JP2021065607A - 手術器具 - Google Patents

手術器具 Download PDF

Info

Publication number
JP2021065607A
JP2021065607A JP2019195364A JP2019195364A JP2021065607A JP 2021065607 A JP2021065607 A JP 2021065607A JP 2019195364 A JP2019195364 A JP 2019195364A JP 2019195364 A JP2019195364 A JP 2019195364A JP 2021065607 A JP2021065607 A JP 2021065607A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
surgical instrument
magnetic metal
insert molding
instrument according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019195364A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021065607A5 (ja
Inventor
隆啓 梶山
Takahiro Kajiyama
隆啓 梶山
島垣 昌明
Masaaki Shimagaki
昌明 島垣
誉 橋本
Homare Hashimoto
誉 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissei Industry Co Ltd
Nissei Industry Corp
Original Assignee
Nissei Industry Co Ltd
Nissei Industry Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissei Industry Co Ltd, Nissei Industry Corp filed Critical Nissei Industry Co Ltd
Priority to JP2019195364A priority Critical patent/JP2021065607A/ja
Publication of JP2021065607A publication Critical patent/JP2021065607A/ja
Publication of JP2021065607A5 publication Critical patent/JP2021065607A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Surgical Instruments (AREA)

Abstract

【課題】 軽量であり、それでいて必要な強度を備える手術器具を提供すること。【解決手段】手術器具は、樹脂製であり、樹脂内に封入された非磁性体金属を具備する。樹脂は、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂又はポリエーテルイミド等であり、非磁性体金属は、ステンレススチール、チタン、銅、アルミニウム、銀又は金等である。【選択図】図1

