以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る車両乗降装置1を用いて車椅子使用者H1を車両10に乗車させる直前の状態を示す。車両乗降装置1は、車椅子使用者H1の車両10への乗降を容易にするためのものであり、図6に示すように、使用者H1が使用する車椅子2と、車両10の内部に備え付けられた車両用シート11の座部11aに載置可能に構成された載置体3と、車椅子2と載置体3とを接続可能なガイドレール4とを備えている。
車椅子2は、図2乃至図6に示すように、複数の金属パイプを組み合わせてなる本体フレーム21と、車椅子使用者H1が着座可能な着座シート22と、本体フレーム21に取り付けられ、着座シート22を着脱可能に支持する支持ユニット23とを備えている。
本体フレーム21の前方下部には、上下方向に延びる回転軸心周りに回転自在な前輪21aが車幅方向に所定の間隔をあけて一対取り付けられる一方、本体フレーム21の後方下部には、ハンドリム21cと回転一体に回転する駆動輪21bが車幅方向に所定の間隔をあけて一対取り付けられている。
本体フレーム21の前側及び後側には、筒中心線が上下方向に延びる油圧シリンダ21dがそれぞれ車幅方向に所定の間隔をあけて一対ずつ取り付けられ、各油圧シリンダ21dのピストンロッド21eは、上方に向かって伸縮するようになっている。
そして、本体フレーム21の後端には、手押し用のハンドル21fが固定され、当該ハンドル21fにより車椅子使用者H1以外の人が車椅子2を操作できるようになっている。
支持ユニット23は、各ピストンロッド21eの先端に固定された平面視で矩形状をなすベースプレート24と、ベースプレート24の上面に固定された回転軸心C1が上下方向に延びる第1回転板25と、該第1回転板25の上面に固定された支持体26とを備え、該支持体26は、各ピストンロッド21eの伸縮動作により本体フレーム21に対して昇降可能であるとともに、第1回転板25の回転動作により回転軸心C1周りに回転可能になっている。
支持体26は、図3及び図5に示すように、平面視で長方形状をなす底板部26aと、該底板部26aの各長辺に沿って延びる一対の第1側壁部26bと、当該両第1側壁部26bの間を底板部26aの一方の短辺に沿って延びる第2側壁部26cと、該第2側壁部26cの中央部分から両第1側壁部26bに沿って平行に底板部26aの他方の短辺まで延びる突条部26dとを備えている。
底板部26a、各第1側壁部26b、第2側壁部26c及び突条部26dで囲まれる部分により、上方に開放するとともに底板部26aの長手方向に延びる断面U字状の凹条溝26eが一対形成され、突条部26dの突出端中途部には、平面視で矩形状をなす外れ防止プレート26fが各凹条溝26eの上方開放部分の一部をそれぞれ覆うように取り付けられている。
突条部26dにおける第2側壁部26cの反対側端部には、第1嵌合凹部26gが形成される一方、各第1側壁部26bにおける第2側壁部26cの反対側端部には、第2嵌合凹部26hがそれぞれ形成されている。
着座シート22は、使用者H1が着座するシート本体27と、該シート本体27の下部に設けられたスライダ28とを備えている。
該スライダ28は、着座シート22を本体フレーム21に着脱する際に支持体26に固定するスライダ本体28aと、該スライダ本体28aの上面に固定された回転軸心C2が上下方向に延びる第2回転板28bとを備え、シート本体27を回転軸心C2周りに回転可能に支持するようになっている。
スライダ本体28aは、図4に示すように、平面視で長方形状をなすスライドプレート28cと、当該スライドプレート28cの長手方向に延びる一対のガイドブロック28dとを備え、一方のガイドブロック28dは、スライドプレート28c下面における一方の長辺に対応する位置に固定される一方、他方のガイドブロック28dは、スライドプレート28c下面における幅方向中途部に固定されている。
各ガイドブロック28dは、図3に示すように、断面略L字状をなしており、互いに対向する面の下側縁部には、対向するガイドブロック28d側に突出するとともにスライドプレート28cの長手方向に沿って延びる係合突条部28eが形成されている。
各ガイドブロック28dの下面には、図4に示すように、スライドプレート28cの長手方向に直線状に延びるローラーユニット28fがスライドプレート28cの長手方向に所定の間隔をあけて一対設けられ、各ローラーユニット28fは、スライドプレート28cの長手方向に転動可能な第1ローラー28gを複数有している。
各ガイドブロック28dは、支持体26の各凹条溝26eに入り込むようになっていて、各係合突条部28eが外れ防止プレート26fの下方に位置することにより、スライダ28が支持体26から上方に外れるのを防ぐようになっている。
スライドプレート28c下面における他方の長辺寄りの位置、すなわち、スライダ28における第1ローラー28gの回転軸心方向一端寄りの位置には、当該第1ローラー28gの回転軸心に沿って転動可能な第2ローラー28hがスライドプレート28cの長手方向に所定の間隔をあけて一対設けられている。
そして、スライダ28は、各第1ローラー28gが支持体26の底板部26a上を転動することにより、各ガイドブロック28dが各凹条溝26eに案内されながら支持体26の長手方向にスライド移動するようになっている。
尚、使用者H1が車椅子2を使用する場合には、支持体26とスライダ28とを図示しない固定手段にて固定するようになっている。
