JP2021077820A - 通気防水構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトで、構造が簡素であり、筐体の通気孔への取付作業を能率的に行う通気防水構造体を提供する。【解決手段】密閉状空間Eと外部とを連通する筐体8の通気孔5に嵌着される貫孔2付の栓体1と、栓体1のアキシャル方向外端面4に固着されて貫孔2を閉鎖する通気性と防水性を有する呼吸フィルタ10とを、備える通気防水構造体であって、栓体1を加硫成形にて成形すると共に、呼吸フィルタ10を栓体1の外端面4に対し、加硫成形と同時に、一体積層状として、固着する。【選択図】図2

Description

本発明は、通気防水構造体に関する。
従来、筐体の密閉状空間と外部とを連通する通気孔に設けられる通気防水構造体として、図17に示すような構造のものが公知である(特許文献1参照)。
即ち、図17に示すように、筐体31の密閉状空間Eと、外部(大気)Yとを連通する通気孔32に、挿入して嵌着される栓体33と、この栓体33の外端面に、接着剤にて接着された呼吸フィルタ35を、備えている。栓体33は貫孔41を有する筒状である。さらに、被覆カバー36が、栓体33の外鍔部33Aに外嵌状に取着される。
通気孔32は、筐体壁部31Aの内面から密閉状空間Eへ突出状の短円筒部37をもって、形成されている。
栓体33の下端(内端)の小外鍔部33Bが、短円筒部37の内端面に係止状として、栓体33は通気孔32に固着されるのであるが、密封用Oリング38が、外鍔部33Aの下面と筐体壁部31A間に介装されている。
また、被覆カバー36は、天井壁面部36Aと、円筒壁部36Bと、から成り、横方向の小通気孔39が設けられている。円筒壁部36Bの内周面の凹周溝36Cに、外鍔部33Aが、係合することによって、被覆カバー36が栓体33に固着され、しかも、別のOリング40が、付設されている。
このOリング40は、円筒壁部36Bの外周面と、筐体壁部31Aの外面との隅部に、Oリング40自身の弾発的縮径力をもって、固着し、外気が、被覆カバー36の内部へ浸入するのを防止している。
図18は他の従来例を示し、前述の被覆カバー36を有さない構造のものである。
この図18に示すように、軸心に沿って貫孔41を有する短寸ボルト形状のプラスチック製栓体42を有し、筐体壁部31Aにはネジ孔43を貫設し、栓体42の雄ネジ部44を螺着して、筐体31に固着する構造である。呼吸フィルタ35は、栓体42の頭部42Aの上面に、接着剤にて接着される。
また、密封用のOリング38が筐体31の筐体壁部31Aの外面と、栓体42の頭部42Aの下面との間に、介装されている。
特開2014−123625号公報
上述の図17に示した従来の通気防水構造は、次のような問題点があった。即ち、(i)部品点数が多い点、(ii)筐体31に取付ける際に、多くの部品の一部を紛失する虞れがある点、 (iii)筐体31への取付作業に時間が掛かっていた点、(iv)筐体31の外部への突出部位が大きく、コンパクト化も困難である点等の問題点があった。
また、図18に示した他の従来例では、(i)ネジ孔43へ雄ネジ部44を螺合するのに手間が掛かる点、(ii)密封のためのOリング38が正規の位置に在って適切に弾性圧縮しているか否か、取付作業において注意を払わなければならず、熟練を要した点、 (iii)頭部42Aが大きく、外部へ突出している点等の問題点があった。
そこで、本発明は、従来のこのような問題を解決して、分離した小部品を無くして、紛失を防ぎ、取付作業が簡単で取付作業の能率をアップでき、しかも、コンパクトであって、外部への突出部位(の容積)が減少乃至全く無くすことができる通気防水構造体を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、密閉状空間と外部とを連通する通気孔に嵌着される貫孔付の栓体と、該栓体のアキシャル方向外端面に固着されて上記貫孔を閉鎖する通気性と防水性を有する呼吸フィルタとを、備えた通気防水構造に於て;上記栓体は、生ゴム材料の加熱加圧による加硫成形にて成形され;上記呼吸フィルタは、上記栓体の上記加硫成形にて、上記アキシャル方向外端面に、一体積層状として固着されている。
また、上記呼吸フィルタを所定間隔をもって被覆する天井壁面部と、該天井壁面部から突設されると共に外部に連通する副通気孔を有する筒状脚部とを、備えた被覆カバーを、付設し;しかも、上記被覆カバーの上記筒状脚部は、上記栓体の上記加硫成形にて、上記アキシャル方向外端面に一体状に埋設されている。
また、シール材を使用せず、上記栓体を形成する加硫ゴム自身の弾発付勢力によって、栓体と上記通気孔との嵌合部の密封性を保つように構成した。
本発明(請求項1)によれば、部品点数を著しく減少できる。従って、小さな部品の紛失が防止可能となる。さらに、取付作業の能率向上を図り得る。筐体の外面からの突出を無くし、又は、突出寸法を減少できる。即ち、筐体等のコンパクト化に貢献できる。
さらに、呼吸フィルタの固着強度は大きく、栓体から剥離する事故を防止できる。また、Oリング等のシール材を省略できるにかかわらず、通気孔内面に対する密封性が良好に維持でき、かつ、不意の栓体の離脱を防止できる。
呼吸フィルタの固着強度が高く、密閉状空間(内部)と外部との圧力差が大きくても、呼吸フィルタの剥離が発生しない。
