JP2021066945A - エンジン外装部品とその製造方法 - Google Patents
エンジン外装部品とその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021066945A JP2021066945A JP2019194923A JP2019194923A JP2021066945A JP 2021066945 A JP2021066945 A JP 2021066945A JP 2019194923 A JP2019194923 A JP 2019194923A JP 2019194923 A JP2019194923 A JP 2019194923A JP 2021066945 A JP2021066945 A JP 2021066945A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- iron
- based sintered
- sintered part
- engine exterior
- resin film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
- Manufacture Of Alloys Or Alloy Compounds (AREA)
Abstract
【課題】樹脂皮膜の外観が損なわれ難いとともに、鉄系焼結部品が腐食し難いエンジン外装部品とその製造方法の提供。【解決手段】鉄系焼結部品1と、鉄系焼結部品1内の空孔2に補填された四酸化三鉄の補填物3と、鉄系焼結部品1を外側から覆う樹脂皮膜4を備えている、エンジン外装部品。樹脂皮膜4の塗装工程の前工程として、加熱状態で鉄系焼結部品1に水蒸気を反応させる水蒸気処理工程を備え、水蒸気処理工程で鉄系焼結部品1内の空孔2に四酸化三鉄の補填物3を補填する、エンジン外装部品の製造方法。【選択図】図1
Description
本発明は、エンジン外装部品とその製造方法に関し、詳しくは、樹脂皮膜の外観が損なわれ難いとともに、鉄系焼結部品が腐食し難いエンジン外装部品とその製造方法に関する。
従来、エンジン外装部品の一種である入力レバー(例えば、特許文献1参照) で、鉄系焼結部品が用いられることがある。
《問題点1》 樹脂皮膜の外観が損なわれることがある。
従来、鉄系焼結部品を用いた入力レバーの場合、防錆や美観上の目的で、鉄系焼結部品を外側から樹脂皮膜で覆っているが、製造工程中、鉄系焼結部品内の空孔に水や油が多量に浸入し、樹脂皮膜の焼き付け工程中の熱で、鉄系焼結部品の外表面から水や油の蒸気が多量に噴出し、樹脂皮膜が外側に膨らみ、その外観が損なわれることがある。
従来、鉄系焼結部品を用いた入力レバーの場合、防錆や美観上の目的で、鉄系焼結部品を外側から樹脂皮膜で覆っているが、製造工程中、鉄系焼結部品内の空孔に水や油が多量に浸入し、樹脂皮膜の焼き付け工程中の熱で、鉄系焼結部品の外表面から水や油の蒸気が多量に噴出し、樹脂皮膜が外側に膨らみ、その外観が損なわれることがある。
《問題点2》 鉄系焼結部品が腐食することがある。
従来、鉄系焼結部品を用いた入力レバーの場合、製造工程中、空孔に水が多量に浸入し、鉄系焼結部品が腐食することがある。
従来、鉄系焼結部品を用いた入力レバーの場合、製造工程中、空孔に水が多量に浸入し、鉄系焼結部品が腐食することがある。
本発明の課題は、樹脂皮膜の外観が損なわれ難いとともに、鉄系焼結部品が腐食し難いエンジン外装部品とその製造方法を提供することにある。
(請求項1に係る発明)
図1(A)〜(D)に例示するように、鉄系焼結部品(1)と、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に補填された四酸化三鉄の補填物(3)と、鉄系焼結部品(1)を外側から覆う樹脂皮膜(4)を備えている、ことを特徴とするエンジン外装部品。
図1(A)〜(D)に例示するように、鉄系焼結部品(1)と、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に補填された四酸化三鉄の補填物(3)と、鉄系焼結部品(1)を外側から覆う樹脂皮膜(4)を備えている、ことを特徴とするエンジン外装部品。
(請求項7に係る発明)
図1(A)〜(D)に例示する、鉄系焼結部品(1)と、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に補填された四酸化三鉄の補填物(3)と、鉄系焼結部品(1)を外側から覆う樹脂皮膜(4)を備えている、エンジン外装部品を製造する方法であって、
樹脂皮膜(4)の塗装工程の前工程として、加熱状態で鉄系焼結部品(1)に水蒸気を反応させる水蒸気処理工程を備え、水蒸気処理工程で鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に四酸化三鉄の補填物(3)を補填する、ことを特徴とするエンジン外装部品の製造方法。