載置体3は、図6及び図7に示すように、平面視で車両用シート11の座部11aに対応する形状をなす載置プレート31を備え、該載置プレート31の車両後側には、載置プレート31における車両後側の座部11aに対する高さを調節可能な高さ調節機構32が設けられている。
載置プレート31上面の車両前側には、車幅方向に延びる帯板状の前側ストッパ33が設けられる一方、載置プレート31上面の車両後側には、車幅方向に延びる帯板状の後側ストッパ34が設けられている。
前側ストッパ33の長手方向の寸法は、両第2ローラー28hの間の寸法よりも短くなるように設定されている。
また、前側ストッパ33における車両前後方向の厚みは、スライダ28における第2ローラー28hとスライドプレート28cの中途部におけるガイドブロック28dとの間の隙間よりも薄くなるように設定されている。
さらに、載置プレート31上面の車幅方向一側には、車両前後方向に延びる帯板状の側方ストッパ35が設けられ、載置プレート31の車幅方向他側中央には、上下に貫通する接続孔31aが形成されている。
ガイドレール4は、図6及び図8に示すように、厚みを有する略帯板状をなしており、幅方向の寸法は支持体26の幅方向の寸法に対応している。
ガイドレール4は、平面視で帯板状に延びる帯板部4aと、該帯板部4aの各長辺に沿って延びる一対の第1ガイド壁部4bと、両第1ガイド壁部4bの中央部分を当該両第1ガイド壁部4bに沿って平行に延びる第2ガイド壁部4cとを備えている。
帯板部4a、各第1ガイド壁部4b及び第2ガイド壁部4cで囲まれる部分により、上方に開放するとともにガイドレール4の長手方向一端から他端に亘って直線状に延びる断面凹状のガイド溝4dが一対形成され、第2ガイド壁部4cの上端中途部には、平面視で矩形状をなす外れ防止プレート4jが各ガイド溝4dの上方開放部分の一部をそれぞれ覆うように取り付けられている。
帯板部4aの一方の端部は、一方の第1ガイド壁部4bの端部から他方の第1ガイド壁部4bに向かうにつれて次第に帯板部4aの他端側に位置するように傾斜している。
第2ガイド壁部4cの一端には、ガイドレール4の長手方向に沿って突出する突出板部4eが形成され、該突出板部4eには、載置プレート31の接続孔31aに対応する固定用ピン4fが取り付けられている。
また、ガイドレール4は、帯板部4aの一方の端部の下側縁部からガイドレール4の長手方向に沿って突出する差込板部4gを備えている。
該差込板部4gの厚みは、帯板部4aの厚みよりも薄く設定されていて、差込板部4gと突出板部eとの間、及び、差込板部4gと他方の第1ガイド壁部4bの一端側との間には、それぞれ隙間が形成されている。
第2ガイド壁部4cの他方の端部には、第1嵌合凹部26gに嵌合可能な第1嵌合突起4hが形成される一方、各第1ガイド壁部4bの他方の端部には、第2嵌合凹部26hに嵌合可能な第2嵌合突起4iがそれぞれ形成されている。
そして、車椅子使用者H1を車両10に乗車させるか、或いは、降車させる際、図9に示すように、載置体3を車両用シート11の座部11aに載置するとともに車椅子2を車両10の側方に接近させ、且つ、支持体26を回転軸心C1周りに回転させて第1嵌合凹部26g及び第2嵌合凹部26hを載置体3に対向するようにした後、ガイドレール4の第1嵌合突起4h及び第2嵌合突起4iをそれぞれ支持体26の第1嵌合凹部26g及び第2嵌合凹部26hに嵌合させるとともにガイドレール4と支持体26とを図示しない固定具にて固定する一方、ガイドレール4の突出板部4eと他方の第1ガイド壁部4bの一端側が載置プレート31の上面側に位置するように差込板部4gを座部11aと載置体3との間に差し込み、且つ、固定用ピン4fを載置プレート31の接続孔31aに差し込んで載置体3とガイドレール4とを固定するようになっている。
すなわち、車椅子使用者H1を車両10に乗車させるか、或いは、降車させる際、ガイドレール4の一端を支持体26に接続する一方、ガイドレール4の他端を載置体3に接続するようになっている。例えば、車椅子使用者H1を車両10に乗車させる際、載置体3、ガイドレール4及び支持体26を接続した後、図10乃至図12に示すように、スライダ28の各第1ローラー28gを支持体26の凹条溝26eとガイドレール4のガイド溝4dとを順に転動させることにより、使用者H1が着座する着座シート22を載置体3まで移動させることが可能になっている。つまり、ガイドレール4は、支持体26と載置体3との間の着座シート22の移動を案内するようになっている。
また、載置体3に載置された着座シート22は、図13乃至図15に示すように、着座シート22を車両前側に傾けて載置プレート31上面に着座シート22の各第2ローラー28hを接触させる一方、各第1ローラー28gを載置プレート31上面から離間させた状態にし、且つ、各第2ローラー28hを車両前後方向に転動させることにより、車両用シート11の座部11aに対する車両前後方向の位置を調整できるようになっている。
尚、車椅子使用者H1を車両10から降車させる際の着座シート22の動きは、車椅子使用者H1を車両10に乗車させる際の着座シート22の動きとは反対になるだけであるため、便宜上、詳細な説明を省略する。
次に、車両乗降装置1を用いた車椅子使用者H1の車両10への乗車作業を詳述する。
まず、作業者は、図6に示すように、車椅子使用者H1が乗車する予定の車両10の車両用シート11に対応するドアを開けるとともに、車椅子2を車両用シート11に接近させる。
