縁壁200からX軸方向の外側に向かって延びている。
端子台70Fと端子台80Fの構成は同一であるため、以下では端子台80Fの構成についてはその説明を省略する。各端子台70Fには、台本体71F、貫通孔72D、端子取付部73、端子溝74、嵌合溝75および取付孔76が、それぞれ1つずつ具備されている。
図25に示すように、Y軸方向の一方側に配置された端子台71Fの緩嵌合凹部72aDの内部には、絶縁壁100のY軸方向の一方側に形成された緩嵌合凸部102aEが入り込む。Y軸方向の他方側に配置された端子台71Fの緩嵌合凹部72aDの内部には、絶縁壁100のY軸方向の他方側に形成された緩嵌合凸部102aEが入り込む。
この状態において、第5実施形態と同様、緩嵌合凹部72aDの内部において、緩嵌合凸部102aEは隙間G5の範囲内でY軸方向およびZ軸方向の双方に移動自在に挿入され、端子金具91B,92Bが取り付けられる端子台70Fをボビン40FのY軸方向およびZ軸方向の双方に移動自在にボビン40Fに取り付けることができる。また、緩嵌合凸部102aEは、X軸方向に移動可能に挿入されており、端子金具91B,92Bが取り付けられる端子台70Fをボビン40FのX軸方向に移動自在にボビン40Fに取り付けることができる。
以上で示した構成は各端子台80Fにも同様に備わっており、各端子台80Fについても同様に、ボビン40FのXYZの各軸に沿って移動自在にボビン40Fに取り付けることができる。なお、ボビン40Fに対する端子台70F,80Fの抜け止めについては、第1実施形態あるいは第5実施形態で示した各種抜け止め機構を適用することができる。
本実施形態では、複数の端子台70F(80F)の各々に対して、複数の端子金具91B,92B(93,94)の各々が取り付けられている。そのため、端子台70F(80F)毎に独立して、ボビン40Fに対して各端子金具91B,92B(93,94)を相対移動させることが可能となり、端子金具91B,92B,93,94の挿通孔91d〜94dと回路基板300の取付孔302とを端子金具91B,92B,93,94毎に正確に位置決めできる。したがって、ビス304などの締結具を用いて、回路基板300の回路パターンと各端子金具91B,92B,93,94とを正確に位置決めして接続することが容易になる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、第1ワイヤ22は、α巻きである必要は無く、整列巻でもよい。整列巻でも、本発明の作用効果を期待することができる。さらに、ボビン40の具体的な形状、あるいはコア12の具体的な形状は、上述した実施形態に限らず、種々に改変することができる。また、本発明のコイル装置は、たとえば充電器のためのトランス以外の用途として、リアクトルなどにも用いることができる。
上記の各実施形態において、緩嵌合凸部と緩嵌合凹部とが、逆でもよい。すなわち、緩嵌合凸部が端子台70または80に形成され、緩嵌合凹部がボビン40に形成されてもよい。また、コイル装置10,10Aの内部に巻回されるワイヤ22および32の巻き方は、上述した実施形態に限定されない。たとえば上述した例では、内コイル部20の外側に外コイル部30を巻き付けてあるが、Z軸に沿って上側コイル部と下側コイル部に分離される方式のコイル装置にも適用することが可能である。さらにまた、本発明のコイル装置は、X軸の方側のみに、端子台を有しているコイル装置にも適用することができる。
また、上記各実施形態では、第1軸としてのX軸と、第2軸としてのY軸と、第3軸としてのZ軸は、相互に略垂直であるが、これらの軸の角度は、90度に限らず、その他の角度であってもよい。
上記第3実施形態に示す技術を上記第1実施形態、第2実施形態および第4〜7実施形態に適用し、端子台70,80に加えて、端子金具91〜94についてもボビン40のX軸方向とY軸方向の双方に移動自在としてもよい。
上記第4実施形態に示す技術を上記第1実施形態〜第3実施形態および上記第5実施形態〜第7実施形態に適用し、端子台70,80がケース400のX軸方向とY軸方向の双方に移動自在となるように構成してもよい。
上記第5実施形態に示す技術を上記第1実施形態、第2実施形態および第4実施形態に適用し、端子台70,80をボビン40のXYZの各軸方向に移動自在に構成してもよい。
上記第6実施形態に示す技術を上記第5実施形態および第7実施形態に適用し、ストッパ壁部500によってボビン40に対する端子台70,80の抜け止めを行ってもよい。
