JP2021076091A - 水力発電所制御装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】河川の水位が洪水水位となったときの停止動作、及び河川の水位が取水再開水位に復帰したときの起動再開動作により、起動再開時の主機の昇速渋滞を抑制でき復旧作業を大幅に軽減できるようにすることである。【解決手段】あおり制御手段33は、河川の水位が洪水水位となると水車のガイドベーンの開閉操作を数回繰り返し行うあおり運転を行った後に主機19を停止し、増速アシスト制御手段34は、水槽15の水位が満水位になると水車のガイドベーンを開き、所定時間内に主機19が同期速度まで昇速しない場合はさらに水車のガイドベーンを余分に開く増速アシスト運転を行い、主機19が同期速度まで昇速すれば発電機を電力系統に併入し、増速アシスト運転を数回繰り返し行っても発電機が電力系統に併入できない場合は主機を停止する。【選択図】 図1

Description

本発明は、流れ込み式水力発電所の起動停止の制御を行う水力発電所制御装置及び方法に関する。
流れ込み式水力発電所では、河川の水位が洪水水位になると水車と発電機とを連結した主機を自動停止させ、河川の水位が取水再開水位になると主機を自動起動させるようにしている。
すなわち、河川の水位が洪水水位になり主機を自動停止させる場合には、取水口で発電用水の取水を停止し、取水口から水槽に至る導水路内の発電用水を引き込みながら水車のガイドベーンを徐々に閉方向に閉め込んでいって停止させる。
そして、河川の水位が取水再開水位になり主機を自動起動させる場合には、取水口で発電用水の取水を開始し、水槽水位が満水位となったら主機の水車のガイドベーンを「閉状態」から「開状態」とする。そして、主機が回転し始め所定の回転速度になると、主機の発電機を電力系統へ併入してガイドベーンを開き発電機の運転状態に入る。
ここで、洪水による発電用水は大量の異物を含んでいるので、主機の停止時に水車のガイドベーン間に大量の異物が詰まってしまい、異物によりガイドベーンの閉操作が適切にできない場合がある。ガイドベーン間に大量の異物が詰まった状態で主機を自動起動した場合には、所定時間経過しても主機の回転速度が規定回転速度(同期速度)に到達しないことがあり、その場合には自動起動した主機を停止するようにしている。
自動起動した主機が停止したときは、水力発電所に作業員が出向き復旧作業を行うことになるので時間とコストがかかる。そこで、落ち葉等の異物が水車内に堆積したことを検出し、堆積した異物の除去を自動的に行うようにしたものがある(特許文献1参照)。これは、現在の発電機出力とガイドベーン開度との関係が異物堆積時条件を満たすときは、ガイドベーン開度を一時的に開方向に変化させ、次いで閉方向に変化させるあおり動作制御を実行して、堆積していた異物を流水とともに流すようにしたものである。
特開2012−197703号公報
しかし、特許文献1のものでは、現在の発電機出力とガイドベーン開度との関係が異物堆積時条件を満たすときは、ガイドベーン開度を一時的に開方向に変化させ、次いで閉方向に変化させるあおり動作制御を実行して、堆積していた異物を流水とともに流すので、主機の通常運転中は異物を流水とともに流すことができるが、取水再開水位に戻った際の主機の起動再開動作においては、ガイドベーン間に詰まった異物を流水とともに流す動作を行っていないので、もし、異物がガイドベーン間に詰まっていた場合には、主機が自動起動しても規定回転速度に到達しないことがある。すなわち、主機が起動してから所定時間経過しても主機の回転速度が規定回転速度に到達しない場合には、結果的に主機を停止することになる。自動起動した主機が停止したときは、水力発電所に作業員が出向き復旧作業を行うことになるので時間とコストがかかる。
本発明の目的は、河川の水位が洪水水位となったときの停止動作及び河川の水位が取水再開水位に復帰したときの起動再開動作により、起動再開時の主機の昇速渋滞を抑制でき、復旧作業を大幅に軽減できる水力発電所制御装置及び方法を提供することである。
請求項1の発明に係わる水力発電所制御装置は、河川から取水口及び導水路を通して水槽に発電用水を導き、前記水槽から水圧管路を通して水車と発電機とを連結した主機の前記水車に発電用水を供給し、前記水車に連結された発電機を駆動して発電する流れ込み式水力発電所を制御する水力発電所制御装置において、河川の水位が洪水水位となると前記取水口から前記導水路に発電用水を取り込む取水口制水門を全閉し、前記河川の水位が取水再開水位になると前記取水口制水門を全閉から予め定められた所定開度とし、さらに前記水槽の水位が満水位になり前記発電機が起動し電力系統に併入すると取水口制水門を前記所定開度から前記導水路の水位に応じて最大許可水量開度まで徐々に開く取水口制水門開閉手段と、前記河川の水位が洪水水位となると前記河川の水を堰き止める堰堤に設けられた堰堤排砂門を全開し、前記河川の水位が取水再開水位になると前記堰堤排砂門を全開から小開とし、さらに前記水槽の水位が満水位になり前記発電機が電力系統に併入すると前記堰堤排砂門を小開から全閉にする堰堤排砂門開閉手段と、
前記河川の水位が洪水水位となると前記水車のガイドベーンの開閉操作を数回繰り返し行うあおり運転を行った後に前記主機を停止し、前記水槽の水位が満水位になると前記水車のガイドベーンを開き所定時間内に前記主機が同期速度まで昇速しない場合はさらに水車のガイドベーンを余分に開く増速アシスト運転を行い、前記主機が同期速度まで昇速すれば前記発電機を電力系統に併入し、前記増速アシスト運転を数回繰り返し行っても前記発電機が電力系統に併入できない場合は前記主機を停止する主機制御部を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明に係わる水力発電所制御装置は、請求項1の発明において、前記取水口制水門開閉手段は、
