JP2021076166A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この防振装置では、周波数が200Hz未満の低周波振動のうち、比較的周波数の高いアイドル振動が軸方向に入力されたときに、可動部材を収容室内で変形若しくは変位させつつ、液室の液体を、第1連通孔、および第2連通孔を流通させることで、アイドル振動を減衰、吸収し、また、比較的周波数の低いシェイク振動が軸方向に入力されたときに、液室の液体を、オリフィス通路を流通させることで、シェイク振動を減衰、吸収する。
また、複数の第1連通孔が、第1壁面において、筒状部材の内側に位置する内側部分、および筒状部材の外側に位置する外側部分の双方に開口しているので、第1壁面に多くの第1連通孔を配置することが可能になり、例えば低周波振動のうち比較的周波数の高いアイドル振動などを確実に減衰、吸収することができる。
また、第1壁面において、第1領域の平面積に占める第1連通孔の開口面積の割合と、第2領域の平面積に占める第1連通孔の開口面積の割合と、が互いに異なっているので、軸方向に交差する横方向のうち、前記中心軸線に対して、第1領域が位置している向きの振動が入力されたときと、第2領域が位置している向きの振動が入力されたときと、で、複数の第1連通孔のなかで、液体が比較的多く流通することとなる第1連通孔が変わることによって、液室全体の液体の流動の程度を異ならせることができる。これにより、横方向のうち、前記中心軸線に対して、第1領域が位置している向きの振動が入力されたときと、第2領域が位置している向きの振動が入力されたときと、で、発現する防振装置のばねを異ならせることができる。したがって、例えば、径方向のうちの前後方向と左右方向とで、弾性体のばね、および前記節部分の位置が異なる場合であっても、チューニングを容易に行うこと等ができる。
また、第1壁面から突出した筒状部材ではなく、第1壁面に形成された第1連通孔を設計することで、横方向のうち、前記中心軸線に対して、第1領域が位置している向きの振動が入力されたときと、第2領域が位置している向きの振動が入力されたときと、で、発現する防振装置のばねを異ならせることが可能になるので、筒状部材を設計して、このような作用効果を具備させる場合と比べて、設計上の制約を生じにくくすることができる。
図1に示すように、防振装置1は、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される筒状の第1取付部材11と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される第2取付部材12と、第1取付部材11および第2取付部材12を互いに弾性的に連結する弾性体13と、液体が封入された第1取付部材11内の液室19を、弾性体13を隔壁の一部に有する主液室14および副液室15に仕切る仕切部材16と、仕切部材16に設けられた収容室42内に変形可能若しくは変位可能に収容された可動部材41と、を備える液体封入型の防振装置である。
なお、第1取付部材11、第2取付部材12、および弾性体13はそれぞれ、平面視で円形状若しくは円環状を呈し、中心軸線Oと同軸に配置されている。
内筒部11aは、外筒部11b内に嵌合されている。下支持部11cは、環状に形成されている。下支持部11cの外周部の上面に、外筒部11bの下端開口縁が載置されている。第1取付部材11は全体で円筒状に形成されている。第1取付部材11は、図示されないブラケットを介して振動受部としての車体等に連結される。
なお、第1取付部材11および第2取付部材12の相対的な位置は、図示の例に限らず適宜変更してもよい。また、第2取付部材12の外径を、第1取付部材11の内径以上としてもよい。
弾性体13の軸方向の両端部に、第1取付部材11および第2取付部材12が各別に連結されている。弾性体13の上端部に第2取付部材12が連結され、弾性体13の下端部に第1取付部材11が連結されている。弾性体13は、第1取付部材11の上端開口部を閉塞している。弾性体13の下端部は、第1取付部材11の内筒部11aの内周面に連結されている。弾性体13の上端部は、第2取付部材12の下面に連結されている。弾性体13は、ゴム材料等により形成され、第1取付部材11および第2取付部材12に加硫接着されている。弾性体13の厚さは、上方から下方に向かうに従い、薄くなっている。なお、弾性体13は、例えば合成樹脂材料等で形成してもよい。
