JP2021070859A - 金属回収方法および金属回収装置 - Google Patents

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尚哉 吉永
建持 千佳
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千佳 建持
治雄 横田
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治雄 横田
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Abstract

【課題】低濃度であっても、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水から亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを分離することができる金属回収方法および金属回収装置を提供する。【解決手段】亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水をキレート樹脂に通水して、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを前記キレート樹脂に吸着させる吸着工程と、吸着工程で吸着したキレート樹脂に塩酸を含む溶離液を接触させて、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つを錯イオン、その他の重金属を陽イオンとして含む濃縮液を得る濃縮工程と、濃縮液を陰イオン交換樹脂に通液して、錯イオンを陰イオン交換樹脂に吸着させて、その他の重金属を含む流出液を得る回収工程と、を含む、金属回収方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水から亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを分離する金属回収方法および金属回収装置に関する。
従来、メッキ洗浄排水等の金属含有水の処理方法としては、一般的に中和凝集沈殿法(水酸化物沈殿法)が用いられている。この方法は、排水のpHをアルカリ性とし、金属イオンを水酸化物として沈殿させて分離除去する方法である。この方法で、ニッケルや亜鉛等の有価金属を回収する場合、これらを鉄と分離して回収するためには、pH条件を変えて凝集沈殿する方法がとられる。すなわち、pH3〜6でFe2+を酸化剤等の存在下でFe3+に酸化した後、水酸化物として沈殿除去し、その後、pH7〜10でニッケル、亜鉛を沈殿分離する方法である。さらに水を回収する場合には、ニッケル、亜鉛を沈殿分離した後、回収水の要求水質に合わせて、さらに砂ろ過、限外ろ過膜等の固液分離、または逆浸透(RO)膜処理を行う。
その他、金属含有水の処理法として、硫化物沈殿法、イオン交換樹脂法、キレート樹脂法、膜分離法等がある。
硫化物沈殿法は、金属含有水に硫化ソーダを添加することによって金属を硫化物として沈殿させる方法である。この方法では、水酸化物沈殿法に比べて金属硫化物の溶解度積が低いことから、排水処理の観点からは、より低濃度に金属類を処理することができる。
イオン交換樹脂法は、金属含有水中の金属イオンをイオン交換樹脂に吸着させて除去する方法であり、イオン交換樹脂の吸着容量の範囲内で使用すれば、ほぼ確実に金属イオンを除去することが可能である。
キレート樹脂法は、特定の金属に対して選択性を有するキレート樹脂を使用して金属を吸着除去するものである(例えば、特許文献1,2参照)。イオン交換樹脂法と同様に、ほぼ確実に金属イオンを除去することが可能であるが、キレート樹脂は金属に対して選択性を有し、吸着除去できる金属が限定される。
膜分離法は、逆浸透膜等の分離膜を使用して金属イオンを除去する方法であり、良好な処理水質が得られる。
しかし、いずれの方法も、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水から亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属との両方を回収する場合には、それぞれ以下のような課題がある。
硫化物沈殿法は、硫化水素ガス、悪臭の発生や、スラッジの発生という問題がある。
イオン交換樹脂法は、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属との選択性に差がほとんどない場合、わずかしか差がない場合、濃度差が大きい場合等には、分離が困難である。金属含有排水に鉱酸を加えて錯イオン(陰イオン)として陰イオン交換樹脂で回収する場合、金属濃度が低い場合には、酸使用量が大量になる。