前記取水口制水門を全閉から前記所定開度としたにもかかわらず、一定時間内に前記主機が起動しない場合、または前記主機が起動して所定時間内に同期速度まで昇速したが前記発電機が電力系統に併入しない場合は、前記取水口制水門を前記所定開度から全閉にすることを特徴とする。
請求項3の発明に係わる水力発電所制御装置は、請求項1または請求項2の発明において、前記取水口の近傍に取水口側放流警報装置を設けるとともに、前記水車で仕事を終えた水を前記河川に放流する放水口の近傍に放水口側放流警報装置を設け、前記河川の水位が洪水水位となると前記取水口側放流警報装置及び前記放水口側放流警報装置に警報を発報し、前記河川の水位が取水再開水位になると前記取水口側放流警報装置及び前記放水口側放流警報装置に1回目の警報を発報し、前記水槽の水位が満水位になり前記主機の起動指令があると前記放水口側放流警報装置に2回目の警報を発報する警報発報手段を設けたことを特徴とする。
請求項4の発明に係わる水力発電所制御方法は、河川から取水口を通して水槽に発電用水を導き、前記水槽から水圧管路を通して水車と発電機とを連結した主機の前記水車に発電用水を供給し、前記水車に連結された発電機を駆動して発電する流れ込み式水力発電所を制御する水力発電所制御方法において、河川の水位が洪水水位となると前記取水口と前記水槽との間に設けられた取水口制水門を全閉にするとともに前記河川の水を堰き止める堰堤に設けられた堰堤排砂門を全開し、前記水車のガイドベーンの開閉操作を数回繰り返し行うあおり運転を行った後に前記主機を停止し、前記河川の水位が取水再開水位になると前記堰堤排砂門を全開から小開とするとともに前記取水口制水門を全閉から予め定められた所定開度とし、前記水槽の水位が満水位になると前記水車のガイドベーンを開き所定時間内に前記主機が同期速度まで昇速しない場合はさらに水車のガイドベーンを余分に開く増速アシスト運転を行い、前記主機が同期速度まで昇速すれば前記発電機を電力系統に併入し、前記取水口制水門を前記所定開度から導水路水位に応じて最大許可水量開度まで徐々に開くとともに前記堰堤排砂門を小開から全閉にし、前記増速アシスト運転を数回繰り返し行っても前記発電機が電力系統に併入できない場合は前記主機を停止することを特徴とする。
請求項5の発明に係わる水力発電所制御方法は、請求項4の発明において、前記取水口制水門を全閉から前記所定開度としたにもかかわらず、一定時間内に前記主機が起動しない場合、または前記主機が起動して所定時間内に同期速度まで昇速したが前記発電機が電力系統に併入しない場合は、前記取水口制水門を前記所定開度から全閉にすることを特徴とする。
請求項1の発明及び請求項4の発明によれば、河川の水位が洪水水位となると、取水口制水門を全閉し堰堤排砂門を全開にして、主機制御部は水車のガイドベーンの開閉操作を数回繰り返し行うあおり運転を行った後に主機を停止するので、水車のガイドベーン間に異物が詰まったままガイドベーンを全閉にすることを抑制できる。これにより、主機を起動する際に水車のガイドベーン間に詰まった異物による水車への発電用水の円滑な流水を阻害することを抑制できる。
また、河川の水位が取水再開水位になると堰堤排砂門を段階的に閉じ、取水口制水門を段階的に開き、主機制御部は、水槽の水位が満水位になると水車のガイドベーンを開き、所定時間内に主機が同期速度まで昇速しない場合はさらに水車のガイドベーンを余分に開く増速アシスト運転を行い、主機が同期速度まで昇速すれば発電機を電力系統に併入するので、水車のガイドベーン間に主機停止時のあおり運転で少量の異物が残っていたとしても発電機を電力系統に併入することができる。さらには、増速アシスト運転を数回繰り返し行っても発電機が電力系統に併入できない場合は主機を停止するので、水車のガイドベーン間に詰まった異物による主機の停止を少なくできる。
請求項2の発明及び請求項5の発明によれば、請求項1の発明及び請求項3の発明の効果に加え、河川の水位が取水再開水位になり、取水口制水門を全閉から所定開度としたにもかかわらず、一定時間内に主機が起動しない場合、または主機が起動して所定時間内に同期速度まで昇速したが発電機が電力系統に併入しない場合は、取水口制水門を所定開度から全閉にするので、取水口から水槽までの水路に異常(崩落、閉塞等による水路からの溢流)もしくは発電所側に異常がある場合に取水を停止でき安全が確保できる。この場合は、確認復旧のために作業員が現地の水力発電所に赴くことになる。
請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2の発明の効果に加え、警報発報手段は、河川の水位が洪水水位となると取水口側放流警報装置及び放水口側放流警報装置に警報を発報し、河川の水位が取水再開水位になると取水口側放流警報装置及び放水口側放流警報装置に1回目の警報を発報し、さらに、主機の起動指令があると放水口側放流警報装置に2回目の警報を発報するので、水力発電所の運用により変化する河川の水位変動を住民や釣り人に報知でき安全性を確保できる。
