JP2021073458A - 露点測定方法及び露点測定装置 - Google Patents

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Hitoshi Kawakita
仁 川喜多
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Abstract

【課題】本発明は、結露の発生を直接検出するとともに、光学系を使用せずにこの検出を行うことのできる露点測定を実現することを目的とし、特に小型で高感度の露点測定装置を実現することを目的とする。【解決手段】本発明の一実施形態では、異種金属の細線を並置した絶縁性基板表面に付着した水滴により流れるガルバニ電流を検出する結露の検出と、この基板表面の温度制御とを行なうことで、露点前後における電流値の急変を検出する。これにより、露点を直接的に測定することができ、簡単な構成かつ高精度の測定が可能である露点測定を実現することができる。【選択図】図9

Description

本発明は露点測定に関し、特に小型で高感度の露点測定装置を実現できる露点測定方法及びそれに基づいた露点測定装置に関する。
露点とは、水蒸気を含む空気を冷却したとき、その水蒸気の凝結が始まる温度を言う。水滴の付着や混入が問題を引き起こす材料等を取り扱う場合、その取扱いを行う雰囲気の露点を管理することは重要である。そのため、従来から各種の露点測定方法が提案され、またそれに基づいて構成された露点測定装置が露点計等の名称で市場に供給されてきた。
代表的な露点測定の一つでは、本質的には空気の湿度及び温度を測定し、これから露点を計算する。より具体的には、気温と相対湿度とから水蒸気圧(空気中の水蒸気分圧)を求め、その水蒸気圧を飽和水蒸気圧とする温度を求める。その際、計算式から計算することもできるが、例えばJIS Z 8806『湿度−測定方法』の飽和水蒸気圧表等の表を用いて近似的に算出してもよい。ここで相対湿度を検出して検出値をその後の計算或いは表引きに便利な形式のデータとして提供できる具体的な相対湿度センサとしては、例えば高分子あるいは酸化アルミニウムが水分を吸収することによる静電容量変化から相対湿度を求める形式のものが使用される。この方法は湿度及び温度と言う比較的測定しやすいパラメータしか必要としないので、簡単に露点を求めることができるという好ましい特徴を有するが、湿度測定の時間応答性があまりよくないという問題がある。すなわち、ここで使用される相対湿度センサは検出の過程で空気中の水分を吸収するので、測定対象の水蒸気分圧が変化しても、湿度センサの水分吸収材料が吸収している水分の量が当該変化を反映して平衡状態に達するまで時間がかかる。
これとは原理を異にする他の露点測定方法として、湿度測定ではなく、温度を変化させて実際に結露を発生させ、この結露自体を検出する方法も使用されている。この方法を実現する露点測定装置では、鏡面を冷却しながらそこに測定対象の空気を導入する。鏡面上に結露が発生すると、結露前とは鏡面の光の反射態様が変化する(結露により光の乱反射が起こる)。この反射態様の変化を光学的に検出することによって、結露が始まる温度、すなわち露点を知ることができる。この種の露点測定装置は相対湿度から露点を計算等で求めるという上記間接的な露点測定とは異なり、露点を直接測定することが可能であるが、測定装置内に光学系を組み込む必要があるため、装置全体が嵩張ったものになってしまい、取り扱いが不便であるなどの問題がある。
これらの従来の露点測定方法及び露点測定装置は当業者に周知であるためこれ以上詳しい説明は行わないが、必要であれば例えば非特許文献1を参照されたい。
本発明の課題は、結露の発生を直接検出するとともに、光学系を使用せずにこの検出を行うことのできる露点測定を実現することにある。
本発明の一側面によれば、絶縁性基板上に異種金属の細線を並置した構造を有し、水滴が前記異種金属の細線間に付着したことを検出する水滴センサと、前記水滴センサの温度を制御する温度制御手段とを設けた露点測定装置が与えられる。
ここで、前記水滴センサ表面に露点測定対象の気体を供給する気体供給手段を更に設けてよい。
また、前記気体供給手段は、前記露点測定対象の気体を間欠的に前記水滴センサ表面に供給してよい。
あるいは、前記気体供給手段は、前記露点測定対象の気体を連続的に前記水滴センサ表面に供給してよい。
また、前記異種金属の細線の間隔は20μm未満であってよい。
また、前記異種金属の細線の間隔は100nm以上かつ1000nm以下であってよい。
また、前記異種金属の一方の金属は金、白金、銀、チタン及びこれらの合金、並びに炭素からなる群から選択され、他方の金属は前記一方の金属とは異なる金属であって、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルト、アルミニウム、スズ、クロム、モリブデン、マンガン、マグネシウム、及びこれらの合金からなる群から選択される金属であってよい。
また、前記温度制御手段は保冷剤または蓄熱材であってよい。
あるいは、前記温度制御手段は通電により冷却及び加熱の少なくとも一方を行うことができる手段であってよい。
あるいは、前記温度制御手段は液体の潜熱及び気体の圧力変化の少なくとも一方による温度変化を利用してよい。
本発明の他の側面によれば、絶縁性基板上に異種金属の細線を並置した構造を有し、水滴が前記異種金属の細線間に付着したことを検出する水滴センサを設け、前記水滴センサの温度を変化させて前記水滴センサ表面の結露状態の変化に基づいて露点を求める、露点測定方法が与えられる。
ここで、前記水滴センサに露点測定対象の気体を供給してよい。
また、前記露点測定対象の気体を間欠的に前記水滴センサ表面に供給してよい。
