JP2021070715A - 水性ボールペン用インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】顔料を内包する着色樹脂粒子を用いても、書き味の低下やチップの受け座摩耗を引き起こすことなく、書き味に優れる水性ボールペン用インク組成物を提供する。【解決手段】少なくとも、顔料(a)を内包する着色樹脂粒子(A)と、顔料を含まない無着色樹脂粒子(B)を含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、顔料を内包する着色樹脂粒子を用いた水性ボールペン用インク組成物に関する。
従来より、(A)親水性ポリマー、(B)疎水性ポリマーおよび(C)顔料を含有する所定の平均粒径となる顔料内包ポリマー粒子の水系分散体を含有することを特徴とする水系インク(例えば、特許文献1参照)や、染料または顔料をマイクロカプセル壁膜に内包したマイクロカプセル顔料を用いた筆記具用インク組成物(例えば、特許文献2参照)が知られている。
上記特許文献1及び2に記載される顔料を内包したマイクロカプセル顔料などは、粒子径や粒子分布の調整が容易な一般染料や一般顔料をマイクロカプセル壁膜に内包するものであるが、水性ボールペン用に用いた場合に、書き味の低下やチップの受け座摩耗を引き起こす場合があった。
特開2004−277507号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2010−150331号公報(特許請求の範囲、段落〔0006〕、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、顔料を内包する着色樹脂粒子を用いても、書き味の低下やチップの受け座摩耗を引き起こすことなく、書き味に優れる水性ボールペン用インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記従来の課題等に鑑み、鋭意研究を行った結果、少なくとも、顔料を内包する着色樹脂粒子と、特定物性の着色樹脂粒子を含有することにより、上記目的の水性ボールペン用インク組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の水性ボールペン用インク組成物は、少なくとも、顔料(a)を内包する着色樹脂粒子(A)と、顔料を含まない無着色樹脂粒子(B)を含有することを特徴とする。
前記着色樹脂粒子(A)及び(無着色樹脂粒子(B))の各樹脂成分はウレタン系であることが好ましい。
前記着色樹脂粒子(A)及び無着色樹脂粒子(B)の含有比〔(B)/(A)〕は、質量基準で0.05〜1.0であることが好ましい。
前記着色樹脂粒子(A)及び無着色樹脂粒子(B)の各平均粒子径の比〔(B)/(A)〕が、0.5〜4.0であることが好ましい。
本発明によれば、顔料を内包する着色樹脂粒子を用いても、書き味の低下やチップの受け座摩耗を引き起こすことなく、書き味に優れる水性ボールペン用インク組成物が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明の水性ボールペン用インク組成物は、少なくとも、顔料(a)を内包する着色樹脂粒子(A)と、顔料を含まない無着色樹脂粒子(B)を含有することを特徴とするものである。
<顔料(a)>
本発明において、着色樹脂粒子(A)に内包する顔料(a)としては、その種類については特に制限はなく、水性ボールペン用インク組成物等に慣用されている無機系及び有機系顔料の中から任意のものを使用することができる。
無機系顔料としては、例えば、カーボンブラックや、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、群青などが挙げられる。
また、有機系顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などが挙げられ、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの顔料(a)の着色樹脂粒子(A)中に内包する含有量は、5〜40質量%であることが好ましく、更に好ましくは、10〜35質量%、特に好ましくは15〜25質量%が望ましい。
この顔料(a)の含有量が、5質量%未満であると、着色力が不足して、筆記描線の視認性が低下することがあり、一方、40質量%を超えると、顔料量が過多となり、色再現性が悪化することがある。
<着色樹脂粒子(A)>
本発明の着色樹脂粒子(A)は、少なくとも、上述の顔料(a)を内包したマイクロカプセル顔料から構成することができ、例えば、少なくとも上記顔料(a)を含むものを、所定の粒子径となるように、マイクロカプセル化、具体的には、壁膜形成物質(壁材)から構成されるシェル層(殻体)に内包することにより製造することができる。
また、本発明の着色樹脂粒子(A)において、上述の顔料(a)と共に、シナジスト(顔料誘導体)を内包したマイクロカプセル顔料から構成してもよいものである。
