JP2021074750A - 溶湯装置 - Google Patents

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圭祐 山浦
Keisuke Yamaura
圭祐 山浦
悟史 安野
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悟史 安野
友佑 磯村
Yusuke Isomura
友佑 磯村
杉山 岳文
Takefumi Sugiyama
岳文 杉山
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Abstract

【課題】溶湯を急冷するプロセスに用いた際でもノズル詰まりが生じ難く、安定的に出湯を行うことが可能な溶湯装置を提供する。【解決手段】溶湯装置10は、溶湯を貯溜する貯湯容器20と、貯湯容器20の底部21に設けられた出湯ノズル30と、を備えている。溶湯装置10は出湯ノズル30の吐出開口39を除く下面38aの少なくとも一部を覆う第1の断熱部材43を備え、出湯ノズル30の下面38aからの放熱を抑制する。【選択図】 図1

Description

この発明は、溶湯を急冷して金属薄帯を製造する際に使用して好適な溶湯装置に関する。
磁石の原料粉末を製造するプロセスでは、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、ロール急冷法などを用いて溶湯を急冷し、微細結晶組織の金属薄帯を製造する。例えば、ロール急冷法では、貯湯容器に貯溜された金属の溶湯を、貯湯容器の底部に設けられた出湯ノズルから出湯し、出湯された溶湯を出湯ノズルの下方に配設された冷却ロールとの接触により急冷凝固させて金属薄帯を得る。このようなロール急冷法では、溶湯が出湯ノズル内部の細孔部分であるオリフィス部を通過する際に凝固して、ノズル詰まりが生じる問題があり、ヒータを用いて出湯ノズルのオリフィス部を事前に予熱することが行われていた。
オリフィス部が設けられている出湯ノズルの下面近傍は、輻射や下方に位置する冷却ロールの回転に伴う風などにより放熱が促進されるため、出湯ノズルの中心部に比べて温度の低下が大きい。また出湯ノズルの下面近傍は、構造的に、出湯ノズルに埋設されたヒータからは離れた位置とならざるを得ず、ヒータを用いて効率的に加熱することが難しい。一方で、ノズル詰まりを防止するためヒータの熱量を過度に高めることは、ノズルの溶損や過負荷によるヒータトラブルに繋がり易く、操業停止のリスクを高めてしまう。このため、溶湯を貯溜する貯湯容器と、貯湯容器の底部に設けられた出湯ノズルと、を備えた溶湯装置においては、安定的に出湯を行うための更なる改善が望まれていた。
尚、本発明に関する先行技術として、下記特許文献1には「金属溶融装置」についての発明が示され、そこにおいて坩堝およびその底部に設けられたノズルの周囲に多孔質断熱材を配設し、かかる多孔質断熱材を、坩堝の周囲に配設したコイルによる誘導加熱によって加熱し、ノズルを保温するようになした点が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載のものはノズルの下面が露出しており、特許文献1にはノズル下面からの放熱を抑制するための具体的な構成は示されていない。
また特許文献2には「広幅急冷凝固薄帯製造方法」についての発明が示され、そこにおいて金属を加熱・溶解する際に、開口を含むノズル先端部を断熱材で覆い、ルツボ内の金属が溶解した後、ノズル先端部を覆う断熱材を外して出湯を行うようになした点が開示されている。この特許文献2に記載のものは、予熱効率が高められるものの、出湯の際に断熱材が外されるため、出湯中は輻射や冷却ロールの回転に伴う風などにより予熱温度対比の冷却が進行してしまう問題がある。
特開2015−135209号公報 特開平07−204799号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、溶湯を急冷するプロセスに用いた際でもノズル詰まりが生じ難く、安定的に出湯を行うことが可能な溶湯装置を提供することを目的としてなされたものである。
而して本発明は、溶湯を貯溜する貯湯容器と、該貯湯容器の底部に設けられた出湯ノズルと、を備えた溶湯装置において、前記出湯ノズルの吐出開口を除く下面の少なくとも一部を覆う第1の断熱部材を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、予熱時および出湯時の何れにおいても、出湯ノズルの下面を覆う第1の断熱部材により、出湯ノズルの下面からの放熱が抑制される。従って、出湯ノズルの下面近傍に位置するオリフィス部での温度低下が抑えられ、ノズル詰まりの発生を抑制することができる。