Description

本願発明は、ピンセット、鉗子等の手術器具に関する。
従来、ピンセット、鉗子、剪刀、持針器等の手術器具は、相応の強度が必要であるので、ステンレススチールやチタン等の金属製である。
しかしながら、手術は長時間に及ぶものも少なくなく、金属製の手術器具は、重くて術者の腕が疲れてくる。また、多数の手術器具を用いる場合には、その運搬も大変である。一方で、手術器具には強度も要求される。電気メスなど高周波電流を用いる機器と併用するため、導電性が求められたり、安全のため絶縁性が求められたり、機能的にも要求が多岐化してきた。
本発明の目的は、軽量であり、それでいて必要な強度を備える手術器具を提供することである。
手術器具には、相応の強度が要求されるため、単純に樹脂のような軽量の材料に置き換えることはできない。本願発明者らは、鋭意研究の結果、樹脂中に非磁性体金属を封入する技術を開発し、手術器具を、基本的に樹脂で形成するとともに、内部に非磁性体金属を封入することにより、必要な強度を維持したまま軽量化できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 樹脂製の手術器具であって、前記樹脂内に封入された非磁性体金属を具備する、手術器具。
(2) 前記非磁性体金属が線条状又は板状の形態にある(1)記載の手術器具。
(3) 前記線条状が、直線状、コイル状又はループ状である(2)記載の手術器具。
(4) 前記非磁性体金属がステンレススチール、チタン、銅、アルミニウム、銀及び金並びにこれらの金属を主体とする合金から成る群より選ばれる少なくとも1種である(1)〜(3)のいずれか1項に記載の手術器具。
(5) 前記非磁性体金属がチタン、銅及びアルミニウム並びにこれらの金属を主体とする合金から成る群より選ばれる少なくとも1種である(4)記載の手術器具。
(6) 前記樹脂が、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂及びポリエーテルイミドから成る群より選ばれる樹脂から主として成る、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の手術器具。
(7) 室温3点曲げ物性において、先端部3.5cmおよび/または先端部6cmでの最大荷重が200 N以上である(1)〜(6)のいずれか1項に記載の手術器具。
(8) ピンセット、鉗子、剪刀又は持針器である(1)〜(7)のいずれか1項に記載の手術器具。
(9) 前記樹脂が、フィラーとして炭素繊維及び/又はガラス繊維を含む、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の手術器具。
(10) 手術器具の外部を照明することができるLEDを具備する(1)〜(9)のいずれか1項に記載の手術器具。
(11) 光ファイバーを封入した(1)〜(10)のいずれか1項に記載の手術器具。
(12) RFIDチップを外形変更なく内蔵した(1)〜(11)のいずれか1項に記載の手術器具。
(13) 前記非磁性体金属がRFIDアンテナであり、該RFIDアンテナが外形変更なく内蔵されている(12)記載の手術器具。
(14) 電池を内蔵する(10)、(12)又は(13)記載の手術器具。
(15) インサート成形により前記手術器具を製造する、(1)〜(14)のいずれか1項に記載の手術器具の製造方法。
(16) 前記手術器具が板状の前記非磁性体金属を具備し、該板状の非磁性体金属の縁部を除去して段差を形成した後、樹脂と共にインサート成形することを含む、(15)記載の方法。
(17) 前記手術器具が板状の前記非磁性体金属を具備し、該板状の非磁性体金属の少なくとも1面に非磁性体金属メッシュを接着し、次いでインサート成形により該非磁性体金属メッシュを接着した非磁性体金属を前記樹脂内に封入する、(15)又は(16)記載の方法。
(18) 前記手術器具が光ファイバーを内蔵し、該光ファイバーに前記樹脂をコーティングした後、インサート成形を行うことを含む(15)〜(17)のいずれか1項に記載の方法。
(19) 前記手術器具がRFIDチップを具備し、RFIDチップを前記樹脂から成る成形物で覆った後、インサート成形を行うことを含む(15)〜(18)のいずれか1項に記載の方法。
(20) 前記成形に用いる金型をブロック化し、ブロック化した複数の金型を組み合わせて成形を行うことを含む(1)〜(14)のいずれか1項に記載の方法。