本発明の第1の実施形態を示し、(A)は縦断面図、(B)は拡大要部断面図である。 本発明の第2の実施形態を示し、(A)は単品の縦断面図、(B)は使用状態を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態を示し、(A)は単品の縦断面図、(B)は使用状態を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の第5の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の第6の実施形態を示し、(A)は単品の縦断面図、(B)は使用状態を示す縦断面図である。 本発明の第7の実施形態を示し、(A)は単品の縦断面図、(B)は使用状態を示す縦断面図である。 本発明の第8の実施形態を示す縦断面図である。 第8の実施形態の使用状態断面図である。 第9の実施形態を示す縦断面図である。 第9の実施形態の使用状態断面図である。 本発明に係る通気防水構造体の製造方法を説明する要部断面説明図である。 本発明に係る通気防水構造体の製造方法を説明する要部断面説明図である。 本発明に係る通気防水構造体の製造方法を説明する要部断面説明図である。 本発明に係る通気防水構造体の製造方法を説明する要部断面説明図である。 本発明に係る通気防水構造体の製造方法を説明する要部断面説明図である。 従来例を示す使用状態断面図である。 他の従来例を示す使用状態断面図である。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1,図2(A),図3(A)に於て、本発明の第1・第2・第3の各実施形態を示し、いすれも、一軸心L1 に沿った貫孔2を有する栓体1を備え、この栓体1のアキシャル方向外端面4に固着され、上記貫孔2を閉鎖する呼吸フィルタ10とを、備えている。
さらに、栓体1は、外周面1Aに、大き目の断面三角状突条部3(図1参照)、あるいは、小さ目の断面三角状突条部3(図2(A)参照)、又は、断面丸山型の突条部3(図3(A)参照)が、形成されている。
図2(B),図3(B)に示した使用(装着)状態に於て、筐体8等の(内部の)密閉状空間Eと、外部(大気)Yとを連通する(円形断面の)通気孔5に、栓体1が嵌着される。
この栓体1は、(生ゴム材料を加熱加圧による)加硫成形によって、成形される。つまり、栓体1は、弾性に富んだ加硫ゴムから成り、例えば、シリコンゴムが用いられる。
このような生ゴム材料を加熱加圧による加硫成形によって、栓体1が成形されると同時に、前記呼吸フィルタ10が栓体1のアキシャル方向外端面4に一体積層状として、固着されている(図1(B)に示した拡大要部断面図参照)。
ここで、呼吸フィルタ10について説明すれば、例えば、PTFE多孔質膜状体から成り、1平方センチメートル当りに数億個とも言われる多数の微細孔が、図1(B)に示したように、多数の超微細繊維Fにて形成されている。従って、(外部からの)雨、水の浸入を防ぐ防水性、及び空気(及び熱)を通す通気性に優れた薄い膜状体である。(住友電工ファインポリマー株式会社の「ポアフロン」、日東電工株式会社の「テミッシュ」、中興化成工業株式会社の「シポラス」等を挙げることができる。なお、これらの商品名は登録商標である。)
図1(B)に示すように、栓体1と呼吸フィルタ10との境界面Mに於て、呼吸フィルタ10の(前述の)多数の超微細繊維Fが、(栓体1を構成している)加硫ゴムの内部に浸入しており、呼吸フィルタ10は極めて強固に栓体1と一体化されている。従って、密閉状空間E内の圧力が上昇して高圧力(例えば、100kPa)が貫孔2を介して呼吸フィルタ10に作用したとしても、剥離しない。このように、耐圧性に優れている。
次に、図4に示す第4の実施形態では、栓体1の外周面1Aに、断面が円弧状の凹溝部6,6が形成されている。
また、図5に示す第5の実施形態では、栓体1の外周面1Aを凹凸波形に形成した場合を示す。
第1〜第5のいずれの実施形態にあっても、図2(B),図3(B)に例示した如く、従来のシール材としてのOリング38(図17と図18参照)を使用せず、栓体1を形成する加硫ゴム自身の弾発付勢力によって、図2(B)と図3(B)に付記したような接触面圧Pをもって通気孔5の内周面に圧接し、密封性を保っている。
即ち、Oリング38等のシール材を別部品として使用せず、栓体1自身のラジアル外方向への弾発付勢力を利用して、栓体1と通気孔5との嵌合部の密封性を確保する構成とした。
次に、図6に示す第6の実施形態について説明する。図6では、栓体1の縦断面形状が、凹周溝7が上下中間位置に形成され、かつ、この凹周溝7の断面形状は矩形であって、凹周溝7の溝幅寸法W7 は、筐体壁部8Aの厚さ寸法T8 と同一、乃至、僅かに小さく設定する。
また、凹周溝7の溝底径D7 は、通気孔5の内径寸法D5 よりも僅かに大きく設定する。
上述の寸法設定によって、図6(B)に示した筐体壁部8Aの通気孔5への装着(使用)状態で、栓体1と通気孔5との嵌合部の密封性を、Oリング等のシール材を用いずに確保でき、しかも、栓体1の通気孔5からの離脱を防止できる。なお、栓体1は下端に、下方縮径状テーパ面12Aを有する小外鍔部12が連設され、栓体1の通気孔5への挿入が容易であり、かつ、上方への引抜けが阻止できる。
また、図7に示す第7の実施形態では、図6と同一符号は同様の構成である。しかし、この図7では下端(内端)から、軸心L1 と平行に複数のスリット9が切欠形成されている。
