JP2021069326A - ジャガイモの植え付け方法 - Google Patents

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邦陽 吉原
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Abstract

【課題】従来に比べて、ジャガイモの収穫量の増加及び大型化が図れ、しかも収穫が容易なジャガイモの植え付け方法を提供する。【解決手段】ジャガイモの植え付け方法であって、第1処理工程として、ジャガイモの種類を選ばず、芽含有部分を、その重量が2〜20gの範囲内の値になるように切り取る処理と、芽含有部分の切り口に、消石灰等を吹き付ける処理と、第2処理工程として、芽含有部分を、育成場所に対して、所定間隔で植え付ける工程と、を含む。【選択図】図1

Description

本願発明は、種イモら芽を含んで切り取った芽含有部分を植え付けてなる、ジャガイモの植え付け方法に関する。
特に、所定の芽含有部分を植え付けることによって、収穫されるジャガイモの収量が増加し、かつ大型化が可能なジャガイモの植え付け方法に関する。
ジャガイモの従来の植え付け方法が、例えば、非特許文献1及び非特許文献2に開示されている。これらの非特許文献によれば、図8(a)〜(b)に示したように、重さが40g程度より軽い種イモ101aはそのまま、また、それより重い場合は重さが40〜60g程度となるように種イモからの切断物101bを、畑103に植え付けていた。
なお、植え付け前に、育成場所としての畑等に対して、肥料105が予めまかれている。また、切断物101bについては、切断面101cに、草木灰を付け、適度に乾燥させた後に、畑に植え付けていた。また、種イモを植える際の植え付け間隔p1は30cm程度、植え付け深さd1は7〜10cm程度とされていた。
"やまむファーム"、[2019年10月23日検索]、インターネット<URL: https://ymmfarm.com/cultivation/veg/potato> "KOMERI.COM"、[2019年10月23日検索]、インターネット<URL: https://www.komeri.com/howto/html/01310.html>
しかしながら、従来の植え付け方法に準じて、品種改良や施肥改良によって、ジャガイモの収穫量の増加や、ジャガイモ1個の大型化がそれぞれ図られているものの、未だ不十分であった。
そこで、本発明に係る発明者らは、種イモの種類を問わずに、芽を含んで切り取った芽含有部分の重量に着目し、所定量の芽含有部分を育成場所に植えた場合に、ジャガイモの茎が太く育ち、かつ、育成場所の表面から比較的浅い場所か、あるいは、育成場所の表面に沿って水平方向に延びて、多数の実(新ジャガイモ)を結ぶことを見出し、本発明を想到するに至った。
よって、本発明は、従来のジャガイモの植え付け方法を改良すべく、鋭意検討してなされたものであって、従来と比べて、ジャガイモの収穫量が増加し、かつ、大型化が容易に図れ、しかも、ジャガイモの収穫自体についても容易になる、ジャガイモの植え付け方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、ジャガイモの種イモの大きさに係わらず、芽含有部分を、当該芽含有部分の重量が2〜20gの範囲内の値になるように切り取る第1処理工程と、
芽含有部分を育成場所に植え付ける第2処理工程と、
を含むことを特徴とするジャガイモの植え付け方法が提供され、上述した問題点を解決することができる。
すなわち、第1処理工程で、切り取った芽含有部分の重量を、従来重量(例えば、40〜60g)に比べて約1/2以下の、所定範囲内の値に調整するものである。
そして、第2処理工程で、育成場所として、土盛りし、その上に農業用シート等で覆われた箇所に対して、芽含有部分を植え付けるものである。
そのため、種イモ1個と比較して、絶対的に栄養分が足りない芽含有部分は、栄養分を育成場所としての土壌に積極的に求めに行くと考えられる。
よって、ジャガイモの太い茎(例えば、1.2〜1.5倍)が成長し、かつ水平方向に長くなって、ひいては、ジャガイモの収穫量が増加(例えば、2〜5倍)し、かつ、ジャガイモの大きさ(例えば、1.2〜1.5倍)も増大すると考えられる。
その上、ジャガイモの太い茎が、育成場所の表面から比較的浅い場所か、あるいは、育成場所の表面に沿って水平方向に延びて、多数の実(新ジャガイモ)を結ぶことから、ジャガイモの収穫自体についても容易になる。
また、本発明のジャガイモの植え付け方法を実施するに際し、第1処理工程において、芽含有部分1個の全表面積を100%としたときに、芽含有部分1個の切り取り面の合計面積を50〜99%の範囲内の値とする調整処理を含むことが好ましい。
すなわち、芽含有部分において、芽含有部分の切り取り面の合計面積にも着目して、それを所定範囲に調整することによって、芽含有部分を植え付けることによって、芽含有部分を起点として、成長する茎が安定して太くなり、かつ、育成場所の表面からに沿ってさらに安定的に水平方向に延びやすくなる。
また、本発明のジャガイモの植え付け方法を実施するに際し、第1処理工程と、第2処理工程との間に、第3処理工程を設け、芽含有部分の切り取り面に、灰類又は消石灰を付着させることが好ましい。
このように第3処理工程を設けて、灰類又は消石灰を付着させることにより、ジャガイモの発育を促進し、かつ病気発生等を有効に防止することができる。
また、本発明のジャガイモの植え付け方法を実施するに際し、第1処理工程と、第2処理工程との間、あるいは、第2処理工程と、第3処理工程との間に、第4処理工程を設け、芽含有部分と、当該芽含有部分を切り取った後のジャガイモ、あるいは、それ以外の炭水化物含有栄養分と、を混合し、球体、楕円球体、多角柱、円柱、円錐形、棒状、紐状、平板状の少なくとも一つの形状に加工することが好ましい。