弾性体13の上端部に、第2取付部材12における外周面および上面を覆うストッパゴム13aが一体に形成されている。弾性体13およびストッパゴム13aには、第2取付部材12を囲う外殻体12aが埋設されている。
なお図示の例では、ダイヤフラム20の底部が、外周側で深く中央部で浅い形状になっている。ただし、ダイヤフラム20の形状としては、このような形状以外にも、従来公知の種々の形状を採用することができる。
可動部材41は、表裏面が軸方向を向く板状に形成されている。可動部材41は、軸方向から見て、中心軸線Oと同軸に配置された円形状を呈する。可動部材41は、例えばゴム、若しくは軟質樹脂等の弾性材料で形成されている。
上壁33は、上筒体31の下端開口縁における内周部に固定されている。上壁33に第1連通孔42aが形成されている。
下壁34は、下筒体32の上端開口縁における内周部に固定されている。下壁34に第2連通孔42bが形成されている。
なお、弾性体13の内周面13cとは、前述のように、下方から上方に向かうに従い、径方向の内側に向けて延びる部分であり、弾性体13の内周面13cの上端部とは、図示の例のように、主液室14を画成する、弾性体13の内面の上端部に、上方に向けて窪む窪み部が設けられている場合は、弾性体13の内面における窪み部の開口周縁部である。
筒状部材21は、第1壁面16bにおいて、隣り合う第1連通孔42a同士の間に位置する部分に連結され、第1連通孔42aと重複しないように配設されている。筒状部材21は、軸方向から見て、内周面および外周面が第1連通孔42aに接するように配置されている。
第1領域Xに開口する第1連通孔42aの開口面積の総和は、第2領域Yに開口する第1連通孔42aの開口面積の総和より大きい。
第2領域Yに開口する第1連通孔42aは、第2領域Yにおける全域にわたって同等の間隔D、Eをあけて複数配置されている。第2領域Yにおいて、互いに隣り合う第1連通孔42a同士の間隔D、Eは、これらの第1連通孔42aの内径より広くなっている。
なお、第1領域Xにおいて、互いに隣り合う第1連通孔42a同士の間隔B、Cを、第2領域Yにおいて、互いに隣り合う第1連通孔42a同士の間隔D、E以上としてもよい。
なお、第1領域Xにおいて、周方向の間隔Bおよび径方向の間隔Cは互いに異なってもよい。第2領域Yにおいて、周方向の間隔Dおよび径方向の間隔Eは互いに異なってもよい。
なお、各第1連通孔42aの流路断面積は、軸方向の位置ごとで異なっていてもよい。この場合、第1連通孔42aの流路断面積は、軸方向に沿う複数の位置での流路断面積の平均値で表すことができる。
なお、第1領域Xに開口する第1連通孔42aの流路長と、第2領域Yに開口する第1連通孔42aの流路長と、を互いに異ならせてもよい。
第1領域Xおよび第2領域Yは、第1壁面16bの全域に設けられている。第1領域Xおよび第2領域Yそれぞれの周方向の大きさは、互いに同じになっている。第1領域Xおよび第2領域Yそれぞれの平面積は、互いに同じになっている。第1領域Xおよび第2領域Yはそれぞれ、第1壁面16bにおいて、中心軸線Oを中心とする約90°の角度範囲に設けられている。第1領域Xおよび第2領域Yは、周方向に沿って交互に設けられている。第1領域Xおよび第2領域Yは、軸方向から見て扇形形状を呈する。なお、第1領域Xおよび第2領域Yは、軸方向から見て例えば四角形状等を呈してもよい。
なお、前後方向と左右方向とで、例えば弾性体13の厚さ若しくは長さを異ならせて、弾性体13のばねを異ならせてもよい。
また、筒状部材21の内径が、主液室14の最大内径Rの半分以上となっているので、軸方向の中周波振動を確実に減衰、吸収することができる。
前記実施形態において、第2領域Yの平面積に占める第1連通孔42aの開口面積の割合を、第1領域Xの平面積に占める第1連通孔42aの開口面積の割合より小さくしたままの状態で、第2領域Yに開口する第1連通孔42aの流路断面積を、第1領域Xに開口する第1連通孔42aの流路断面積以上としてもよい。
第1領域Xに開口する第1連通孔42aの流路長と、第2領域Yに開口する第1連通孔42aの流路長と、を互いに異ならせ、例えば、第1領域Xに開口する第1連通孔42aの流路長を、第2領域Yに開口する第1連通孔42aの流路長より短くしてもよい。