図1(A)〜(D)に例示する、鉄系焼結部品(1)と、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に補填された四酸化三鉄の補填物(3)と、鉄系焼結部品(1)を外側から覆う樹脂皮膜(4)を備えている、エンジン外装部品を製造する方法であって、
樹脂皮膜(4)の塗装工程の前工程として、加熱状態で鉄系焼結部品(1)に水蒸気を反応させる水蒸気処理工程を備え、水蒸気処理工程で鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に四酸化三鉄の補填物(3)を補填する、ことを特徴とするエンジン外装部品の製造方法。
(請求項1に係る発明の効果)
《効果1》 樹脂皮膜(4)の外観が損なわれ難い。
図1(A)〜(D)に例示するように、このエンジン外装部品(5)の場合、空孔(2)に補填された補填物(3)により、製造工程中、空孔(2)に水や油が多量に浸入することがなく、樹脂皮膜(4)の焼き付け工程中に熱を受けても、鉄系焼結部品(1)の外表面から水や油の蒸気が多量に噴出しないため、この蒸気で樹脂皮膜(4)が外側に膨らむことがなく、その外観が損なわれ難い。
《効果1》 樹脂皮膜(4)の外観が損なわれ難い。
図1(A)〜(D)に例示するように、このエンジン外装部品(5)の場合、空孔(2)に補填された補填物(3)により、製造工程中、空孔(2)に水や油が多量に浸入することがなく、樹脂皮膜(4)の焼き付け工程中に熱を受けても、鉄系焼結部品(1)の外表面から水や油の蒸気が多量に噴出しないため、この蒸気で樹脂皮膜(4)が外側に膨らむことがなく、その外観が損なわれ難い。
《効果2》 鉄系焼結部品(1)が腐食し難い。
図1(A)〜(D)に例示するように、このエンジン外装部品(5)の場合、補填物(3)により、製造工程中、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に水が多量に浸入することがなく、かつ、補填物(3)の素材である四酸化三鉄は、化学的に安定で、赤錆に変化し難いため、鉄系焼結部品(1)が腐食し難い。
図1(A)〜(D)に例示するように、このエンジン外装部品(5)の場合、補填物(3)により、製造工程中、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に水が多量に浸入することがなく、かつ、補填物(3)の素材である四酸化三鉄は、化学的に安定で、赤錆に変化し難いため、鉄系焼結部品(1)が腐食し難い。
(請求項7に係る発明の効果)
《効果》 高品質のエンジン外装部品(5)が容易に得られる。
この製造方法の場合、塗装工程の前の水蒸気処理工程により、図1(A)〜(D)に例示する、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に四酸化三鉄の補填物(3)を補填することができるため、樹脂皮膜(4)の外観が損なわれ難く、かつ、鉄系焼結部品(1)が腐食し難い、高品質のエンジン外装部品(5)が容易に得られる。
《効果》 高品質のエンジン外装部品(5)が容易に得られる。
この製造方法の場合、塗装工程の前の水蒸気処理工程により、図1(A)〜(D)に例示する、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に四酸化三鉄の補填物(3)を補填することができるため、樹脂皮膜(4)の外観が損なわれ難く、かつ、鉄系焼結部品(1)が腐食し難い、高品質のエンジン外装部品(5)が容易に得られる。
図1と図2は本発明の実施形態に係る入力レバーを説明する図で、この実施形態では、ディーゼルエンジンに用いる入力レバーについて説明する。
図2に示すように、ディーゼルエンジンは、エンジン本体(6)と、エンジン本体(6)のシリンダブロック(6a)の横側に設けられたポンプ収容室(7)と、ポンプ収容室(7)に差し込まれた燃料噴射ポンプ(8)と、ポンプ収容室(7)の横壁に取り付けられた蓋体(9)を備え、この蓋体(9)に一対のエンジン外装部品(5)(5)として一対の入力レバー(5a)(5a)が設けられている。
なお、図2中の符号(11)はエンジン冷却ファン、(12)はファンベルト、(13)はクランク軸、(14)はフライホイールである。
なお、図2中の符号(11)はエンジン冷却ファン、(12)はファンベルト、(13)はクランク軸、(14)はフライホイールである。
図2に示す一対の入力レバー(5a)(5a)のうち、左側のものはエンジン調速用の入力レバーであり、右側のものはエンジン停止用の入力レバーである。
