JP2021072003A - 安全航行のための警報装置、警報方法、及び警報プログラム - Google Patents

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【課題】工事区域付近に接近する船舶に警報を発する装置を提案することを課題とする。
【解決手段】ビデオカメラ(2)から海面を含む画像の画像信号を取得する画像取得部(1321)と、画像信号からフレームごとに複数の監視領域画像データを切り出す画像切出部(1322)と、監視領域画像データから画像二値化データを生成する二値化データ処理部(1323)と、画像二値化データを所定の加算時間に亘って加算して短期サマリ画像データを生成する短期サマリ部(1326)と、各サマリ画像データの画像解析を順次行い、船舶候補に該当する画像領域を検出するとともに、船舶候補の画像トラッキングを行い記船舶候補が工事区域に向かっている船舶である可能性が高いか否かを判定する長期サマリ部(1237)と、船舶候補が工事区域に向かっている船舶である可能性が高いと判定されたとき、警報機に警報信号を出力する警報信号出力部(1328)と、を有する警報装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶の安全航行のための警報装置、警報方法、及び警報プログラムに関する。
港湾、沿岸等における工事の施工にあたっては、海上を航行する船舶が安全に航海できるように工事区域付近に海上標識、例えば、灯浮標、灯標が設置される。しかし船舶からの海上標識の視認は容易ではなく、又、海上工事の施工期間は短いことが多く海上標識の海図への反映はされないことが多い。
従って、工事施工管理者側が、工事区域付近の海上を監視し、工事区域に接近する船舶に対して警報を発するようにすることが望ましい。例えば、工事区域にレーダーを設置して、接近する船舶を検出して警報を発する方法がある。国際VHFを使用した自動船舶識別装置(AIS:Automatic Identification System)を設置して、接近する船舶を検出して警報を発したりする方法がある。しかし、いずれの方法も電波発信をするためアンテナ設置や運用するために無線技術の資格を必要とする。
そこで、デジタルカメラを工事区域に設置し、画像認識技術を用いて工事区域に接近する船舶を検出して警報を発する方法がある。例えば、特許文献1には、モニタテレビと監視カメラを備え、テレビモニタの画面に侵入検知区域を表示する複数のセンサ点をマウスで設定し、設定されたセンサ点に接触する侵入物を検出する監視センサが開示されている。
特開2009−188964号公報
しかし、特許文献1に記載の発明は、設定されたセンサ点に接触したことしか検出できず、船舶はセンサ点に接触したのみで工事区域には接近しない場合まで、警報を発することになる。又、従来の画像認識技術では、海水面での白波の発生や太陽光の照り返し等を排除することができない。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、海上を航行する船舶が安全に航海できるように工事区域付近に接近する船舶に警報を発する装置を提案することを課題とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る警報装置は、工事区域に設置されたビデオカメラから海面を含む画像の画像信号を取得する画像取得部と、取得した画像信号からフレームごとに所定の画像水平方向を長辺とする矩形画像データを複数の監視領域画像データとして切り出す画像切出部と、監視領域画像データを所定の二値化閾値を用いて画像二値化データを生成する二値化データ処理部と、画像二値化データを所定の加算時間に亘って加算して短期サマリ画像データを生成する短期サマリ部と、各短期サマリ画像データの画像解析を順次行い、船舶候補に該当する画像領域を検出するとともに、船舶候補の画像トラッキングを行い記船舶候補が工事区域に向かっている船舶である可能性が高いか否かを判定する長期サマリ部と、船舶候補が工事区域に向かっている船舶である可能性が高いと判定されたとき、警報機に警報信号を出力する警報信号出力部と、を有することを特徴とする。
更に、本発明に係る警報装置は、二値化データ処理部が、第1の時間に亘る複数の監視領域画像データの一部から背景画像データを生成する背景画像生成部と、背景画像データと複数の監視領域画像データの内第1の時間から第2の時間経過した所定の監視領域画像データとの背景差分をとり、二値化閾値を用いて画像二値化データを生成する背景差分二値化部と、を有することが好ましい。
更に、本発明に係る警報装置は、二値化データ処理部が、監視領域画像データに含まれるR、G、B色データの各平均値を計算する色相平均部と、監視領域画像データの各画素の色相値と色データの各平均値の差に関連する色差分画像データを生成し、色差分閾値を用いて色差分画像二値化データを生成する色差分二値化部と、を有することが好ましい。
更に、本発明に係る警報装置は、海面を含む画像は海面と空又は海面と陸との境界を含む画像であり、監視領域画像データは境界を含む画像データであることが好ましい。
本発明に係る警報方法は、工事区域に設置されたビデオカメラから海面を含む画像の画像信号を取得することと、取得した画像信号からフレームごとに所定の画像水平方向を長辺とする矩形画像データを複数の監視領域画像データとして切り出すことと、監視領域画像データを所定の二値化閾値を用いて画像二値化データを生成することと、画像二値化データを所定の加算時間に亘って加算して短期サマリ画像データを生成することと、各短期サマリ画像データの画像解析を順次行い、船舶候補に該当する画像領域を検出するとともに、船舶候補の画像トラッキングを行い船舶候補が工事区域に向かっている船舶である可能性が高いか否かを判定することと、船舶候補が工事区域に向かっている船舶である可能性が高いと判定されたとき、警報機に警報信号を出力することと、を有することを特徴とする。