用いるシナジスト(顔料誘導体)は、着色樹脂粒子の形成の際に顔料(a)が樹脂粒子中に入りやすくするために、また、着色樹脂粒子中では顔料(a)の脱落をしにくくするために好ましい態様で用いるものであり、顔料(a)と同様の構造をもつ誘導体であり、顔料(a)と強い相互作用を有する化合物である。また、着色樹脂粒子の作製の際に、好ましく用いる後述の分散剤とも強い相互作用を有するものである。
着色樹脂粒子中に顔料(a)の他、シナジストを少なくとも含むことで、シナジストは顔料(a)と同様の構造(共通の骨格)をもつため顔料表面に吸着すると共に、該シナジストは着色樹脂粒子の樹脂に吸着することになり、顔料(a)が樹脂粒子中に入りやすくなり、また、脱落しにくくなる作用を有するものとなる。
このようなシナジストの相互作用は、ファンデルワールス力とされているが、色素骨格のフラットで広い面全体で作用するため強固で実用的な吸着が達成できるものと推測される。なお、通常シナジストは液体媒体中での顔料の分散補助剤として用いられているが、本発明では形成する着色樹脂粒子内に顔料(a)と共に含有せしめることにより、本発明の効果を更に発揮せしめることができるものとなる。
用いることができるシナジストとしては、用いる顔料(a)により最適のシナジストを用いることができ、顔料(a)の色、具体的には、カーボンブラック、イエロー顔料用、アゾ顔料用、フタロシアニン顔料用のシナジストの市販品を用いることができ、該市販品としては、酸性官能基を有するものとして、ルーブリゾール社製のソルスパース5000(フタロシアニン顔料誘導体)、ソルスパース12000(フタロシアニン顔料誘導体)、ソルスパース22000(アゾ顔料誘導体)や、ビックケミー・ジャパン社製のBYK−SYNERGIST2100(フタロシアニン顔料誘導体)、BYK−SYNERGIST2105(イエロー顔料誘導体)や、BASFジャパン株式会社製のEFKA6745(フタロシアニン顔料誘導体)、EFKA6750(アゾ顔料誘導体)、分散材料研究所社製のSynergist Yellow−8020,8404,9043,4827(イエロー顔料誘導体);Synergist Red−3953,4327,4474,4858,4966,5507,5525,5909,6006,6547(アゾ顔料誘導体);Synergist Blue−6831,7215,7438,7854,0785,0785A(フタロシアニン顔料誘導体);Synergist Violet−6965,7349,7572,7988(フタロシアニン顔料誘導体)等が挙げられ、これらは、1種を単独で使用してもよいし2種以上を併用しでもよい。
これらのシナジストの着色樹脂粒子中における含有量は、好ましくは、用いる顔料種及びその使用量により変動するものであり、シナジストの含有効果、本発明の効果を好適に発揮せしめる点から、用いる顔料とシナジストは一定の配合割合となることが好ましく、シナジスト/顔料の質量比を0.01〜0.2とすることが望ましく、更に好ましくは、0.05〜0.15とすることが望ましい。このシナジスト/顔料の質量比が0.01以上とすることにより着色樹脂粒子中での顔料の脱落をしにくくし、一方、この質量比を0.2以下とすることにより着色樹脂粒子中での顔料の凝集を抑制し、書き味の低下を抑えることとなる。
本発明の着色樹脂粒子(A)は、少なくとも、上述の顔料(a)を含むもの、または、上述の顔料(a)、シナジストを含むものを、所定の粒子径となるように、マイクロカプセル化することにより製造することができる。
マイクロカプセル化法としては、例えば、界面重合法、界面重縮合法、insitu重合法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライニング法などを挙げることができる。
好ましくは、作製のしやすさの点、品質の点から、マイクロカプセルを構成する樹脂成分(シェル成分)がエポキシ樹脂、ウレタン、ウレア、もしくはウレアウレタンなどの熱硬化型樹脂が好ましく、特に好ましくは、内包する成分量を多くすることが可能であること、また内包成分の種類の制限が少ない、再分散性に優れるという理由からウレタン、ウレア、もしくはウレアウレタンなどのウレタン系樹脂が好ましい。
このシェル層の形成に用いられるウレタン(ポリウレタン樹脂)、ウレア(ポリウレア樹脂)、ウレアウレタン(ポリウレア樹脂/ポリウレタン樹脂)は、イソシアネート成分とアミン成分またはアルコール成分などと反応して形成されるものである。また、シェル層の形成に用いられるエポキシ樹脂は、アミン成分などの硬化剤などと反応して形成されるものである。
用いることができるイソシアネート成分としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートカプロン酸、テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネート、テトラメチル−p−キシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、イソシアネートアルキル2,6−ジイソシアネートカプロネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートなどが挙げられる。
