JP2021069369A - カシューナッツミルク由来バター様食品及びその製造方法 - Google Patents

カシューナッツミルク由来バター様食品及びその製造方法 Download PDF

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【課題】動物性材料を原料とせずに、植物由来材料であるカシューナッツミルクを原料として、カシューナッツの風味を有しつつ、外観、使用感、食感及び食味のいずれも、バター様である食品を製造する。【解決手段】カシューナッツミルクに由来する成分と、植物性加工油脂に由来する脂肪球とがコロイド状に懸濁し、少なくとも20℃において可塑性を保持しているとともに、脂質の含有量が70〜90質量%、蛋白質の含有量が0.1〜1.0質量%、炭水化物の含有量が0.5質量%以下、灰分の含有量が0.05〜0.5質量%、前記灰分のうち亜鉛の含有量が0.00005〜0.001質量%、α−トコフェロールの含有量が0.005〜0.02質量%、トランス脂肪酸の含有量が0.5質量%以下、コレステロールの含有量が0.1質量%以下であり、前記脂質の融点は25℃〜45℃であることを特徴とする、カシューナッツミルク由来バター様食品。【選択図】図1

Description

本願は、カシューナッツミルク由来バター様食品及びその製造方法に関する。
下記特許文献1から3までに開示されているように、豆乳由来の食品素材の製造方法は種々提供されている。
特許文献1では、豆乳を濃縮後、加熱処理することによる豆乳由来の、豆腐に似た物性のゲルを作製する技術が開示されている。
また、特許文献2では、豆乳に有機酸、鉱酸又は二価の金属塩を凝集剤として添加して、豆乳由来の脂質を含有した凝集体を得て、これを遠心分離してクリーム様のテクスチャーを有する豆乳クリームを得る技術が開示されている。
さらに、特許文献3では、大豆蛋白質、水及び油脂を含む液状組成物の製造後、保存中に油分分離の発生を抑えるために親油性乳化剤を使用する技術が開示されている。
一方、近年、豆乳、ライスミルク、ココナツミルク、アーモンドミルク、カシューナッツミルク等をはじめとした、堅果、穀物又は豆類由来の乳様液体である植物ミルクは、食物アレルギー等の健康上の理由あるいは宗教、思想又は信条上の理由により乳製品の摂取ができない人々のための牛乳の代用品として使用されるのみならず、栄養面から積極的な意義を有するものとして、近年注目されている。
特開2005−95085号公報 特許第5970029号公報 WO 2008/105352 A1
本願は、動物性材料を原料とせずに、植物由来材料、具体的にはカシューナッツミルクを原料として、カシューナッツの風味を有しつつ、外観、使用感、食感及び食味のいずれも、バター様である食品を製造することを課題とする。
本願のカシューナッツミルク由来バター様食品は、カシューナッツミルク及び植物性加工油脂をそれぞれ該植物性加工油脂の融点以上の温度に加熱し、前記加熱されたカシューナッツミルクに前記加熱された植物性加工油脂を添加して乳化し、前記乳化により得たカシューナッツミルクエマルジョンを冷却し、前記冷却により得られたクリーム状物質にチャーニング又はキャビテーションを施して水相と油相とに分離させ、並びに、前記水相を除去して得られた油相固形分を混練して均一化させるという各工程を包含する製造方法で製造することができる。
なお、本願でいう「バター様食品」とは、常温においてバターのような可塑性を有する食品をいう。ここでいう「可塑性」とは、固体が外力を加えられて変形し、その変形が元に戻らない物理的性質をいう。換言すると、可塑性を保持していない状態では、外力を加えたときに固体が変形せずに砕けたり、逆に加えられた変形以上に固体の全体が流動したりする。なお、常温とは、ここでは20℃〜30℃の範囲をいう。
上記製造方法においては、前記油相固形分に食物繊維成分を添加することとしてもよい。
なお、ここでいう食物繊維成分とは、たとえば、おから粉、米粉若しくは玄米ブラン、ココナツパウダー、アーモンドパウダー又はふすま粉等、特に限定されないが、使用するカシューナッツミルクに合わせてカシューナッツパウダーが特に望ましい。
