JP2021064214A - ロボット制御システム - Google Patents

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Jiro Goto
次郎 後藤
諭 岡本
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諭 岡本
照美 鵜飼
Terumi Ukai
照美 鵜飼
平 哲也
Tetsuya Taira
哲也 平
大作 本田
Daisaku Honda
大作 本田
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Masahito Endo
雅人 遠藤
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Takashi Hayashi
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Abstract

【課題】ユーザの荷物を持った搬送ロボットがユーザと適切な距離で追従する技術を提供する。【解決手段】ロボット制御システムは、撮像画像を取得する取得部と、撮像画像に含まれるユーザ画像を追跡し、撮像画像に含まれるユーザ画像をもとにユーザ90の場所を導出する追跡部と、ユーザ90の荷物94を受け取る本体部と、ユーザ90の荷物94の種類またはユーザ90の場所に応じてユーザ90と搬送ロボット10の追従間隔を設定する設定部と、設定部により設定された追従間隔でユーザ90に追従するよう搬送ロボット10の走行を制御する走行制御部と、を備える。【選択図】図11

Description

本発明は、自律走行機能を備えた搬送ロボットを用いる技術に関する。
特許文献1は、底部と、底部の水平方向における両端部からそれぞれ鉛直方向に延びる第1の柱部および第2の柱部と、第1の柱部および第2の柱部のそれぞれの上端部に接続された天部とによって開口部を形成する物品収納部と、第1の柱部および第2の柱部に開口部を挟んで対となるように設けられた、物品収納補助具を固定するための固定部とを備えた物品搬送ロボットを開示する。特許文献1では、物品搬送ロボットが、買い物をしているユーザの後ろを追従走行し、ユーザが買い物をしながら、物品搬送ロボットの開口部に固定された物品収納補助具に対して物品の出し入れを行う利用シーンが想定されている。
国際公開第2019/49366号
特許文献1に開示される技術では、ユーザの買い物を持った物品搬送ロボットが追従走行するが、ユーザの場所によって物品搬送ロボットがユーザの近くを追従することが適切でない場合がある。
本発明の目的は、ユーザの荷物を持った搬送ロボットがユーザと適切な距離で追従する技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のロボット制御システムは、撮像画像を取得する取得部と、撮像画像に含まれるユーザ画像を追跡し、撮像画像に含まれるユーザ画像をもとにユーザの場所を導出する追跡部と、ユーザの荷物を受け取る本体部と、ユーザの荷物の種類またはユーザの場所に応じてユーザと搬送ロボットの追従間隔を設定する設定部と、設定部により設定された追従間隔でユーザに追従するよう搬送ロボットの走行を制御する走行制御部と、を備える。
本発明によれば、ユーザの荷物を持った搬送ロボットがユーザと適切な距離で追従する技術を提供できる。
図1(a)および図1(b)は、実施例の荷物搬送ロボットの斜視図を示す図である。 図2(a)および図2(b)は、起立した姿勢の荷物搬送ロボットの斜視図を示す図である。 荷物を積んで起立姿勢にある荷物搬送ロボットの斜視図を示す図である。 図4(a)および図4(b)は、走行機構に対する本体部の相対運動を説明するための図である。 図5(a)および図5(b)は、荷物搬送ロボットの構造について説明するための図である。 荷物搬送ロボットの機能ブロックを示す図である。 ロボット制御システムの構成の概要を示す図である。 第1実施例の荷物搬送ロボットの斜視図である。 ロボット制御システムの機能ブロックを示す図である。 荷物搬送ロボットにより商品を回収する処理のフローチャートである。 第2実施例の荷物搬送ロボットの動作について説明するための図である。 第2実施例の荷物搬送ロボットの別の動作について説明するための図である。 第2実施例のロボット制御システムの機能ブロックを示す図である。 第3実施例のロボット制御システムについて説明するための図である。
