JP2021076198A - 可変圧縮比機構のアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジン始動時に減速機に潤滑油を供給可能な内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータを提供すること。【解決手段】 電動モータのモータ軸の回転速度を減速して制御軸に伝達する波動歯車減速機は、ハウジングに設けられた内歯車と、モータ軸と一体に回転し外形が非円形の波動発生器と、波動発生器によって非円形に撓む有底筒状の可撓性外歯車と、を有する。波動発生器は、制御軸の内部から波動発生器に向けて供給された潤滑油を貯留可能な貯留部と、該貯留部と連通し波動発生器の側面に潤滑油を供給可能な潤滑油供給部とを有する。【選択図】 図5

Description

本発明は、内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータに関する。
特許文献1には、可変圧縮比機構の制御軸と、この制御軸の回転位置を変更するアクチュエータを有し、アクチュエータには駆動モータの回転数を減速して前記制御軸へ伝達する波動歯車減速機が開示されている。具体的には、電動モータの出力軸に連結され輪郭が楕円形上の波動発生器と、波動発生器の外周側に挿通される円筒部を有し、円筒部の回転を制御軸に伝達する可撓性外歯車と、ハウジングに固定され、可撓性外歯車と噛み合う内歯を有する内歯車と、内輪が波動発生器の外周に固定され外輪が可撓性外歯車の内周に固定された軸受と、を有する。
特開2016−163698号公報
上記従来技術にあっては、潤滑油が制御軸内部の油路から供給されるため、特にエンジン始動時に波動発生器と可撓性外歯車との間に配置された軸受に潤滑油を供給するにあたり、可撓性外歯車に固定された外輪が浸る程度に潤滑油を供給しても、可撓性外歯車の回転速度は波動発生器の回転速度に比べて極めて低く、潤滑油を全周に渡って供給することが困難であった。一方、内輪が浸る程度まで潤滑油を供給すると、低油温時に粘性抵抗が高くなり、効率が悪化するというおそれがあった。
本発明の目的の一つは、エンジン始動時に減速機に潤滑油を供給可能な内燃機関の可変圧縮比機構のアクチュエータを提供することにある。
本発明の一つの態様において、電動モータのモータ軸の回転速度を減速して制御軸に伝達する波動歯車減速機は、ハウジングに設けられた内歯車と、モータ軸と一体に回転し外形が非円形の波動発生器と、波動発生器によって非円形に撓む有底筒状の可撓性外歯車と、を有する。波動発生器は、制御軸の内部から波動発生器に向けて供給された潤滑油を貯留可能な貯留部と、該貯留部と連通し波動発生器の側面に潤滑油を供給可能な潤滑油供給部とを有する。
よって、本発明の好ましい態様によれば、波動発生器の回転による遠心力を用いて歯車の噛合部や摺動部に潤滑油を供給できる。
本発明が適用される可変圧縮比機構のアクチュエータを備えた内燃機関の概略図である。 本発明が適用される可変圧縮比機構のアクチュエータの分解斜視図である。 本発明が適用される可変圧縮比機構のアクチュエータの側面図である。 実施形態1の図3のA−A断面図である。 実施形態1の図3のA−A断面図のうち波動歯車型減速機部分の拡大図である。 実施形態1の波動発生プラグを表す図である。 実施形態1の波動歯車減速機をモータ側から見た正面図である。 実施形態2の波動発生器部分の拡大断面図である。 実施形態3の波動発生器部分の拡大断面図である。 実施形態4の波動歯車減速機を軸方向から見た正面図である。 実施形態5の波動発生器部分の拡大断面図である。 実施形態6の波動発生プラグを表す図である。
〔実施形態1〕
図1は、本発明が適用される可変圧縮比機構のアクチュエータを備えた内燃機関の概略図である。基本的な構成は、特開2011−169251号公報の図1に記載されたものと同じであるため、簡単に説明する。
ピストン1は、内燃機関(ガソリンエンジン)におけるシリンダブロックのシリンダ内を往復運動する。ピストン1には、ピストンピン2を介してアッパリンク3の上端が回転可能に連結する。アッパリンク3の下端には、連結ピン6を介してロアリンク5が回転可能に連結する。ロアリンク5には、クランクピン4aを介してクランクシャフト4が回転可能に連結する。ロアリンク5には、連結ピン8を介して第1制御リンク7の上端部が回転可能に連結する。第1制御リンク7の下端部は、複数のリンクを有する連結機構9と連結する。連結機構9は、第1制御軸10、制御軸あるいは出力軸としての第2制御軸11、第2制御リンク(アクチュエータリンク)12およびアームリンク13を有する。
第1制御軸10は、内燃機関内部の気筒列方向に沿って配置されたクランクシャフト4と平行に配置されている。
第1制御軸10は、第1ジャーナル部10a、制御偏心軸部10b、偏心軸部10c、第1アーム部10dおよび第2アーム部10eを有する。第1ジャーナル部10aは、内燃機関本体に回転可能に支持されている。
制御偏心軸部10bは、第1制御リンク7の下端部と回転可能に連結する。偏心軸部10cは、第2制御リンク12の一端部12aと回転可能に連結する。
第1アーム部10dの一端は、第1ジャーナル部10aと連結する。第1アーム部10dの他端は、制御偏心軸部10bと連結する。制御偏心軸部10bは、第1ジャーナル部10aに対して所定量偏心した位置にある。第2アーム部10eの一端は、第1ジャーナル部10aと連結する。第2アーム部10eの他端は、偏心軸部10cと連結する。
偏心軸部10cは、第1ジャーナル部10aに対して所定量偏心した位置にある。第2制御リンク(アクチュエータリンク)12の他端部12bは、アームリンク13の一端が回転可能に連結する。アームリンク13の他端は、第2制御軸11と連結する。アームリンク13と第2制御軸11は相対移動しない。
