JP2021076059A - エンジン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】空燃比フィードバック補正値に基づき学習される学習値の学習精度が吸気脈動の影響により低下し難いエンジン制御装置を提供する。
【解決手段】吸気脈動が大きい状態にあるか否かの脈動判定を行い(S100)、同脈動判定において吸気脈動が大きい状態にあると判定された場合(YES)には、空燃比フィードバック補正値に基づき値が更新される学習値である空燃比学習値KG、アルコール濃度学習値KALC、希釈学習値LDIL、及びベーパ濃度学習値FGPGのそれぞれの値の更新を禁止する(S130)ようにした。
【選択図】図2
【解決手段】吸気脈動が大きい状態にあるか否かの脈動判定を行い(S100)、同脈動判定において吸気脈動が大きい状態にあると判定された場合(YES)には、空燃比フィードバック補正値に基づき値が更新される学習値である空燃比学習値KG、アルコール濃度学習値KALC、希釈学習値LDIL、及びベーパ濃度学習値FGPGのそれぞれの値の更新を禁止する(S130)ようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料噴射量の空燃比フィードバック制御を行うエンジン制御装置に関する。
空燃比制御を行うエンジン制御装置では、吸気通路に設置されたエアフローメータによる吸気流量の検出値に基づき、燃焼室内で燃焼する混合気の空燃比を目標値とするために必要な燃料噴射量を求めている。さらに、排気通路に設置された空燃比センサにより、燃焼室内で燃焼された混合気の空燃比を検出し、空燃比の目標値に対する検出値の偏差に応じて燃料噴射量を補正する空燃比フィードバック制御を行うことで、空燃比の制御精度を高めている。そして、特許文献1に見られるように、空燃比フィードバック補正値に基づいて空燃比学習値やベーパ濃度学習値等の学習値を学習して、燃料噴射量に反映することで、空燃比フィードバック制御の制御性が高められている。
エンジンでは、吸気バルブの開閉に伴い発生する吸気の圧力変動がスロットルバルブを介して吸気通路の上流側に遡上することで、吸気通路におけるエアフローメータの設置位置の吸気の流れに脈動が生じる。こうした吸気脈動が大きい状態では、エアフローメータの吸気流量の検出誤差が大きくなり、その誤差が空燃比フィードバック補正値に、ひいては空燃比フィードバック補正値に基づく学習の結果に反映されるため、上記のような学習値の学習精度が低下する。
上記課題を解決するエンジン制御装置は、空燃比を目標値とするための燃料噴射量の制御に際して、空燃比の検出値と目標値との偏差に応じて設定された空燃比フィードバック補正値と、空燃比フィードバック補正値に基づき値が更新される学習値と、により燃料噴射量を補正する。さらに同エンジン制御装置は、吸気脈動が大きい状態にあるか否かの脈動判定を実施するとともに、同脈動判定において吸気脈動が大きい状態にあると判定されている場合には空燃比フィードバック補正値に基づく学習値の値の更新を禁止している。
こうしたエンジン制御装置では、吸気脈動が大きい状態にあり、吸気流量の検出誤差が大きいときの、空燃比フィードバック補正値に基づく学習値の値の更新が行われない。そのため、学習値の学習精度を確保し易くなる。
なお、上記のような学習値としては、空燃比学習値、アルコール濃度学習値、希釈学習値、ベーパ濃度学習値などがある。空燃比学習値は、空燃比の検出値及び目標値の定常的な偏差を補償するための燃料噴射量の補正に用いられる学習値である。アルコール濃度学習値は、アルコール燃料、ガソリン燃料、及びそれらの混合燃料のそれぞれを燃料として使用可能なフレキシブル燃料エンジンにおいて、使用中の燃料のアルコール濃度の差異により生じる空燃比の検出値及び目標値の偏差を補償するための燃料噴射量の補正に用いられる学習値である。希釈学習値は、クランクケース内のブローバイガスを吸気中に放出するクランクケース換気システムを備えるエンジンにおいて、ブローバイガスの放出により生じる空燃比の検出値及び目標値の偏差を補償するための燃料噴射量の補正に用いられる学習値である。ベーパ濃度学習値は、燃料タンク内で発生した燃料蒸気を吸気中に放出する燃料蒸気処理システムを備えるエンジンにおいて、パージガスの放出により生じる空燃比の検出値及び目標値の偏差を補償するための燃料噴射量の補正に用いられる学習値である。
以下、エンジン制御装置の一実施形態を、図1〜図3を参照して詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態のエンジン制御装置が適用されるエンジン10の構成を説明する。なお、エンジン10は、アルコール燃料、ガソリン燃料、及びそれらの混合燃料のそれぞれを燃料として使用可能なフレキシブル燃料エンジンとして構成されている。