図1(a)および図1(b)は、実施例の荷物搬送ロボット10の斜視図を示す。荷物搬送ロボット10の高さは、例えば1〜1.5メートル程度であってよい。荷物搬送ロボット10は、自律走行機能を有する走行機構12と、走行機構12に支持されて、荷物等の物体を載せるための本体部14とを備える。走行機構12は、第1車輪体22および第2車輪体24を備え、第1車輪体22は、一対の前輪20aおよび一対の中輪20bを有し、第2車輪体24は、一対の後輪20cを備える。図1(a)および図1(b)には、前輪20a、中輪20b、後輪20cが、直線状に並んでいる状態を示す。
本体部14は、矩形に形成された枠体40を有し、枠体40の内側は、荷物等の物体を載せる収容空間を構成する。枠体40は、一対の右側壁18a、左側壁18bと、一対の側壁を下側で繋ぐ底板18c、および一対の側壁を上側で繋ぐ上板18dを有して構成される。右側壁18aおよび左側壁18bの内面には、対向する一対の突条部(リブ)56a、56b、56c(以下、特に区別しない場合には「突条部56」と呼ぶ)が設けられる。本体部14は走行機構12に相対運動可能に連結される。実施例の荷物搬送ロボット10は、荷物を積んで、設定された目的地まで自律走行し、目的地に待機しているユーザに荷物を届ける宅配機能を有する。以下、本体部14の向きに関し、本体部14が走行機構12に対して直立した状態で枠体40の開口に垂直な方向を「本体部14の前後方向」、一対の側壁を垂直に貫く方向を「本体部14の左右方向」と呼ぶ。また、走行機構12の向きに関し、前輪20aおよび後輪20cを結ぶ方向を「走行機構12の前後方向」、前輪20aの回転軸に平行な方向を「走行機構12の左右方向」と呼ぶ。
図2(a)および図2(b)は、起立した姿勢の荷物搬送ロボット10の斜視図を示す。走行機構12における前輪20aおよび後輪20cが互いに接近し、第1車輪体22および第2車輪体24が接地面に対して互いに傾斜することで、荷物搬送ロボット10は起立姿勢をとる。たとえば荷物搬送ロボット10が目的地に到達し、目的地にいるユーザの前で起立姿勢をとることで、ユーザは本体部14に載せられた自分宛の荷物を取りやすくなる。
図3は、荷物を積んで起立姿勢にある荷物搬送ロボット10の斜視図を示す。図3には、本体部14に、第1荷物16a、第2荷物16bおよび第3荷物16cが積まれている様子が示される。第1荷物16a、第2荷物16bおよび第3荷物16cは、右側壁18aおよび左側壁18bの内面に形成された突条部56に載置または係合することで、本体部14に載せられる。
図3に示す第1荷物16a、第2荷物16bおよび第3荷物16cは箱形状であるが、本体部14に載せられる物体は箱形状に限らない。たとえば一対の突条部56に、物体を収納するための容器が載置されて、物体は容器に入れられるようにしてもよい。また枠体40の上板18dの内面にフックが設けられ、物体を取っ手付きの袋に入れた上で、袋の取っ手がフックに掛けられて、袋が吊されてもよい。
なお枠体40の内側の収容空間には、荷物以外に、様々な物が収容可能である。たとえば枠体40に冷蔵庫を収容することで、荷物搬送ロボット10は、動く冷蔵庫として機能できる。また枠体40に商品を搭載した商品棚を収容することで、荷物搬送ロボット10は、動く店舗として機能できる。また枠体40の開口部の両面にディスプレイ装置を設けることで、荷物搬送ロボット10は、動くディスプレイとして機能できる。
図4(a)および図4(b)は、走行機構12に対する本体部14の相対運動を説明するための図である。図4(a)は、枠体40の側壁を鉛直方向に対して傾斜させた状態を示す。枠体40は走行機構12に対して、左右方向に延在する連結軸により相対回転可能に支持され、前後方向のいずれにも傾斜できる。前後方向の傾斜運動を交互に繰り返すことで、枠体40は、前後方向の揺動運動を可能とする。