本発明に係る警報プログラムは、コンピュータを動作させるプログラムであって、工事区域に設置されたビデオカメラから海面を含む画像の画像信号を取得することと、取得した画像信号からフレームごとに所定の画像水平方向を長辺とする矩形画像データを複数の監視領域画像データとして切り出すことと、監視領域画像データを所定の二値化閾値を用いて画像二値化データを生成することと、画像二値化データを所定の加算時間に亘って加算して短期サマリ画像データを生成することと、各短期サマリ画像データの画像解析を順次行い、船舶候補に該当する画像領域を検出するとともに、船舶候補の画像トラッキングを行い船舶候補が工事区域に向かっている船舶である可能性が高いか否かを判定することと、船舶候補が工事区域に向かっている船舶である可能性が高いと判定されたとき、警報機に警報信号を出力することと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明に係る警報装置によれば、海上を航行する船舶が安全に航海できるように工事区域付近に接近する船舶に警報を発することが可能となる。
警報装置の一例の概要を説明する図である。 警報装置のブロック構成の一例を示す図である。 警報装置が行う処理フローの一例を示す図である。 統計的な背景差分の一例を説明する図である。 背景画像データの生成から十分な時間が経過後に背景差分を取る効果を説明する図であり、(a)は前の画像を背景画像として、1フレーム後の画像を前景画像として背景差分を取り二値化した例を示す図であり、(b)は背景画像データの生成から十分な時間が経過後に背景差分を取り二値化した例を示す図である。 長期サマリ処理の一例を示すフローチャートである。 警報装置のブロック構成の一例を示す図である。 警報装置が行う処理フローの一例を示す図である。
以下、本開示の一側面に係る警報装置、警報方法、及び警報プログラムについて、図を参照しつつ説明する。但し、本開示の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。尚、以下の説明及び図において、同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[第1実施形態に係る警報装置の概要]
図1は、第1実施形態に係る警報装置の一例の概要を説明する図である。
警報装置1は、港湾、沿岸等における工事区域内に設置され、同じく工事区域内に設置されるビデオカメラ2及び警報機3に接続されている。ビデオカメラ2は、工事区域の付近の海面を撮影する。ビデオカメラ2は、例えば、カラービデオカメラ、高解像度カラーカメラ、高速撮影ビデオカメラ、及び高解像度高速カラービデオカメラである。ビデオカメラ2が撮影した画像は、例えば、破線で示される画像4である。画像4は画像信号として警報装置1に送信される。画像信号に基づき、警報装置1が工事区域に接近する船舶の有無を判定するためである。
警報装置1が工事区域に接近する船舶が有ると判定すると警報信号を警報機3に出力する。警報機3は、警報装置1から制御され、警報信号を受信したとき、工事事区域に接近する船舶に警報を発する、例えば、パトライト(登録商標)、フラッシュ発光器、サイレン、スピーカである。警報装置1は、ビデオカメラ2からの画像信号に基づいて、工事区画に接近する船舶が有るか否かを判定して、船舶が有った場合には接近する船舶に警報機3を使用して工事区画が近いことを知らせる警報を発し、船舶の安全を図ることが可能となる。
ビデオカメラ2が撮影する画像4の範囲は、縦方向に関しては、水平線すなわち海面と空との境として見える境界線41から工事区域の境界までを含み、横方向に関し工事区域の左右端部を含むように設定されることが好ましい。海上を航行する船舶が工事区域から最も遠方に見えるのは水平線付近であり、水平線付近から工事区域までの海面を監視することができるからである。画像4の範囲は、横方向に関し工事区域の左右端部近傍を含むように設定されてもよい。したがって、ビデオカメラ2は広角カメラであることが好ましい。警報装置1は、ビデオカメラ2の撮影した画像に基づいて、工事区画に接近する船舶の判定を行う。
工事区域の遠方に陸地がある場合は、ビデオカメラ2が撮影する画像4の範囲は、縦方向に関しては、海面と陸地との境として見える境界線から工事区域の境界までを含み、工事区画の横方向に関し工事区域の左右端部を含むように設定されることが好ましい。海上を航行する船舶が最も遠方に見えるのは陸地の対岸付近であり、対岸付近から工事区域までの海面を監視することができるからである。
ビデオカメラ2の撮影範囲の設定は、例えば警報装置1の操作者が警報装置1の表示画面(不図示)を確認して行う。例えば、天候によって、ビデオカメラ2の撮影画像から視認できる海面と空の境界線の位置が変化するからである。又、警報装置1がビデオカメラ2の画像から、例えば水平線、工事区域の境界を自動識別して、ビデオカメラ2の撮影範囲を制御してもよい。例えば、画像の水平方向の輝度が大きく変化する境を警報装置1が機別して水平線、工事区域の境界を設定することができる。
工事区画に接近する船舶の判定にあたっては、例えば、警報装置1がビデオカメラ2の撮影画像全領域に亘って分析して、工事区画に接近しているかを判別する方法がある。しかし、画像処理の負荷が大きく、警報装置1の処理速度が遅くなってしまう。
そこで、船舶が工事区画に接近しているかを監視する画像領域は小さいことが好ましい。例えば、警報装置1の操作者は、水平線すなわち海面と空との境として見える境界線41を第1接近線41として、第1接近線を含む矩形エリアを第1監視領域画像42に設定する。次に、警報装置1の操作者は、工事区域から2.0Km離れた海上に仮想の水平な第2接近線43を設け、第2接近線を含む矩形エリアを第2監視領域画像44に設定する。更に、警報装置1の操作者は工事区域から1Km離れた海上に仮想の水平な第3接近線45を設け、第3接近線を含む矩形エリアを第3監視領域画像46に設定する。警報装置1は、設定された各監視領域画像を記憶する。