まず、図1を参照して、本実施形態のエンジン制御装置が適用されるエンジン10の構成を説明する。なお、エンジン10は、アルコール燃料、ガソリン燃料、及びそれらの混合燃料のそれぞれを燃料として使用可能なフレキシブル燃料エンジンとして構成されている。
エンジン10は、クランクシャフト11が収容されたクランクケース12を有している。クランクケース12には、往復動可能にピストン13が収容されたシリンダ14が連結されており、その下部にはエンジンオイルが貯留されている。シリンダ14の内部には、燃料と吸気との混合気の燃焼が行われる燃焼室15がピストン13により区画形成されている。燃焼室15には、火花放電により混合気を点火する点火装置16が設けられている。燃焼室15は、吸気を流す吸気通路20が吸気バルブ17を介して接続されるとともに、排気を流す排気通路30が排気バルブ18を介して接続されている。
吸気通路20には、吸気中の塵等の不純物を濾過するエアクリーナ21が設けられている。吸気通路20におけるエアクリーナ21よりも下流側の部分には、吸気流量GAを検出するエアフローメータ22が設けられている。吸気通路20におけるエアフローメータ22よりも下流側の部分には吸気流量GAを調整するための弁であるスロットルバルブ23が設置され、そのスロットルバルブ23よりも下流側の部分には吸気圧力PMを検出する吸気圧力センサ25が設置されている。さらに吸気通路20における吸気圧力センサ25よりも下流側の部分には、吸気中に燃料を噴射するインジェクタ24が設置されている。一方、排気通路30には、燃焼室15で燃焼された混合気の空燃比を検出する空燃比センサ31が設置されている。さらに排気通路30における空燃比センサ31よりも下流側の部分には、排気浄化用の触媒装置32が設置されている。
なお、図1には、エンジン10が有するシリンダ14のうちの一つのみが描かれているが、実際にはエンジン10は3つのシリンダ14を有している。そして、ピストン13、燃焼室15、点火装置16、吸気バルブ17、排気バルブ18、及びインジェクタ24は、3つのシリンダ14にそれぞれ個別に設けられている。
エンジン10は、クランクケース12内のブローバイガスを換気するためのクランクケース換気システムを備えている。クランクケース換気システムは、吸気通路20におけるエアクリーナ21よりも下流側、かつスロットルバルブ23よりも上流側の部分とクランクケース12とを連通する外気導入路41を備えている。また、クランクケース換気システムは、吸気通路20におけるスロットルバルブ23よりも下流側の部分とクランクケース12とを連通するブローバイガス導入路42と、ブローバイガス導入路42に設置されたPCV(Positive Crankcase Ventilation)バルブ43と、を備えている。PCVバルブ43は、吸気通路20におけるスロットルバルブ23よりも下流側の部分の吸気負圧が既定値よりも大きくなったときに開弁して、クランクケース12から吸気通路20へのブローバイガスの放出を許容する。
また、エンジン10は、燃料タンク50内で発生した燃料蒸気を吸気中に放出する燃料蒸気処理システムを備えている。燃料蒸気処理システムは、燃料タンク50内の燃料蒸気を吸着して貯蔵するチャコールキャニスタ51を備えている。また、燃料蒸気処理システムは、チャコールキャニスタ51と吸気通路20におけるスロットルバルブ23よりも下流側の部分とを連通するパージ通路52と、パージ通路52に設置されたパージバルブ53と、を備えている。パージバルブ53は、通電量に応じて開度が変化する電磁弁として構成されており、その開度の変更に応じて、パージ通路52を通じてチャコールキャニスタ51から吸気通路20内に放出されるパージガスの流量を変化させる。
こうしたエンジン10に適用されるエンジン制御装置60は、各種のプログラムを実行する演算処理装置61と、各種のプログラムやプログラムの実行の際に使用される数値や演算式等が格納された記憶装置62と、を備える電子制御ユニットとして構成されている。エンジン制御装置60には、上述のエアフローメータ22、吸気圧力センサ25及び空燃比センサ31に加え、クランクシャフト11の回転位相を検出するクランク角センサ63やエンジン冷却水の温度であるエンジン水温THWを検出する水温センサ64などのエンジン10に設けられた各種センサの検出信号が入力されている。そして、エンジン制御装置60は、入力された検出信号に基づいて、点火装置16やスロットルバルブ23、インジェクタ24、パージバルブ53等を操作することでエンジン10の運転状態を制御している。こうしたエンジン10の運転状態の制御は、記憶装置62に記憶されたプログラムを演算処理装置61が読み込んで実行することで実現されている。なお、エンジン制御装置60は、クランク角センサ63の検出結果からエンジン回転数NEを求めている。
(燃料噴射量制御)
エンジン制御装置60は、エンジン制御の一環として、燃焼室15内で燃焼する混合気の空燃比を目標値AFTとするように、インジェクタ24から噴射する燃料の量である燃料噴射量を制御している。本実施形態では、ガソリン燃料の理論空燃比である「14.7」を空燃比の目標値AFTとして設定している。