本願に係るカシューナッツミルク由来バター様食品は、カシューナッツミルクに由来する成分と、植物性加工油脂に由来する脂肪球とがコロイド状に懸濁し、少なくとも20℃において可塑性を保持しているとともに、脂質の含有量が70質量%以上90質量%以下であり、蛋白質の含有量が0.1質量%以上1.0質量%以下であり、炭水化物の含有量が0.5質量%以下であり、灰分の含有量が0.05質量%以上0.5質量%以下であり、前記灰分のうち亜鉛の含有量が0.00005質量%以上0.001質量%以下であり、α−トコフェロールの含有量が0.005質量%以上0.02質量%以下であり、トランス脂肪酸の含有量が0.5質量%以下であり、コレステロールの含有量が0.1質量%以下であるとともに、前記脂質の融点は25℃以上45℃以下である
なお、ここでいう「可塑性」の意義については前記したとおりである。すなわち、本態様に係るカシューナッツミルク由来バター様食品は、少なくとも20℃においては、外力を加えられたときに、硬すぎて砕けたり、あるいは、柔らかすぎて流動したりすることはない。なお、この可塑性は、20℃において保持されていることを要するが、それ以外の温度においても保持されていても差し支えない。
なお、前記脂質の融点は30℃以上35℃以下であることが望ましい。
本願の各態様は、上記のように構成されているので、動物性材料を原料とせずに、植物ミルクとしてのカシューナッツミルクを原料として、外観、使用感、食感及び食味のいずれも、バター様である食品を製造することができる。
本願の実施形態におけるカシューナッツミルク由来バター様食品の製造方法の概要を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ本願の実施形態を説明する。
図1は、本願の実施形態におけるカシューナッツミルク由来バター様食品の製造方法の概要を示すフローチャートである。
本実施形態に係るカシューナッツミルク由来バター様食品の製造方法では、カシューナッツミルクに植物性加工油脂を添加して乳化して得たクリーム状物質にチャーニング又はキャビテーションを施し、水相を除去して得られた油相固形分を混練して均一化させる。
カシューナッツミルクは、S1のカシューナッツミルク加熱工程において、後に加えられる油相としての植物性加工油脂が、水相となるカシューナッツミルクに対してO/W型に乳化されやすくするために、植物性加工油脂の融点以上の温度、たとえば60℃に加熱しておく。なお、必要に応じ、後のS3の乳化工程において乳化状態を安定化させるために、ショ糖脂肪酸エステルのような親水性乳化剤をあらかじめカシューナッツミルクに添加しておいてもよい。
植物性加工油脂は、常温で液体である植物由来の食用油、たとえば、大豆油、パーム油、菜種油、綿実油、米糠油、サフラワー油、ピーナッツ油、ごま油、亜麻仁油、オリーブ油、コーン油等を適宜の手段(たとえば、水素添加、エステル交換等)によって融点を調整し常温で固体となるように調整したものをいう。植物性加工油脂としては、融点を32℃前後に調整した、大豆油、パーム油又は菜種油が最も適している。
このような、たとえば融点32℃程度の植物性加工油脂は、S2の油脂加熱工程において、油脂の融点以上の品温、たとえば60℃に加熱され、液化される。なお、必要に応じ、後のS3の乳化工程において乳化状態を安定化させるために、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル又はプロピレングリコール脂肪酸エステルのような親油性乳化剤をあらかじめ植物性加工油脂に添加しておいてもよい。
なお、S1のカシューナッツミルク加熱工程とS2の油脂加熱工程とは別途独立の工程として実施される。
S1のカシューナッツミルク加熱工程で加熱されたカシューナッツミルクと、S2の油脂加熱工程で加熱された植物性加工油脂とは、S3の乳化工程において、乳化処理に供される。具体的には、乳化タンクにまず加熱されたカシューナッツミルクを入れ、撹拌しながら加熱された植物性加工油脂を、空気を混入させないように少しずつ投入していく。このとき、カシューナッツミルクは全体量のたとえば20質量%以上60質量%以下、好ましくは40質量%以上60質量%以下とし、投入される植物性加工油脂(たとえば、パーム油、大豆油又は菜種油)は全体量のたとえば40質量%以上80質量%以下、好ましくは40質量%以上60質量%以下とするのが望ましい。この乳化工程によって、O/W型のカシューナッツミルクエマルジョンが形成される。このO/W型の乳化状態を安定化させるために、コロイドミル、ホモミキサー又はホモゲナイザーなどの加圧式乳化機で乳化の均質化を図ってもよい。ただし、後のS6のチャーニング工程又はキャビテーション工程で行う乳化の破壊を容易にするため、必要以上に乳化を強化したり、乳化粒子を微細化したりすることは好ましくない。
