JP2021075448A - 複合有機エアロゲルの製造方法及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性、吸着能力、親水性、機械的強度を向上し、細孔容積の大きいエアロゲルの製造方法、およびその製法によるエアロゲルを提供する。【解決手段】ケイ素源とホウ素源とを酸性触媒とアルコール系溶媒との存在下で重縮合反応させるステップと、重縮合生成物をアルカリ環境下で活性炭と光か焼により活性化させてSiCOB骨格構造のゾルを形成するステップと、さらに非極性溶媒を用いてゾル中の極性溶媒を置換し、不活性ガス環境下で常圧で勾配熱分解処理するステップと、を含む。前記光か焼は、波長が170—190nmの紫外光を用い、熱分解温度が600℃を超えない。【選択図】図1

Description

本発明は材料科学技術分野に属し,具体的には複合有機エアロゲルの製造方法及びその用途に関する。
シリカエアロゲルは、構造が調整可能な非晶質固体孔材料であり、極めて低い密度を有し、比表面積及び空隙率が高く、高い吸着性能を有し、かつ非常に低い熱伝導率を示す。その低い熱伝導率で熱絶縁の分野において幅広く応用されており、例えば、真空絶縁板中の芯材として有機または無機のエアロゲルを用いることが知られている。しかしながら、エアロゲルは、孔径分布が狭く、構造が剛性及び脆弱であり、機械的強度及び引張強度が低く、疎水性エアロゲルの水濡れ性が悪く、水性溶液とよく混合することができず、エアロゲルから有機物を除去する深さは、制御が困難であったり、良好に制御されたりすることが困難であり、これらの問題は、様々な応用(例えば、柔軟性や一定の強度需要、必要親水性能等)における用途を制限している。しかしながら、従来技術で使用されているエアロゲルは、製造コストが高く製造が困難なエアロゲルであり、比較的長く、且つ高価な、超臨界CO2で乾燥させる段階が必要であるため、エアロゲルの高価な製造コスト、材料自体が克服しにくい低強度、高脆性などの欠点が、その広範な応用を制約するボトルネックとなっていた。
エアロゲルの調製や改質に応用される研究が多くなってきており、このうち、シロキシ基エアロゲル材料では、SiCOエアロゲルは、重要なエアロゲル材料であり、SiOエアロゲルに対して、シロキシネット構造が形成する強固な四面体分子構造は、エアロゲルのネットワーク構造を強化し、エアロゲル材料の熱的および力学的性質を向上させることができる。しかし、SiCOエアロゲルは、1000℃程度、酸素が存在する環境において、カーボン熱還元反応によるエアロゲル構造の分解が起こり、その遮熱効果に影響し、耐温性が高くなく、耐高温酸化性に劣り、SiCOエアロゲル材料の応用が制限されている。どのようにエアロゲル断熱複合材料の耐温性、耐高温酸化性を向上させて高温断熱効果を向上させるかは、当業者に極めて注目されている技術的課題である。
中国特許出願公開第104338512号明細書
本発明の目的は、反応進行を速めて反応効率を向上させることができ、複合エアロゲル生成物の吸着能力及び親水性能、特に親水性汚染物質に対する吸着容量を向上させることができ、熱分解において孔路の崩壊及び開裂を回避して生成物の細孔多様性及び細孔体積を増加させ、生成物の機械的強度及び延伸安定性を向上させることができ、製造コストを節約しエネルギー消費を低減することができる複合有機エアロゲルの製造方法を提供することにある。この方法で製造されたエアロゲルは、マイクロ孔及びメソ孔を主とする多段孔構造を有し、耐高温性能及び耐高温酸化性能が著しく向上し、最高使用温度が1500℃に達することができ、且つ材料の破断強度が著しく向上し、より良好な柔軟性及び耐変形能力を有する。
本発明の目的はまた、複合有機エアロゲルが、絶縁材料とする用途と、絶縁材料製造上、排水処理上、排水浄化上、空気浄化上、及び、多孔質粒子を担体として、薬物、触媒等の物質を担持した複合材料を製造する上での用途を提供することにある。
上記目的を実現するために:
複合有機エアロゲルの製造方法であって、ケイ素源とホウ素源とを酸性触媒とアルコール系溶媒との存在下で重縮合反応させるステップAと、前記重縮合生成物をアルカリ環境下で活性炭と光か焼により活性化させ、SiCOB骨格構造のゾルを形成するステップBと、前記SiCOB骨格構造のゾル中の極性溶媒を非極性溶媒で置換した後、不活性ガス環境下で常圧勾配熱分解処理することにより複合有機エアロゲルを得るステップCとを含み、前記光か焼による活性化は、波長が170〜190nmの紫外光放射処理を採用し、前記熱分解の温度が600℃を超えない。前記複合有機エアロゲルの製造方法で得られたエアロゲルは、マイクロ孔及びメソ孔を主とする多段孔構造を有しており、高温安定性及び耐熱性が強く、且つ、一定の親水性能及びより大きな吸着容量を有し、機械的強度及び引張安定性が向上し、より高い柔軟性及び耐変形能力を有し、コロイドが常圧で乾燥することができ、超臨界COの乾燥又は超高温熱分解の複雑なプロセスを回避し、エアロゲルの生産量及び生産規模の向上に有利であり、生産コストの節減及びエネルギー消費の低減に有利である。