このように第4処理工程を設け、芽含有部分と、当該芽含有部分を切り取った後のジャガイモ、あるいは、それ以外の炭水化物含有栄養分と、を混合し、次いで、それを所定形状に加工することによって、取り扱いが比較的容易になって、芽含有部分の寿命を延ばすこともできる。
また、本発明のジャガイモの植え付け方法を実施するに際し、第1処理工程において、芽含有部分が、発芽状態であることが好ましい。
芽含有部分は、発芽前状態であっても良いが、発芽状態であれば、目視することができ、ひいては、芽含有部分を容易に切り取ることができる。
また、本発明のジャガイモの植え付け方法を実施するに際し、第2処理工程において、鉛直方向、又は鉛直方向に対して傾斜させた長尺パイプの中を通して、芽含有部分を、育成場所に植え付けることが好ましい。
このように植え付けることにより、植え付け作業を事実上、作業者が立ったままで行うことができようにし、作業者の身体に対する負担を極端に減らすことができる。
また、作業者が休むことなく、長尺パイプを利用して、育成場所の所定深さのところに、次から次へと、植え付けることができる。
よって、ジャガイモの植え付け作業時間を、例えば、従来の1/2〜1/3以下(一人で2〜3時間/990m2)に減少させることができる。
また、本発明のジャガイモの植え付け方法を実施するに際し、第2処理工程において、育成場所を覆う農業シートを介して、芽含有部分を、育成場所に植え付けることが好ましい。
このように植え付けることにより、日光が直接的に成長したジャガイモにあたることを避けられ、食用に適したジャガイモの収穫量をより多くすることができる。
また、本発明のジャガイモの植え付け方法を実施するに際し、2処理工程の後に、第5処理工程を設け、鉛直方向、又は鉛直方向に対して傾斜させた長尺パイプの中を通して、育成場所に、追肥することが好ましい。
このように植え付けることにより、追肥作業を事実上、作業者が立ったままで行うことができようにし、作業者の身体に対する負担を極端に減らすことができる。
図1(a)は、本発明のジャガイモの植え付け方法における種イモから、芽含有部分を切り取る概念を説明する図、図1(b)は、芽含有部分へ灰類を付着させる概念を説明する図、図1(c)は、同方法での植え付け間隔p2、植え付け深さd2等を説明する図である。 図2(a)は、本発明の試験栽培において種イモから、芽含有部分を切り出した例を示す写真、図2(b)は芽含有部分の重量の下限値を検討するために用いた試料の写真、図2(c)は上記試料の重量を測定した際の写真である。 図3(a)は、好適な植え付け器具を用いた種イモの植え付け手順を説明する図、図3(b)は上記手順で植え付けた畑の状態を説明する図である。 図4は、第3の実施形態で用いる芽含有部分の植え付け機の側面図である。 図5(a)は、第1把持部の平面図、図5(b)は、第2把持部の平面図、図5(c)は第1把持部及び第2把持部を、図5(a)〜(b)のP方向から見た上面図である。 図6(a)は、芽含有部分の他の形状例を説明する図、図6(b)は、芽含有部分のさらに他の形状例を説明する図である。 図7は、芽含有部分をテープ状の支持部材上に配置した例であって、植え付けの自動化に好適例の説明図である。 図8(a)は、ジャガイモの従来の植え付け方法における、種イモの準備処理を説明する図、図8(b)は、同方法での植え付け間隔p1、植え付け深さd1等を説明する図である。
以下、図面を参照してこの発明のジャガイモの植え付け方法の実施形態について説明する。
なお、説明に用いる各図はこの発明を理解できる程度に概略的に示してあるにすぎない。例えば、芽の大きさを誇張して記載してあり、また、種イモから切り出したものの形状もあくまでイメージである。また、説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の符号を付して示し、その説明を省略する場合もある。また、以下の説明中で述べる材料、数値等は、この発明の範囲内の好適例にすぎない。従って、本願発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、図1に示すように、ジャガイモの種イモ11の大きさに係わらず、ジャガイモの芽11aを含む芽含有部分11bを、当該芽含有部分11bの重量が2〜20gの範囲内の値になるように切り取る第1処理工程と、芽含有部分11bを、育成場所15に植え付ける第2処理工程と、を含むことを特徴とするジャガイモの植え付け方法である。
以下、各工程における処理方法について、具体的に説明する。
1.第1処理工程
(1)主内容
第1処理工程は、ジャガイモの種イモの大きさや種類によらず、芽含有部分を、当該芽含有部分の重量が所定値(2〜20g)の範囲内の値になるように切り取る工程である。
また、重量が異なる芽含有部分を多数切り取っておいて、その中から、所定重量の芽含有部分を適宜選択する処理であっても良い。
すなわち、所定の第1処理工程を実施することにより、種イモ1個と比較して、絶対的に栄養分が足りない芽含有部分は、栄養分を育成場所としての土壌に積極的に求めに行くと考えられる。
従って、ジャガイモの太い茎が成長し、かつ水平方向に長くなって、そこで新ジャガイモを結実することから、ジャガイモの収穫量が増加し、かつ、ジャガイモの大きさも増大すると考えられる。
その上、ジャガイモの太い茎が、育成場所の表面から比較的浅い場所か、あるいは、育成場所の表面に沿って水平方向に延びて、多数の実(新ジャガイモ)を結ぶことから、ジャガイモの収穫自体についても容易になると考えられる。
(2)品種/大きさ