上記第7実施形態に示す技術を上記第1実施形態〜第6実施形態に適用し、端子91〜尾94毎に端子台を具備させてもよい。
上記各実施形態において、ワイヤ22,32については、丸線あるいは平角線等の種々のワイヤで構成されてもよい。平角線ワイヤを用いる場合には、エッジワイズあるいはフラットワイズのいずれタイプのワイヤを用いることができる。また、ワイヤ22,32に代えて、例えば銅板等からなる板状導体を用いてもよい。
上記各実施形態では、図1Aに示すコイル装置10の接続対象(取付対象)として回路基板300を例示したが、例えばコネクタ等にコイル装置10を取り付けてもよい。例えば、上記第2実施形態において、外部回路接続片95d〜98dをコネクタに差し込んでもよい。
上記第1実施形態および第3実施形態〜第7実施形態において、挿通孔91d〜94dを図1Aに示すビス304と螺合するねじ穴で形成してもよい。また、上記第2実施形態において、外部回路接続片95d〜98dにねじ穴を形成し、当該ねじ穴にビス304を螺合させることにより、コイル装置10Aを回路基板300aに固定してもよい。
上記第1実施形態において、外カバー79,89は、端子91〜94のワイヤ接続部91a〜98aが露出するように、端子台70,80のZ軸方向の端部についても覆っていてもよい。このような構成とすることにより、緩嵌合凸部102aと緩嵌合凹部72aの周囲を外カバー79,89で覆うことが可能となり、これらが外力等により変形することを抑制し、ボビン40に対する端子台70,80の抜け止めを効果的に実現することができる。
10,10A〜10F…コイル装置
12…コア
13…ベース
14…中脚
16…側脚
20…内側コイル
22…第1ワイヤ
22a…リード部(ワイヤの端部)
30…外側コイル
32…第2ワイヤ
32a…リード部(ワイヤの端部)
40,40B〜40F…ボビン
42…ボビン基板
42a…脚部
44…第1中空筒部
44a…第1貫通孔
44b…分離用凸部
45…第1巻回部
45a…第1メイン巻回部
45b…第1サブ巻回部
46…巻回隔壁鍔
46a…仕切凸片(凸部)
48…ボビン上鍔部
48a…段差部
48b…位置決め凹部
48c…係合凸部
50…ボビンカバー
50a,50b…半割体
52…カバー下鍔部
52a…隙間保持片(非巻回部)
52b…開口部
53…分割接続部
53a…内側接続片
53b…外側接続片
54…第2中空筒部
55…第2巻回部
58…カバー上鍔部
58a…接続上鍔部
58b…接続下鍔部
58c,58d…段差凸部
58e…ストッパ凸部
58f,58g…台座
60…コアカバー
62…カバー本体
62a…分割片
64…取付縁
64a…突出片
64b…開口部
66…絶縁板部
66a…係合凸部
70,70B〜70F,80,80B〜80F,…端子台
71,71B,71D,71F,81,81B,81D,81F…台本体
72,72D,82,82D…貫通孔
72a,72aD,82a,82aD…緩嵌合凹部
72a1,82a1…主凹部
72a2,82a2…副凹部
72a3,82a3…支持片
72a4,82a4…ストッパ凸部
72b,82b…取付凹部
73,83…端子取付部
74,74B,84,84B…端子溝
740…挟持部
75,75B,85,85B…嵌合溝
76,86…取付孔
77…ナット
78,88…内カバー
79,89…外カバー
91〜98,91B,92B…端子金具(端子)
91a〜98a…ワイヤ接続部
91b〜98b…フック部
91c〜98c…取付部
91d〜94d…挿通孔
95d〜98d…外部回路接続片
91e〜98e,91e’,92e’…連結部
91f〜98f…差込凸部
100,200…絶縁壁
102a,102a’,102a’’,202a,202a’,202a’’…緩嵌合凸部
102a1,202a1…主凸部
102a2,202a2…副凸部
102a3…挿通孔
104,204…抜け止め孔
105…端子台載置部
106…接続部
206…取出溝
300,300a…回路基板
302,302a…取付孔
304…ビス
400…ケース
410…側方部
420…端子台取付部
430…緩嵌合凸部
500…ストッパ壁部
510…壁部
520…嵌合部

Claims (18)

  1. ワイヤが外周に巻回される巻回部を持つボビンと、
    前記ワイヤの端部が接続される端子と、
    前記端子が取り付けられる端子台と、を有し、