本発明では、ケイ素源、ホウ素源及び酸性触媒の重量比は、1:0.5〜1:0.05〜0.2である。前記ケイ素源は、テトラアルコキシシランSI(OR又はシリル化された化合物であり、Rは、飽和又は非飽和の炭素数1〜12の基であり、前記ホウ素源は、構造式がB(ORであるn―ボロン酸エステルであり、Rが飽和又は非飽和の炭素数1〜12の基であり、前記酸性触媒は、塩酸、硝酸、硫酸、シュウ酸、酢酸、リン酸、アクリル酸、トルエンスルホン酸、ジクロロ酢酸又はギ酸の水溶液から選択され、好ましくは、酸性触媒はアクリル酸である。酸性触媒の添加は、ケイ素源を加水分解させることにより、ホウ素源と架橋及び重縮合反応を生じさせることができる。エアロゲル構造中にホウ素原子を導入して形成されたSiOB構造は、SiO、SiCOエアロゲルが高温で構造崩れを起こすことを阻止し、より複雑且つ安定な構造を提供することができ、熱伝導率への影響が小さい場合には、エアロゲル生成物の高温安定性および耐熱性能を向上させることができ、生成物の適用範囲を補強し、生成物の使用中における高温による損失を低減することができる。
本発明において、重縮合反応の条件は、温度が55〜65℃、超音波パワーが600〜1000W、反応時間が120〜210minである。
本発明は、アルカリ環境のpHが10〜14であり、前記紫外光放射処理の条件は、紫外線ランプの電力が60〜500Wであり、時間が120〜240minである。なお、紫外線照射処理の時間は、紫外線ランプの電力に関連し、紫外線ランプの電力が高いほど、照射処理の時間が短くなる。アルカリ液は、ゾル中の疎水基を活性化させ、紫外光作用により生じた遊離酸素基が重縮合生成物SiOB前駆体のマトリックスの有限深さで往復し、活性炭とマトリックス構造中の原子間距離が小さくなり、さらに重合してSiCOB骨格構造を形成し、エアロゲル生成物中の多段孔構造と親水性能を増強し、複合エアロゲル生成物の吸着能を向上させる。
本発明は、活性炭とケイ素源との重量比が0.5〜1.5:1であり、前記光か焼による活性化は、補助剤の助けを借り、前記補助剤は、グリオキザール、ポリヒドロキシベンゼン、N,N―ジメチルホルムアミドを含み、前記グリオキザール、ポリヒドロキシベンゼン、N,N―ジメチルホルムアミドの添加量がそれぞれ活性炭重量の1〜5%、0.5〜1%、0.03〜0.1%である。ポリヒドロキシベンゼンとしては、ジ又はトリヒドロキシベンゼンが好ましく、例えば、レゾルシノール、ピロカテコール、ヒドロキノン、フロログルシン、及びこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、ポリヒドロキシベンゼンがフロログルシンである。活性炭と光か焼は、エアロゲル生成物の親水性能を高めることができ、補助剤の添加は、SiOB前駆体骨格への活性炭のエッチングを促進し、前駆体骨格中への活性炭の埋め込みと重縮合を促進してSiCOB三次元網目状の骨格構造を形成し、反応速度を向上させるとともに、補助剤は骨格中で光か焼と熱分解による膨張効果を利用して、エアロゲル生成物内部の基活性を大きくし、孔構造と合わせて強い吸着能力を有し、特に、親水性汚染物質(例えばフェノール)に対してより大きな吸着容量を有するようにする。
本発明は、非極性溶媒中にn―ヘキサンまたは四塩化炭素を含有し、前記非極性溶媒には、さらに、0.1〜0.5wt%の補助剤を含み、前記補助剤には、重量比が1:0.5〜1である2,4―トリレンジイソシアネートおよびエチレングリコールジメチルエーテルが含まれる。非極性溶媒は、表面張力が小さく、通常の乾燥条件では極性溶媒がゲルの収縮を起こしにくく、乾燥中にゲル骨格の潰れや構造破壊を起こさず、補助剤が溶媒置換時にコロイド骨格中に浸透し、コロイド中の二次粒子と架橋結合して骨格に垂れ、高温熱分解時に補助剤が二次粒子の温度に対する感度を低下させることができ、二次粒子の高温でのスリップ現象が弱く、エアロゲル材料中に形成されたマイクロ孔とメソ孔の孔路が潰れにくく開裂しにくく、細孔多様性や細孔体積が増加するとともに、補助剤が熱分解して拡散した活性原子を二次粒子のネック部に凝集させることができ、ネック部に沈殿の原子量が多くなり、外力が作用したときにネック部がより強い耐衝撃抵抗保護を有して破断せず、エアロゲル生成物の機械的強度及び引張安定性が向上し、より良好な柔軟性と耐変形能力を有する。
本発明では、前記溶媒置換は、ゾルコロイドを非極性溶媒で12〜24h浸漬することを含み、前記溶媒置換の前に、ゾルコロイドを先にエイジング処理し、前記エイジング処理の条件は、温度が55〜65℃であり、恒温静置12―36hである。エイジング作用により、ゾルのゲル化がより安定し、複合ゲルが完全なネットワーク構造を形成することが保証され、結晶形が整っており、粒が大きく純粋なコロイド沈殿が得られる。非極性溶媒の小さい表面張力を利用してゾルコロイド液中の極性溶媒を交換した後、常圧でコロイドを乾燥させることにより、超臨界COの乾燥や超高温熱分解の複雑なプロセスが回避され、エアロゲルの収率や生産規模の向上に有利であり、製造コストの削減や消費エネルギーの低減に有利である。
本発明では、不活性ガスはN、ArまたはHeであり、不活性ガスの流速は100〜500mL/minである。
本発明では、前記常圧勾配熱分解処理の具体的な操作は、5〜15℃/minの昇温レートで、250〜300℃に昇温し、1〜2h保温し、さらに5〜15℃/minの昇温レートで450〜550℃に昇温し、1〜2h保温し、その後自然降温冷却すればよい。勾配熱分解プロセスでは、SiCOB骨格中の各原子が活性化される。温度の上昇に伴い、骨格構造における原子間距離が変化して原子間の膨張効果や引力が変化し、炭素ケイ素材料層間に屈曲が形成して回復できない空隙や孔路が生じ、勾配保温が材料におけるメソ孔構造の形成と保持に寄与することで、エアロゲル生成物がマイクロ孔とメソ孔を主とする多段孔構造に形成し、材料の比表面積及び空隙率を増加させることにより、低い熱伝導率を有する複合有機エアロゲル材料を得ることができる。