ここで、第1処理工程の実施において、芽含有部分のみを使用するため、ジャガイモの種イモの大きさや種類によらず、種々の品種のジャガイモの一種又は二種以上の組合せを選択し、それらを利用することができる。
より具体的には、ジャガイモの品種として、例えば、男爵イモ、キタアカリ、メイクイーン、インカの目覚め、インカのヒトミ、黄爵、とうや、金時、源平いも、ペチカ、ニシユタカ、ひかる、ホッカイコガネ、ゆきつぶら、はるか、マチルダ、デジマ、シンシア、シャドークイーン、グラウンドペチカ、タワラ、アンデスレッド等の種イモが挙げられる。
そして、ジャガイモの所定品種の種イモは、所定大きさ(L、LL、3L等)の種イモとして、各メーカ等から市販品を購入することが可能である。
なお、種イモを入手した後、必要に応じて行う処理、例えば、芽出し処理等を行うことも好ましいが、上記の非特許文献1及び非特許文献2に記載の常識的方法に準拠して行うことが好ましい。
(3)芽含有部分の重量
次に、図1(a)に示すように、種イモ11から、芽11aを含む芽含有部分11bを、所定重量になるように切り取る。
ここで、芽含有部分の重量を2〜20gの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる芽含有部分の重量が20gを超えると、栄養分が未だ多いためか、茎が好適に成長しない場合があって、結果として、ジャガイモの成育の安定性が図れない場合があるためである。
すなわち、芽含有部分を数か所切り取った後のジャガイモ(以降、単に切り取った後のジャガイモと称する場合がある。)の、食用や家畜のエサ等、他の分野への活用を考慮すると、芽の部分を含み種イモから切り取る部分の重量が、従来の重量40〜60gより少しでも軽ければ、当該活用が図れることになる。
しかし、切り取った後のジャガイモの顕著な活用を図り、ジャガイモの成育の安定性を図るためには、芽の部分を含み種イモから切り取る部分の重量の上限としては、従来の重量の下限である40gの少なくとも半分の20gが好ましいと言える。
一方、芽含有部分の重量が2gを下回ると、種イモからの切り取り作業が過度に大変になったり、植え付け作業が困難になったり、さらには、栄養分が過度に少なくなるためと思料するが、ジャガイモの成育の安定性が図れない場合があるためである。
従って、かかる芽含有部分の重量を3〜18gの範囲内の値とすることが好ましく、5〜15gの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)芽含有部分の切り出し面の割合
また、芽含有部分は、所定重量の範囲内であるから、すなわち、重量が従来の植え付け法で使用する種イモ(種イモから切り出したもの)の重量の半分以下である。従って、その大きさは従来のものに比べて、半分以下であり、5分の1以下の場合もある。
さらにまた、切り出した芽含有部分は、芽の付近がジャガイモ本来の皮によって覆われていて、それ以外の切り出し面はジャガイモの内部面が露出した状態のものである。
従って、芽含有部分1個の全表面積を100%としたときに、芽含有部分1個の切り取り面の合計面積を50〜99%の範囲内の値とする調整処理を含むことが好ましい。
この理由は、芽含有部分において、芽含有部分の切り取り面の合計面積にも着目して、それを所定範囲に調整することによって、芽含有部分を植え付けることによって、芽含有部分を起点として、成長する茎が安定して太くなり、かつ、育成場所の表面からに沿ってさらに安定的に水平方向に延びやすくなるためである。
従って、芽含有部分1個の全表面積を100%としたときに、芽含有部分1個の切り取り面の合計面積を60〜98%の範囲内の値とすることがより好ましく、70〜97%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(5)芽含有部分の切り取り処理
また、特に図示しないものの、芽含有部分の切り取り処理は、種イモの芽を含む周囲に対し、はさみ、包丁、カッター、カミソリ、のみ等を適用することで行うことができる。
通常は、少し大きめに切り取ってから、余分な部分を除去しても良い。そして、重量が20g以下になるようにする切り取り作業は、慣れれば、目検討によっても実現することができる。
さらにまた、種イモから所定重量で芽含有部分の立体形状は、特に限定されないが、例えば、略半円球状、略半楕円球状、略三角錐形状、略角柱状、略円柱状等、任意の形状で良い。
また、本発明のジャガイモの植え付け方法を実施するに際し、第1処理工程において、芽含有部分が、発芽状態であることが好ましい。
この理由は、芽含有部分は、発芽前状態であっても良く、芽が大きくても、小さくても、芽の箇所は目視にて判別できるが、発芽状態であれば、さらに正確に目視することができ、ひいては、芽含有部分を容易に切り取ることができるためである。
但し、芽含有部分の成長性のみを考慮するのであれば、芽が小さいときが比較的良く、さらには、芽の箇所はわかるが芽が出る前のものが良い。
この理由は、芽が小さいか、発芽前の方が、芽が出ようとする活性が大きく、従って、芽含有部分において、芽の周囲のジャガイモ自体の栄養分を消化しながら、次いで、周囲の土壌へ意欲的に至ろうとすることから、ジャガイモの収量増加、大型化に寄与すると考えるからである。
(6)芽含有部分の切り取り例1
図2(a)に、種イモ11と、種イモ11であって芽11aの部分を含む一部分を数か所切り取った後のジャガイモ11xと、種イモ11から芽11aの部分を含んで切り取った一部分(重量が20g以下のもの)としての芽含有部分11bと、を示した写真である。
この図2(a)の写真から、従来の植え付け方法では、種イモを2分割するか、多くとも3分割した処理に由来し、切り出したものは、重量が20gを超えて大きかった。
それに比べて、本願発明で種イモから切り取る、芽含有部分は、重量が20g以下であって、体積も1/3〜1/5の小さいものである。
