JP2021068869A - 基板処理方法及び基板処理システム - Google Patents

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隼斗 田之上
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Abstract

【課題】基板同士が接合された重合基板において、第1の基板の周縁部を適切に除去する。【解決手段】第1の基板と第2の基板が接合された重合基板を処理する方法であって、第1の基板の除去対象の周縁部Weと、第1の基板の中央部の境界に沿って周縁改質層を形成することと、周縁部における第1の基板と第2の基板の接合強度を弱める未接合領域Aeを形成することと、周縁改質層を基点に周縁部を除去することと、を含む。未接合領域の形成においては、レーザ光の照射により重合基板の内部に改質層を形成し、当該改質層により第1の基板と第2の基板の接合強度を低下させる第1の剥離領域と、レーザ光の照射により蓄積される内部応力により第1の基板と第2の基板とを剥離し、当該剥離により第1の基板と第2の基板の接合強度を低下させる第2の剥離領域とを、径方向において交互に形成する。【選択図】図8

Description

本開示は、基板処理方法及び基板処理システムに関する。
特許文献1には、ウェハの一方の面側から外周縁より所定量内側の位置で外周縁に沿ってレーザ光線を照射し、ウェハの外周部を除去する工程と、外周部が除去されたウェハの被研削面を研削して所定の仕上がり厚さに形成する工程と、を含むウェハの研削方法が開示されている。特許文献1に記載の研削方法によれば、ウェハの外周縁にナイフエッジを生ずることなくウェハを所定の厚さに研削することができる。
特開2006−108532号公報
本開示にかかる技術は、基板同士が接合された重合基板において、第1の基板の周縁部を適切に除去する。
本開示の一態様は、第1の基板と第2の基板が接合された重合基板を処理する方法であって、前記第1の基板の除去対象の周縁部と、前記第1の基板の中央部の境界に沿って周縁改質層を形成することと、前記周縁部における前記第1の基板と前記第2の基板の接合強度を弱める未接合領域を形成することと、前記周縁改質層を基点に前記周縁部を除去することと、を含み、前記未接合領域の形成においては、レーザ光の照射により前記重合基板の内部に改質層を形成し、当該改質層により前記第1の基板と前記第2の基板の接合強度を低下させる第1の剥離領域と、前記レーザ光の照射により蓄積される内部応力により前記第1の基板と前記第2の基板とを剥離し、当該剥離により前記第1の基板と前記第2の基板の接合強度を低下させる第2の剥離領域とを、径方向において交互に形成する。
本開示によれば、基板同士が接合された重合基板において、第1の基板の周縁部を適切に除去することができる。
ウェハ処理システムにおいて処理される重合ウェハの構成の一例を示す説明図である。 ウェハ処理システムの構成の一例を模式的に示す平面図である。 ウェハ処理の主な工程の一例を示すフロー図である。 ウェハ処理の主な工程の一例を示す説明図である。 ウェハ処理の主な工程の一例を示す説明図である。 第1のウェハの内部に発生する応力による影響の説明図である。 未接合領域の形成の様子を示す説明図である。 本実施形態にかかる未接合領域の形成の様子の一例を示す説明図である。 周縁改質層から伸展するクラックの効果を示す説明図である。 周縁改質層からクラックを伸展させる他の例を示す説明図である。 第1のウェハの分離の他の方法の一例を示す説明図である。
近年、半導体デバイスの製造工程においては、基板同士が接合された重合基板において、表面に複数の電子回路等のデバイスが形成された半導体基板(以下、「ウェハ」という。)に対し、当該ウェハの裏面を研削して、ウェハを薄化することが行われている。
ところで、通常、ウェハの周縁部は面取り加工がされているが、上述したようにウェハに研削処理を行うと、ウェハの周縁部が鋭く尖った形状(いわゆるナイフエッジ形状)になる。そうすると、ウェハの周縁部でチッピングが発生し、ウェハが損傷を被るおそれがある。そこで、研削処理前に予めウェハの周縁部を削る、いわゆるエッジトリムが行われている。
上述した特許文献1に記載の研削方法は、ウェハ(第1のウェハ)の外周部にこのナイフエッジ形状が形成されるのを抑制するための研削方法である。しかしながら特許文献1に記載の方法で第2のウェハに接合された第1のウェハのエッジトリム(外周部の除去)を行う場合、当該外周部が第2のウェハと接合された状態であるため、適切に外周部を除去できない場合があった。具体的には、例えば外周部の一部が第1のウェハから適切に剥離されずに残存し、第1のウェハの裏面に傷を形成したり、装置を故障させる原因となったりする場合があった。したがって、従来のエッジトリムには改善の余地がある。
そこで本発明者らは、エッジトリムによる除去対象としての周縁部において、第1のウェハと第2のウェハとの接合強度が低下された領域(以下、「未接合領域」という。)を形成することで、より適切に周縁部を剥離できることを見出した。かかる未接合領域は、例えば第1のウェハと第2のウェハとの界面にレーザ光を照射することにより形成される。なお、未接合領域が形成される「界面」とは、第1のウェハと第2のウェハの接合界面には限られない。
しかしながら、この未接合領域の形成においては、上述のように第1のウェハと第2のウェハとの界面に処理が行われるため、加工による応力がこれらウェハの内部に蓄積される。そして、このようにウェハの内部に応力が蓄積された場合、当該応力により界面には剥離方向に力が作用し、これにより第1のウェハと第2のウェハとの剥離が径方向へと意図せずに進行する場合がある。このように意図せずに剥離が進行し、かかる剥離した部分に未接合領域を形成するためのレーザ光が照射された場合、当該レーザ光が所望の位置に集光されずに未接合領域を適切に形成できなくなる。そして、このように未接合領域が適切に形成できなくなると、エッジトリムの品質や後工程におけるウェハ研削後の品質が悪化してしまう場合がある。