本発明はまた、前記手順で得られる複合有機エアロゲルを開示し、ケイ素源中に酸素、ホウ素元素を導入し、SiOB前駆体を形成し、さらに活性炭と光か焼により活性化し、SiCOB骨格構造を形成することで、マイクロ孔とメソ孔を主とする多段孔構造の前記複合有機エアロゲル材料を得る。
本発明では、複合有機エアロゲルは、80〜95%の空隙率と、500m/g〜1500m/gの比表面と、0.5cm/g〜3.5cm/gの孔体積と、1nm〜40nmの平均孔径と、0.05〜0.3g/cmの密度と、の少なくともいずれか一つを示す。このエアロゲル粒子は、粒径分布が均一で、孔路構造が均一的で崩れておらず、孔径分布が集中し、優れた吸着性能と再生性能を有する。該材料は水と空気及び周囲環境における有害な汚染物質(例えば有機溶媒及び油脂など)に対して吸着除去効果を有し、かつ吸着物質を複合有機エアロゲルから分離することができ、材料の複数回の循環利用を実現し、廃水処理、廃水浄化及び空気浄化の面で広い応用将来性及び市場将来性を有する。
本発明では、複合有機エアロゲルは、常温における熱伝導率が10〜45mW/(m・K)であり、1000℃、1200℃、1500℃における最低熱伝導率が0.032W/m・K、0.057W/m・K、0.283W/m・Kである。この複合有機エアロゲルは、高い空隙率、低密度の特徴を有し、熱伝導率が低く、断熱性能に優れ、耐高温性能および耐高温酸化性能が著しく向上し、最高使用温度が1500℃に達することができる。前記複合有機エアロゲル材料は、1000℃の好気環境で2h処理した後、外観に変化がなく、平面方向と厚さ方向ともに顕著に収縮しない。
本発明では、複合有機エアロゲルは、破断強度が10〜25MPaであり、圧縮弾性率が300〜900MPaである。このエアロゲル材料は、破断強度が著しく向上し、引張弾性及び引張安定性が向上し、他の材料と比較して柔軟性及び変形抵抗性が高く、荷下ろし後の反発性能を有し、一般的なエアロゲル材料の低強度、高脆性の欠点を克服又は改善して、前記欠点による応用制限を回避できる。
本発明はまた、前記方法により製造された複合有機エアロゲルの用途を開示しており、この複合有機エアロゲルは、絶縁材料としての用途と、絶縁材料を調製する用途との少なくともいずれか一つを有する。前記絶縁材料は熱絶縁及び音響絶縁材料を含む。
本発明では、複合有機エアロゲルが排水処理、排水浄化および空気浄化における用途も含む。複合有機エアロゲルの優れた吸着性能を利用して汚染物を除去する目的を実現し、材料を再生およびリサイクルし、処理効果が高く、材料サイクル利用率が高く、材料損耗が低減される。
本発明では、複合有機エアロゲルは、多孔質粒子を担体として、薬物、触媒等の物質が担持された複合材料を製造するときの用途も含む。具体的には、複合有機エアロゲルは、光触媒を担持することができ、可視光照射下で空気中の汚染物質を除去し、環境を浄化する目的で使用され、複合有機エアロゲルは、薬物を担持することができ、大きな負荷量を有し、薬物の制御可能な放出を実現する。
本発明の有益な効果は以下のとおりである:
本発明の製造方法は、反応進行を速めて反応効率を向上させることができ、エアロゲル生成物の高温安定性および耐熱性能を向上させ、かつ、複合エアロゲル生成物の吸着能力および親水性能を向上させることができ、特にフェノールなどの親水性汚染物質に対して吸着容量が大きく、熱分解時に孔路が潰れにくく開裂することがなく、生成物の細孔多様性および細孔容積を増加させることができ、エアロゲル生成物の機械的強度および引張安定性を向上させることができる。
本発明の製造方法は、非極性溶媒置換と常圧勾配熱分解との相乗的な組み合わせにより、コロイドを常圧で乾燥させることができ、超臨界COの乾燥や超高温熱分解の複雑なプロセスを回避し、エアロゲルの産量や生産規模の向上に有利であり、原料及び生産コストが低く、生産サイクルが短く、生産コストを節約し、エネルギー消費を低減することができる。
本発明のエアロゲルは、マイクロ孔とメソ孔を主とする多段孔構造を有し、優れた吸着性能と再生性能を有し、材料の複数回のリサイクルを可能とし、高空隙率、低密度、低熱伝導率の特長を有し、断熱性能に優れ、耐高温性能と耐高温酸化性能が著しく向上し、最高使用温度が1500℃に達し、かつ材料の破断強度が著しく向上し、より良好な柔軟性と耐変形能力を有するとともに、除荷後に反発能力を有し、一般的なエアロゲル材料の低強度、高脆性の欠点による適用の制限を解決する。
本発明の複合有機エアロゲルは、絶縁材料と絶縁材料の調製との少なくともいずれか一つに適用価値を有するものであり、排水処理、排水浄化及び空気浄化の点で、多孔質粒子を担体として、薬物、触媒等の物質を担持した複合材料を製造する上で、適用価値を有する。
本発明は前記技術的解決手段を採用して複合有機エアロゲルの製造方法及びその用途を提供し,従来の技術の不足を補い、設計が合理的であり、操作しやすい。
複合有機エアロゲル材料の窒素吸着等温線である。 複合有機エアロゲル材料の孔径分布曲線である。 複合有機エアロゲル材料の圧縮および引張試験の応力―ひずみ曲線模式図であり、Aで実施例1を表し、Bで実施例3を表し、Cで対照群を表す。 複合有機エアロゲル材料の25℃でのフェノールに対する吸着等温線模式図である。
以下に具体的な実施形態及び図面を参照しながら本発明の技術的解決手段をさらに詳細に説明する:
複合有機エアロゲルの製造方法であって、ケイ素源とホウ素源とを酸性触媒とアルコール系溶媒との存在下で重縮合反応させるステップAと、前記重縮合生成物をアルカリ環境下で活性炭と光か焼により活性化させ、SiCOB骨格構造のゾルを形成するステップBと、前記SiCOB骨格構造のゾル中の極性溶媒を非極性溶媒で置換した後、不活性ガス環境下で常圧勾配熱分解処理することにより複合有機エアロゲルを得るステップCとを含み、前記光か焼による活性化は、波長が170〜190nmの紫外光放射処理を採用し、前記熱分解の温度が600℃を超えない。前記複合有機エアロゲルの製造方法で得られたエアロゲルは、マイクロ孔及びメソ孔を主とする多段孔構造を有しており、高温安定性及び耐熱性が強く、且つ、一定の親水性能及びより大きな吸着容量を有し、機械的強度及び引張安定性が向上し、より高い柔軟性及び耐変形能力を有し、コロイドが常圧で乾燥することができ、超臨界COの乾燥又は超高温熱分解の複雑なプロセスを回避し、エアロゲルの生産量及び生産規模の向上に有利であり、生産コストの節減及びエネルギー消費の低減に有利である。
本発明では、ケイ素源、ホウ素源及び酸性触媒の重量比は、1:0.5〜1:0.05〜0.2であり、例えば1:0.5:0.05、1:0.7:0.1、1:0.8:0.08等である。
前記ケイ素源は、テトラアルコキシシランSI(OR又はシリル化された化合物であり、Rは、飽和又は非飽和の炭素数1〜12の基であり、テトラアルコキシシランとしては、例えば、n―ケイ酸メチル、n―ケイ酸エチル等が挙げられるが、これらに限定されなく、シリル化された化合物としては、シラン、アルコキシシラン、アルコキシアルキルシラン、ジシロキサン、及びこれらの組み合わせ等を含み、フェニルエチルジエトキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ジビニルジプロポキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等が挙げられるが、これらに限定されない。
前記ホウ素源は、構造式がB(ORであるn―ボロン酸エステルであり、Rが飽和又は非飽和の炭素数1〜12の基であり、例えば、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチルが挙げられる。
前記酸性触媒は、塩酸、硝酸、硫酸、シュウ酸、酢酸、リン酸、アクリル酸、トルエンスルホン酸、ジクロロ酢酸又はギ酸の水溶液から選択され、好ましくは、酸性触媒はアクリル酸である。酸性触媒の添加は、ケイ素源を加水分解させることにより、ホウ素源と架橋及び重縮合反応を生じさせることができる。エアロゲル構造中にホウ素原子を導入して形成されたSiOB構造は、SiO、SiCOエアロゲルが高温で構造崩れを起こすことを阻止し、より複雑且つ安定な構造を提供することができ、熱伝導率への影響が小さい場合には、エアロゲル生成物の高温安定性および耐熱性能を向上させることができ、生成物の適用範囲を補強し、生成物の使用中における高温による損失を低減することができる。
前記アルコール系溶媒は、エタノール又はイソプロピルアルコールである。
本発明において、重縮合反応の条件は、温度が55〜65℃、超音波パワーが600〜1000W、反応時間が120〜210minである。
本発明は、アルカリ環境のpHが10〜14であり、前記紫外光放射処理の条件は、紫外線ランプの電力が60〜500Wであり、時間が120〜240minである。なお、紫外線照射処理の時間は、紫外線ランプの電力に関連し、紫外線ランプの電力が高いほど、照射処理の時間が短くなる。アルカリ液は、ゾル中の疎水基を活性化させ、紫外光作用により生じた遊離酸素基が重縮合生成物SiOB前駆体のマトリックスの有限深さで往復し、活性炭とマトリックス構造中の原子間距離が小さくなり、さらに重合してSiCOB骨格構造を形成し、エアロゲル生成物中の多段孔構造と親水性能を増強し、複合エアロゲル生成物の吸着能を向上させる。前記アルカリ液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸リチウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。
本発明は、活性炭とケイ素源との重量比が0.5〜1.5:1であり、前記光か焼による活性化は、補助剤の助けを借り、前記補助剤は、グリオキザール、ポリヒドロキシベンゼン、N,N―ジメチルホルムアミドを含み、前記グリオキザール、ポリヒドロキシベンゼン、N,N―ジメチルホルムアミドの添加量がそれぞれ活性炭重量の1〜5%、0.5〜1%、0.03〜0.1%である。ポリヒドロキシベンゼンとしては、ジ又はトリヒドロキシベンゼンが好ましく、例えば、レゾルシノール、ピロカテコール、ヒドロキノン、フロログルシン、及びこれらの混合物が挙げられ、好ましくは、ポリヒドロキシベンゼンがフロログルシンである。活性炭と光か焼は、エアロゲル生成物の親水性能を高めることができ、補助剤の添加は、SiOB前駆体骨格への活性炭のエッチングを促進し、前駆体骨格中への活性炭の埋め込みと重縮合を促進してSiCOB三次元網目状の骨格構造を形成し、反応速度を向上させるとともに、補助剤は骨格中で光か焼と熱分解による膨張効果を利用して、エアロゲル生成物内部の基活性を大きくし、孔構造と合わせて強い吸着能力を有し、特に、親水性汚染物質(例えばフェノール)に対してより大きな吸着容量を有するようにする。