キレート樹脂法の場合は、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属が低濃度である場合、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属との選択性に差がほとんどない場合、わずかしか差がない場合、濃度差が大きい場合等には、分離が困難である。
膜分離法は、膜面の濃縮度が上昇すると金属が析出し、膜が閉塞するという問題がある。
特許文献3には、亜鉛を含む溶液をキレート樹脂に接触させ、このキレート樹脂に亜鉛を吸着させる吸着工程と、吸着工程で亜鉛を吸着したキレート樹脂に塩酸溶液を接触させ、この塩酸溶液によりキレート樹脂から亜鉛を脱着させるとともに、亜鉛から陰イオン性亜鉛−塩化物イオン錯体を形成させる再生工程と、再生工程で生じた再生廃液をアニオン交換樹脂に接触させ、このアニオン交換樹脂に再生廃液中の陰イオン性亜鉛−塩化物イオン錯体を吸着させる濃縮工程と、濃縮工程で陰イオン性亜鉛−塩化物イオン錯体を吸着したアニオン交換樹脂に溶離水を接触させ、この溶離水によりアニオン交換樹脂から陰イオン性亜鉛−塩化物イオン錯体を脱着させる回収工程とを具備する、亜鉛の回収方法が記載されている。
しかし、特許文献3には、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水から亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属との両方を分離、回収することに言及されていない。
特開2010−285655号公報 特許第4082050号公報 特開2005−298949号公報
本発明の目的は、低濃度であっても、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水から亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを分離することができる金属回収方法および金属回収装置を提供する。
本発明は、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水をキレート樹脂に通水して、前記亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つと前記その他の重金属とを前記キレート樹脂に吸着させる吸着工程と、前記吸着工程で吸着したキレート樹脂に塩酸を含む溶離液を接触させて、前記亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つを錯イオン、前記その他の重金属を陽イオンとして含む濃縮液を得る濃縮工程と、前記濃縮液を陰イオン交換樹脂に通液して、前記錯イオンを前記陰イオン交換樹脂に吸着させて、前記その他の重金属を含む流出液を得る回収工程と、を含む、金属回収方法である。
前記金属回収方法において、前記回収工程の後に、押出気体を用いて前記陰イオン交換樹脂に残留している流出液を押し出す押出工程を含むことが好ましい。
前記金属回収方法において、前記押出工程の後に、前記陰イオン交換樹脂に再生水を通水して前記陰イオン交換樹脂を再生する再生工程を含むことが好ましい。
前記金属回収方法において、前記溶離液中の塩酸濃度は、0.5〜4mol/Lの範囲であることが好ましい。
前記金属回収方法において、前記金属含有水中の前記その他の重金属の濃度は、100mg/L以下であることが好ましい。
前記金属回収方法において、前記キレート樹脂は、アミノリン酸形のキレート樹脂であることが好ましい。
本発明は、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水をキレート樹脂に通水して、前記亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つと前記その他の重金属とを前記キレート樹脂に吸着させる吸着手段と、前記吸着手段における吸着したキレート樹脂に塩酸を含む溶離液を接触させて、前記亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つを錯イオン、前記その他の重金属を陽イオンとして含む濃縮液を得る濃縮手段と、前記濃縮液を陰イオン交換樹脂に通液して、前記錯イオンを前記陰イオン交換樹脂に吸着させて、前記その他の重金属を含む流出液を得る回収手段と、を備える、金属回収装置である。
前記金属回収装置において、前記回収手段の後に、押出気体を用いて前記陰イオン交換樹脂に残留している流出液を押し出す押出手段を備えることが好ましい。
前記金属回収装置において、前記押出手段の後に、前記陰イオン交換樹脂に再生水を通水して前記陰イオン交換樹脂を再生する再生手段を備えることが好ましい。
前記金属回収装置において、前記溶離液中の塩酸濃度は、0.5〜4mol/Lの範囲であることが好ましい。
前記金属回収装置において、前記金属含有水中の前記その他の重金属の濃度は、100mg/L以下であることが好ましい。
前記金属回収装置において、前記キレート樹脂は、アミノリン酸形のキレート樹脂であることが好ましい。