本発明では、前記第1の断熱部材を多孔質セラミックスとすることができる。
多孔質セラミックスとしては、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、シリカ等が挙げられる。また、これらを混合したものであってもよい。また多孔質セラミックスは、全体積に占める空孔の体積の割合を示す気孔率が、20%〜30%の範囲内であるものを使用することが望ましい。
また本発明では、前記出湯ノズルの側面を覆う第2の断熱部材を更に備え、該第2の断熱部材と前記第1の断熱部材とを一体に構成することができる。このようにすることで、出湯ノズルの下面に加えて、出湯ノズルの側面からの放熱を良好に抑制することができる。
また本発明では、前記出湯ノズルを内部に収容した状態で前記出湯ノズルを保持する保持部材を更に備え、該保持部材を,前記第1の断熱部材および前記第2の断熱部材を含んで構成することができる。
このようにすることで、保持部材は、本来的な出湯ノズルを保持する機能のほか、出湯ノズルの下面や側面からの放熱を抑制する機能を担うこととなり、その結果、これらを別体の部品で構成した場合に比べて部品点数が削減され、簡素な構成の溶湯装置を実現することができる。
また本発明では、前記出湯ノズルに加熱手段としてのヒータを埋設し、前記出湯ノズルの内部に形成されたオリフィス部の下端面を、前記出湯ノズルの下面よりも前記ヒータの中心に近づけておくことができる。
通常、オリフィス部の下端面は、出湯ノズルの下面(先端面)と面一とされている。しかしながら、構造上、出湯ノズル内に埋設されたヒータの中心は、出湯ノズルの下面よりも上方に位置するため、出湯ノズル内に埋設されたヒータにより出湯ノズルの下面を加熱することは効率が悪い。ここでオリフィス部を出湯ノズルの下面よりも上方に設けて、オリフィス部の下端面をヒータの中心に近づけるようにすれば、下端面を含むオリフィス部に対する加熱効率を高めることができる。即ち、オリフィス部以外の部位における過度な加熱による溶損を抑えながら、オリフィス部における凝固閉塞(ノズル詰まり)を防止することができる。
以上のような本発明によれば、溶湯を急冷するプロセスに用いた際でもノズル詰まりが生じ難く、安定的に出湯を行うことが可能な溶湯装置を提供することができる。
本発明の一実施形態の溶湯装置を含む金属薄帯製造装置の概略構成図である。 (A)は図1の出湯ノズルおよび保持部材を拡大して示した図である。(B)は(A)におけるBB矢視図である。 第1部材を設けた場合の効果を説明するための図である。 本発明の他の実施形態の要部を示した図である。 同実施形態の出湯ノズル30Bを用いた場合の効果を説明するための図である。 本発明の更に他の実施形態の要部を示した図である。
次に本発明の一実施形態の溶湯装置について図面を用いて具体的に説明する。図1は本発明の一実施形態の溶湯装置を含む金属薄帯製造装置の概略構成図である。図1に示すように、金属薄帯製造装置1は、溶湯装置10と冷却ロール12とを備えている。
溶湯装置10は、貯湯容器としてのタンディッシュ20と、タンディッシュ20の底部21に設けられた出湯ノズル30と、を備えている。
タンディッシュ20は、耐熱性および溶湯の保温性に優れたアルミナ(Al23)、窒化ケイ素(Si34)、窒化ホウ素(BN)等のセラミックスを材料とする有底筒状の容器で、底部21および周壁部22を有し、内部に溶湯Mを貯溜する。周壁部22の外側には、周方向に等間隔で複数の予熱用のヒータ24が配設されている。ヒータ24は抵抗加熱式のヒータである。ヒータ24の外側には、ヒータ24を覆うように断熱用のカバー26が設けられている。タンディッシュ20は、温度上昇させたヒータ24からの熱伝達により予熱可能とされている。
図2(A)に示すように、タンディッシュ20の底部21には、保持部材42を介して、タンディッシュ20とは別体の出湯ノズル30が取り付けられている。ここで出湯ノズル30は、機械加工性に優れ、溶湯に対する耐食性に優れるBN製とされている。
出湯ノズル30は、有底円筒形状を成し、その内部に溶湯Mを流通させる内部通路35が形成されている。タンディッシュ20の底部21から下向きに延び出した出湯ノズル30の先端部32には、内部通路35と連通し、内部通路35よりも開口断面積が小さい細径のオリフィス部37が形成されており、このオリフィス部37を通過した溶湯は、出湯ノズル30の下面38aに設けられた吐出開口39から冷却ロール12(図1参照)に向けて下向きに吐出される。
