JP2021075768A - 蒸着装置および蒸着基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸着効率を低下させずに、蒸発源からの輻射熱による基板への影響を低減する。【解決手段】真空蒸着装置(100)は、帯状の基板(F)を巻き出して搬送する搬送機構(2)と、基板(F)の蒸着面(Fa)に蒸着材料(M)を放出する蒸発源(3)と、基板(F)を挟んで蒸発源(3)と対向する冷却板(41)とを備え、冷却板(41)は、基板(F)の搬送停止中に裏面(Fb)に接触する。【選択図】図1
Description
本発明は、基板に蒸着材料を蒸着する蒸着装置および蒸着基板の製造方法に関する。
従来、基板(フィルム)に蒸着材料を蒸着する蒸着装置として、RTR(Role to Role)方式の蒸着装置が知られている。RTR方式とは、ロール状に巻いた帯状の基板を巻き出して搬送しつつ蒸着材料を蒸着し、蒸着後の基板を再びロール状に巻き取る蒸着方式である。この種の蒸着装置として、例えば特許文献1には、キャンロールを用いず、複数の搬送ロールによって基板を搬送しつつ搬送ロール間に架け渡された基板に対して蒸発源から蒸着材料を放出する蒸着装置が開示されている。特許文献1の蒸着装置は、基板の搬送停止中に基板と蒸発源との空間を仕切るシャッタ機構を備え、蒸発源からの輻射熱による基板の温度上昇を抑えている。
しかしながら、上述した従来技術では、基板と蒸発源との間にシャッタ機構を設けるスペースを確保する必要性がある。そのため、蒸発源を基板に近づけることが困難となり、蒸着材料の付着効率(蒸着効率)が低下するという課題がある。
本発明の一態様は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、蒸着効率の低下を伴わずに、蒸発源からの輻射熱による基板への影響を低減することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る蒸着装置は、ロール状に巻かれた帯状の基板を巻き出して搬送する搬送機構と、搬送される前記基板の一方の面に蒸着材料を放出する蒸発源と、前記一方の面とは反対側の前記基板の他方の面側に、前記基板を挟んで前記蒸発源と対向して配置され、前記基板の搬送中に前記他方の面から離間し、前記基板の搬送停止中に前記他方の面に接触する基板冷却部材と、を備える。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る蒸着基板の製造方法は、ロール状に巻かれた帯状の基板を巻き出して搬送する搬送工程と、搬送される基板の一方の面に蒸発源から蒸着材料を放出する放出工程と、前記一方の面とは反対側の前記基板の他方の面側に、前記基板を挟んで前記蒸発源と対向して配置された基板冷却部材を、前記搬送工程停止中に前記他方の面に接触させる冷却工程と、を含む。
本発明の一態様によれば、蒸着効率の低下を伴わずに、蒸発源からの輻射熱による基板への影響を低減することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図4を参照して以下に説明する。本実施形態では、RTR(Role to Role)方式の真空蒸着装置に本発明を適用した一例について説明する。
(真空蒸着装置の概要)
図1は、本実施形態に係る真空蒸着装置(蒸着装置)100の概略構成を示す模式図である。真空蒸着装置100は、ロール状の基板(フィルム)Fを巻き出して搬送しつつ蒸着材料Mを蒸着し、蒸着後(成膜後)の基板(蒸着基板)Fを再びロール状に巻き取るRTR方式を採用する。この真空蒸着装置100は、基板Fの搬送停止中、蒸発源3に近接する基板Fに冷却板(基板冷却部材)41を接触させることにより、蒸発源3からの輻射熱による基板Fの温度上昇を抑え、基板Fの熱負け(溶融)または破断等の可能性を低減するものである。