このカシューナッツミルクエマルジョンを、S4の冷却工程において、15℃以下好ましくは10℃以下に冷却させると、クリーム状の外観を呈するクリーム状物質が得られる。
冷却工程により得られたクリーム状物質は、S5のエージング工程において、そのまま8時間以上好ましくは10時間以上冷却状態を保持することで、クリーム中の油脂が結晶化され、安定な状態となる。
すなわち、O/Wクリームを緩慢に冷却し、エージング工程を取ることによって、O/Wクリーム中の油脂結晶を適度な大きさに調節することができる。冷却とエージングにより適度な大きさにコントロールされたO/Wクリームは、次のチャーニング(キャビテーション工程)において、容易に起泡しチャーニングの効率を向上させる。
なお、マーガリン等を製造する際のように、急冷し、かきとることによって油脂結晶を微細化するのは好ましくない。よって、この冷却工程とエージング工程には、マーガリン等を製造する際に使われる急冷可塑化装置(かきとり式熱交換器、たとえばPERFECTOR KONBINATOR:ウィンクレル社製)は不要である。
次いで、S6のチャーニング工程又はキャビテーション工程において、このクリーム状物質をタンク内で空気を抱き込むように激しく撹拌して、クリーム状物質中に気泡を形成させる。この撹拌を持続させることで、クリームが起泡してできた気泡の周りに脂肪球が吸着してくる。さらに撹拌を持続させると、クリームの気泡状態が崩れて、その表面の脂肪球どうしが凝集し、やがて水相と油相に分離してくる。
このチャーニング工程又はキャビテーション工程は、起泡させながら乳化を破壊することが目的で、分離した水相を除去し、残りの油相固形分としての粘稠性のあるペースト状物質がS7の均一化工程に供される。
なお、クリーム状乳化物に気泡を形成させ、脂肪球を凝集させながら乳化を破壊して、油相と残りの水相を含むペースト物を効率よく収集するには、牛乳由来の一般のバター製造に使われるチャーニング装置によるチャーニング工程より、より起泡と乳化破壊力が強力なキャビテーション装置によるキャビテーション工程の方が好ましい。
ここで、いわゆる牛乳由来の通常のバターの製造においては、牛乳を遠心分離や逆浸透等により3%前後の脂肪分を40%程度まで濃縮してから、さらにチャーニング装置によってO/W型乳化のクリームを、W/O型乳化のバターに反転させている。この間に、大量の水相(ホエー、バターミルク、脱脂乳)が発生して廃棄されるとともに、分離や濃縮に膨大な時間を要する。
一方、本開示におけるカシューナッツミルク由来バター様食品では、低い脂肪分(3%前後)の牛乳から高脂肪分(80%前後)のバターへ分離・濃縮するための膨大な時間も要さず、また、大量の水相を発生させることもない。しかも、チャーニング(キャビテーション)工程において、強制的に起泡させ、乳化を破壊することで、バターのW/O型エマルジョン構造とは異なる、小さな気泡、凝集した脂肪球、水相中の蛋白質、炭水化物、灰分などがコロイド状に懸濁した状態を作り出すことによって、その結果、通常の温度条件(たとえば、20℃)における可塑性を備え、かつ、バター様の触感・風味が得られる。
そして、S7の均一化工程において、このペースト状物質から余分な水分を絞り出し、ニーダに入れて混練して均一化する。これにより硬度を高めてバター様になった組成物には、小さな気泡、凝集した脂肪球、水相中のタンパク質、炭水化物、灰分などがコロイド状に懸濁した状態となる。この状態は、牛乳由来のバターがW/O型の乳化構造になっているのとは異なる。このコロイド状態を形成することで、バター様の外観、使用感、食感及び食味を呈するカシューナッツミルク由来バター様食品が得られる。また、この均一化工程の後、型入れ等によって所望の形状に成形し、また適宜包装することとしてもよい。