(21) 前記インサート成形に用いる金型をブロック化し、ブロック化した複数の金型を組み合わせてインサート成形を行うことを含む(15)〜(19)のいずれか1項に記載の方法。
本発明により、軽量であり、それでいて必要な強度を有する手術器具が提供された。本発明の手術器具は、軽量であるので、術者の負担が軽減され、また、多数の手術器具を手術室等へ運搬する際や、広域災害時などの器具の緊急輸送する際の負担も小さくなる。また、樹脂内に封入される金属が非磁性体金属であるので、X線CTやMRIにおいても視認できないわけではないが、干渉されず、MRIを行いながら手術を行う場合に障害にならない。
下記実施例において製造したピンセットの透視斜視図である。 下記実施例において製造したピンセットの透視平明図である。 下記実施例において製造したピンセットを製造する際の金型ブロックの分割を説明するための図である。 下記実施例において製造したピンセットを示す図であり、上段が斜視図、中段が平面図、下段が側面図である。 下記実施例において製造したピンセットを示す図であり、上段が平面図、下段が側面図である。
上記のとおり、本発明の手術器具は、基本的に樹脂製であり、樹脂内に非磁性体金属が封入されている。
本発明において、「手術器具」とは、ヒトや動物の手術において、術者が手に持って施術する器具を意味し、ピンセット、鉗子、剪刀及び持針器等を例示することができる。なお、ピンセットや鉗子は、手術以外の用途でも用いられるが、手術に用いることも可能であるので、少なくとも、ピンセット、鉗子、剪刀及び持針器は、本発明における「手術器具」に包含されるものと解釈する。
本発明に用いられる樹脂としては、金属を封入することが可能な、高強度を有し、後述する射出成形やインサート成形が可能な樹脂であれば特に限定されず、好ましい例として、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂及びポリエーテルイミドから成る群より選ばれる少なくとも1種の樹脂から主として成る樹脂を挙げることができる。ここで、「主としてなる」とは、当該樹脂の含有量が50重量%超、好ましくは、70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上、最も好ましくは100重量%であることを意味する。
本発明の手術器具に封入される非磁性体金属の好ましい例としては、ステンレススチール、チタン、銅、アルミニウム、銀及び金並びにこれらの金属を主体とする合金から成る群より選ばれる少なくとも1種が挙げられ、さらに好ましい例としては、チタン、銅及びアルミニウム並びにこれらの金属を主体とする合金から成る群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。ここで、「主体とする」とは、当該金属の含有量が50重量%超、好ましくは、70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上、最も好ましくは100重量%であることを意味する。
本発明において、「樹脂内に封入される」とは、非磁性体金属の少なくとも一部が樹脂内に埋没されて樹脂と非磁性体金属とが一体不可分となることを意味し、非磁性体金属の一部分が露出している場合や、手術器具の一部分、例えば、ピンセットの先端部等が、非磁性体金属のみから形成されている場合も包含される。
非磁性体金属を封入する重要な目的のひとつは強度の付与であるから、手術器具全体の中で、少なくとも、使用時に比較的大きな負荷がかかる、強度が必要とされる部分には非磁性体金属を封入することが好ましい。ここで言う「強度」とは、曲げ弾性や、ねじり弾性のような物理強度以外にも、万が一折れた際にも破断しないことも含まれる。弾性率の高い樹脂では、破壊した際破断しやすい場合が多いため、破片が飛び散ることを防ぐことも重要となる。手術器具の合計長(ピンセットや鉗子等のように二股に分かれる器具では、各々の分枝の長さを合計する)のうち、非磁性体金属を封入する部分(非磁性体金属のみから成る部分も含む)の合計長は、力点と作用点の長さと、支点と作用点の長さの短い方に対し、40%以上が好ましく、さらに好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上である。