そこで本開示にかかる技術は、基板同士が接合された重合基板において、第1の基板の周縁部を適切に除去する。以下、本実施形態にかかる基板処理システムとしてのウェハ処理システム、及び基板処理方法としてのウェハ処理方法ついて、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施形態にかかる後述のウェハ処理システム1では、図1に示すように第1の基板としての第1のウェハW1と第2の基板としての第2のウェハW2とが接合された重合基板としての重合ウェハTに対して処理を行う。そしてウェハ処理システム1では、第1のウェハW1の周縁部Weを除去しつつ、当該第1のウェハW1を薄化する。以下、第1のウェハW1において、第2のウェハW2に接合された面を表面W1aといい、表面W1aと反対側の面を裏面W1bという。同様に、第2のウェハW2において、第1のウェハW1に接合された面を表面W2aといい、表面W2aと反対側の面を裏面W2bという。
第1のウェハW1は、例えばシリコン基板等の半導体ウェハであって、表面W1aに複数のデバイスを含むデバイス層Dが形成されている。デバイス層Dにはさらに、表面膜Fが形成され、当該表面膜Fを介して第2のウェハW2と接合されている。表面膜Fとしては、例えば酸化膜(SiO膜、TEOS膜)、SiC膜、SiCN膜又は接着剤などが挙げられる。なお、第1のウェハW1の周縁部Weは面取り加工がされており、周縁部Weの断面はその先端に向かって厚みが小さくなっている。また、周縁部Weは後述のエッジトリムにおいて除去される部分であり、例えば第1のウェハW1の外端部から径方向に0.5mm〜3mmの範囲である。
第2のウェハW2は、例えば第1のウェハW1と同様の構成を有しており、表面W2aにはデバイス層D及び表面膜Fが形成され、周縁部は面取り加工がされている。なお、第2のウェハW2はデバイス層Dが形成されたデバイスウェハである必要はなく、例えば第1のウェハW1を支持する支持ウェハであってもよい。かかる場合、第2のウェハW2は第1のウェハW1の表面W1aのデバイス層Dを保護する保護材として機能する。
なお、本実施形態のウェハ処理システム1では、重合ウェハTにおける第1のウェハW1を、表面W1a側と裏面W1b側とに分離することにより薄化する。以下の説明においては、分離された表面W1a側の第1のウェハW1を第1の分離ウェハWd1といい、分離された裏面W1b側の第1のウェハW1を第2の分離ウェハWd2という。第1の分離ウェハWd1はデバイス層Dを有し製品化される。第2の分離ウェハWd2は再利用される。なお、第1の分離ウェハWd1は第2のウェハW2と接合された状態の第1のウェハW1を指し、第2のウェハW2を含めて第1の分離ウェハWd1という場合がある。また、第1の分離ウェハWd1及び第2の分離ウェハWd2において分離された面をそれぞれ分離面という場合がある。
図2に示すようにウェハ処理システム1は、搬入出ステーション2と処理ステーション3を一体に接続した構成を有している。搬入出ステーション2は、例えば外部との間で複数の重合ウェハT、複数の第1の分離ウェハWd1、複数の第2の分離ウェハWd2をそれぞれ収容可能なカセットCt、Cw1、Cw2がそれぞれ搬入出される。処理ステーション3は、重合ウェハTに対して所望の処理を施す各種処理装置を備えている。
なお、本実施形態では、カセットCtとカセットCw1を別々に設けたが、同じカセットとしてもよい。すなわち、処理前の重合ウェハTを収容するカセットと、処理後の第1の分離ウェハWd1を収容するカセットとを共通に用いてもよい。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。図示の例では、カセット載置台10には、複数、例えば3つのカセットCt、Cw1、Cw2をY軸方向に一列に載置自在になっている。なお、カセット載置台10に載置されるカセットCt、Cw1、Cw2の個数は、本実施形態に限定されず、任意に決定することができる。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10のX軸負方向側において、当該カセット載置台10に隣接してウェハ搬送装置20が設けられている。ウェハ搬送装置20は、Y軸方向に延伸する搬送路21上を移動自在に構成されている。また、ウェハ搬送装置20は、重合ウェハTを保持して搬送する、例えば2つの搬送アーム22、22を有している。各搬送アーム22は、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸周りに移動自在に構成されている。なお、搬送アーム22の構成は本実施形態に限定されず、任意の構成を取り得る。そして、ウェハ搬送装置20は、カセット載置台10のカセットCt、Cw1、Cw2、及び後述するトランジション装置30に対して、重合ウェハTを搬送可能に構成されている。
搬入出ステーション2には、ウェハ搬送装置20のX軸負方向側において、当該ウェハ搬送装置20に隣接して、重合ウェハTを受け渡すためのトランジション装置30が設けられている。
処理ステーション3には、例えば3つの処理ブロックG1〜G3が設けられている。第1の処理ブロックG1、第2の処理ブロックG2、及び第3の処理ブロックG3は、X軸正方向側(搬入出ステーション2側)から負方向側にこの順で並べて配置されている。
第1の処理ブロックG1には、エッチング装置40、洗浄装置41、及びウェハ搬送装置50が設けられている。エッチング装置40と洗浄装置41は、積層して配置されている。なお、エッチング装置40と洗浄装置41の数や配置はこれに限定されない。例えば、エッチング装置40と洗浄装置41はそれぞれX軸方向に並べて載置されていてもよい。さらに、これらエッチング装置40と洗浄装置41はそれぞれ積層されていてもよい。
エッチング装置40は、後述する加工装置80で研削された第1のウェハW1の研削面をエッチング処理する。例えば、研削面に対して薬液(エッチング液)を供給し、当該研削面をウェットエッチングする。薬液には、例えばHF、HNO、HPO、TMAH、Choline、KOHなどが用いられる。