本発明の実施形態に係る水力発電所制御装置を流れ込み式水力発電所に適用した場合のブロック構成図。 本発明の実施形態に係る水力発電所制御装置で河川の水位が取水再開水位になり主機を自動起動する場合の動作の一例を示す動作説明図。 本発明の実施形態に係る水力発電所制御装置で河川の水位が取水再開水位になり主機を自動起動する場合の動作の他の一例を示す動作説明図。 本発明の実施形態に係る水力発電所制御装置で河川の水位が取水再開水位になり主機を自動起動する場合の動作の別の他の一例を示す動作説明図。 本発明の実施形態に係る水力発電所制御方法の一例を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の実施形態に係る水力発電所制御装置を流れ込み式水力発電所に適用した場合のブロック構成図である。流れ込み式水力発電所では、河川の上流側で堰堤11で水を堰き止めて貯水池12を形成し、貯水池12の水を取水口13から導水路14を経由して水槽15に導く。取水口13と水槽15との間の取水口側には取水口から導水路14に水を取り込むための取水口制水門16が設けられている。また、堰堤11には貯水池12の水を下流に流すための堰堤排砂門17が設けられている。水槽15に貯水された水は、水圧管路18を通して水車と発電機とを連結した主機19の水車に発電用水を供給し、水車に連結された発電機を駆動する。発電機で発電した電力は図示省略の電力系統に供給される。主機19の水車で仕事を終えた水は、放水路20を経由して放水口21から河川の下流側に放水される。また、取水口13の近傍には取水口側放流警報装置22が設けられ、放水口21の近傍には放水口側放流警報装置23が設けられている。取水口側放流警報装置22は水力発電所の運用により変化する取水口側の河川の水位変動を住民や釣り人に報知するものであり、放水口側放流警報装置23は水力発電所の運用により変化する放水口側の河川の水位変動を住民や釣り人に報知するものである。
河川の水位を検出する河川の水位検出計24が貯水池12に設けられ、河川の水位検出計24で検出された河川の水位は、本発明の実施形態に係る水力発電所制御装置26の河川水位判定手段27及び堰堤排砂門開閉手段30に入力される。また、水槽15の水位を検出する水槽15の水位検出計25が水槽15に設けられ、水槽15の水位検出計25で検出された水槽15の水位は、水槽水位判定手段28に入力される。導水路14の水位を検出する導水路14の水位検出計36が設けられ、導水路14の水位検出計36で検出された導水路14の水位は取水口制水門開閉手段29に入力される。
ここで、水力発電所制御装置26はシーケンサーPLC(Programmable Logic Controller)で構成される。シーケンサーは入力機器(スイッチやセンサ等)の信号の状態により、予め決められた条件(プログラム)に従い出力回路をコントロールすることができるものであり、予め決められた条件(プログラム)を変更することにより、ユーザーが自由に機器を制御することができるものである。
水力発電所制御装置26の河川水位判定手段27は、河川の水位が洪水水位になったか否かを判定し、また、河川の水位が取水再開水位になったか否かを判定する。河川の水位が洪水水位になったと判定したとき、または、河川の水位が取水再開水位になったと判定したときは、その判定結果を取水口制水門開閉手段29、堰堤排砂門開閉手段30、警報発報手段31、主機制御部32に出力する。一方、水力発電所制御装置26の水槽水位判定手段28は、水槽の水位が所定水位(満水位)になったか否かを判定し、水槽の水位が満水位になったと判定したときは、その判定結果を主機制御部32に出力する。
主機制御部32は、主機19の起動停止時の制御及び電力系統に主機19の発電機を併入した後の発電機出力を含めた主機19の全般の制御を行うものであり、図1では、主機19の制御手段のうち、本発明の実施形態に直接的に関連する、あおり制御手段33、増速アシスト制御手段34、主機起動停止手段35を抽出して図示している。主機制御部32は、発電機が電力系統に併入したら取水口制水開閉手段29、堰堤排砂門開閉手段30にその旨を出力する。
また、図1では、図示を省略するが、水力発電所と監視制御室との間には遠方監視制御装置が設けられ、この遠方監視制御装置により水力発電所の運転状況が監視制御室に報知されている。例えば、水力発電所の起動停止、取水口制水門や堰堤排砂門の開閉状態などは監視制御室に報知されている。
次に、河川の水位が洪水水位になった場合を説明する。取水口制水門開閉手段29は、河川水位判定手段27から河川の水位が洪水水位になったとの判定結果が入力されると取水口制水門16を全閉にする。これは、河川の水位が洪水水位のときは主機19を停止するためである。堰堤排砂門開閉手段30は、河川水位判定手段27から河川の水位が洪水水位になったとの判定結果が入力されると堰堤排砂門を全開する。これは、河川の水位が洪水水位のときは貯水池12の水量が増加するので、貯水池12の水を下流に流すためである。
警報発報手段31は、河川水位判定手段27から河川の水位が洪水水位になったとの判定結果が入力されると取水口側放流警報装置22及び放水口側放流警報装置23に警報を発報し住民や釣り人に報知する。これは、河川の水位が洪水水位となると堰堤排砂門が全開するので、河川に流れる水量が増加し、また、あおり運転に伴う水槽15からの越流での河川の水位変動が発生するためである。