また、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4−ビフェニル−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート等のトリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等のテトライソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、2,4−トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンの付加物、トリレンジイソシアネートとヘキサントリオールの付加物等のイソシアネートプレポリマー等が挙げられる。これらのイソシアネート成分は単独で用いてもよく、混合して用いても良い。
用いることができるアミン成分としては、具体的には、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタンミン、イミノビスプロピルアミン、ジアミノエチルエーテル、1,4−ジアミノブタン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−ヒドロキシトリメチレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジアミノプロピルアミン、ジアミノプロパン、2−メチルペンタメチレンジアミン、キシレンジアミン等の脂肪族系アミン、m−フェニレンジアミン、トリアミノベンゼン、3,5−トリレンジアミン、ジアミノジフェニルアミン、ジアミノナフタレン、t−ブチルトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、ジアミノフェノール等が挙げられる。中でもフェニレンジアミン、ジアミノフェノール、トリアミノベンゼンなどの芳香族系アミンが好ましい。
用いることができるアルコール成分としては、具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンなどの水酸基を2つ以上有するポリオール等が挙げられる。これらのアルコール成分は単独で用いてもよく、混合して用いても良い。またアルコール成分とアミン成分とを混合して用いても良い。
これらのウレタン、ウレア、もしくはウレアウレタンによるウレタン系によるシェル層の形成としては、例えば、1)ウレタン、ウレア及びウレタンウレアのうち少なくとも1つのモノマー成分と、顔料成分を分散させて界面重合でシェル層を形成したり、あるいは、2)イソシアネート成分とを含む油状成分(油性相)を、水系溶媒(水性相)中に分散させて乳化液を調整する乳化工程と、乳化液にアミン成分及びアルコール成分のうち少なくとも1つを添加して界面重合を行う界面重合工程とを含む製造方法により形成することができる。
上記2)の製造方法において、乳化液の調整に際しては、溶剤が用いることができる。例えば、フェニルグリコール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノベンジルエーテル、酢酸エチル、アルキルスルホン酸フェニルエステル、フタル酸エチルヘキシル、フタル酸トリデシル、トリメリット酸エチルヘキシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、液状のキシレン樹脂等を用いることができる。これらは単独で使用してもよく、混合して使用してもよい。
一方、上記油性相を乳化させるために使用する水性相には、予め保護コロイドを含有させてもよい。保護コロイドとしては、水溶性高分子が使用でき、公知のアニオン性高分子、ノニオン性高分子、両性高分子の中から適宜選択することができるが、ポリビニルアルコール、ゼラチンおよびセルロース系高分子化合物を含ませるのが特に好ましい。
また、水性相には、界面活性剤を含有させてもよい。界面活性剤としては、アニオン性またはノニオン性の界面活性剤の中から、上記保護コロイドと作用して沈殿や凝集を起こさないものを適宜選択して使用することができる。好ましい界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム塩、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)等を挙げることができる。
上記のようにして作製された油性相を水性相に加え、機械力を用いて乳化した後、必要に応じて系の温度を上昇させることにより油性液滴界面で界面重合を起こし、粒子化することができる。また、同時あるいは界面重合反応終了後、脱溶媒を行うことができる。カプセル粒子は、界面重合反応および脱溶媒を行った後、粒子を水性相から分離、洗浄した後、乾燥することなどにより得られる。
また、シェル層の形成に用いられるエポキシ樹脂は、アミン成分などの硬化剤などと反応して形成されるものであり、上記の各マイクロカプセル化法を用いて、例えば、界面重合法により形成することができる。
用いることができるエポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂で、分子量、分子構造等に制限されることなく一般的に用いられているものを用いることができ、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂のようなビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等の芳香族系エポキシ樹脂、ナフタレン型多官能型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、同グリシジルエステル型エポキシ樹脂、および、シクロヘキサンポリエーテル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂のようなシクロヘキサン誘導体等のエポキシ化によって得られる脂環族系エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等の脂環族系エポキシ樹脂が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。
本発明では、上記着色樹脂粒子の形成の際に、上記顔料と共に、また、上記顔料、シナジストと共に、分散剤をそれぞれ用いることが好ましい。
用いることができる分散剤としては、例えば、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB711(いずれも、味の素ファインテクノ株式会社製)、ディスパロンDA−705、ディスパロンDA−325、ディスパロンDA−725、ディスパロンDA−703−50、ディスパロンDA−234(楠本化成株式会社製)DISPERBYK−111、DISPERBYK−2000、DISPERBYK−2001、DISPERBYK−2020、DISPERBYK−2050、DISPERBYK−2150(ビックケミー・ジャパン社製)、EFKA4010、EFKA4009、EFKA4015、EFKA4047、EFKA4050、EFKA4055、EFKA4060、EFKA4080、EFKA4520(BASFジャパン社製)、TEGO Dispers 655、TEGO Dispers 685、TEGO Dispers 690(エボニックジャパン社製)などが挙げられ、その他、分散剤として従来公知の一般に市販されているものを使用することもでき、上記例示に限定されるものではない。
これらの分散剤の着色樹脂粒子中における含有量は、用いる顔料、シナジストの種類等により変動するものであり、顔料とシナジストの相乗作用、本発明の効果を好適に発揮せしめる点から、2〜20質量%であることが好ましく、更に好ましくは、3〜15質量%が望ましい。
本発明では、上記各形成手段でシェル層を形成することにより、少なくとも顔料(a)を内包したマイクロカプセル顔料からなる着色樹脂粒子(A)、または、少なくとも顔料(a)とシナジストを内包したマイクロカプセル顔料からなる着色樹脂粒子(A)が得られるものである。
本発明において、少なくとも顔料の含有量、また、シナジストを用いる場合の含有量は、分散性、比重、粒子径を任意にコントロールとする点、発色性などから変動するものであるが、製造の際に用いる上記水相成分(水、PVA)、油相成分(溶剤)などは着色樹脂粒子とした場合には実質的に残存しないものとなるので、着色樹脂粒子の製造の際に用いる各原料(顔料、シナジスト、分散剤、樹脂成分など)を、上述の顔料、シナジスト、分散剤、樹脂成分(残部)を好適な範囲で調整して重合することなどにより、各成分が上記所定の好ましい範囲となる着色樹脂粒子が得られることとなる。
また、本発明において、上記顔料などを少なくとも内包したマイクロカプセル顔料から構成される着色樹脂粒子(A)は、ボールペン構造などにより、所定の平均粒子径、例えば、平均粒子径0.1〜30μmになるように調整することができ、好ましくは、0.5〜20μmの範囲が上記構造に沿う実用性を満たすものとなる。
本発明(後述する実施例を含む)において、「平均粒子径」とは、レーザー回折法で測定される体積基準により算出された粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)の値である。ここで、レーザー回折法による平均粒子径の測定は、例えば、日機装株式会社の粒子径分布解析装置HRA9320−X100を用いて行うことができる。
<無着色樹脂粒子(B)>
本発明の無着色樹脂粒子(B)は、顔料を含まない無着色樹脂粒子であり、例えば、少なくとも、上述の着色樹脂粒子(A)の製造の際に、顔料、分散剤、シナジストの各成分を除いて同様に、所定の粒子径となるように、マイクロカプセル化することにより、顔料を含まない無着色樹脂粒子(B)を製造することができる。
この無着色樹脂粒子(B)は、例えば、上述の着色樹脂粒子(A)の製造において、顔料、分散剤、シナジストの各成分を除いて製造するものであり、これらの成分等を用いない以外は着色樹脂粒子(A)と同様に、所定の粒子径となるように、マイクロカプセル化することにより、無着色樹脂粒子(B)を製造することができる。
用いる樹脂成分などは、上述した着色樹脂粒子(A)で用いた各材料などを使用できるので、各材料の説明、製造法などの説明は省略する。
<水性ボールペン用インク組成物>