本発明は、非極性溶媒中にn―ヘキサンまたは四塩化炭素を含有し、前記非極性溶媒には、さらに、0.1〜0.5wt%の補助剤を含み、前記補助剤には、重量比が1:0.5〜1である2,4―トリレンジイソシアネートおよびエチレングリコールジメチルエーテルが含まれる。非極性溶媒は、表面張力が小さく、通常の乾燥条件では極性溶媒がゲルの収縮を起こしにくく、乾燥中にゲル骨格の潰れや構造破壊を起こさず、補助剤が溶媒置換時にコロイド骨格中に浸透し、コロイド中の二次粒子と架橋結合して骨格に垂れ、高温熱分解時に補助剤が二次粒子の温度に対する感度を低下させることができ、二次粒子の高温でのスリップ現象が弱く、エアロゲル材料中に形成されたマイクロ孔とメソ孔の孔路が潰れにくく開裂しにくく、細孔多様性や細孔体積が増加するとともに、補助剤が熱分解して拡散した活性原子を二次粒子のネック部に凝集させることができ、ネック部に沈殿の原子量が多くなり、外力が作用したときにネック部がより強い耐衝撃抵抗保護を有して破断せず、エアロゲル生成物の機械的強度及び引張安定性が向上し、より良好な柔軟性と耐変形能力を有する。
本発明では、前記溶媒置換は、ゾルコロイドを非極性溶媒で12〜24h浸漬することを含み、前記溶媒置換の前に、ゾルコロイドを先にエイジング処理し、前記エイジング処理の条件は、温度が55〜65℃であり、恒温静置12―36hである。エイジング作用により、ゾルのゲル化がより安定し、複合ゲルが完全なネットワーク構造を形成することが保証され、結晶形が整っており、粒が大きく純粋なコロイド沈殿が得られる。非極性溶媒の小さい表面張力を利用してゾルコロイド液中の極性溶媒を交換した後、常圧でコロイドを乾燥させることにより、超臨界COの乾燥や超高温熱分解の複雑なプロセスが回避され、エアロゲルの収率や生産規模の向上に有利であり、製造コストの削減や消費エネルギーの低減に有利である。
本発明では、不活性ガスはN、ArまたはHeであり、不活性ガスの流速は100〜500mL/minである。
本発明では、前記常圧勾配熱分解処理の具体的な操作は、5〜15℃/minの昇温レートで、250〜300℃に昇温し、1〜2h保温し、さらに5〜15℃/minの昇温レートで450〜550℃に昇温し、1〜2h保温し、その後自然降温冷却すればよい。勾配熱分解プロセスでは、SiCOB骨格中の各原子が活性化される。温度の上昇に伴い、骨格構造における原子間距離が変化して原子間の膨張効果や引力が変化し、炭素ケイ素材料層間に屈曲が形成して回復できない空隙や孔路が生じ、勾配保温が材料におけるメソ孔構造の形成と保持に寄与することで、エアロゲル生成物がマイクロ孔とメソ孔を主とする多段孔構造に形成し、材料の比表面積及び空隙率を増加させることにより、低い熱伝導率を有する複合有機エアロゲル材料を得ることができる。
本発明において、複合有機エアロゲルの具体的な製造手順は、
アルコール系溶媒にケイ素源、ホウ素源及び酸性触媒を添加し、35〜55℃、600〜1000r/minの攪拌速度で60〜120min攪拌した後、温度55〜65℃、電力600〜1000Wの超音波環境下で120〜210min重縮合反応させ、SiOB前駆体ゾルを得て、アルコール系溶媒の使用量はケイ素源の5〜10倍量であるステップ1と、
SiOB前駆体ゾルにアルカリ液を加えてpHを10〜14に調整した後、活性炭、グリオキザール、ポリヒドロキシベンゼン、N,N―ジメチルホルムアミドを加えて均一に攪拌し、さらにパワー60〜500Wの紫外線ランプ下に120〜240min照射し、SiCOB骨格構造を有するゾルを得るステップ2と、
SiCOBゾルを55〜65℃で12〜36h恒温静置エイジングした後、3〜5倍量の非極性溶媒にコロイドを取り出して12〜24h浸漬して溶媒交換した後、不活性ガス環境下で常圧勾配熱分解処理を行い、複合有機エアロゲルを得るステップ3と、を含む。
本発明はまた、ケイ素源中に酸素、ホウ素元素を導入し、SiOB前駆体を形成し、さらに活性炭と光か焼により活性化し、SiCOB骨格構造を形成し、マイクロ孔とメソ孔を主とする多段孔構造の複合有機エアロゲル材料を得る方法で得られる複合有機エアロゲルを開示する。
本発明では、複合有機エアロゲルは、80〜95%の空隙率と、500m/g〜1500m/gの比表面と、0.5cm/g〜3.5cm/gの孔体積と、1nm〜40nmの平均孔径と、0.05〜0.3g/cmの密度と、の少なくともいずれか一つを示す。このエアロゲル粒子は、粒径分布が均一で、孔路構造が均一的で崩れておらず、孔径分布が集中し、優れた吸着性能と再生性能を有する。該材料は水と空気及び周囲環境における有害な汚染物質(例えば有機溶媒及び油脂など)に対して吸着除去効果を有し、かつ吸着物質を複合有機エアロゲルから分離することができ、材料の複数回の循環利用を実現し、廃水処理、廃水浄化及び空気浄化の面で広い応用将来性及び市場将来性を有する。
本発明では、複合有機エアロゲルは、常温における熱伝導率が10〜45mW/(m・K)であり、1000℃、1200℃、1500℃における最低熱伝導率が0.032W/m・K、0.057W/m・K、0.283W/m・Kである。この複合有機エアロゲルは、高い空隙率、低密度の特徴を有し、熱伝導率が低く、断熱性能に優れ、耐高温性能および耐高温酸化性能が著しく向上し、最高使用温度が1500℃に達することができる。前記複合有機エアロゲル材料は、1000℃の好気環境で2h処理した後、外観に変化がなく、平面方向と厚さ方向ともに顕著に収縮しない。