洗浄装置41は、後述する加工装置80で研削された第1のウェハW1の研削面を洗浄する。例えば研削面にブラシを当接させて、当該研削面をスクラブ洗浄する。なお、研削面の洗浄には、加圧された洗浄液を用いてもよい。また、洗浄装置41は、第1のウェハW1の研削面と共に、第2のウェハW2の裏面W2bを洗浄する構成を有していてもよい。
ウェハ搬送装置50は、例えばエッチング装置40と洗浄装置41のY軸負方向側に配置されている。ウェハ搬送装置50は、重合ウェハTを保持して搬送する、例えば2つの搬送アーム51、51を有している。各搬送アーム51は、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸周りに移動自在に構成されている。なお、搬送アーム51の構成は本実施形態に限定されず、任意の構成を取り得る。そして、ウェハ搬送装置50は、トランジション装置30、エッチング装置40、洗浄装置41、後述する界面改質装置60、後述する内部改質装置61及び後述する周縁除去装置62に対して、重合ウェハTを搬送可能に構成されている。
第2の処理ブロックG2には、第2改質部としての界面改質装置60、第1改質部及び第3改質部としての内部改質装置61、除去部としての周縁除去装置62及びウェハ搬送装置70が設けられている。界面改質装置60、内部改質装置61及び周縁除去装置62は、積層して配置されている。なお、界面改質装置60、内部改質装置61及び周縁除去装置62の数や配置はこれに限定されない。例えば、界面改質装置60、内部改質装置61及び周縁除去装置62はそれぞれX軸方向に並べて載置されていてもよい。さらに、これら界面改質装置60、内部改質装置61及び周縁除去装置62はそれぞれ、積層されていてもよい。
界面改質装置60は、例えば第1のウェハW1のデバイス層Dの外周部にレーザ光(界面用レーザ光、例えばCOレーザ)を照射し、当該デバイス層Dの外周部を改質する。より具体的には、除去対象としての第1のウェハW1の周縁部Weにおける第1のウェハW1とデバイス層Dの界面を改質する。これにより、第1のウェハW1の周縁部Weには、第1のウェハW1と第2のウェハW2との接合強度が低下された未接合領域Aeが形成される。
内部改質装置61は、第1のウェハW1の内部にレーザ光(内部用レーザ光、例えばYAGレーザ)を照射し、周縁改質層M1、分割改質層M2及び内部面改質層M3を形成する。周縁改質層M1は、後述のエッジトリムにおいて周縁部Weを剥離する際の基点となるものである。分割改質層M2は、除去される周縁部Weを小片化するための基点となるものである。内部面改質層M3は、第1のウェハW1を第1の分離ウェハWd1と第2の分離ウェハWd2に分離する際の基点となるものである。
周縁除去装置62は、内部改質装置61において形成された周縁改質層M1及び分割改質層M2を基点として、第1のウェハW1の周縁部Weの除去、すなわちエッジトリムを行う。エッジトリムの方法は、任意に選択することができる。
ウェハ搬送装置70は、例えば界面改質装置60、内部改質装置61及び周縁除去装置62のY軸正方向側に配置されている。ウェハ搬送装置70は、重合ウェハTを図示しない吸着保持面により吸着保持して搬送する、例えば2つの搬送アーム71、71を有している。各搬送アーム71は、多関節のアーム部材72に支持され、水平方向、鉛直方向、水平軸回り及び鉛直軸周りに移動自在に構成されている。なお、搬送アーム71の構成は本実施形態に限定されず、任意の構成を取り得る。そして、ウェハ搬送装置70は、エッチング装置40、洗浄装置41、界面改質装置60、内部改質装置61、周縁除去装置62及び後述する加工装置80に対して、重合ウェハTを搬送可能に構成されている。
第3の処理ブロックG3には、加工装置80が設けられている。なお、加工装置80の数や配置は図示の例に限定されず、複数の加工装置80が任意に配置されていてもよい。
加工装置80は、回転テーブル81を有している。回転テーブル81は、回転機構(図示せず)によって、鉛直な回転中心線82を中心に回転自在に構成されている。回転テーブル81上には、重合ウェハTを吸着保持するチャック83が2つ設けられている。チャック83は、回転テーブル81と同一円周上に均等に配置されている。2つのチャック83は、回転テーブル81が回転することにより、受渡位置A0及び加工位置A1に移動可能になっている。また、2つのチャック83はそれぞれ、回転機構(図示せず)によって鉛直軸回りに回転可能に構成されている。
受渡位置A0では、重合ウェハTの受け渡しが行われる。加工位置A1には、研削ユニット84が配置され、第1のウェハW1を研削する。研削ユニット84は、環状形状で回転自在な研削砥石(図示せず)を備えた研削部85を有している。また、研削部85は、支柱86に沿って鉛直方向に移動可能に構成されている。そして、チャック83に保持された重合ウェハTに研削砥石に当接させた状態で、チャック83と研削砥石をそれぞれ回転させる。
以上のウェハ処理システム1には、制御部としての制御装置90が設けられている。制御装置90は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、ウェハ処理システム1における重合ウェハTの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、ウェハ処理システム1における後述のウェハ処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、当該記憶媒体Hから制御装置90にインストールされたものであってもよい。
次に、以上のように構成されたウェハ処理システム1を用いて行われるウェハ処理について説明する。なお、本実施形態では、ウェハ処理システム1の外部の接合装置(図示せず)において、第1のウェハW1と第2のウェハW2が接合され、予め重合ウェハTが形成されている。
先ず、図4(a)に示す重合ウェハTを複数収納したカセットCtが、搬入出ステーション2のカセット載置台10に載置される。
次に、ウェハ搬送装置20によりカセットCt内の重合ウェハTが取り出され、トランジション装置30に搬送される。