図4(b)は、枠体40が鉛直方向の軸回りに略90度回転した状態を示す。枠体40は走行機構12に対して、垂直方向に延在する連結軸により相対回転可能に支持され、その連結軸回りに枠体40と走行機構12とが相対回転することで、図4(b)に示すように枠体40が回転する。枠体40は、360度回転可能であってよい。
図5(a)および図5(b)は、荷物搬送ロボット10の構造について説明するための図である。図5(a)は、走行機構12の構造を示し、図5(b)は、主に本体部14の構造を示す。実際には走行機構12および本体部14に、電源部および制御部が設けられるが、図5(a)および図5(b)では省略している。
図5(a)に示すように、走行機構12は、前輪20a、中輪20b、後輪20c、第1車輪体22、第2車輪体24、軸体26、連結ギヤ28、起立アクチュエータ30、軸体支持部32、オブジェクト検出センサ34、前輪モータ36および後輪モータ38を有する。
第1車輪体22は、一対のサイドメンバ22aと、一対のサイドメンバ22aを連結して車幅方向に延在するクロスメンバ22bとを有する。一対のサイドメンバ22aは、クロスメンバ22bの両端から垂直な方向に延びるように設けられる。一対の前輪20aは、一対のサイドメンバ22aの前端の位置にそれぞれ設けられ、一対の中輪20bは、クロスメンバ22bの両端側の位置にそれぞれ設けられる。一対の前輪20aには、車輪軸を回転させる前輪モータ36がそれぞれ設けられる。
第2車輪体24は、車幅方向に延在するクロスメンバ24aと、クロスメンバ24aの中央位置から垂直方向に延在する連結メンバ24bとを有する。連結メンバ24bは、第1車輪体22のクロスメンバ22bに挿入され、第1車輪体22に相対回転可能に連結する。クロスメンバ24aの両端側に後輪20cがそれぞれ設けられる。
一対の後輪20cには、車輪軸を回転させる後輪モータ38がそれぞれ設けられる。一対の前輪20aおよび一対の後輪20cは各モータにより独立して回転することができ、走行機構12は左右輪の回転量の差によって左右に曲がることが可能である。
クロスメンバ22bの内部には車幅方向に延在する軸体26と、軸体26の両端部を支持する軸体支持部32とが設けられる。第2車輪体24の連結メンバ24bは、連結ギヤ28によって軸体26に対して回転可能に連結する。起立アクチュエータ30は、連結メンバ24bを軸体26の軸回りに回転させることができる。第1車輪体22および第2車輪体24は、起立アクチュエータ30の駆動によって相対回転して、図2(a)および図2(b)に示す起立姿勢をとることができ、起立姿勢から図1(a)および図1(b)に示す水平姿勢に戻ることができる。
走行機構12は、道路の段差などを走行可能なロッカーボギー構造で構成される。第1車輪体22および第2車輪体24を連結する軸体26は、中輪20bの車輪軸からずれて位置し、車幅に垂直な方向において前輪20aの車輪軸および中輪20bの車輪軸の間に位置する。これにより第1車輪体22と第2車輪体24は軸体26を支点として、走行中の路面形状に合わせて折れ曲がることができる。
オブジェクト検出センサ34は、第1車輪体22に設けられ、進行方向の物体を検出する。オブジェクト検出センサ34は、ミリ波レーダ、赤外線レーザ、音波センサなどであってよく、またはそれらの組合せであってよい。オブジェクト検出センサ34は、後方または横方向の物体を検出するため、第1車輪体22の前部のみならず、第1車輪体22および第2車輪体24の様々な位置に設けられてよい。
図5(b)に示すように、荷物搬送ロボット10は、枠体40、連結軸42、外周歯部43、回転アクチュエータ44、連結軸45、傾斜アクチュエータ46、第1カメラ50a、第2カメラ50b、通信部52を備える。枠体40には、ディスプレイ48a、48b、48c(以下、特に区別しない場合は「ディスプレイ48」と呼ぶ)、フック54、一対の第1突条部56a、一対の第2突条部56b、一対の第3突条部56cが設けられる。なお説明の便宜上、図5(b)には、連結軸42、外周歯部43、回転アクチュエータ44、連結軸45、傾斜アクチュエータ46を簡略化して一体に示しているが、連結軸42、外周歯部43および回転アクチュエータ44と、連結軸45および傾斜アクチュエータ46とは別体として設けられてよい。
