JP2021076176A - ボールねじ装置、およびステアリング装置 - Google Patents

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正樹 白井
俊治 井上
Toshiharu Inoe
俊治 井上
惇史 井上
Atsushi Inoue
惇史 井上
仲村 圭史
Keiji Nakamura
圭史 仲村
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Abstract

【課題】ボールねじ装置の耐久性の向上。【解決手段】ねじ軸体110と、ボールナット120と、ハウジング140と、ボールナット120を回転可能に保持する軸受170と、軸受170の外輪178の両端面にそれぞれ配置される環状の付勢部材190と、付勢部材190をそれぞれ保持し、軸受170の両端面とハウジング140との間に配置される環状の保持部材180と、を備え、保持部材180は、軸方向において、付勢部材190を押圧する押圧部182と、押圧部181の内周側に配置され、外輪178の端面と当接する当接部181と、押圧部182と当接部181とを接続し、軸受170から当接部181に加えられた力により押圧部182に対し当接部181を弾性的に変位させる弾性変形部183と、を備えるボールねじ装置100。【選択図】図3

Description

本発明は、ボールナットを回転させてねじ軸体を軸方向に移動させるボールねじ装置、およびボールねじ装置を備えたステアリング装置に関する。
ボールねじ装置の1つとして、外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸と、ねじ軸のねじ溝に複数のボールを介して螺合されたボールナットとを備え、ボールナットを回転させることによりねじ軸を直動させる装置がある。
例えばパワーステアリング装置に用いられるボールねじ装置は、ボールナットの軸方向の振動を抑制し、また、ステアリングホイールの切り始めにおける操舵感を向上することが望まれる。このため特許文献1に記載のボールねじ装置は、ボールナットを軸支する軸受を予圧状態の付勢部材で挟み込み、軸方向において軸受と共にボールナットが中立位置から両側にわずかに移動可能で、弾性力により再び中立位置に戻ることができる機構が採用されている。
特開2018−154310号公報
ところが、ボールねじ装置を長期間使用すると、ボールの転動面が摩耗してボールのスムーズな転動が妨げられ、ボールねじ装置の寿命が短くなる現象を見出すに至った。
そこで、発明者は鋭意研究、実験を重ねた結果、以下の知見を得た。即ち、ねじ軸に大きな逆入力が印加されると一方の付勢部材がつぶれ、ボールナットを保持する軸受の外輪が付勢部材を保持する保持部材に強く押しつけられる。保持部材は、軸受の外輪の内周側、および外周側の一方に当接し、剛体として外輪の一部を押し返すため、軸受がわずかに変形する。軸受が変形するとねじ軸に対するボールナットの姿勢、位置関係が変化するため、ボールのスムーズな転動を妨げ、ボールねじの転動面、ボールなどが摩耗してボールねじ装置の耐久性が低下することを見出した。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、逆入力によるボールナットの変位を抑制して耐久性を向上させたボールねじ装置、およびステアリング装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の1つであるボールねじ装置は、外周面部に第一ねじ溝を備えるねじ軸体と、前記第一ねじ溝と共に複数のボールが転動する転動路を形成する第二ねじ溝を内周面部に有するボールナットと、前記ねじ軸体、および前記ボールナットを収容するハウジングと、前記ハウジングに対し前記ボールナットを回転可能に保持する軸受と、前記軸受の外輪の両端面にそれぞれ配置される環状の付勢部材と、前記付勢部材をそれぞれ保持し、前記軸受の外輪の両端面と前記ハウジングとの間に配置される環状の保持部材と、を備え、前記保持部材は、前記軸受の軸方向において、前記付勢部材を押圧する押圧部と、前記押圧部の外周側、または内周側に配置され、前記軸受の外輪の端面と当接する当接部と、前記押圧部と前記当接部とを接続し、前記軸受から前記当接部に加えられた力により前記押圧部に対し前記当接部を弾性的に変位させる弾性変形部と、を備える。