一対の入力レバー(5a)(5a)は、左側のものが長く、かつ、ワイヤ係合部(10)の数が多いという形状の相違点はあるが、同一の素材で構成されている。
この実施形態では、左側のエンジン調速用の入力レバー(5a)について説明するが、この説明は、右側のエンジン停止用の入力レバー(5a)についても妥当する。
一対の入力レバー(5a)(5a)は、左側のものが長く、かつ、ワイヤ係合部(10)の数が多いという形状の相違点はあるが、同一の素材で構成されている。
この実施形態では、左側のエンジン調速用の入力レバー(5a)について説明するが、この説明は、右側のエンジン停止用の入力レバー(5a)についても妥当する。
図1(A)は基本例、図1(B)は第1変形例、図1(C)は第2変形例、図1(D)は第3変形例の各入力レバー(5a)を示している。図1(B)〜(D)では、入力レバー(5a)の両端部が省略されているが、これらの入力レバー(5a)も図1(A)のものと同一の外形である。
図1(A)〜(D)に示す各入力レバー(5a)は、鉄系焼結部品(1)と、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に補填された四酸化三鉄の補填物(3)と、鉄系焼結部品(1)を外側から覆う樹脂皮膜(4)を備えている。
図1(A)〜(D)に示す鉄系焼結部品(1)は、多数の鉄系金属粒子(1a)(1a)を合体させたもので、内部に空孔(2)が形成されている。
空孔(2)は、鉄系焼結部品(1)内で連続している。
図1(A)〜(D)の符号(2a)は連続した空孔(2)の端部、(2b)は連続した空孔(2)の中間部である。
図1(A)〜(D)に示す各入力レバー(5a)は、鉄系焼結部品(1)と、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に補填された四酸化三鉄の補填物(3)と、鉄系焼結部品(1)を外側から覆う樹脂皮膜(4)を備えている。
図1(A)〜(D)に示す鉄系焼結部品(1)は、多数の鉄系金属粒子(1a)(1a)を合体させたもので、内部に空孔(2)が形成されている。
空孔(2)は、鉄系焼結部品(1)内で連続している。
図1(A)〜(D)の符号(2a)は連続した空孔(2)の端部、(2b)は連続した空孔(2)の中間部である。
図1(A)〜(D)に示す各入力レバー(5a)の場合、空孔(2)に補填された補填物(3)により、製造工程中、空孔(2)に水や油が多量に浸入することがなく、樹脂皮膜(4)の焼き付け工程中に熱を受けても、鉄系焼結部品(1)の外表面から水や油の蒸気が多量に噴出することがないため、この蒸気で樹脂皮膜(4)が外側に膨らむことがなく、その外観が損なわれ難い。
また、図1(A)〜(D)に示す各入力レバー(5a)の場合、補填物(3)により、製造工程中、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に水が多量に浸入することがなく、かつ、補填物(3)の素材である四酸化三鉄は、化学的に安定で、赤錆に変化し難いため、鉄系焼結部品(1)が腐食し難い。
また、図1(A)〜(D)に示す各入力レバー(5a)の場合、補填物(3)により、製造工程中、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に水が多量に浸入することがなく、かつ、補填物(3)の素材である四酸化三鉄は、化学的に安定で、赤錆に変化し難いため、鉄系焼結部品(1)が腐食し難い。
図1(A)〜(D)に示す各入力レバー(5a)では、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)の内面は、四酸化三鉄の補填物(3)で覆われている。
図1(A)〜(D)に示す各入力レバー(5a)の場合、補填物(3)により、空孔(2)の内面に水が接触し難く、かつ、補填物(3)の素材である四酸化三鉄は、化学的に安定で、赤錆に変化し難いため、空孔(2)の内面が腐食し難い。
図1(A)〜(D)に示す各入力レバー(5a)の場合、補填物(3)により、空孔(2)の内面に水が接触し難く、かつ、補填物(3)の素材である四酸化三鉄は、化学的に安定で、赤錆に変化し難いため、空孔(2)の内面が腐食し難い。
図1(A)〜(C)に示す各入力レバー(5a)では、鉄系焼結部品(1)の外表面側で、空孔(2)が四酸化三鉄の補填物(3)で封孔されている。
図1(A)〜(C)に示す各入力レバー(5a)の場合、外表面側で空孔(2)を封孔する補填物(3)により、鉄系焼結部品(1)の外表面から水や油の蒸気が多量に噴出しないため、この蒸気で樹脂皮膜(4)が外側に膨らむことがなく、その外観が損なわれ難い。
図1(D)に示す入力レバー(5a)では、外表面側で空孔(2)は封孔されていない。