従って、芽含有部分は、実質的に芽の部分のみ、或いは、芽の部分の周囲に付随する、種イモのわずかな部分を含んでいると言える。
(7)芽含有部分の切り取り例2
また、図2(b)は、種イモからの切り取り処理において切り取りが妥当に行える下限重量程度の試料11yをサンプリングし、その試料11yを撮影した写真である。
かかる試料は、一例であるが、長さが約3cm、幅が約1.5cm、最大厚さが約0.7cm程度のものであって、重量が2g以上であって、体積も1/5〜1/10の小さいものである。
(8)芽含有部分の切り取り例3
さらにまた、図2(c)は、図2(b)に示した写真中の試料11yを、重量計21に載せ、重量を測定している写真である。
重量計21の表示部21aに、一例であるが、「2g」と表示されていることが分かる。従って、芽含有部分を過度に小さく切ったとしての、通常、実質的に芽の部分のみとして、それを2g以上の重量とすることが好ましい。
なお、これら図2(b)、(c)の写真から、切り取り処理において切り取りが妥当に行える下限重量は2gとすることが好ましいことが分かる。また、このような重量であっても、所定面積当たりのジャガイモの収穫量としては、十分多いものである。
ただし、上記した通り、芽の安定性、切り取り作業のし易さ、植え付けのし易さ等を考慮すると、下限重量はそれより重い、例えば3gとか、4gとか、5g等にした方が好ましいと言える。
2.第2処理工程
(1)主内容
次に、図1(c)に示すように、第2処理工程は、第1処理工程で得られた芽含有部分11b、又は灰類13を付着させた芽含有部分11dを、育成場所15としての畑等に植え付ける工程である。
すなわち、所定の第2処理工程を実施し、芽含有部分を植え付けることにより、種イモ1個と比較して、絶対的に栄養分が足りない芽含有部分は、栄養分を育成場所としての土壌に積極的に求めに行くと考えられる。
従って、芽含有部分から太い茎が成長し、かつ水平方向に長くなって、そこで新ジャガイモを結実することから、ジャガイモの収穫量が増加し、かつ、ジャガイモの大きさも増大すると考えられる。
その上、ジャガイモの太い茎が、育成場所の表面から比較的浅い場所か、あるいは、育成場所の表面に沿って水平方向に延びて、多数の実(新ジャガイモ)を結ぶことから、ジャガイモの収穫自体についても容易になると考えられる。
(2)植え付け方法1
第2処理工程として、第1処理工程で得られた芽含有部分、又は灰類を付着させた芽含有部分を、育成場所に植え付ける方法は特に制限されるものでないが、後述する第2の実施形態に準じて、植え付けることが好ましい。
すなわち、第2処理工程において、鉛直方向、又は鉛直方向に対して傾斜させた長尺パイプの中を通して、芽含有部分を、育成場所に植え付けることが好ましい。
この理由は、このように植え付けることにより、植え付け作業を事実上、作業者が立ったままで行うことができようにし、作業者の身体に対する負担を極端に減らすことができるためである。
また、作業者が休むことなく、長尺パイプを利用して、育成場所の所定深さのところに、次から次へと、植え付けることができるためである。
よって、ジャガイモの植え付け作業時間を、例えば、従来の1/2〜1/3以下(一人で2〜3時間/990m2)に減少させることができる。
(3)植え付け方法2
第2処理工程として、第1処理工程で得られた芽含有部分、又は灰類を付着させた芽含有部分を、育成場所に植え付けるに際し、育成場所を覆う農業シートを介して、育成場所に植え付けることが好ましい。
この理由は、このように植え付けることにより、外部の日光が、直接的に芽含有部分にあたることを避けられ、食用に適したジャガイモの収穫量をより多くすることができるためである。
また、育成場所を覆う農業シートがあれば、芽含有部分を風雨や害虫から守ることもできるためである。
(4)植え付け間隔
また、本発明の植え付け方法を実施すると、従来に比べ、根が太く長い根張りが生じるので、図1(c)に示す、植え付け間隔p2は、従来に比べて広くした方が好ましい。
これに限られないが、植え付け間隔p2は、40〜50cmの範囲で選択するのが好ましい。すなわち、従来方法での植え付け間隔が30cm程度であったのに対し、10〜20cm程度広げるのが好ましい。植え付けは、手作業でも良く、又は、後述の第2の実施形態で説明するように植え付け器具を用いて行っても良い。
(5)植え付け深さ
また、図1(c)に示す、植え付け深さd2は、従来に比べ、浅くする方が好ましい。
この理由は、芽含有部分が従来に比べ小さいため、植え付け深さを浅くしても支障が無いためである。
このため、土かけ作業が従来に比べて楽であり、また、場合によっては土かけを省略することもできる。植え付け深さを浅くできるため、追肥の効果も高いと考えられる。
また、植え付け深さを浅くできるため、芽が地表面に出やすいという利点も得られるためである。従って、植え付け深さd2は、例えば、2〜7cmから選ばれた深さとすることが好適である。
なお、植え付けの前に、育成場所である畑等を耕すこと、当該畑等に植え溝を掘ること、植え溝内に肥料17(図1(c))をまくこと等を行うが、それらは、例えば非特許文献1及び非特許文献2に記載された手順に従い行えばよい。
(6)植え付け後の処理
また、特に図示しないものの、育成場所に植え付け後の処理、例えば、追肥、水やり、選定等々は、例えば非特許文献1及び非特許文献2に記載された手順に従い行えばよい。
また、ここでいう育成場所とは、典型的には畑を意味するが、その他、プランター、露地等も含む広い概念である。
3.第3処理工程
次に、図1(b)に示したように、第3処理工程を実施し、芽含有部分11bの切り出し面11cに、灰類13、例えば草木灰又は消石灰を付着させることが好ましい。