また、上記目的を達成するために、本発明の他の一つであるステアリング装置は、外周面部に第一ねじ溝を備えるねじ軸体と、前記第一ねじ溝と共に複数のボールが転動する転動路を形成する第二ねじ溝を内周面部に有するボールナットと、前記ねじ軸体、および前記ボールナットを収容するハウジングと、前記ハウジングに対し前記ボールナットを回転可能に保持する軸受と、前記軸受の外輪の両端面にそれぞれ配置される環状の付勢部材と、前記付勢部材を嵌め合わせ状態でそれぞれ保持する環状の保持部材と、前記ハウジングに固定され前記ボールナットを回転駆動する駆動手段と、を備え、前記保持部材は、前記軸受の軸方向において、前記付勢部材を押圧する押圧部と、前記軸受の径方向において、前記押圧部の側方に配置され、前記軸受の外輪の端面と当接する当接部と、前記押圧部と前記当接部との間に配置され、前記軸受から前記当接部に加えられた力により弾性的に変形する弾性変形部と、を備える。
本発明によれば、逆入力により軸受の外輪が保持部材に強く押しつけられた場合は保持部材が弾性変形するため、軸受の変形によるボールナットの変位を抑制して耐久性を向上させることができる。
本実施の形態に係るステアリング装置の概略構成を示す図である。 本実施の形態に係るボールナット近傍を一部断面で示す図である。 本実施の形態に係る第一ハウジングと第二ハウジングとの連結部分の一部を示す断面図である。 図3に対応し、第一ハウジング、および第二ハウジングの連結前の状態を示す断面図である。 保持部材の他の例1を説明するためのボールナット近傍を一部断面で示す図である。 保持部材の他の例2を説明するためのボールナット近傍を一部断面で示す図である。 他の実施例に係るステアリング装置を示す図である。 他の実施例に係るステアリング装置を示す図である。
以下に、本発明に係るボールねじ装置を備えたステアリング装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、図面は、本発明を示すために適宜強調や省略、比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状や位置関係、比率とは異なる場合がある。
図1は、ステアリング装置を示す図である。図2は、ステアリング装置のボールナット近傍を一部断面で示す図である。これらの図に示すように、ステアリング装置100は、ステアリングホイールなどの操舵部材200の運転者の操作によるトルクと駆動手段150によるアシスト力に基づき転舵輪210を転舵させるパワーステアリング装置であり、ボールねじ装置としてねじ軸体110と、ボールナット120と、プーリー130と、ハウジング140と、を備えている。本実施の形態の場合、ステアリング装置100は、複数の軸体が自在継手により連結され、運転者の操作による操舵部材200の回転トルクをねじ軸体110に機械的に伝達するステアリングシャフト160と、回転トルクをアシストする駆動手段150と、を備えている。
ねじ軸体110は、外周面部の一部に第一ねじ溝111を備える棒状の部材である。ステアリング装置100に備えられるねじ軸体110は、タイロッド211を介して転舵輪210に接続され、転舵輪210を転舵する転舵軸体として機能する。また、ねじ軸体110の他部にはラック112が設けられており、ステアリングシャフト160の先端部に設けられたピニオン161と噛み合うラックアンドピニオン機構が形成される。ステアリング装置100は、ステアリングシャフト160を介して伝えられる回転トルクがねじ軸体110の直動に変換されると共に、駆動手段150によるアシスト力がねじ軸体110の直動に変換されるいわゆる電動パワーステアリング装置となっている。
ハウジング140は、ねじ軸体110、ボールナット120を収容する部材である。本実施の形態の場合、ハウジング140は、一体に成形されたブラケットを用いて車体に固定され、内側に収容したねじ軸体110を軸線方向にガイドする。ハウジング140は、例えばアルミニウム合金により形成される。また、ハウジング140の両端部には、ゴム等で形成された蛇腹管状のブーツ212が取り付けられている。ブーツ212によりハウジング140の長手方向の両開口端部が封止されているため、ハウジング140はある程度密閉された状態となり、内方に水、泥などが侵入することを防止している。