なお、カシューナッツミルクの割合を上記よりも高くする(たとえば、60質量%以上70質量%以下程度)ことで、ファットスプレッド様の外観及び使用感を呈するカシューナッツミルク由来バター様食品を得ることもできる。この場合、油相分が少なくなるので、乳化の破壊がより困難になるので、キャビテーション装置による強力な乳化の破壊を行うキャビテーション工程を施すことが有効である。
さらに、S6のチャーニング工程又はキャビテーション工程を施した後に、油相固形分に食物繊維成分(たとえば、おから粉、ふすま粉等)を適宜の量(たとえば、油相固形分100質量部に対して5質量部以上10質量部以下)添加してから、上記と同様の均一化工程に供することで、食物繊維成分が強化され、カロリーを低減させたカシューナッツミルク由来バター様食品を得ることができる。
ここで、原料として、カシューナッツミルクを40質量%以上60質量%未満とし、植物性加工油脂として、融点を25℃以上45℃以下、好ましくは30℃以上35℃以下に調整した大豆加工油脂、パーム油加工油脂又は菜種油加工油脂を40質量%以上60質量%以下として、上記の製造方法に供した場合、脂質の含有量が70質量%以上90質量%以下であり、蛋白質の含有量が0.1質量%以上1.0質量%以下であり、炭水化物の含有量が0.5質量%以下であり、灰分の含有量が0.05質量%以上0.5質量%以下であり、前記灰分のうち亜鉛の含有量が0.00005質量%以上0.001質量%以下であり、α−トコフェロールの含有量が0.005質量%以上0.02質量%以下であり、トランス脂肪酸の含有量が0.5質量%以下であり、コレステロールの含有量が0.1質量%以下であるとともに、前記脂質の融点は25℃以上45℃以下であるカシューナッツミルク由来バター様食品が得られる。
ここで、上記したカシューナッツミルク由来バター様食品において、トランス脂肪酸及びコレステロールの含有量が上記した上限値以下とされているのは、通常のバターとの差異としての意義があり、その値は0であっても構わない。また、炭水化物の含有量が低いカシューナッツミルクを原料としていることに起因して、炭水化物の含有量が上記した値を上限値とする範囲となっており、その値は0であっても構わない。さらに、亜鉛の含有量が高いカシューナッツミルクを原料としていることに起因して、亜鉛の含有量が上記した値となっている。さらに、α−トコフェロールが通常のバターに比べて高値に含有されており、これは原料となる植物性加工油脂に酸化防止剤として添加されているα−トコフェロール(ビタミンE)に由来するものである。
(1)製造方法
原料として、カシューナッツミルク4kg(40質量%)と、融点33℃のパーム油加工油脂6kg(60質量%)を用いた。
まず、カシューナッツミルクを品温60℃に加熱する(カシューナッツミルク加熱工程S1)。一方、混合油脂を60℃で加熱溶解した(油脂加熱工程S2)。そして、加熱したカシューナッツミルクと、加熱溶解した混合油脂とをTKホモミキサー(特殊機化工業)でO/W型エマルジョンに乳化する(乳化工程S3)。
次いで、この乳化物であるカシューナッツエマルジョンを10℃以上15℃以下の冷所で18時間保管して冷却及びエージングを施す(冷却工程S4、エージング工程S5)。
次にこのエージング後のカシューナッツエマルジョンを、上記TKホモミキサーの転流板を界面付近まで上げた状態で高速撹拌させ、キャビテーションを生じさせて乳化を破壊し、水相と油相固形分とを分離させる(キャビテーション工程、S6)。
そして、水相を濾過布にて分離除去した油相固形分をパン生地捏ね器(日本ニーダー)にて均一に練り上げ(均一化工程、S7)、適宜の容器に移してカシューナッツミルク由来バター様食品を得た。この得られたカシューナッツミルク由来バター様食品は、W/O型エマルジョンではなく、油相中に気泡粒、水相、蛋白質、炭水化物等が分散する、コロイド状の組成物となっていた。
(2)成分分析
上記にて得られたカシューナッツミルク由来バター様食品を成分分析に供した。その結果は、下記表1の通りであった。なお、有効数字の関係上、下記数値の合計は100%にはなっていない。ただし、トランス脂肪酸は脂質に含有される成分である。