警報装置1は、各監視領域画像内に船舶画像が含まれているか否かを検出し、更に検出された船舶画像が工事区画に接近しているか否かを判定して、工事区域に船舶が接近している場合は、警報装置1は警報機3を動作させて警報を発する。画像処理の負荷が小さくなるので、警報装置1の処理速度は速くなる。本実施例では、仮想の接近線は、3本としたが、2本以下又は4本以上に設定してもよい。
又、港湾の海上には、航行中の船舶だけでなく、静的構造物、例えば、堤防、ケーソン、停泊中の船舶、ブイがある。更には静止自然物、例えば岩礁が露出していることがある。以下、静的構造物及び静止自然物を静止物という。例えば、図1の画像4内の第1監視領域画像42には、横方向に航行するコンテナ船51、工事区域に向かって航行するプレジャーボート52、浮標53、停泊中のクレーン船のアーム54にそれぞれ対応する画像が含まれている。更に、海面の波55や太陽の反射光56の画像が含まれる。警報装置1は、様々な対象を含む第1監視領域画像42に基づき、工事区画に接近する船舶が有るか否かを判定して、船舶が有った場合には接近する船舶に警報機3を使用して工事区画が近いこと知らせる警報信号を出力する処理を行う。
[ビデオカメラについて]
ビデオカメラ2は、例えば、解像度が3840×2160ピクセル、1秒間に60フレームの画像を撮影可能である高解像度カラービデオカメラである。ビデオカメラ2が各画素(ピクセル)の座標は(x,y):1≦x≦3840、1≦y≦2160、で表現される。ビデオカメラ2からの画像データは画素ごとに、例えば、赤(R)の色データ:R(x,y)、緑(G)の色データ:G(x,y)、及び青(B)の色データ:B(x,y)の3つを有する。すべての画素について3つの色データを出力せず、画素1つおきに出力するカメラもあるが、説明を簡単にするため本実施例ではすべての画素について3つの色データが出力されるものとする。
[警報装置のブロック構成]
図2は、第1実施形態に係る警報装置のブロック構成の一例を示す図である。
警報装置1は、表示部11、操作部12、及び制御部13を有し、各部はバスラインで接続されている。表示部11は、例えばディスプレイ装置である。操作部12は、例えば、キーボード、マウスである。表示部11と操作部12は、例えば、タッチパネルディスプレイ装置のように一体となっていてもよい。更に、警報装置1には、ビデオカメラ2及び警報機3がインターフェース14を介して接続されている。
制御部13は、制御記憶部131と制御処理部132とを有する。制御記憶部131は、1つ又は複数の半導体メモリにより構成される。例えば、RAMや、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性メモリの少なくとも一つを有する。制御記憶部131は、制御処理部132による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。
制御記憶部131は、ドライバプログラムとして、ビデオカメラ2、警報機3、表示部11、操作部12等を制御するデバイスドライバプログラムを記憶する。コンピュータプログラムは、例えば、CD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて制御記憶部131にインストールされてもよい。また、プログラムサーバ等からダウンロードしてインストールしてもよい。
更に、制御記憶部131は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。制御記憶部131は、監視領域設定ファイル1311、差分時間設定ファイル1312、二値化閾値設定ファイル1313、加算時間ファイル1314、クラスタ判定ファイル1315、トラッキング判定ファイル1316、及びその他の処理パラメータファイル1317等を記憶する。
制御処理部132は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。制御処理部132は、警報装置1の動作を統括的に制御するものであり、例えば、MPU(Micro Processor Unit)等のプロセッサである。制御処理部132は複数のMPUにより構成されていてもよい。
制御処理部132は、制御記憶部131に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、制御処理部132は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行してもよい。制御処理部132は、画像取得部1321、画像切出部1322、二値化データ処理部等1323、背景画像生成部1324、背景差分二値化部1325、短期サマリ部1326、長期サマリ部1327等を有する。
制御処理部132が有するこれらの各部は、独立した集積回路、回路モジュール、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとして警報装置1に実装されてもよい。
[第1実施形態に係る警報装置が行う処理フローの概略]
図3は、第1実施形態に係る警報装置が行う処理フローの一例を示す図である。
警報装置1の画像取得部1321は、ビデオカメラ2が撮影した監視海面を含む画像の画像信号を取得する(ST301)。画像切出部1322は、取得した画像信号から画像データを生成し、工事区画に接近する船舶を検出するため、設定された監視領域画像データを切り出す(ST302)。
背景画像生成部1324は、監視領域画像データに含まれる3つの色データについて第1の時間に対応するフレーム、例えばn=1〜5の5フレームに対応する3つの色データについて統計的処理を行い、背景画像データを生成する(ST303)。統計的処理は、例えば5フレームの3つの色データごとに加算してそれぞれを5で除した平均値を取り背景画像データとする処理である。画素(x,y)の背景画像データは色データごとの平均値を成分とするベクトルデータである。