ハウジング140は、ねじ軸体110の軸方向(図中Y軸方向)において面接触状態で連結される筒状の第一ハウジング141、および筒状の第二ハウジング142と、を備えている。ここで、面接触状態で連結されるとは、第一ハウジング141の内側、および第二ハウジング142の内側において、嵌め合い構造(印ろう嵌合)がない状態で第一ハウジング141の端面と第二ハウジング142の端面とが面接触して連結される状態をいう。従って、連結された状態において、第二ハウジング142の内側に突出する第一ハウジング141の部分はなく、第一ハウジング141の内側に突出する第二ハウジング142の部分もない。本実施の形態の場合、第一ハウジング141と第二ハウジング142とが連結される面は一平面となっている。なお、ボールナット120やねじ軸体110が収容される内側以外の部分においては第一ハウジング141と第二ハウジング142とが嵌合しても構わない。本実施の形態の場合、第一ハウジング141と第二ハウジング142とはノックピンにより位置が合わせられている。
図3は、第一ハウジングと第二ハウジングとの連結部分の一部を示す断面図である。同図に示すように第一ハウジング141は、軸受170を保持し、軸受170を介してボールナット120を回転可能に保持するハウジング140の一部であり、軸受保持部143を備えている。
軸受保持部143は、軸受170をねじ軸体110の軸方向(図中Y軸方向)に摺動可能に保持する円筒状の部分であり、円柱状の空間を形成している。軸受保持部143の管軸は、軸受170、ボールナット120、およびねじ軸体110の軸と一致している。また、軸受保持部143の第二ハウジング142と反対側は、後述する保持部材180の一方と軸方向において当接する支持面部145となっている。
第二ハウジング142は、駆動手段150が取り付けられるハウジング140の一部であり、押圧部146を備えている。
押圧部146は、第一ハウジング141の軸受保持部143よりも径方向の内側に位置する領域を備える部分である。押圧部146の第一ハウジング141側の面は、第一ハウジング141、および第二ハウジング142の連結面と面一となっている。本実施の形態の場合、押圧部146は、後述のプーリー130の外側を囲むように配置される円筒形状(円環形状)の部分であり、周壁部にはプーリー130を駆動するためのベルト151が挿通される貫通状のスリットが二箇所設けられている。押圧部146の軸受保持部143よりも径方向の内側に位置する領域は、後述の保持部材180の他方を軸方向に真っ直ぐ押圧することができる領域である。
ボールナット120は、ねじ軸体110に設けられた第一ねじ溝111と対向状に設けられ、第一ねじ溝111と共に複数のボール121が転動する転動路を形成する第二ねじ溝122を内周面部に有する円筒状の部材である。ボールナット120の外周面部に形成された取付孔には、ボール121の環流路を形成する循環部材124が圧入状態で取り付けられている。
循環部材124には、転動路に連通する連通孔から掬い上げられたボール121を別所に設けられた連通孔まで案内して転動路に戻す環流路が形成されている。なお、循環路は、循環部材124の内部に形成されても良く、また取付孔の底面部に設けられた溝と循環部材124に対向状に設けられた溝とにより形成されても構わない。
ねじ軸体110に対してボールナット120を回転させた場合、循環部材124は、転動路から掬い上げたボール121をいずれか一方の連通孔を通じて環流路に導き、他方の連通孔を通じて転動路に排出する機能を有している。この環流路を介してボール121が転動路を無限循環することにより、低い摩擦抵抗でボールナット120の回転をねじ軸体110の直動に変換することが可能となっている。
ボールナット120は、ねじ軸体110が刺し通された状態でハウジング140に収容され、ハウジング140に軸受170を介して取り付けられている。ボールナット120は、ハウジング140に対しねじ軸体110の軸周りに回転する。ボールナット120の軸受170と反対側の端部にはプーリー130が嵌め込まれている。軸受170とプーリー130は軸方向に並んで配置されており、ボールナット120はハウジング140に対し軸受170を介して片持ち状態で保持されている。
軸受170は、第一ハウジング141とボールナット120の間に介在配置され、第一ハウジング141に対してボールナット120の一端部を回転可能に保持する。軸方向(図中Y軸方向)において、軸受170は、第一ハウジング141の軸受保持部143に対して摺動可能であり、ボールナット120に対しては固定されている。軸受170の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、外輪178と内輪179との間にボールが配置される玉軸受けが採用されている。
プーリー130は、ボールナット120の外周面部に嵌め合わされる円筒状の内周面部を有し、ねじ軸体110の軸方向(図中Y軸方向)においてボールナット120と締結される円筒状の部材である。