また、車両用シート11の座部11aに載置体3を載置した後、図7に示すように、載置プレート31が水平に延びる姿勢となるように高さ調節機構32を操作する。
次に、車椅子2の各油圧シリンダ21dのピストンロッド21eを昇降させることにより、載置体3に対して支持体26の高さを合わせた後、図8に示すように、車椅子2と載置体3との間にガイドレール4を用意する。
次いで、図9に示すように、支持体26を回転軸心C1周りに回転させて第1嵌合凹部26g及び第2嵌合凹部26hを載置体3に向ける。そして、ガイドレール4の第1嵌合突起4h及び第2嵌合突起4iをそれぞれ支持体26の第1嵌合凹部26g及び第2嵌合凹部26hに嵌合させた後、ガイドレール4と支持体26とを図示しない固定具にて固定する。また、ガイドレール4の突出板部4eと他方の第1ガイド壁部4bの一端側が載置プレート31の上面側に位置するように差込板部4gを座部11aと載置体3との間に差し込んだ後、固定用ピン4fを載置プレート31の接続孔31aに差し込んで載置体3とガイドレール4とを固定する。
しかる後、作業者は、車椅子使用者H1が着座する着座シート22を図示しない固定手段を操作して支持体26から切り離した後、図10及び図11に示すように、スライダ28の各第1ローラー28gを支持体26の凹条溝26eとガイドレール4のガイド溝4dとを順に転動させながら着座シート22をガイドレール4に沿って載置体3へと移動させる。この時、車両10の開いたドアに着座シート22に着座する車椅子使用者H1の脚等が接触しない姿勢となるように、スライダ28に対して着座シート22を回転軸心C2周りに回転させながら移動させる。
そして、図12及び図13に示すように、着座シート22が載置プレート31上における前側ストッパ33、後側ストッパ34及び側方ストッパ35に囲まれる領域に到着すると、作業者は、着座シート22に対して車両前側への力を加える。すると、図14に示すように、着座シート22が車両前側に傾いて載置プレート31上面に着座シート22の各第2ローラー28hが接触する一方、各第1ローラー28gが載置プレート31上面から離間する。そして、図15に示すように、各第2ローラー28hを転動させながら載置プレート31に対する着座シート22の車両前後方向の位置を変更した後、着座シート22を元の姿勢に戻す。
そして、車椅子使用者H1が着座シート22に着座した状態のまま車両10に備え付けられたシートベルト(図示せず)を車椅子使用者H1に掛け渡した後、載置体3からガイドレール4を外して車椅子使用者H1の車両10への乗車作業を終了する。
尚、車両乗降装置1を用いた車椅子使用者H1の車両10からの降車作業は、車椅子使用者H1の車両10への乗車作業の手順とは反対になるだけであるので、詳細な説明を省略する。
以上より、本発明の実施形態1によると、車椅子2の使用者H1が車両10に乗車する際、車両10内部に備え付けられた車両用シート11の座部11aに使用者H1を載せた状態の車椅子2の着座シート22がそのまま載置可能になる。一方、車椅子2の使用者H1が車両10から降車する際、車両用シート11の座部11a上に載置した着座シート22を使用者H1が着座した状態のままで車椅子2の本体フレーム21にまで戻せるようになる。したがって、車椅子使用者H1の車両10への乗降が容易になるとともに、車両10内部に備え付けられた車両用シート11を取り外すといった改造を施して車両10を車椅子使用者H1の専用にする必要が無くなり、低コストな車両乗降装置1にすることができる。
また、支持体26を昇降させることにより、車両用シート11の座部11aに載置された載置体3に対する支持体26の高さを変更可能になる。したがって、車椅子使用者H1を乗降させる車種が変わったとしても、それに対応するように載置体3に対する支持体26の高さを合わせることができるようになり、車種に関係無く支持体26と載置体3との間における着座シート22の移動を行うことができる。
また、例えば、車椅子2の使用者H1を乗降させる車両10にスライドドアが無くて全てがヒンジドアであり、当該ヒンジドアを開いたときに車椅子2の使用者H1を乗降させる車両10の乗降口とヒンジドアとの間に十分な空間が形成されずに車両10の乗降口の真横に車椅子2を配置できない場合であっても、支持体26におけるガイドレール4との接続部分を載置体3に対応する向きとなるように支持体26を回転させることができる。したがって、車椅子2の支持体26と車両用シート11の座部11a上に載置された載置体3との間にガイドレール4を橋絡させることができるようになり、車両10のドアの種類に関係なく車椅子使用者H1を車両10に対して乗降させることができる。
また、ガイドレール4に沿って着座シート22を移動させる際、ガイドレール4上をスライド移動するスライダ28に対して着座シート22を上下方向に延びる回転軸心C2周りに回転させることができるようになる。したがって、ガイドレール4に沿って着座シート22を移動させる途中に着座シート22に着座する使用者H1の体の一部が車両10のドアに接触しない姿勢となるように着座シート22をスライダ28に対して回転させることができ、使用感の良い車両乗降装置1にすることができる。
また、ガイドレール4に沿って着座シート22を移動させる際に各第1ローラー28gがガイド溝4dを転がるので、ガイドレール4とスライダ28との間の摩擦抵抗が少なくなる。したがって、車椅子使用者H1の乗降時において着座シート22を簡単に移動させることができるようになり、車椅子使用者H1の乗降をサポートする作業者に掛かる負荷を減らすことができる。