図1(A)〜(C)に示す各入力レバー(5a)の場合、外表面側で空孔(2)を封孔する補填物(3)により、鉄系焼結部品(1)の外表面から水や油の蒸気が多量に噴出しないため、この蒸気で樹脂皮膜(4)が外側に膨らむことがなく、その外観が損なわれ難い。
図1(D)に示す入力レバー(5a)では、外表面側で空孔(2)は封孔されていない。
図1(A)(B)に示す各入力レバー(5a)では、鉄系焼結部品(1)の内部側で、空孔(2)が四酸化三鉄の補填物(3)で封孔されている。
図1(A)(B)に示す各入力レバー(5a)の場合、鉄系焼結部品(1)の内部側で空孔(2)を封孔する補填物(3)により、鉄系焼結部品(1)の外表面から水や油の蒸気が多量に噴出しないため、この蒸気で樹脂皮膜(4)が外側に膨らむことがなく、その外観が損なわれ難い。
図1(C)(D)に示す各入力レバー(5a)では、鉄系焼結部品(1)の内部側では、空孔(2)は封孔されていない。すなわち、図1(C)(D)に示す各入力レバー(5a)では、鉄系焼結部品(1)の内部側で、補填物(3)内に連続する空隙(2c)が残されている。
図1(A)(B)に示す各入力レバー(5a)の場合、鉄系焼結部品(1)の内部側で空孔(2)を封孔する補填物(3)により、鉄系焼結部品(1)の外表面から水や油の蒸気が多量に噴出しないため、この蒸気で樹脂皮膜(4)が外側に膨らむことがなく、その外観が損なわれ難い。
図1(C)(D)に示す各入力レバー(5a)では、鉄系焼結部品(1)の内部側では、空孔(2)は封孔されていない。すなわち、図1(C)(D)に示す各入力レバー(5a)では、鉄系焼結部品(1)の内部側で、補填物(3)内に連続する空隙(2c)が残されている。
図1(A)に示す入力レバー(5a)では、空孔(2)は、四酸化三鉄の補填物(3)で満たされている。
図1(A)に示す入力レバー(5a)の場合、空孔(2)に満たされている補填物(3)により、鉄系焼結部品(1)の外表面から水や油の蒸気が噴出することがないため、この蒸気で樹脂皮膜(4)が外側に膨らむことがなく、その外観が損なわれ難い。
また、図1(A)に示す入力レバー(5a)の場合、空孔(2)に満たされている補填物(3)により、空孔(2)に水が浸入することがなく、かつ、補填物(3)の素材である四酸化三鉄は、化学的に安定で、赤錆に変化し難いため、鉄系焼結部品(1)が腐食し難い。
図1(A)に示す入力レバー(5a)の場合、空孔(2)に満たされている補填物(3)により、鉄系焼結部品(1)の外表面から水や油の蒸気が噴出することがないため、この蒸気で樹脂皮膜(4)が外側に膨らむことがなく、その外観が損なわれ難い。
また、図1(A)に示す入力レバー(5a)の場合、空孔(2)に満たされている補填物(3)により、空孔(2)に水が浸入することがなく、かつ、補填物(3)の素材である四酸化三鉄は、化学的に安定で、赤錆に変化し難いため、鉄系焼結部品(1)が腐食し難い。
図1(B)〜(D)に示す各入力レバー(5a)では、空孔(2)は、補填物(3)で満たされていない。すなわち、図1(B)〜(D)に示す各入力レバー(5a)では、鉄系焼結部品(1)の外表面側、及び/又は内側で、補填物(3)内にスポット状の空隙(2c)、或いは連続する空隙(2c)が残されている。
図1(A)〜(D)、図2のエンジン外装部品(5)はいずれも入力レバー(5a)である。
図2に示すように、入力レバー(5a)は、比較的小型で、図1(A)に示すレバー部(5b)とボス部(5c)等を一体成型する必要上、小型で複雑な形状の成型が有利な鉄系焼結部品(1)の用途として最適である。
図2に示すように、入力レバー(5a)は、比較的小型で、図1(A)に示すレバー部(5b)とボス部(5c)等を一体成型する必要上、小型で複雑な形状の成型が有利な鉄系焼結部品(1)の用途として最適である。
次に、図1(A)〜(D)に示す各入力レバー(5a)の製造方法について説明する。
図1(A)〜(D)に示す入力レバー(5a)は、鉄系焼結部品(1)と、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に補填された四酸化三鉄の補填物(3)と、鉄系焼結部品(1)を外側から覆う樹脂皮膜(4)を備えている。
この図1(A)〜(D)に示す入力レバー(5a)の製造方法では、樹脂皮膜(4)の塗装工程の前工程として、加熱状態で鉄系焼結部品(1)に水蒸気を反応させる水蒸気処理工程を備え、水蒸気処理工程で鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に四酸化三鉄の補填物(3)を補填する。
図1(A)〜(D)に示す入力レバー(5a)は、鉄系焼結部品(1)と、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に補填された四酸化三鉄の補填物(3)と、鉄系焼結部品(1)を外側から覆う樹脂皮膜(4)を備えている。