前記実施形態において、第1領域Xに開口する第1連通孔42aを流通する液体の流通抵抗を、第2領域Yに開口する第1連通孔42aを流通する液体の流通抵抗より低くしたままの状態で、第1領域Xに開口する第1連通孔42aの開口面積の総和を、第2領域Yに開口する第1連通孔42aの開口面積の総和以下とし、第1領域Xの平面積に占める第1連通孔42aの開口面積の割合を、第2領域Yの平面積に占める第1連通孔42aの開口面積の割合より小さくしてもよい。
第2領域Yに開口する第1連通孔42aの流通抵抗を、第1領域X側に位置する第1連通孔42aほど低くしてもよい。
第1領域Xおよび第2領域Yそれぞれの平面積を、互いに異ならせてもよい。
第1領域Xおよび第2領域Yの各個数は、前記実施形態に限らず適宜変更してもよい。
第1領域Xおよび第2領域Yの各位置は、前記実施形態に限らず、例えば、第1領域Xおよび第2領域Yを、軸方向から見て、中心軸線Oを一方向に挟んで対向する位置に各別に設ける等、適宜変更してもよい。
第1壁面16bは、第1領域Xおよび第2領域Yに限らず、液体の流通抵抗が、第1領域Xおよび第2領域Yに開口する第1連通孔42aとは異なる第1連通孔が開口する他の領域を含んでいてもよい。
また、弾性体13として、軸方向に延びる筒状に形成された構成を示したが、上下面を有する環状の板状に形成された構成を採用してもよい。
また、仕切部材16の上壁面に窪み部を形成したが、窪み部を形成しなくてもよい。
11 第1取付部材
12 第2取付部材
13 弾性体
14 主液室
15 副液室
16 仕切部材
16b 第1壁面
16f 内側部分
16g 外側部分
19 液室
21 筒状部材
24 オリフィス通路
41 可動部材
42 収容室
42a 第1連通孔
42b 第2連通孔
O 中心軸線
X 第1領域
Y 第2領域
Claims (4)
- 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される筒状の第1取付部材、および他方に連結される第2取付部材と、
これら両取付部材を弾性的に連結する弾性体と、
液体が封入された前記第1取付部材内の液室を、前記弾性体を隔壁の一部に有する主液室および副液室に、前記第1取付部材の中心軸線に沿う軸方向に仕切る仕切部材と、
前記仕切部材に設けられた収容室内に変形可能若しくは変位可能に収容された可動部材と、を備え、
前記仕切部材に、前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路と、前記主液室と前記収容室とを連通する複数の第1連通孔と、前記副液室と前記収容室とを連通する第2連通孔と、が形成され、
前記仕切部材において、前記第1連通孔が開口し、かつ前記主液室の内面の一部を構成する第1壁面に、前記弾性体に向けて前記軸方向に突出する筒状部材が配設され、
複数の前記第1連通孔は、前記第1壁面において、前記筒状部材の内側に位置する内側部分、および前記筒状部材の外側に位置する外側部分の双方に開口し、
前記第1壁面のうち、前記中心軸線回りに沿う周方向の第1領域、および前記第1領域と前記周方向の位置を異ならせて設けられた第2領域にそれぞれ、複数の前記第1連通孔が各別に開口し、
前記第1領域の平面積に占める前記第1連通孔の開口面積の割合と、前記第2領域の平面積に占める前記第1連通孔の開口面積の割合と、が互いに異なっている、防振装置。 - 前記第1領域に開口する前記第1連通孔の流路断面積と、前記第2領域に開口する前記第1連通孔の流路断面積と、が互いに異なっている、請求項1に記載の防振装置。
- 前記第1領域において、互いに隣り合う前記第1連通孔同士の間隔と、前記第2領域において、互いに隣り合う前記第1連通孔同士の間隔と、が互いに異なっている、請求項1または2に記載の防振装置。
- 前記軸方向から見て、前記第1領域は、前記中心軸線を一方向に挟んで対向する位置に各別に設けられるとともに、前記第2領域は、前記一方向に直交する他方向に前記中心軸線を挟んで対向する位置に各別に設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載の防振装置。
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