第2制御軸11は、後述するハウジング20内に複数のジャーナル部を介して回転自在に支持されている。
第2制御リンク(アクチュエータリンク)12は、レバー形状であり、偏心軸部10cに連結された一端部12aは、略直線的に形成されている。
図2は、本発明が適用される可変圧縮比機構のアクチュエータの分解斜視図であり、図3は、本発明が適用される可変圧縮比機構のアクチュエータの側面図であり、図4は、実施形態1の図3のA−A断面図である。
図2のアクチュエータの分解斜視図に示すように、アームリンク13が連結されたアクチュエータリンク12の他端部12bは、湾曲形成されている。また、一端部12aの先端部には、偏心軸部10cが回動自在に挿通される挿通孔12cが貫通形成されている。他端部12bは、先端部12dを有する。先端部12dには、連結用孔12eが貫通形成されている。また、アームリンク13の基部としての円環状部13dから外周に向けて突出して二股状に形成された第1アーム部13bと第2アーム部13b'には、それぞれ連結用孔12eと略同径の連結用孔13cが貫通形成されている。アームリンク13の二股状に形成された第1アーム部13bと第2アーム部13b'の間には、アクチュエータリンク12の先端部12dが挿通され、この状態で、連結ピン14が連結用孔12e及び13cを貫通し、連結用孔12eに圧入固定される。
アームリンク13は、図2のアクチュエータの分解斜視図に示すように、第2制御軸11とは別体として形成されている。アームリンク13は、鉄系金属材料によって形成された肉厚部材であり圧入用孔13aが貫通形成された円環状部13dと、円環状部13dから外周に向けて突出して、二股状に形成された第1アーム部13bと第2アーム部13b'と、を有する。円環状部13dに形成された圧入用孔13aは、第2制御軸11の各ジャーナル部の間に形成された固定部11bが圧入され、この圧入により第2制御軸11とアームリンク13とが固定される(図4参照)。円環状部13dから突出して、二股状に形成された第1アーム部13bと第2アーム部13b'のそれぞれには、連結ピン14が回動自在に支持される一対の連結用孔13cが形成されている。この連結用孔13cの軸心(連結ピン14の軸心)は、第2制御軸11の軸心から径方向に所定量偏心している。第2制御軸11の軸心には、波動歯車減速機50に潤滑油を供給する軸心油路110が形成されている。
[可変圧縮比機構のアクチュエータの構成]
アクチュエータ40は、図2〜図4に示すように、駆動モータ22、波動歯車減速機50、第1ハウジング20aと第2ハウジング20bからなるハウジング20および制御軸としての第2制御軸11を有する。
なお、以後、角度センサ32側を一端側、駆動モータ22側を他端側とする。
[可変圧縮比機構のアクチュエータの作動]
可変圧縮比機構のアクチュエータ40の作動を簡単に説明する。
制御軸あるいは出力軸としての第2制御軸11は、内燃機関用リンク機構のアクチュエータの一部である波動歯車型減速機50を介して駆動モータ22から伝達されたトルクによって回転位置が変更される。第2制御軸11の回転位置が変更されると、アクチュエータリンク12の姿勢が変化して第1制御軸10が回転し、第一制御リンク7の下端部の位置を変更する。これにより、ロアリンク5の姿勢が変化し、ピストン1のシリンダ内におけるストローク位置やストローク量を変化させ、これに伴って機関圧縮比を変更する。
[駆動モータの構成]
駆動モータ22は、例えばブラシレスモータであり、モータケーシング45、入力軸としてのモータ駆動軸48、コイル46、ロータ47を有する。モータケーシング45は、有底円筒状に形成され、第2ハウジング20bに固定されている。コイル46は、モータケーシング45の内周面に固定されている。ロータ47は、コイル46の内側に回転可能に配置されている。モータ駆動軸48は、ロータ47の中心に固定されている。モータ駆動軸48は、2つのボールベアリング51、52を介して第2ハウジング20bおよびモータケーシング45に対し回転可能に設けられている。ボールベアリング51は第2ハウジング20bに固定されている。ボールベアリング52はモータケーシング45の底部に固定されている。モータ駆動軸48の一端側の先端部48aは、第2ハウジング20bを貫通し、波動歯車減速機50の波動発生器37の波動発生プラグ371と連結する。第2制御軸11はモータ駆動軸48と同軸である。つまり、第2制御軸11およびモータ駆動軸48の回転軸線Pは一致する。第2制御軸11の他端側の先端部11aは、波動歯車減速機50の可撓性外歯車36の凸部362aとスプライン結合する。
モータケーシング45を第2ハウジング20bに取り付ける際は、ボス部45aの貫通孔45bにボルト49を挿通し、第2ハウジング20bの駆動モータ22側に形成された雌ねじ部にボルト49を締め付ける。これにより、モータケーシング45を第2ハウジング20bに固定する。モータケーシング45及び第2ハウジング20bによって駆動モータ22を収容するモータ収容室は、シール100により、潤滑油等を供給しない乾燥室として構成する
[波動歯車減速機の構成]
波動歯車減速機50は、ハウジング20に取り付けられている。波動歯車減速機50は、剛性内歯車38、可撓性外歯車36および波動発生器37を有する。
剛性内歯車38は、内周に複数の内歯38aを有する剛体円環状部材である。剛性内歯車38は、第1ハウジング20aに固定されている。