主機制御部32は、河川水位判定手段27から河川の水位が洪水水位になったとの判定結果を入力すると、まず、あおり制御手段33を起動し、主機19の水車のガイドベーンの開閉操作を数回繰り返し行うあおり運転を行う。あおり運転を行うのは、主機停止時に水車のガイドベーン間の異物を流水とともに流し、主機19を起動する際に水車への発電用水の流水を阻害しないようにするためである。すなわち、洪水による大量の異物を含んだ発電用水を引き込みながら主機起動停止手段35により水車ガイドベ−ンを徐々に閉方向に閉め込んでいって停止させると、主機19の停止時に水車ガイドベ−ン間に大量の異物が詰まり、ガイドベ−ンが全閉できずに水車を完全停止できない場合がある。また、正常に水車を停止できた場合においても、次の発電再開のために水車を起動する際に、ガイドベ−ン間に詰まった異物が支障となり発電用水が円滑に水車に流れ込まず発電機が起動できない場合がある。さらには、水車を起動しても水車の回転速度が同期速度まで円滑に到達できずに発電再開できないという事象に陥ることがある。そこで、主機制御部32は、これらのトラブル回避のためにあおり運転を行い、その後に主機19を停止する。
次に、河川の水位が取水再開水位になった場合を説明する。堰堤排砂門開閉手段30は、河川水位判定手段27から河川の水位が取水再開水位になったとの判定結果が入力されると堰堤排砂門を全開から小開とし、さらに主機19の発電機が電力系統に併入すると、堰堤排砂門を小開から河川の水位(堰堤の水位)に応じて全閉にする。なお、堰堤の水位は、河川の水位検出計24で河川の水位として検出され堰堤排砂門開閉手段30に入力される。
取水口制水門開閉手段29は、河川水位判定手段27から河川の水位が取水再開水位になったとの判定結果が入力されると取水口制水門16を全閉から所定開度とし、さらに水槽15の水位が満水位になると主機19を起動させる。そして、主機19の発電機が電力系統に併入すると、取水口制水門を所定開度から導水路の水位に応じて最大許可水量開度まで徐々に開く。所定開度は、例えば、主機19を低負荷で運転できる主機低負荷運転開度である。これは、少ない取水量で主機を起動させ、主機の発電機を電力系統に併入後、徐々に取水量を増加させることで放水口側の河川の水位の変動を緩やかにするためである。取水口制水門の全開は、河川から許可最大取水量を取水できる状態であり、もし、河川からの取水量が許可最大取水量を超えるときは取水口制水門を閉める方向に閉操作することになる。一方、河川の流量が許可最大取水量を上回っているが河川からの取水量が少ないときは取水口制水門を開く方向に開操作することになる。河川からの取水量の調整については、本出願人の先の出願である特願2018−61318号に開示している。
ここで、取水口制水門開閉手段29は、取水口制水門16を全閉から所定開度としたにもかかわらず、一定時間内に主機19が起動しない場合は、取水口13から水槽15までの導水路14に異常(崩落、閉塞等による水路からの溢流)、もしくは、発電所側での異常があると推測判断し、所定開度とした取水口制水門を「全閉」にする。この場合の発電所側での異常としては、例えばガイドベーン操作機構の異常が考えられる。このような場合には、主機起動停止手段35から起動指令が出力されても主機19は起動しないからである。
一方、取水口13から水槽15までの導水路14に異常がなく、主機が起動して所定時間内に同期速度まで昇速したが発電機が電力系統に併入しない場合は、発電所側に異常があると推測判断し、所定開度とした取水口制水門を「全閉」にする。この場合の発電所側での異常としては、発電機の異常や電力系統に併入するための遮断器の異常などが考えられる。これらの場合は、確認復旧のために作業員が現地の水力発電所に赴くことになる。
水槽15の水位が満水位になると、主機起動停止手段35は主機19の水車に起動指令を出力することになるが、導水路14に異常があると水槽15の水位が満水位にならないので、主機起動停止手段35は起動指令を出力することができない。従って、主機19は起動しない。そこで、取水口制水門16を全閉から所定開度としてから、一定時間内に主機19が起動されない場合は、取水口制水門を「全閉」にする。
また、起動指令が出力され主機19の水車が起動され、水車が所定時間内に同期速度まで昇速したが発電機が電力系統に併入しない場合は、発電所側に異常があると推測できる。そこで、主機が起動して所定時間内に同期速度まで昇速したが発電機が電力系統に併入しない場合は、取水口制水門を「全閉」にする。
警報発報手段31は、河川水位判定手段27から河川の水位が取水再開水位になったとの判定結果が入力されると、取水口側放流警報装置22及び放水口側放流警報装置23に1回目の警報を発報し、主機起動停止手段35により主機19の起動指令が出力されると放水口側放流警報装置23に2回目の警報を発報する。これは、主機19の運転再開により放水口21から河川に水が流れ始めるからである。
主機制御部32は、水槽水位判定手段28から水槽の水位が満水位になったとの判定結果が入力されると、主機起動停止手段35により起動指令を出力し主機19の水車のガイドベーンの開操作を行う。そして、主機起動停止手段35の起動指令によるガイドベーンの開により所定時間内に主機19が電力系統の同期速度まで昇速した場合は主機起動停止手段35は主機19の発電機を電力系統に併入する。所定時間内に主機19が電力系統の同期速度まで昇速しない場合は、主機制御部32は、増速アシスト制御手段34を起動する。増速アシスト制御手段34は、主機起動停止手段35の起動指令によるガイドベーンの開度に加えさらに水車のガイドベーンを余分に開く動作を数回繰り返し行う増速アシスト運転を行う。この増速アシスト運転により、主機19が同期速度まで昇速すれば主機起動停止手段35は主機19の発電機を電力系統に併入する。一方、主機制御部32は、増速アシスト運転を数回繰り返し行っても主機19が同期速度まで昇速しない場合は、主機19を故障停止とする。この場合は、故障停止した主機19の確認復旧のために作業員が現地の水力発電所に赴くことになる。