あるいは、前記露点測定対象の気体を連続的に前記水滴センサ表面に供給してよい。
また、前記異種金属の細線の間隔は20μm未満であってよい。
また、前記異種金属の細線の間隔は100nm以上かつ1000nm以下であってよい。
また、前記異種金属の一方の金属は金、白金、銀、チタン及びこれらの合金、並びに炭素からなる群から選択され、他方の金属は前記一方の金属とは異なる金属であって、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルト、アルミニウム、スズ、クロム、モリブデン、マンガン、マグネシウム、及びこれらの合金からなる群から選択される金属であってよい。
また、前記水滴センサの温度の変化は温度を低下させる方向への変化または温度を上昇させる方向への変化であってよい。
また、前記水滴センサの温度の変化は温度を低下させる方向への変化と温度を上昇させる方向への変化の両方の変化であってよい。
また、前記水滴センサの温度の変化は階段状の変化または連続的な変化であってよい。
本発明によれば、露点を直接的に測定することができ、簡単な構成かつ高精度の測定が可能である露点測定を実現することができる。
本発明の露点測定で使用される水滴センサの原理図。 図1に原理図を示す水滴センサにおいて、付着した水滴のサイズとその検出可否との関係を説明する概念図。 本発明に使用できる水滴センサの電極構造の例を示す図。 本発明の一実施例(実施例1)の露点測定装置の構造を概念的に示す図。 図4に示す実施例1の測定結果を示す図。 本発明の一実施例(実施例1)に対する比較例の構造を概念的に示す図。 図6に示す比較例の測定結果を示す図。 本発明の他の実施例(実施例2)の露点測定装置の構造を概念的に示す図。 図8に示す実施例2において、水滴センサの温度に対する電流値の測定結果を示す図。 図8に示す実施例2において、細線電極の間隔を変化させたときの露点検出時の電流値の測定結果を示す図。 本発明の他の実施例(実施例3)の露点測定装置の構造を概念的に示す図。 本発明の他の実施例(実施例3)の露点測定装置の構造の別の態様を概念的に示す図。 図11に示す実施例3の測定結果を示す図。 図11に示す実施例3において、Cu/Au電極対を有する水滴センサの電極間隔と出力信号(電流)の関係を示す図。 図11に示す実施例3において、水滴センサの電極組み合わせと出力信号(電流)の関係を示す図。
建造物の外部に露出している鋼材等の腐食の進行は雨水の付着などの使用環境(腐食環境)に大きな影響を受ける。そこで、鋼材等の腐食の進行の程度を推定するために腐食環境センサを使用して腐食環境をモニタすることが以前から行われている。腐食環境センサは、非特許文献2に示されるように、絶縁体と2種類の異種金属とを積層することでこの積層体の端面に出現する、「絶縁体−第1の金属−絶縁体−第2の金属−」なる単位を繰り返した構造を利用している。このセンサ端面に雨滴等が付着すると、第1の金属と第2の金属との間に電解液が存在することになって、電池が形成され、第1の金属と第2の金属との間に起電力が発生する。従って、第1の金属と第2の金属とを接続するとそこにガルバニ電流が流れる。このガルバニ電流を測定することにより、センサ端面に雨滴等が付着しているか否か、また付着している雨滴等の量などを検出することができる。
しかしながら、上で概略を説明したような従来の腐食環境センサでは、塗布等で形成される積層体の端面に表れる上記繰り返し構造を電池の電極として利用するため、電極間隔を狭くすることは困難であり、非特許文献3のFig.1-6のグラフ(特許文献1に図5として転載)に示されるように、現実的には高々20μm程度がその下限であった。周知のように、露点付近で結露が開始された直後においては、結露の起こっている表面に付着する水滴の直径は極めて小さい。従って、電極間隔が20μm程度の腐食環境センサを結露検出に利用しようとしても、結露開始から長時間が経過して、微小水滴の付着密度が高くなって互いに連結したりあるいは微小水滴が表面上で成長することにより20μm程度の電極間隔を跨ぐようになるまでは、検出出力が得られないことになる。従って、この種の雨滴等の水滴を検出する腐食環境センサは水滴が充分大きくなった状態の結露検出に使用可能であったとしても、これを露点測定のために転用することは全く非現実的であった。
本願発明者は、上で説明した従来の環境腐食センサに見られるような構造を根本的に変更することによって、環境腐食センサ等に応用することができる液滴(水滴)検出機能を有する乾湿応答センサを着想し、これに基づいて特許出願を行った(特許文献1)。特許文献1に開示された乾湿応答センサは、従来の環境腐食センサが絶縁体層並びに異種金属層を積層し、またその積層体の端面が検出面になっているという、縦型の立体構造になっているのに対して、図1に示すその原理からわかるように、絶縁性基板上に異種金属の細線で構成された電極(電極A、電極B)を並置した横型の平坦な構造を有している。このように基板上に細線を並置するという平坦な構造を採用することで、細線間隔を非常に狭くしたセンサを非常に容易に作成できるようになる。特に、半導体製造プロセスを利用すれば、細線間隔を5nm程度まで縮小可能である。