本発明では、複合有機エアロゲルは、破断強度が10〜25MPaであり、圧縮弾性率が300〜900MPaである。このエアロゲル材料は、破断強度が著しく向上し、引張弾性及び引張安定性が向上し、他の材料と比較して柔軟性及び変形抵抗性が高く、荷下ろし後の反発性能を有し、一般的なエアロゲル材料の低強度、高脆性の欠点を克服又は改善して、前記欠点による応用制限を回避できる。
本発明において、複合有機エアロゲルには、メチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコールとワックスエマルジョンの少なくともいずれか一つ等の他の補助材料を含むことができ、これによって生体適合性等の材料性能を向上させることができる。また、複合有機エアロゲルには、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、または二酸化ジルコニウム、またはこれらの混合物などのIR遮光剤が含まれていてもよく、好ましくは、遮光剤は二酸化チタン、鉄酸化物または二酸化ジルコニウムである。遮光剤は、輻射による熱伝導率への影響を低減することができ、特に高温下で使用される。
本発明はまた、前記方法により製造された複合有機エアロゲルの用途を開示しており、この複合有機エアロゲルは、絶縁材料としての用途と、絶縁材料を調製する用途との少なくともいずれか一つを有する。前記絶縁材料は熱絶縁及び音響絶縁材料を含む。
本発明では、複合有機エアロゲルが排水処理、排水浄化および空気浄化における用途も含む。複合有機エアロゲルの優れた吸着性能を利用して汚染物を除去する目的を実現し、材料を再生およびリサイクルし、処理効果が高く、材料サイクル利用率が高く、材料損耗が低減される。
本発明では、複合有機エアロゲルは、多孔質粒子を担体として、薬物、触媒等の物質が担持された複合材料を製造するときの用途も含む。具体的には、複合有機エアロゲルは、光触媒を担持することができ、可視光照射下で空気中の汚染物質を除去し、環境を浄化する目的で使用され、複合有機エアロゲルは、薬物を担持することができ、大きな負荷量を有し、薬物の制御可能な放出を実現する。
本発明において、複合有機エアロゲルの用途としては、バルク、ビルディングブロック、光導波管、カバー、マット媒体、構造クラッド板、ガラス繊維補強板、窓、隔壁、複合壁、保温板、遮音板、防湿物品、複合発泡体、又は本発明のエアロゲル粒子を含む工業製品が挙げられるが、これらに限定されない。
なお、前記説明は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではなく、特許請求の範囲および精神内で当業者が変更および修正することが可能であることが当業者に理解されるところである。特に、本発明は、以上説明した実施形態と異なる特徴を有する任意の組み合わせの他の実施形態を包含するものであり、本発明の範囲は以下の具体例に限定されるものではない。
実施例1:
複合有機エアロゲルの製造方法は、
オルトケイ酸エチル、ホウ酸トリメチル及びアクリル酸をエタノール溶媒に添加し、50℃で、1000r/minの撹拌速度で120min撹拌した後、温度60℃、電力1000Wの超音波環境下で180min重縮合反応を行い、SiOB前駆体ゾルを得て、前記オルトケイ酸エチル、ホウ酸トリメチルとアクリル酸の重量比が1:0.7:0.05であり、エタノール溶媒の使用量がオルトケイ酸エチルの5倍量であるステップ1と、
SiOB前駆体ゾルに水酸化ナトリウムを加えてpHを12に調整した後、活性炭、グリオキザール、フロログルシンおよびN,N―ジメチルホルムアミドを添加して均一に撹拌し、さらに電力400Wの紫外線ランプ下に置いて150min放射し、SiCOB骨格構造を有するゾルを得て、前記活性炭とオルトケイ酸テトラエチルとの重量比が0.7:1であり、前記光か焼による活性化用の補助剤に含まれるグリオキサール、フロログルシンおよびN,N―ジメチルホルムアミドの添加量がそれぞれ活性炭重量の1.5%、0.5%および0.05%であるステップ2と、
SiCOBゾルを60℃で36h恒温静置エイジングした後、5倍量の非極性溶媒にコロイドを取り出して24h浸漬して溶媒交換した後、不活性ガスArを300mL/minの流速で流し、不活性ガス環境且つ常圧環境下、昇温速度10℃/minで300℃まで昇温し、1.5h保温し、さらに昇温速度15℃/minで500℃まで昇温し、2h保温し、その後自然降温冷却して複合有機エアロゲルを得て、前記非極性溶媒は、n―ヘキサンであり、0.5wt%の補助剤を含み、前記補助剤には、重量比1:0.5の2,4―トリレンジイソシアネートとエチレングリコールジメチルエーテルが含まれるステップ3と、を含む。
得られた複合有機エアロゲルの孔構造のパラメータ及び基本性能は、93.7%の空隙率、1238m/gの比表面積、2.8cm/gの細孔容積、22nmの平均孔径、0.13g/cmの密度であり、常温での熱伝導率は23mW/(m・K)である。
実施例2:
複合有機エアロゲルの調製方法は、ステップ2において光か焼による活性化用の補助剤がグリオキザールを含むが、ポリヒドロキシベンゼンとN,N―ジメチルホルムアミドが添加されていない点のみが実施例1と異なる。
実施例3:
複合有機エアロゲルの製造方法は、ステップ3において非極性溶媒に2,4―トリレンジイソシアネートとエチレングリコールジメチルエーテルとを含む補助剤が添加されていない点のみが実施例1と異なる。