本発明の水性ボールペン用インク組成物は、少なくとも、上述の顔料(a)を内包する着色樹脂粒子(A)と、顔料を含まない着色樹脂粒子(B)を含有することを特徴とするものであり、例えば、水性のボールペン用インク組成物として使用に供される。
本発明において、上記特性の着色樹脂粒子(A)の含有量は、水性ボールペン用インク組成物中(全量)に対して、好ましくは、5〜25質量%、更に好ましくは、10〜20質量%とすることが望ましい。
この着色樹脂粒子の含有量が5質量%未満では、着色力が不足して、筆記描線の視認性が低下することとなり、一方、25質量%を超えると、粘度が高くなるため、インクの流動性が低下することがあるので好ましくない。
本発明において、上記着色樹脂粒子(A)と、上記無着色樹脂粒子(B)の含有比〔(B)/(A)〕は、本発明の効果を更に発揮せしめる点から、好ましくは、質量基準で、0.05〜1.0とすることが望ましく、更に好ましくは、0.05〜0.5とすることが望ましい。
前記着色樹脂粒子(A)及び(B)の各平均粒子径の比〔(B)/(A)〕は、本発明の効果を更に発揮せしめる点、着色樹脂粒子(A)と着色樹脂粒子(B)の経時的な分離によるインクの不安定化を防ぐ点から、好ましくは、0.5〜4.0であることが望ましく、更に好ましくは、0.5〜1.5であることが望ましい。
本発明の水性ボールペン用インク組成物には、上記着色樹脂粒子(A)、無着色樹脂粒子(B)の他、水溶性溶剤が含有される。また、上記着色樹脂粒子(A)以外の汎用の着色剤を、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有することができる。
用いることができる水溶性溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、単独或いは混合して使用することができる。この水溶性溶剤の含有量は、筆記具用水性インク組成物全量中、5〜40質量%とすることが望ましい。
用いることができる着色剤としては、水溶性染料、本発明の効果を損なわない範囲で顔料、例えば、無機顔料、有機顔料、プラスチックピグメント、粒子内部に空隙のある中空樹脂粒子は白色顔料として、または、発色性、分散性に優れる塩基性染料で染色した樹脂粒子(擬似顔料)等も適宜量使用できる。
水溶性染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料のいずれも本発明の効果を損なわない範囲で適宜量用いることができる。
本発明の水性ボールペン用インク組成物には、少なくとも、顔料(a)を内包する着色樹脂粒子(A)と、顔料を含まない無着色樹脂粒子(B)を含有することを特徴とするものであり、上記着色樹脂粒子以外の着色剤、水溶性溶剤の他、残部として溶媒である水(水道水、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水等)の他、本発明の効果を損なわない範囲で、分散剤、潤滑剤、増粘剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤もしくは防菌剤などを適宜含有することができる。
用いることができる分散剤としては、ノニオン、アニオン界面活性剤や水溶性樹脂が用いられる。好ましくは水溶性高分子が用いられる。
用いることができる潤滑剤としては、顔料の表面処理剤にも用いられる多価アルコールの脂肪酸エステル、糖の高級脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、アルキル燐酸エステルなどのノニオン系や、リン酸エステル、高級脂肪酸アミドのアルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩などのアニオン系、ポリアルキレングリコールの誘導体やポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。
用いることができる増粘剤としては、例えば、合成高分子、セルロースおよび多糖類からなる群から選ばれた少なくとも一種が望ましい。具体的には、アラビアガム、トラガカントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、カラギーナン、ゼラチン、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、ダイユータンガム、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプングリコール酸及びその塩、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸及びその塩、ポリエチレシオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体及びその塩などが挙げられる。
pH調整剤としては、アンモニア、尿素、モノエタノーアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンや、トリポリリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなとの炭酸やリン酸のアルカリ金属塩、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水和物などが挙げられる。また、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロへキシルアンモニウムナイトライト、サポニン類など、防腐剤もしくは防菌剤としては、フェノール、ナトリウムオマジン、安息香酸ナトリウム、チアゾリン系化合物、ベンズイミダゾール系化合物などが挙げられる。