また、封入する非磁性体金属の含有量は、手術器具全体の重量に対して、通常、2重量%〜40重量%程度、好ましくは2重量%〜30重量%程度、さらに好ましくは2重量%〜20重量%程度である。また、手術器具の全体を非磁性体金属で形成する場合と比較して、本発明の手術器具では、通常、30重量%〜50重量%程度、好ましくは40重量%〜70重量%程度、さらに好ましくは50重量%〜85重量%程度の軽量化を達成することができる。即ち最大約1/6程度に軽量化できる。
封入する非磁性体金属の形状は、手術器具に強度を付与できる形状であれば特に限定されず、通常、直線状、コイル状若しくはループ状のような線条状、又は板状である。
本発明の手術器具では、室温3点曲げ物性において、先端部3.0 cmをあけて、6cm間隔で、支点を作り、その中央を即ち端部から6cmの部分を、1cm/分の速度で押し込んだとき、最大荷重が200 N以上であることが好ましく、さらに好ましくは240 N以上である。また短いピンセット等では、先端部1,5 cmをあけて、4cm間隔で、支点を作り、その中央を即ち端部から3.5cmの部分を、1cm/分の速度で押し込んだとき、同様にして測定した。この場合も最大荷重が200 N以上であることが好ましく、さらに好ましくは240 N以上である。この最大荷重の上限値は特に限定されないが、通常、手術器具における上限値は300 N程度であれば破断することはない。ここで、室温3点曲げ物性における最大荷重は、次のようにして測定される。
測定装置: Instron社製 精密材料試験機 Model 5848
測定方法: クロスヘッド移動量法
測定環境: 室温大気中
試験片形状: 先端部を切り出し供試した。
支点間距離: 60 mm
試験速度: 10 mm/min
圧子・支点半径: 2.5 mm
データ処理: Instron社製データ処理システム“Bluehill 2”
データ取得間隔: 0.01 s
算出方法: 最大荷重
3点曲げ試験で得られた荷重−クロスヘッド移動量線図より最大荷重を読みとった。
本発明の手術器具には、上記した非磁性体金属に加え、さらにフィラーとして炭素繊維及び/又はガラス繊維を含んでいてもよい。ここで、炭素繊維やガラス繊維は、樹脂の補強に常用されているものでよい。炭素繊維及び/又はガラス繊維を含める場合、その含有量は、手術器具全体の重量に対して、通常、10重量%〜50重量%程度、好ましくは25重量%〜45重量%程度である。
本発明の手術器具はまた、手術器具の外部を照明することができるLEDを具備していてもよい。これにより、手術時に停電となった場合等でも、的確に手術を継続することが可能になる。また、手術器具の内部に光ファイバーを封入してもよい。これにより、光ファイバーの先端部から、光を照射して外部を照明することが可能になる。さらに、LEDに給電するための電池を封入してもよい。
さらに、本発明の手術器具は、RFIDチップを外形変更なく内蔵していてもよい。RFIDチップを内蔵することにより、手術時に多数用いられる手術器具の位置を個々に管理することが可能となり、体内への置き忘れ等の重大なミスを防止することが可能になる。また、この場合、樹脂に封入される非磁性体金属を、RFIDチップのアンテナとして利用してもよい。
本発明の手術器具は、インサート成形により製造することができる。すなわち、まず、予め、樹脂内に封入する非磁性体金属を製造する。次に、製造した非磁性体金属と、樹脂を用いてインサート成形を行う。より具体的には、このインサート成形は次のようにして行うことができる。非磁性体金属及びその他の封入する部品の形状は各々違うので、その形状に合わせた金型で封入物の保持と固定ガイドの付与した一次成型品を作る。次にインサート成型金型に封止する部品の成形物を固定するためのガイドを作り、一次成形品をガイドに挿入して封止成形をおこなう。このように2段階での成形によって、位置ずれのない、正確なインサート成形をおこなうことが出来るが、もちろんこの変法を用いてもよい。
樹脂内に封入する非磁性体金属が板状の場合には、該板状の非磁性体金属の縁部を除去して段差を形成した後、樹脂と共にインサート成形することにより、非磁性体金属と樹脂の分離をより確実に防止することが可能となり、非磁性体金属をより堅固に樹脂内に封入することができる。また、板状の非磁性体金属の少なくとも1面に非磁性体金属メッシュを接着し、次いでインサート成形に供することもできる。これによっても、非磁性体金属と樹脂の分離をより確実に防止することが可能となり、非磁性体金属をより堅固に樹脂内に封入することができる。また、樹脂と非磁性金属の間の空間を廃することができる。