背景差分二値化部1325は、第1の時間経過後から第2時間が経過した監視領域画像データを前景画像データとして、各色の背景画像データとの背景差分を取る(ST304)。背景差分二値化部1325は、各画素の各色の背景差分データをそれぞれの色の二値化閾値と比較し各画素の背景差分データが3つの色RGBすべてについて二値化閾値以上のとき1、それ以外のとき0として、背景差分画像二値化データを生成する(ST305)。背景差分画像二値化データは海面上の静止物に関連する画像ノイズが除去されたデータとなる。
背景差分画像二値化データの作成は、逐次行われ、二値化データ処理部1323により警報装置1の制御記憶部131に記憶される(ST306)。すなわち、第1の時間経過後から第2の時間経過した後は、各フレームに対応した背景差分画像二値化データが生成され、記憶される。
短期サマリ部1326は、第3の時間に亘って背景差分画像二値化データを加算して、短期サマリ画像データを作成する短期サマリ処理を行う(ST307)。短期サマリ画像データは、海面上に一時的に表れたノイズ、例えば、波、海面の光の反射、静止物の微小な揺れが除去される。
長期サマリ部1327は、短期サマリ画像データの画像解析を順次行い、船舶候補に該当する画像領域を検出する。更に、船舶候補の画像トラッキングを行い船舶候補が工事区域に向かっている船舶であることを判定する長期サマリ処理を行う(ST308)。
警報信号出力部1328は、長期サマリ処理によって、船舶候補が工事区域に向かっている船舶であると判定されたとき、警報機3に警報信号を出力する(ST309)。警報機3、例えばパトライト(登録商標)は警報のための光を点滅させる。
[背景差分について]
背景差分は、撮影画像と事前に取得しておいた画像を比較することで、事前に取得した画像には存在しない物体を抽出する処理を可能にする。事前に取得した画像を背景画像と呼び、背景画像と比較する撮影画像を前景画像と呼ぶ。前の画像を背景画像として、1フレーム後の画像を前景画像として背景差分を取る単純な背景差分方法は、両フレームに存在する静止物に関する画像は消滅するが、検出したい移動体、例えば船舶に関する画像の一部も消えてしまう。また、海上の日照変動の発生や、カメラの移動、静止物が消失したときは適切な背景差分が得られない。本実施形態では、複数の画像を統計的に処理して背景画像を生成する。
図4は、第1実施形態における統計的な背景差分の一例を説明する図である。
警報装置1の背景画像生成部1324は、第1の時間分のフレーム、例えばn=1〜5の5フレームに対応する監視領域画像データの系列M1、M2、M3,M4、M5について統計的処理を行い、背景画像データMS1を生成する。統計的処理は、例えば3つの色データごとに5フレームのデータ値の和を取りフレーム数の5で除した平均値を背景画像データMS1とする処理である。画素座標(x,y)に対す背景画像データMS1は、赤の色データの平均値RB1(x,y),緑の色データの平均値GB1(x,y),青の色データの平均値BB1(x,y)とすると、ベクトル[RB1(x,y),GB1(x,y),BB1(x,y)]で表される。例えば、赤の色データの平均値RB1(x,y)は、
Figure 2021072003
と表わされる。統計的処理を行うことにより、静止物の揺らぎが少ない安定した背景画像データが得られる。又、日照変動による画像内の微小な輝度変化に対応することができる。
背景差分二値化部1325は、背景画像テータ作成に使用したフレーム数に対応する第1の時間経過後、第2の時間が経過したときの監視領域画像データP1に含まれる3つの色データのベクトル[RP1(x,y),GP1(x,y),BP1(x,y)]を前景画像データとして、背景画像データMS1と前景画像データPとのベクトル差分を取る。第2の時間は第1の時間よりも十分長いことが好ましい。例えば、ビデオカメラ2のフレームレートが60fpsのとき、第1の時間が5フレーム分の時間とすると、第2の時間は2分程度であることが好ましい。第2の時間を第1の時間よりも十分長くすることで、船舶に関連する画像データが消滅しないようにすることができる。
第1の時間1/12秒経過後、第2の時間2分であるのときの前景画像テータP1の画素座標(x,y)に対応する赤の色データはRP1(x,y;(1/12)+120)と表わされる。差分画像データD1の画素座標(x、y)の赤の色データは、RD1(x,y)=RP1(x,y;(1/12)+120)−RB1(x,y)と表わされる。緑の色データは、GD1(x,y)=GP1(x,y;(1/12)+120)−G(x,y)と表わされる。青の色データは、BD1(x,y)=BP1(x,y;(1/12)+120)−B(x,y)と表わされる。時間経過とともに、差分画像データD1、D2、D3、・・・が逐次作成される。背景差分二値化部1325は、差分画像データD1、D2、D3、・・・を制御記憶部131に記憶する。
背景差分二値化部1325は、3つの二値化閾値DTH、DTH、DTHを使用して、差分画像データD1、D2、D3、・・・を背景差分画像二値化データDB1、DB2、DB3、・・・に変換する。DTHは赤の二値化閾値、DTHは緑の二値化閾値、DTHは青の二値化閾値である。例えば、気象、時間帯に応じて、3つの二値化閾値DTH、DTH、DTHを調整することにより、船舶の検出精度が高くなる可能性がある。
例えば、画素座標(x,y)における差分画像データD1が[RD1(x,y),GD1(x,y),BD1(x,y)]であるとすると、二値化データの値FDB1(x,y)は、
D1(x,y)≧DTH、且つ、GD1(x,y)≧DTH、且つ、BD1(x,y)≧DTHのとき、FDB1(x,y)=1