プーリー130は、駆動手段150から回転トルクが伝達されることによりねじ軸体110の軸周りに回転し、締結部材152の締結力によりボールナット120の端面に固定された円盤部131を介してボールナット120を回転させる。
なお、プーリー130の外周面には、歯溝などベルト151との力伝達効率を高める構造などが設けられていても構わない。
駆動手段150は、第二ハウジング142に固定されプーリー130を回転駆動する。本実施の形態の場合、駆動手段150は、モータと、モータの出力軸に取り付けられた駆動プーリー153と、駆動プーリー153と従動プーリーとして機能するプーリー130とに巻き掛けられた無端状のベルト151を備えている。
ステアリング装置100において、上記のねじ軸体110と、ボールナット120と、プーリー130とを備えるボールねじ装置と、プーリー130よりも径が小さい駆動プーリー153を備えた駆動手段150とによりアシスト機構が構成される。アシスト機構は、操舵部材200からの回転トルクをアシストするアシスト力を発生させる。具体的には、アシスト機構は次のような動作によりアシスト力をねじ軸体110に伝達する。つまり、モータによって駆動プーリー153を回転させると、ベルト151を介してプーリー130が回転する。プーリー130は駆動プーリー153よりも径大であるため減速状態となる。プーリー130と一体に組み付けられたボールナット120も回転する。ボールナット120がねじ軸体110に対して相対回転すると、ボール121がボールナット120、およびねじ軸体110から負荷(摩擦力)を受けて転動路及び環流路を無限循環する。このボール121の無限循環を通じて、ボールナット120に付与されたトルクがねじ軸体110の直動に変換され、ねじ軸体110がボールナット120に対して軸方向に相対移動する。すなわちねじ軸体110に軸方向の力が付与される。このねじ軸体110に付与される軸方向の力がアシスト力となって運転者のステアリング操作が補助される。
図3に示すように、軸受170の外輪の両端面にそれぞれ一対の付勢部材190が配置されている。付勢部材190は、第一ハウジング141の軸受保持部143に対する軸受170の軸方向の相対的な移動を所定範囲内に規制し、他から軸受170に力が加えられていない状態において軸受保持部143に対して軸受170がいずれの方向にも移動しうる中立位置に維持する。本実施の形態の場合、付勢部材190は、軸受170の外輪の両端面にそれぞれ接触状態で配置された環状の部材である。付勢部材190の材質は、本実施の形態の場合ゴムが用いられているが、これに限定されるものではなく、コイルバネや板バネなどのバネ、エラストマーなどを例示することができる。一対の付勢部材190は、相互に同じ大きさ、同じ形状、同じ弾性率のものが採用されている。
保持部材180は、環状の付勢部材190の軸が軸受170の軸と同軸に維持されるように保持する環状の部材である。保持部材180は、軸方向において、軸受170の外輪178の両端面とハウジング140との間にそれぞれ配置されている。保持部材180は、軸受170の外輪178の端面の外周部、または内周部と当接する当接部181と、軸受170の軸方向において、付勢部材190を押圧する押圧部182と、押圧部182と当接部181とを接続し、軸受170から当接部181に加えられた力により押圧部182に対し当接部181を弾性的に変位させる弾性変形部183と、を備えている。
本実施の形態の場合、保持部材180の断面は、L字形状の外側角部が大きく面取りされた形状となっている。面取りされた部分が弾性変形部183に該当し、弾性変形部183から軸方向(図中Y軸方向)に突出する矩形の部分が当接部181、径方向外側に向かって突出する矩形の部分が押圧部182となっている。なお、当接部181、押圧部182、弾性変形部183は一体である。
本実施の形態の場合、当接部181は、軸受170の外輪178の径方向における中央位置から内側の部分に当接している。軸方向において、当接部181の長さは、保持する付勢部材190の長さよりも短い。従って、付勢部材190が圧縮されていない状態においては、付勢部材190の一部が当接部181の先端面よりも突出した状態で付勢部材190は保持されている。
押圧部182は、軸受170の外輪178の径方向において軸受保持部143の内周面に摺動可能に当接している。押圧部182の径方向の長さは、付勢部材190の径方向の長さと一致している。付勢部材190が圧縮されていない状態においては、当接部181と軸受保持部143との間に付勢部材190は隙間無く配置され、付勢部材190は、一部が当接部181の先端面よりも突出した状態で保持されている。押圧部182は、軸方向においてハウジング140に対し固定状態で配置されており、軸受170の外輪178が押圧部182に近づくことで押圧部182は付勢部材190を押圧する。