図6でも、内方縮径状のテーパ面12Aによって、栓体1の通気孔5へ挿入することを容易としているのであるが、図7に示すスリット9を設けることによって、通気孔5への挿入の際に、小外鍔部12が縮径方向に弾性変形し易く、従って、栓体1の通気孔5への挿入を一層容易としている。
そして、図6(B)と図7(B)に於て、従来の図17に示したOリング等のシール材が全く省略されている。即ち、図1〜図5の場合と同様に、図6,図7の実施形態においても、シール材を使わずに、栓体1を構成する加硫ゴム自身の弾発付勢力によって、密封性を保っている。
次に、図8,図9に於て、本発明の第8の実施形態を示す。図8は自由状態を示し、図9は装着状態を示す。
栓体1の縦断面形状は、図3と同様のものとした場合を例示したが、図1,図2,図4,図5等とするも自由である。
第8の実施形態にあっては、栓体1の外端面4に固着された呼吸フィルタ10を、所定間隔H20をもって被覆する天井壁面部21を有する被覆カバー20が、付設されている。
この被覆カバー20は、上記天井壁面部21から下方(内方)へ突設された筒状脚部22を、一体に有する。しかも、この筒状脚部22の下半部は、栓体1に侵入状態で、固着されている。
また、筒状脚部22の周壁には、外部Yに連通する小径の副通気孔23が複数個(水平方向に)貫設されている。
そして、上記被覆カバー20の筒状脚部22は、前述の栓体1の加硫成形によって、アキシャル方向外端面4から栓体内部に突入状として、(一体状に)埋設されている。
なお、筒状脚部22には、図8,図9のように栓体内部との連結力をアップするために、三角突条部24を形成したり、貫孔(図示省略)を形成したり、膨出部25(図10参照)を形成することも好ましい。
また、図3で既に述べたように、図8,図9に於ても、Oリング等のシール材を全く省略して、栓体1の突条部3,3等の弾性圧縮によって、栓体1と通気孔5との嵌合部の密封性が確保されている。
なお、被覆カバー20の形状は、図8,図9のように角部が丸味(アール部)のあるものが望ましいが、これを角型としたり、筒状脚部22の外径よりも大きく、ラジアル外方へ延伸したきの子形状(図10参照)とするも、自由である。
次に、図10,図11に於て、本発明の第9の実施形態を示す。図10は自由状態を示し、図11は装着状態を示す。
栓体1の縦断面形状は、図7と同様のものとした場合を例示する。この第9の実施形態にあっては、栓体1の構造,形状及び作用と機能は、図7で既に述べた通りである。従って、図7に比べて、相違している構造,形状及び作用と機能について、以下、説明する。
即ち、図10,図11に示すように、栓体1の外端面4の呼吸フィルタ10を、所定間隔H20をもって、被覆する天井壁面部21を有する被覆カバー20が、付設されている。
さらに、被覆カバー20は、天井壁面部21から下方(内方)へ突設された筒状脚部22を、一体に有する。この筒状脚部22の下半部は、栓体1に侵入状態で、固着されている。
この筒状脚部22の周壁には、外部Yに連通する小径副通気孔23が複数個貫設されている。
また、被覆カバー20の筒状脚部22は、生ゴム材料の加熱加圧による加硫成形工程において栓体1を成形する際に、同様に栓体内部に突入状として埋設される。
言い換えれば、(図8,図9も同様であるが、)生ゴム材料の加熱加圧による栓体1の加硫成形時に、呼吸フィルタ10、及び、被覆カバー20が、栓体1に一体化される。
なお、図10,図11に示すように、被覆カバー20の天井壁面部21は、筒状脚部22からラジアル外方へ延設され、かつ、栓体1の外端部位を包囲するように、内方(下方)へ弯曲したきの子の傘型乃至菅笠形状である。外部Yから水や粉塵等が強力に飛来しても副通気孔23から、被覆カバー20の内空室26へ浸入するのを防止する。
次に、図12〜図16に於て、本発明に係る栓体1の加硫成形方法及び成形金型、さらに、呼吸フィルタ10の固着方法等を、簡略に説明する。
図12〜図16に於て、14は上型、15は中型、16は下型を示す。中型15には、栓体1(図1参照)の外形状に対応する中型キャビティ部17が形成されている。下型16と中型15とを図12に示すように合わせて、上方開口空室部18を形成し、まず、呼吸フィルタ10を矢印F10のように装入して、下型16の上面に設置する。
なお、下型16の上面の所定位置に、呼吸フィルタ10を設置してから、次に、中型15を下降させて、図12の実線で示すように、中型15と下型16を閉じても、良い。
次に、円柱形状の中子19を垂下状に有する上型14を下降させて、図13に示す如く、中子19の下端面19Aを呼吸フィルタ10の中心部を軽く押圧する。この図13に示したように、成形用キャビティ45が形成される。
次に、図14に示すように、キャビティ45内へ生ゴム材料を注入する。キャビティ45に生ゴム材料が充填され、底面側の呼吸フィルタ10の上面に対して生ゴム材料は高圧力をもって接触する。
金型は予め所定高温に加熱されているため、キャビティ45内で生ゴム材料は、加熱加圧されて(所定時間後には)、加硫が完了する。このとき、図15に示した形状であって、かつ、呼吸フィルタ10の上面の繊維が、加熱された栓体1と一体積層状として強力に固着される(図1(B)参照)。
その後(冷却後)、図16に示すように、(上型14を上方へ分離し、)かつ、中型15と下型16を分離しつつ、突き出し棒47によって、製品を取出す。その後は、バリ48等を除去して、本発明に係る通気防水構造体としての呼吸フィルタ10付の栓体1が製造できる。