すなわち、第1処理工程と、第2処理工程との間に、第3処理工程を設け、芽含有部分11bの切り取り面に、灰類13又は消石灰を付着させることが好ましい。
この理由は、このように第3処理工程を設けて、灰類又は消石灰を付着させることにより、ジャガイモの発育を促進し、かつ病気発生等を有効に防止することができるためである。
ここで、灰類としては、草木灰が一般的であるが、この出願に係る発明者の経験では、本願発明の植え付け方法にとっては、灰類として消石灰を用いることが好ましい。
一方、消石灰を用いた方が、アルカリ土壌改良効果を発揮して、草木灰を用いる場合に比較して、ジャガイモの収量増や大型化を図れる兆しが見えている。
なお、灰類の付着のさせかたは、図示は省略するが、切り出した芽含有部分を、切り出し面の側で灰類の入った収容容器に入れるとか、灰類を手によって切り出し面に塗る等、周知の方法で良い。
4.第4処理工程
また、第1処理工程と、第2処理工程との間、あるいは、第2処理工程と、第3処理工程との間に、第4処理工程を設け、芽含有部分を所定形状又は所定大きさとすることが好ましい。
すなわち、芽含有部分と、当該芽含有部分を切り取った後のジャガイモ、あるいは、それ以外の炭水化物含有栄養分と、を混合し、球体、楕円球体、多角柱、円柱、円錐形、棒状、紐状、平板状の少なくとも一つの形状に加工することが好ましい。
この理由は、このように第4処理工程を設けることによって、芽含有部分の取り扱いがさらに容易になったり、栄養分の調整が容易になって、芽含有部分の寿命を延ばしたりできるためである。
5.第5処理工程
また、第2処理工程の後に、第5処理工程を設け、鉛直方向、又は鉛直方向に対して傾斜させた長尺パイプの中を通して、芽含有部分の育成場所、あるいはその周囲に、追肥することが好ましい。
このように追肥することにより、追肥作業を事実上、作業者が立ったままで行うことができようにし、作業者の身体に対する負担を極端に減らすことができるためである。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、ジャガイモの植え付け方法の一つであって、第2処理工程において、鉛直方向、又は鉛直方向に対して傾斜させた長尺パイプの中を通して、芽含有部分を、育成場所に植え付けることが特徴である。
このように長尺パイプを利用して植え付けることにより、芽含有部分の植え付け作業を事実上、作業者が立ったままで行うことができるようにし、作業者の身体に対する負担を極端に減らすことができる。
また、作業者が休むことなく、長尺パイプを利用して、育成場所の所定深さのところに、次から次へと、芽含有部分を植え付けることができる。
よって、芽含有部分の植え付け作業時間を、例えば、従来の1/2〜1/3以下(一人で2〜3時間/990m2)に減少させることができる。
ここで、第2処理工程における、芽含有部分11bの植え付け作業は、手作業で行ってももちろん良いが、図3(a)に示すように、所定の植え付け器具31を用いても良い。
すなわち、芽含有部分11bの植え付け器具31として、例えば、図3(a)に示すような長尺な直線状のパイプ31を用意し、このパイプ31を貫通する穴を通して、芽含有部分11bの育成場所の所定箇所(穴)に落下させても、あるいは挿入しても良い。
なお、作業者の首や肩に植え付け器具31を吊り下げるため、植え付け器具31にヒモ31aを設けることが好ましい。以下、その具体例を説明する。
このような植え付け器具として、外径Φ1、内径Φ2、長さLのパイプを用意する。
かかる植え付け器具としてのパイプの材質は、金属又は樹脂が良い。金属としては、例えば、アルミニウム、ステンレス、鉄が好ましい。
特に、アルミニウムは、植え付け器具の軽量化が図れ、経済的であることから好ましい金属である。また、ステンレスは、植え付け器具の優れた耐腐食性や、機械的強度の向上、更には、表面平滑性が優れている点で好ましい。さらに、鉄は、植え付け器具の費用軽減が図れられる一方、機械的強度や耐食性が良好な点から好ましい。
いずれの場合も、パイプの肉厚については、必要最小限にして、植え付け器具の軽量化を図ることが好ましい。
また、植え付け器具におけるパイプの外径Φ1、内径Φ2は、種イモから芽含有部分の大きさで決めるが、例えば、内径Φ2は3〜5cmの範囲内の値、外径Φ1は、4〜7cmの範囲内の値とすることが好ましい。
また、植え付け器具の長さLは、当該植え付け器具を用いる作業者の身長などを考量して決めるのが良く、例えば、60〜100cmの範囲内の値とすることができる。
場合によっては、植え付け器具を、長手方向において2つのスライド自在の部材で構成して、長さLを調整できる構造にしても良い。
また、排気ダクト等として使用されている、アルミニウム製のジャバラ状の伸縮自在かつ折り曲げ自在の排気ダクトを適当な長さに切断して、植え付け器具として用いても良い。
また、図3(a)に示すように、芽含有部分11bを収容し、運搬するための収容容器51を用意することが好ましい。さらに、作業者41の首や肩に収容容器51を吊り下げるため、収容容器51にヒモ51aを設けることが好ましい。
従って、かかる収容容器は樹脂性、又は金属製が好ましいが、軽量なものを選択するのが良い。
また、かかる収容容器の大きさは、芽含有部分の大きさや、その収納個数に応じて決めることができる。
すなわち、図3(a)に示したように、植え付け器具31及び収容容器51を用いるこの第2の実施形態による植え付け方法では、種イモから芽含有部分11bを収容容器51に収容しておき、作業者41はその収容容器51を首に吊り下げる。
また、作業者41は、植え付け器具31を首に吊り下げる。そして、育成場所15である畑等において、植え溝15aに、芽含有部分11bのみを、植え付け器具31を通して落としてゆく。この作業を植え付け間隔で順次に行ってゆくことで、植え付けを行える。植え付けた後は、必要に応じた土かけ等を行って、植え付け作業を修了できる(図3(b))。