さらに、載置体3に着座シート22を載置させた際、第2ローラー28hを支点に着座シート22を傾けてスライダ28における各第1ローラー28gを支持体26から浮かすと、載置体3に対して着座シート22を第2ローラー28hの転動方向に移動させることが可能になる。したがって、車椅子使用者H1を車両10に乗車させた際の車両用シート11に対する着座シート22の位置を最適な位置まで簡単に移動させることができる。
《発明の実施形態2》
図16乃至図20は、本発明の実施形態2の車両乗降装置1を示す。この実施形態2は、着座シート22、支持体26、ガイドレール4及び載置体3の一部構造がそれぞれ実施形態1と異なっている以外は実施形態1と同様であるので、実施形態1と同様の部分には同じ符号を付し、その他、異なる部分のみを説明する。
実施形態2の支持体26は、図16及び図18に示すように、ベースプレート24上面の前側寄りの位置に固定されている。
支持体26は、車椅子2の車幅方向に帯板状に延び、且つ、車椅子2の前後方向に等間隔に3つ配置された固定用プレート26iを備え、中央の固定用プレート26iには、断面略ハット形状の第1ガイドフレーム26jが固定されている。
該第1ガイドフレーム26jは、互いに対向するとともに車椅子2の車幅方向に延びる一対の脚部26pと、該両脚部26pの先端に固定用プレート26iとの間に空間が形成されるように一体に形成された上板部26qとを備えている。
該上板部26qの中央には、長手方向一端から他端に亘って直線状に延び、且つ、両端が開放する第1スリット26nが形成され、該第1スリット26nにおける車椅子2の車幅方向右側端部は、平面視でハの字状に開放する形状をなしている。
車椅子2の前側及び後側に位置する固定用プレート26iには、断面略ハット形状をなす第1ベアリングフレーム26kがそれぞれ固定され、各第1ベアリングフレーム26kは、第1ガイドフレーム26jに平行に延びる形状をなしている。
第1ベアリングフレーム26kの上板部分は、複数の第1フリーボールベアリング26rを転動自在に上向きに支持している。
各第1フリーボールベアリング26rは、車椅子2の車幅方向に等間隔に並設されていて、着座シート22を載置可能になっている。
ベースプレート24上面における車椅子2の車幅方向左側には、車椅子2の前後方向に延びる断面略L字状をなす移動規制フレーム29が固定され、該移動規制フレーム29の上端位置は、各第1ベアリングフレーム26kに支持された第1フリーボールベアリング26rよりも高い位置に設定されている。尚、図16において、便宜上、移動規制フレーム29は配置のみ示している。
実施形態2の着座シート22におけるシート本体27は、図16及び図17に示すように、矩形板状をなすシートプレート27aが下面に取り付けられている。
該シートプレート27aの下面中央には、側面視で略T字形状をなす係合部27cが突設されている。
該係合部27cは、シートプレート27aから下方に延びる円柱形状の首部27dと、該首部27dの下部に連続して設けられた厚みを有する円板状をなす挿入基部27eとを備え、該挿入基部27eは、首部27dに対して回転可能になっている。
首部27dの外径は、第1スリット26nの幅寸法に対応する一方、挿入基部27eの外径は、第1スリット26nの幅寸法より大きく設定されていて、首部27dを第1スリット26nの開放部分から挿入すると、係合部27cが第1スリット26nにスライド可能に、且つ、上下方向に延びる回転軸心C2周りに回転可能に第1ガイドフレーム26jに係合するとともに、着座シート22のシート本体27が各第1ベアリングフレーム26kの各第1フリーボールベアリング26rに着座するとともに、転動自在な各第1フリーボールベアリング26rが着座シート22を支持するようになっている。
尚、使用者H1が車椅子2を使用する場合には、支持体26とシートプレート27aとを図示しない固定手段にて固定するようになっている。
実施形態2のガイドレール4は、図19に示すように、平面視で長方形状をなすガイドプレート4rを備え、該ガイドプレート4rの長手方向一端側の裏面には、平面視で略矩形状をなす連結用プレート4nがその一部領域がガイドプレート4rの一端から飛び出すように固定されている。
ガイドプレート4r上面中央には、当該ガイドプレート4rの長手方向に延びる断面略ハット形状の第2ガイドフレーム4kが固定され、該第2ガイドフレーム4kの両端部分は、ガイドプレート4rの端部から飛び出している。
第2ガイドフレーム4kは、互いに対向するとともに第2ガイドフレーム4kの長手方向に延びる一対の脚部4sと、該両脚部4sの先端にガイドプレート4rとの間に空間が形成されるように一体に形成された上板部4tとを備えている。
上板部4tの中央には、長手方向一端から他端に亘って直線状に延び、且つ、両端が開放する第2スリット4vが形成され、該第2スリット4vの両端部は、平面視でハの字状に開放する形状をなしている。
第2スリット4vの幅寸法は、着座シート22の係合部27cにおける首部27dの外径に対応する一方、係合部27cにおける挿入基部27eの外径より小さく設定されている。
ガイドプレート4r上面における第2ガイドフレーム4kの両隣りには、当該第2ガイドフレーム4kに沿って直線状に延びる断面略ハット形状の第2ベアリングフレーム4wが第2ガイドフレーム4kから所定の間隔をあけてそれぞれ固定され、各第2ベアリングフレーム4wは、ガイドプレート4rの長手方向両端から延び出している。