なお、図8〜図11に示したように、被覆カバー20を備えている通気防水構造体の製造にあっては、プラスチック製の被覆カバー20を予め製作しておいて、図12に於ける下型16に形成した(図示省略の)嵌込凹部に製作した被覆カバー20を保持し、その保持状態下で、図14〜図15に示した加熱加圧を伴う加硫を行えば良い(詳細図示を省略する)。
以上説明した本発明に係る通気防水構造体の用途について述べると、自動車用のヘッドライト、フォグライト、テールランプ、及び、一般用ライト、電子コントロールユニット(ECU)、電気かみそり、イヤフォン、湿度・温度・圧力・ガス等のセンサー、各種電動モータ、ハイブリッド自動車用のインバータ、充電器、電源モジュール、バッテリー、トラクションモータ、さらには、各種液体タンク等に使用され、既述した図面に示した筐体8の筐体壁部8Aに取着して使用される。筐体8の内部の密閉状空間Eと外部Yとの間に空気及び熱の出入りが自由に行われ、かつ、外部Yから水及び粉塵の密閉状空間Eへの浸入を阻止する。
また、図8〜図11に示したような被覆カバー20を備えた構造のものでは、高圧洗浄水等の水が呼吸フィルタ10へ直接的に当ることを、防止でき、呼吸フィルタ10が保護されて寿命が延び、かつ、水等の付着を防止して通気性を確保できる利点がある。
本発明は、以上詳述したように、密閉状空間Eと外部Yとを連通する通気孔5に嵌着される貫孔2付の栓体1と、該栓体1のアキシャル方向外端面4に固着されて上記貫孔2を閉鎖する通気性と防水性を有する呼吸フィルタ10とを、備えた通気防水構造に於て;上記栓体1は、生ゴム材料の加熱加圧による加硫成形にて成形され;上記呼吸フィルタ10は、上記栓体1の上記加硫成形にて、上記アキシャル方向外端面4に、一体積層状として固着されている構成であるので、部品点数が減少できて、しかも、コンパクト化を図り得る。かつ、通気孔5に嵌着した状態下で不要な突出部が無くなり、又は、突出部の容積が減少する。(従来例の図18と対比すれば明らかである。)さらに、従来例の図18に示した栓体42では、呼吸フィルタ35をプラスチックの頭部42A上面に接着剤にて取着する作業(手間)を要すると共に、接着強度が不安定かつ不十分となる虞れがあったが、本発明では、生ゴム材料が呼吸フィルタ10の繊維に対して、高い圧力(加圧)にて浸入して、その状態下で加熱されることで、図1(B)の如き状態となり、接合強度が高く、かつ、安定する。故に、使用状態下で、筐体8の内部の密閉状空間から、急激な高圧(さらには熱風)が作用しても、呼吸フィルタ10が栓体1から部分剥離を発生せず、安定した耐久性を発揮する。
さらに、従来例(図18)では、ネジ孔43への雄ネジ部44を螺進する作業が面倒であったが、本発明では、筐体1が弾性変形可能な加硫成形ゴムから成るので、筐体8の通気孔5に簡単かつ迅速に押込んで、図2(B)、図3(B)等に示す如く、取着できる。栓体1の外径寸法が、例えば、4mmと小さい場合もあって、そのような小径の栓体1をゴムの弾性を利用して、簡単に押込んで取着できる点は、ECU,電気かみそり,イヤフォン等の、特に小径の通気孔5を有する筐体8への用途にとって、重要な利点であるといえる。しかも、Oリング等を使用せずに、小径の通気孔5へ押込めば、密封性が確保されるので、従来の図18に示した小径のOリング38の紛失が螺進作業の際に発生することをも有効防止できる。
また、本発明は、上記呼吸フィルタ10を所定間隔H20をもって被覆する天井壁面部21と、該天井壁面部21から突設されると共に外部Yに連通する副通気孔23を有する筒状脚部22とを、備えた被覆カバー20を、付設し;しかも、上記被覆カバー20の上記筒状脚部22は、上記栓体1の上記加硫成形にて、上記アキシャル方向外端面4に一体状に埋設されているので、部品点数が減少し、コンパクト化も図り得る。従来例の図17に示した構造では、2個のOリング38,40を必要としていたので、筐体31の通気孔32への取付作業に手間取るという問題、及び、Oリング38,40を落下紛失する問題があったが、これらの問題を解決できる。
即ち、図9又は図11に示すように、Oリングが全く不要となり、通気孔5に対して、加硫ゴムの弾性変形自在性を利用しつつ単純に押込めば、迅速容易に取付作業が完了する。
しかも、図17の従来例では、初めに栓体33を取着し、その後に、被覆カバー36を外嵌状に取着し、その後にOリング40を取付けねばならないという面倒(非能率)な取着作業を要していたのに対して、本発明では、栓体1と被覆カバー20を一体として同時に取着でき、迅速かつ容易な取着作業を実現している。
また、本発明は、シール材を使用せず、上記栓体1を形成する加硫ゴム自身の弾発付勢力によって、栓体1と上記通気孔5との嵌合部の密封性を保つように構成したので、図17,図18に示した従来のOリング38,40を省略できて、部品点数低減、及び、取着作業時のOリング38,40の落下紛失の防止を、達成できた。しかも、栓体1を通気孔5に挿入する押込作業が迅速かつ容易に行い得る。
1 栓体
2 貫孔
4 外端面
5 通気孔
10 呼吸フィルタ
20 被覆カバー
21 天井壁面部
22 筒状脚部
23 副通気孔
E 密閉状空間
Y 外部
20 所定間隔
本発明は、通気防水構造体に関する。
従来、筐体の密閉状空間と外部とを連通する通気孔に設けられる通気防水構造体として、図17に示すような構造のものが公知である(特許文献1参照)。