本発明によって、低濃度であっても、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水から亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを分離することができる。
本発明の実施形態に係る金属回収装置の一例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。
金属回収装置1は、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水をキレート樹脂に通水して、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とをキレート樹脂に吸着させる吸着手段として、および、吸着手段における吸着したキレート樹脂に塩酸を含む溶離液を接触させて、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つを錯イオン、その他の重金属を陽イオンとして含む濃縮液を得る濃縮手段として、キレート樹脂充填塔10と、濃縮液を陰イオン交換樹脂に通液して、錯イオンを陰イオン交換樹脂に吸着させて、その他の重金属を含む流出液を得る回収手段として、陰イオン交換樹脂充填塔12と、を備える。
図1の金属回収装置1において、キレート樹脂充填塔10の金属含有水入口には、金属含有水配管14が接続され、キレート樹脂充填塔10の排液出口には、排液配管16が接続されている。キレート樹脂充填塔10の溶離液入口には、溶離液配管18が接続され、キレート樹脂充填塔10の濃縮液出口と、陰イオン交換樹脂充填塔12の濃縮液入口とは、濃縮液配管20により接続されている。陰イオン交換樹脂充填塔12の流出液出口には、流出液配管22が接続されている。陰イオン交換樹脂充填塔12の押出気体入口には、押出気体配管24が接続されている。陰イオン交換樹脂充填塔12の再生水入口には、再生水配管26が接続され、陰イオン交換樹脂充填塔12の再生液出口には、再生液配管28が接続されている。
本実施形態に係る金属回収方法および金属回収装置1の動作について説明する。
被処理水である、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水は、金属含有水配管14を通して、キレート樹脂充填塔10のキレート樹脂に通水されて、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とがキレート樹脂に吸着される(吸着工程)。金属含有水に含まれる亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とが低濃度であっても、キレート樹脂の交換容量分、吸着される。吸着工程で吸着された後の排液は、排液配管16を通して排出される。排液は、金属含有水から亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とが除去されて金属をほとんど含まない水であり、廃棄されてもよいし、再利用されてもよい。
次に、塩酸を含む溶離液が、溶離液配管18を通して、吸着工程で吸着されたキレート樹脂充填塔10のキレート樹脂に接触されて、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つを錯イオン、その他の重金属を陽イオンとして含む濃縮液が得られる(濃縮工程)。このとき、濃縮と錯イオン形成とキレート樹脂の再生とをともに行うことができる。濃縮液(キレート樹脂再生排液)は、濃縮液配管20を通して陰イオン交換樹脂充填塔12へ送液される。
濃縮液は、陰イオン交換樹脂充填塔12の陰イオン交換樹脂に通液されて、錯イオンが陰イオン交換樹脂に吸着されて、その他の重金属を含む流出液が得られる(回収工程)。濃縮液では、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つは陰イオン(クロロ錯体)、その他の重金属は陽イオンになっているため、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つと、その他の重金属とを分離することができる。流出液は、流出液配管22を通して排出され、その他の重金属が濃縮されて回収される。
回収工程の後に、押出気体が押出気体配管24を通して陰イオン交換樹脂充填塔12へ供給され、押出気体を用いて陰イオン交換樹脂中に残留している流出液が押し出されてもよい(押出工程)。押出気体によって押し出された流出液は、流出液配管22を通して排出される。押出気体によって押し出された流出液は、回収工程で得られた流出液と混合されてもよい。