弾性変形部183は、当接部181、および押圧部182よりも軸方向における弾性率が低い部分を備えている。具体的に例えば、逆入力はねじ軸体110を介して軸受170を軸方向に移動させる。付勢部材190が潰されて軸受170の外輪178が当接部181に軸方向の力を直接加え始めると、弾性変形部183は、当接部181、および押圧部182よりも先に弾性変形し、結果として押圧部182に対する当接部181の変位を許容する。弾性変形部183は、当接部181、および押圧部182と一体であり、同じ材料で構成されているため、弾性変形部183は、当接部181、および押圧部182よりも構造的に弱い部分を備えている。本実施の形態の場合、弾性変形部183は、保持部材180が切り欠かれた断面が仮想的に三角形の切欠部184によって形成されており、構造的に弱い部分は、断面において最も厚さの薄い部分であると考えられる。
また本実施の形態の場合、保持部材180に設けられた切欠部184は、当接部181の変位を許容する変位空間としても機能している。
保持部材180は、ハウジング140の軸受保持部143に摺動可能に嵌め合わされることにより、保持された付勢部材190の軸受保持部143に対する位置を決定する。一方の保持部材180は、第一ハウジング141の支持面部145に当接することにより軸受保持部143に対して不動状態で配置され、軸受170と外輪178との間に付勢部材190が配置される。他方の保持部材180は、軸受170に対し一方の保持部材180の反対側に配置され、軸受170と外輪178との間に付勢部材190が配置される。
本実施の形態における付勢部材190の予圧方法は以下の通りである。図4は、連結する前の第一ハウジング141と第二ハウジング142とを示す断面図である。同図に示すように、第一ハウジング141の軸受保持部143には予め付勢部材190が保持された保持部材180、および軸受170が軸受保持部143に挿入されている。図4に示す状態から軸方向において第一ハウジング141と第二ハウジング142とを連結することにより、第二ハウジング142の押圧部146が保持部材180を押圧し図3に示す状態にする。当該押圧力により付勢部材190は、保持部材180と軸受170の外輪178との間で圧縮され、均等に与圧される。
上記実施の形態で説明したボールねじ装置を備えたステアリング装置100によれば、付勢部材190は、当接部181、押圧部182、軸受保持部143、および軸受170の外輪178に囲まれ、圧縮による変形が規制されている。従って、逆入力により付勢部材190が強く圧縮されても付勢部材190の変形する余地がないため、付勢部材190の反発力が急激に高まり、軸受170の移動を強く規制することが可能となる。また、付勢部材190の形状が維持されるため、付勢部材190の座屈を防止することができる。
さらに強い逆入力により軸受170の外輪178が保持部材180に強く押しつけられる場合、弾性変形部183が変形して当接部181が軸方向に変位するため、付勢部材190よりも高い弾性率で軸受170を受け止めることができる。従って、軸受170の変形を抑制することができ、ボールナット120の位置ずれの発生を抑制して転動面におけるボール121のスムーズな流れを維持することができる。これにより、ボールねじ装置の耐久性を向上させることができる。
また、ボールナット120が回転していない状態においては、付勢部材190がそれぞれ軸受170を軸方向反対向きに押し合い、軸受170を中立位置に維持する。ボールナット120が回転を開始すると、付勢部材190の一方は圧縮されて予圧が増加し、他方は、伸長して予圧が弱まる。これによりボールナット120の軸方向の振動を抑制することができる。また、操舵部材200の切り始めにおける運転者の操舵感の低下を抑制することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
例えば、保持部材180の断面形状は、上記実施の形態に限定されるものではない。図5に示すように弾性変形部183は保持部材180が切り欠かれた断面が仮想的に矩形の切欠部184によって形成されてもよい。この場合、弾性変形部183は、断面が矩形の薄い環状の部分となる。
また、図6に示すようにハウジング140に変位空間185を設けてもかまわない。この場合、スリット上の切欠部184と変位空間185とは別の領域となる。