Figure 2021069369
ここで、通常のバターにおけるトランス脂肪酸は、「食品安全委員会「食品に含まれるトランス脂肪酸の評価基礎資料調査報告書」(2007)」によれば平均値で1.951g/100g(=1.951質量%)であるところ、上記表1に示すように、カシューナッツミルク由来バター様食品のトランス脂肪酸は0.47質量%と大幅に低くなっている。また、通常のバターにおけるコレステロールは、日本食品標準成分表2015年版(七訂)(以下、「食品成分表」とする。)によれば210mg/100g(=0.21質量%)であるところ、上記表5に示すように、カシューナッツミルク由来バター様食品のコレステロールは0.001質量%と大幅に低かった。その一方で、通常のバターにおけるα−トコフェロールは食品成分表によれば1.5mg/100g(=0.0015質量%)であるところ、カシューナッツミルク由来バター様食品のα−トコフェロールは0.0105質量%と大幅に高かった。以上のことから、カシューナッツミルク由来バター様食品は分析値によって通常のバターとは十分に区別可能である。また、炭水化物が0.5質量%と、食品成分表によるバターの炭水化物含有量である0.2gを大幅に下回り、この点は炭水化物含有量が少ないカシューナッツミルクを原料とするカシューナッツミルク由来バター様食品の特徴の1つである。さらに、亜鉛を微量ながら含有する点も、亜鉛含有量が高いカシューナッツミルクを原料とするカシューナッツミルク由来バター様食品の特徴である。
(3)可塑性評価
上記した実施例のカシューナッツミルク由来バター様食品の可塑性を以下のようにして評価した。なお、比較例として通常のバターを使用した。
具体的には、実施例及び比較例のサンプルを約3cm角に切り出し、これを5℃、10℃、15℃及び20℃で12時間保管した。
各サンプルについて、レオメーター(RTC2005D−D、レオテック)にて、変形に要する応力を測定した。具体的には、先端に直径5mmの円盤が設けられたプランジャーをサンプルに接触させた状態から、進入速度2cm/分にて、15mm進入させたとこに最大応力(N/cm)をレオメーターにて測定した。その結果を下記表2に示す。
Figure 2021069369
上記表2より、いずれのサンプルについても、温度の上昇に伴う最大応力の低下が認められた。特に、実施例では、いずれの温度においても比較例に比べ最大応力が低く、応力に対する変形が容易であることが認められた。
ただし、実施例及び比較例のいずれについても、5℃では測定中にサンプルが割れてしまったため、これらの温度では可塑性は有していないと考えられる。一方、20℃では、実施例及び比較例のいずれについても、プランジャーによる変形が維持され、可塑性を有していることが認められた。特に、実施例では、可塑性に関しては比較例としてのバターとほぼ同様の挙動を示すことが認められた。
本発明は、カシューナッツミルク由来バター様食品の製造に利用可能である。
S1 カシューナッツミルク加熱工程
S2 油脂加熱工程
S3 乳化工程
S4 冷却工程
S5 エージング工程
S6 チャーニング工程(キャビテーション工程)
S7 均一化工程

Claims (1)

  1. カシューナッツミルクに由来する成分と、植物性加工油脂に由来する脂肪球とがコロイド状に懸濁し、少なくとも20℃において可塑性を保持しているとともに、
    脂質の含有量が70質量%以上90質量%以下であり、
    蛋白質の含有量が0.1質量%以上1.0質量%以下であり、
    炭水化物の含有量が0.5質量%以下であり、
    灰分の含有量が0.05質量%以上0.5質量%以下であり、
    前記灰分のうち亜鉛の含有量が0.00005質量%以上0.001質量%以下であり、
    α−トコフェロールの含有量が0.005質量%以上0.02質量%以下であり、
    トランス脂肪酸の含有量が0.5質量%以下であり、
    コレステロールの含有量が0.1質量%以下であるとともに、
    前記脂質の融点は25℃以上45℃以下であることを特徴とする、カシューナッツミルク由来バター様食品。
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