可撓性外歯車36は、剛性内歯車38の径方向内側に配置されている。可撓性外歯車36は、金属材料によって形成され、筒状部361および底部362を有する。筒状部361は撓み変形可能な薄肉の円筒状に形成され、外周面の軸方向他端側に外歯361aが形成されている。外歯361aは剛性内歯車38の内歯38aと噛み合う。外歯361aの歯数は内歯38aの歯数よりも2歯少ない。底部362は、筒状部361の軸方向一端側から径方向内側へ延びる。底部362の内周には、小径の凸部362aが形成されている。凸部362aは、スプライン穴362bを有する。スプライン穴362bには、第2制御軸11の先端部(スプライン軸)11aが挿入されている。
波動発生器37は、外周面が可撓性外歯車36の内周面と固定される。波動発生器37は、波動発生プラグ371およびボールベアリング372(第1転がり軸受)を有する。波動発生プラグ371は、その回転軸線と直交する方向の断面が楕円状であって、回転軸線Pを中心として最も半径の大きい長軸部分および最も半径の小さい短軸部分を有する楕円状外形を有する。波動発生プラグ371は中心に貫通孔371bを有する。貫通孔371bにはモータ駆動軸48の先端部48aが圧入により固定されている。ボールベアリング372は、波動発生プラグ371の外周および可撓性外歯車36の内周間の相対回転を許容する。図4に示すように、ボールベアリング372は、内輪372a、外輪372b、複数のボール372cおよび保持器372dを有する。内輪372aは、波動発生プラグ371の外周面と一体的に形成されている。外輪372bは、可撓性を有する薄肉の環状に形成され、可撓性外歯車36の内周に配置されている。複数のボール372cは、球状に形成され、内輪372aおよび外輪372b間に配置されている。保持器372dは、内輪372aおよび外輪372b間に配置され、各ボール372cの間隔を一定に保持する。
波動発生プラグ371のモータ側の側面には、円環状のベアリング支持部371cが形成されている。また、第2ハウジング20bの波動歯車減速機側開口には、ベアリング収容部20b1が形成されている。ボールベアリング37aは、内輪37a1と、ボール37a2と、外輪37a3とを有する。内輪37a1は、波動発生プラグ371のベアリング支持部371cに圧入固定され、外輪37a3は、第2ハウジング20bのベアリング収容部20b1内に圧入固定される。ボールベアリング37a(第2転がり軸受)は、波動発生器37を第2ハウジング20bに対して回転可能に支持する。尚、ボールベアリング37aの摺動部となる箇所は、内輪37a1外周とボール37a2との間と、外輪37a3とボール37a2との間との両方を含む。
(ハウジングの構成)
図2〜図4に示すように、第1ハウジング20aと第2ハウジング20bからなるハウジング20は、アルミニウム合金材料によって略立方体形状に形成されている。第1ハウジング20aの他端側には大径円環状の開口溝部20cが形成されている(図4参照)。この開口溝部20cは、第2ハウジング20bにより閉塞される。第2ハウジング20bは、中央位置にモータ出力軸48が貫通するモータ軸貫通孔20dと、径方向外周側に向けて拡径された4つのボス部20eとを有する。第1ハウジング20aと第2ハウジング20bとは、ボス部20eに貫通形成されたボルト挿通孔にボルト35を挿通することで締結固定される。
また、図3に示すように、第1ハウジング20aには、第2制御軸11から径方向に遠ざかる方向に突出して、不図示のオイルクーラが設置される台座部800が形成されている。この台座部800には、不図示のオイルフィルタを経由したオイルがオイル入口800dからオイルクーラに流入し、冷却された後、オイル出口800eからエンジン側へ供給される。台座部800の上面には、オイルクーラを固定するための固定面800gが形成され、オイル入口800d側の周囲に形成される合わせ部800cと軽量化のために肉抜きされ、中央に形成される凹部800dを有している。
開口溝部20cの開口方向と直交する側面には、アームリンク13と連結されたアクチュエータリンク12用の開口が形成されている。この開口が形成された第1ハウジング20a内部には、アームリンク13及びアクチュエータリンク12の作動領域となる収容室29が形成されている(図4参照)。開口溝部20cと収容室29との間には、第2制御軸11の第2ジャーナル部11dが貫通する減速機側支持孔30bが形成されている。開口溝部20cと収容室29との間には、開口溝部20c内に溜まった潤滑油をハウジング外部に排出する排出口20c1が形成されている(図5参照)。収容室29の軸方向側面には、第2制御軸11の第1ジャーナル部11cが貫通する支持孔30aが形成されている。支持孔30aと第1ジャーナル部11cとの間には軸受301が配置され、支持孔30bと第2ジャーナル部11dとの間には軸受304が配置される。
支持孔30aの角度センサ32側の一端部には、支持孔30aの開口よりも大径のリテーナ収容孔31が形成されている。支持孔30aの角度センサ32側の開口とリテーナ収容孔31との間には、第2制御軸11に対して略直行方向に形成された段差面31aを有する。リテーナ350は、段差面31aと当接することで、第2制御軸11の回転軸線P方向の他端側(波動歯車型減速機側)への移動を規制する。
[角度センサの構成]
角度センサ32は、リテーナ収容孔31をハウジング本体20の外部から閉塞するように取り付けられたセンサホルダ32aを有する。センサホルダ32aは、ボルト321により第1ハウジング20aに固定するためのフランジ部32a1を有する。センサホルダ32aと第1ハウジング20aとの間にはシールリング33が設けられ、リテーナ収容孔31と外部との間の液密性を確保する。また、センサホルダ32aの外側には、リテーナ収容孔31を閉塞するセンサカバー32cを有する。センサカバー32cとセンサホルダ32aとの間にはシールリング323が設けられ、リテーナ収容孔31と外部との間の液密性を確保するように、ボルト34にて、センサカバー32cをセンサホルダ32aに固定する。