図2は、本発明の実施形態に係る水力発電所制御装置で河川の水位が取水再開水位になり主機を自動起動する場合の動作の一例を示す動作説明図である。図2に示す一例は、ガイドベーン間に少量の異物が詰まっている状態で主機19を起動し、増速アシスト運転を所定回数(例えば3回)行って主機19の発電機を電力系統に併入した場合を示している。前述したように、河川の水位が取水再開水位になった場合には、取水口制水門開閉手段29により取水口制水門16を全閉から所定開度とし、さらに水槽15の水位が満水位になると主機制御部32の主機起動停止手段35により主機19の水車を起動する。
図2において、時点t1において、河川の水位が取水再開水位になり水槽15の水位が満水位になると、水力発電所制御装置26の主機制御部32は主機起動停止手段35を起動し、主機19の起動準備条件を確認し主機19の起動指令(主機起動ON指令)を出力する。これにより、主機19の水車の入口弁が開き始める。
時点t2において、入口弁が全開し同時に主機19の調速機が起動すると、調速機によりガイドベーンが開き始めるので水車は昇速し始める。そして、時点t2から所定時間T1内に主機19の回転速度Nが電力系統の同期速度Nsまで昇速した場合は主機19の発電機を電力系統に併入することになるが、図2の場合には、時点t2から所定時間T1を経過した時点t3において、主機19の回転速度Nが電力系統の同期速度Nsまで昇速していないので、水力発電所制御装置26の主機制御部32は増速アシスト制御手段34を起動する。
増速アシスト制御手段34は、主機起動停止手段35の起動操作によるガイドベーンの開度に加え、時点t3において、さらに水車のガイドベーンを余分に開く1回目の増速アシスト運転を行う。そして、1回目の増速アシスト運転により、時点t3から所定時間T2経過後の時点t4までに主機19の回転速度Nが電力系統の同期速度Nsまで昇速した場合は主機19の発電機を電力系統に併入することになるが、図2の場合には、時点t4において、主機19の回転速度Nが電力系統の同期速度Nsまで昇速していないので、時点t4において、さらに水車のガイドベーンを余分に開く2回目の増速アシスト運転を行う。
そして、2回目の増速アシスト運転により、時点t4から所定時間T2経過後の時点t5までに主機19の回転速度Nが電力系統の同期速度Nsまで昇速した場合は主機19の発電機を電力系統に併入することになるが、図2の場合には、時点t5において、主機19の回転速度Nが電力系統の同期速度Nsまで昇速していないので、時点t5において、さらに水車のガイドベーンを余分に開く3回目の増速アシスト運転を行う。
この3回目の増速アシスト運転により、時点t5から所定時間T2内に主機19の回転速度Nが同期速度Nsまで昇速すれば主機起動停止手段35は主機19の発電機を電力系統に併入する。図2の場合には、時点t5から所定時間T2内の時点t5aにおいて、主機19の回転速度Nが電力系統の同期速度Nsまで昇速しているので、時点t5aにおいて、主機起動停止手段35は主機19の発電機を電力系統に併入する。
以上の説明では、増速アシスト運転を3回行って主機19の発電機を電力系統に併入した場合について説明したが、時点t2から所定時間T1を経過した時点t3以前に、主機19の回転速度Nが電力系統の同期速度Nsまで昇速した場合には、増速アシスト運転を行うことなく発電機を電力系統に併入する。また、1回目の増速アシスト運転により、時点t3から所定時間T2経過後の時点t4までに主機19の回転速度Nが電力系統の同期速度Nsまで昇速した場合は、2回目の増速アシスト運転を行うことなく発電機を電力系統に併入する。さらに、2回目の増速アシスト運転により、時点t4から所定時間T2経過後の時点t5までに主機19の回転速度Nが電力系統の同期速度Nsまで昇速した場合は、3回目の増速アシスト運転を行うことなく発電機を電力系統に併入する。
次に、図3は、本発明の実施形態に係る水力発電所制御装置で河川の水位が取水再開水位になり主機を自動起動する場合の動作の他の一例を示す動作説明図である。図3に示す他の一例は、ガイドベーン間に異物が詰まっている状態で主機19を起動し、増速アシスト運転を3回行っても主機19の発電機を電力系統に併入できなかった場合を示している。
図3において、時点t1〜時点t5の動作は、図2に示した動作と同じであるので説明を省略する。図2の場合には、時点t5での3回目の増速アシスト運転により、時点t5から所定時間T2内の時点t5aにおいて、主機19の回転速度Nが電力系統の同期速度Nsまで昇速したので、時点t5aにおいて主機19の発電機を電力系統に併入した。一方、図3の場合には、時点t5から所定時間T2経過後の時点t6までに主機19の回転速度Nが電力系統の同期速度Nsまで昇速していないので、時点t6において主機制御部32の主機起動停止手段35は主機19を故障停止とする。この場合は、停止した主機19の確認復旧のために作業員が現地の水力発電所に赴くことになる。
図4は、本発明の実施形態に係る水力発電所制御装置で河川の水位が取水再開水位になり主機を自動起動する場合の動作の別の他の一例を示す動作説明図である。図4に示す別の他の一例は、ガイドベーン間に異物が詰まっておらず完全に全閉している状態で主機19を起動した場合を示している。