即ち、図17に示すように、筐体31の密閉状空間Eと、外部(大気)Yとを連通する通気孔32に、挿入して嵌着される栓体33と、この栓体33の外端面に、接着剤にて接着された呼吸フィルタ35を、備えている。栓体33は貫孔41を有する筒状である。さらに、被覆カバー36が、栓体33の外鍔部33Aに外嵌状に取着される。
通気孔32は、筐体壁部31Aの内面から密閉状空間Eへ突出状の短円筒部37をもって、形成されている。
栓体33の下端(内端)の小外鍔部33Bが、短円筒部37の内端面に係止状として、栓体33は通気孔32に固着されるのであるが、密封用Oリング38が、外鍔部33Aの下面と筐体壁部31A間に介装されている。
また、被覆カバー36は、天井壁面部36Aと、円筒壁部36Bと、から成り、横方向の小通気孔39が設けられている。円筒壁部36Bの内周面の凹周溝36Cに、外鍔部33Aが、係合することによって、被覆カバー36が栓体33に固着され、しかも、別のOリング40が、付設されている。
このOリング40は、円筒壁部36Bの外周面と、筐体壁部31Aの外面との隅部に、Oリング40自身の弾発的縮径力をもって、固着し、外気が、被覆カバー36の内部へ浸入するのを防止している。
図18は他の従来例を示し、前述の被覆カバー36を有さない構造のものである。
この図18に示すように、軸心に沿って貫孔41を有する短寸ボルト形状のプラスチック製栓体42を有し、筐体壁部31Aにはネジ孔43を貫設し、栓体42の雄ネジ部44を螺着して、筐体31に固着する構造である。呼吸フィルタ35は、栓体42の頭部42Aの上面に、接着剤にて接着される。
また、密封用のOリング38が筐体31の筐体壁部31Aの外面と、栓体42の頭部42Aの下面との間に、介装されている。
特開2014−123625号公報
上述の図17に示した従来の通気防水構造は、次のような問題点があった。即ち、(i)部品点数が多い点、(ii)筐体31に取付ける際に、多くの部品の一部を紛失する虞れがある点、 (iii)筐体31への取付作業に時間が掛かっていた点、(iv)筐体31の外部への突出部位が大きく、コンパクト化も困難である点等の問題点があった。
また、図18に示した他の従来例では、(i)ネジ孔43へ雄ネジ部44を螺合するのに手間が掛かる点、(ii)密封のためのOリング38が正規の位置に在って適切に弾性圧縮しているか否か、取付作業において注意を払わなければならず、熟練を要した点、 (iii)頭部42Aが大きく、外部へ突出している点等の問題点があった。
そこで、本発明は、従来のこのような問題を解決して、分離した小部品を無くして、紛失を防ぎ、取付作業が簡単で取付作業の能率をアップでき、しかも、コンパクトであって、外部への突出部位(の容積)が減少乃至全く無くすことができる通気防水構造体を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、密閉状空間と外部とを連通する通気孔に嵌着される貫孔付の栓体と、該栓体のアキシャル方向外端面に固着されて上記貫孔を閉鎖する通気性と防水性を有する呼吸フィルタとを、備えた通気防水構造に於て;上記栓体は、生ゴム材料の加熱加圧による加硫成形にて成形され;上記呼吸フィルタは、上記栓体の上記加硫成形にて、上記アキシャル方向外端面に、一体積層状として固着されている。
また、上記呼吸フィルタを所定間隔をもって被覆する天井壁面部と、該天井壁面部から突設されると共に外部に連通する副通気孔を有する筒状脚部とを、備えた被覆カバーを、付設し;しかも、上記被覆カバーの上記筒状脚部は、上記栓体の上記加硫成形にて、上記アキシャル方向外端面に一体状に埋設されている。
また、シール材を使用せず、上記栓体を形成する加硫ゴム自身の弾発付勢力によって、栓体と上記通気孔との嵌合部の密封性を保つように構成した。
本発明によれば、部品点数を著しく減少できる。従って、小さな部品の紛失が防止可能となる。さらに、取付作業の能率向上を図り得る。筐体の外面からの突出を無くし、又は、突出寸法を減少できる。即ち、筐体等のコンパクト化に貢献できる。
さらに、呼吸フィルタの固着強度は大きく、栓体から剥離する事故を防止できる。また、Oリング等のシール材を省略できるにかかわらず、通気孔内面に対する密封性が良好に維持でき、かつ、不意の栓体の離脱を防止できる。
呼吸フィルタの固着強度が高く、密閉状空間(内部)と外部との圧力差が大きくても、呼吸フィルタの剥離が発生しない。さらに、栓体と被覆カバーを一体として同時に取着でき、迅速かつ容易な取着作業を実現している。
本発明の第1の参考例を示し、(A)は縦断面図、(B)は拡大要部断面図である。 本発明の第2の参考例を示し、(A)は単品の縦断面図、(B)は使用状態を示す断面図である。 本発明の第3の参考例を示し、(A)は単品の縦断面図、(B)は使用状態を示す断面図である。 本発明の第4の参考例を示す縦断面図である。 本発明の第5の参考例を示す縦断面図である。 本発明の第6の参考例を示し、(A)は単品の縦断面図、(B)は使用状態を示す縦断面図である。 本発明の第7の参考例を示し、(A)は単品の縦断面図、(B)は使用状態を示す縦断面図である。 本発明の第の実施形態を示す縦断面図である。 の実施形態の使用状態断面図である。 の実施形態を示す縦断面図である。 の実施形態の使用状態断面図である。 本発明に係る通気防水構造体の製造方法を説明する要部断面説明図である。 本発明に係る通気防水構造体の製造方法を説明する要部断面説明図である。 本発明に係る通気防水構造体の製造方法を説明する要部断面説明図である。 本発明に係る通気防水構造体の製造方法を説明する要部断面説明図である。 本発明に係る通気防水構造体の製造方法を説明する要部断面説明図である。 従来例を示す使用状態断面図である。 他の従来例を示す使用状態断面図である。