また、樹脂内に光ファイバーを封入する場合には、まず、インサート成形に用いる樹脂と同じ樹脂で光ファイバーをコーティングした後、該光ファイバーをインサート成形に供することができる。これにより、光ファイバーと樹脂の分離をより確実に防止することが可能となり、光ファイバーをより堅固に樹脂内に封入することができる。
さらに、手術器具がRFIDチップを樹脂内に封入する場合には、RFIDチップを該樹脂から成る箱状の成形物で覆った後、インサート成形を行うことにより、RFIDチップの外形を変更することなく、箱状成形物、ひいてはRFIDチップと樹脂の分離をより確実に防止することが可能となり、RFIDチップをより堅固に樹脂内に封入することができる。アンテナ部を含むRFIDチップ全体を樹脂で包埋した後、インサート成形することもよい。この場合は、アンテナとの接合部の損傷をより少なく抑えることが可能になる。
本発明の手術器具をインサート成形する際に、インサート成形に用いる金型をブロック化し、ブロック化した複数の金型を組み合わせてインサート成形を行うことも可能である。もちろんインサート成形の機構を持たないブロック化金型を組み合わせることも可能である。例えば、各器具の目的及び用途に合わせた形状のブロックを作り、金型本体にそのブロックを交換することによって多品種の成形が出来るカセット型である。具体的には、例えばピンセットの場合、先端部/持ち手部分/接合部のように3部の金型ブロックに分割することができる。先端部のブロックは、ものを把持するため、把持のための細かな形状を、例えば、、波形、梨地状、格子状などに加工したブロック化金型を複数、例えば4種類用意する。また持ち手部分については、その長さを変更したブロック化金型を複数、例えば3種類用意する。また、接合部ブロックについても、非磁性金属との接合の方法を変えた複数のブロックを例えば3種類用意する。そのブロックを取り替えることだけで計算上は、4×3×3の36とおりの複数のピンセットを成形することが可能となる。ブロック化金型は小さいため、36とおり全て固有の金型を作った場合に比べて、大幅なコスト削減に繋がる。
このように、ブロック化した複数の金型を組み合わせてインサート成形を行うことにより、複雑な形状の手術器具も容易に製造することができる。
なお、本願発明は、手術器具とその製造方法に係るが、上記した、非磁性体金属を樹脂内に封入する各種インサート成形の手法自体は、手術器具以外の成形品の製造にも適用可能である。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
実施例1 ピンセット
図1及び図2に示すピンセットを作製した。図1は、本実施例のピンセットの透視斜視図、図2は同透視平面図である。図1及び図2に示されるように、ピンセット10は、基端部でつながっている第1の本体12と第2の本体14を具備し、第1の本体12内には、長手方向に沿って、非磁性体金属であるチタン板16が封入されている。チタン板16は、大部分において2本に分かれており、RFIDチップのアンテナとしても機能する。チタン板16の中央部には、チャンバー18が形成されており、ここにRFIDチップが収容される。チャンバー18よりも基端側に取付けガイド17が形成されており、また、先端側に2個の取付けガイド19及び21が形成されており、これらは、それぞれインサート成型するための固定用位置決めするためのものである。第1の本体12及び第2の本体14の先端部には、チタン板16とは別に、直線状のチタン棒20がそれぞれ封入されている。各チタン棒20の基端部には、それぞれ取付けガイド22が形成されている。取付けガイド22は、インサート成型するための固定用位置決めするためのものである。第1の本体12及び第2の本体14の先端部には、表面がぎざぎざになっているぎざぎざ部24が形成されている。ぎざぎざ部24は本体と同一で形成されている。チタン棒20の先端部は、ぎざぎざ部24から突出して露出している。この突出部分は、略円板状の位置決めガイド26をそれぞれ貫通している。位置決めガイド26は樹脂で形成されており、インサート成型の固定位置決めをするためのものである。
上記した本実施例のピンセット10は、インサート成形により製造した。用いた樹脂の組成は、炭素繊維(短繊維)含有ポリフェニレンサルファイド(PPS)であった。非磁性体金属の平板状部分の厚さは1mmであった。チタンと該樹脂組成物を用いたインサート成形は、具体的には次のようにして行った。