図4において、時点t1において、河川の水位が取水再開水位になり水槽15の水位が満水位になると、水力発電所制御装置26の主機制御部32の主機起動停止手段35は主機19の起動準備条件を確認し主機起動ON指令を出力する。これにより、主機19の水車の入口弁が開き始める。時点t2において、入口弁が全開し同時に主機19の調速機が起動すると、調速機によりガイドベーンが開き始めるので水車は昇速し始める。この場合、ガイドベーン間には異物が詰まっていないので、時点t2から所定時間T1内の時点t2aで主機19の回転速度Nが電力系統の同期速度Nsまで昇速する。この時点t2aで主機起動停止手段35は発電機を電力系統に併入する。
次に、本発明の実施形態に係る水力発電所制御方法を説明する。図5は、本発明の実施形態に係る水力発電所制御方法の一例を示すフローチャートである。図5において、まず、河川の水位が洪水水位となったか否かを判定する(S1)。この判定は、水力発電所制御装置26の河川水位判定手段27で行われる。河川水位判定手段27は貯水池12に設けられた河川の水位検出計24により検出された河川の水位を入力し、河川の水位が予め定められた洪水水位となったか否かを判定する。河川の水位が洪水水位になっていないときは所定遅延時間(図示省略)後にステップS1に戻る。
河川の水位が洪水水位となったと判定されたときは、取水口制水門を全閉にするとともに堰堤排砂門を全開にする(S2)。この取水口制水門16の全閉は取水口制水門開閉手段29により行われ、堰堤排砂門17の全開は堰堤排砂門開閉手段30により行われる。
そして、あおり運転を行った後に主機19を停止する(S3)。あおり運転は主機制御部のあおり制御手段33により行われる。あおり運転は水車のガイドベーンを短時間内で開閉操作を数回繰り返し行う運転である。あおり運転を行った後に主機制御部32の主機起動停止手段35は主機19を停止する。このように、河川の水位が洪水水位となったときには、これらステップS1〜S3の動作により、水力発電所制御装置26は主機19を自動的に停止する。
次に、河川の水位が洪水水位から取水再開水位に復帰し主機19を自動的に起動する場合について説明する。河川の水位が取水再開水位となったか否かを判定する(S4)。この判定は、水力発電所制御装置26の河川水位判定手段27により行われる。河川水位判定手段27は河川の水位検出計24により検出された河川の水位が予め定められた取水再開水位に復帰したか否かを判定する。河川の水位が取水再開水位に復帰していないときは、所定遅延時間(図示省略)後にステップS4に戻る。
河川の水位が取水再開水位に復帰したと判定されたときは、堰堤排砂門を全開から小開とするとともに取水口制水門を全閉から所定開度とする(S5)。この取水口制水門16の全閉から所定開度は取水口制水門開閉手段29により行われ、堰堤排砂門17の全開から小開は堰堤排砂門開閉手段30により行われる。
そして、一定時間内に主機19が起動したか否かを判定する(S6)。一定時間内に主機19が起動しない場合は、取水口制水門を全閉にする(S14)。これは、取水口制水門を全閉から所定開度としたにもかかわらず一定時間内に主機19が起動しない場合は、取水口13から水槽15までの導水路14に異常もしくは発電所側の異常が推測されるからである。
すなわち、取水口制水門16を全閉から所定開度とすると、取水口13から水槽15までの導水路14に異常(崩落、閉塞等による水路からの溢流)がなければ水槽15の水位が満水位となるので主機制御部32の主機起動停止手段35は主機19の水車に起動指令を出力することになる。しかし、水槽15の水位が満水位とならない場合には主機制御部32の主機起動停止手段35は起動指令を出力できないので主機19は起動しないからである。また、発電所側の異常の場合、例えばガイドベーン操作機構が異常の場合、主機起動停止手段35から起動指令が出力されても主機19は起動されないからである。
ステップS6の判定で、一定時間内に主機19が起動したときは、主機19の水車のガイドベーンが開き主機19の水車は回転し始め昇速する。主機19が起動してから、所定時間内に主機19が同期速度まで昇速したか否かを判定する(S7)。この判定は主機起動停止手段35により行われる。所定時間内に主機19が同期速度まで昇速した場合は、発電機を電力系統に併入したか否か判定する(S8)。発電機を電力系統に併入した場合には、取水口制水門16を所定開度から最大許可水量開度まで徐々に開くとともに堰堤排砂門17を小開から全閉にする(S9)。すなわち、取水口制水門開閉手段29は、導水路14の水位検出計36で検出された導水路14の水位に応じて取水口制水門16を所定開度から最大許可水量開度まで徐々に開く。また、堰堤排砂門開閉手段30は、河川の水位検出計24で検出された河川の水位(堰堤の水位)に応じて堰堤排砂門17を小開から全閉にする。
これにより、河川から許可最大取水量を取水できる取水口制水門16の開度の状態で、河川からの取水量を取水しつつ、主機制御部32は、主機19の水車のガイドベーン開度を調整して主機19の水車に水を供給開始するので、発電機は許可最大取水量での運転となる(S10)。なお、前述したように、もし、河川からの取水量が許可最大取水量を超えるときは、取水口制水門開閉手段29は取水口制水門16を閉める方向に閉操作することになるが、発電機は、そのときの許可最大取水量で運転されることになる。このように、河川の水位が洪水水位で停止した後に、水力発電所は自動で復帰し、河川の水位が洪水水位になる前の状態で運転される。