上記分散剤、潤滑剤、増粘剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤もしくは防菌剤などの各成分は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらの市販品があればそれを使用することができる
本発明の水性ボールペン用インク組成物は、少なくとも、顔料(a)を内包する着色樹脂粒子(A)と、顔料を含まない無着色樹脂粒子(B)と、水溶性溶剤、その他の各成分をボールペン用インクの用途に応じて適宜組み合わせて、ホモミキサー、ホモジナイザーもしくはディスパー等の撹拌機により撹拌混合することにより、更に必要に応じて、ろ過や遠心分離によってインク組成物中の粗大粒子を除去すること等によって水性ボールペン用インク組成物を調製することができる。
本発明の水性ボールペン用インク組成物は、他の水性インク組成物の製造方法と比べて特に変わるところはなく製造することができる。
すなわち、本発明の水性ボールペン用インク組成物は、少なくとも、顔料(a)を内包する着色樹脂粒子(A)と、顔料を含まない無着色樹脂粒子(B)と、水溶性溶剤、その他の各成分をミキサー等、更に、例えば、強力な剪断を加えることができるビーズミル、ホモミキサー、ホモジナイザー等を用いて撹拌条件を好適な条件に設定等して混合撹拌することによって、水性ボールペン用インク組成物を製造することができる。
また、本発明の水性ボールペン用インク組成物のpH(25℃)は、使用性、安全性、インク自身の安定性、インク収容体とのマッチング性の点からpH調整剤などにより5〜10に調整されることが好ましく、更に好ましくは、6〜9.5とすることが望ましい。
本発明の水性ボールペン用インク組成物は、ボールペンチップなどのペン先部を備えたボールペンに搭載される。
本発明における水性ボールペンとしては、例えば、上記組成の水性ボールペン用インク組成物を直径が0.18〜2.0mmのボールを備えたボールペン用インク収容体(リフィール)に収容すると共に、該インク収容体内に収容された水性インク組成物とは相溶性がなく、かつ、該水性インク組成物に対して比重が小さい物質、例えば、ポリブテン、シリコーンオイル、鉱油等がインク追従体として収容されるものが挙げられる。直径が上記範囲のボールを備えたものであれば、用いる水性ボールペンの構造などは、特に限定されず、特に、上記水性インク組成物をポリプロピレンチューブのインク収容管に充填し、先端のステンレスチップ(ボールは超鋼合金)を有するリフィールの水性ボールペンに仕上げたものが望ましい。
更に、軸筒自体をインク収容体として該軸筒内に上記構成の水性ボールペン用インク組成物を充填したコレクター構造(インク保持機構)を備えた直液式のボールペンであってもよいものである。
このように構成される本発明の水性ボールペン用インク組成物にあっては、少なくとも、前記着色樹脂粒子(A)及び無着色樹脂粒子(B)を含有することを特徴とするものであり、顔料を内包する着色樹脂粒子を用いた場合に、ボールとボール受け座の間をインキが通過する際に、顔料の脱落が発生し、書き味の低下やチップの受け座摩耗が引き起こされる問題があったが、無着色樹脂粒子を併用することによって、ボールとボール受け座の間でベアリング剤(潤滑効果)として作用し、書き味の低下やチップの受け座摩耗を引き起こすことなく、書き味に優れる水性ボールペン用インク組成物を提供するものとなる。
また、用いる着色樹脂粒子中に、シナジストを含有することで樹脂に対する顔料の親和性が高くなり、顔料の脱落が発生しにくくなり、インク流路での詰まりがなく、更に書き味も良好となる筆記具用用水性インク組成物が得られることとなる。
次に、用いる着色樹脂粒子(A)の製造例1、3、用いる無着色樹脂粒子(B)の製造例2、水性ボールペン用インク組成物の実施例1〜5及び比較例1〜2により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。また、製造例1〜3で得た着色樹脂粒子などの平均粒子径(D50:μm)は、日機装株式会社の粒子径分布解析装置HRA9320−X100を用いて測定した。
〔製造例1:着色樹脂粒子(A)−1の製造〕
油相溶液として、エチレングリコールモノベンジルエーテル11.6部と分散剤(DISPERBYK−111、ビックケミー・ジャパン社製)1.8部とを60℃に加温しながら、顔料(カーボンブラック、Cabot Mogul L、キャボット社製)2.0部と、シナジスト(フタロシアニン顔料誘導体、ソルスパース5000、ルーブリゾール社製)0.2部とを加えて十分分散させた。次いで、ここにプレポリマーとしてのキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(タケネート D110N、三井化学社製)9.0質量部を加えて、油相溶液を作製した。水相溶液としては、蒸留水600質量部を60℃に加温しながら、ここに分散剤としてのポリビニルアルコール(PVA−205、クラレ社製)15質量部を溶解して、水相溶液を作製した。