突条部56は、荷物等を載置するために、右側壁18a、左側壁18bの内面から突出して設けられる。枠体40の上板18dの内面には、荷物を吊すためのフック54が形成される。フック54は、枠体40の上板内面から常時表出してよいが、上板内面内に収容可能に設けられて、必要なときに取り出せるようにしてよい。
ディスプレイ48a、48bは、それぞれ右側壁18a、左側壁18bの外面に設けられ、ディスプレイ48cは、上板18dの外面に設けられて、画像を表示可能である。底板18cおよび上板18dには、第1カメラ50aおよび第2カメラ50b(これらを区別しない場合「カメラ50」という)がそれぞれ設けられる。なお荷物搬送ロボット10は、第1カメラ50a、第2カメラ50b以外にもカメラを搭載して、周囲の全ての状況を監視できることが好ましい。カメラ50は、枠体40の収容空間を撮影する位置に設けられてもよい。上板18dには、さらに通信部52が設けられ、通信部52は無線通信ネットワークを介して、外部のサーバ装置と通信可能である。
底板18cは、連結軸42の外周歯部43に、回転アクチュエータ44側のギヤ(図示せず)を介して回転可能に取り付けられ、連結軸42により第1車輪体22に連結される。回転アクチュエータ44は、外周歯部43とギヤとを相対回転させることで、枠体40を連結軸42に対して軸回りに回転させる。回転アクチュエータ44により、図4(b)に示すように、枠体40を回転させることが可能となる。
傾斜アクチュエータ46は、連結軸45を回転して、連結軸42を鉛直方向に対して傾斜させる。左右方向に延在する連結軸45は、連結軸42の下端部に一体として設けられ、傾斜アクチュエータ46が連結軸45を回転することで、連結軸42の傾斜運動を実現する。傾斜アクチュエータ46は、連結軸42を傾斜することで、図4(a)に示すように、枠体40を前後方向に傾斜させることが可能となる。
図6は、荷物搬送ロボット10の機能ブロックを示す。荷物搬送ロボット10は、制御部100、受付部102、通信部52、GPS(Global Positioning System)受信機104、センサデータ処理部106、マップ保持部108、アクチュエータ機構110、ディスプレイ48、前輪モータ36および後輪モータ38を備える。制御部100は、走行制御部120、運動制御部122、出力制御部124および情報処理部126を有し、アクチュエータ機構110は、起立アクチュエータ30、回転アクチュエータ44、傾斜アクチュエータ46を含む。通信部52は無線通信機能を有して、他の荷物搬送ロボット10の通信部と車車間通信でき、またユーザのスマートフォンなどの携帯端末装置から送信される情報を受信できる。GPS受信機104は衛星からの信号にもとづいて現在位置を検出する。
図6において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、回路ブロック、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。また、別途後述する機能ブロックの図面も図6と同様である。
マップ保持部108は、道路位置を示すマップ情報を保持する。マップ保持部108は、道路位置に限らず、たとえば商業施設などの複数階の建物における各階の通路位置を示すマップ情報を保持してもよい。後述するが、実施例の荷物搬送ロボット10は、商業施設で買い物をするユーザの後ろを追従するように自律走行する。そのためマップ保持部108は、商業施設におけるマップ情報を保持していることが好ましい。
荷物搬送ロボット10は、複数の行動モードを有し、設定された行動モードで行動する。複数の行動モードのうち、基本的な行動モードは、目的地まで自律走行して、目的地に待機しているユーザに荷物を届ける行動モードである。以下、荷物搬送ロボット10の基本行動モードについて説明する。
<荷物搬送ロボット10の基本行動>