図2(A)に示すように、出湯ノズル30には、オリフィス部37を含む部位を予熱するための抵抗加熱式の棒状のヒータ40が、内部通路35を挟んで両側に埋め込まれており、オリフィス部37を含む部位は温度上昇させたヒータ40からの熱伝達により予熱可能とされている。なお、図2(B)に示すように、出湯ノズル30の先端部32は平面視円形状をなしている。
保持部材42は、図2(A)および(B)に示すように、出湯ノズル30の外形状に対応した内部形状を有し、出湯ノズル30先端の下面38aに対向する第1部材43と、出湯ノズル30の側面38bに対向する第2部材44とを含んで構成され、これら第1部材43および第2部材44は一体的に形成されている。このように構成された保持部材42を出湯ノズル30の外側に装着することで、出湯ノズル30が保持部材42の内部に収容される。
また第2部材44の基端側(第1部材43とは反対側)には、水平方向外向きに延びるフランジ部45が形成されている。本例では、出湯ノズル30を内部に収容した保持部材42のフランジ部45をタンディッシュ受け部材27に掛止させるとともに、保持部材42のフランジ部45の上にタンディッシュ20が載せられている。詳しくは、出湯ノズル30がタンディッシュ20の底部21に形成された開口23と同芯となるよう、タンディッシュ20が載せられている。
一方、出湯ノズル30先端の下面38aに対向する第1部材43には、開口46が形成されている。開口46は、保持部材42で保持された出湯ノズル30の吐出開口39と同芯で、吐出開口39よりも僅かに大きく、板厚方向に貫通している。
本例では、これら第1部材43および第2部材44を含む保持部材42がアルミナを材料として形成されており、吐出開口39を除いた出湯ノズル30の下面38aを覆う第1部材43が本発明の第1の断熱部材を構成している。出湯ノズル30の下面38aからの放熱を抑制するため、第1部材43の厚みt1は、0.5mm以上とすることが望ましい。より望ましくは10mm以上である。また断熱効果を高めるためには、出湯ノズル30の下面38aのできるだけ多くの面積を第1部材43で覆うことが有効であり、出湯ノズル30の、吐出開口39を除く下面38aの50%以上を第1部材43で覆うようにすることが望ましい。
また保持部材42の第2部材44は、出湯ノズル30の側面(周面)38bを覆って、側面38bからの放熱を抑制する部材であり、本発明の第2の断熱部材を構成する。
なお、第1部材43および第2部材44の材料については、アルミナに限定されるものではなく、出湯ノズル30を構成する材料よりも断熱特性に優れた多孔質セラミックスを適宜採用することができる。
図1に示すように、出湯ノズル30の下方には冷却ロール12が設けられている。冷却ロール12は、Cu、Feなどから成り、周速10m/s〜100m/s程度で回転するロールである。ロール表面はメッキが施されていても良い。出湯されて連続的(棒状)に下方に流れ落ちる溶湯は、回転する冷却ロール12の表面に接して急冷され、連続する長尺の金属薄帯Sとして冷却ロール12の接線方向(図中左方向)に排出される。なお急冷後の薄帯Sの形態は、薄帯状のほかフレーク状や粉末状であってもよい。
次に金属薄帯製造装置1を用いた金属薄帯の製造方法について説明する。
先ず、所定の合金組成となるよう各元素を配合した原料を、図示を省略する高周波誘導加熱炉にて溶解して溶湯Mを得た後、ヒータ24にて所定の温度にまで予熱したタンディッシュ20に溶湯Mを移す。ここで所望の溶湯ヘッド圧が得られるように、タンディッシュ20内に一定量の溶湯Mを貯溜することで、出湯ノズル30から連続的に溶湯Mを出湯させることができる。なお、図1に示すように、隔壁14にて、タンディッシュ20が設けられている溶解室15と、冷却ロール12が設けられている急冷室16とが区画され、溶解室15の圧力を急冷室16の圧力よりも高く設定した場合には、その差圧を利用して溶湯Mを出湯させることも可能である。
出湯ノズル30から下向きに吐出された溶湯Mは、直後に所定の速度で回転する冷却ロール12に接して急冷され、金属薄帯Sが得られる。ここで本実施形態の出湯ノズル30は、タンディッシュ20の底部21に形成された開口23を通じて着脱可能とされており、出湯完了後は出湯ノズル30を新品に交換し、その後出湯を再開することができる。
[実施例1]
出湯ノズル30の下面38aに、第1部材43を設けた場合の効果を以下のように確認した。図3に示すように、周面38bをアルミナ製の第2部材44で囲んだ出湯ノズル30において、出湯ノズル30の下面38aに、アルミナ製の板状(厚み10mm)の第1部材43を設けた場合(断熱有り)と、第1部材43が無い場合(断熱無し)との比較を行った。なお、第1部材43を設けた場合、出湯ノズルの、吐出開口を除く下面38aの面積の95%を第1部材43で覆うようにした。