本願発明者は、図2(b)に示すようにセンサ表面に付着した水滴の直径が細線(電極A、電極B)間隔よりも小さい場合には当該水滴が図2(c)に示すような付着後の連結やあるいは空気中の水蒸気からの水分の供給による成長によってはじめて検出されるのに対して、図2(a)のように付着した水滴の直径が細線間隔以上であれば、上記連結や成長を待たずに直ちにその付着を検出可能であることを見出し、更には上記乾湿応答センサがナノメートルレベルの水滴を検出することが可能であることを確認した。本願発明者が研究を進めた結果、ナノメートルレベルの直径を有する水滴が付着していることを検出するこの種のセンサを利用すれば結露開始直後の時点で結露による水滴を検出可能であるから、高い精度で露点を測定することができるという着想を得て、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の一態様によれば、特許文献1に記載した乾湿応答センサの構造、すなわち絶縁性基板上に異種金属の細線でできた電極を並置した構造を有し、水滴が前記異種金属の細線電極間に付着したことを検出する水滴センサを設けるとともに、その温度を制御できるようにし、この水滴センサ表面に空気等の露点測定対象の気体を供給する露点測定が実現される。
大気中で凝結直後であって、他の水滴との衝突などで成長する前の空中に浮遊している状態の水滴の直径はほぼ1μm〜10μmである。この直径の1/10の分解能があれば凝結直後の水滴を充分な余裕を持って検出することができる。この点からは水滴センサ上の細線電極の間隔は100nm〜1000nmであることが好ましい。ただし、以下で説明する実施例からわかるように、細線電極の間隔を10μmとしてもすでにかなり良好なS/N比で凝結直後の水滴を検出できることが確認されている。従って、細線電極の間隔を10μmまで大きくしても十分実用的な露点測定を行うことができる。なお、細線電極間隔の下限は、凝結した水滴以外の物体の付着による誤検出や電極加工プロセス上の制限等の問題が起きない限り、100nmより狭くすることもできる。また、本発明で使用する水滴センサは空中に浮遊している水滴ではなく、センサ表面に付着している水滴を検出するものであるため、その表面(絶縁体、電極の金属等)の物性によっては付着した水滴の直径は浮遊している水滴よりも大きくなることがあり得る。更には、図2を参照して説明したように、検出感度は低下するかもしれないが、原理的には細線電極の間隔が水滴の直径以下であれば水滴検出が可能である。上記原理上の上限(つまり凝結直後で浮遊状態にある水滴サイズの上限である10μmと同じ細線間隔)であっても、上に書いたようにかなり良好なS/Nで検出可能であることも考慮に入れると、水滴センサ上の細線電極の間隔は広く取った場合でも20μmよりも狭くすることが好ましい。使用可能な異種金属としては、水滴の付着によって十分なガルバニ電流を与えることができる金属の対であれば何でもよい。これに限定するわけではないが、例を挙げれば、一方の金属は金、白金、銀、チタン及びこれらの合金、並びに炭素(本願では炭素も金属として扱うことに注意されたい)からなる群から選択して良い。他方の金属は上記一方の金属とは異なる金属であって、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルト、アルミニウム、スズ、クロム、モリブデン、マンガン、マグネシウム、及びこれらの合金からなる群から選択される金属として良い。また、絶縁性基板としては、これに限定するわけではないが、表面に酸化シリコン膜を有するシリコン基板を使用することができる。また、図1及び図2では細線電極として電極Aと電極Bのただ一つの対しか示されていないが、これらの図は概念的なものであって、例えば図3に示す構成例のように、実際の水滴センサでは電極Aと電極Bとの対を複数設けてよい。図3では互いに異なる金属でできた直線状の電極Aと電極Bとが、1本ずつ交互に平行して配列される、櫛形電極の形状をなしている。しかし、これらの細線電極の形状はこれに限るものではない。例えば、これら2本の細線電極は平面上の二重らせん状に形成、配置されていてもよいし、あるいは二重の折れ線状その他の形状を適宜選択して良い。
また、この露点測定装置は実際に結露を起こさせることによって露点を測定するものであるため、温度を調節、制御することが必要となる。この温度調節を行なう手段としては、水滴センサだけ、あるいは水滴センサとその近傍の温度だけを制御するものであってもよいし、露点測定装置の内部空間全体の温度を制御するものであってもよい。あるいは、内部空間全体の温度調節と水滴センサ(あるいはそれに加えてその近傍)だけの温度調節の両方を行ってもよい。例えば、測定対象の気体の相対湿度が100%あるいはそれに非常に近い可能性がある場合、あるいは測定対象の気体の温度に比べて露点測定装置内部の温度がかなり低い場合、気体を露点測定装置内部に導入すると、装置内外の温度差や装置内部の温度分布によっては測定対象の空気が水滴センサ表面以外の箇所で結露を起こすことがあり得る。このような結露が測定の障害となったり、あるいは水滴センサの温度調節を行なう前に水滴センサ表面に自然に結露が起こることが好ましくない場合には、水滴センサ自身の温度制御に加えて、結露系内部全体の温度を外気温よりも高くする(あるいは露点測定装置に導入する外気を多少加熱する)ことで、このような問題が起こることを防止することもできる。