エンジン制御装置60は、エンジン制御の一環として、燃焼室15内で燃焼する混合気の空燃比を目標値AFTとするように、インジェクタ24から噴射する燃料の量である燃料噴射量を制御している。本実施形態では、ガソリン燃料の理論空燃比である「14.7」を空燃比の目標値AFTとして設定している。
フレキシブル燃料エンジンの場合、理論空燃比、すなわち燃料が過不足なく完全燃焼するだけの酸素を含む混合気の空燃比は、使用中の燃料のアルコール濃度により変化する。例えば使用中の燃料のアルコール濃度が「85%」のときの理論空燃比は「10.0」となる。よって、筒内空気量MCが一定の状態で理論空燃比を得るために必要な燃料噴射量は、使用中の燃料のアルコール濃度が「85%」の場合には、アルコール濃度が「0%」の場合の「1.47」倍となる。
一方、厳密には、空燃比センサ31の出力値は、燃焼室15内で燃焼された混合気の空気過剰率λを、すなわち混合気中の燃料が過不足なく完全燃焼するだけの酸素を含む空気の質量に対しての混合気中の実際の空気の質量の比率を示している。そして、本実施形態では、空燃比センサ31の出力値が示す空気過剰率λにガソリン燃料の理論空燃比である「14.7」を乗算した積を空燃比センサ31による空燃比の検出値AFとしている(AF=λ×14.7)。さらに本実施形態では、燃料噴射量制御において、空燃比の検出値AFが目標値AFTとするように燃料噴射量を制御している。すなわち、厳密に言えば、本実施形態の燃料噴射量制御では、燃焼室15内で燃焼する混合気の空気過剰率λが「1」となるように燃料噴射量を制御していることになる。
燃料噴射量の制御に際してエンジン制御装置60はまず、燃焼室15に導入される空気の質量である筒内空気量MCを算出するとともに、その筒内空気量MCを空燃比の目標値AFTで除算した商を基本噴射量QBSEの値として算出する。続いて、エンジン制御装置60は、基本噴射量QBSEに対して、空燃比フィードバック補正値FAF、空燃比学習値KG、アルコール濃度学習値KALC、希釈学習値LDIL、及びベーパ濃度学習値FGPGに基づく補正を施した値を指令噴射量QINJの値として算出する。そして、エンジン制御装置60は、指令噴射量QINJの値が示す量の燃料噴射をインジェクタ24に指令している。
なお、指令噴射量QINJの値は、式(1)の関係を満たすように算出されている。式(1)における「REF」は、ブローバイガス換気システムにより吸気通路20内に放出されているブローバイガスの流量であるブローバイガス放出量を示している。ブローバイガス放出量REFの値は吸気流量GAに基づき求められている。また、式(1)における「PGR」は吸気流量GAに対するベーパパージ量の比率であるベーパパージ率を示している。ベーパパージ量は、燃料蒸気処理システムによりチャコールキャニスタ51から吸気通路20に放出されているパージガスの流量を表している。ベーパパージ率PGRの値は、エンジン回転数NE、吸気流量GA、及びパージバルブ53の開度に基づき求められている。
(空燃比フィードバック制御)
まず、空燃比フィードバック制御について説明する。エンジン制御装置60は、空燃比の目標値AFTに対する空燃比センサ31による空燃比の検出値AFの偏差ΔAF(=AFT−AF)に基づき空燃比フィードバック補正値FAFの値を更新することで、空燃比フィードバック制御を行っている。具体的には、エンジン制御装置60は、上記偏差ΔAFに既定の比例ゲインKPを乗算した積を比例項の値として、上記偏差ΔAFの時間微分値に既定の微分ゲインKDを乗算した積を微分項の値として、上記偏差ΔAFの時間積分値に既定の積分ゲインKIを乗算した積を積分項の値としてそれぞれ算出する。そして、エンジン制御装置60は、算出した比例項、微分項、積分項の各値を足し合わせた和を空燃比フィードバック補正値FAFの値として設定する。ちなみに、空燃比フィードバック制御は、エンジン10の始動後にエンジン水温THWが既定の空燃比フィードバック開始温度以上に上昇したときに開始されている。
まず、空燃比フィードバック制御について説明する。エンジン制御装置60は、空燃比の目標値AFTに対する空燃比センサ31による空燃比の検出値AFの偏差ΔAF(=AFT−AF)に基づき空燃比フィードバック補正値FAFの値を更新することで、空燃比フィードバック制御を行っている。具体的には、エンジン制御装置60は、上記偏差ΔAFに既定の比例ゲインKPを乗算した積を比例項の値として、上記偏差ΔAFの時間微分値に既定の微分ゲインKDを乗算した積を微分項の値として、上記偏差ΔAFの時間積分値に既定の積分ゲインKIを乗算した積を積分項の値としてそれぞれ算出する。そして、エンジン制御装置60は、算出した比例項、微分項、積分項の各値を足し合わせた和を空燃比フィードバック補正値FAFの値として設定する。ちなみに、空燃比フィードバック制御は、エンジン10の始動後にエンジン水温THWが既定の空燃比フィードバック開始温度以上に上昇したときに開始されている。