続けて、ウェハ搬送装置50により、トランジション装置30の重合ウェハTが取り出され、内部改質装置61に搬送される。内部改質装置61では、図4(b)に示すように第1のウェハW1の内部にレーザ光を照射し、周縁改質層M1と分割改質層M2を順次形成する(図3のステップS1)。なお、図示の煩雑さを回避するため、図4(b)以降の図面においては、分割改質層M2の図示を省略している。
周縁改質層M1の形成にあたっては、重合ウェハT(第1のウェハW1)を回転させながら、レーザヘッド(図示せず)から第1のウェハW1の内部にレーザ光を周期的に照射する。これにより、周縁改質層M1は接合領域Ac(未接合領域Ae)と同心円状の環状に形成される。なお、第1のウェハW1の厚み方向における周縁改質層M1の形成数は図示の例には限定されず、任意に決定できる。
ここで周縁改質層M1の形成位置は、例えば第1のウェハW1の端部や中心位置を基準として、界面改質装置60において後に形成される未接合領域Aeの内端よりも若干径方向内側に決定される。周縁改質層M1は、接合領域Acと未接合領域Aeとの境界(以下、単に「境界」という。)と重なる位置に形成されることが理想であるが、例えば加工誤差などにより周縁改質層M1がずれて形成される場合がある。そして、これにより周縁改質層M1が境界から径方向外側に離れた位置、すなわち未接合領域Aeに形成されると、周縁部Weが除去された後に第2のウェハW2に対して第1のウェハW1が浮いた状態になってしまう場合がある。そして、このように第1のウェハW1が浮いた状態となった場合、以降のウェハ処理やウェハ搬送において第1のウェハW1のエッジが欠け、コンタミネーションを発生する原因となり得る。
この点、周縁改質層M1を境界よりも径方向内側に形成するように制御することにより、例えば加工誤差により形成位置がずれたとしても、境界と重なる位置、または境界よりも径方向内側であっても当該境界に近接した位置に周縁改質層M1を形成することができ、境界から径方向外側に離れた位置に周縁改質層M1が形成されるのを抑制できる。
なお、第1のウェハW1の内部には、周縁改質層M1から厚み方向(以下、「上下方向」という場合があり、第1のウェハW1の裏面W1b側を「上方」、表面W1a側を「下方」とする。)にクラックC1が伸展する。周縁改質層M1から上方に伸展するクラックC1は、例えば第1のウェハW1の裏面W1bに到達させる。また、下方に伸展するクラックC1は、当該クラックC1の下端が、少なくとも後に形成される未接合領域Aeの内側端部(以下、「内端」という。)よりも下方に位置するように、クラックC1の伸展を制御する。クラックC1の伸展は、例えば第1のウェハW1の厚み方向における周縁改質層M1の形成位置を調節することにより、または、例えば周縁改質層M1の形成時におけるレーザ光の出力やぼかし具合を調節することにより制御される。
周縁改質層M1が形成されると、レーザヘッド(図示せず)を移動させて、周縁改質層M1の径方向外側に、第1のウェハW1の径方向に延伸する分割改質層M2を形成する。なお、図1及び図4(b)の例においては、分割改質層M2は第1のウェハW1の円周方向に8箇所、厚み方向に3箇所形成されているが、この分割改質層M2の数は任意である。
周縁改質層M1と分割改質層M2が形成された重合ウェハTは、次に、ウェハ搬送装置70により界面改質装置60に搬送される。界面改質装置60では、図4(c)に示すように第1のウェハW1とデバイス層Dの界面にレーザ光を照射し、当該界面を改質する(図3のステップS2)。
ステップS2において第1のウェハW1とデバイス層Dの界面を改質すると第1のウェハW1と第2のウェハW2の接合強度が低下する。これにより第1のウェハW1とデバイス層Dの界面には、第1のウェハW1と第2のウェハW2とが接合された接合領域Acと、接合領域Acの径方向外側で接合強度が低下した領域である未接合領域Aeとが形成される。後述するエッジトリムにおいては、除去対象である第1のウェハW1の周縁部Weが除去されるが、このように未接合領域Aeが存在することで、かかる周縁部Weの除去を適切に行うことができる。
ここで、未接合領域Aeの形成にあたっては、第1のウェハW1とデバイス層Dとの界面に処理が行われるため、加工による応力σがウェハの内部に蓄積される。そして、このようにウェハの内部に応力σが蓄積された場合、図6に示すように当該応力σにより界面の剥離方向に力が作用し、第1のウェハW1と第2のウェハW2との剥離が径方向に向けて意図せずに進行する場合がある。
未接合領域Aeは、レーザヘッド(図示せず)と第1のウェハW1(重合ウェハT)とを相対的に回転させながら、レーザヘッドから第1のウェハW1の内部にレーザ光を周期的に照射することで、図7の示すように、平面視において複数の改質層Mが隣接するように連続的に形成することで形成される。しかしながら、レーザ光が既に前記応力により剥離が進行している位置に照射された場合、当該レーザ光が所望の位置(例えば第1のウェハW1とデバイス層Dとの界面)に集光されず、適切に未接合領域Aeを形成できなくなる。
そこで本実施形態においては、図4(c)及び図8に示すように、周縁改質層M1の径方向外側において、第1の剥離領域としての改質領域R1と、第2の剥離領域としての自然剥離領域R2とを、径方向において交互に形成する。改質領域R1は、レーザ光の照射により第1のウェハW1とデバイス層Dとの界面に改質層Mを形成することで直接的に接合強度を低下させる領域である。自然剥離領域R2は、改質領域R1の形成時にウェハの内部に蓄積される応力σによる自然剥離により接合強度を低下させる領域である。換言すれば、第1のウェハW1と第2のウェハW2とが既に剥離された部分に対してはレーザ光を照射しないように、レーザ光を照射する領域である改質領域R1と、レーザ光を照射しない自然剥離領域R2とを交互に配置する。
なお、改質領域R1における界面の「改質」とは、第1のウェハW1と第2のウェハW2との接合強度を低下させる処理のこといい、例えばレーザ光の照射による当該界面の剥離、除去、アモルファス化等を含むものとする。