実施例4:
複合有機エアロゲルの製造方法は、ステップ3において、非極性溶媒置換と常圧勾配熱分解との協働によりエアロゲル乾燥を行うのではなく、CO超臨界乾燥を採用する点のみが実施例1と異なるが、その具体的な手順は以下のとおりである:
エイジングしたコロイドを超臨界流体乾燥設備に置き、3.5MPaのNを予備充填した後、COを600mL/hの流速で流し、乾燥の間に設備内圧力を安定させた後、10℃/minの速度で250℃まで加熱し、2.5h保温し、さらに50kPa/minの速度で徐々に圧力を解放し、最後にNで30minパージし、複合有機エアロゲル材料を得る。
実施例5:
複合有機エアロゲルの製造方法は、ステップ3において、非極性溶媒置換と常圧勾配熱分解との協働によりエアロゲル乾燥を行うのではなく、超高温熱分解の方法で乾燥させる点のみが実施例1と異なるが、その具体的な手順は以下のとおりである:
エイジングしたコロイドを高温割れ炉に入れ、50mL/minの流速でアルゴンガスを充填し、10℃/minの速度で950℃まで昇温して2h保温し、室温まで冷却し、複合有機エアロゲルを得る。
試験例1:
複合有機エアロゲル材料の孔構造特徴づけ
試験サンプルは、実施例1、3、4及び5で得られた複合有機エアロゲル材料である。
試験方法:サンプルの77Kでの窒素吸着等温線をAutosorb―IQで測定し、サンプルの比表面積をBET法で算出し、DFT法でサンプルの細孔容積と孔径分布を算出する。詳細は図1、図2及び表1に示すとおりである。
図1は複合有機エアロゲル材料の窒素ガス吸着等温線であり、図2は複合有機エアロゲル材料の孔径分布曲線である。図1から明らかなように、各実施例の複合有機エアロゲル材料サンプルは、共にI型とIV型吸着等温線の部分的特徴を示し、かつ0.5〜1.0の圧力範囲にH4型のヒステリシスループが現れ、材料中にメソ孔構造が存在することを示し、低圧範囲(P/P<0.1)では、両サンプルともに一定の吸着量があり、材料中に一定量のマイクロ孔構造があることを示している。実施例1及び3で得られたサンプルが実施例4及び5のサンプルよりもP/P<0.1の範囲で急激に吸着容量が増加しているのは、実施例1及び3のサンプルでは多数のマイクロ孔が充填されているためであり、実施例1及び3の調製方法はエアロゲルコロイド中のマイクロ孔構造が高温で潰れないことを保護することができることを示し、実施例1のサンプルは、実施例3のサンプルよりP/P>0.5の範囲内でヒステリシスループ面積が大きく、図2では実施例1の孔径分布が実施例3よりも多様であり、これは、実施例1ではより多くのメソ孔が存在することを説明し、実施例1が実施例3の調製方法よりもコロイドにおけるメソ孔の孔路を保護して高温でも潰れさせず、割れさせず、細孔多様性を増し、メソ孔及びマイクロ孔を主とする多段孔構造を形成させることができることを説明する。
表1、複合有機エアロゲル材料の孔構造パラメータ
Figure 2021075448
表1から明らかなように、実施例1及び3は、高い比表面積及び細孔容積を示し、空隙率が85%以上となっており、その製造方法は、材料比表面積、空隙率及び細孔容積を増加させることができ、材料の熱伝導率の低減に有利であることを説明し、実施例1の製造方法は、実施例3に比べて、孔構造の多様性を増し、材料の空隙率及び孔体積を向上させることができる。
試験例2:
複合有機エアロゲル材料の圧縮及び引張特性試験
試験サンプルは、実施例1、3で得られた複合有機エアロゲル材料である。
試験方法:サンプルを採取して三点圧縮の点と引張の点で機械的性質の測定を行い、測定基準はASTMC165―07であり、MTS引張/圧縮テスターを用いて測定し、ある市販のシリカエアロゲルを採取して対照群とする。結果を図3に示す。
図3は複合有機エアロゲル材料の圧縮と引張試験の応力―ひずみ曲線模式図であり、Aで実施例1を表し、Bで実施例3を表し、Cで対照群を表す。図3から明らかなように、曲線は降伏段階がなく、材料の耐圧性能は引張特性からはるかに優れており、得られたエアロゲル材料は脆性材料の属性を有しており、実施例1の材料は延伸中に耐えうる最大応力値が最も高く、実施例3のは二番目であり、対照群の最大応力値が最も低く、実施例1で得られた材料の調製方法はエアロゲルの柔軟性及び耐変形能力を著しく向上させ、エアロゲルの適用範囲及び価値を増加させることができることと説明する。
表2、複合有機エアロゲル材料の圧縮試験結果
Figure 2021075448
表2から明らかなように、実施例1の材料は、圧縮中の破断強度が最も高く、実施例3のは二番目であり、対照群の破断強度が最も低く、実施例1の調製方法は、エアロゲルの破断強度及び機械的強度が顕著に向上し、エアロゲルの適用範囲及び価値を増加させることを説明する。
試験例3:
複合有機エアロゲル材料の吸着能力試験
試験サンプルは、実施例1、2で得られた複合有機エアロゲル材料であり、ある市販のシリカエアロゲルを対照群とする。
試験方法:サンプル10gを取り、スマート重量吸着器IGA―002を用いて常温25℃におけるフェノールの吸着等温線を測定し、測定結果を図4に示す。
図4は複合有機エアロゲル材料の25℃でのフェノールに対する吸着等温線模式図である。図から明らかなように、実施例1はフェノールに対して最も高い吸着容量を有し、25℃でのフェノールに対する平衡吸着量は419mg/gであり、実施例2は平衡吸着量が307mg/gであり、対照群は平衡吸着量が183mg/gのみであり、本発明で調製したエアロゲルがより優れた吸着能を有することを説明し、実施例1は実施例2の調製方法よりも親水性汚染物質(例えばフェノール)に対する吸着容量を増加及び向上させることができることを説明し、廃水処理、排水浄化及び空気浄化においてより広範な用途を有することが分かる。