次に、ステップS7の判定で、所定時間内に主機19が同期速度まで昇速しなかった場合は、主制御部32の増速アシスト制御手段34は増速アシスト運転を行う(S11)。増速アシスト運転は、主機起動停止手段35の起動操作によるガイドベーンの開度に加え、さらに主機19の水車のガイドベーンを余分に開く運転であり、増速アシスト制御手段34は増速アシスト運転を行う度に、増速アシスト運転は所定回数を超えたか否かを判定する(S12)。
増速アシスト制御手段34は、増速アシスト運転が所定回数を超え増速アシスト運転を行ってから所定時間T2内に主機19が同期速度まで昇速しないときに主機19を故障停止とする(S13)。所定回数は、例えば3回である。3回もあおり運転を行っても主機19が同期速度まで昇速しない場合は、主機19の水車のガイドベーン間に詰まった異物が除去できていない可能性が高いからである。その後に、取水口制水門16を所定開度から全閉にする(S14)。取水口制水門16の所定開度から全閉は、取水口制水門開閉手段29により行われる。これにより、取水停止状態となる。
次に、ステップS8の判定で、発電機を電力系統に併入していないときは、主機19が起動して所定時間内に同期速度まで昇速したが発電機が電力系統に併入しない状態であるので、発電所側に異常があると推測判断し、主機19を故障停止とし(S13)、取水口制水門16を全閉にする(S14)。
以上述べたように、本発明の実施形態によれば、河川が洪水になったときに水力発電所を自動停止するにあたり、主機19の水車のガイドベーンの開閉操作を数回繰り返し行うあおり運転を行った後に主機19を停止するので、主機19の水車のガイドベーン間に異物が詰まったまま主機19の水車のガイドベーンを全閉にすることを抑制できる。これにより、主機19を再起動する際に主機19の水車のガイドベーン間に詰まった異物による主機19の水車への発電用水の円滑な流水を阻害することを抑制できる。
また、河川の水位が取水再開水位に復帰したときに、水力発電所を自動起動するにあたり、水槽15の水位が満水位になり主機19の起動指令があると主機19の水車のガイドベーンを開き、所定時間内に主機19が同期速度まで昇速しない場合は、さらに主機19の水車のガイドベーンを余分に開く増速アシスト運転を数回繰り返し行う。数回の増速アシスト運転にて主機19が同期速度まで昇速すれば発電機を電力系統に併入するので、主機19の水車のガイドベーン間に主機停止時のあおり運転で少量の異物が残っていたとしても発電機を電力系統に併入することができる。増速アシスト運転を数回繰り返し行っても発電機が電力系統に併入できない場合に初めて主機19を故障停止とするので、作業員が現地の水力発電所に赴く回数を軽減できる。
また、河川の水位が洪水水位となると取水口側放流警報装置22及び放水口側放流警報装置23に警報を発報するので、洪水となったときに、水力発電所の運用により変化する取水口側及び放水口側での河川の水位変動を住民や釣り人に報知でき安全性を確保できる。一方、河川の水位が取水再開水位になると取水口側放流警報装置22及び放水口側放流警報装置23に1回目の警報を発報し、さらに、主機19の起動指令があると放水口側放流警報装置23に2回目の警報を発報するので、水力発電所の運用により変化する放水口側での河川の水位変動を住民や釣り人に報知でき安全性を確保できる。
11…堰堤、12…貯水池、13…取水口、14…導水路、15…水槽、16…取水口制水門、17…堰堤排砂門、18…水圧管路、19…主機、20…放水路、21…放水口、22…取水口側放流警報装置、23…放水口側放流警報装置、24…河川の水位検出計、25…水槽の水位検出計、26…水力発電所制御装置、27…河川水位判定手段、28…水槽水位判定手段、29…取水口制水門開閉手段、30…堰堤排砂門開閉手段、31…警報発報手段、32…主機制御部、33…あおり制御手段、34…増速アシスト制御手段、35…主機起動停止手段、36…導水路の水位検出計
請求項1の発明に係わる水力発電所制御装置は、河川から取水口及び導水路を通して水槽に発電用水を導き、前記水槽から水圧管路を通して水車と発電機とを連結した主機の前記水車に発電用水を供給し、前記水車に連結された発電機を駆動して発電する流れ込み式水力発電所を制御する水力発電所制御装置において、河川の水位が洪水水位となると前記取水口から前記導水路に発電用水を取り込む取水口制水門を全閉し、前記河川の水位が取水再開水位になると前記取水口制水門を全閉から予め定められた所定開度とし、さらに前記水槽の水位が満水位になり前記発電機が起動し電力系統に併入すると取水口制水門を前記所定開度から前記導水路の水位に応じて最大許可水量開度まで徐々に開く取水口制水門開閉手段と、前記河川の水位が洪水水位となると前記河川の水を堰き止める堰堤に設けられた堰堤排砂門を全開し、前記河川の水位が取水再開水位になると前記堰堤排砂門を全開から小開とし、さらに前記水槽の水位が満水位になり前記発電機が電力系統に併入すると前記堰堤排砂門を小開から全閉にする堰堤排砂門開閉手段と、前記河川の水位が洪水水位となると前記水車のガイドベーンの開閉操作を数回繰り返し行うあおり運転を行った後に前記主機を停止し、前記水槽の水位が満水位になると前記水車のガイドベーンを開き所定時間内に前記主機が同期速度まで昇速しない場合はさらに水車のガイドベーンを余分に開く増速アシスト運転を行い、前記主機が同期速度まで昇速すれば前記発電機を電力系統に併入し、前記増速アシスト運転を数回繰り返し行っても前記発電機が電力系統に併入できない場合は前記主機を停止する主機制御部を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明に係わる水力発電所制御装置は、請求項1の発明において、前記取水口制水門開閉手段は、前記河川の水位が前記取水再開水位になったときは前記取水口制水門を全閉から前記所定開度とし、前記取水口制水門を全閉から前記所定開度としたにもかかわらず、一定時間内に前記主機が起動しない場合、または前記主機が起動して所定時間内に同期速度まで昇速したが前記発電機が電力系統に併入しない場合は、前記取水口制水門を前記所定開度から全閉にすることを特徴とする。