この図1(A)〜(D)に示す入力レバー(5a)の製造方法では、樹脂皮膜(4)の塗装工程の前工程として、加熱状態で鉄系焼結部品(1)に水蒸気を反応させる水蒸気処理工程を備え、水蒸気処理工程で鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に四酸化三鉄の補填物(3)を補填する。
この製造方法の場合、塗装工程の前の水蒸気処理工程により、図1(A)〜(D)に示す、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に四酸化三鉄の補填物(3)を補填することができるため、樹脂皮膜(4)の外観が損なわれ難く、かつ、鉄系焼結部品(1)が腐食し難い、高品質のエンジン外装部品(5)が容易に得られる。
塗装工程では、図1(A)〜(D)に示す、樹脂皮膜(4)の焼き付け塗装が行われる。
この製造方法の場合、焼き付け塗装により、高硬度で耐久性に優れた、図1(A)〜(D)に示す、樹脂皮膜(4)を形成できる。
また、この製造方法の場合、図1(A)〜(D)に示す補填物(3)により、製造工程中、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に水や油が多量に浸入することがなく、樹脂皮膜(4)の焼き付け工程中に熱を受けても、鉄系焼結部品(1)の表面から水や油の蒸気が多量に噴出することがないため、この蒸気で樹脂皮膜(4)が外側に膨らむことがなく、その外観が損なわれ難い。
この製造方法の場合、焼き付け塗装により、高硬度で耐久性に優れた、図1(A)〜(D)に示す、樹脂皮膜(4)を形成できる。
また、この製造方法の場合、図1(A)〜(D)に示す補填物(3)により、製造工程中、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に水や油が多量に浸入することがなく、樹脂皮膜(4)の焼き付け工程中に熱を受けても、鉄系焼結部品(1)の表面から水や油の蒸気が多量に噴出することがないため、この蒸気で樹脂皮膜(4)が外側に膨らむことがなく、その外観が損なわれ難い。
この製造方法では、水蒸気処理工程の前工程として、鉄系金属粉末を成型する成型工程と、成型した鉄系金属粉末を焼結する焼結工程と、焼結した鉄系焼結部品を洗浄する洗浄工程と、洗浄した鉄系焼結部品を乾燥させる乾燥工程を備えている。
成型工程では、鉄系金属粉末を金型に入れて圧縮して成型する。焼結工程では、成型した鉄系金属粉末を加熱炉で加熱して焼結させ、鉄系焼結部品を得る。洗浄工程では、鉄系焼結部品を洗浄水で洗浄する。乾燥工程では、洗浄した鉄系焼結部品を乾燥炉で乾燥させる。
水蒸気処理工程では鉄系焼結部品を500°以上の加熱温度下で水蒸気と反応させ、鉄系焼結部品内の空孔に四酸化三鉄の補填物を補填する。この水蒸気処理工程での加熱温度が高く、反応時間が長くなるにつれ、図1(D),図1(C),図1(B),図1(A)の順序で、補填物(3)が大きく成長する。
図1(A)〜(D)の各レバー(5a)は、異なる成長段階の補填物(3)を備えた各鉄系焼結部品(1)を外側から樹脂皮膜(4)で覆ったものである。
樹脂皮膜(4)の焼き付け塗装では、耐熱塗料を用い、200°C程度の温度で30分程度の時間、加熱する。耐熱塗料には、シリコーン樹脂と、エポキシ樹脂と、無機耐熱顔料を主成分とするものを用いるのが望ましい。
水蒸気処理工程では鉄系焼結部品を500°以上の加熱温度下で水蒸気と反応させ、鉄系焼結部品内の空孔に四酸化三鉄の補填物を補填する。この水蒸気処理工程での加熱温度が高く、反応時間が長くなるにつれ、図1(D),図1(C),図1(B),図1(A)の順序で、補填物(3)が大きく成長する。
図1(A)〜(D)の各レバー(5a)は、異なる成長段階の補填物(3)を備えた各鉄系焼結部品(1)を外側から樹脂皮膜(4)で覆ったものである。
樹脂皮膜(4)の焼き付け塗装では、耐熱塗料を用い、200°C程度の温度で30分程度の時間、加熱する。耐熱塗料には、シリコーン樹脂と、エポキシ樹脂と、無機耐熱顔料を主成分とするものを用いるのが望ましい。
(1)…鉄系焼結部品、(2)…空孔、(3)…補填物、(4)…樹脂皮膜、(5)…エンジン外装部品、(5a)…入力レバー。
Claims (8)
- 鉄系焼結部品(1)と、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に補填された四酸化三鉄の補填物(3)と、鉄系焼結部品(1)を外側から覆う樹脂皮膜(4)を備えている、ことを特徴とするエンジン外装部品。
- 請求項1に記載されたエンジン外装部品において、
鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)の内面は、四酸化三鉄の補填物(3)で覆われている、ことを特徴とするエンジン外装部品。 - 請求項1または請求項2に記載されたエンジン外装部品において、