また、上で述べた温度調節は加熱でも良いし冷却でもよい。あるいは状況に応じて加熱と冷却の何れでも選択して行うようにしてもよい。また、この温度調節のプロファイルも、時間の経過とともに水滴センサの温度を低下させて結露が起こったことを検出するようにしてよいし、あるいはその逆に十分な低温で結露が起こっている状態から時間とともに温度を上昇させるように温度制御を行なうことで、結露がなくなったことを検出することもできる。あるいは、両者の併用も可能である。つまり、例えば結露が起こっていない状態から時間とともに温度を低下させていき、結露が検出されると、今後は温度を上昇させることにより、温度を結露の有無が切り替わる値に追い込んでいくこともできる。この温度変化方向の切替は1回だけ行ってもよいし、繰り返してもよい。この追い込みプロセスは、逆に結露が起こっている状態から出発してもよい。あるいは上述した温度の上昇及び/または下降は連続的であってもよいし、階段状に変化させても良い。温度を連続的に変化させた場合、水滴センサ表面温度が低下して露点温度に到達しても、そこに実際に水滴が形成されるまで多少の時間遅れが生じたり、あるいはこの温度が上昇して露点温度に到達してもそこに既に形成されている水滴が蒸発するまでにはある程度の時間を要することがある。従って、温度の変化速度と要求される露点温度測定の精度によっては、連続的に温度変化させた場合には所望の測定精度が確保できない場合があり得る。このような場合、水滴センサ上の結露の動的な性質が高い精度で既知であれば補正計算等で誤差を打ち消すことも考えられるが、他の解決手段として、水滴センサの温度を階段状に変化させることで、所要時間区間内では温度を一定に維持し、水滴センサ表面と周囲の測定対象の空気との間で結露に関しての平衡状態を達成することで、上述の誤差が生じないようにすることも可能である。
本発明で使用する水滴センサはその面積、厚さとも非常に小さくすることができるため、その熱容量も上で従来技術として説明したものと比べて非常に小さい。従って、温度制御に対する応答性が非常に高くなる。これに加えて、この水滴センサは内部に水を取り込むことで相対湿度を測定するものではなく、あくまでその表面に付着している水滴を検出するという動作を行うものであるため、結露状態の変化に対する応答性も非常に高くなる。従って、上述したような各種の状況によってはかなり複雑な温度プロファイル制御を行なう場合でも温度制御に対する追随性が良好であるため、従来技術による露点測定装置に比べて短時間で高精度の測定結果を得ることができる。
なお、冷却、加熱を行う具体的な手段は状況に応じて適宜選択することができるが、簡単にこれを実現する場合には、熱容量の大きな材料、つまり保冷剤(氷等)や蓄熱材(加熱した水や油などの流体、固体の蓄熱材等)で周囲を覆ったり接触させることにより冷却・加熱を行うことができる。あるいは温度を自由に制御したい、このような手段を小型化したい、露点測定装置の操作、運用を簡単にしたい等の要請がある場合には、例えば電気を使用した手段(ジュール加熱を行ったり、ペルチェ素子等)を使用して冷却・加熱を行うなども可能である。更には、液体の潜熱(蒸発、凝縮の際の吸熱、発熱)による温度の低下・上昇、あるいは気体の圧力変化(膨張、圧縮)による温度の低下・上昇を利用することもできる。このような冷却、加熱手段の配置も適宜選択できるが、水滴センサの冷却や加熱を行う場合には、水滴センサ動作に必要とされるのはその一方の表面だけであるから、裏面側に冷却、加熱部材を密着あるいは近接させて配置することにより、良好な温度制御を簡単な構造で実現することもできる。
また、この露点測定では水滴センサ表面に結露が起こり始める温度を露点とするため、水滴センサ表面温度を出来るだけ正確に求めることが望ましい。要求される測定精度によっては、冷却、加熱手段に与える電力を外気温や予め分かっている露点測定装置の熱的なパラメータと組み合わせる等の手法によって推定することも可能であるが、必要に応じて水滴センサ自体やその近傍に温度を測定する手段を設置することもできる。このような手段としては例えばサーミスタ、熱電対、温度と抵抗率との関係がわかっている各種材料からなる部材の抵抗を測定する温度計、その他各種の形態の手段を使用できる。また、その設置場所も水滴センサの取り付け位置の極近傍に置いたり、水滴センサの表面、裏面等の空いている場所に搭載したり、あるいは水滴センサ内に組み込むなどの各種の形態が選択可能である。また、水滴センサ上で実際に結露が起こる場所そのものの温度を直接測定することはそれほど簡単ではないが、水滴センサやその周辺の部材の熱的な特性を事前に知ることができるので、測定温度と結露が実際に起こる場所の温度との関係を事前に高い精度で予測することができ、また測定値の補正を行うことも可能である。あるいは測定を行って基準データと比較する等の較正を行うこともできる。
また、露点測定のためには結露が起きる水滴センサの表面まで空気等の測定対象の気体を供給する必要がある。水滴センサを直接外部に露出させる構成を取る等、格別の手段を設置しなくても水滴センサが測定対象の気体に接触することができるが、水滴センサが測定系内部に収容されている等の、測定対象の気体がそのままでは水滴センサに接触できなかったり、接触が不十分である場合には、気体供給手段を特別に設置する必要がある。また、測定対象の気体を連続的に水滴センサに与えるか、それとも間欠的に与えるかによっても、気体供給手段の構造・動作は異なる。水滴センサ表面で結露が形成される間にその近傍で気体が静止している場合と流動している場合とでは結露の形成過程に変化が生じることが考えられ、また水滴センサ表面の温度も異なってくる。本発明に基づいて具体的な露点測定装置を構成したり、また露点測定を行う場合には、このような各種の気体供給形態を取ることができる。なお、気体供給形態等によっては露点測定結果に僅かな誤差が導入されることがあり得るが、このような誤差が問題となる場合は、較正を行う、あるいは理論解析、シミュレーション等によって補償を行うことが可能である。
なお、気体供給手段の動作について注意すべき点として、気体供給を間欠的に行う構成を取る場合であっても、必ずしも温度を変えて当該温度での水滴センサの電流測定を行うサイクルと気体供給とを一対一に対応させる必要はない。つまり、水滴センサ表面に測定対象の気体を新たに供給した後、このような静止状態の気体が接触している水滴センサ表面温度を段階的にあるいは連続的に変化させることにより、ある幅を持った温度についての水滴センサの電流値をまとめて測定することもできる。もちろん、水滴センサ表面に連続的に測定対象の気体を供給して当該表面上で気体を流しながら水滴センサ表面温度を同様に変化させることで、ある温度幅についての電流値をまとめて測定するようにしてもよい。逆に、水滴センサ表面の温度を一定にしたままで複数回の気体供給を行い、その間の水滴センサの電流値から所定の規則で当該温度での測定結果の電流値を決める(例えば最大電流値を測定結果の電流値とする等)ようにしてもよい。