また、制御軸11の回転軸線P方向の一端側端部11eには、外周にロータ32bが取り付けられている。ロータ32bは、略楕円形上の部品である。角度センサ32は、センサホルダ32aの内周とロータ32bとの間に設定された距離がロータ32bの回転により変化したことを検知コイルのインダクタンス変化により検出する。これにより、ロータ32bの回動位置、すなわち第2制御軸11の回転角度を検出する。角度センサ32は、上述したように所謂レゾルバセンサであり、機関運転状態を検出する図外のコントロールユニットに回転角度情報を出力する。
[可撓性外歯車の構成]
可撓性外歯車36は、金属材料によって形成され、筒状部361および底部362を有する。筒状部361は撓み変形可能な薄肉の円筒状に形成され、外周面の軸方向一端側に外歯361aが形成されている。外歯361aは剛性内歯車38の内歯38aと噛み合う。外歯361aの歯数は内歯38aの歯数よりも2歯少ない。底部362は、筒状部361の軸方向一端側から径方向内側へ延びる。底部362の内周には、小径の凸部362aが形成されている。凸部362aは、スプライン穴362bを有する。スプライン穴362bには、第2制御軸11の先端部(スプライン軸)11aが挿入されている。
また、外歯361aは、弾性変形の特性上、回転負荷がかかると回転軸線Pに対して歯筋方向にねじれ角βが発生する。このため、駆動モータ22より回転力Fが入力された場合には、回転方向の推進力と回転軸線P方向の一端側(第2制御軸11側)への推進力(スラスト力)が発生する。尚、回転負荷が大きくなると弾性変形でねじれ角βが大きくなり、回転軸線P方向の一端側(第2制御軸11側)への推進力(スラスト力)は大きくなる。この回転軸線P方向の一端側(第2制御軸11側)への推進力により、可撓性外歯車36は回転軸線P方向の一端側へ移動する。また、この移動により、第2制御軸11のフランジ11fに当接する可能性もある。しかしながら、第2制御軸11と可撓性外歯車36は同一方向かつ同じ回転数で回転しているので、機関圧縮比を変更する制御機能に何ら支障は発生しない。
また、第2制御軸11より可変圧縮機構が発生する大きな回転力(特に、内燃機関の膨張工程すなわちピストン1が下降時)が入力された場合には、回転方向の推進力と回転軸線P方向の他端側(駆動モータ22側)への推進力(スラスト力)が発生する。なお、ねじれ角βは、内燃機関の膨張工程すなわちピストン1が下降時の入力の回転方向に対応して可撓性外歯車36が他端側へ移動するように設定している。
図5は、実施形態1の図3のA−A断面図のうち波動歯車型減速機部分の拡大図、図6は、実施形態1の波動発生プラグを表す図、図7は、図5のB−B断面において実施形態1の波動歯車減速機をモータ側から見た正面図である。図6中、図(a)は断面図、図(b)はストッパ部材側から見た斜視図、図(c)は波動発生プラグ側から見た斜視図である。
波動発生プラグ371は、第2制御軸11側の側面に円形の凹部371dが形成されている。この凹部371dには、ストッパ部材300が圧入固定されている。ストッパ部材300の内周縁には環状凸部302が形成され、この環状凸部302が波動発生プラグ371に形成された凹部371d内に圧入される。ストッパ部材300は、環状凸部302から径方向外側に向けて延在する円環状部303と、円環状部303の外周縁であって波動発生プラグ371の外周より径方向外側に延在し、ボールベアリング372の内輪372aの側面と当接するストッパ部304を有する。ストッパ部304の外周縁には、最外径位置から軸方向第2制御軸11側に屈曲され、更に内径側に屈曲形成された貯留部301が形成されている。第2制御軸11の軸心油路110の開口110aの軸方向位置は、ストッパ部304の外周縁の最外径位置から軸方向第2制御軸11側に屈曲された軸方向位置と径方向から見て重なる位置となるように配置される。言い換えると、径方向から見たとき、軸心油路11の開口110aは、貯留部301と重なる位置に配置されている。
円環状部303の周方向には、複数の貫通部304aが形成されている。貫通部304aは、貯留部301の内周側最外径位置よりも内径側であって、波動発生プラグ371のベアリング支持部371cの外周側最外径位置よりも外径側となる位置に形成されている。また、波動発生プラグ371のベアリング支持部371cよりも外周側には、円環状部303の貫通部304aと同じ位置に略同径の貫通油路370が形成されている。貫通部304aは、貯留部401に貯留した潤滑油を貫通油路370内に供給するガイド部として機能する。これら貫通部304a及び貫通油路370によって潤滑油供給部を構成する。
図7の正面図に示すように、潤滑油供給部は、周方向均等間隔で4つ配置されている。そのうちの2つは、波動発生プラグ371の長軸と重なる位置に配置され、残りの2つは、波動発生プラグ371の短軸と重なる位置に配置されている。波動発生プラグ371の長軸における剛性内歯車38の内歯38aと可撓性外歯車36の外歯361aとは、深く噛み合って動力伝達が行われるため、潤滑性能が必要である。そこで、長軸と潤滑油供給部とを、径方向から見て重なる位置に配置し、効果的に潤滑油を供給する。
図5に示すように、ストッパ部材300のストッパ部304は、波動発生プラグ371の外周に配置されたボールベアリング372の少なくとも内輪372aよりも外径側まで延在されている。上述したように、可撓性外歯車36にはスラスト力が発生し、その作用反作用によってボールベアリング372が波動発生プラグ371から第2制御軸11側に向けて移動するおそれがある。そこで、ストッパ部材300により少なくとも内輪372aを軸方向に固定し、波動発生プラグ371から軸方向にずれないように規制する。これにより、ボールベアリング372を安定的に保持する。