(空燃比学習)
次に空燃比学習について説明する。エンジン制御装置60は、空燃比学習により、空燃比の目標値AFTに対する検出値AFの定常的な偏差分を空燃比学習値KGの値として学習している。空燃比学習は、空燃比フィードバック制御の実行中であり、エンジン10の運転状態が安定しており、かつ後述のアルコール濃度学習、希釈学習、及びベーパ濃度学習が実行されていないことを条件に実施される。
次に空燃比学習について説明する。エンジン制御装置60は、空燃比学習により、空燃比の目標値AFTに対する検出値AFの定常的な偏差分を空燃比学習値KGの値として学習している。空燃比学習は、空燃比フィードバック制御の実行中であり、エンジン10の運転状態が安定しており、かつ後述のアルコール濃度学習、希釈学習、及びベーパ濃度学習が実行されていないことを条件に実施される。
空燃比学習では、既定の制御周期毎に、空燃比フィードバック補正値FAFの移動平均値FAFSMの絶対値が既定の値「F0」以上であるか否かが確認される。そして、移動平均値FAFSMが「F0」以上の値であった場合には、既定の値「K0」を更新前の値に加えた和を更新後の値とするように空燃比学習値KGの値が更新される。これに対して、移動平均値FAFSMが「−F0」以下の値であった場合には、更新前の値から「K0」を引いた差を更新後の値とするように空燃比学習値KGの値が更新される。なお、「K0」の値としては、「0」を超過し、かつ「F0」未満の値が設定されている。また、空燃比フィードバック補正値FAFの移動平均値FAFSMの絶対値が「F0」未満の状態が既定時間以上継続した場合には空燃比学習は完了される。ちなみに、空燃比学習はその完了後にも、移動平均値FAFSMの絶対値が「F0」以上となった場合には再開される。
(アルコール濃度学習)
続いてアルコール濃度学習について説明する。エンジン制御装置60は、アルコール濃度学習により、燃料中のアルコール濃度の差異により生じる空燃比の目標値AFTに対する検出値AFの偏差を補償するための燃料噴射量の補正値をアルコール濃度学習値KALCの値として学習している。アルコール濃度学習は、エンジン10の停止中に燃料タンク50への給油が行われたことがエンジン10の始動時に確認された場合に、空燃比フィードバック制御の開始に応じて実施される。給油の有無は、給油キャップの開閉や燃料タンク50の燃料残量の変化に基づき確認される。
続いてアルコール濃度学習について説明する。エンジン制御装置60は、アルコール濃度学習により、燃料中のアルコール濃度の差異により生じる空燃比の目標値AFTに対する検出値AFの偏差を補償するための燃料噴射量の補正値をアルコール濃度学習値KALCの値として学習している。アルコール濃度学習は、エンジン10の停止中に燃料タンク50への給油が行われたことがエンジン10の始動時に確認された場合に、空燃比フィードバック制御の開始に応じて実施される。給油の有無は、給油キャップの開閉や燃料タンク50の燃料残量の変化に基づき確認される。
アルコール濃度学習では、既定の制御周期毎に、空燃比フィードバック補正値FAFの移動平均値FAFSMの絶対値が既定の値「F1」以上であるか否かが確認される。そして、移動平均値FAFSMが「F1」以上の値であった場合には、更新前の値に既定の値「K1」を加えた和を更新後の値とするようにアルコール濃度学習値KALCの値が更新される。これに対して、移動平均値FAFSMが「−F1」以下の値であった場合には、更新前の値から「K1」を引いた差を更新後の値とするようにアルコール濃度学習値KALCの値が更新される。なお、「K1」の値としては、「0」を超過し、かつ「F1」未満の値が設定されている。また、空燃比フィードバック補正値FAFの移動平均値FAFSMの絶対値が「F1」未満の状態が既定時間以上継続した場合にアルコール濃度学習が完了される。ちなみに、誤差なく正確にアルコール濃度学習が行われるものとすると学習完了時のアルコール濃度学習値KALCの値は、使用中の燃料のアルコール濃度が「0%」の場合には「0」となり、使用中の燃料のアルコール濃度が「85%」の場合には「0.47」となる。
(希釈学習)
続いて、希釈学習について説明する。エンジン制御装置60は、希釈学習により、クランクケース換気システムにより吸気通路20内に放出されるブローバイガスの影響による空燃比の目標値AFTに対する検出値AFの偏差を補償するための補正に用いる希釈学習値LDILを学習している。なお、希釈学習は、空燃比フィードバック制御が実施されており、アルコール濃度学習が実施されておらず、かつ希釈判定によりブローバイガスの放出が空燃比に与える影響が大きい状態にあると判定されている場合に実施される。希釈判定では、推定希釈量DILや空燃比フィードバック補正値FAF、エンジン水温THWなどに基づき、ブローバイガスの放出が空燃比に与える影響が大きい状態にあるか否かが判定される。具体的には、希釈判定では、推定希釈量DILが既定の希釈判定値以上の値、空燃比フィードバック補正値FAFが既定の負の値以下、かつエンジン水温THWが既定の低水温判定値以下の場合に、ブローバイガスの放出が空燃比に与える影響が大きい状態にあると判定している。