請求項5の発明に係わる水力発電所制御方法は、請求項4の発明において、前記河川の水位が前記取水再開水位になったときは前記取水口制水門を全閉から前記所定開度とし、前記取水口制水門を全閉から前記所定開度としたにもかかわらず、一定時間内に前記主機が起動しない場合、または前記主機が起動して所定時間内に同期速度まで昇速したが前記発電機が電力系統に併入しない場合は、前記取水口制水門を前記所定開度から全閉にすることを特徴とする。

Claims (5)

  1. 河川から取水口及び導水路を通して水槽に発電用水を導き、前記水槽から水圧管路を通して水車と発電機とを連結した主機の前記水車に発電用水を供給し、前記水車に連結された発電機を駆動して発電する流れ込み式水力発電所を制御する水力発電所制御装置において、
    河川の水位が洪水水位となると前記取水口から前記導水路に発電用水を取り込む取水口制水門を全閉し、前記河川の水位が取水再開水位になると前記取水口制水門を全閉から予め定められた所定開度とし、さらに前記水槽の水位が満水位になり前記発電機が起動し電力系統に併入すると取水口制水門を前記所定開度から前記導水路の水位に応じて最大許可水量開度まで徐々に開く取水口制水門開閉手段と、
    前記河川の水位が洪水水位となると前記河川の水を堰き止める堰堤に設けられた堰堤排砂門を全開し、前記河川の水位が取水再開水位になると前記堰堤排砂門を全開から小開とし、さらに前記水槽の水位が満水位になり前記発電機が電力系統に併入すると前記堰堤排砂門を小開から全閉にする堰堤排砂門開閉手段と、
    前記河川の水位が洪水水位となると前記水車のガイドベーンの開閉操作を数回繰り返し行うあおり運転を行った後に前記主機を停止し、前記水槽の水位が満水位になると前記水車のガイドベーンを開き所定時間内に前記主機が同期速度まで昇速しない場合はさらに水車のガイドベーンを余分に開く増速アシスト運転を行い、前記主機が同期速度まで昇速すれば前記発電機を電力系統に併入し、前記増速アシスト運転を数回繰り返し行っても
    前記発電機が電力系統に併入できない場合は前記主機を停止する主機制御部を備えたことを特徴とする水力発電所制御装置。
  2. 前記取水口制水門開閉手段は、前記取水口制水門を全閉から前記所定開度としたにもかかわらず、一定時間内に前記主機が起動しない場合、または前記主機が起動して所定時間内に同期速度まで昇速したが前記発電機が電力系統に併入しない場合は、前記取水口制水門を前記所定開度から全閉にすることを特徴とする請求項1に記載の水力発電所制御装置。
  3. 前記取水口の近傍に取水口側放流警報装置を設けるとともに、前記水車で仕事を終えた水を前記河川に放流する放水口の近傍に放水口側放流警報装置を設け、前記河川の水位が洪水水位となると前記取水口側放流警報装置及び前記放水口側放流警報装置に警報を発報し、前記河川の水位が取水再開水位になると前記取水口側放流警報装置及び前記放水口側放流警報装置に1回目の警報を発報し、前記水槽の水位が満水位になり前記主機の起動指令があると前記放水口側放流警報装置に2回目の警報を発報する警報発報手段を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水力発電所制御装置。
  4. 河川から取水口を通して水槽に発電用水を導き、前記水槽から水圧管路を通して水車と発電機とを連結した主機の前記水車に発電用水を供給し、前記水車に連結された発電機を駆動して発電する流れ込み式水力発電所を制御する水力発電所制御方法において、
    河川の水位が洪水水位となると前記取水口と前記水槽との間に設けられた取水口制水門を全閉にするとともに前記河川の水を堰き止める堰堤に設けられた堰堤排砂門を全開し、
    前記水車のガイドベーンの開閉操作を数回繰り返し行うあおり運転を行った後に前記主機を停止し、
    前記河川の水位が取水再開水位になると前記堰堤排砂門を全開から小開とするとともに前記取水口制水門を全閉から予め定められた所定開度とし、
    前記水槽の水位が満水位になると前記水車のガイドベーンを開き所定時間内に前記主機が同期速度まで昇速しない場合はさらに水車のガイドベーンを余分に開く増速アシスト運転を行い、
    前記主機が同期速度まで昇速すれば前記発電機を電力系統に併入し、
    前記取水口制水門を前記所定開度から導水路水位に応じて最大許可水量開度まで徐々に開くとともに前記堰堤排砂門を小開から全閉にし、
    前記増速アシスト運転を数回繰り返し行っても前記主機が同期速度まで昇速しない場合は前記主機を停止することを特徴とする水力発電所制御方法。
  5. 前記取水口制水門を全閉から前記所定開度としたにもかかわらず、一定時間内に前記主機が起動しない場合、または前記主機が起動して所定時間内に同期速度まで昇速したが前記発電機が電力系統に併入しない場合は、前記取水口制水門を前記所定開度から全閉にすることを特徴とする請求項4に記載の水力発電所制御方法。
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