第2ベアリングフレーム4wの上板部分は、複数の第2フリーボールベアリング4mを転動自在に上向きに支持している。
各第2フリーボールベアリング4mは、ガイドプレート4rの長手方向に等間隔に並設されていて、着座シート22を載置可能になっている。
連結用プレート4nの中央には、ベースプレート24における第1ガイドフレーム26jの一端近傍に形成された連結用孔24aに差し込み可能な連結用ピン4pが設けられ、ガイドレール4は、連結用ピン4pを連結用孔24aに差し込むと、ベースプレート24に対して連結用ピン4p周りに回動させることができるようになっている。
そして、着座シート22の係合部27cにおける首部27dを第2スリット4vの開放部分から挿入すると、係合部27cが第2スリット4vにスライド可能に、且つ、上下方向に延びる回転軸心C2周りに回転可能に第2ガイドフレーム4kに係合するとともに、着座シート22のシート本体27が各第2ベアリングフレーム4wの各第2フリーボールベアリング4mに着座するとともに、転動自在な各第2フリーボールベアリング4mが着座シート22を支持するようになっている。
実施形態2の載置体3における載置プレート31の上面には、図19に示すように、車幅方向に延びる第3ベアリングフレーム3aが車両前後方向に所定の間隔をあけて一対固定されている。
第3ベアリングフレーム3aの上板部分は、複数の第3フリーボールベアリング3bを転動自在に上向きに支持している。
各第3フリーボールベアリング3bは、車幅方向に等間隔に並設され、着座シート22を載置可能になっている。
載置プレート31の裏面には、平面視で矩形状をなす接続用プレート3cがその一部領域が載置プレート31の一端から飛び出すように固定されていて、載置プレート31からはみ出た領域にガイドレール4におけるガイドプレート4rの他端部分を載置することにより、ガイドレール4を載置体3に接続するようになっている。
そして、車椅子使用者H1を車両10に乗車させるか、或いは、降車させる際、図20に示すように、載置体3を車両用シート11の座部11aに載置するとともに車椅子2を車両10の側方に接近させた後、ガイドレール4の第2ガイドフレーム4kを支持体26に近接させ、ガイドレール4の連結用プレート4nをベースプレート24の上面に載置するとともに連結用ピン4pを連結用孔24aに差し込んでベースプレート24にガイドレール4を接続する一方、ガイドレール4におけるガイドプレート4rの他端側を載置体3の接続用プレート3cの上面に載置して載置プレート31にガイドレール4を接続するようになっている。
そして、例えば、車椅子使用者H1を車両10に乗車させる際、載置体3、ガイドレール4及び支持体26を接続した後、着座シート22の係合部27cを第1ガイドフレーム26jの第1スリット26n、第2ガイドフレーム4kの第2スリット4vに順に案内させながら、各第1フリーボールベアリング26r、各第2フリーボールベアリング4m及び各第3フリーボールベアリング3bの転動動作により、当該各第1フリーボールベアリング26r、各第2フリーボールベアリング4m、及び、各第3フリーボールベアリング3bに載置された使用者H1が着座する着座シート22を載置体3まで移動させることが可能になっている。
また、着座シート22は、係合部27cを第1ガイドフレーム26j及び第2ガイドフレーム4kに係合させた状態で上下方向に延びる回転軸心C2周りに回転させることにより、車両10の開いたドアに着座シート22に着座する車椅子使用者H1の脚等が接触しない姿勢にできるようになっている。
さらに、載置体3に移動させた着座シート22は、各第3フリーボールベアリング3bの転動動作により、当該各第3フリーボールベアリング3bに載置された使用者H1が着座する着座シート22を車両前後に移動させたり、或いは、回転軸心C2周りに回転させて着座シート22の位置及び姿勢を調整できるようになっている。
尚、車椅子使用者H1を車両10から降車させる際の着座シート22の動きは、車椅子使用者H1を車両10に乗車させる際の着座シート22の動きとは反対になるだけであるので、詳細な説明を省略する。
以上より、本発明の実施形態2によると、ガイドレール4を支持体26に接続して、着座シート22に対してガイドレール4側に力を加えると、着座シート22の係合部27cが第1スリット26nに案内されながら着座シート22がガイドレール4に向かって移動する。このとき、転動自在な各第1フリーボールベアリング26rが着座シート22を支持しているので、着座シート22をガイドレール4へと負荷なく移動させることができる。また、着座シート22に対して係合部27cを中心とした周方向に力を加えると、着座シート22が上下方向に延びる回転軸心C2周りに回転する。このとき、各第1フリーボールベアリング26rが転動自在に着座シート22を支持しているので、作業者は着座シート22を移動させる途中に着座シート22に着座する使用者H1の体の一部が車両10のドアに接触しない姿勢となるように着座シート22を簡単に回転させることができる。
また、支持体26からガイドレール4へと移動させた着座シート22の係合部27cを第2ガイドフレーム4kの第2スリット4vに係合させるとともに、着座シート22に対して載置体3側への力を加えると、着座シート22の係合部27cが第2スリット4vに案内されながら着座シート22が載置体3に向かって移動する。このとき、転動自在な各第2フリーボールベアリング4mが着座シート22を支持しているので、作業者は着座シート22を載置体3へと負荷なく移動させることができる。また、着座シート22に対して係合部27cを中心とした周方向に力を加えると、着座シート22が上下方向に延びる回転軸心C2周りに回転する。このとき、転動自在な各第2フリーボールベアリング4mが着座シート22を支持しているので、作業者は着座シート22を移動させる途中に着座シート22に着座する使用者H1の体の一部が車両10のドアに接触しない姿勢となるように着座シート22を負荷無く回転させることができる。