D1(x,y)<DTH、又は、GD1(x,y)<DTH、又は、BD1(x,y)<DTHのとき、FDB1(x,y)=0
である。二値化することにより計算量が少なくなるので、警報装置1の処理速度が速くなり、処理アルゴリズムも簡単になる。本例では、FDB1(x、y)が取り得る値を0と1としたが、例えば0と255の組み合わせでもよい。
別の例として、背景差分二値化は、各色データの差分和を取り1つの閾値DTHとの比較をしてもよい。例えば、画素座標(x,y)における差分画像データD1が[RD1(x,y),GD1(x,y),BD1(x,y)]であるとすると、二値化データの値FDB1(x,y)は、
|RD1(x,y)|+|GD1(x,y)|+|BD1(x,y)|≧DTHのとき、
DB1(x,y)=1
|RD1(x,y)|+|GD1(x,y)|+|BD1(x,y)|<DTHのとき、
DB1(x,y)=0
である。
図5は、背景画像データの生成から十分な時間が経過後に背景差分を取る効果を説明する図であり、(a)は前の画像を背景画像として、1フレーム後の画像を前景画像として背景差分を取り二値化した例を示す図であり、(b)は背景画像データの生成から十分な時間が経過後に背景差分を取り二値化した例を示す図である。
背景画像の工事区域に接近する船舶が水平線上にあるときの位置と,1フレーム後、すなわち1/12秒後の前景画像の船舶の位置は、ビデオカメラ2の位置から水平線までの距離が大きく、船舶の移動距離が少ないことからほとんど同じである。二値化データでは、背景画像の船舶と前景画像の船舶の画像とが重なってしまい、船舶画像はほとんど認識されない。(b)の背景画像データの生成から十分な時間が経過後、例えば2分後に背景差分を取り二値化したでは、2分の間に船舶200メートルほどビデオカメラの方向に接近するので、船舶画像が認識される。
[背景差分処理の変形例]
実施例では、背景差分処理は、監視領域画像データに含まれる3つの色データに対応したベクトルとして処理したが、ベクトル量をスカラー量に変換して処理してもよい。
1つの例として、背景差分処理には、画素(x,y)ごとの輝度データY(x,y)を使用してもよい。輝度データY(x,y)は、RGB色データから変換することができ、
Y(x,y)=kR(x,y)+(1−k−k)G(x,y)+kB(x,y)
である。k、kは変換係数であり、例えば、ITU−R B.709方式では、(k,k)=(0.2126,0.0722),ITU−R B.601方式では、(k,k)=(0.299,0.114)である。例えば、輝度(Y)データ、色差(U,V)データを直接出力するビデオカメラであれば、変換は不要である。
輝度データYを使用した背景差分処理を説明する。警報装置1の背景画像生成部1324は、第1の時間分のフレーム、例えばn=1〜5の5フレームに対応する監視領域画像データの系列M1、M2、M3,M4、M5についての輝度データYに統計的処理を行い、背景画像データを生成する。統計的処理は、画素座標(x,y)について5フレームの輝度データの和を取りフレーム数の5で除した平均値を背景画像データMS1の画素座標(x,y)についての輝度データとする処理である。画素座標(x,y)に対す背景画像データの輝度YB1は、
Figure 2021072003
と表わされる。統計的処理を行うことにより、静止物の揺らぎが少ない安定した背景画像データが得られる。又、日照変動による画像内の微小な輝度変化に対応することができる。
背景差分二値化部1325は、背景画像テータ作成に使用したフレーム数に対応する第1の時間経過後、第2の時間が経過したときの監視領域画像データに含まれる輝度データP1を前景画像データとして、背景画像データMS1と前景画像データP1との差分を取る。第2の時間は第1の時間よりも十分長いことが好ましい。例えば、ビデオカメラ2のフレームレートが60fpsのとき、第1の時間が5フレーム分の時間とすると、第2の時間は2分程度であることが好ましい。第2の時間を第1の時間よりも十分長くすることで、船舶に関連する画像データが消滅しないようにすることができる。
第1の時間1/12秒経過後、第2の時間2分であるのときの前景画像テータP1の画素座標(x,y)に対応する輝度はYP1(x,y;(1/12)+120)と表わされる。差分画像データD1の画素座標(x、y)の輝度YD1は、YD1(x,y)=YP1(x,y;(1/12)+120)−YB1(x,y)と表わされる。時間経過とともに、差分画像データD1、D2、D3、・・・が逐次作成される。背景差分二値化部1325は、差分画像データD1、D2、D3、・・・を制御記憶部131に記憶する。
背景差分二値化部1325は、二値化閾値YTHを使用して差分画像データD1、D2、D3、・・・を背景差分画像二値化データDB1、DB2、DB3、・・・に変換する。例えば、差分画像データD1の画素座標(x,y)の輝度YD1(x,y)であるとすると、二値化データの値YD1B(x,y)は、
D1(x,y)≧YTHのとき、YD1B(x,y)=1
D1(x,y)<YTHのとき、YD1B(x,y)=0
である。
別の例として、背景差分処理には、画素(x,y)ごとの3つの色データの和の関数
C(x,y)=R(x,y)+G(x,y)+B(x,y)
を使用を使用してもよい。演算処理を簡略化できる。
別の例として、重み付け係数W、W、Wを有する3つの色データの和の関数
(x,y)=W×R(x,y)+W×G(x,y)+W×B(x,y)
を使用してもよい。例えば、海面の色は青(B)系が主色であるとすると、青の重み付け係数Wを、他の重み付け係数W、Wより小さくすれば、青(B)以外の色を主に有する物体が強調されることになる。
[短期サマリ処理について]