始めにインサート成形の10の固定用ガイドとして、RFIDアンテナ用非磁性体金属に、取付けガイド17、19、21と、先端破断時の飛散防止用のチタン線20に、取付け用ガイド22と位置決めガイド26を成形し、本体10の金型の固定ガイド受けへ取付け、本体10の成形をして封止をおこなった。
製造したピンセットの室温3点曲げ物性における先端部6cmでの最大荷重を上記測定方法により測定したところ、267Nであった。また、手術器具の合計長(ピンセットや鉗子等のように二股に分かれる器具では、各々の分枝の長さを合計する)のうち、非磁性体金属を封入する部分(非磁性体金属のみから成る部分も含む)の合計長は、力点と作用点の長さと、支点と作用点の長さの短い方に対し、47%であった。また、ピンセットの全重量に占めるチタン棒20の合計重量の割合は、2.7%であった。仮に、このピンセットの全体を同じ非磁性体金属で形成した場合に比べて、本実施例のピンセットでは70%軽量化できた。
実施例2
上記実施例にかかわらず、非磁性体金属を一部の部位のみに封入したものも同様に作製できる。非磁性体金属の使用を抑えることで、コストダウンが可能となる。
先端部の20チタン線の封入をおこなわずに実施例1と同様に作製した。また、図3に示したように、外形上金型ブロックを3分割したものを用いた。この中で、先端部のブロックについては、実施例1では幅2mm、のものに対し、幅3mmのものを用いた。先端部のブロック金型の作製コストは全体の金型作製コストの15〜25%程度であり、製造コストを大幅に抑えながら、多品種生産が可能である。室温3点曲げ物性における先端部6cmでの最大荷重を上記測定方法により測定したところ、325Nであった。また、手術器具の合計長(ピンセットや鉗子等のように二股に分かれる器具では、各々の分枝の長さを合計する)のうち、非磁性体金属を封入する部分(非磁性体金属のみから成る部分も含む)の合計長は、力点と作用点の長さと、支点と作用点の長さの短い方に対し、25%であった。また、ピンセットの全重量に占めるチタン棒20の合計重量の割合は、1.7%であった。仮に、このピンセットの全体を同じ非磁性体金属で形成した場合に比べて、本実施例のピンセットでは72%軽量化できた。
実施例3 LEDと光ファイバーのインサート成形
図4に示すLEDと光ファイバーを具備したピンセットを作製した。図4は本実施例のピンセットの透視図である。ピンセット30に用いた樹脂の組成は、ポリフェニレンサルファイド、炭素繊維(短繊維)であった。ピンセット30は、第1の本体31と第2の本体32が基端部でつながっている。第1の本体31と第2の本体32には長手方向に沿って光ファイバー33が封止されている。光ファイバー33は、該樹脂で覆われ、金型取付けガイド34、35が形成されている。基端前部には、砲丸型LED36及び端子37が一部封止されている。基端後部には、ボタン電池38を取付けた。
LEDと光ファイバーのインサート成形は、具体的には次のようにして行った。
(1)光ファイバーを1次成形し、先端面と後端面を除く部分を該樹脂で覆い、金型取付けガイド34、35を付加する。
(2)成形金型に、光ファイバー金型取付けガイド34、35と砲丸型LED36を取り付けるための、ガイド受けを設ける。
(3)成形金型のガイド受けへ、光ファイバー金型取付けガイド34、35と砲丸型LED36を取り付ける。
(4)本体30の成形を実施し、光ファイバー33と砲丸型LED36を封止する。
(5)光ファイバー金型取付けガイド34、35は、ニッパー等で除去する。
(6)ボタン電池38を取り付けることにより、LED端子37が接触し、砲丸型LED36と光ファイバー33先端面が点灯する。
実施例4 RFIDインサート成形
図5に示すRFIDを具備したピンセットを作製した。図5は本実施例のピンセットの透視図である。ピンセット40に用いた樹脂の組成は、ポリフェニレンサルファイド、炭素繊維(短繊維)であった。ピンセット40は、第1の本体41と第2の本体42が基端部でつながっている。第1の本体41の持ち手部後方には、RFIDチップ43が封止されている。RFIDチップ43は、該樹脂から成る箱状成形物44のチャンバー45内に入っており、チャンバー 45内は樹脂で包埋されている。箱状成形物44には、金型取付けガイド46が形成されている。
RFIDのインサート成形は、具体的には次のようにして行った。
(1)該樹脂から成る箱状成形物44のチャンバー45内に、RFIDチップ43を入れ、上から樹脂を流し、RFIDチップ43全体を封止する。
(2)成形金型に、箱状成形物44の金型取付けガイド46を取り付けるための、ガイド受けを設ける。
(3)成形金型のガイド受けへ、金型取付けガイド46を取り付ける。
(4)ピンセット40の成形を実施し、箱状成形物44を封止する。
10 ピンセット
12 第1の本体
14 第2の本体
16 チタン板
17 取付けガイド
18 チャンバー
19 取付けガイド
20 チタン棒
21 取付けガイド
22 取付けガイド
24 ぎざぎざ部
26 位置決めガイド
30 ピンセット
31 第1の本体
32 第2の本体
33 光ファイバー
34 金型取付けガイド
35 金型取付けガイド
36 砲丸型LED
37 LED端子
38 ボタン電池
40 ピンセット
41 第1の本体
42 第2の本体
43 RFIDチップ
44 箱状成形物
45 チャンバー
46 金型取付けガイド