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1,図2(A),図3(A)に於て、本発明と特に関連性のある第1・第2・第3の各参考例を示し、いれも、一軸心L1 に沿った貫孔2を有する栓体1を備え、この栓体1のアキシャル方向外端面4に固着され、上記貫孔2を閉鎖する呼吸フィルタ10とを、備えている。
さらに、栓体1は、外周面1Aに、大き目の断面三角状突条部3(図1参照)、あるいは、小さ目の断面三角状突条部3(図2(A)参照)、又は、断面丸山型の突条部3(図3(A)参照)が、形成されている。
図2(B),図3(B)に示した使用(装着)状態に於て、筐体8等の(内部の)密閉状空間Eと、外部(大気)Yとを連通する(円形断面の)通気孔5に、栓体1が嵌着される。
この栓体1は、(生ゴム材料を加熱加圧による)加硫成形によって、成形される。つまり、栓体1は、弾性に富んだ加硫ゴムから成り、例えば、シリコンゴムが用いられる。
このような生ゴム材料を加熱加圧による加硫成形によって、栓体1が成形されると同時に、前記呼吸フィルタ10が栓体1のアキシャル方向外端面4に一体積層状として、固着されている(図1(B)に示した拡大要部断面図参照)。
ここで、呼吸フィルタ10について説明すれば、例えば、PTFE多孔質膜状体から成り、1平方センチメートル当りに数億個とも言われる多数の微細孔が、図1(B)に示したように、多数の超微細繊維Fにて形成されている。従って、(外部からの)雨、水の浸入を防ぐ防水性、及び空気(及び熱)を通す通気性に優れた薄い膜状体である。(住友電工ファインポリマー株式会社の「ポアフロン」、日東電工株式会社の「テミッシュ」、中興化成工業株式会社の「シポラス」等を挙げることができる。なお、これらの商品名は登録商標である。)
図1(B)に示すように、栓体1と呼吸フィルタ10との境界面Mに於て、呼吸フィルタ10の(前述の)多数の超微細繊維Fが、(栓体1を構成している)加硫ゴムの内部に浸入しており、呼吸フィルタ10は極めて強固に栓体1と一体化されている。従って、密閉状空間E内の圧力が上昇して高圧力(例えば、100kPa)が貫孔2を介して呼吸フィルタ10に作用したとしても、剥離しない。このように、耐圧性に優れている。
次に、図4に示す第4の参考例では、栓体1の外周面1Aに、断面が円弧状の凹溝部6,6が形成されている。
また、図5に示す第5の参考例では、栓体1の外周面1Aを凹凸波形に形成した場合を示す。
本発明と関連の深い第1〜第5のいずれの参考例にあっても、図2(B),図3(B)に例示した如く、従来のシール材としてのOリング38(図17と図18参照)を使用せず、栓体1を形成する加硫ゴム自身の弾発付勢力によって、図2(B)と図3(B)に付記したような接触面圧Pをもって通気孔5の内周面に圧接し、密封性を保っている。
即ち、Oリング38等のシール材を別部品として使用せず、栓体1自身のラジアル外方向への弾発付勢力を利用して、栓体1と通気孔5との嵌合部の密封性を確保する構成とした。
次に、本発明と関連のある図6に示す第6の参考例について説明する。図6では、栓体1の縦断面形状が、凹周溝7が上下中間位置に形成され、かつ、この凹周溝7の断面形状は矩形であって、凹周溝7の溝幅寸法W7 は、筐体壁部8Aの厚さ寸法T8 と同一、乃至、僅かに小さく設定する。
また、凹周溝7の溝底径D7 は、通気孔5の内径寸法D5 よりも僅かに大きく設定する。
上述の寸法設定によって、図6(B)に示した筐体壁部8Aの通気孔5への装着(使用)状態で、栓体1と通気孔5との嵌合部の密封性を、Oリング等のシール材を用いずに確保でき、しかも、栓体1の通気孔5からの離脱を防止できる。なお、栓体1は下端に、下方縮径状テーパ面12Aを有する小外鍔部12が連設され、栓体1の通気孔5への挿入が容易であり、かつ、上方への引抜けが阻止できる。
また、本発明と関連のある図7に示す第7の参考例では、図6と同一符号は同様の構成である。しかし、この図7では下端(内端)から、軸心L1 と平行に複数のスリット9が切欠形成されている。
図6でも、内方縮径状のテーパ面12Aによって、栓体1の通気孔5へ挿入することを容易としているのであるが、図7に示すスリット9を設けることによって、通気孔5への挿入の際に、小外鍔部12が縮径方向に弾性変形し易く、従って、栓体1の通気孔5への挿入を一層容易としている。
そして、図6(B)と図7(B)に於て、従来の図17に示したOリング等のシール材が全く省略されている。即ち、図1〜図5の場合と同様に、図6,図7の参考例においても、シール材を使わずに、栓体1を構成する加硫ゴム自身の弾発付勢力によって、密封性を保っている。
次に、図8,図9に於て、本発明の第の実施形態を示す。図8は自由状態を示し、図9は装着状態を示す。
栓体1の縦断面形状は、図3と同様のものとした場合を例示したが、図1,図2,図4,図5等とするも自由である。
の実施形態にあっては、栓体1の外端面4に固着された呼吸フィルタ10を、所定間隔H20をもって被覆する天井壁面部21を有する被覆カバー20が、付設されている。
この被覆カバー20は、上記天井壁面部21から下方(内方)へ突設された筒状脚部22を、一体に有する。しかも、この筒状脚部22の下半部は、栓体1に侵入状態で、固着されている。