図3(A)に示すように、ノズル内部のヒータ40よりも上方の位置で、ノズルの上下方向の略中央部の点Aを管理点と規定して、ヒータ加熱による出湯ノズル30の予熱を行い、A点における管理温度TAを1500℃で制御した際のオリフィス部(B点)での温度TB、および、ヒータ電力を測定した。その結果を図3(B)に示している。
図3(B)に示すように、第1部材43を設けた場合(断熱有り)は、第1部材43が無い場合(断熱無し)よりもオリフィス部(B点)での温度TBが高く、管理温度TAとの温度差ΔTが、断熱無しの場合の230℃から80℃に減少した。また、第1部材43を設けた場合(断熱有り)では、管理温度TAが1500℃に到達するのに必要なヒータ電力も低下している。
即ち、第1部材43を設けることで、低出力のヒータ加熱でオリフィス部37を十分に予熱することが可能であることが分かる。
ところで、本実施形態の溶湯装置10は、主に磁石材料の製造に用いられるものであるが、磁石材料の融点は高いもので1350℃である。第1部材43による断熱効果が、出湯ノズルの下面を覆う第1部材43の面積と比例関係にあると仮定すれば、図3(B)で示された結果から、第1部材43で出湯ノズルの下面の50%以上を覆うようにすれば、オリフィス部(B点)での予熱温度が1350℃以上(融点温度以上)で維持されることが分かる。したがって溶湯装置10においては、出湯ノズルの下面の50%以上を第1部材43で覆うようにすることが望ましい。
以上のように本実施形態の溶湯装置10によれば、出湯ノズル30の下面38aを覆う第1部材43により、出湯ノズル30の下面38aからの放熱が抑制され、出湯ノズル30の下面38a近傍に位置するオリフィス部37でのノズル詰まりの発生を抑制することができる。
また本実施形態の溶湯装置10では、出湯ノズル30の側面38bを覆う第2部材44を更に備え、第2部材44と第1部材43とが一体に構成されており、出湯ノズル30の下面38aに加えて、出湯ノズル30の側面38bからの放熱も良好に抑制することができる。
また本実施形態の溶湯装置10では、出湯ノズル30を保持する保持部材42が、第1の断熱部材としての第1部材43、および、第2の断熱部材としての第2部材44を含んで構成されている。このため保持部材42は、本来的な出湯ノズル30を保持する機能のほか、出湯ノズル30の下面38aや側面38bからの放熱を抑制する機能を担うこととなり、その結果、これらを別体の部品で構成した場合に比べて部品点数が削減され、簡素な構成の溶湯装置を実現することができる。
次に第2実施形態の溶湯装置について説明する。
図4は、第2実施形態の要部としての出湯ノズル30Bを単体で示した図である。図4に示す構成各部のうち、第1実施形態の出湯ノズル30の構成と共通する構成については同じ符号を用いて示すとともに、その説明を省略する。
出湯ノズル30Bは、前述の出湯ノズル30に対してオリフィス部の位置が異なっている。図2に示すように出湯ノズル30では、オリフィス部37の下端面が出湯ノズル30の下面38aと面一である。出湯ノズル30内に埋設されたヒータ40の中心Oは、出湯ノズル30の下面38aよりも上方に位置するため、ヒータ40の中心Oからオリフィス部37の下端面までは距離が遠く、ヒータ40によりオリフィス部37の下端面を加熱する際の加熱効率が悪い。
これに対し、図4に示す出湯ノズル30Bでは、第1実施形態の出湯ノズル30よりもオリフィス部57を上方に設けて、オリフィス部57の下端面58をヒータ40の中心Oに近づけている。この例では、オリフィス部57の下端面58が、左右方向の投影でヒータ40と重複する位置関係とされている。このように構成された出湯ノズル30Bを用いた溶湯装置10Bでは、オリフィス部57に対するヒータ40の加熱効率を高めることができる。またオリフィス部57の下端面58を、放熱の影響が大きいノズルの下面38aよりも上方に位置させることで、冷却ロールの風等の影響が抑えられ、オリフィス部57における放熱による温度の低下を小さくすることができる。
[実施例2]
出湯ノズル30と出湯ノズル30Bを用いて、オリフィス部の位置を変更したことによる効果を確認した。具体的には、図5(A)、(B)に示すように、出湯ノズル30および30Bの、埋設されたヒータ40よりも上方の位置で、ノズル上下方向の略中央部の点Aを管理点と規定し、ヒータ加熱による出湯ノズルの予熱を行い、A点の管理温度TAが1500℃に達するまでのオリフィス部下端面(B点)での温度TBを測定した。その結果を図5(C)に示している。