また、ガイドレール4から載置体3へと移動してきた着座シート22と車両用シート11との間には、転動自在な各第3フリーボールベアリング3bが着座シート22を支持しているので、作業者は着座シート22に着座する使用者H1の体が所定の姿勢となるように着座シート22を移動又は上下方向に延びる回転軸心C2周りに簡単に回転させることができるようになる。したがって、車椅子使用者H1を車両10に乗車させた際の車両用シート11に対する着座シート22の位置を最適な位置まで簡単に移動させることができる。
《発明の実施形態3》
図21乃至図25は、本発明の実施形態3の車両乗降装置1を示す。この実施形態3は、着座シート22、支持体26、ガイドレール4及び載置体3の一部構造がそれぞれ実施形態2と異なっている以外は実施形態2と同様であるので、実施形態2と同様の部分には同じ符号を付し、その他、異なる部分のみを説明する。
実施形態3の3つの固定用プレート26iは、図21及び図22に示すように、車椅子2の車両前後方向に延びるとともに、車椅子2の車幅方向に所定の間隔をあけて設けられている。
中央の固定用プレート26iは、平面視でへの字状をなしており、ベースプレート24の略中央から車椅子2の前方に向かって直線状に延びた後、ベースプレート24における前方右隅近傍に向かって方向を変えて直線状に延びる形状をなしている。
車椅子2の車幅方向右側に位置する固定用プレート26iの車両前側部分は、中央の固定用プレート26iによって車両前後方向に分断されている。
第1ガイドフレーム26jは、中央の固定用プレート26iに対応する平面視で略への字状をなしており、実施形態2の第1ガイドフレーム26jに比べて幅広で、且つ、上下に扁平な形状になっている。
第1ガイドフレーム26jにおける第1スリット26nは、実施形態2よりも幅広になっていて、ベースプレート24の前方右隅近傍における一端部分が開放する一方、他端部分が閉じた形状をなしている。
実施形態3では、実施形態2の如き第1ベアリングフレーム26kが設けられておらず、車椅子2の車幅方向両側に位置する各固定用プレート26iが、各第1フリーボールベアリング26rを転動自在に上向きに直接支持している。
移動規制フレーム29は、車椅子2の車幅方向に延びる帯板状をなしており、ベースプレート24上面における車椅子2の車両後側部分に配置されている。
ベースプレート24上面における第1ガイドフレーム26jの一端近傍には、第1連結用ピン24bが突設されている。
着座シート22における係合部27cは、首部27d及び挿入基部27eが実施形態2よりも扁平な形状をなしている。
ガイドプレート4rは、図22に示すように、載置体3と接続される側の端縁部の車両後側略半分が平面視で斜めに延びる形状になっており、載置体3の載置プレート31に対して斜めの姿勢で接続できるようになっている。
第2ガイドフレーム4kは、実施形態2の第2ガイドフレーム4kに比べて幅広で、且つ、上下に扁平な形状になっていて、その両端部は、ガイドプレート4rの端部から飛び出さない位置に設定されている。
第2ガイドフレーム4kにおける第2スリット4vは、実施形態2の第2スリット4vよりも幅広になっている。
実施形態3では、実施形態2の如き第2ベアリングフレーム4wが設けられておらず、ガイドプレート4r上面における第2ガイドフレーム4kの両隣りの領域が多数の第2フリーボールベアリング4mを転動自在に上向きに直接支持している。
第2ガイドフレーム4kの一端側中央の位置には、第2ガイドフレーム4k及びガイドプレート4rを貫通する第1連結用孔4xが形成され、該第1連結用孔4xにベースプレート24の第1連結用ピン24bを差し込むことにより、ガイドレール4がベースプレート24に接続されるとともに当該ベースプレート24に対して第1連結用ピン24b周りにガイドレール4を回動させることができるようになっている。
一方、第2ガイドフレーム4kの他端側中央の位置には、第2ガイドフレーム4k及びガイドプレート4rを貫通する第2連結用孔4yが形成されている。
実施形態3の載置体3は、図22に示すように、平面視で略L字状をなす第3ガイドフレーム3dを備えている。該第3ガイドフレーム3dは、載置プレート31の車幅方向一端のやや車両前寄りの位置から車幅方向他側に向かって直線状に延びた後、車幅方向中途部で車両後側に向きを変えて直線状に延びる形状をなしている。
第3ガイドフレーム3dは、互いに対向するとともに平面視でL字状に延びる一対の脚部3eと、該両脚部3eの先端に載置プレート31との間に間隔が形成されるように一体に形成された上板部3fとを備えている。
上板部3fの中央には、第3ガイドフレーム3dの一端から他端に亘って平面視で略L字状に延びる第3スリット3uが形成され、該第3スリット3uは、載置プレート31の車幅方向一端のやや車両前寄りの位置における一端部分が開放する一方、他端部分が閉じた形状をなしている。
第3スリット3uの幅寸法は、着座シート22の係合部27cにおける首部27dの外径に対応する一方、係合部27cにおける挿入基部27eの外径より小さく設定されている。