また、筒状脚部22の周壁には、外部Yに連通する小径の副通気孔23が複数個(水平方向に)貫設されている。
そして、上記被覆カバー20の筒状脚部22は、前述の栓体1の加硫成形によって、アキシャル方向外端面4から栓体内部に突入状として、(一体状に)埋設されている。
なお、筒状脚部22には、図8,図9のように栓体内部との連結力をアップするために、三角突条部24を形成したり、貫孔(図示省略)を形成したり、膨出部25(図10参照)を形成することも好ましい。
また、図3で既に述べたように、図8,図9に於ても、Oリング等のシール材を全く省略して、栓体1の突条部3,3等の弾性圧縮によって、栓体1と通気孔5との嵌合部の密封性が確保されている。
なお、被覆カバー20の形状は、図8,図9のように角部が丸味(アール部)のあるものが望ましいが、これを角型としたり、筒状脚部22の外径よりも大きく、ラジアル外方へ延伸したきの子形状(図10参照)とするも、自由である。
次に、図10,図11に於て、本発明の第の実施形態を示す。図10は自由状態を示し、図11は装着状態を示す。
栓体1の縦断面形状は、図7と同様のものとした場合を例示する。この第の実施形態にあっては、栓体1の構造,形状及び作用と機能は、図7で既に述べた通りである。従って、図7に比べて、相違している構造,形状及び作用と機能について、以下、説明する。
即ち、図10,図11に示すように、栓体1の外端面4の呼吸フィルタ10を、所定間隔H20をもって、被覆する天井壁面部21を有する被覆カバー20が、付設されている。
さらに、被覆カバー20は、天井壁面部21から下方(内方)へ突設された筒状脚部22を、一体に有する。この筒状脚部22の下半部は、栓体1に侵入状態で、固着されている。
この筒状脚部22の周壁には、外部Yに連通する小径副通気孔23が複数個貫設されている。
また、被覆カバー20の筒状脚部22は、生ゴム材料の加熱加圧による加硫成形工程において栓体1を成形する際に、同様に栓体内部に突入状として埋設される。
言い換えれば、(図8,図9も同様であるが、)生ゴム材料の加熱加圧による栓体1の加硫成形時に、呼吸フィルタ10、及び、被覆カバー20が、栓体1に一体化される。
なお、図10,図11に示すように、被覆カバー20の天井壁面部21は、筒状脚部22からラジアル外方へ延設され、かつ、栓体1の外端部位を包囲するように、内方(下方)へ弯曲したきの子の傘型乃至菅笠形状である。外部Yから水や粉塵等が強力に飛来しても副通気孔23から、被覆カバー20の内空室26へ浸入するのを防止する。
次に、図12〜図16に於て、本発明に係る栓体1の加硫成形方法及び成形金型、さらに、呼吸フィルタ10の固着方法等を、簡略に説明する。
図12〜図16に於て、14は上型、15は中型、16は下型を示す。中型15には、栓体1(図1参照)の外形状に対応する中型キャビティ部17が形成されている。下型16と中型15とを図12に示すように合わせて、上方開口空室部18を形成し、まず、呼吸フィルタ10を矢印F10のように装入して、下型16の上面に設置する。
なお、下型16の上面の所定位置に、呼吸フィルタ10を設置してから、次に、中型15を下降させて、図12の実線で示すように、中型15と下型16を閉じても、良い。
次に、円柱形状の中子19を垂下状に有する上型14を下降させて、図13に示す如く、中子19の下端面19Aを呼吸フィルタ10の中心部を軽く押圧する。この図13に示したように、成形用キャビティ45が形成される。
次に、図14に示すように、キャビティ45内へ生ゴム材料を注入する。キャビティ45に生ゴム材料が充填され、底面側の呼吸フィルタ10の上面に対して生ゴム材料は高圧力をもって接触する。
金型は予め所定高温に加熱されているため、キャビティ45内で生ゴム材料は、加熱加圧されて(所定時間後には)、加硫が完了する。このとき、図15に示した形状であって、かつ、呼吸フィルタ10の上面の繊維が、加熱された栓体1と一体積層状として強力に固着される(図1(B)参照)。
その後(冷却後)、図16に示すように、(上型14を上方へ分離し、)かつ、中型15と下型16を分離しつつ、突き出し棒47によって、製品を取出す。その後は、バリ48等を除去して、本発明に係る通気防水構造体としての呼吸フィルタ10付の栓体1が製造できる。
なお、図8〜図11に示したように、被覆カバー20を備えている通気防水構造体の製造にあっては、プラスチック製の被覆カバー20を予め製作しておいて、図12に於ける下型16に形成した(図示省略の)嵌込凹部に製作した被覆カバー20を保持し、その保持状態下で、図14〜図15に示した加熱加圧を伴う加硫を行えば良い(詳細図示を省略する)。
以上説明した本発明に係る通気防水構造体の用途について述べると、自動車用のヘッドライト、フォグライト、テールランプ、及び、一般用ライト、電子コントロールユニット(ECU)、電気かみそり、イヤフォン、湿度・温度・圧力・ガス等のセンサー、各種電動モータ、ハイブリッド自動車用のインバータ、充電器、電源モジュール、バッテリー、トラクションモータ、さらには、各種液体タンク等に使用され、既述した図面に示した筐体8の筐体壁部8Aに取着して使用される。筐体8の内部の密閉状空間Eと外部Yとの間に空気及び熱の出入りが自由に行われ、かつ、外部Yから水及び粉塵の密閉状空間Eへの浸入を阻止する。