続いて、希釈学習について説明する。エンジン制御装置60は、希釈学習により、クランクケース換気システムにより吸気通路20内に放出されるブローバイガスの影響による空燃比の目標値AFTに対する検出値AFの偏差を補償するための補正に用いる希釈学習値LDILを学習している。なお、希釈学習は、空燃比フィードバック制御が実施されており、アルコール濃度学習が実施されておらず、かつ希釈判定によりブローバイガスの放出が空燃比に与える影響が大きい状態にあると判定されている場合に実施される。希釈判定では、推定希釈量DILや空燃比フィードバック補正値FAF、エンジン水温THWなどに基づき、ブローバイガスの放出が空燃比に与える影響が大きい状態にあるか否かが判定される。具体的には、希釈判定では、推定希釈量DILが既定の希釈判定値以上の値、空燃比フィードバック補正値FAFが既定の負の値以下、かつエンジン水温THWが既定の低水温判定値以下の場合に、ブローバイガスの放出が空燃比に与える影響が大きい状態にあると判定している。
推定希釈量DILは、クランクケース12内のエンジンオイルに混入している燃料の量の推定値であり、エンジン制御装置60は以下の態様で推定希釈量DILを演算している。すなわち、エンジン制御装置60は、規定の演算周期毎に、同演算周期においてエンジンオイルに新規に混入する燃料の量である燃料混入量と、同演算周期においてエンジンオイルから揮発する燃料の量である燃料揮発量と、を演算するとともに、演算周期毎の燃料混入量及び燃料揮発量の演算値を積算した値として推定希釈量DILを求めている。燃料混入量は、エンジン水温THWと指令噴射量QINJとに基づき、エンジン水温THWが低いほど、或いは指令噴射量QINJが多いほど、大きくなる値として演算される。これは、エンジン水温THWが低く、シリンダ14の壁面温度が低いほど、噴射した燃料のうち、同シリンダ14の壁面に付着する燃料の比率が高くなり、同壁面を伝ってクランクケース12に滴り落ちてエンジンオイルに混入する燃料の量が多くなることを反映している。また、燃料揮発量は、エンジン水温THWから推定したエンジンオイルの温度と推定希釈量DILとに基づき、エンジンオイルの温度が高いほど、或いは推定希釈量DILが多いほど、大きくなる値として演算される。これは、エンジンオイル中に存在する燃料のうち、揮発する燃料の比率が、同オイルの温度が高くなるほど、多くなることを反映している。
希釈学習では、既定の制御周期毎に、空燃比フィードバック補正値FAFの移動平均値FAFSMの絶対値が既定の値「F2」以上であるか否かが確認される。そして、移動平均値FAFSMの絶対値が「F2」以上の場合には、上述のブローバイガス放出量REFにより既定の値「L1」を除算した商が更新量ΔLの値として求められる。そして、移動平均値FAFSMが「F2」以上の値であった場合には、更新前の値に更新量ΔLを加えた和を更新後の値とするように希釈学習値LDILの値が更新される。これに対して、移動平均値FAFSMが「−F2」以下の値であった場合には、更新前の値から更新量ΔLを引いた差を更新後の値とするように希釈学習値LDILの値が更新される。なお、「L1」の値としては、「0」を超過し、かつ「F2」未満の値が設定されている。
(ベーパ濃度学習)
続いて、ベーパ濃度学習について説明する。エンジン制御装置60は、ベーパ濃度学習により、燃料蒸気処理システムによるパージガスの放出により生じる空燃比の目標値AFTに対する検出値AFの偏差を補償するための燃料噴射量の補正に用いるベーパ濃度学習値FGPGを学習している。エンジン制御装置60は、空燃比学習値KGの学習が完了しており、アルコール濃度学習及び希釈学習が実施されておらず、ベーパパージ率PGRが既定の値以上の場合にベーパ濃度学習を実施する。
続いて、ベーパ濃度学習について説明する。エンジン制御装置60は、ベーパ濃度学習により、燃料蒸気処理システムによるパージガスの放出により生じる空燃比の目標値AFTに対する検出値AFの偏差を補償するための燃料噴射量の補正に用いるベーパ濃度学習値FGPGを学習している。エンジン制御装置60は、空燃比学習値KGの学習が完了しており、アルコール濃度学習及び希釈学習が実施されておらず、ベーパパージ率PGRが既定の値以上の場合にベーパ濃度学習を実施する。
ベーパ濃度学習に際してエンジン制御装置60は、既定の制御周期毎に、空燃比フィードバック補正値FAFの移動平均値FAFSMの絶対値が既定の値「F3」以上であるか否かを確認する。そして、移動平均値FAFSMの絶対値が「F3」以上の値であった場合には、ベーパパージ率PGRにより既定の値「P1」を除算した商が更新量ΔPの値として求められる。そして、移動平均値FAFSMが「F3」以上の値であった場合には、更新前の値に更新量ΔPを加えた和を更新後の値とするようにベーパ濃度学習値FGPGの値が更新される。これに対して、移動平均値FAFSMが「−F3」以下の値であった場合には、更新前の値から更新量ΔPを引いた差を更新後の値とするようにベーパ濃度学習値FGPGの値が更新される。なお、「P1」の値としては、「0」を超過し、かつ「F3」未満の値が設定されている。