押出工程の後に、再生水が、再生水配管26を通して陰イオン交換樹脂充填塔12へ供給され、陰イオン交換樹脂に再生水が通水されて陰イオン交換樹脂が再生されてもよい(再生工程)。陰イオン交換樹脂に捕捉されている亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つは再生水によって脱離され、陰イオン交換樹脂のイオン交換基は例えばCl形に再生される。例えばpH5以上では、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つのクロロ錯体は陰イオン交換樹脂から容易に脱離し、陰イオン交換樹脂は再度使用される。再生液は、再生液配管28を通して排出される。再生液には、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つが含まれ、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つが回収される。陰イオン交換樹脂を再生(再生水通水)する前に、塩酸を通薬し、残留する流出液由来の金属、イオン等を除いてもよい。
このようにして、低濃度であっても、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水から亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属との両方を分離、回収することができる。キレート樹脂では選択性に差がほとんどなく、分離が困難である金属を2種以上含む水中の金属、例えば、コバルト(Co)と亜鉛(Zn)、コバルト(Co)とカドミウム(Cd)、銅(Cu)と亜鉛(Zn)、銅(Cu)とカドミウム(Cd)を容易に分離することができる。
処理対象となる金属含有水としては、メッキ洗浄排水、非鉄金属製造排水、貴金属回収精製排水等が挙げられる。
金属含有水中の亜鉛(Zn)およびカドミウム(Cd)のうち少なくとも1つの濃度は、例えば、1〜500mg/Lの範囲であり、好ましくは1〜100mg/Lの範囲である。金属含有水中の亜鉛(Zn)およびカドミウム(Cd)のうち少なくとも1つが例えば2mg/L以下の低濃度であっても、その他の重金属と分離することができる。
その他の重金属としては、例えば、コバルト(Co)、銅(Cu)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)等が挙げられ、実用的に処理対象に含まれることが多いコバルト(Co)、銅(Cu)を処理対象とする場合に、本実施形態に係る金属回収方法および金属回収装置が好適に適用される。
金属含有水中のその他の重金属の濃度は、例えば、500mg/L以下であり、好ましくは1〜300mg/Lの範囲である。金属含有水中のその他の重金属が例えば1mg/L以下の低濃度であっても、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つと分離することができる。
金属含有水には、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属の他に、例えば、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム等の金属イオンが含まれていてもよい。金属含有水中のこれらの金属イオンの濃度は、例えば、1〜1000mg/Lの範囲である。
キレート樹脂としては、アミノリン酸形、イミノジ酢酸形、ポリアミン形等が挙げられ、その他の重金属の総交換容量が大きく、その他の重金属とのイオン交換効率が高い等の点から、アミノリン酸形が好ましい。キレート樹脂として、例えば、アミノリン酸形キレート樹脂としては、アンバーセップIRC747UPS(デュポン社)、イミノジ酢酸形キレート樹脂としては、アンバーセップIRC748(デュポン社)、ポリアミン形としては、ダイヤイオンCR20(三菱ケミカル社)を用いることができる。
アミノリン酸形のキレート樹脂における選択性は、Pb2+>Cu2+>Zn2+>Mg2+>Ca2+>Cd2+>Ni2+>Co2+>Sr2+>Ba2+であり、イミノジ酢酸形のキレート樹脂における選択性は、Fe3+>Hg2+>Cu2+>Pb2+>Ni2+>Zn2+>Cd2+>Co2+>Fe2+>Mn2+>Ca2+>Mg2+>Naである。本実施形態に係る金属回収方法および金属回収装置では、キレート樹脂の選択性だけでは分離できない金属を分離することができる。
溶離液は、塩酸を含み、例えば、塩酸水溶液である。溶離液中の塩酸濃度は、例えば、0.5〜8mol/Lの範囲であり、好ましくは0.5〜4mol/Lの範囲である。溶離液中の塩酸濃度が0.5mol/L未満であると、または8mol/Lを超えると、錯イオンが形成されない場合がある。
陰イオン交換樹脂としては、Cl形、OH形の強塩基性陰イオン交換樹脂や、弱塩基性陰イオン交換樹脂等が挙げられ、イオン形は、pHの変動が少ないことからCl形、選択性が高いことから強塩基性陰イオン交換樹脂が好ましい。陰イオン交換樹脂として、例えば、Cl形の強塩基性陰イオン交換樹脂としては、アンバージェット4002(デュポン社)を用いることができ、弱塩基性陰イオン交換樹脂としては、アンバーライトIRA96SB(デュポン社)を用いることができる。