実施形態3の第3フリーボールベアリング3bは、載置プレート31上面において第3ガイドフレーム3dを取り囲むようにして適所に多数配置されており、載置プレート31に対して固定されている。
すなわち、載置プレート31上面における第3ガイドフレーム3dを除く領域が多数の第3フリーボールベアリング3bを転動自在に上向きに直接支持している。
載置プレート31上面における車幅方向左側縁部の前方隅部には、先端側が載置プレート31の外周縁部から外側方に飛び出す一方、基端部分が上下方向に延びる回動軸心周りに回動可能に載置プレート31に軸支された第1留め具3hが配設されている。
一方、載置プレート31上面における車幅方向左側縁部の後方寄りの位置には、先端側が載置プレート31の外周縁部から車幅方向左側に飛び出す一方、基端部分が載置プレート31に固定された第2留め具3iが配設されている。
また、載置プレート31の車両後側部分には、実施形態1と同様の高さ調節機構32が設けられ、載置プレート31上面における高さ調節機構32の車幅方向両隣りには、側面視で略L字状をなす一対の後側ストッパ34が取り付けられている。
実施形態3の接続用プレート3cの上面中央には、ガイドレール4に形成された第2連結用孔4yに差し込み可能な第2連結用ピン3gが設けられ、該第2連結用ピン3gを第2連結用孔4yに差し込むことにより、ガイドレール4が接続用プレート3cに接続されるとともに当該接続用プレート3cに対して第2連結用ピン3g周りにガイドレール4を回動させることができるようになっている。
また、ガイドレール4を接続用プレート3cに接続するとともに、ガイドレール4を車両後側に回動させ、且つ、第1留め具3hを車両前方に延びる姿勢から車幅方向左側に延びる姿勢となるように回動させると、第1留め具3h及び第2留め具3iがガイドプレート4rの上側に位置するようになって接続用プレート3cからガイドプレート4rが浮き上がるのが規制され、ガイドレール4と接続用プレート3cとが不意に外れなくできるようになっている。
接続用プレート3c裏面の車幅方向左側縁部には、図25に示すように、車両前後方向に延びる帯板状をなす第1側方プレート3jが固定されている。
該第1側方プレート3jの外面には、車両用シート11の座部11aに載置された載置体3の水平方向に延びる姿勢を安定させる支持機構39が固定ブラケット39aを介して取り付けられている。
該支持機構39は、固定ブラケット39aに取り付けられた下方に開口する筒状部39bと、細棒状をなす支持脚部39cとを備え、該支持脚部39cの先端には、当該支持脚部39cにおける棒中心線方向の長さを調節可能なアジャスタ39gが設けられている。
筒状部39bの下半部分における第1側方プレート3j側には、下端に開放する切欠凹部39eが形成され、該切欠凹部39eの幅寸法は、支持脚部39cの外径よりも大きい寸法に設定されている。
また、筒状部39bの下半部分における車両前側及び後側部分には、上下方向に延びる一対のガイド孔39fが対向して形成されている。尚、車両後側に位置するガイド孔39fは、便宜上、記載を省略している。
支持脚部39cの基端側は、筒状部39bにその開口側から筒中心線に沿ってスライド可能に嵌挿されている。
また、支持脚部39cの基端側の側面には、筒状部39bの各ガイド孔39fに遊嵌する一対のガイドピン39dが突設されている。尚、車両後側に位置するガイド孔39fに遊嵌するガイドピン39dは、便宜上、記載を省略している。
各ガイドピン39dは、支持脚部39cの棒中心線が筒状部39bの筒中心線に一致する際、各ガイド孔39fに沿って移動することにより、支持脚部39cの筒状部39bにおける筒中心線に沿う方向のスライド動作を案内するようになっている。
筒状部39bは、各ガイドピン39dが各ガイド孔39fの下端に位置する際、支持脚部39cの切欠凹部39e側への各ガイドピン39d周りの回動を軸支するようになっている。
つまり、支持脚部39cは、載置体3を使用しないときには、各ガイドピン39d周りに切欠凹部39e側へ回動することによって折り畳んだ状態になり、載置体3全体をコンパクトな形状にできるようになっている。
一方、支持脚部39cは、当該支持脚部39cの棒中心線が筒状部39bの筒中心線に一致する状態で筒状部39bに対して上方にスライドさせると、基端部分が筒状部39bの内部に嵌合して各ガイドピン39d周りの回動が不能になるので、アジャスタ39gを車両フロア12に接触させることにより、車両用シート11の座部11aに載置された状態の載置体3の姿勢を安定させることができるようになっている。
載置プレート31における車幅方向右側縁部には、座部11a上における載置体3の位置決めを行う位置決め機構38が設けられている。
位置決め機構38は、載置プレート31の裏面に固定された帯板状をなす第1プレート38aと、該第1プレート38aの上面に配置された帯板状をなす第2プレート38bと、該第2プレート38bの上面に固定された側面視でL字状をなす第3プレート38cと、ネジ部38h及びハンドル部38iからなる側面視でT字状をなす2つの締結具38dとを備えている。
第1プレート38aには、締結具38dのネジ部38hが螺合可能なネジ孔38eが車両前後方向に所定の間隔をあけて一対形成されている。
第2プレート38bには、車幅方向に延びる位置調整用長孔38fが車両前後方向に所定の間隔をあけて一対形成され、各位置調整用長孔38fは、第1プレート38aの各ネジ孔38eにそれぞれ対応する位置になっている。