(吸気脈動への対応)
上述のように本実施形態では、筒内空気量MCから基本噴射量QBSEを求め、空燃比フィードバック補正値FAFや各学習値によりその基本噴射量QBSEを補正することで、指令噴射量QINJを求めている。基本噴射量QBSEの算出に用いる筒内空気量MCの演算方式としては、次の3つの方式が知られている。すなわち、エアフローメータ22による吸気流量GAの検出値から筒内空気量MCを演算するマスフロー方式と、吸気圧力センサ25による吸気圧力PMの検出値から筒内空気量MCを演算するスピードデンシティ方式と、スロットルバルブ23の開度から筒内空気量MCを演算するスロットルスピード方式と、である。
上述のように本実施形態では、筒内空気量MCから基本噴射量QBSEを求め、空燃比フィードバック補正値FAFや各学習値によりその基本噴射量QBSEを補正することで、指令噴射量QINJを求めている。基本噴射量QBSEの算出に用いる筒内空気量MCの演算方式としては、次の3つの方式が知られている。すなわち、エアフローメータ22による吸気流量GAの検出値から筒内空気量MCを演算するマスフロー方式と、吸気圧力センサ25による吸気圧力PMの検出値から筒内空気量MCを演算するスピードデンシティ方式と、スロットルバルブ23の開度から筒内空気量MCを演算するスロットルスピード方式と、である。
エンジン10の運転状況の大部分では、これら3つの演算方式のうちでマスフロー方式が最も高い精度で筒内空気量MCを演算できる。そのため、本実施形態でも、基本的には、筒内空気量MCをマスフロー方式で演算するようにしている。ただし、エンジン10では、吸気バルブ17の開閉に伴い発生する吸気の圧力変動がスロットルバルブ23を介して吸気通路の上流側に遡上することで、吸気通路におけるエアフローメータ22の設置位置の吸気の流れに脈動が生じる。特にシリンダ14が3つの3気筒エンジンでは、各シリンダ14の吸気バルブ17の開弁期間が重ならないため、そうした吸気脈動が大きくなり易い。また、スロットルバルブ23は吸気の圧力変動の遡上を妨げる堰として機能するが、スロットルバルブ23の開度が大きいときには吸気の圧力変動の遡上をスロットルバルブ23で十分に妨げられなくなるため、吸気脈動が大きくなり易い。
こうした吸気脈動が大きい状態では、エアフローメータ22の吸気流量GAの検出誤差が大きくなり、その結果、マスフロー方式による筒内空気量MCの演算精度が低下する。このときのマスフロー方式による筒内空気量MCの演算値から基本噴射量QBSEを演算すると、空燃比を目標値AFTとするために必要な燃料噴射量と基本噴射量QBSEとのずれに、筒内空気量MCの演算誤差分が重畳されるため、空燃比フィードバックの制御性が低下する。また、そうした吸気流量GAの検出誤差は空燃比フィードバック補正値FAFに、ひいては空燃比フィードバック補正値FAFに基づく学習の結果に反映されるため、上記各学習値の学習精度が低下する。本実施形態のエンジン制御装置60では、こうした吸気脈動による空燃比フィードバックの制御性や各学習値の学習精度の低下を抑えるための処理を実施している。
図2に、そうした吸気脈動による空燃比フィードバックの制御性や各学習値の学習精度の低下への対応に係るエンジン制御装置60の処理を示す。エンジン制御装置60は、エンジン10の運転中、既定の制御周期毎に図2の処理を繰り返し実行している。
本処理が開始されると、まずステップS100において、吸気脈動が大きい状態にあるか否かの脈動判定が行われる。本実施形態では、脈動率RTEが既定の脈動判定値R0以上の場合に吸気脈動が大きい状態にあると判定している。脈動率RTEの値は、既定の判定期間Tにおけるエアフローメータ22の出力値VAに基づいて演算されている。具体的には、図3に示すように、判定期間Tにおける出力値VAの最大値VMAXから最小値VMINを引いた差を、同判定期間Tにおける出力値VAの平均値VAVEで割った商(=(VMAX−VMIN)/VAVE)が脈動率RTEの値として演算されている。なお、判定期間Tとしては、吸気脈動の周期よりも長い期間が設定されている。
ステップS100での脈動判定において吸気脈動が大きい状態にないと判定された場合(NO)には、ステップS110に処理が進められる。そして、そのステップS110において、マスフロー方式により筒内空気量MCが演算された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