押出工程において、押出気体を用いて陰イオン交換樹脂に残留している流出液を押し出す。このとき、水で押出すと流出液に亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つがリークしてしまう。また、回収液の濃度が薄まってしまう。塩酸溶液または塩化ナトリウム溶液で押出すと亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つがリークすることはほとんどないが、薬品使用量が増大してしまう。押出気体を用いて陰イオン交換樹脂に残留している流出液を押し出すことによって、流出液に亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つがリークすることが抑制され、さらに、薬品使用量を低減することができ、流出液中の金属濃度が薄くなることが抑制される。
押出気体としては、例えば、空気、窒素、二酸化炭素等が挙げられ、入手のしやすさ、安全性等の点から、空気が好ましい。空気は、ボンベを用いなくてもコンプレッサーで圧縮しても得ることができる。
再生水としては、例えば、純水、市水等が挙げられ、水質の安定性、金属をほとんど含まない等の点から、純水が好ましい。再生水のpHは、5以上であることが好ましく、6〜8の範囲であることがより好ましい。再生水のpHが5未満であると、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つのクロロ錯体が陰イオン交換樹脂から脱離しない場合があり、8を超えると、金属が水酸化物として析出する場合がある。
陰イオン交換樹脂からの流出液におけるその他の重金属の濃度は、例えば、200〜100,000mg/Lの範囲であり、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つの濃度は、例えば、1mg/L以下とすることができる。再生液における亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つの濃度は、例えば、10〜20,000mg/Lの範囲であり、その他の重金属の濃度は、例えば、1mg/L以下とすることができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
[吸着・濃縮]
被処理水として、Co:100mg/L、Zn:6mg/L、Na:400mg/Lを含有する金属含有水20Lを、アミノリン酸形キレート樹脂(アンバーセップIRC747UPS(Na形)、総交換容量:≧1.75eq/L−R)0.1Lまたはイミノジ酢酸形キレート樹脂(アンバーセップIRC748(Na形)、総交換容量:≧1.35eq/L−R)0.1Lに、流速:5L/L−R・hでそれぞれ通水(200L/L−R)した。次に、キレート樹脂に塩酸濃度3mol/Lの塩酸水溶液を通液(0.1L(1L/L−R))し、濃縮液を得た。キレート樹脂から回収した塩酸水溶液量を0.1Lとして、金属含有水原液の約200倍に濃縮することができた。金属含有水をキレート樹脂に通水し、得られた排液中のCo濃度を、ICP発光分光分析装置(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、SPS3500)を用いてJIS K0102 ICP発光分光分析法に従って測定した。被処理水のキレート樹脂への通水量(eq/L−R)と、排液中のCo濃度(mg/L)を表1に示す。また、キレート樹脂の総交換容量に対するCo負荷量(%)を算出した結果を表1に示す。
Figure 2021070859
アミノリン酸形キレート樹脂のほうが、イミノジ酢酸形キレート樹脂より、Coの吸着量が多かった。アミノリン酸形キレート樹脂は、総交換容量の約51%、イミノジ酢酸形キレート樹脂は、総交換容量の約37%から、排液中に0.1mg−Co/L以上のリークが始まった。
このように、アミノリン酸形キレート樹脂は、総交換容量が大きいだけではなく、Coとのイオン交換効率がイミノジ酢酸形キレート樹脂より高かった。キレート樹脂の性能は、通常、総交換容量(meq/mL−R)、酸吸着容量(meq/mL−R)、Cu吸着容量(m−mol/mL−R)等で表されているが、全ての金属の吸着量がわかるわけではない。Coの回収率を比較した結果、イミノジ酢酸形キレート樹脂より、アミノリン酸形キレート樹脂が良好であることがわかった。
[回収・押出]
強塩基性陰イオン交換樹脂(アンバージェット4002(Cl形))0.1Lに、流速:5L/L−R・h、通液量:0.1Lで、上記濃縮液をそれぞれ通液し、流出液を得た。濃縮液の通液後、押出気体として空気を用いて陰イオン交換樹脂中に残留している流出液を押し出した。このとき、水で押出すと流出液にZnがリークするので、空気を用いて押出した。これにより、薬品使用量が低減でき、回収する金属濃度も薄くならなかった。流出液の水質は、Co:約20,000mg/L、Zn:<1mg/Lであった。このように、Znをほとんど含まずに、Coを回収することができた。