短期サマリ部1326は、第3の時間に亘って背景差分画像二値化データDB1、DB2、DB3、・・・を加算して、短期サマリ画像データSS1、SS2.SS3・・・を作成する短期サマリ処理を行う。短期サマリ処理によって、短期サマリ画像データは、海面上に一時的に表れたノイズ、例えば、波、海面の光の揺らぎ、静止物の微小な揺れが除去される。第3の時間は、ノイズ除去の効果が大きくなるように、波の発生周期、海面の上下動周期に合わせて適宜変更することが好ましい。例えば第3の時間は、1秒以上30秒以下が好ましい。短期サマリデータの画素座標(x,y)に対応するデータ値は、0又は1に限られず、0又は0以上の正数であることに留意されたい。
[長期サマリ処理について]
背景差分処理と短期サマリ処理により、静止物、振動する静止物、及び海面上に一時的に表れたノイズは除去され、短期サマリ画像データSS1、SS2.SS3・・・は、移動する物体に関する画像を含む画像データとなっている。長期サマリ部1327は、各短期サマリ画像データSS1、SS2.SS3・・・の画像解析を順次行い、船舶候補に該当する画像領域を検出するとともに、船舶候補の画像トラッキングを行い船舶候補が工事区域に向かっている船舶であることを判定する。
図6は、長期サマリ処理の一例を示すフローチャートである。
長期サマリ部1327は、トラッキングカウンタTRCを0にセットする(ST601).短期サマリ画像データSS1を読み込み、クラスタ分析を行う(ST602)。長期サマリ部1327は、船舶候補に該当する画像に対するクラスタ領域を有するか否かを検出する(ST603)。船舶候補に該当する画像に対するクラスタ領域を検出する条件は、例えば領域内の画素座標(x、y)における短期サマリ画像データの値FSS(x、y)は所定の判定閾値Fth以上であり、且つ領域の面積Sが所定の面積Sth以上であることである。船舶候補に該当する画像に対するクラスタ領域が検出されない場合(ST603:NO)、処理はステップST601に戻る。
船舶候補に該当する画像に対するクラスタ領域が検出された場合(ST603:YES)、長期サマリ部1327は、クラスタ領域の中心座標O(x、y)、及び領域の最下端Y座標を計算し、制御記憶部131に記憶する(ST604)。長期サマリ部1327は、トラッキングカウンタTRCに1を加算する(ST605)。長期サマリ部1327は、トラッキングカウンタTRCの値が1を超えるか否かを判定する(ST606)。
長期サマリ部1327は、トラッキングカウンタTRCの値が1である場合(ST606:NO)、長期サマリ部1327は、次の短期サマリ画像データについてステップST602〜ST606を繰り返す。トラッキングカウンタTRCの値が1を超える場合(ST606:YES)、時系列的に連続する短期サマリ画像データの両方に船舶候補に該当する画像に対するクラスタ領域が検出されたことになる。
トラッキングカウンタTRCの値が1を超える場合(ST606:YES)、長期サマリ部1327は、検出された船舶候補は工事区域に向かっている船舶である可能性が高いか否かを判定する(ST607)。長期サマリ部1327は、前後の短期サマリ画像データを比較する。例えば、クラスタ領域の中心座標O(x、y)が画像の下方に移動し、面積Sが増加し、且つ、領域の最下端Y座標は下がっている場合、検出された船舶候補は工事区域に向かっている船舶である可能性が高いと判定される。
検出された船舶候補は工事区域に向かっている船舶である可能性が高くないと判定された場合(ST607:NO)、トラッキングの連続性は途絶えたとしてステップST601に戻る。検出された船舶候補は工事区域に向かっている船舶である可能性が高いと判定された場合(ST607:YES)、長期サマリ部1327は、トラッキングカウンタTRCに1を加算する(ST608)。長期サマリ部1327は、トラッキングカウンタは所定の閾値TRCth以上か否かを判定する(ST609)。トラッキングカウンタは所定の閾値TRCth未満の場合(ST609:NO)、ステップST602に戻る。トラッキングカウンタが所定の閾値TRCth以上の場合(ST609:YES)、警報信号出力部1328は、警報機3に警報信号を出力する(ST610)。処理は終了する。
[第2実施形態に係る警報装置の概要]
第1実施形態では、背景差分法により船舶画像を検出したが、第2実施形態では、色差分法により船舶画像を検出する。
[警報装置のブロック構成]
図7は、第2実施形態に係る警報装置のブロック構成の一例を示す図である。
警報装置7は、表示部71、操作部72、及び制御部73を有し、各部はバスラインで接続されている。表示部71は、例えばディスプレイ装置である。操作部72は、例えば、キーボード、マウスである。表示部71と操作部72は、例えば、タッチパネルディスプレイ装置のように一体となっていてもよい。更に、警報装置7には、ビデオカメラ2及び警報機3がインターフェース74を介して接続されている。
制御部73は、制御記憶部731と制御処理部732とを有する。制御記憶部731は、1つ又は複数の半導体メモリにより構成される。例えば、RAMや、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性メモリの少なくとも一つを有する。制御記憶部731は、制御処理部732による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。
制御記憶部731は、ドライバプログラムとして、ビデオカメラ2、警報機3、表示部71、操作部72等を制御するデバイスドライバプログラムを記憶する。コンピュータプログラムは、例えば、CD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて制御記憶部731にインストールされてもよい。また、プログラムサーバ等からダウンロードしてインストールしてもよい。