改質領域R1の形成においては、例えばレーザヘッドと第1のウェハW1(重合ウェハT)とを相対的に回転させ、また、レーザヘッドを第1のウェハW1の径方向外側から内側に向けて移動させると共に、第1のウェハW1の内部にレーザ光を周期的に照射する。これにより改質領域R1は、面方向に沿って複数の改質層が平面視において螺旋状、または同心円の環状に配置されることで形成される。そして改質領域R1においてはレーザ光が照射された界面が改質され、これにより第1のウェハW1と第2のウェハW2の接合強度が低下する。
自然剥離領域R2は、径方向において改質領域R1と隣接する改質領域R1の間に形成される。改質領域R1の形成にあたっては、上述のようにウェハの内部に応力が蓄積され、かかる応力により径方向への剥離が進行するが、図8に示したように改質領域R1を間隔をあけて形成することにより、すなわち、自然剥離領域R2を形成することにより、当該自然剥離領域R2において応力による剥離が進行する。すなわち自然剥離領域R2においては応力により剥離が進行することにより、当該剥離界面を介して第1のウェハW1と第2のウェハW2とが縁切りされ、これにより接合強度が低下する。
なお、径方向における改質領域R1の形成間隔、すなわち自然剥離領域R2の形成幅は、第1のウェハW1と第2のウェハW2とが既に剥離された部分にレーザ光が照射されなければ、任意に設定することができる。例えば、図8に示したように径方向において改質層を複数周分並べて配置して改質領域R1を形成する場合には自然剥離領域R2の形成幅を100μm〜200μmとしてもよい。また例えば、改質層が1周分の環状に形成し、かかる1周の改質層からなる改質領域R1と自然剥離領域R2を交互に形成する場合には、自然剥離領域R2の形成幅を100μmよりも小さくしてもよい。
未接合領域Aeは、このように改質領域R1と自然剥離領域R2とを径方向に交互に配置することにより形成される。そしてこれにより内部応力は自然剥離領域R2において徐々に自然剥離が伸展する。またかかる自然剥離された領域に対してはレーザ光が照射されないように制御されるため、自然剥離により加工精度が悪化するのを抑制することができる。
なお、未接合領域Aeの形成にあたっては、上述のように内部応力による自然剥離により、剥離を意図していない領域、例えば除去対象である周縁部Weよりも径方向内側まで第1のウェハW1と第2のウェハW2の剥離が進行してしまう場合がある。そして、このように周縁部Weの径方向内側、すなわち接合領域Acまで剥離が進行した場合、上述のように周縁部Weが除去された後に第2のウェハW2に対して第1のウェハW1が浮いた状態になってしまう場合がある。
この点、本実施形態においては上述のように周縁改質層M1の形成により伸展するクラックC1を、少なくとも未接合領域Aeの形成位置よりも下方まで伸展させている。より具体的には、クラックC1を境に、周縁部Weを第1のウェハW1から縁切りしている。これにより、未接合領域Aeの形成にあたって内部応力により第1のウェハW1と第2のウェハW2の剥離が進行した場合であっても、図9に示すように、クラックC1により周縁部Weが縁切りされているため、剥離がクラックC1を跨いで進行することがない。すなわち、適切に周縁部Weの除去を行うことができ、周縁部Weが除去された後に第2のウェハW2に対して第1のウェハW1が浮いた状態となることが適切に抑制される。
なお、図示の例において未接合領域Aeは第1のウェハW1とデバイス層Dの界面に形成されたが、未接合領域Aeの形成位置は、重合ウェハTの内部であって、第1のウェハW1と第2のウェハW2の接合強度を低下できるものであればこれに限定されるものではない。例えば、未接合領域Aeは第2のウェハW2とデバイス層Dの界面に形成されてもよいし、例えば第1のウェハW1と第2のウェハW2とが実際に接合されるそれぞれの表面膜Fの界面に形成されてもよい。また未接合領域Aeは、例えば第2のウェハW2とデバイス層Dとの界面に形成される場合、反転された重合ウェハTの上方、すなわち、第2のウェハW2側からレーザ光を照射することにより形成してもよい。かかる場合であっても、未接合領域Aeよりも下方までクラックC1を進展させることにより、換言すれば、重合ウェハTの厚み方向における未接合領域Aeの形成高さにクラックC1が形成されていることで、内部応力による剥離が周縁部Weの径方向内側まで進行することを適切に抑制できる。なお、本実施形態において前述の「重合ウェハTの内部」とは、第1のウェハW1の内部、第2のウェハW2の内部、デバイス層Dまたは表面膜Fの内部及びそれぞれの界面を併せて「重合ウェハTの内部」というものとする。
またここで、後のエッジトリム処理において、未接合領域Aeを境とする周縁部Weの除去を効果的に促進するためには、界面用レーザ光の波長が8.9μm〜11μmの波長帯を有することが好ましい。具体的には、例えば表面膜FがSiO膜からなる場合、最も効率的に光を吸収するのは、吸収係数が最も大きい非対称伸縮ピークであることが知られており、かかる非対称伸縮ピークで光を吸収させるためには、レーザ光の波長が8.9μm〜11μmの間にあることが好ましい。
本実施形態において界面用レーザ光として使用されるCOレーザは、8.9μm〜11μmの波長帯に多くの発振線を有している。すなわち、上記事情を鑑みて、SiO膜からなる表面膜Fに未接合領域Aeを形成するには、界面用レーザ光としてCOレーザを使用することが好ましく、より適切には、波長が9.3μm程度のCOレーザ光であることが望ましい。
未接合領域Aeが形成された重合ウェハTは、ウェハ搬送装置70により、再度、内部改質装置61に搬送される。内部改質装置61では、図4(d)に示すように第1のウェハW1の内部に内部面改質層M3が形成される(図3のステップS3)。
内部面改質層M3の形成にあたっては、重合ウェハT(第1のウェハW1)を回転させながらレーザヘッド(図示せず)からレーザ光を周期的に照射するとともに、レーザヘッドを第1のウェハW1の径方向内側に相対的に移動させる。これにより、第1のウェハW1の内部には、面方向に沿って全面に内部面改質層M3が形成される。なお、第1のウェハW1の内部には、内部面改質層M3から面方向にクラックC2が伸展する。前述のように周縁部WeはクラックC1により第1のウェハW1から縁切りされているため、クラックC2は周縁改質層M1の径方向内側のみに伸展する。