図1は、本実施形態に係る真空蒸着装置(蒸着装置)100の概略構成を示す模式図である。真空蒸着装置100は、ロール状の基板(フィルム)Fを巻き出して搬送しつつ蒸着材料Mを蒸着し、蒸着後(成膜後)の基板(蒸着基板)Fを再びロール状に巻き取るRTR方式を採用する。この真空蒸着装置100は、基板Fの搬送停止中、蒸発源3に近接する基板Fに冷却板(基板冷却部材)41を接触させることにより、蒸発源3からの輻射熱による基板Fの温度上昇を抑え、基板Fの熱負け(溶融)または破断等の可能性を低減するものである。
(蒸着装置の構成)
図1に示すように、真空蒸着装置100は、真空槽1と、搬送機構2と、蒸発源3と、基板冷却機構4と、制御部5と備える。真空蒸着装置100は上記以外にも、真空蒸着を実行するための排気系統(図示しない)等の部材を備える。
図1に示すように、真空蒸着装置100は、真空槽1と、搬送機構2と、蒸発源3と、基板冷却機構4と、制御部5と備える。真空蒸着装置100は上記以外にも、真空蒸着を実行するための排気系統(図示しない)等の部材を備える。
真空槽1は、基板Fへ蒸着材料Mの蒸着を行うための真空空間を内部に有する。真空槽1には、排気ポート11が設けられる。この排気ポート11に排気系統が接続され、真空槽1の内部が真空に保たれる。なお、真空槽1の内部は、基板Fを巻き出す巻出室、基板Fへ蒸着材料Mの蒸着を行う蒸着室、および基板Fを巻き取る巻取室等に、各室が閉切り機能(ゲートバルブ)を有するように区画されていてもよい。
基板Fは、長尺の帯状フィルムであり、少なくともロール状に巻き取ることが可能となる程度の柔軟性(可撓性)を有する。この基板Fとしては、例えば、ポリカーボネート(PC)ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチックフィルムが挙げられる。また、上記以外にも、プラスチックフィルムとして、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、各種の液晶ポリマー等が挙げられる。ただし、基板Fはプラスチックフィルムに限定されず、他の素材のフィルムであってもよい。基板Fの長手方向の長さは、数メートルであってもよく、長ければ数キロメートルであってもよい。また、本実施形態に係る基板Fは、蒸着材料Mの蒸着を行う時点において他の膜が形成されていてもよい。
基板Fに蒸着される蒸着材料Mは、基板Fに形成する膜の種類によって適宜選択される。例えば、基板Fに防汚膜を形成する場合、蒸着材料Mはフッ素樹脂を含んでいてもよい。また、蒸着材料Mは、有機物、例えば、有機EL材料(Alq3、α―NPD、CuPc(銅フタロシアニン)、色素材料としてのCoumarin、Nile Red等)であってもよい。さらに、基板Fに保護膜を成膜する場合、蒸着材料Mはセルロース等であってもよい。
なお、蒸着材料Mは、溶媒に溶けている材料であってもよく、粉末材料であってもよい。また、蒸着材料Mには、膜を形成するための成分以外の、例えば溶媒等の成分が含まれていてもよい。
なお、蒸着材料Mは、溶媒に溶けている材料であってもよく、粉末材料であってもよい。また、蒸着材料Mには、膜を形成するための成分以外の、例えば溶媒等の成分が含まれていてもよい。
搬送機構2は、基板Fを搬送方向D1へ搬送する。搬送機構2は、複数のロール(ローラ)から構成される。搬送機構2は、ロール状に巻かれた帯状の基板Fを巻き出し、基板Fの長手方向に張力を印加して基板Fを搬送する。また、搬送機構2は、蒸発源3によって蒸着材料Mが蒸着された基板Fをロール状に巻き取る。