荷物搬送ロボット10は集荷場に待機しており、集荷場のスタッフにより配達先を入力されると、入力された配達先まで自律走行する。走行ルートは、荷物搬送ロボット10が決定してもよいが、外部のサーバ装置によって設定されてもよい。配達先の入力は、所定の無線入力ツールによって行われ、スタッフが無線入力ツールから配達先を入力すると、通信部52が配達先を受信して、走行制御部120に通知する。無線入力ツールは、専用のリモートコントローラであってよいが、専用のアプリケーションをインストールしたスマートフォンであってもよい。
荷物搬送ロボット10は、配達先を入力するためのインタフェースを備え、スタッフは、当該インタフェースから配達先を入力してもよい。たとえばディスプレイ48がタッチパネルとして構成されている場合、出力制御部124は、ディスプレイ48に配達先入力画面を表示し、スタッフが配達先入力画面から配達先を入力してもよい。受付部102がタッチパネルのタッチ操作を受け付けると、情報処理部126が、タッチ位置から配達先を特定して、走行制御部120に通知する。集荷場のスタッフが、荷物を枠体40に載せて配達先を入力した後、配達開始を荷物搬送ロボット10に指示すると、走行制御部120は、設定された配達先までの自律走行を開始する。スタッフは複数の配達先を設定して、枠体40の収容空間に配達先ごとの荷物を載せてよい。
枠体40には載せられた荷物を枠体40にロック(固定)するための機構が備えられる。荷物搬送ロボット10の走行中は、荷物がロック機構により枠体40に固定されることで、走行中に落下せず、また受取人でない第三者に抜き取られないようにされる。
走行制御部120は、マップ保持部108に保持されたマップ情報と、GPS受信機104から供給される現在位置情報とを用いて、設定された走行ルートを走行するように走行機構12を制御する。具体的に走行制御部120は、前輪モータ36および後輪モータ38を駆動して、荷物搬送ロボット10を目的地まで走行させる。
センサデータ処理部106は、オブジェクト検出センサ34による検出データおよびカメラ50による撮影画像をもとに、荷物搬送ロボット10の周囲に存在するオブジェクトに関する情報を取得し、走行制御部120に提供する。対象となるオブジェクトは、構造物や側溝などの走行に障害となる静的なオブジェクトと、人や他の荷物搬送ロボット10などの移動可能なオブジェクト(移動オブジェクト)を含む。走行制御部120は、他のオブジェクトとの衝突を回避するように進行方向および走行速度を決定し、前輪モータ36および後輪モータ38を駆動制御する。
荷物搬送ロボット10が、受取人であるユーザのいる目的地に到達すると、走行制御部120はモータ駆動を停止する。ユーザは、自分宛の荷物のロックを解除するためのパスコードを外部のサーバ装置から事前に取得している。ユーザは、スマートフォンなどの携帯端末装置を用いてパスコードを荷物搬送ロボット10に送信すると、通信部52がロック解除用のパスコードを受信し、情報処理部126が荷物のロックを解除する。このとき運動制御部122は起立アクチュエータ30を駆動して、荷物搬送ロボット10に起立姿勢をとらせる。これによりユーザは、荷物を受け取り可能であることを認識し、また本体部14に載せられた自分宛の荷物を取りやすくなる。荷物がユーザにより受け取られると、走行制御部120は、次の目的地まで自律走行する。
以上、荷物搬送ロボット10の基本行動モードを示したが、荷物搬送ロボット10は、他の行動モードによる行動も可能とする。荷物搬送ロボット10の行動モードは様々存在してよく、各行動モードを実現するためのプログラムがプリインストールされていてよい。荷物搬送ロボット10を利用するユーザは、利用前に、所望の行動モードを荷物搬送ロボット10に設定することで、荷物搬送ロボット10は、設定された行動モードで行動する。以下、荷物搬送ロボット10がユーザの買い物を支援する「買い物支援行動モード」について説明する。
買い物支援行動モードで行動する荷物搬送ロボット10は、商業施設における各所に配置され、ユーザからの利用要請を待機する。このモードで荷物搬送ロボット10は、当該ユーザのいわゆる「荷物持ち」として行動する。利用を希望するユーザは、荷物搬送ロボット10に自身の姿を登録し、追従対象であることを荷物搬送ロボット10に認識させる。荷物搬送ロボット10は、ユーザの全身をカメラ50で撮影して、その特徴データを抽出することで、他の人と当該ユーザとを画像解析により区別できるようにしてよい。なおユーザは所定のビーコン信号を発信する発信器を持つことで、荷物搬送ロボット10が、追従対象を認識できるようにしてもよい。いずれにしても買い物支援行動モードでは、荷物搬送ロボット10がユーザを追従できることが必要であり、その手段は問わない。