また、形成される内部面改質層M3の下端は、分離後の第1の分離ウェハWd1の最終仕上げ処理後の表面より上方に位置している。すなわち、分離後の第1の分離ウェハWd1に内部面改質層M3が残らないように形成位置が調節される。
またここで、ステップS1において形成される周縁改質層M1の下端は、内部面改質層M3よりも上方に位置していることが望ましい。周縁改質層M1の下端が内部面改質層M3よりも下方に位置する場合、エッジトリムの品質が低下するおそれがある。具体的には、例えば周縁改質層M1が分離後の第1の分離ウェハWd1の最終仕上げ処理後の表面や側面に残ることにより、仕上げ面が粗れてしまうおそれがある。かかる観点から、第1の分離ウェハWd1の最終仕上げ面上に周縁改質層M1が残さないようにするため、周縁改質層M1の下端は、内部面改質層M3よりも上方に位置することが好ましい。
第1のウェハW1の内部に内部面改質層M3が形成されると、次に、ウェハ搬送装置70によって重合ウェハTが内部改質装置61から周縁除去装置62へと搬送される。
周縁除去装置62においては、図5(a)に示すように、周縁改質層M1(クラックC1)及び未接合領域Aeを基点に、第1のウェハW1の周縁部Weが除去される(図3のステップS4)。
周縁部Weの除去にあたっては、重合ウェハTを形成する第1のウェハW1と第2のウェハW2との界面に、例えばくさび形状からなる挿入部材としてのブレードを挿入してもよい。これにより、周縁部Weの除去にあたってはブレード挿入時の衝撃により適切に周縁部Weが周縁改質層M1を基点に剥離される。また、かかる場合、上述の未接合領域Aeの形成時において自然剥離領域R2の剥離が進行していなかった場合であっても、当該ブレードの挿入時の衝撃により、適切に自然剥離を進行させ、未接合領域Aeにおける接合強度を低下させることができる。そしてこのように、未接合領域Aeにより第1のウェハW1と第2のウェハW2の接合強度が低下しているため、周縁部Weが適切に除去される。
第1のウェハW1の周縁部Weが除去された重合ウェハTは、次に、ウェハ搬送装置70によって周縁除去装置62から加工装置80へと搬送される。加工装置80では、先ず、図5(b)に示すように内部面改質層M3(クラックC2)を基点に、第1のウェハW1が第1の分離ウェハWd1と第2の分離ウェハWd2とに分離される(図3のステップS5)。
第1のウェハW1の分離にあたっては、第1のウェハW1の裏面W1bを搬送アーム71で吸着保持し、また第2のウェハW2の裏面W2bをチャック83で吸着保持した状態で、搬送アーム71を上昇させる。これにより第1のウェハW1は内部面改質層M3を基点として第1の分離ウェハWd1と第2の分離ウェハWd2とに分離され、第2の分離ウェハWd2が搬送アーム71に保持された状態で上方に持ち上げられる。
なお、分離された第2の分離ウェハWd2は、例えば受渡位置A0上に載置して搬送アーム71の吸着保持面により吸引吸着した後、ウェハ処理システム1の外部に回収される。また例えば、搬送アーム71の可動範囲内に回収部(図示せず)を設け、当該回収部において第2の分離ウェハWd2の吸着保持を解除することで、分離された第2の分離ウェハWd2を回収してもよい。
また、本実施形態では、搬送アーム71の上昇により第1のウェハW1を分離したが、搬送アーム71を回転させることにより内部面改質層M3を境界に第2の分離ウェハWd2を縁切りした後、搬送アーム71を上昇させてもよい。また例えば、搬送アーム71に圧力センサ(図示せず)を設け、第2の分離ウェハWd2を吸引する圧力を測定することで、第2の分離ウェハWd2の有無を検知して、第1のウェハW1が分離されたか否かを確認してもよい。
続いて、チャック83を加工位置A1に移動させる。そして、研削ユニット84によって、図5(c)に示すようにチャック83に保持された分離後の重合ウェハT、すなわち第1の分離ウェハWd1の分離面を研削し、当該分離面に残る周縁改質層M1と内部面改質層M3を除去する(図3のステップS6)。ステップS6では、分離面に研削砥石を当接させた状態で、重合ウェハT(第1の分離ウェハWd1)と研削砥石をそれぞれ回転させ、分離面を研削する。なおその後、洗浄液ノズル(図示せず)を用いて、第1の分離ウェハWd1の研削面が洗浄液によって洗浄されてもよい。
次に、重合ウェハTはウェハ搬送装置70により洗浄装置41に搬送される。洗浄装置41では第1の分離ウェハWd1の研削面である研削面がスクラブ洗浄される(図3のステップS7)。なお、洗浄装置41では、第1の分離ウェハWd1の研削面と共に、第2のウェハW2の裏面W2bが洗浄されてもよい。
次に、重合ウェハTはウェハ搬送装置50によりエッチング装置40に搬送される。エッチング装置40では第1の分離ウェハWd1の研削面が薬液によりウェットエッチングされる(図3のステップS8)。上述した加工装置80で研削された研削面には、研削痕が形成される場合がある。本ステップS8では、ウェットエッチングすることによって研削痕を除去でき、研削面を平滑化することができる。
その後、すべての処理が施された重合ウェハTは、ウェハ搬送装置50によりトランジション装置30に搬送され、さらにウェハ搬送装置20によりカセット載置台10のカセットCw1に搬送される。こうして、ウェハ処理システム1における一連のウェハ処理が終了する。
以上の実施形態によれば、第1のウェハW1の外周部において改質領域R1と自然剥離領域R2とを径方向に交互に形成することにより、適切に周縁部Weを剥離するための未接合領域Aeを形成することができる。具体的には、改質領域R1の形成により蓄積される内部応力は、自然剥離領域R2における自然亀裂の進展により解放され、かかる自然亀裂に対してはレーザ光が照射されないように改質領域R1の形成が制御されるため、適切に未接合領域Aeを形成できる。そしてこれにより、適切に周縁部Weを第1のウェハW1から除去(剥離)することができる。