鉄系焼結部品(1)の外表面側で、空孔(2)が四酸化三鉄の補填物(3)で封孔されていることを特徴とするエンジン外装部品。 - 請求項3に記載されたエンジン外装部品において、
鉄系焼結部品(1)の内部側で、空孔(2)が四酸化三鉄の補填物(3)で封孔されている、ことを特徴とするエンジン外装部品。 - 請求項4に記載されたエンジン外装部品において、
空孔(2)は、四酸化三鉄の補填物(3)で満たされている、ことを特徴とするエンジン外装部品。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載されたエンジン外装部品において、
エンジン外装部品(5)が入力レバー(5a)である、ことを特徴とするエンジン外装部品。 - 鉄系焼結部品(1)と、鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に補填された四酸化三鉄の補填物(3)と、鉄系焼結部品(1)を外側から覆う樹脂皮膜(4)を備えている、エンジン外装部品の製造方法であって、
樹脂皮膜(4)の塗装工程の前工程として、加熱状態で鉄系焼結部品(1)に水蒸気を反応させる水蒸気処理工程を備え、水蒸気処理工程で鉄系焼結部品(1)内の空孔(2)に四酸化三鉄の補填物(3)を補填する、ことを特徴とするエンジン外装部品の製造方法。 - 請求項7に記載されたエンジン外装部品の製造方法において、
塗装工程では樹脂皮膜(4)の焼き付け塗装が行われる、ことを特徴とするエンジン外装部品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019194923A JP2021066945A (ja) | 2019-10-28 | 2019-10-28 | エンジン外装部品とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019194923A JP2021066945A (ja) | 2019-10-28 | 2019-10-28 | エンジン外装部品とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021066945A true JP2021066945A (ja) | 2021-04-30 |
Family
ID=75638221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019194923A Pending JP2021066945A (ja) | 2019-10-28 | 2019-10-28 | エンジン外装部品とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021066945A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63103081A (ja) * | 1986-10-20 | 1988-05-07 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 焼結部品の表面処理方法 |
JPH03126803A (ja) * | 1989-10-11 | 1991-05-30 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 焼結部品の封孔処理方法 |
JP2004190105A (ja) * | 2002-12-12 | 2004-07-08 | Mitsubishi Materials Corp | エンジン用の焼結部品及びその製造方法 |
JP2009074114A (ja) * | 2007-09-19 | 2009-04-09 | Hitachi Powdered Metals Co Ltd | 耐食性に優れた鉄系焼結材料、該材料からなるシリンダー錠装置用固定ケース、およびそれらの製造方法 |
JP2013064375A (ja) * | 2011-09-20 | 2013-04-11 | Kubota Corp | エンジンの入力操作装置 |
-
2019
- 2019-10-28 JP JP2019194923A patent/JP2021066945A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63103081A (ja) * | 1986-10-20 | 1988-05-07 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 焼結部品の表面処理方法 |