図7の正面図に示すように、潤滑油供給部は、周方向均等間隔で4つ配置されている。そのうちの2つは、波動発生プラグ371の長軸と重なる位置に配置され、残りの2つは、波動発生プラグ371の短軸と重なる位置に配置されている。波動発生プラグ371の長軸における剛性内歯車38の内歯38aと可撓性外歯車36の外歯361aとは、深く噛み合って動力伝達が行われるため、潤滑性能が必要である。そこで、長軸と潤滑油供給部とを、径方向から見て重なる位置に配置し、効果的に潤滑油を供給する。
図5に示すように、ストッパ部材300のストッパ部304は、波動発生プラグ371の外周に配置されたボールベアリング372の少なくとも内輪372aよりも外径側まで延在されている。上述したように、可撓性外歯車36にはスラスト力が発生し、その作用反作用によってボールベアリング372が波動発生プラグ371から第2制御軸11側に向けて移動するおそれがある。そこで、ストッパ部材300により少なくとも内輪372aを軸方向に固定し、波動発生プラグ371から軸方向にずれないように規制する。これにより、ボールベアリング372を安定的に保持する。
次に、潤滑油の供給ルートについて説明する。軸心油路110の開口110aから供給された潤滑油は、波動発生プラグ371の側面を通って鉛直方向下方に流れる。このとき、ストッパ部材300の貯留部301内に潤滑油が貯留され、潤滑油供給部となる貫通部304a及び貫通油路370内に潤滑油が溜まる。波動発生器37は、第2制御軸11に比べて十分高速に回転するため、潤滑油供給部内に溜まった潤滑油が径方向外側に向けて飛散し、ボールベアリング372や、剛性内歯車38と可撓性外歯車36との噛合位置や、更に第2ハウジング20b側に収容されたボールベアリング37aにも供給される。
第1ハウジング20aには、開口溝部20c内に溜まった潤滑油をハウジング外に排出する排出口20c1が形成され、この排出口20c1の鉛直方向位置は、可撓性外歯車36の鉛直方向下端と略同じか、僅かに高い位置に形成されている。よって、第1ハウジング20a内に潤滑油が過剰に貯留してしまうことを回避している。仮に、ストッパ部材300に貯留部301を設けることなく、排出口20c1の鉛直方向高さ位置を高くして、例えばボールベアリング372の内輪372aが潤滑油に浸るように形成する。この場合、波動歯車減速機50が潤滑油に浸る範囲が広く、特に低油温時や極低油温時のように粘性抵抗が非常に高い場合、フリクションロスが大きくなるという問題がある。これに対し、実施形態1では、ストッパ部材300に潤滑油を確保するとともに、第1ハウジング20a内に貯留する潤滑油を少なくすることで、フリクションロスを抑制できる。
次に、作用効果を説明する。実施形態1の内燃機関の可変圧縮機構のアクチュエータにおいては、以下に列挙する作用効果を奏する。
(1)回転することで可変圧縮比機構の姿勢を変更する第2制御軸11(制御軸)と、駆動モータ22(電動モータ)と、第1ハウジング20a及び第2ハウジング20b(ハウジング)と、駆動モータ22のモータ駆動軸48の回転速度を減速して第2制御軸11に伝達する波動歯車減速機50であって、第2ハウジング20bに設けられた剛性内歯車38と、駆動モータ22と一体に回転し外形が非円形の波動発生器37と、波動発生器37によって非円形に撓むとともに、剛性内歯車38と噛み合う外歯361aを有し、第2制御軸11と連結した有底筒状の可撓性外歯車36と、を有する波動歯車減速機50と、第2制御軸11の内部に形成され、波動発生器37に向けて開口し潤滑油を供給可能な軸心油路110(供給油路)と、波動発生器37に設けられ、軸心油路110から供給された潤滑油を貯留可能な貯留部301と、該貯留部301と連通し波動発生器37の側面に潤滑油を供給可能な潤滑油供給部と、を備えた。
よって、動発生器の回転による遠心力を用いて歯車の噛合部や摺動部に潤滑油を供給できる。
(2)可撓性外歯車36の内周側と波動発生器37の外周側との間にボールベアリング372(第1転がり軸受)を有し、波動発生器37は、ボールベアリング372の軸方向第2制御軸11側への移動を規制するストッパ部材300を有し、潤滑油供給部は、ストッパ部材300の円環状部303を軸方向に貫通する貫通部304aを含む。
よって、ボールベアリング372を安定的に保持しつつ、潤滑油を供給できる。
(3)ストッパ部材300は、潤滑油供給部に潤滑油を導くガイド部である貫通部304aを有する。
よって、貯留部301内の潤滑油を効率よく供給できる。
(4)潤滑油供給部と貯留部301とが連通する径方向位置は、貯留部301の径方向最外位置よりも内径側である。
よって、波動発生器37の回転数が低い状態であっても、貯留部301内に潤滑油を貯留できる。
(5)剛性内歯車38よりも軸方向の駆動モータ22側であって第2ハウジング20bと波動発生器37との間にボールベアリング37a(第2転がり軸受)を設け、
第2ハウジング20bは、可変圧縮比機構のアクチュエータが内燃機関に取り付けられた状態での鉛直方向において、ボールベアリング37aの摺動部よりも下側の位置に、潤滑油を第1ハウジング20aの外側に排出可能な排出口20c1を有する。
よって、極低温時のように潤滑油の粘性抵抗が高い状態でも、フリクションロスを回避することができる。
(6)潤滑油供給部は、波動発生器37の周方向に複数形成され、軸方向に貫通する貫通油路370である。
よって、単に穴あけ加工するだけで、軸心油路110と波動発生器37を挟んで反対側に位置するボールベアリング37aにも潤滑油を供給できる。
(7)波動発生器37は軸方向から見た外形が楕円形であって、軸方向から見たとき、貫通油路370は、波動発生器37の楕円形の長軸と重なる位置に設けられている。