この搬送機構2は、巻出ロール21、搬送ロール(ガイドロール)22〜27、および巻取ロール28を含む。巻出ロール21には、蒸着処理前の基板Fが巻かれている。巻出ロール21から巻き出された基板Fは、蒸着処理が施された後、巻取ロール28によって巻き取られる。巻出ロール21と巻取ロール28との間には、搬送ロール22〜27が搬送経路に沿って配置される。
蒸発源3は、基板Fの一方の面である蒸着面(成膜面)Faに対して蒸着材料Mを放出する。本実施形態では、蒸発源3として、面蒸発源を転用したバルブ付きリニア蒸発源(リニアソース)を採用している。蒸発源3は、バルブ制御によりバルブ(図示しない)の開度を変更することにより、ノズル31から放出される蒸着材料Mの放出量を調整する。蒸発源3は、蒸着面Faへ向けて蒸着材料Mを放出する複数のノズル31を備える。ノズル31は、基板Fの幅方向(短手方向)にわたって配置される。ノズル31の放出口は基板Fに向けて開口している。蒸着材料Mは、ノズル31から放出され、基板Fの蒸着面Faに蒸着することで膜を形成する。
なお、蒸発源3は、バルブ付きリニア蒸発源に限定されず、各種のものを採用することができる。例えば、蒸発源3は、抵抗加熱蒸発源を基板Fの幅方向へ複数並べた構成であってもよい。また、蒸発源3は、蒸着材料Mのワイヤ供給機構を備えるEB(電子ビーム)蒸発源を基板Fの幅方向へ複数並べた構成であってもよい。
なお、蒸発源3は、バルブ付きリニア蒸発源に限定されず、各種のものを採用することができる。例えば、蒸発源3は、抵抗加熱蒸発源を基板Fの幅方向へ複数並べた構成であってもよい。また、蒸発源3は、蒸着材料Mのワイヤ供給機構を備えるEB(電子ビーム)蒸発源を基板Fの幅方向へ複数並べた構成であってもよい。
基板冷却機構4は、基板Fの搬送停止中に基板Fを冷却する。基板冷却機構4は、冷却板41と、ロッド42と、駆動部43とを含む。
冷却板41は、基板Fの蒸着面Faとは反対側の裏面(他方の面)Fb側に、基板Fを挟んで蒸発源3のノズル31と対向するように配置される。冷却板41は、基板Fの幅方向(短手方向)にわたって配置される。冷却板41は、基板Fの裏面Fbと対向する接触面41aを有する。冷却板41は、接触面41aを基板Fに接触させることよって基板Fを冷却する。そのため、冷却板41は、例えば金属等の熱伝導性の高い素材で構成される。
冷却板41は、ロッド42を介して駆動部43に接続される。駆動部43は、基板Fの裏面Fbに対して略垂直な方向である進退方向D2に沿って冷却板41を移動させる。この駆動部43を制御することによって、基板Fの裏面Fbから離間した位置(非接触位置)と、基板Fの裏面Fbに接触する位置(接触位置)との間を、冷却板41が移動(変位)可能になっている。駆動部43は、真空槽1の外部(大気中)に配置された昇降駆動機構(いわゆるモータ)等で構成される。真空槽1の壁部(上壁部)にOリングまたはベローズ等を設けた真空シールを介してロッド42が該壁部に貫設されることにより、真空槽1の真空度を維持しつつ冷却板41を移動(昇降)させることができる。
なお、本実施形態では、基板冷却部材として板状の冷却板41を採用しているが、基板冷却部材の形状は限定されない。例えば、基板冷却部材は、基板Fの幅方向に対して略平行に配置された棒状部材であってもよい。この場合、棒状部材の側面の一部を基板Fの裏面Fbに接触させることよって基板Fを冷却する。棒状部材の断面形状は、円形、楕円形、多角形、またはその他の形状であってもよい。
なお、本実施形態では、基板冷却部材として板状の冷却板41を採用しているが、基板冷却部材の形状は限定されない。例えば、基板冷却部材は、基板Fの幅方向に対して略平行に配置された棒状部材であってもよい。この場合、棒状部材の側面の一部を基板Fの裏面Fbに接触させることよって基板Fを冷却する。棒状部材の断面形状は、円形、楕円形、多角形、またはその他の形状であってもよい。