また、ハウジング140を組み立てる際の力を用いて付勢部材190の予圧を行う場合を実施の形態として説明したが、別途予圧を付与するための予圧付与部材を備えてもかまわない。例えば、軸受保持部143の開口近傍にねじを設け、予圧付与部材を外周面に雄ねじを有し、軸受保持部143に螺合する環状の部材とする。軸受保持部143に保持される、付勢部材190、および軸受170を配置した後、予圧付与部材を螺進させることにより付勢部材190を与圧してもかまわない。
また、ボールナット120をベルト駆動により回転させる場合を例示したが、これに限定されるものではなく、ギア駆動や、モータによる直接駆動など任意の駆動方法を採用することができる。
また、ステアリング装置100は、図7に示すように、操舵部材200とねじ軸体110とが機械的に連結されず、操舵部材200の回転角などをセンサ等で読み取り、センサ等の信号に基づいてねじ軸体110がボールナット120の回転により往復動し、転舵輪210を転舵するいわゆるSBW(Steer By Wire System)であってもよい。
さらに、ステアリング装置100は、図8に示すように、操舵部材200、ステアリングシャフト160などを備えず、コンピュータが操向を行う自動ステアリング装置であっても構わない。
本発明は、車両などのステアリング装置であって、人による操舵力をアシストすることができるステアリング装置、操舵部材と転舵輪とが機械的に接続されず、電気的に操舵されるSBW、自動ステアリング装置などに利用可能である。
100…ステアリング装置、110…軸体、111…第一ねじ溝、112…ラック、120…ボールナット、121…ボール、122…第二ねじ溝、124…循環部材、130…プーリー、131…円盤部、140…ハウジング、141…第一ハウジング、142…第二ハウジング、143…軸受保持部、145…支持面部、146…押圧部、150…駆動手段、151…ベルト、152…締結部材、153…駆動プーリー、160…ステアリングシャフト、161…ピニオン、170…軸受、178…外輪、179…内輪、180…保持部材、181…当接部、182…押圧部、183…弾性変形部、184…切欠部、185…変位空間、190…付勢部材、200…操舵部材、210…転舵輪、211…タイロッド、212…ブーツ

Claims (4)

  1. 外周面部に第一ねじ溝を備えるねじ軸体と、
    前記第一ねじ溝と共に複数のボールが転動する転動路を形成する第二ねじ溝を内周面部に有するボールナットと、
    前記ねじ軸体、および前記ボールナットを収容するハウジングと、
    前記ハウジングに対し前記ボールナットを回転可能に保持する軸受と、
    前記軸受の外輪の両端面にそれぞれ配置される環状の付勢部材と、
    前記付勢部材をそれぞれ保持し、前記軸受の外輪の両端面と前記ハウジングとの間に配置される環状の保持部材と、を備え、
    前記保持部材は、
    前記軸受の軸方向において、前記付勢部材を押圧する押圧部と、
    前記押圧部の外周側、または内周側に配置され、前記軸受の外輪の端面と当接する当接部と、
    前記押圧部と前記当接部とを接続し、前記軸受から前記当接部に加えられた力により前記押圧部に対し前記当接部を弾性的に変位させる弾性変形部と、を備える
    ボールねじ装置。
  2. 前記保持部材は、
    前記弾性変形部を形成する切欠部を備える
    請求項1に記載のボールねじ装置。
  3. 前記ハウジング、および前記保持部材の少なくとも一方に、前記当接部の変位を許容する変位空間を備える
    請求項1または2に記載のボールねじ装置。
  4. 外周面部に第一ねじ溝を備えるねじ軸体と、
    前記第一ねじ溝と共に複数のボールが転動する転動路を形成する第二ねじ溝を内周面部に有するボールナットと、
    前記ねじ軸体、および前記ボールナットを収容するハウジングと、
    前記ハウジングに対し前記ボールナットを回転可能に保持する軸受と、
    前記軸受の外輪の両端面にそれぞれ配置される環状の付勢部材と、
    前記付勢部材を嵌め合わせ状態でそれぞれ保持する環状の保持部材と、
    前記ハウジングに固定され前記ボールナットを回転駆動する駆動手段と、を備え、
    前記保持部材は、
    前記軸受の軸方向において、前記付勢部材を押圧する押圧部と、
    前記軸受の径方向において、前記押圧部の側方に配置され、前記軸受の外輪の端面と当接する当接部と、
    前記押圧部と前記当接部との間に配置され、前記軸受から前記当接部に加えられた力により弾性的に変形する弾性変形部と、を備える
    ステアリング装置。
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