よって、剛性内歯車38の内歯38aと可撓性外歯車36の外歯361とが最も深く噛み合う位置に潤滑油を供給できる。
(8)波動発生器37の側面における潤滑油供給部の開口は、径方向において軸心油路110の開口110aとボールベアリング37aの摺動部との間に位置する。
よって、潤滑油供給部から遠心力によってボールベアリング37aの摺動部に潤滑油を供給できる。
(9)ストッパ部材300は、波動発生器37の波動発生プラグ371に圧入固定されている。
よって、部品点数を削減できる。
(10)回転することで可変圧縮比機構の姿勢を変更する第2制御軸11と、駆動モータ22と、第1ハウジング20a及び第2ハウジング20b(ハウジング)と、駆動モータ22のモータ駆動軸48の回転速度を減速して第2制御軸11に伝達する減速機であって、モータ駆動軸48と一体に回転する入力部材である波動発生器37及び可撓性外歯車36と、可撓性外歯車36と噛み合うと共に第2制御軸11に回転力を伝達する出力部材である剛性内歯車38と、を備えた波動歯車減速機50(減速機)と、波動歯車減速機50の噛み合い部分に対して軸方向の駆動モータ22と反対側であって第2制御軸11の内部に形成され、波動発生器37に向けて開口した軸心油路110(供給油路)と、波動歯車減速機50の噛み合い部分に対して軸方向の駆動モータ22側であって第2ハウジング20bと波動発生器37の間に設けられたボールベアリング37a(軸受)と、波動発生器37の内歯38aと外歯361の噛み合い部分よりも径方向の内側に設けられ、軸方向に貫通する貫通油路370と、を備えた。
よって、貫通油路370内に貯留された潤滑油を遠心力によってボールベアリング37aに供給できる。
[実施形態2]
次に、実施形態2について説明する。基本的な構成は実施形態1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図8は、実施形態2の波動発生器部分の拡大断面図である。実施形態1では、波動発生プラグ371とストッパ部材300とが別体に構成され、ボールベアリング372の内輪372aも別体に構成されていた。これに対し、実施形態2では、波動発生プラグ371にボールベアリング372の内輪機能と、ストッパ部304と、貯留部301と、貫通部及び貫通油路として機能する油路304aとを一体形成した点が異なる。これにより、部品点数を削減できる。
[実施形態3]
次に、実施形態3について説明する。基本的な構成は実施形態1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図9は、実施形態3の波動発生器部分の拡大断面図である。実施形態1では、波動発生プラグ371に形成された貫通油路370が軸方向と平行に形成されていた。これに対し、実施形態3では、貫通油路370のストッパ側開口370aの径方向位置が、貫通油路370のモータ側開口370bの径方向位置よりも内径側に位置するように、貫通油路370を軸方向に対して斜めに形成した点が異なる。これにより、潤滑油供給部に溜まった潤滑油に遠心力が作用した際、効果的に径方向外側に潤滑油を飛散できる。
[実施形態4]
次に、実施形態4について説明する。基本的な構成は実施形態1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図10は、実施形態4の波動歯車減速機を軸方向から見た正面図である。実施形態1では、貫通油路370の開口形状を円形とした。これに対し、実施形態4では、貫通油路370の開口形状を楕円形状とし、この開口の楕円形状の長軸位置と波動発生器37の楕円形状の長軸位置とを揃えたものである。これにより、より効率的に径方向に潤滑油を飛散することができる。
[実施形態5]
次に、実施形態5について説明する。基本的な構成は実施形態1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図11は、実施形態5の波動発生器部分の拡大断面図である。実施形態1では、波動発生プラグ371にストッパ部材300を圧入固定していた。これに対し、実施形態5では、ストッパ部材300を複数のボルト307で固定した点が異なる。ボルト307が貫通するボルト用孔306は、ストッパ部304の周方向において、潤滑油供給部となる貫通部304aを避けた位置に均等に配置され、波動発生プラグ371に固定される。これにより、圧入時に作用する荷重によって波動発生プラグ371に変形が生じることがなく、制度の高い波動歯車減速機50を提供できる。また、ボルト用孔306が貫通部304aを避けた位置に均等に配置されるため、ボルト用孔306と貫通部304aの穴径を共通化することで、誤組付けを防止できる。
[実施形態6]
次に、実施形態6について説明する。基本的な構成は実施形態1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図12は、実施形態6の波動発生プラグを表す図である。図12中、図(a)はC−C断面図、図(b)はストッパ部材300を駆動モータ22側からみた正面図である。
実施形態1では、波動発生プラグ371に形成された貫通油路370から波動発生プラグ371の駆動モータ22側を通して径方向外側に潤滑油を供給した。これに対し、実施形態6では、波動発生プラグ371に貫通油路を備えておらず、円環状部303の波動発生プラグ371側であって、軸方向から見たとき貫通部304aと重なる位置に、環状凸部302の外周とストッパ部材300外周とが連通するように形成された油溝304bを有する。そして、油溝304bと波動発生プラグ371との間の隙間を通して径方向外側に潤滑油を供給する。尚、実施形態1では、貫通部304aが4つ形成されていたが、実施形態6では、波動発生プラグ371の長軸に沿って2箇所のみ形成されている。