図2は、冷却板41が非接触位置P1にある状態を示す模式図である。また、図3は、冷却板41が接触位置P2にある状態を示す模式図である。図2に示すように、搬送機構2による基板Fの搬送が行われている場合、冷却板41は基板Fの裏面Fbから離間した非接触位置P1に配置される。一方、図3に示すように、搬送機構2による基板Fの搬送が停止している場合、冷却板41は基板Fの裏面Fbに接触する接触位置P2に配置される。これにより、基板Fの搬送停止中に、蒸発源3からの輻射熱による基板Fの温度上昇を抑えることができる。
なお、基板冷却機構4は、冷却板41の接触面41aを冷却するための機構を備えていてもよい。冷却板41を冷却するための機構としては、例えば冷却板41の内部に冷却水を流通させる水冷機構等が挙げられる。ただし、冷却板41の接触面41aを冷却可能であれば、水冷機構に限定されない。
制御部5は、真空蒸着装置100の各部の動作を制御する。制御部5は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって構成される。または、制御部5は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路によって構成されてもよい。
具体的には、制御部5は、搬送機構2を制御し、基板Fの搬送開始および搬送停止を切り換える。または、制御部5は、搬送機構2を制御し、基板Fの搬送速度を調整する。また、制御部5は、蒸発源3のバルブを制御し、蒸着材料Mの放出開始および放出停止を切り換える。または、制御部5は、蒸発源3のバルブを制御し、基板Fの蒸着面Faに形成される膜の膜厚が一定になるように蒸着材料Mの放出量を調整する。さらに、制御部5は、基板冷却機構4の駆動部43を制御し、冷却板41の位置を、非接触位置P1と接触位置P2とに切り替える。
(真空蒸着装置の動作)
次に、真空蒸着装置100における蒸着処理の動作(蒸着基板の製造方法)の一例について説明する。蒸着処理の開始時点において、冷却板41は基板Fの裏面Fbに接触する接触位置P2に配置されている場合がある。この場合、制御部5は基板冷却機構4の駆動部43を制御して、駆動部43が接触位置P2から非接触位置P1に冷却板41を移動させる。
次に、真空蒸着装置100における蒸着処理の動作(蒸着基板の製造方法)の一例について説明する。蒸着処理の開始時点において、冷却板41は基板Fの裏面Fbに接触する接触位置P2に配置されている場合がある。この場合、制御部5は基板冷却機構4の駆動部43を制御して、駆動部43が接触位置P2から非接触位置P1に冷却板41を移動させる。
次に、制御部5は搬送機構2を制御して、搬送機構2がロール状の基板Fを巻出ロール21から巻き出し、搬送方向D1へ搬送する(搬送工程)。また、制御部5は蒸発源3を制御して、蒸発源3がノズル31から蒸着材料Mを基板Fの蒸着面Faに向かって放出する(放出工程)。
真空蒸着装置100では、巻出ロール21から巻き出された基板Fを搬送ロール22〜24によって搬送方向D1へ搬送し、搬送ロール24と搬送ロール25との間に架け渡された基板Fに対して蒸発源3から蒸着材料Mを放出する。これにより、基板Fの蒸着面Faに膜が連続して形成される。この際、制御部5は蒸発源3を制御し、膜厚が一定になるようにノズル31からの蒸着材料Mの放出量を調整する。蒸着後の基板Fは、搬送ロール25〜27によって搬送方向D1へ搬送され、巻取ロール28によってロール状に巻き取られる。
ここで、上述した蒸着処理では、基板Fの交換時等において搬送機構2による基板Fの搬送が一時的に停止される場合がある。真空蒸着装置100では、蒸着材料Mの付着効率(蒸着効率)を上げるため、基板Fと蒸発源3のノズル31との間の距離(TS)が50mm程度と小さく設定されている。蒸着処理において蒸発源3の温度が350℃程度まで上昇するため、基板Fの搬送停止中に蒸発源3からの輻射熱によって基板Fの温度が上昇し、基板Fの熱負け(溶融)または破断等の可能性がある。なお、蒸着処理における蒸発源3の設定温度は、蒸着材料Mの種類に応じて適宜変更される。例えば、蒸着材料Mが有機材料の場合、有機材料の種類に応じて蒸発源3の温度を450℃程度まで設定してもよく、また、蒸着材料Mが無機材料の場合、蒸発源3の温度をさらに高く設定してもよい。