本発明によれば、湿度計を利用した従来の露点検出に比べて僅かな量の測定試料を用いてはるかに高感度の測定を実現できる。また、湿度計は測定可能な湿度に下限を持つものが多いために、低湿度の空気の露点検出が困難な場合があるのに対して、本発明では、氷点近くまでの冷却等、充分に冷却することで、相対湿度がかなり低い空気まで露点測定が可能となる。更には、本発明で使用する水滴センサの高速応答性(理論最小値100μ秒)と水の過冷却現象を利用すれば、ペルチェ素子等を用いて高速で冷却し、その時の結露応答を取ることができるので、0℃未満の露点も計測可能となる。
なお、用途によっては、本発明に従って一旦露点(あるいはそれに直接対応付けられるデジタル信号、電気信号等)を求め、それを湿度などの他の物理パラメータ等に換算して外部に出力したり、接続されている他のシステムの制御に使用することがあり得る。このような場合、求められた露点それ自体は外部には出力や表示等はされないが、一旦露点を求めているのであるから、そのような方法や装置も本発明に包含されるものである。
以下では本発明の実施例を説明するが、当然のこととして、これは本発明の理解を助けるだけの目的で提示・説明されるものであり、本願発明を実施例に限定する意図はないことに注意する必要がある。
[実施例1]
図4に本発明の一実施例の露点測定装置の概念的構成を示す。この露点測定装置においては、断熱容器内に金属容器を収容し、また断熱容器内部の金属容器周囲に保冷剤(ここでは氷を使用)を充填できるようにした。なお、図4では簡略化のため、金属容器の底部が断熱容器の底部に直接接触するように図示してあるが、もちろん両容器の底部の間にも保冷剤を充填できるようにして良い。これにより、金属容器内の温度を当初の室温から0℃近くまで徐々に低下させた。金属容器内には上述したところの、特許文献1に基づく水滴センサ並びに金属容器内の現在の温度及び湿度を夫々測定するための一体構成された温度計及び湿度計(サーミスタ式温度計と高分子抵抗型湿度計の組み合わせである、エンペックス気象計株式会社製のウェザーコムEX-501を使用)を収容した。このような構成では金属容器内の温度は比較的緩慢に低下するので、温度計の温度と水滴センサの温度とはほぼ同じように変化すると考えられる。このように温度が制御された金属容器内空間に断熱チューブを介して露点を測定したい空気を吹き込み、水滴センサの表面にこの空気の流れが当たるようにした。ここで断熱チューブを使用するのは、この空気が水滴センサ表面に到達する前に経路中で冷却されてその壁面に結露を生じた場合には、水滴センサ表面に到達した空気中の水蒸気量が当初よりも減少することで露点測定結果に誤差が出るからである。なお、図4では露点測定装置内部の機器類(水滴センサ、温度計、湿度計等)と外部の制御装置、測定機器類(図示せず)との間の接続線路等は省略してある。ここで使用した水滴センサの構造・サイズは、電極構造としては図3に例示したような対向櫛形であり、電極数は50組(図3の例で言えば、電極A、Bの細線電極が夫々50本)とした。また、電極材料の組み合わせはCu/AuとAl/Auの2通りとした。Cu/Auの電極材料の組み合わせについては、細線電極間隔は500nm、1μm及び10μmの3通りについて実験を行い、Al/Auの組み合わせについては細線電極間隔は1μm及び10μmの2通りとした。なお、図5に示すデータは、細線電極間隔を1μmとしたAl/Au電極対を有する水滴センサを使用して測定した結果である。
このように構成された図4の実施例で露点測定を行うに当たっては、先ず金属容器を密閉して断熱容器内に保冷剤を投入した時点で、金属容器内部に収容されている水滴センサ、温度計及び湿度計による測定を開始した。測定の間、断熱チューブを介して測定対象の空気を間欠的に水滴センサ表面に吹き付けた。1回当たりの吹付量は約50mLとし、吹付時間は約1秒以内とした。なお、金属容器の容積は5500mLであるので、1回当たりの吹付量は容積の1vol%未満となる。図5のデータを得る際には、同じ温度で3回の吹付を行い、その間の最大電流値を電流測定の結果として採用した。この空気吹付によって水滴センサ表面の温度はわずかに変化する一方、温度計は水滴センサとやや離れた位置にあって空気が直接吹き付けられないため、結露が起こり得る水滴センサと温度計の測定値とは僅かにかい離する。しかし、特許文献1で説明されているように、ここで使用している水滴センサは非常に狭い検知表面で高い検出感度を達成するため、必要とされる1回当たりの吹付空気量は僅かな量になり、従って上記温度のかい離も充分小さな値に抑えることが可能である。具体的には、比較例での測定結果ではあるが、図7のグラフ中の点線を参照されたい。これは図4の温度計の位置で測定した温度と空気が直接吹き付けられる位置の近傍で測定した温度との間には僅かな違いしかないことを示している、