この第2の実施形態の植え付け方法によれば、作業者は腰を曲げることなく、芽含有部分の植え付けを行えるので、作業者への負担を軽減できる。しかも、手作業で植え付けを行う場合に比べて、3〜10倍の速度で植え付け作業を行える。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、第2の実施形態の変形例であって、図4に示すように、芽含有部分11bを投入する第1開口部81b、及び芽含有部分11bを放出する第2開口部81aと、を有する筒状部材81と、当該筒状部材81の第2開口部81aの側に接続された第1把持部87a及び、当該第1把持部87aに対して、開閉支持部85を介して、互いに開閉自在に組付けられた第2把持部87bを有する開閉部材87と、当該開閉部材87の開閉動作を制御する開閉制御機構89と、を備えた芽含有部分11bの植え付け機80を用いて、芽含有部分11bの植え付け作業を行うことを特徴とする。
従って、開閉制御機構89を、作業者41としての人間が操作することで、開閉動作し、閉状態で芽含有部分11bを把持し、開状態に移行時に先端部によって芽含有部分11bの育成場所15としての畑等に、植え付け穴を形成しつつ、芽含有部分11bを解放することができる。
よって、この第3の実施形態の植え付け方法によれば、作業者は腰を曲げることなく、芽含有部分の植え付けを行えるので、作業者への負担を軽減できる。しかも、手作業で植え付けを行う場合に比べて、先端が鋭利な形状である、第1把持部及び、当該第1把持部に対して、開閉支持部を介して、互いに開閉自在に組付けられた第2把持部が協働して動作する開閉部材を備えているので、5〜15倍の速度で、芽含有部分の植え付け作業を行うことができる。
以下、第3の実施形態の植え付け機の、主要構成部品である、筒状部材、第1把持部、第2把持部、及び、開閉制御機構について、より具体的に説明する。
1.筒状部材
図4に示すように、筒状部材81は、内部に芽含有部分11bを1つ又はそれ以上収容でき、少なくとも一端に、芽含有部分11bを外部に放出する第2開口部81aを有し、他端に芽含有部分11bを筒状部材81の内部に挿入する第1開口部81bを有している。
より具体的には、芽含有部分11bを収容する所定の大きさの中空穴を有しており、一端に第2開口部81a、他端に第1開口部81bを有したパイプ81状物で構成してある。
すなわち、第1開口部81bは、筒状部材81に対する芽含有部分11bの投入口の役目を有している。
2.第1把持部、第2把持部
図4、及び図5(a)〜(c)に示すように、第1把持部87a及び第2把持部87bは、筒状部材81に第2開口部81aの側で接続されていて、相互に、開閉支持部85によって組付けられ、開閉自在な構成であることを特徴とする。
この実施形態では、第1把持部87aは、第2把持部87bに比べて、第1把持部の根元87c(以降、単に根元と称する場合がある。)の側が数cmほど、例えば、1〜10cm程度長くなっている。
また、第1把持部87aは、根元87cの側を、筒状部材81の第2開口部81a側の部分に例えばネジ等で接続してある。
そして、第2把持部87bは、第1把持部87a途中の位置で、第1把持部87aに、開閉支持部85を介して、所定角度範囲、例えば30〜150°で回転可能に接続してある。
また、図5(c)に示すように、第1把持部87a及び第2把持部87bは、筒状部材81の側が筒状部材の断面以上の円形状φ1を相互で形成し、かつ、第1把持部87a及び第2把持部87bが閉状態においては、先端に向かうに従い円状形状の大きさがφ2と小さくなる先細り形状、すなわち、いわゆる鳥の嘴形状としてある。
従って、筒状部材内の芽含有部分を第1把持部及び第2把持部が形成している空間に円滑に受け渡しすることができる。
然も、第1把持部及び第2把持部が閉状態においては、芽含有部分を確実に把持できると共に、農業用シートの有無、さらには、農業用シートにおける所定穴の有無によらず、第1把持部及び第2把持部を、育成場所としての畑等に突き刺し易くすることができる。
よって、無穴の農業用シートの上からであっても、芽含有部分の植え付け作業を正確に行うことができ、しかも、地中の適当な位置に芽含有部分を放出することができる。
また、第1把持部及び第2把持部の各々形状は、具体的には、例えば土をすくうためのシャベル状の形状であることが好ましい。
ただし、土をすくう部分の曲がり具合が半円状に深い形状で、かつ、半円状の大きさが先端部分に向かって小さくなる、すなわち嘴形状が好ましい。
また、第1把持部及び第2把持部の材質は、金属が好ましく、特に耐久性を考慮すると、鉄、ステンレス、セラミックス、樹脂等が好ましく、さらに耐腐食性や経済性を考慮して、ステンレスが好ましい。
また、第1把持部及び第2把持部を、所定角度で回転し、開閉するように組み付けている開閉支持部の構成は、両者が、当該開閉支持部を中心に円滑に開閉できるものであれば、特に限定されない。
従って、例えば、図5(a)〜(b)に示すように、第1把持部87a及び第2把持部87bの所定位置に設けた穴87dと、これら穴87dの径より径がやや小さいピン等で、開閉支持部85を構成できる。
3.開閉制御機構
開閉制御機構は、作業者の操作によって第1把持部及び第2把持部の開閉動作を制御するものである。この具体例を、図4を参照して説明する。
すなわち、図4に示すように、実施形態の開閉制御機構89は、第2把持部87bに一端が接続された第1稼働部材89aと、筒状部材81の他端(第1開口部81b側)に第1の回転支持部89bを介して接続されている。