次に、潤滑油の供給ルートについて説明する。軸心油路110の開口110aから供給された潤滑油は、波動発生プラグ371の側面を通って鉛直方向下方に流れる。このとき、ストッパ部材300の貯留部301内に潤滑油が貯留され、潤滑油供給部となる貫通部304a内に潤滑油が溜まる。波動発生器37は、第2制御軸11に比べて十分高速に回転するため、潤滑油供給部内に溜まった潤滑油が貫通部304aから油溝304bを通って径方向外側に向けて飛散し、ボールベアリング372や、剛性内歯車38と可撓性外歯車36との噛合位置や、更に第2ハウジング20b側に収容されたボールベアリング37aにも供給される。
よって、実施形態1と同様の作用効果が得られるとともに、波動発生プラグ371に貫通油路を形成する必要がなく、波動発生プラグ371に対する加工工数を低減しつつ強度を確保できる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明の範囲内にある限り上記実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では、減速機として波動歯車減速機50を採用したが、他の減速機を採用した場合であっても、第2制御軸11より高速で回転する回転体に潤滑油の貯留部を形成する構成としてもよい。
以上説明した実施態様から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。
回転することで可変圧縮比機構の姿勢を変更する制御軸と、
電動モータと、
ハウジングと、
前記電動モータのモータ軸の回転速度を減速して前記制御軸に伝達する波動歯車減速機であって、前記ハウジングに設けられた内歯車と、前記モータ軸と一体に回転し外形が非円形の波動発生器と、前記波動発生器によって非円形に撓むとともに、前記内歯車と噛み合う外歯を有し、前記制御軸と連結した有底筒状の可撓性外歯車と、を有する波動歯車減速機と、
前記制御軸の内部に形成され、前記波動発生器に向けて開口し潤滑油を供給可能な供給油路と、
前記波動発生器に設けられ、前記供給油路から供給された潤滑油を貯留可能な貯留部と、該貯留部と連通し前記波動発生器の側面に潤滑油を供給可能な潤滑油供給部と、
を備えた。
より好ましい態様では、上記態様において、前記可撓性外歯車の内周側と前記波動発生器の外周側との間に第1転がり軸受を有し、
前記波動発生器は、前記第1転がり軸受の軸方向前記制御軸側への移動を規制するストッパを有し、
前記潤滑油供給部は、前記ストッパを軸方向に貫通する貫通部を含む。
さらに別の好ましい態様では、上記態様のいずれかにおいて、前記ストッパは、前記潤滑油供給部に潤滑油を導くガイド部を有する。
より好ましい態様では、上記態様において、前記潤滑油供給部と前記貯留部とが連通する径方向位置は、前記貯留部の径方向最外位置よりも内径側である。
さらに別の好ましい態様では、上記態様において、前記内歯車よりも軸方向の前記モータ側であって前記ハウジングと前記波動発生器との間に第2転がり軸受を設け、
前記ハウジングは、前記可変圧縮比機構のアクチュエータが内燃機関に取り付けられた状態での鉛直方向において、前記第2転がり軸受の摺動部よりも下側の位置に、潤滑油を前記ハウジングの外側に排出可能な排出孔を有する。
さらに別の好ましい態様では、上記態様において、前記潤滑油供給部は、前記波動発生器の周方向に複数形成され、軸方向に貫通する貫通油路である。
さらに別の好ましい態様では、上記態様において、前記波動発生器は軸方向から見た外形が楕円形であって、
軸方向から見たとき、前記貫通油路は、前記波動発生器の前記楕円形の長軸と重なる位置に設けられている。
より好ましい態様では、上記態様において、前記波動発生器の側面における前記潤滑油供給部の開口は、径方向において前記供給油路と前記第2転がり軸受の摺動部との間に位置する。
より好ましい態様では、上記態様において、前記ストッパは、前記波動発生器に圧入固定されている。
より好ましい態様では、上記態様において、前記ストッパは、前記波動発生器に複数のボルトで固定されている。
より好ましい態様では、上記態様において、前記複数のボルトは、周方向において前記潤滑油供給部を避けた位置に設けられる。
さらに別の好ましい態様では、上記態様において、前記ストッパは、前記波動発生器に一体形成されている。
さらに別の好ましい態様では、上記態様において、前記貫通油路の軸方向前記制御軸側開口は、前記貫通油路の軸方向前記モータ側開口より径方向内側に位置する。
また、他の観点から、本技術的思想の可変圧縮比機構のアクチュエータは、その1つの態様において、
回転することで可変圧縮比機構の姿勢を変更する制御軸と、
電動モータと、
ハウジングと、
前記電動モータのモータ軸の回転速度を減速して前記制御軸に伝達する減速機であって、前記モータ軸と一体に回転する入力部材と、前記入力部材と噛み合うと共に前記制御軸に回転力を伝達する出力部材と、を備えた減速機と、
前記減速機の噛み合い部分に対して軸方向の前記モータと反対側であって前記制御軸の内部に形成され、前記入力部材に向けて開口した供給油路と、
前記減速機の噛み合い部分に対して軸方向の前記モータ側であって前記ハウジングと前記入力部材の間に設けられた軸受と、
前記入力部材の前記減速機の噛み合い部分よりも径方向の内側に設けられ、軸方向に貫通する貫通油路と、
を備えた。
11 第2制御軸(制御軸、出力部材)
50 波動歯車減速機
22 駆動モータ
37 波動発生器
37a ボールベアリング(第1転がり軸受)
38 剛性内歯車
38a 内歯
36 可撓性外歯車
110 軸心油路
300 ストッパ部材
301 貯留部
303 円環状部