[陰イオン交換樹脂の再生]
Coを回収し、Znが残留する陰イオン交換樹脂に純水を、流速2L/L−R・h、通液量0.2Lで通水した。Znは純水で溶離し、陰イオン交換樹脂はCl形で再び使用することができた。
また、再生液中のCo濃度は、<1mg/L、Zn濃度は、約600mg/Lであり、Coをほとんど含まずに、Znを回収することができた。
以上の通り、実施例の方法によって、低濃度であっても、亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水から亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを分離することができた。
1 金属回収装置、10 キレート樹脂充填塔、12 陰イオン交換樹脂充填塔、14 金属含有水配管、16 排液配管、18 溶離液配管、20 濃縮液配管、22 流出液配管、24 押出気体配管、26 再生水配管、28 再生液配管。

Claims (10)

  1. 亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水をキレート樹脂に通水して、前記亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つと前記その他の重金属とを前記キレート樹脂に吸着させる吸着工程と、
    前記吸着工程で吸着したキレート樹脂に塩酸を含む溶離液を接触させて、前記亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つを錯イオン、前記その他の重金属を陽イオンとして含む濃縮液を得る濃縮工程と、
    前記濃縮液を陰イオン交換樹脂に通液して、前記錯イオンを前記陰イオン交換樹脂に吸着させて、前記その他の重金属を含む流出液を得る回収工程と、
    を含むことを特徴とする金属回収方法。
  2. 請求項1に記載の金属回収方法であって、
    前記回収工程の後に、押出気体を用いて前記陰イオン交換樹脂に残留している流出液を押し出す押出工程を含むことを特徴とする金属回収方法。
  3. 請求項2に記載の金属回収方法であって、
    前記押出工程の後に、前記陰イオン交換樹脂に再生水を通水して前記陰イオン交換樹脂を再生する再生工程を含むことを特徴とする金属回収方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属回収方法であって、
    前記溶離液中の塩酸濃度は、0.5〜4mol/Lの範囲であることを特徴とする金属回収方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属回収方法であって、
    前記キレート樹脂は、アミノリン酸形のキレート樹脂であることを特徴とする金属回収方法。
  6. 亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つとその他の重金属とを含む金属含有水をキレート樹脂に通水して、前記亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つと前記その他の重金属とを前記キレート樹脂に吸着させる吸着手段と、
    前記吸着手段における吸着したキレート樹脂に塩酸を含む溶離液を接触させて、前記亜鉛およびカドミウムのうち少なくとも1つを錯イオン、前記その他の重金属を陽イオンとして含む濃縮液を得る濃縮手段と、
    前記濃縮液を陰イオン交換樹脂に通液して、前記錯イオンを前記陰イオン交換樹脂に吸着させて、前記その他の重金属を含む流出液を得る回収手段と、
    を備えることを特徴とする金属回収装置。
  7. 請求項6に記載の金属回収装置であって、
    前記回収手段の後に、押出気体を用いて前記陰イオン交換樹脂に残留している流出液を押し出す押出手段を備えることを特徴とする金属回収装置。
  8. 請求項7に記載の金属回収装置であって、
    前記押出手段の後に、前記陰イオン交換樹脂に再生水を通水して前記陰イオン交換樹脂を再生する再生手段を備えることを特徴とする金属回収装置。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の金属回収装置であって、
    前記溶離液中の塩酸濃度は、0.5〜4mol/Lの範囲であることを特徴とする金属回収装置。
  10. 請求項6〜9のいずれか1項に記載の金属回収装置であって、
    前記キレート樹脂は、アミノリン酸形のキレート樹脂であることを特徴とする金属回収装置。
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