なお、未接合領域Aeの形成にあたっては、改質領域R1の形成幅及び自然剥離領域R2の形成幅を予め決定し、あらかじめ定められた形成幅に基づいて改質領域R1及び自然剥離領域R2を制御してもよい。また、改質領域R1の形成時において伸展する自然剥離を検知し、検知された剥離範囲においてはレーザ光を照射しないように制御を行ってもよい。
また、本実施形態によれば、周縁改質層M1から伸展するクラックC1の下端を少なくとも未接合領域Aeよりも下方まで伸展させるため、未接合領域Aeが当該クラックC1よりも径方向内側に、すなわち周縁部Weよりも径方向内側に到達するのを適切に抑制できる。そしてこれにより、第1のウェハW1から周縁部Weが適切に除去され、また、周縁部Weの除去後の第1のウェハW1において、当該第1のウェハW1が第2のウェハW2に対して浮いた状態になるのを適切に抑制できる。
また、このように周縁部Weが適切に除去され、また第1のウェハW1が浮いた状態となることが抑制されるため、後のウェハ処理におけるチッピングやパーティクルの発生が抑制され、重合ウェハTや各種処理装置の損傷を適切に抑制することができる。
なお、未接合領域Aeに形成される改質領域R1は、適切に当該未接合領域Aeを形成することができれば、上述のように任意の方法に形成することができる。すなわち、改質領域R1は、複数の改質層を螺旋状に配置することにより形成してもよいし、複数の改質層を環状に形成して径方向に並べて配置してもよい。また、径方向に並べて配置される改質層の数も任意に決定することができ、1つの改質領域において複数周の改質層を並べて配置してもよいし、1つの改質領域においては1周分の改質層のみが配置されてもよい。
また、上記実施形態においては未接合領域Aeを形成する改質領域R1及び自然剥離領域R2は第1のウェハW1の径方向外側から内側に向けて順次形成したが、径方向内側から外側に向けて順次形成してもよい。
なお、上記実施形態においてはクラックC1を未接合領域Aeの下方まで伸展させることで周縁部Weと第1のウェハW1とを縁切りし、未接合領域Aeが周縁部Weの径方向内側まで形成されるのを抑制したが、クラックC1の伸展方法も上記実施例には限定されない。例えば、図10(a)に示すように、クラックC1の下端が未接合領域Aeよりも上方、未接合領域Aeの内端(より具体的には自然剥離部分の内端)が周縁改質層M1よりも径方向外側に配置されてもよい。これにより、周縁部Weの剥離においては図10(b)に示すようにクラックC1と未接合領域Ae内端とが他のクラックC3により連結され、第1のウェハW1の全周にわたって周縁部Weを適切に除去することができる。
なお、上述の実施形態においては第1のウェハW1の内部に周縁改質層M1を形成(図3のステップS1)した後に、第1のウェハW1とデバイス層Dの界面に未接合領域Aeを形成(図3のステップS2)したが、ウェハ処理工程の順序はこれに限定されない。すなわち、例えば第1のウェハW1とデバイス層Dの界面に未接合領域Aeを形成した後、当該未接合領域Aeの内端よりも径方向内側において周縁改質層M1を形成するようにしてもよい。
なお、このように未接合領域Aeを周縁改質層M1に先立って形成する場合には、未接合領域Aeの内端が、後に形成される周縁改質層M1の形成位置よりも径方向外側に位置するように、未接合領域Aeの形成領域が制御される。より具体的には、未接合領域Aeの形成により蓄積される内部応力の影響により剥離される範囲が、周縁改質層M1の形成位置よりも径方向外側となるように、未接合領域Aeの形成領域が制御される。
なお、上述の実施形態においてはウェハ処理システム1に設けられた界面改質装置60において未接合領域Aeを形成したが、未接合領域Aeはウェハ処理システム1の外部において形成してもよい。また、第2のウェハW2と接合前の第1のウェハW1に未接合領域Aeを形成してもよい。なお、ここで、接合前の第1のウェハW1に表面膜Fの表面に未接合領域Aeを形成する場合、当該未接合領域Aeの形成時において第1のウェハW1の内部に応力が蓄積されることが抑制されるため、内部応力により周縁部Weの径方向内側まで剥離が進行するのを抑制できる。
なお、上記の実施形態においては、周縁改質層M1から上方に伸展するクラックC1を第1のウェハW1の裏面W1bまで到達させたが、図11(a)に示すように、クラックC1を裏面W1bまで到達させず、内部面改質層M3から面方向に伸展するクラックC2と連結させてもよい。かかる場合、第1のウェハW1の分離においては、図11(b)に示すように第2の分離ウェハWd2は周縁部Weと一体に分離される。すなわち周縁部Weの除去と第1のウェハW1の分離が同時に行われる。なお、このように第2の分離ウェハWd2と周縁部Weとを一体に分離する場合には、上述の実施形態における図3のステップS1において、分割改質層M2は形成しなくてもよい。
また、上記実施形態においては、第1のウェハW1の内部に内部面改質層M3を形成することにより、当該内部面改質層M3を基点として第1のウェハW1を分離(薄化)したが、第1のウェハW1の薄化方法はこれに限定されない。例えば、重合ウェハTに未接合領域Ae、周縁改質層M1及び分割改質層M2を形成し、第1のウェハW1の周縁部Weを除去した後、加工装置80における研削処理により第1のウェハW1を薄化してもよい。
なお、上記実施形態においては第1のウェハW1とデバイス層Dの界面に未接合領域Aeを形成した後、周縁改質層M1と分割改質層M2を形成した内部改質装置61に再度重合ウェハTを搬入し、内部面改質層M3を形成したが、内部面改質層M3は他の装置において形成されてもよい。すなわち、ウェハ処理システム1には、内部面改質層M3を形成するための第2の内部改質装置(図示せず)が更に設けられていてもよい。第2の内部改質装置は、例えば界面改質装置60及び周縁改質層M1を形成するための内部改質装置61と積層して配置することができる。かかる場合、当該第2の内部改質装置が、本開示の第3改質部に相当する。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