図4の実施例の構成を使用し、上で説明した手順で露点測定を行った結果のグラフを図5に示す。図5において、水滴センサからの水滴検出出力(ガルバニ電流の測定値)を黒丸で、また同時に測定を行った湿度計による相対湿度の測定値を白丸で示す。また、横軸は温度計で測定した金属容器内の温度である。図5からわかるように、この特定の測定では、温度が4℃まで低下した時点で水滴センサから結露状態を示す出力が得られた。具体的にはこの温度まで低下する以前は水滴センサから出力される電流が10−12Aよりも充分に小さな値であったのに対して、4℃になった時点で電流が急増して10−11Aよりもかなり大きな値が検出された。すなわち、結露検出開始よりもわずかに高温の状態における電流値と結露が最初に検出された電流値との比で定義されるS/N比は、ほぼ2桁という良好な値となった。一方、同時に測定を行っていた湿度計から出力された相対湿度測定結果は、温度に関わらず検出下限の20%を示しており、湿度計は測定の全期間に渡って結露や水分を検出できなかったことがわかる。
図4の実施例と比較するため、外部から導入された測定対象の空気を吹き付ける対象を実施例における水滴センサの代わりに、図6に示すように湿度計とすることによって、[背景技術]の項で説明した従来技術に係る露点測定装置の形式のうちの、湿度計を使用して測定された相対湿度に基づいて露点を求める形式の露点測定装置を構成した。更に、図4に示す実施例では湿度計と一体構成された温度計によって金属容器内の温度を測定したが、図6の比較例ではこれらの一体構成の湿度計と温度計(以下、湿度−温度計と称する)EX-501に直接空気が吹付けられる場所に移動したため、このままでは実施例とは温度測定条件が異なる。そこで、実施例と比較例とで温度測定条件を合わせるために、比較例では熱電対型の温度計を別途設置した。これ以外の構造は可能な限り実施例1と同じものとし、また測定の際の動作、操作についても、1回当たりの吹付空気量、吹付時間、吹付周期等も実施例1と一致させた。
このように構成した比較例による測定結果のグラフを図7に示す。図7において、実線は測定された相対湿度であり、点線は、横軸を熱電対で測定した温度としたときの、湿度計と一体に構成された湿度−温度計が検出した温度を示す。これからわかるように、測定対象の空気を実施例1と同じ条件で直接湿度計に吹き付けても、測定された相対湿度は温度に関わらず上記検出下限の20%を示しており、結局、この測定では相対湿度を用いた露点を求めることはできなかった。これは、本発明の露点検出の方が、湿度計を利用した従来の露点検出に比べてはるかに高感度の測定を実現できることを示している。
[実施例2]
実施例1の構成から湿度−温度計を取り除き、温度計としては水滴センサ直下に熱電対を配置した、図8に示す構成の実施例2を準備し、これを用いて実施例1と同じ手順(ただし、測定対象の空気は実施例1と異なる)で露点測定を行った。ここで水滴センサの電極の金属はCu/Auの組み合わせを使用した。その結果を図9及び図10に示す。
図9は細線電極間隔が0.5μmの水滴センサを使用し、水滴センサの温度を1℃ずつ低下させながら水滴センサからの電流を測定した結果を示すグラフである。図9からわかるように、水滴センサ温度を20℃まで低下させた段階で水滴センサからの電流がこれまでの10−12A未満の極微小な値から10−7Aへと5桁以上急増し、20℃で結露が始まったこと、つまり実施例2で吹き込まれた測定対象の空気の露点温度は20℃であることがわかる。
なお、図9のグラフにおいて、測定系に乗った雑音のためと考えられるが、21℃及び23℃における電流の測定値がマイナスとなったので、グラフ中にはプロットしていない。いずれにせよ、雑音の影響でこのようにマイナス側に測定値が振れるということは真の電流値が極めて小さい、つまりバックグラウンドレベルにあることを意味することは明かであるので、電流が急増した温度(露点温度)は20℃であると判断することができる。
図10は細線電極間隔が0.5μm、1μm及び10μmである点以外は同じ材料及び構造を有する3種類の水滴センサを交換しながら使用して露点測定を行った際の、露点検出時における水滴センサからの電流値(温度を低下させながら測定を行った際の、最初に電流の急増が検出された温度での電流値)を比較するグラフである。先に、凝結直後の空中に浮遊した状態の水滴の直径の範囲がほぼ1μm〜10μmであり、水滴センサ上の細線電極間隔の好ましい範囲としてはこの直径範囲の1/10である100nm〜1000nmであると見積もった。しかし、細線電極間隔が10μmと上記範囲に比べてかなり大きい場合でも、露点を検出した際の電流値は10−12Aを超える値であり、図9に示されるところの露点よりも高温における10−12Aを下回る電流値と比べて1ケタ近くの電流増加を示している。これに対して細線電極間隔を先に見積もった好ましい範囲の上限1μm及びそれからさらに狭い0.5μmと小さくしていくと、その露点検出時における電流値は細線電極間隔が10μmの場合に比べて夫々10倍及び10000倍と極めて大きくなる。すなわち、細線電極間隔を10μmとかなり大きくしても露点検出時の電流はその直前に比べて一ケタ近く増加するので、比較的良好なS/N比で露点検出が可能であり、細線電極間隔を更に小さくしていくと、非常に感度の高い露点検出が実現できる。また、細線電極間隔を小さくしていくと、導入された気体温度と水滴センサの温度との差が非常に小さく、そのため、ごく少数のしかも極めて微小な水滴が水滴センサ表面に生成された直後の時点でも非常に敏感にこれらの水滴を検出することができる。従って、温度の制御・測定の精度を上げることで、高精度の露点測定を実現することができる。
[実施例3]
図11に本発明の他の実施例の露点測定装置の概念的構成を示す。この露点測定装置においては、ペルチェ素子(冷却手段)の上に一対の伝熱台が配置され、この伝熱台を架け渡すようにして水滴センサを含むセンサパッケージが載置されている。水滴センサは、ペルチェ素子、一対の伝熱台、及びセンサパッケージによって形成される空間(トンネル状空間)に少なくともその一部分が面するように配設されている。図11において、太矢印は、ペルチェ素子からの冷熱が伝熱台からセンサパッケージへ伝達する様子を模式的に示しており、これにより、トンネル状空間の内部も冷却され、水滴センサの温度が低下することによってセンサ表面に結露を発生させることができる。なお、水滴センサの表面には、サーミスタ(図示せず)が設置されており、水滴センサ表面がさらされる大気雰囲気の温度・湿度を計測可能とされている。