更に、制御記憶部731は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。制御記憶部731は、監視領域設定ファイル7311、色相重み設定ファイル7312、二値化閾値設定ファイル7313、加算時間ファイル7314、クラスタ判定ファイル7315、トラッキング判定ファイル7316及びその他の処理パラメータファイル7317等を記憶する。
制御処理部732は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。制御処理部732は、警報装置7の動作を統括的に制御するものであり、例えば、MPU(Micro Processor Unit)等のプロセッサである。制御処理部732は複数のMPUにより構成されていてもよい。
制御処理部732は、制御記憶部731に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、制御処理部732は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行してもよい。制御処理部732は、画像取得部7321、画像切出部7322、二値化データ処理部7323、色相平均部7324、色差分二値化部7325、短期サマリ部1326、長期サマリ部1327等を有する。
制御処理部732が有するこれらの各部は、独立した集積回路、回路モジュール、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとして警報装置7に実装されてもよい。
[色差分画像二値化データの生成]
ビデオカメラ2は、例えば、解像度がM×Nピクセルの性能を有する。各画素の座標は(x,y):1≦x≦M、1≦y≦N、で表現される。ビデオカメラ2からの画像データは画素(ピクセル)ごとに、赤(R)の色データ:R(x,y)、緑(G)の色データ:G(x,y)、及び青(B)の色データ:B(x,y)の3つを有する。すべての画素について3つの色データを出力せず、画素1つおきに出力するカメラもあるが、説明を簡単にするため本実施例ではすべての画素について色データが出力されるものとする。又、RGB色データ以外の、例えば輝度(Y)データ、色差(U,V)データを出力するカメラもあるが、RGBデータとYUVとの間の変換が可能であるので、以下、RGB色データを例にして説明する。
色相平均部7324は、例えば、監視領域画像データに含まれる全画素座標(x,y)のR、G、B色データの平均値av(R)、av(G),av(B)を計算する。R、G、B色データの平均値は、監視領域画像データの海面領域と空領域とに分けてよい。別の例として、例えば画像データを64×64の画素ブロックに分割して、ブロックごとに差分画像データを生成してもよい。
色差分二値化部7325は、関数
(x,y)=(R(x,y)−av(R))+(G(x,y)−av(G))+(B(x,y)−av(B))
を用いてR、G、B色データを成分とするベクトル値をスカラー値に変換した色差分画像データを生成する。
別の例として、色差分二値化部7325は、監視画像データに含まれる各画素座標(x,y)のR、G、Bの色相重み付け係数W、W、Wを有する関数
(x,y)=W(R(x,y)−av(R))+W(G(x,y)−av(G))+W(B(x,y)−av(B))
を用いて色差分画像データを生成してもよい。例えば、海面の色は青(B)系が主色相であるとすると、青の重み付け係数Wを、他の重み付け係数W、Wより小さくすれば、青(B)以外の色相を主に有する物体が強調されることになる。
色差分二値化部7325は、色差分閾値CBthを用いて関数F(x,y)を二値関数FCB(x、y)に変換する。
(x,y)≧CBthのとき、FCB(x,y)=1
(x,y)<CBthのとき、FCB(x,y)=0
である。FCB(x、y)は、画素(x、y)の色差分二値化処理されたデータを示している。本例では、FCB(x、y)が取り得る値を0と1としたが、例えば0と255の組み合わせでもよい。
色差分閾値CBthは固定された値ではなく、可変としてもよい。例えば、水平線を第1接近線として、第1接近線を含む矩形エリアが第1監視領域に設定され、工事区域から2.0Km離れた海上の仮想の水平な第2接近線を含む矩形エリアが第2監視領域に設定されているとする。各監視領域に対応する画像は同一ではないのでそれぞれの監視領域に応じてCBthを設定することが好ましい。CBthは、時刻、例えば、朝方、昼、夕方、夜に応じて設定されることが好ましい。更に、気象や海象、例えば、晴れ、曇り、雨や海流、波、潮汐等に応じて設定されることが好ましい。海面の状況が、時刻、気象によって変化するからである。
色差分閾値CBthは、多くのサンプルデータを用いて統計的に設定されてもよい。変動要素が多くあるため、例えば、回帰分析やベイズ推定の統計的手法を用いることが好ましい。
色差分二値化部7325は、重み付け係数W、W、Wを有する関数
(x,y)=W(R(x,y)−av(R))+W(G(x,y)−av(G))+W(B(x,y)−av(B))
を用いて色差分画像データを生成する場合も同様に色差分二値化処理することができる。重み付け係数W、W、W多くのサンプルデータを用いて統計的に設定されてもよい。変動要素が多くあるため、例えば、回帰分析やベイズ推定の統計的手法を用いることが好ましい。
[第2実施形態に係る警報装置が行う処理フローの概略]
図8は、第2実施形態に係る警報装置が行う処理フローの一例を示す図である。
警報装置7の画像取得部7321は、ビデオカメラ2が撮影した監視海面を含む画像の画像信号を取得する(ST801)。画像切出部7322は、取得した画像信号から画像データを生成し、工事区画に接近する船舶を検出するため、設定された監視領域画像データを切り出す{ST802)。
色相平均部7324は、監視領域画像データに含まれる全画素座標(x,y)のR、G、B色データの平均値av(R)、av(G),av(B)を計算する(ST803)。
色差分二値化部7325は、関数
(x,y)=(R(x,y)−av(R))+(G(x,y)−av(G))+(B(x,y)−av(B))