これに対してステップS100での脈動判定において吸気脈動が大きい状態にあると判定された場合(YES)には、ステップS120に処理が進められる。そして、そのステップS120において、スロットルスピード方式により筒内空気量MCが演算された後、ステップS130に処理が進められる。ステップS130に処理が進められると、上述の空燃比学習値KG、アルコール濃度学習値KALC、希釈学習値LDIL、及びベーパ濃度学習値FGPGの値の更新が禁止された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。すなわち、この場合には、空燃比学習、アルコール濃度学習、希釈学習、及びベーパ濃度学習が本来は行われる状況であっても、空燃比学習値KG、アルコール濃度学習値KALC、希釈学習値LDIL、及びベーパ濃度学習値FGPGの値の更新は行われないことになる。
以上のように構成された本実施形態の作用を説明する。
上述したように、吸気脈動が大きい状態となると、エアフローメータ22による吸気流量GAの検出精度が、ひいてはマスフロー方式による筒内空気量MCの演算精度が低下する。これに対して本実施形態では、脈動判定により吸気脈動が大きい状態にあると判定されると、吸気脈動の影響を受けないスロットルスピード方式に筒内空気量MCの演算方式が切り替えられる。これにより、吸気脈動による筒内空気量MCの演算精度の低下は抑えられる。
上述したように、吸気脈動が大きい状態となると、エアフローメータ22による吸気流量GAの検出精度が、ひいてはマスフロー方式による筒内空気量MCの演算精度が低下する。これに対して本実施形態では、脈動判定により吸気脈動が大きい状態にあると判定されると、吸気脈動の影響を受けないスロットルスピード方式に筒内空気量MCの演算方式が切り替えられる。これにより、吸気脈動による筒内空気量MCの演算精度の低下は抑えられる。
尤も、スロットルスピード方式による筒内空気量MCの演算精度は吸気脈動の影響は受けないとはいえ、吸気脈動が大きい状態にないときのマスフロー方式による筒内空気量MCの演算精度ほどは高くない。そのため、スロットルスピード方式で筒内空気量MCを演算している期間には、筒内空気量MCの演算精度を十分に保証し難い状況にある。すなわち、このときのスロットルスピード方式による筒内空気量MCの演算値にはある程度の誤差が含まれる可能性がある。これに対して本実施形態では、脈動判定により吸気脈動が大きい状態にあると判定されると、空燃比学習値KG、アルコール濃度学習値KALC、希釈学習値LDIL、及びベーパ濃度学習値FGPGの値の更新が禁止される。すなわち、スピードデンシティ方式による筒内空気量MCの演算誤差が反映された空燃比フィードバック補正値FAFに基づく、空燃比学習値KG、アルコール濃度学習値KALC、希釈学習値LDIL、及びベーパ濃度学習値FGPGの値の更新が行われないようになる。
以上の本実施形態のエンジン制御装置60によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)吸気脈動の影響により筒内空気量MCの演算精度が低下した状態となっているときには、筒内空気量MCの演算誤差が反映された空燃比フィードバック補正値FAFに基づく、空燃比学習値KG、アルコール濃度学習値KALC、希釈学習値LDIL、及びベーパ濃度学習値FGPGの値の更新が禁止されるため、それらの学習精度を確保し易くなる。
(1)吸気脈動の影響により筒内空気量MCの演算精度が低下した状態となっているときには、筒内空気量MCの演算誤差が反映された空燃比フィードバック補正値FAFに基づく、空燃比学習値KG、アルコール濃度学習値KALC、希釈学習値LDIL、及びベーパ濃度学習値FGPGの値の更新が禁止されるため、それらの学習精度を確保し易くなる。
(2)脈動判定により吸気脈動が大きい状態にあると判定されているときには、筒内空気量MCの演算方式をマスフロー方式から吸気脈動の影響を受けないスロットルスピード方式に切り替えている。そのため、吸気脈動による筒内空気量MCの演算精度の低下を、ひいては空燃比フィードバックの制御性の低下を抑えられる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・脈動判定を上記実施形態とは異なる態様で行うようにしてもよい。
・脈動判定を上記実施形態とは異なる態様で行うようにしてもよい。
・空燃比学習、アルコール濃度学習、希釈学習、及びベーパ濃度学習のそれぞれにおける学習値の更新に係る具体的な処理の内容は、適宜に変更してもよい。
・上記実施形態では、脈動判定により吸気脈動が大きい状態にあると判定されているときには、筒内空気量MCの演算方式をマスフロー方式からスロットルスピード方式に切り替えていたいが、スピードデンシティ方式に切り替えることでも、吸気脈動による筒内空気量MCの演算精度の低下は抑えられる。
・上記実施形態では、脈動判定により吸気脈動が大きい状態にあると判定されているときには、筒内空気量MCの演算方式をマスフロー方式からスロットルスピード方式に切り替えていたいが、スピードデンシティ方式に切り替えることでも、吸気脈動による筒内空気量MCの演算精度の低下は抑えられる。