荷物搬送ロボット10の枠体40の内部に、買い物かごを載せることで、ユーザは、購入する商品または購入した商品を買い物かごに入れられる。これによりユーザは重い買い物かごを持つ必要がない。また、搬送ロボット10は、枠体40の内部に載せた商品を特定してその商品の購入決済処理を実行してよい。これによりユーザはレジに並ぶ必要がなくなる。
図7は、ロボット制御システム1の構成の概要を示す図である。ロボット制御システム1は、荷物搬送ロボット10、サーバ装置60および基地局62を備える。サーバ装置60および基地局62は、インターネットなどのネットワークを介して接続されてよい。荷物搬送ロボット10の通信部52は、無線通信機能を有しており、基地局62経由でサーバ装置60と接続する。
なお、荷物搬送ロボット10の台数は4台に限るものではなく、ロボット制御システム1では、多数の荷物搬送ロボット10がサーバ装置60と情報を送受する状況であってよい。サーバ装置60は、データセンタに設置され、複数の荷物搬送ロボット10の走行や配置を管理する。
(第1実施例)
図8は、第1実施例の荷物搬送ロボット10の斜視図である。図8に示す荷物搬送ロボット10は、本体部14に箱体64を設けており、箱体64は、枠体40に挿通された状態で突条部56に係合することで本体部14に保持されている。箱体64の側面に突条部56に係合する溝部が形成されてもよい。
荷物搬送ロボット10は、スーパーマーケット、ショッピングセンターおよびデパートメントストアなどの商業施設内で走行し、ユーザから商品65の返品を受け付ける。本体部14は、返品される商品65を箱体64で受け取る。箱体64は、返品される商品65を受け取る受取部として機能する。商品65には商品IDを記憶したICタグ65aが付されている。
ユーザは、例えばスーパーマーケットで商品65を取ったものの、その後に店内を移動していると商品65を返品したくなることがある。荷物搬送ロボット10は、ユーザから返品される商品65を箱体64で受け取り、商品65を認識し、商品65に応じた返却場所に移動して商品65を返却することができる。
また、ユーザは、買い物支援行動モードの搬送ロボット10を利用しつつ、返品処理用の搬送ロボット10も利用してよい。例えば、買い物支援行動モードの搬送ロボット10はユーザに追従して、ユーザから受け取った商品65に対して購入決済処理を実行する。ユーザは商品65を買い物支援行動モードの搬送ロボット10に渡すと容易に購入できるが、購入した商品65を返品用の搬送ロボット10に渡すことで返品することができる。返品用の搬送ロボット10は、購入後の商品65を受け取って、返品決済処理を実行する。この利用システムにより、ユーザが商品の購入と返品を容易にできる。
図9は、ロボット制御システム1の機能ブロックを示す。荷物搬送ロボット10は、通信部52、走行制御部120、出力制御部124および情報処理部126を備える。情報処理部126は、位置算出部70、商品特定部72および返品処理部74を有する。
通信部52は、サーバ装置60と通信可能であり、情報を送信するときに荷物搬送ロボット10のロボットIDを付して送信する。また、通信部52は、近距離無線通信が可能な受信部を含み、商品65に付けられたICタグ65aから商品IDを近距離無線通信により受信する。通信部52で用いる近距離無線通信は数センチメートルの範囲で受信可能であってよい。
通信部52は、サーバ装置60から荷物搬送ロボット10の移動経路を取得し、走行制御部120に送る。位置算出部70は、GPS情報をもとに荷物搬送ロボット10の位置情報を算出する。算出された位置情報にはタイムスタンプが付されている。
走行制御部120は、サーバ装置60から受け取った移動経路情報にしたがって荷物搬送ロボット10の走行を制御する。走行制御部120は、カメラ50およびオブジェクト検出センサ34により検出された障害物情報をもとに荷物搬送ロボット10を停止または迂回させることが可能である。