304 ストッパ部
304a 貫通部
304b 油溝
361 筒状部
361a 外歯
361a1 歯筋
370 貫通油路
371 波動発生プラグ
372 ボールベアリング(第2転がり軸受)
48 モータ駆動軸(入力部材)

Claims (14)

  1. 回転することで可変圧縮比機構の姿勢を変更する制御軸と、
    電動モータと、
    ハウジングと、
    前記電動モータのモータ軸の回転速度を減速して前記制御軸に伝達する波動歯車減速機であって、前記ハウジングに設けられた内歯車と、前記モータ軸と一体に回転し外形が非円形の波動発生器と、前記波動発生器によって非円形に撓むとともに、前記内歯車と噛み合う外歯を有し、前記制御軸と連結した有底筒状の可撓性外歯車と、を有する波動歯車減速機と、
    前記制御軸の内部に形成され、前記波動発生器に向けて開口し潤滑油を供給可能な供給油路と、
    前記波動発生器に設けられ、前記供給油路から供給された潤滑油を貯留可能な貯留部と、該貯留部と連通し前記波動発生器の側面に潤滑油を供給可能な潤滑油供給部と、
    を備えたことを特徴とする可変圧縮比機構のアクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の可変圧縮比機構のアクチュエータであって、
    前記可撓性外歯車の内周側と前記波動発生器の外周側との間に第1転がり軸受を有し、
    前記波動発生器は、前記第1転がり軸受の軸方向前記制御軸側への移動を規制するストッパを有し、
    前記潤滑油供給部は、前記ストッパを軸方向に貫通する貫通部を含む
    ことを特徴とする可変圧縮比機構のアクチュエータ。
  3. 請求項2に記載の可変圧縮比機構のアクチュエータであって、
    前記ストッパは、前記潤滑油供給部に潤滑油を導くガイド部を有する
    ことを特徴とする可変圧縮比機構のアクチュエータ。
  4. 請求項1に記載の可変圧縮比機構のアクチュエータであって、
    前記潤滑油供給部と前記貯留部とが連通する径方向位置は、前記貯留部の径方向最外位置よりも内径側である
    ことを特徴とする可変圧縮比機構のアクチュエータ。
  5. 請求項1に記載の可変圧縮比機構のアクチュエータであって、
    前記内歯車よりも軸方向の前記モータ側であって前記ハウジングと前記波動発生器との間に第2転がり軸受を設け、
    前記ハウジングは、前記可変圧縮比機構のアクチュエータが内燃機関に取り付けられた状態での鉛直方向において、前記第2転がり軸受の摺動部よりも下側の位置に、潤滑油を前記ハウジングの外側に排出可能な排出孔を有する
    ことを特徴とする可変圧縮比機構のアクチュエータ。
  6. 請求項1に記載の可変圧縮比機構のアクチュエータであって、
    前記潤滑油供給部は、前記波動発生器の周方向に複数形成され、軸方向に貫通する貫通油路である
    ことを特徴とする可変圧縮比機構のアクチュエータ。
  7. 請求項6に記載の可変圧縮比機構のアクチュエータであって、
    前記波動発生器は軸方向から見た外形が楕円形であって、
    軸方向から見たとき、前記貫通油路は、前記波動発生器の前記楕円形の長軸と重なる位置に設けられている
    ことを特徴とする可変圧縮比機構のアクチュエータ。
  8. 請求項5に記載の可変圧縮比機構のアクチュエータであって、
    前記波動発生器の側面における前記潤滑油供給部の開口は、径方向において前記供給油路と前記第2転がり軸受の摺動部との間に位置する
    ことを特徴とする可変圧縮比機構のアクチュエータ。
  9. 請求項2に記載の可変圧縮比機構のアクチュエータであって、
    前記ストッパは、前記波動発生器に圧入固定されている
    ことを特徴とする可変圧縮比機構のアクチュエータ。
  10. 請求項2に記載の可変圧縮比機構のアクチュエータであって、
    前記ストッパは、前記波動発生器に複数のボルトで固定されている
    ことを特徴とする可変圧縮比機構のアクチュエータ。
  11. 請求項10に記載の可変圧縮比機構のアクチュエータであって、
    前記複数のボルトは、周方向において前記潤滑油供給部を避けた位置に設けられる
    ことを特徴とする可変圧縮比機構のアクチュエータ。
  12. 請求項2に記載の可変圧縮比機構のアクチュエータであって、
    前記ストッパは、前記波動発生器に一体形成されている
    ことを特徴とする可変圧縮比機構のアクチュエータ。
  13. 請求項6に記載の可変圧縮比機構のアクチュエータであって、
    前記貫通油路の軸方向前記制御軸側開口は、前記貫通油路の軸方向前記モータ側開口より径方向内側に位置する
    ことを特徴とする可変圧縮比機構のアクチュエータ。
  14. 回転することで可変圧縮比機構の姿勢を変更する制御軸と、
    電動モータと、
    ハウジングと、
    前記電動モータのモータ軸の回転速度を減速して前記制御軸に伝達する減速機であって、前記モータ軸と一体に回転する入力部材と、前記入力部材と噛み合うと共に前記制御軸に回転力を伝達する出力部材と、を備えた減速機と、
    前記減速機の噛み合い部分に対して軸方向の前記モータと反対側であって前記制御軸の内部に形成され、前記入力部材に向けて開口した供給油路と、
    前記減速機の噛み合い部分に対して軸方向の前記モータ側であって前記ハウジングと前記入力部材の間に設けられた軸受と、
    前記入力部材の前記減速機の噛み合い部分よりも径方向の内側に設けられ、軸方向に貫通する貫通油路と、
    を備えたことを特徴とする可変圧縮比機構のアクチュエータ。
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