Claims (21)

  1. 樹脂製の手術器具であって、前記樹脂内に封入された非磁性体金属を具備する、手術器具。
  2. 前記非磁性体金属が線条状又は板状の形態にある請求項1記載の手術器具。
  3. 前記線条状が、直線状、コイル状又はループ状である請求項2記載の手術器具。
  4. 前記非磁性体金属がステンレススチール、チタン、銅、アルミニウム、銀及び金並びにこれらの金属を主体とする合金から成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の手術器具。
  5. 前記非磁性体金属がチタン、銅及びアルミニウム並びにこれらの金属を主体とする合金から成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項4記載の手術器具。
  6. 前記樹脂が、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂及びポリエーテルイミドから成る群より選ばれる樹脂から主として成る、請求項1〜5のいずれか1項に記載の手術器具。
  7. 室温3点曲げ物性において、先端部3.5cmおよび/または先端部6cmでの最大荷重が200 N以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の手術器具。
  8. ピンセット、鉗子、剪刀又は持針器である請求項1〜7のいずれか1項に記載の手術器具。
  9. 前記樹脂が、フィラーとして炭素繊維及び/又はガラス繊維を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の手術器具。
  10. 手術器具の外部を照明することができるLEDを具備する請求項1〜9のいずれか1項に記載の手術器具。
  11. 光ファイバーを封入した請求項1〜10のいずれか1項に記載の手術器具。
  12. RFIDチップを外形変更なく内蔵した請求項1〜11のいずれか1項に記載の手術器具。
  13. 前記非磁性体金属がRFIDアンテナであり、該RFIDアンテナが外形変更なく内蔵されている請求項12記載の手術器具。
  14. 電池を内蔵する請求項10、12又は13記載の手術器具。
  15. インサート成形により前記手術器具を製造する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の手術器具の製造方法。
  16. 前記手術器具が板状の前記非磁性体金属を具備し、該板状の非磁性体金属の縁部を除去して段差を形成した後、樹脂と共にインサート成形することを含む、請求項15記載の方法。
  17. 前記手術器具が板状の前記非磁性体金属を具備し、該板状の非磁性体金属の少なくとも1面に非磁性体金属メッシュを接着し、次いでインサート成形により該非磁性体金属メッシュを接着した非磁性体金属を前記樹脂内に封入する、請求項15又は16記載の方法。
  18. 前記手術器具が光ファイバーを内蔵し、該光ファイバーに前記樹脂をコーティングした後、インサート成形を行うことを含む請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記手術器具がRFIDチップを具備し、RFIDチップを前記樹脂から成る成形物で覆った後、インサート成形を行うことを含む請求項15〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記成形に用いる金型をブロック化し、ブロック化した複数の金型を組み合わせて成形を行うことを含む請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記インサート成形に用いる金型をブロック化し、ブロック化した複数の金型を組み合わせてインサート成形を行うことを含む請求項15〜19のいずれか1項に記載の方法。
JP2019195364A 2019-10-28 2019-10-28 手術器具 Pending JP2021065607A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019195364A JP2021065607A (ja) 2019-10-28 2019-10-28 手術器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019195364A JP2021065607A (ja) 2019-10-28 2019-10-28 手術器具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021065607A true JP2021065607A (ja) 2021-04-30
JP2021065607A5 JP2021065607A5 (ja) 2021-10-07