を用いてR、G、B色データを成分とするベクトル値をスカラー値に変換した色差分画像データを生成する(ST804)。
色差分二値化部7325は、色差分閾値CBthを用いて関数F(x,y)を二値関数FCB(x、y)に変換して色差分画像二値化データを生成する(ST805)。色差分画像二値化データの作成は、逐次行われ、二値化データ処理部7323により警報装置7の記憶部731に記憶される(ST806)。すなわち、各フレームに対応した色差分画像二値化データが生成され、記憶される。
短期サマリ部7326は、所定の加算時間に亘って色差分画像二値化データを加算して、短期サマリ画像データを作成する短期サマリ処理を行う(ST807)。短期サマリ画像データは、海面上に一時的に表れたノイズ、例えば、波、海面の光の反射、静止物の微小な揺れが除去される。
長期サマリ部1327は、短期サマリ画像データの画像解析を順次行い、船舶候補に該当する画像領域を検出するとともに、船舶候補の画像トラッキングを行い船舶候補が工事区域に向かっている船舶であることを判定する長期サマリ処理を行う(ST808)。
警報信号出力部7328は、長期サマリ処理によって、船舶候補が工事区域に向かっている船舶であると判定されたとき、警報機3に警報信号を出力する(ST809)。警報機3、例えばパトライト(登録商標)は警報のための光を点滅させる。
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
1、7 警報装置
11、71 表示部
12,72 操作部
13、73 制御部
131、731 制御記憶部
132、732 制御処理部
14、74 インターフェース
2 ビデオカメラ
3 警報機

Claims (6)

  1. 工事区域に設置されたビデオカメラから海面を含む画像の画像信号を取得する画像取得部と、
    前記取得した画像信号からフレームごとに所定の画像水平方向を長辺とする矩形画像データを複数の監視領域画像データとして切り出す画像切出部と、
    前記監視領域画像データを所定の二値化閾値を用いて画像二値化データを生成する二値化データ処理部と、
    前記画像二値化データを所定の加算時間に亘って加算して短期サマリ画像データを生成する短期サマリ部と、
    各前記短期サマリ画像データの画像解析を順次行い、船舶候補に該当する画像領域を検出するとともに、前記船舶候補の画像トラッキングを行い前記船舶候補が工事区域に向かっている船舶である可能性が高いか否かを判定する長期サマリ部と、
    前記船舶候補が工事区域に向かっている船舶である可能性が高いと判定されたとき、警報機に警報信号を出力する警報信号出力部と、
    を有する警報装置。
  2. 前記二値化データ処理部は、
    第1の時間に亘る前記複数の監視領域画像データの一部から背景画像データを生成する背景画像生成部と、
    前記背景画像データと前記複数の監視領域画像データの内前記第1の時間から第2の時間経過した所定の監視領域画像データとの背景差分をとり、前記二値化閾値を用いて前記画像二値化データを生成する背景差分二値化部と、
    を有する請求項1に記載の警報装置。
  3. 前記二値化データ処理部は、
    前記監視領域画像データに含まれるR、G、B色データの各平均値を計算する色相平均部と、
    前記監視領域画像データの各画素の色相値と前記色データの各平均値の差に関連する色差分画像データを生成し、色差分閾値を用いて前記画像二値化データを生成する色差分二値化部と、
    を有する請求項1に記載の警報装置。
  4. 前記海面を含む画像は海面と空又は海面と陸との境界を含む画像であり、前記監視領域画像データは前記境界を含む画像データである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の警報装置。
  5. 工事区域に設置されたビデオカメラから海面を含む画像の画像信号を取得することと、
    前記取得した画像信号からフレームごとに所定の画像水平方向を長辺とする矩形画像データを複数の監視領域画像データとして切り出すことと、
    前記監視領域画像データを所定の二値化閾値を用いて画像二値化データを生成することと、
    前記画像二値化データを所定の加算時間に亘って加算して短期サマリ画像データを生成することと、
    各前記短期サマリ画像データの画像解析を順次行い、船舶候補に該当する画像領域を検出するとともに、前記船舶候補の画像トラッキングを行い前記船舶候補が工事区域に向かっている船舶である可能性が高いか否かを判定することと、
    前記船舶候補が工事区域に向かっている船舶である可能性が高いと判定されたとき、警報機に警報信号を出力することと、
    を有する警報方法。
  6. コンピュータを動作させるプログラムであって、
    工事区域に設置されたビデオカメラから海面を含む画像の画像信号を取得することと、
    前記取得した画像信号からフレームごとに所定の画像水平方向を長辺とする矩形画像データを複数の監視領域画像データとして切り出すことと、
    前記監視領域画像データを所定の二値化閾値を用いて画像二値化データを生成することと、
    前記画像二値化データを所定の加算時間に亘って加算して短期サマリ画像データを生成することと、
    各前記短期サマリ画像データの画像解析を順次行い、船舶候補に該当する画像領域を検出するとともに、前記船舶候補の画像トラッキングを行い前記船舶候補が工事区域に向かっている船舶である可能性が高いか否かを判定することと、
    前記船舶候補が工事区域に向かっている船舶である可能性が高いと判定されたとき、警報機に警報信号を出力することと、
    をコンピュータに実行させる警報プログラム。
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