そして、作業者によって把持されるハンドル部89cと、第1稼働部材89aの第2把持部87bの側とは反対側に一端が第3の回転支持部89dを介して接続され、他端がハンドル部89cに第2の回転支持部89eを介して接続されている第2稼働部材89fと、ハンドル部89cを把持する人の力に抗する弾性部材89gとしてのバネ部材等と、を含む機構としてある。
すなわち、かかる開閉制御機構89の一部は、筒状部材81における第1開口部81bの側に固定されている。
また、水平方向に延在してなるハンドル部89cと、当該ハンドル部89cの上下動に連動し、筒状部材81の長手方向に沿って、所定間隔を保持しつつ設けてある第2稼働部材89fと、当該第2稼働部材89fの上下動に連動し、第2把持部87bを、第1把持部87aに対して開閉動作させる第1稼働部材89aと、を有することが好ましい。
このような開閉制御機構であれば、ハンドル部を作業者が握ると、第2稼働部材がハンドル部側に引き寄せられ、それに応じて、第1稼働部材もハンドル部側に引き寄せられるので、第2把持部は開閉支持部を中心に、第1把持部から離れるように移動する。
従って、第1把持部及び第2把持部は開状態になる。また、人がハンドル部を握るのを止めて離すと、バネ部材の効力によってハンドル部は初期状態に戻るので、第2稼働部材及び第1稼働部材も初期状態に戻る。
その結果、第2把持部が開閉支持部を中心に、第1把持部の先端に接するように移動する。従って、第1把持部及び第2把持部は閉状態になる。
このように、開閉制御機構によれば、ハンドル部を人が握る又は離すというアクションによって、第1把持部及び第2把持部を開閉させることができる。
なお、これら第1稼働部材と、回転支持部(第1の回転支持部)、ハンドル部、別の回転支持部(第3の回転支持部)、さらに別の回転支持部(第2の回転支持部)、第2稼働部材及び弾性部材(バネ部材)の形状及び大きさは、第1把持部及び第2把持部を必要量開閉させるために必要なストロークを得ることができる形状及び大きさを考慮して、それぞれ設計すればよい。
また、これら第1稼働部材と、第1の回転支持部、ハンドル部、第3の回転支持部、第2の回転支持部、第2稼働部材及びバネ部材の材質としては、特に制限されるものではないが、例えば、任意好適な金属や一部樹脂で構成することができる。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態について図6(a)〜(b)を参照して説明する。この第3の実施形態の、上記の各実施形態との違いは、芽含有部分11bの形状と、当該芽含有部分11bの活用の仕方にある。
先ず、特に図示しないものの、種イモから芽の部分を含む一部分を所定重量以下で切り取る際、例えば刃のついたくり抜き用の刃物を準備し、これを種イモの芽を含む部分に押し込んで、所定部分をくり抜くことによって行っても良い。
そのようにして得た芽含有部分のイメージを、図6(a)〜(b)に示した。
図6(a)の例は、芽含有部分11bの形状が、略角柱状の例である。また、図6(b)の例は、芽含有部分11bの形状が、略円柱状の例である。
次に、図7に示す例は、芽含有部分11bの活用の仕方の一例である。
具体的には、芽含有部分11bを、好適な材料から成るテープ状の支持部材61、例えば樹脂製のテープ状の支持部材61に仮固定し、このテープ状のものを巻いてロール状にしておき、植え付け自動機等に展開する例を示したものである。
本発明では、種イモから切り取るものの重量が軽いという利点を利用したものである。すなわち、種イモから切り取るものの重量が軽いことから、テープ状の支持部材への仮固定が行い易いという利点を利用してテープ状かつロール状にした例である。この例によれば、植え付け作業の自動化が可能になると考えられる。
[実施例1]
実施例1において、第1処理工程を実施し、1個の種イモ(発芽前のキタアカリ、約80g)から、芽含有部分を、包丁で切り取り、各重量が5±0.5gの範囲にあるものを10個選択した。
次いで、第3処理工程を実施し、芽含有部分の切り口に、消石灰を吹き付けた。
次いで、第2処理工程を実施し、パイプ状の植え付け器具を用いて、10個の芽含有部分を、1m間隔で、育成場所である、厚さ200μmの黒色農業シートで覆われた畝(高さ20cm、巾30cm)を有する畑に植え付けた。
そして、3か月間、そのまま放置した後、新じゃがいもの収穫を行い、下記項目を評価した。
(1)新じゃがいもの収穫個数
以下の基準に沿って、新じゃがいもの収穫個数を評価した。
◎:100個以上
〇:50個以上
△:20個以上
×:20個未満
(2)新じゃがいも大きさ/個
◎:平均150g/個以上
〇:平均120g/個以上
△:平均80g/個以上
×:平均80g/個未満
(3)育成状態
◎:茎がほぼ水平状態に伸びている。
〇:茎が地中に向かって伸びているものもあるが、概ね水平状態に少々伸びている。
△:茎が地中に向かって伸びているものもあるが、水平状態に少々伸びている。
×:茎が地中に向かって伸びている。
(4)茎の太さ
◎:茎の平均直径が3cm以上である。
〇:茎の平均直径が2.5cm以上である。
△:茎の平均直径が2cm以上である。
×:茎の平均直径が2cm未満である。
(5)新じゃがいもの収穫容易性
◎:新じゃがいもが地中から表面に飛び出ているか、表面から浅い位置に存在している。
〇:新じゃがいもが地中から表面に少々飛び出ているか、表面からほぼ浅い位置に存在している。
△:表面から浅い位置に存在しているのもあるが、比較的深い位置に存在しているものもある。
×:表面から浅い位置に存在しておらず、比較的深い位置に存在している。
[実施例2〜4]
実施例2〜4において、第1処理工程を実施し、芽含有部分を包丁で切り取り、当該芽含有部分の重量を3±0.5gの範囲(実施例2)、10±0.5gの範囲(実施例3)、15±0.5gの範囲(実施例4)とした以外は、実施例1と同様に、芽含有部分を畑に植え付け、3か月間後に、新じゃがいもの収穫を行い、評価した。