そこで、真空蒸着装置100では、基板Fの搬送停止中、基板Fに冷却板41を接触させることにより、蒸発源3からの輻射熱による基板Fの温度上昇を抑えている。具体的には、基板Fの搬送が停止した際(即ち、搬送工程停止中)、制御部5は基板冷却機構4の駆動部43を制御して、非接触位置P1から接触位置P2へ冷却板41を移動させる(冷却工程)。これにより、基板Fの熱が冷却板41に伝導して基板Fが冷却されるため、蒸発源3からの輻射熱による基板Fの温度上昇が抑えられる。したがって、蒸発源3からの輻射熱による基板Fの熱負け(溶融)または破断等の可能性を低減することができる。
なお、基板Fの搬送が停止した際、基板Fを冷却板41側へ移動させる構成であってもよい。すなわち、冷却板41を真空槽1の内部に固定し、例えば搬送ロール24および搬送ロール25を冷却板41側へ移動させることによって、搬送ロール24と搬送ロール25との間に架け渡された基板Fの裏面Fbを冷却板41に接触させる構成であってもよい。
なお、基板Fの搬送が停止した際、基板Fを冷却板41側へ移動させる構成であってもよい。すなわち、冷却板41を真空槽1の内部に固定し、例えば搬送ロール24および搬送ロール25を冷却板41側へ移動させることによって、搬送ロール24と搬送ロール25との間に架け渡された基板Fの裏面Fbを冷却板41に接触させる構成であってもよい。
(真空蒸着装置の効果)
上述した通り、本実施形態に係る真空蒸着装置100は、ロール状に巻かれた帯状の基板Fを巻き出して搬送する搬送機構2と、搬送される基板Fの蒸着面Faに蒸着材料Mを放出する蒸発源3と、蒸着面Faとは反対側の基板Fの裏面Fb側に、基板Fを挟んで蒸発源3と対向して配置される冷却板41とを備える。冷却板41は、基板Fの搬送中に基板Fの裏面Fbから離間し、基板Fの搬送停止中に基板Fの裏面Fbに接触する。
上述した通り、本実施形態に係る真空蒸着装置100は、ロール状に巻かれた帯状の基板Fを巻き出して搬送する搬送機構2と、搬送される基板Fの蒸着面Faに蒸着材料Mを放出する蒸発源3と、蒸着面Faとは反対側の基板Fの裏面Fb側に、基板Fを挟んで蒸発源3と対向して配置される冷却板41とを備える。冷却板41は、基板Fの搬送中に基板Fの裏面Fbから離間し、基板Fの搬送停止中に基板Fの裏面Fbに接触する。
真空蒸着装置100では、基板Fの搬送停止中に基板Fの裏面Fbに冷却板41を接触させるため、蒸発源3からの輻射熱による基板Fの温度上昇が抑えられる。したがって、従来のように基板Fと蒸発源3との間にシャッタ板(機構)を設けるスペースを確保する必要性がない。そのため、真空蒸着装置100では、基板Fと蒸発源3のノズル31との間の距離(TS)を従来よりも小さくすることが可能となる。
また、従来のように基板Fと蒸発源3との間にシャッタ板を設ける構成では、シャッタ板の蒸発源3側に蒸着材料Mが付着し、シャッタ板の開閉動作により蒸着材料Mが脱落して、蒸発源3へ落下する場合がある。この場合、蒸発源3へ落下した蒸発源3が再蒸発し、その結果、基板Fの蒸着品質の劣化が生じる。これに対して、真空蒸着装置100では、シャッタ板を備えないため、上述した基板Fの蒸着品質の劣化を回避することができる。
また、従来のように基板Fと蒸発源3との間にシャッタ板を設ける構成では、シャッタ板の蒸発源3側に蒸着材料Mが付着し、シャッタ板の開閉動作により蒸着材料Mが脱落して、蒸発源3へ落下する場合がある。この場合、蒸発源3へ落下した蒸発源3が再蒸発し、その結果、基板Fの蒸着品質の劣化が生じる。これに対して、真空蒸着装置100では、シャッタ板を備えないため、上述した基板Fの蒸着品質の劣化を回避することができる。