商品特定部72は、箱体64に載置された商品65を特定する。ユーザがICタグ65aを通信部52に接近させることで通信部52が商品IDを受信する。商品特定部72は、商品IDによって箱体64に載置された商品65を特定する。また、商品特定部72は、カメラ50による撮像画像をもとに商品65を特定してよい。商品特定部72は、特定した商品65の情報を返品処理部74に送る。
返品処理部74は、商品65の返品処理を実行する。返品処理部74は、返品された商品65の商品IDをサーバ装置60に送信し、サーバ装置60にて返品決済処理を実行させ、サーバ装置60から返品決済処理の結果を受け取る。返品処理部74は、箱体64に商品65を載置したユーザに返品処理の結果を示す情報を生成する。
出力制御部124は、返品処理の結果をユーザに通知する。出力制御部124は、ディスプレイ48に返品処理の結果を表示させることで、ユーザに通知してよい。また、出力制御部124は、本体部14に設けられたスピーカ(不図示)から音声を出力させることでユーザに通知してよい。
サーバ装置60は、通信部78、決済処理部80、返品履歴記憶部82、経路導出部84および返却場所記憶部86を有する。通信部78は、複数の荷物搬送ロボット10から位置情報と返品情報とを受信し、移動経路情報と決済情報とを送信する。
決済処理部80は、返品された商品65の決済処理を実行する。決済処理部80は、商品IDを受け取って、購入を取り消す処理を実行する。決済処理部80は、例えば決済用サーバに商品65の購入を取り消す指示情報を送り、決済用サーバから決済結果を受け取ってよい。決済処理部80は、商品IDに対応する商品65の返品処理の結果を荷物搬送ロボット10に送る。
返品履歴記憶部82は、荷物搬送ロボット10から送信された返品データを記憶する。返品データには、商品ID、商品65を受け取った時刻、商品65を受け取った搬送ロボット10の位置情報が含まれる。返品履歴記憶部82に記憶される返品データによって、サーバ装置60は返品される頻度が高い場所を算出できる。
返却場所記憶部86は、返品された商品の返却場所の位置情報を保持する。返却場所は、同じ小売店舗内に複数設定されてよく、小売店舗毎に設定されてよい。また、生鮮品、生鮮品を除く食品、衣類、雑貨品などの商品の種類毎に返却場所が設定されてもよい。いずれにしても返却場所記憶部86は、商品と返却場所との関係を示すデータを記憶する。
経路導出部84は、地図情報、荷物搬送ロボット10の位置情報および返品履歴記憶部82にもとづいて荷物搬送ロボット10の移動経路を導出する。経路導出部84は、商品を回収する前の移動経路と、商品を回収した後の移動経路とを導出する。経路導出部84は、商品を回収する前の荷物搬送ロボット10に対して、返品履歴記憶部82に記憶される返品データ、つまり、商品65を受け取ったときの荷物搬送ロボット10の位置情報にもとづいて移動経路を導出する。走行制御部120は、返品される商品65を本体部14が受け取ったときの搬送ロボット10の位置情報にもとづいて導出された移動経路にしたがって搬送ロボット10を走行させる。これにより、商品65の返品が発生しやすい場所に荷物搬送ロボット10を移動させることができる。
経路導出部84は、商品65を回収した後の荷物搬送ロボット10に対して、荷物搬送ロボット10の位置情報および返却場所記憶部86に保持される返却場所にもとづいて荷物搬送ロボット10の移動経路を導出する。経路導出部84は、商品IDに応じた返却場所へ荷物搬送ロボット10を移動させる走行経路を導出する。なお、移動経路を生成する経路導出部84の構成は荷物搬送ロボット10に設けられてもよい。
通信部78は、経路導出部84により導出された荷物搬送ロボット10の移動経路を荷物搬送ロボット10に送信し、走行制御部120は、導出された移動経路をもとに荷物搬送ロボット10の走行を制御する。走行制御部120は、移動経路に沿って荷物搬送ロボット10を周回させてもよい。
走行制御部120は、経路導出部84により導出された移動経路に沿って、返品された商品65を返却場所へ届けるように走行させる。これにより、商品65を所定の返却場所に回収できる。また、走行制御部120は、商品特定部72により特定された商品65の種類に応じた返却場所に走行させる。これにより、商品65を適切な返却場所に搬送できる。