Family

ID=75638034

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019195364A Pending JP2021065607A (ja) 2019-10-28 2019-10-28 手術器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021065607A (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62157787A (ja) * 1985-12-28 1987-07-13 株式会社コスモ工業 刀身等を支持する柄
JPH1057390A (ja) * 1996-07-18 1998-03-03 Valleylab Inc 電気外科用器具及び製造方法
JP2000135218A (ja) * 1998-11-02 2000-05-16 Junji Suwata 使い捨て持針器
JP2006247972A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Inoac Corp 複合部材およびその製造方法
JP2007085391A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Ntn Corp 滑り軸受
JP2008194230A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Hogi Medical:Kk 高い把持機能を有する鉗子
JP2014026447A (ja) * 2012-07-26 2014-02-06 Toppan Printing Co Ltd Icタグ内蔵鋏状手動利器
WO2016038945A1 (ja) * 2014-09-11 2016-03-17 オリンパス株式会社 インサート成形品、該インサート成形品を用いた機器及びインサート成形品の製造方法
WO2019082284A1 (ja) * 2017-10-24 2019-05-02 日進工業株式会社 鉗子

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62157787A (ja) * 1985-12-28 1987-07-13 株式会社コスモ工業 刀身等を支持する柄
JPH1057390A (ja) * 1996-07-18 1998-03-03 Valleylab Inc 電気外科用器具及び製造方法
JP2000135218A (ja) * 1998-11-02 2000-05-16 Junji Suwata 使い捨て持針器
JP2006247972A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Inoac Corp 複合部材およびその製造方法
JP2007085391A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Ntn Corp 滑り軸受
JP2008194230A (ja) * 2007-02-13 2008-08-28 Hogi Medical:Kk 高い把持機能を有する鉗子
JP2014026447A (ja) * 2012-07-26 2014-02-06 Toppan Printing Co Ltd Icタグ内蔵鋏状手動利器
WO2016038945A1 (ja) * 2014-09-11 2016-03-17 オリンパス株式会社 インサート成形品、該インサート成形品を用いた機器及びインサート成形品の製造方法
WO2019082284A1 (ja) * 2017-10-24 2019-05-02 日進工業株式会社 鉗子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Alifui‐Segbaya et al. The corrosive effects of artificial saliva on cast and rapid manufacture‐produced cobalt chromium alloys
US9280738B2 (en) Identification tag and attachment
Stübinger et al. Ultrasonic bone cutting in oral surgery: a review of 60 cases
KR20060127783A (ko) 소형 및 이 소형을 사용한 가이드 와이어의 제조방법
JP2021065607A (ja) 手術器具
Hubálková et al. Dental materials and magnetic resonance imaging.
Tahmasbi et al. Ion Release and Galvanic Corrosion of Different Orthodontic Brackets and Wires in Artificial Saliva.
US20190178757A1 (en) Tissue dividing jig
JP2016171911A (ja) 医療用把持具及びその製造方法
Es-Souni et al. On the in vitro biocompatibility of Elgiloy, a co-based alloy, compared to two titanium alloys.
JP4953210B2 (ja) 摘出生体組織載置装置及び摘出生体組織の固定方法
JP3710582B2 (ja) 核磁気共鳴映像法と組み合わせて使用する医療用処置具
EP1454583A3 (en) Ear type clinical thermometer
US4471897A (en) Surgical instrument for application of staples
JP2021065607A5 (ja)
RU86440U1 (ru) Хирургические ножницы
Singh et al. Design and development of small punch testing fixture to predict the mechanical properties of cortical bone
Abbasi et al. A comparative evaluation of wear resistance of three types of artificial acrylic teeth after removing the glaze layer
Karuppaswamy et al. Intra-uterine insemination: pregnancy rate in relation to number, size of pre-ovulatory follicles and day of insemination.
CN206630648U (zh) 手术刀片和手术刀
Dimitriadis et al. Microstructure and Mechanical Properties of Co-Cr Alloy Fabricated by Selective Laser Melting Technology for Removable Partial Denture Frameworks
CN214073722U (zh) 一种可转角的记忆显微探针
CN214180772U (zh) 一种新型的眼整形手术刀片
EP4223419A1 (en) Pouch for in-vitro diagnostic items
CN209808440U (zh) 一种用于血管缝合术中收纳缝合线的衬垫

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210817

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220610

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220617

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221201