第3プレート38cは、車幅方向左側に突出した後、下方に延出する形状をなしており、その下端部分は、第1プレート38aよりも下方に位置している。
各締結具38dは、ネジ部38hが第2プレート38bの位置調整用長孔38fに挿通する状態で第1プレート38aのネジ孔38eに螺合していて、ハンドル部38iを掴んで正転させてネジ部38hをネジ孔38eに対して螺進させることにより、第1プレート38aとハンドル部38iとで第2プレート38b及び第3プレート38cを挟み込んで第1プレート38aに対して第2プレート38b及び第3プレート38cを固定できるようになっている。
一方、ハンドル部38iを逆転させてネジ部39hをネジ孔38eに対して螺退させると、第1プレート38aに対する第2プレート38b及び第3プレート38cの固定が解除されるので、位置調整用長孔38fの長手方向の範囲の間において第1プレート38aに対して第2プレート38bを車幅方向に移動させた後、ハンドル部38iを正転させて第1プレート38aに対して第2プレート38b及び第3プレート38cを固定することにより、第3プレート38cの車幅方向の位置を調整できるようになっている。したがって、第1側方プレート3jと第3プレート38cとの間の寸法を車両用シート11の座部11aの幅寸法に対応するように調整することにより、座部11aに対する載置体3の位置ずれを防止できるようになっている。
尚、実施形態3における車両乗降装置1において、車椅子使用者H1を車両10に乗車させるか、或いは、車両10から降車させる際の着座シート22の動きは、図22乃至図24に示すように、着座シート22が載置体3において第3ガイドフレーム3dに案内されるとともに、支持体26とガイドレール4との間において着座シート22を移動させる際には、支持体26に対して第1連結用ピン24b周りにガイドレール4を回動させて第1ガイドフレーム26jの一端側と第2ガイドフレーム4kの一端側とが直線状に並ぶ姿勢となるようにする一方、載置体3とガイドレール4との間において着座シート22を移動させる際には、載置体3に対して第2連結用ピン3g周りにガイドレール4を回動させて第3ガイドフレーム3dの一端側と第2ガイドフレーム4kの他端側とが直線状に並ぶ姿勢となるようにする以外は、実施形態2と同じであるので、詳細な説明を割愛する。
以上より、本発明の実施形態3によると、実施形態2と同様の効果が得られるだけでなく、載置体3を車両用シート11の座部11aに載置した際に、載置体3の第1側方プレート3jと第3プレート38cとで座部11aを挟んだ状態にできるので、座部11a上で載置体3の位置が安定し、乗車時の乗り心地をよくすることができる。また、座部11a上において載置体3の載置状態が安定するので、ガイドレール4の載置体3への接続をさらに容易なものにすることができる。
また、載置体3を車両用シート11の座部11aに載置した際に支持機構39における支持脚部39cを車両フロア12に接触させることにより、座部11aに対する載置体3の姿勢が安定するので、車椅子使用者H1の乗降車の際に座部11aに載置された載置体3が当該座部11aに沈み込まなくなり、車椅子使用者H1の乗降車をスムーズに行うことができる。
尚、本発明の実施形態1では、スライダ28に第1ローラー28gが設けられているが、スライダ28がガイドレール4に沿ってスライド移動可能な構成であれば第1ローラー28gは無くてもよい。
また、本発明の実施形態1では、ガイドレール4にガイド溝4dが2つ設けられているが、これに限らず、1つだけ設けられた構造であってもよいし、3つ以上設けられた構造であってもよい。
また、本発明の実施形態1では、支持体26を昇降させる機構として油圧シリンダ21dを用いているが、これに限らず、例えば、電動モータとラックアンドピニオン機構とを組み合わせて支持体26を昇降させるような構造にしてもよい。
また、本発明の実施形態2では、第1ベアリングフレーム26k、第2ベアリングフレーム4w、及び、第3ベアリングフレーム3aは、それぞれ2列ずつ設けられているが、これに限らず、更に列数を増やした構造にしてもよい。
また、本発明の実施形態2では、第1スリット26nの両側が開放しているが、車両10に搭乗する方向に応じて少なくとも一方に開放していればよい。
また、本発明の実施形態2では、移動規制フレーム29がベースプレート24における車椅子使用者H1の左手寄りに配置されているが、移動規制フレーム29は、車両10に搭乗する方向に応じて適宜左右配置替えしてもよい。さらには、第1スリット26nの形成領域を第1ガイドフレーム26jの長手方向中途部迄とすることにより着座シート22の移動を規制するなどして、該移動規制フレーム29を省略した構成としてもよい。
また、本発明の実施形態3では、第1ガイドフレーム26jを平面視でへの字状に延びる形状とし、また、第2ガイドフレーム4kを平面視で直線状に延びる形状とし、さらには、第3ガイドフレーム3dを平面視でL字状に延びる形状としたが、これらの形状は適宜変更してもよい。
同様に、第1留め具3h、第2留め具3i、位置決め機構38、支持機構39、及びその他の構成に係る構造及び配置は、適宜変更することができる。例えば、実施形態3の位置決め機構38は第2プレート38bを備えているが、第1プレート38aや第3プレート38cの厚みを調節することによってネジ部38hが第1プレート38aの下面からはみ出ないようにして、第2プレート38bを省略するようにしてもよい。