・脈動判定に応じた筒内空気量MCの演算方式の切り替えを行わないようにしてもよい。そうした場合にも、脈動判定により吸気脈動が大きい状態にあると判定されている場合に空燃比フィードバック補正値FAFに基づく各学習値の値の更新を禁止すれば、それらの学習精度の低下を抑えられる。
・上記実施形態では、空燃比フィードバック補正値FAFに基づく学習として、空燃比学習、アルコール濃度学習、希釈学習、及びベーパ濃度学習の4つの学習を行っていた。これら4つの学習のうちの1つから3つを行わないようにしてもよい。例えばフレキシブル燃料エンジン以外のエンジンに適用する場合にはアルコール濃度学習は不要となる。また、クランクケース換気システムを備えていないエンジンに適用する場合には希釈学習が、燃料蒸気処理システムを備えていないエンジンに適用する場合にはベーパ濃度学習が、それぞれ不要となる。
・上記実施形態のエンジン制御装置60は、図1に示したものと異なる構成のエンジンに適用してもよい。例えばシリンダ14の数が3つ以外のエンジンや過給機付のエンジンなどにも適用できる。
・エンジン制御装置60は、自身が実行する全ての処理についてソフトウェア処理を行うものに限られない。例えば、エンジン制御装置60は、自身が実行する処理の少なくとも一部についてハードウェア処理を行う専用のハードウェア回路、例えば特定用途向け集積回路を備えてもよい。すなわち、エンジン制御装置60は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはそれらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。プロセッサは、演算処理装置、並びに記憶装置を含み、記憶装置は、処理を演算処理装置に実行させるように構成されたプログラムコード又は指令を格納している。記憶装置、すなわちコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
10…エンジン、11…クランクシャフト、12…クランクケース、13…ピストン、14…シリンダ、15…燃焼室、16…点火装置、17…吸気バルブ、18…排気バルブ、20…吸気通路、21…エアクリーナ、22…エアフローメータ、23…スロットルバルブ、24…インジェクタ、25…吸気圧力センサ、30…排気通路、31…空燃比センサ、32…触媒装置、41…外気導入路、42…ブローバイガス導入路、43…PCVバルブ、50…燃料タンク、51…チャコールキャニスタ、52…パージ通路、53…パージバルブ、60…エンジン制御装置、61…演算処理装置、62…記憶装置、63…クランク角センサ、64…水温センサ。
Claims (5)
- 空燃比を目標値とするための燃料噴射量の制御に際して、空燃比の検出値と目標値との偏差に応じて設定された空燃比フィードバック補正値と、前記空燃比フィードバック補正値に基づき値が更新される学習値と、により前記燃料噴射量を補正するエンジン制御装置において、
吸気脈動が大きい状態にあるか否かの脈動判定を実施するとともに、同脈動判定において吸気脈動が大きい状態にあると判定されている場合には前記空燃比フィードバック補正値に基づく前記学習値の値の更新を禁止する
エンジン制御装置。 - 前記学習値は、前記空燃比の検出値及び目標値の定常的な偏差を補償するための燃料噴射量の補正に用いられる空燃比学習値である請求項1に記載のエンジン制御装置。
- 当該エンジン制御装置は、アルコール燃料、ガソリン燃料、及びそれらの混合燃料のそれぞれを燃料として使用可能なフレキシブル燃料エンジンに適用されており、かつ前記学習値は、使用中の燃料のアルコール濃度の差異により生じる前記空燃比の検出値及び目標値の偏差を補償するための燃料噴射量の補正に用いられるアルコール濃度学習値である請求項1又は請求項2に記載のエンジン制御装置。
- 当該エンジン制御装置は、クランクケース内のブローバイガスを吸気中に放出するクランクケース換気システムを備えるエンジンに適用されており、かつ前記学習値は、ブローバイガスの放出により生じる前記空燃比の検出値及び目標値の偏差を補償するための燃料噴射量の補正に用いられる希釈学習値である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエンジン制御装置。
- 当該エンジン制御装置は、燃料タンク内で発生した燃料蒸気を吸気中に放出する燃料蒸気処理システムを備えるエンジンに適用されており、かつ前記学習値は、パージガスの放出により生じる前記空燃比の検出値及び目標値の偏差を補償するための燃料噴射量の補正に用いられるベーパ濃度学習値である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のエンジン制御装置。
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