また、図11の装置と同様の部材を用いて、図12に示すような開放型の装置構成とすることもできる。図12に示す露点測定装置においては、伝熱体の上に、ペルチェ素子(冷却手段)及び水滴センサを含むセンサパッケージが載置されている。水滴センサは、その表面が大気雰囲気にさらされるように配設されている。図12において、太矢印は、ペルチェ素子からの冷熱が伝熱体からセンサパッケージへ伝達する様子を模式的に示しており、これにより、水滴センサの温度が低下することによってセンサ表面に結露を発生させることができる。なお、水滴センサの表面には、サーミスタ(図示せず)が設置されており、水滴センサ表面がさらされる大気雰囲気の温度・湿度を計測可能とされている。
本実施例では、実施例1と同様の構造・サイズを有する水滴センサを作製した。具体的には、水滴センサは、Si基板上において異種金属からなる電極が対向櫛形に並ぶ構造とした。電極材料の組み合わせとしては、Al/Au及びCu/Auの2通りとした。また、電極間隔は0.5〜10μmとした。なお、電極厚さは0.15μm、電極幅は1μmとした。
本実施例では、水滴センサの冷却速度は0.2〜0.9℃・min−1とした。なお、水滴センサ表面がさらされる大気雰囲気は温度21.9〜25.0℃、相対湿度25〜39%であった。また、水滴センサから出力される電流は、電流計(泰榮エンジニアリングIDC14)を用いて計測した。水滴センサ近傍の温度はサーミスタ及び熱電対を用いて測定した。
図13に、電極間隔を10μmとしたAl/Au電極対を有する水滴センサを冷却した際の水滴センサ近傍の温度とセンサからの出力信号(電流)の関係を示す。温度降下に伴い、電流値が上昇し、10.1℃において最大値となり、その後定常的な値を示した。なお、この冷却実験の際の計算上の露点は7℃であった。5℃よりも低温では、電流値の増減が観測されているが、これは水滴センサを実装しているIC回路における結露により、センサからの応答が適切に取得できなくなったためである。計算上の露点よりも高い温度で検出されている理由として、相対湿度が80%以上になると液体としての水が存在できることが挙げられる。実際、この冷却実験において、相対湿度が80%となる温度は10.2℃と算出されることから、本センサを用いることでこのような微小な水滴を検出できたことが推測される。なお、10.1℃以下で観測されている定常的な電流値はバックグラウンドと比較して4桁以上高いことからS/N比が高く、高感度と言える。また、10.1℃よりも高い温度域においても、バックグランドよりも高い電流が観測されており、温度依存性も示している。これは、水滴センサの温度低下に伴い、センサ表面に吸着する水分子の量が増えるためと推測される。なお、本実施例の構成を有する水滴センサでは、センサの温度が下がったとき、実際の結露の発生前にこのような電流値の小さなピークが検出される場合がある。しかし、電流値が飽和した時点をもって結露の発生時点と判定することにより、これらの小ピークを結露発生と誤認するのを防止することができる。例えば、予めこのような飽和値を測定しておき、センサ出力がこの値に到達したことをもって結露発生と判定すればよい。以上より、本水滴センサを用いた結露の早期検出が可能であることが示唆された。
図14に、Cu/Au電極対を有する水滴センサの電極間隔と出力信号(電流)の関係を示す。なお、電流値は冷却実験において結露に伴い観測された電流の平均値を示している。電極間隔が狭くなるにつれて電流値が上昇していることが分かった。これは、電極間隔が狭くなることにより、より小さな水滴が検出できるようになるとともに、同じ粒径を有する水滴が跨ぐことのできる異種電極の組数が増えたため、電流値が上昇したと考えられる。
図15に水滴センサの電極組み合わせと出力信号(電流)の関係を示す。なお、電流値は冷却実験において結露に伴い観測された電流の平均値を示している。Al/Auにおける電流値は、Cu/Auの場合と比較して10倍程度増加することが分かった。これは、ガルバニ対においてAl/Auの方がCu/Auよりも起電力が大きく、微小水滴検出センサの異種電極上に存在する水滴の形状と個数が同じであったと仮定すると、電極間の抵抗が同一となり、結果として得られる電流が上昇したためと考えられる。
このように、本実施例では、水滴センサを用いて結露現象を早期に検出することに成功した。また、水滴センサにおける異種金属電極の組み合わせを起電力の高いものとし、電極間隔を狭くすることで、結露検出の感度と精度を向上できることも明らかにした。これは、本発明の水滴センサは既存の技術と比べて結露の早期検出や露点の高速測定への応用が可能であることを示している。
以上説明したように、本発明によれば小型で高感度の露点測定装置を実現することができるので、露点を知ることが重要となる多くの産業分野で利用される可能性がある。
WO 2016/013544 A1
https://www.compoclub.com/products/knowledge/fdw/fdw1-3.html T. Shinohara et al., Journal of Metals, Materials and Minerals, Vol.20 No.2 pp.23-27, 2010. Engaji et al., Toyota Tech. rep., 40(1987) p.57.