また、図8〜図11に示したような被覆カバー20を備えた構造のものでは、高圧洗浄水等の水が呼吸フィルタ10へ直接的に当ることを、防止でき、呼吸フィルタ10が保護されて寿命が延び、かつ、水等の付着を防止して通気性を確保できる利点がある。
本発明は、以上詳述したように、密閉状空間Eと外部Yとを連通する通気孔5に嵌着される貫孔2付の栓体1と、該栓体1のアキシャル方向外端面4に固着されて上記貫孔2を閉鎖する通気性と防水性を有する呼吸フィルタ10とを、備えた通気防水構造に於て;上記栓体1は、生ゴム材料の加熱加圧による加硫成形にて成形され;上記呼吸フィルタ10は、上記栓体1の上記加硫成形にて、上記アキシャル方向外端面4に、一体積層状として固着されている構成であるので、部品点数が減少できて、しかも、コンパクト化を図り得る。かつ、通気孔5に嵌着した状態下で不要な突出部が無くなり、又は、突出部の容積が減少する。(従来例の図18と対比すれば明らかである。)さらに、従来例の図18に示した栓体42では、呼吸フィルタ35をプラスチックの頭部42A上面に接着剤にて取着する作業(手間)を要すると共に、接着強度が不安定かつ不十分となる虞れがあったが、本発明では、生ゴム材料が呼吸フィルタ10の繊維に対して、高い圧力(加圧)にて浸入して、その状態下で加熱されることで、図1(B)の如き状態となり、接合強度が高く、かつ、安定する。故に、使用状態下で、筐体8の内部の密閉状空間から、急激な高圧(さらには熱風)が作用しても、呼吸フィルタ10が栓体1から部分剥離を発生せず、安定した耐久性を発揮する。
さらに、従来例(図18)では、ネジ孔43への雄ネジ部44を螺進する作業が面倒であったが、本発明では、筐体1が弾性変形可能な加硫成形ゴムから成るので、筐体8の通気孔5に簡単かつ迅速に押込んで、図2(B)、図3(B)等に示す如く、取着できる。栓体1の外径寸法が、例えば、4mmと小さい場合もあって、そのような小径の栓体1をゴムの弾性を利用して、簡単に押込んで取着できる点は、ECU,電気かみそり,イヤフォン等の、特に小径の通気孔5を有する筐体8への用途にとって、重要な利点であるといえる。しかも、Oリング等を使用せずに、小径の通気孔5へ押込めば、密封性が確保されるので、従来の図18に示した小径のOリング38の紛失が螺進作業の際に発生することをも有効防止できる。
また、本発明は、上記呼吸フィルタ10を所定間隔H20をもって被覆する天井壁面部21と、該天井壁面部21から突設されると共に外部Yに連通する副通気孔23を有する筒状脚部22とを、備えた被覆カバー20を、付設し;しかも、上記被覆カバー20の上記筒状脚部22は、上記栓体1の上記加硫成形にて、上記アキシャル方向外端面4に一体状に埋設されているので、部品点数が減少し、コンパクト化も図り得る。従来例の図17に示した構造では、2個のOリング38,40を必要としていたので、筐体31の通気孔32への取付作業に手間取るという問題、及び、Oリング38,40を落下紛失する問題があったが、これらの問題を解決できる。
即ち、図9又は図11に示すように、Oリングが全く不要となり、通気孔5に対して、加硫ゴムの弾性変形自在性を利用しつつ単純に押込めば、迅速容易に取付作業が完了する。
しかも、図17の従来例では、初めに栓体33を取着し、その後に、被覆カバー36を外嵌状に取着し、その後にOリング40を取付けねばならないという面倒(非能率)な取着作業を要していたのに対して、本発明では、栓体1と被覆カバー20を一体として同時に取着でき、迅速かつ容易な取着作業を実現している。
また、本発明は、シール材を使用せず、上記栓体1を形成する加硫ゴム自身の弾発付勢力によって、栓体1と上記通気孔5との嵌合部の密封性を保つように構成したので、図17,図18に示した従来のOリング38,40を省略できて、部品点数低減、及び、取着作業時のOリング38,40の落下紛失の防止を、達成できた。しかも、栓体1を通気孔5に挿入する押込作業が迅速かつ容易に行い得る。
1 栓体
2 貫孔
4 外端面
5 通気孔
10 呼吸フィルタ
20 被覆カバー
21 天井壁面部
22 筒状脚部
23 副通気孔
E 密閉状空間
Y 外部
20 所定間隔

Claims (3)

  1. 密閉状空間(E)と外部(Y)とを連通する通気孔(5)に嵌着される貫孔(2)付の栓体(1)と、該栓体(1)のアキシャル方向外端面(4)に固着されて上記貫孔(2)を閉鎖する通気性と防水性を有する呼吸フィルタ(10)とを、備えた通気防水構造に於て、
    上記栓体(1)は、生ゴム材料の加熱加圧による加硫成形にて成形され、
    上記呼吸フィルタ(10)は、上記栓体(1)の上記加硫成形にて、上記アキシャル方向外端面(4)に、一体積層状として固着されていることを特徴とする通気防水構造体。
  2. 上記呼吸フィルタ(10)を所定間隔(H20)をもって被覆する天井壁面部(21)と、該天井壁面部(21)から突設されると共に外部(Y)に連通する副通気孔(23)を有する筒状脚部(22)とを、備えた被覆カバー(20)を、付設し、
    しかも、上記被覆カバー(20)の上記筒状脚部(22)は、上記栓体(1)の上記加硫成形にて、上記アキシャル方向外端面(4)に一体状に埋設されている請求項1記載の通気防水構造体。
  3. シール材を使用せず、上記栓体(1)を形成する加硫ゴム自身の弾発付勢力によって、栓体(1)と上記通気孔(5)との嵌合部の密封性を保つように構成した請求項1又は2記載の通気防水構造体。
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