    前記端子は、前記ボビンの第1軸方向と第2軸方向の双方に移動自在であるコイル装置。
  2. ワイヤが外周に巻回される巻回部を持つボビンと、
    前記ワイヤの端部が接続される端子と、
    前記端子が取り付けられ、前記ボビンの第1軸方向と第2軸方向の双方に移動自在に前記ボビンに取り付けられる端子台と、を有するコイル装置。
  3. 前記端子台は、前記ボビンが収容されるケースまたは前記ボビンの少なくとも一部を覆うカバーに取り付けられる請求項1または2に記載のコイル装置。
  4. 前記端子が、前記端子台に、前記ボビンの第3軸方向に移動自在に取り付けられる請求項1〜3のいずれかに記載のコイル装置。
  5. 前記端子台は、前記ボビンの第3軸方向に移動自在である請求項1〜4のいずれかに記載のコイル装置。
  6. 前記ボビンと前記端子台のいずれか一方には、前記第1軸方向に突出する緩嵌合凸部が形成してあり、いずれか他方には、前記緩嵌合凸部が入り込む緩嵌合凹部が形成してあり、
    前記緩嵌合凸部は、前記緩嵌合凹部内で、所定範囲内で、前記第1軸方向と前記第2軸方向に移動可能に挿入してある請求項1〜5のいずれかに記載のコイル装置。
  7. 前記ボビンと前記端子台のいずれか一方には、第2軸方向または第3軸方向に突出する緩嵌合凸部が形成してあり、いずれか他方には、前記緩嵌合凸部が入り込む緩嵌合凹部が形成してあり、
    前記緩嵌合凸部は、前記緩嵌合凹部内で、所定範囲内で、第1軸方向と第2軸方向に移動可能に挿入してある請求項1〜5のいずれかに記載のコイル装置。
  8. 前記緩嵌合凹部を構成する内壁の一部が、前記緩嵌合凹部の入口の幅を開くことが可能に弾性変形可能な支持片で構成され、
    前記支持片には、前記緩嵌合凸部に係合して抜け止めとなるストッパ凸部が形成してある請求項6または7に記載のコイル装置。
  9. 前記緩嵌合凹部の内部に入り込んだ前記緩嵌合凸部に取り付けられて抜け止めとなるストッパ壁部を有し、
    前記ストッパ壁部は、前記緩嵌合凸部に嵌合する嵌合部を有する請求項6または7に記載のコイル装置。
  10. 前記緩嵌合凹部の内部に入り込んだ前記緩嵌合凸部に取り付けられて抜け止めとなるストッパ壁部を有し、
    前記ストッパ壁部は、前記緩嵌合凸部に樹脂を介して接続される請求項6または7に記載のコイル装置。
  11. 前記緩嵌合凸部は、主凸部と、副凸部とを有し、
    前記緩嵌合凹部は、前記主凸部が挿入される主凹部と、前記副凸部が挿入される副凹部とを有し、
    前記第3軸方向に沿っての前記副凸部と前記副凹部との隙間が、前記第3軸方向に沿っての前記主凸部と前記主凹部との隙間よりも小さく、
    前記副凸部と前記副凹部とが接触する案内面に沿って、前記端子台が、前記ボビンに対して前記第1軸方向と前記第2軸方向に移動自在に保持される請求項6〜10のいずれかに記載のコイル装置。
  12. 前記端子は、
    前記ワイヤの端部が固定して接続されるワイヤ接続部と、
    前記ワイヤ接続部とは別の位置に形成され、前記端子台に形成してある端子溝に前記第3軸方向に移動自在に差し込まれるフック部と、を有する請求項1〜11のいずれかに記載のコイル装置。
  13. 前記端子は、前記ワイヤ接続部と前記フック部との間に形成される挿通孔または外部回路接続片を有する請求項12に記載のコイル装置。
  14. 前記フック部に係合して前記端子の前記第3軸方向の移動範囲を制限する内カバーが、前記端子台に取り付けられる請求項12または13に記載のコイル装置。
  15. 前記端子台は前記ボビンの第3軸方向に移動自在であり、かつ、前記端子は前記端子台に一体成形されている請求項1〜11のいずれかに記載のコイル装置。
  16. 前記端子は、複数の前記端子からなり、
    前記端子台は、複数の前記端子台からなり、
    複数の前記端子台の各々に対して、複数の前記端子の各々が取り付けられている請求項1〜15のいずれかに記載のコイル装置。
  17. 前記内カバーを覆うと共に、前記端子台の前記第1軸方向の端部を覆い、さらに、前記端子台の第2軸方向の端部を覆う外カバーが、前記端子台に取り付けられる請求項14に記載のコイル装置。
  18. 前記外カバーは、前記ワイヤ接続部が露出するように、前記端子台の第3軸方向の端部を覆う請求項17に記載のコイル装置。
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