[実施例5〜8]
実施例5〜8において、第1処理工程を実施し、種イモの種類/大きさを、「キタアカリ、約80g/個」から、「インカのヒトミ、約100g/個」に変えたほかは、それぞれ実施例1〜4と同様に、芽含有部分を畑に植え付け、3か月間後に、新じゃがいもの収穫を行い、評価した。
[比較例1〜3]
実施例1〜3において、第1処理工程を実施し、芽含有部分を包丁で切り取り、当該芽含有部分の重量を1±0.5gの範囲(比較例1)、30±0.5gの範囲(比較例2)、50g±0.5gの範囲(比較例3)とした以外は、実施例1と同様に、芽含有部分を畑に植え付け、3か月間後に、新じゃがいもの収穫を行い、評価した。
Figure 2021069326
以上の説明のとおり、本発明のジャガイモの植え付け方法は、種イモから、所定重量以下の芽含有部分を切り取って植え付けるものである。すなわち、従来では着想しなかった、種イモの種類によらず、極めて少ない重量の種イモ部分を利用して、従来に比べジャガイモの収穫量の増加と大型化を図れるようになった。
また、使用材料の残分の転用等も図れる。従って、ジャガイモ栽培への貢献は勿論のこと、他分野への貢献も高いものである。
さらに、種イモから、残分が比較的多く出るため、残分の有効活用、例えば食材への転用、家畜の食物への転用等も期待できる。
また、第2実施形態のように、ジャガイモから芽含有部分の植え付け方法を実施するにあたり、パイプ状の植え付け器具を用いることによって、作業者の腰への負担を軽減でき、かつ、植え付け作業の速度を高められるという効果も得ることができる。従って、高齢化が進む農業分野での対策の1つとして有用である。
特に、第3実施形態のように、筒状部材、第1把持部、第2把持部、及び、開閉制御機構を備えた植え付け機を用いることによって、育成場所を覆う農業シートを介して、芽含有部分を、所定場所に対して、適切に植え付けることができる。
その上、作業者の腰への負担をさらに軽減することができ、しかも、植え付け作業の速度をさらに高められるという効果も発揮することができる。
また、本願発明の特徴である、種イモから切り取る芽含有部分の重量が軽いという利点は、テープ状の支持部材に載置した芽含有部分であれば、ロール状に巻き取ることも可能であって、植え付け作業の完全自動化の道も開けてきて、この点でも、産業上の利用性への貢献が期待される。
11:種イモ
11a:芽 11b:芽含有部分
11c:切り出し面 11d:灰類を付着させた芽含有部分
13:灰類 15:育成場所
15a:植え溝 17:肥料
31:植え付け器具 41:作業者
51:収容容器 61:テープ状の支持部材
80:植え付け機 81:筒状部材
81a:第2開口部 81b:第1開口部
85:開閉支持部 87:開閉部材
87a:第1把持部 87b:第2把持部 87c:第1把持部の根元 89:開閉制御機構 89a:第1稼働部材
89b、89e、89d:回転支持部(第1〜第3の回転支持部)
89c:ハンドル部 89f:第2稼働部材
89g:弾性部材

Claims (8)

  1. ジャガイモの種イモの大きさに係わらず、芽含有部分を、当該芽含有部分の重量が2〜20gの範囲内の値になるように切り取る第1処理工程と、
    前記芽含有部分を育成場所に植え付ける第2処理工程と、
    を含むことを特徴とするジャガイモの植え付け方法。
  2. 前記第1処理工程において、前記芽含有部分1個の全表面積を100%としたときに、前記芽含有部分1個の切り取り面の合計面積を50〜99%の範囲内の値とする調整処理を含むことを特徴とする請求項1に記載のジャガイモの植え付け方法。
  3. 前記第1処理工程と、前記第2処理工程との間に、第3処理工程を設け、前記芽含有部分の切り取り面に、灰類又は消石灰を付着させることを特徴とする請求項1又は2に記載のジャガイモの植え付け方法。
  4. 前記第1処理工程と、前記第2処理工程との間、あるいは、前記第2処理工程と、前記第3処理工程との間に、第4処理工程を設け、前記芽含有部分と、当該芽含有部分を切り取った後のジャガイモ、あるいは、それ以外の炭水化物含有栄養分と、を混合し、球体、楕円球体、多角柱、円柱、円錐形、棒状、紐状、平板状の少なくとも一つの形状に加工することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のジャガイモの植え付け方法。
  5. 前記第1処理工程において、前記芽含有部分が、発芽状態であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のジャガイモの植え付け方法。
  6. 前記第2処理工程において、鉛直方向、又は鉛直方向に対して傾斜させた長尺パイプの中を通して、前記芽含有部分を、前記育成場所に植え付けることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のジャガイモの植え付け方法。
  7. 前記第2処理工程において、前記育成場所を覆う農業シートを介して、前記芽含有部分を、前記育成場所に植え付けることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のジャガイモの植え付け方法。
  8. 前記第2処理工程の後に、第5処理工程を設け、鉛直方向、又は鉛直方向に対して傾斜させた長尺パイプの中を通して、前記育成場所に、追肥することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のジャガイモの植え付け方法。
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