JPH03126803A (ja) * | 1989-10-11 | 1991-05-30 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 焼結部品の封孔処理方法 |
JP2004190105A (ja) * | 2002-12-12 | 2004-07-08 | Mitsubishi Materials Corp | エンジン用の焼結部品及びその製造方法 |
JP2009074114A (ja) * | 2007-09-19 | 2009-04-09 | Hitachi Powdered Metals Co Ltd | 耐食性に優れた鉄系焼結材料、該材料からなるシリンダー錠装置用固定ケース、およびそれらの製造方法 |
JP2013064375A (ja) * | 2011-09-20 | 2013-04-11 | Kubota Corp | エンジンの入力操作装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2611288C (en) | Seasoned ferrous cookware | |
KR100984990B1 (ko) | 실린더 라이너 및 그 제조 방법 | |
JP2021066945A (ja) | エンジン外装部品とその製造方法 | |
JP6998555B2 (ja) | シンク | |
FR2654661A1 (fr) | Poche pour l'elaboration d'un metal munie d'un revetement refractaire le fond et procede de realisation d'un tel revetement refractaire de fond. | |
US6177655B1 (en) | Non-stick ceramic slow-cooker and method for making the same | |
CN108855834A (zh) | 一种不粘锅的制造方法 | |
KR100770318B1 (ko) | 용강 출강용 침지노즐의 외부공기 유입방지장치 | |
JP6633509B2 (ja) | 中空部を有する鋳造製品 | |
JP2916375B2 (ja) | 調理用鍋及びその製造方法 | |
RU2339287C2 (ru) | Способ изготовления чугунной посуды | |
KR200422826Y1 (ko) | 탄소성형체가 장착된 고기구이판 | |
JP3110038U (ja) | 炊飯用土鍋 | |
JP3245088U (ja) | 調理器具 | |
KR102567110B1 (ko) | 프리시즈닝층을 가지는 조리기구 및 그의 제조 방법 | |
KR102471566B1 (ko) | 조리기기용 히터 및 그 제조방법 | |
CN113981362A (zh) | 一种钢模铸铁锅外部珐琅内部烤蓝工艺 | |
RU2340272C2 (ru) | Чугунная посуда и способ изготовления чугунной посуды | |
WO2016097904A1 (en) | Method for manufacturing a household appliance component with a specific laser structuring as well as a household appliance component | |
US1303785A (en) | Method of forming cores for hollow castings | |
JPS6127106Y2 (ja) | ||
CA2033528A1 (en) | Production method for forged component made of composite material | |
JPH09133366A (ja) | 高温調理器用皮膜及びその製造方法並びに高温調理器のオーブン箱体 | |
KR200301176Y1 (ko) | 프라이팬 | |
KR20060030886A (ko) | 바닥면이 탄소성형체로 구성된 주방용기 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20211222 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221116 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230110 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20230125 |