60℃の水相溶液に油相溶液を投入し、ホモジナイザーで6時間撹拌することにより乳化混合して重合を完了した。得られた分散体を遠心処理することで着色樹脂粒子(A)−1を得た。この着色樹脂粒子(A)−1の平均粒子径(D50)は、2.1μmであった。
〔製造例2:無着色樹脂粒子(B)の製造〕
油相溶液として、エチレングリコールモノベンジルエーテル11.6部を60℃に加温しながら、プレポリマーとしてのキシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物(タケネート D110N、三井化学社製)9.0質量部を加えて、油相溶液を作製した。水相溶液としては、蒸留水600質量部を60℃に加温しながら、ここに分散剤としてのポリビニルアルコール(PVA−205、クラレ社製)15質量部を溶解して、水相溶液を作製した。
60℃の水相溶液に油相溶液を投入し、ホモジナイザーで6時間撹拌することにより乳化混合して重合を完了した。得られた分散体を遠心処理することで無着色樹脂粒子(B)を得た。この着色樹脂粒子(B)の平均粒子径(D50)は、1.5μmであった。
〔製造例3:他の着色樹脂粒子(A)−2の製造〕
上記製造例1の分散剤(DISPERBYK−111、ビックケミー・ジャパン社製)を3.2部とし、シナジスト(フタロシアニン顔料誘導体、ソルスパース5000、ルーブリゾール社製)を加えない他は上記製造例1と同様にして、着色樹脂粒子(A)−2を得た。この着色樹脂粒子(A)−2の平均粒子径(D50)は、2.7μmであった。
〔実施例1〜5及び比較例1〜2〕
上記製造例1〜3の着色性樹脂粒子(A)、無着色性樹脂粒子(B)を用いると共に、下記表1に示す配合組成などにより、常法により、各水性ボールペン用インク組成物を調整した。
上記実施例1〜5及び比較例1〜2で得られた水性ボールペン用インク組成物について、下記方法により作製したボールペンを用いた、下記各方法により、受け座摩耗、書き味について評価を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
〔水性ボールペンの作製〕
得られた各インク組成物を用いて水性ボールペンを作製した。具体的には、ボールペン〔三菱鉛筆株式会社製、商品名:シグノUM−100〕の軸を使用し、内径4.0mm、長さ113mmポリプロピレン製インク収容管とステンレス製チップ(超硬合金ボール、ボール径0.7mm)及び該収容管と該チップを連結する継手からなるリフィールに上記各水性インクを充填し、インク後端に鉱油を主成分とするインク追従体を装填し、水性ボールペンを作製した。
〔摩耗試験(ホルダー摩耗)の評価方法〕
上記で得た各水性ボールペンを用いて、機械筆記試験にて1000m(終筆)螺旋筆記させ、下記評価基準にて評価した。
筆記条件:150gf、筆記角度80度、筆記速度4.5mm/min
評価基準:
A:全て問題なく筆記可能。
B:カスレあるが終筆まで筆記可能。
C:著しく摩耗し全て途中で筆記不能。
(書き味の評価方法)
上記で得た各水性ボールペンを用いて、上記の評価で用いた機械筆記試験にて300m螺旋筆記させ、筆記前後の書き味を下記評価基準にて評価した。
筆記条件:150gf、筆記角度80度、筆記速度4.5mm/min
評価基準
A:同じ書き味。
B:僅かに書き味が低下した。
C:著しく書き味が低下した。
Figure 2021070715
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜5の水性ボールペン用インク組成物は、本発明の範囲外となる比較例1〜2に較べ、顔料を内包する着色樹脂粒子を用いても、書き味の低下やチップの受け座摩耗を引き起こすことなく、書き味に優れる水性ボールペン用インク組成物となることが確認された。
水性ボールペンに好適なインク組成物が得られる。

Claims (4)

  1. 少なくとも、顔料(a)を内包する着色樹脂粒子(A)と、顔料を含まない無着色樹脂粒子(B)を含有することを特徴とする筆記具用水性インク組成物。
  2. 前記着色樹脂粒子(A)及び顔料を含まない無着色樹脂粒子(B)の各樹脂成分はウレタン系であることを特徴とする請求項1記載の筆記具用水性インク組成物。
  3. 前記着色樹脂粒子(A)と顔料を含まない無着色樹脂粒子(B)の含有比〔(B)/(A)〕は、質量基準で0.05〜1.0であることを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具用水性インク組成物。
  4. 前記着色樹脂粒子(A)と顔料を含まない無着色樹脂粒子(B)の各平均粒子径の比〔(B)/(A)〕が、0.5〜4.0であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の筆記具用水性インク組成物。
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