Claims (21)

  1. 絶縁性基板上に異種金属の細線を並置した構造を有し、空気中に含まれる水蒸気が凝結して形成された水滴が前記異種金属の細線間に付着したことによって生じるガルバニ電流を検出する水滴センサと、
    前記水滴センサの温度を制御する温度制御手段と
    を設け、
    前記温度制御手段は前記水滴センサの温度を0℃未満に冷却できるように構成された露点測定装置。
  2. 前記水滴センサ表面に露点測定対象の気体を供給する気体供給手段を更に設けた、請求項1に記載の露点測定装置。
  3. 前記気体供給手段は、前記露点測定対象の気体を間欠的に前記水滴センサ表面に供給する、請求項2に記載の露点測定装置。
  4. 前記気体供給手段は、前記露点測定対象の気体を連続的に前記水滴センサ表面に供給する、請求項2に記載の露点測定装置。
  5. 前記異種金属の細線の間隔は20μm未満である、請求項1から4の何れかに記載の露点測定装置。
  6. 前記異種金属の細線の間隔は100nm以上かつ1000nm以下である、請求項5に記載の露点測定装置。
  7. 前記異種金属の一方の金属は金、白金、銀、チタン及びこれらの合金、並びに炭素からなる群から選択され、他方の金属は前記一方の金属とは異なる金属であって、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルト、アルミニウム、スズ、クロム、モリブデン、マンガン、マグネシウム、及びこれらの合金からなる群から選択される金属である、請求項1から6の何れかに記載の露点測定装置。
  8. 前記温度制御手段は保冷剤である、請求項1から7の何れかに記載の露点測定装置。
  9. 前記温度制御手段は通電により少なくとも冷却を行うことができる手段である、請求項1から7の何れかに記載の露点測定装置。
  10. 前記温度制御手段は液体の潜熱及び気体の圧力変化の少なくとも一方による温度低下を利用する、請求項1から7の何れかに記載の露点測定装置。
  11. 前記温度制御手段は前記水滴センサの温度と露点測定装置の内部空間全体の温度を制御するものであり、露点測定装置の内部空間全体の温度を外気温よりも高くすることができるように構成された、請求項1から7の何れかに記載の露点測定装置。
  12. 絶縁性基板上に異種金属の細線を並置した構造を有し、空気中に含まれる水蒸気が凝結して形成された水滴が前記異種金属の細線間に付着したことによって生じるガルバニ電流を検出する水滴センサを設け、
    前記水滴センサの温度を変化させて前記水滴センサ表面の結露状態の変化に基づいて露点を求める、
    露点測定方法であって、
    前記水滴センサの温度の変化は温度を低下させる方向への変化であり、前記水滴センサの温度を0℃未満に冷却する、露点測定方法。
  13. 前記水滴センサに露点測定対象の気体を供給する、請求項12に記載の露点測定方法。
  14. 前記露点測定対象の気体を間欠的に前記水滴センサ表面に供給する、請求項13に記載の露点測定方法。
  15. 前記露点測定対象の気体を連続的に前記水滴センサ表面に供給する、請求項13に記載の露点測定方法。
  16. 前記異種金属の細線の間隔は20μm未満である、請求項12から15の何れかに記載の露点測定方法。
  17. 前記異種金属の細線の間隔は100nm以上かつ1000nm以下である、請求項16に記載の露点測定方法。
  18. 前記異種金属の一方の金属は金、白金、銀、チタン及びこれらの合金、並びに炭素からなる群から選択され、他方の金属は前記一方の金属とは異なる金属であって、銀、銅、鉄、亜鉛、ニッケル、コバルト、アルミニウム、スズ、クロム、モリブデン、マンガン、マグネシウム、及びこれらの合金からなる群から選択される金属である、請求項12から17の何れかに記載の露点測定方法。
  19. 前記水滴センサの温度の変化は温度を低下させる方向への変化と温度を上昇させる方向への変化の両方の変化である、請求項12から18の何れかに記載の露点測定方法。
  20. 前記水滴センサの温度の変化は階段状の変化または連続的な変化である、請求項12から19の何れかに記載の露点測定方法。
  21. 前記水滴センサを設けた内部空間全体の温度を外気温よりも高くする、請求項12から20の何れかに記載の露点測定方法。
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