1 ウェハ処理システム
60 界面改質装置
61 内部改質装置
62 周縁除去装置
90 制御装置
Ae 未接合領域
M1 周縁改質層
R1 改質領域
R2 自然剥離領域
T 重合ウェハ
W1 第1のウェハ
W2 第2のウェハ
Wc 中心部
We 周縁部

Claims (18)

  1. 第1の基板と第2の基板が接合された重合基板を処理する方法であって、
    前記第1の基板の除去対象の周縁部と、前記第1の基板の中央部の境界に沿って周縁改質層を形成することと、
    前記周縁部における前記第1の基板と前記第2の基板の接合強度を弱める未接合領域を形成することと、
    前記周縁改質層を基点に前記周縁部を除去することと、を含み、
    前記未接合領域の形成においては、
    レーザ光の照射により前記重合基板の内部に改質層を形成し、当該改質層により前記第1の基板と前記第2の基板の接合強度を低下させる第1の剥離領域と、
    前記レーザ光の照射により蓄積される内部応力により前記第1の基板と前記第2の基板とを剥離し、当該剥離により前記第1の基板と前記第2の基板の接合強度を低下させる第2の剥離領域とを、径方向において交互に形成する、基板処理方法。
  2. 径方向における前記第2の剥離領域の形成幅は、100μm〜200μmである、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記周縁改質層から前記第2の基板に向けて亀裂を伸展させ、
    前記周縁改質層を、前記亀裂の下端が前記未接合領域よりも下方まで伸展するように形成する、請求項1または2に記載の基板処理方法。
  4. 前記周縁改質層から前記第2の基板に向けて亀裂を伸展させ、
    前記周縁改質層を、前記亀裂の下端が前記未接合領域よりも上方、かつ、前記未接合領域の内端が前記亀裂よりも径方向外側、となるように形成する、請求項1または2に記載の基板処理方法。
  5. 前記周縁部の内部にレーザ光を照射して前記第1の基板の径方向に延伸する複数の分割改質層を形成することを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  6. 前記第1の基板の面方向に沿って、前記第1の基板の分離の基点となる内部面改質層を形成することを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  7. 前記周縁改質層の下端が前記内部面改質層よりも上方となるように、前記周縁改質層を形成する、請求項6に記載の基板処理方法。
  8. 前記周縁部を、前記第1の基板の分離時において一体に除去する、請求項6または7に記載の基板処理方法。
  9. 前記第1の基板の裏面を研削することにより、前記第1の基板を薄化することを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  10. 第1の基板と第2の基板が接合された重合基板を処理する基板処理システムであって、
    前記第1の基板の除去対象の周縁部と、前記第1の基板の中央部の境界に沿って周縁改質層を形成する第1改質部と、
    前記周縁部における前記第1の基板と前記第2の基板の接合強度を弱める未接合領域を形成する第2改質部と、
    前記周縁改質層を基点に前記周縁部を除去する除去部と、
    前記第1改質部及び前記第2改質部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記未接合領域の形成時において、
    レーザ光の照射により前記重合基板の内部に改質層を形成し、当該改質層により前記第1の基板と前記第2の基板の接合強度を低下させる第1の剥離領域と、
    前記レーザ光の照射により蓄積される内部応力により前記第1の基板と前記第2の基板とを剥離し、当該剥離により前記第1の基板と前記第2の基板の接合強度を低下させる第2の剥離領域とを、径方向において交互に形成するように、前記第2改質部の動作を制御する、基板処理システム。
  11. 前記制御部は、径方向における前記第2の剥離領域の形成幅が、100μm〜200μmとなるように前記第2改質部の動作を制御する、請求項10に記載の基板処理システム。
  12. 前記制御部は、
    前記周縁改質層から前記第2の基板に向けて伸展する亀裂の下端が前記未接合領域よりも下方まで伸展するように、前記第1改質部の動作を制御する、請求項10または11に記載の基板処理システム。
  13. 前記制御部は、
    前記周縁改質層から前記第2の基板に向けて伸展する第1の亀裂の下端が前記未接合領域よりも上方、
    前記未接合領域の内端が前記第1の亀裂よりも径方向外側、にそれぞれ位置するように、前記第1改質部及び前記第2改質部の動作を制御する、請求項10または11に記載の基板処理システム。
  14. 前記制御部は、
    前記周縁部の内部にレーザ光を照射して前記第1の基板の径方向に延伸する複数の分割改質層を形成するように、前記第1改質部の動作を制御する、請求項10〜13のいずれか一項に記載の基板処理システム。
  15. 前記第1の基板の面方向に沿って、前記第1の基板の分離の基点となる内部面改質層を形成する第3改質部を備える、請求項10〜14のいずれか一項に記載の基板処理システム。
  16. 前記制御部は、前記周縁改質層の下端が前記内部面改質層よりも上方となるように、前記第3改質部の動作を制御する、請求項15に記載の基板処理システム。
  17. 前記制御部は、
    前記周縁部を前記第1の基板の分離時において一体に除去するように、前記第1改質部、前記第3改質部及び前記除去部の動作を制御する、請求項15または16に記載の基板処理システム。
  18. 研削砥石により前記第1の基板の裏面を研削することにより、前記第1の基板を薄化する研削部を備える、請求項10〜14のいずれか一項に記載の基板処理システム。
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