したがって、真空蒸着装置100によれば、蒸着効率の低下を伴わずに、蒸発源3からの輻射熱による基板Fへの影響を低減すること可能となる。また、真空蒸着装置100によれば、シャッタ板に付着した蒸着材料Mの再蒸発に起因する基板Fの蒸着品質の劣化を回避することが可能となる。
(変形例)
図4の4001〜4003は、冷却板41の構成例を示す模式図である。冷却板41の接触面41aは、基板Fの裏面Fbに接触可能であればよく、その形状は特に限定されない。例えば、図4の4001に示すように、接触面41aは、平担な面(平面)で構成されていてもよい。この場合、接触面41aは、基板Fの裏面Fbと略平行な面であることが好ましい。
図4の4001〜4003は、冷却板41の構成例を示す模式図である。冷却板41の接触面41aは、基板Fの裏面Fbに接触可能であればよく、その形状は特に限定されない。例えば、図4の4001に示すように、接触面41aは、平担な面(平面)で構成されていてもよい。この場合、接触面41aは、基板Fの裏面Fbと略平行な面であることが好ましい。
また、図4の4002および4003に示すように、接触面41aは、曲面を含む構成であってもよい。この場合、接触面41aは、その一部に曲面を含んでいてもよい。例えば図4の4002に示すように、搬送方向D1の上流側および下流側に位置する接触面41aの両端部が、基板Fから離間する方向に湾曲した形状であってもよい。或いは、冷却板41の接触面41a全体が曲面で構成されていてもよい。例えば図4の4003に示すように、接触面41a全体が上記両端部に近づくにつれて基板Fから離間する方向に湾曲した形状であってもよい。接触面41aが曲面を含むことにより、冷却板41と基板Fの密着性が増大する。したがって、冷却板41による基板Fの冷却効率を向上させることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 真空槽
2 搬送機構
3 蒸発源
4 基板冷却機構
41 冷却板(基板冷却部材)
100 真空蒸着装置(蒸着装置)
F 基板
Fa 蒸着面(一方の面)
Fb 裏面(他方の面)
P1 非接触位置
P2 接触位置
2 搬送機構
3 蒸発源
4 基板冷却機構
41 冷却板(基板冷却部材)
100 真空蒸着装置(蒸着装置)
F 基板
Fa 蒸着面(一方の面)
Fb 裏面(他方の面)
P1 非接触位置
P2 接触位置
Claims (5)
- ロール状に巻かれた帯状の基板を巻き出して搬送する搬送機構と、
搬送される前記基板の一方の面に蒸着材料を放出する蒸発源と、
前記一方の面とは反対側の前記基板の他方の面側に、前記基板を挟んで前記蒸発源と対向して配置され、前記基板の搬送中に前記他方の面から離間し、前記基板の搬送停止中に前記他方の面に接触する基板冷却部材と、
を備える蒸着装置。 - 前記基板冷却部材は、前記他方の面から離間した非接触位置と、前記他方の面に接触する接触位置と間を移動可能に設けられる請求項1に記載の蒸着装置。
- 前記基板冷却部材は、前記他方の面に接触する接触面を有する冷却板である請求項1または2に記載の蒸着装置。
- 前記接触面は、曲面を含む請求項3に記載の蒸着装置。
- ロール状に巻かれた帯状の基板を巻き出して搬送する搬送工程と、
搬送される基板の一方の面に蒸発源から蒸着材料を放出する放出工程と、
前記一方の面とは反対側の前記基板の他方の面側に、前記基板を挟んで前記蒸発源と対向して配置された基板冷却部材を、前記搬送工程停止中に前記他方の面に接触させる冷却工程と、
を含む蒸着基板の製造方法。
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