前記実施例における従来技術は当業者に知られている従来技術であるため,ここでは詳細な説明を省略する。
以上の実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変形や変形が可能であることは当業者に明らかである。したがって、すべての同等の技術的解決手段も本発明の範疇に含まれるものであり、本発明の特許請求の範囲は、特許請求の範囲によって制限されるべきである。

Claims (10)

  1. 複合有機エアロゲルの製造方法であって、
    ケイ素源とホウ素源とを酸性触媒とアルコール系溶媒との存在下で重縮合反応させるステップAと、前記重縮合生成物をアルカリ環境下で活性炭と光か焼により活性化させ、SiCOB骨格構造のゾルを形成するステップBと、前記SiCOB骨格構造のゾル中の極性溶媒を非極性溶媒で置換した後、不活性ガス環境下で常圧勾配熱分解処理することにより複合有機エアロゲルを得るステップCとを含み、
    前記光か焼による活性化は、波長が170〜190nmの紫外光放射処理を採用し、
    前記熱分解の温度は、600℃を超えない、
    ことを特徴とする複合有機エアロゲルの製造方法。
  2. 前記ケイ素源、前記ホウ素源及び前記酸性触媒の重量比は、1:0.5〜1:0.05〜0.2であり、
    前記ケイ素源は、テトラアルコキシシランSI(OR又はシリル化された化合物であり、
    前記Rは、飽和又は非飽和の炭素数1〜12の基であり、
    前記ホウ素源は、構造式がB(ORであるn―ボロン酸エステルであり、
    前記Rは、飽和又は非飽和の炭素数1〜12の基である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合有機エアロゲルの製造方法。
  3. 前記重縮合反応の条件は、温度が55〜65℃、超音波パワーが600〜1000W、反応時間が120〜210minである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合有機エアロゲルの製造方法。
  4. 前記アルカリ環境のpHは、10〜14であり、
    前記紫外光放射処理の条件は、紫外線ランプの電力が60〜500Wであり、時間が120〜240minである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合有機エアロゲルの製造方法。
  5. 前記活性炭と前記ケイ素源との重量比は、0.5〜1.5:1であり、
    前記非極性溶媒中には、n―ヘキサンまたは四塩化炭素を含有し、
    前記非極性溶媒には、さらに、0.1〜0.5wt%の補助剤を含み、
    前記補助剤には、重量比が1:0.5〜1である2,4―トリレンジイソシアネートおよびエチレングリコールジメチルエーテルが含まれる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合有機エアロゲルの製造方法。
  6. 前記溶媒置換は、ゾルコロイドを非極性溶媒で12〜24h浸漬することを含み、
    前記溶媒置換の前に、ゾルコロイドを先にエイジング処理し、
    前記エイジング処理の条件は、温度が55〜65℃であり、恒温静置12―36hである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合有機エアロゲルの製造方法。
  7. 前記不活性ガスは、N、ArまたはHeであり、
    前記不活性ガスの流速は100〜500mL/minである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合有機エアロゲルの製造方法。
  8. 前記常圧勾配熱分解処理の具体的な操作は、5〜15℃/minの昇温レートで、250〜300℃に昇温し、1〜2h保温し、さらに5〜15℃/minの昇温レートで450〜550℃に昇温し、1〜2h保温し、その後自然降温冷却すればよい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の複合有機エアロゲルの製造方法。
  9. 前記複合有機エアロゲルは、空隙率が80〜95%であり、常温における熱伝導率が10〜45mW/(m・K)であり、破断強度が10〜25MPaであり、圧縮弾性率が300〜900MPaである、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又は請求項8に記載の複合有機エアロゲルの製造方法によって得られた複合有機エアロゲル。
  10. 請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6又は請求項7又は請求項8に記載の複合有機エアロゲルの製造方法によって得られた複合有機エアロゲルが、絶縁材料とする用途と、絶縁材料製造上、排水処理上、排水浄化上、空気浄化上、及び、多孔質粒子を担体として、薬物、触媒等の物質を担持した複合材料を製造する上、での用途。
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