図5(C)に示すように、出湯ノズル30と出湯ノズル30Bと比較すると、出湯ノズル30Bのほうがオリフィス部下端面での温度(TB温度)が高く、TA−TB間の温度差ΔTは出湯ノズル30Bのほうが小さくなっている。A点の管理温度TAが1500℃となった時点で、出湯ノズル30のΔTは200℃であるのに対し、出湯ノズル30BのΔTは100℃であった。即ち、出湯ノズル30Bを用いることで、ノズル中央部での温度(ここではA点の管理温度TA)を過度に上昇させることなく、オリフィス部下端面の温度(ここではB点の温度TB)を高めることが可能であることが分かる。
このように第2実施形態の溶湯装置10Bによれば、オリフィス部57に対する加熱を効果的に行うことができるため、過度な加熱によるノズル中央部での溶損を抑制しつつ、オリフィス部の出口(下端面)での昇温不足による凝固閉塞(ノズル詰まり)を抑制することができる。
次に第3実施形態の溶湯装置について説明する。
図6は、第3実施形態の要部を示した図である。図6に示す構成各部のうち、第1実施形態の構成と共通する構成については同じ符号を用いて示すとともに、その説明を省略する。
この第3実施形態の溶湯装置10Cでは、保持部材42Cとは別体で設けられた第1部材43が、出湯ノズル30先端の下面38aに対向して配置されている。
一方、保持部材42Cは出湯ノズル30の側面38bに対向する第2部材44を含んで構成されるとともに、第2部材44の先端には径方向内向きに突出する爪部60が形成されており、出湯ノズル30および第1部材43が保持部材42の内部に収容されている。本例の保持部材42Cおよび第1部材43はいずれもアルミナを材料として形成されたものである。
このように構成された溶湯装置10Cでは、第1部材43を消耗品として適宜交換しつつ、保持部材42Cについては継続的に使用することができる。
以上本実施形態の溶湯装置について詳しく説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では出湯ノズルの下面が平坦な面で構成されていたが、出湯ノズルは下面に段差を有するものであってもよく、その場合には、出湯ノズルの下面を覆う第1部材も出湯ノズルの下面の形状に沿った曲がり形状とすることが可能である。また、オリフィス部の上端面や下端面は、水平方向に対して傾斜させることも可能であるし、その一部を湾曲形状とすることも可能である。また上記実施形態の溶湯装置はロール急冷法のプロセスに用いられているが、本発明の溶湯装置はガスアトマイズ法、水アトマイズ法などのプロセスに用いることも可能である等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
尚、本開示は、以下の技術的思想を包含する。
[付記1] 溶湯を貯溜する貯湯容器と、該貯湯容器の底部に設けられた出湯ノズルと、を備えた溶湯装置において、
前記出湯ノズルには加熱手段としてのヒータが埋設されており、
前記出湯ノズルの内部に形成されたオリフィス部の下端面を、前記出湯ノズルの下面よりも前記ヒータの中心に近づけた溶湯装置。
10,10B,10C 溶湯装置
20 タンディッシュ(貯湯容器)
21 底部
30,30B 出湯ノズル
37,57 オリフィス部
38a 下面
38b 側面
39 吐出開口
40 ヒータ
42,42C 保持部材
43 第1部材(第1の断熱部材)
44 第2部材(第2の断熱部材)
58 下端面
M 溶湯
O ヒータの中心

Claims (5)

  1. 溶湯を貯溜する貯湯容器と、該貯湯容器の底部に設けられた出湯ノズルと、を備えた溶湯装置において、
    前記出湯ノズルの吐出開口を除く下面の少なくとも一部を覆う第1の断熱部材を備えている、溶湯装置。
  2. 前記第1の断熱部材が多孔質セラミックスからなる、請求項1に記載の溶湯装置。
  3. 前記出湯ノズルの側面を覆う第2の断熱部材を更に備え、
    該第2の断熱部材と前記第1の断熱部材とが一体に構成されている、請求項1,2の何れかに記載の溶湯装置。
  4. 前記出湯ノズルを内部に収容した状態で前記出湯ノズルを保持する保持部材を更に備え、
    該保持部材は前記第1の断熱部材および前記第2の断熱部材を含んで構成されている請求項3に記載の溶湯装置。
  5. 前記出湯ノズルには加熱手段としてのヒータが埋設されており、
    前記出湯ノズルの内部に形成されたオリフィス部の下端面を、前記出湯ノズルの下面よりも前記ヒータの中心に近づけた、請求項1〜4の何れかに記載の溶湯装置。
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