なお、経路導出部84は、荷物搬送ロボット10の移動範囲にいる顧客の行動情報をもとに荷物搬送ロボット10の移動経路を導出してよい。例えば、経路導出部84は、顧客が相対的に多い場所を荷物搬送ロボット10が通る移動経路を導出してよい。経路導出部84は、顧客の行動情報を固定カメラの撮像画像を解析することで取得してよく、顧客の行動情報として顧客の購入履歴を別のサーバ装置から取得してもよい。経路導出部84は、顧客の行動情報と返品データをもとに、返品する可能性が高い顧客の行動を学習してよい。
第1実施例に示す商品返品用の搬送ロボット10と、買い物支援行動モードの搬送ロボット10とが同じ商業施設に混在してよい。買い物支援行動モードの搬送ロボット10は商品決済機能を有し、買い物支援行動モードの搬送ロボット10に保持させた商品を商品返品用の搬送ロボット10に移すことで商品購入が取り消される。このように、購入用と返品用の搬送ロボット10を利用することで、レジに並ぶことがなく容易に購入できるとともに、返品も容易にできる。
商品返品用の搬送ロボット10が、買い物支援行動モードの搬送ロボット10に載せられた商品IDが所定条件を満たすと、その買い物支援行動モードの搬送ロボット10に接近してもよい。例えば、買い物支援行動モードの搬送ロボット10に載せられた商品IDが返品する可能性が高いことを示す場合に、商品返品用の搬送ロボット10が買い物支援行動モードの搬送ロボット10に接近する。所定条件は、返品される可能性が高いことを推定する条件であって、例えば、同じ商品IDが複数個、すなわち所定閾値(1個を除く)以上検出された場合に満たされてよい。このように、サーバ装置60の経路導出部84は、ユーザの購入履歴をもとに、商品返品用の搬送ロボット10を買い物支援行動モードの搬送ロボット10に接近させる移動経路を導出する。
図10は、荷物搬送ロボット10により商品を回収する処理のフローチャートである。荷物搬送ロボット10は、荷物搬送ロボット10の位置情報をサーバ装置60に送信する(S10)。経路導出部84は、荷物搬送ロボット10の位置情報と、返品履歴記憶部82により記憶される返品データとにもとづいて荷物搬送ロボット10の移動経路を導出し(S12)、荷物搬送ロボット10に送る。
荷物搬送ロボット10の走行制御部120は、導出された移動経路にしたがって荷物搬送ロボット10を走行させる(S14)。荷物搬送ロボット10は返品される商品を受け取らなければ(S16のN)、本処理を終える。荷物搬送ロボット10が返品される商品を受け取れば(S16のY)、商品特定部72は、返品される商品を特定する(S18)。
返品処理部74は、特定された商品IDと、商品を受け取ったときの荷物搬送ロボット10の位置情報とを返品データとしてサーバ装置60に送る(S20)。決済処理部80は、返品決済処理を実行する(S22)。決済処理部80は、決済用サーバ装置に商品IDとその商品の購入を取り消す指示情報とを送信し、決済用サーバ装置から返品結果を受け取る。
商品の返品が完了した場合(S24のY)、通信部78は、商品の返品が完了したことを示す決済完了情報と、経路導出部84により導出された返却場所への移動経路情報を荷物搬送ロボット10に送信する(S26)。走行制御部120は、商品に応じた返却場所へ荷物搬送ロボット10を走行させる(S28)。
商品の返品が完了しない場合(S24のN)、通信部78は、商品の返品が完了しないことを示す決済エラー情報を荷物搬送ロボット10に送信し、出力制御部124は、商品の返品が完了しないことをディスプレイ48に表示させ、ユーザに通知する(S30)。
(第2実施例)
図11は、第2実施例の荷物搬送ロボット10の動作について説明するための図である。図11では、荷物搬送ロボット10が、買い物支援行動モードを実行しており、ユーザ90の後方に位置し、ユーザ90の移動に連動して追従する様子を示す。ユーザ90はショッピングセンターで荷物搬送ロボット10を利用しており、荷物搬送ロボット10は、ユーザ90の荷物94を箱体92で保持し、ユーザ90から50センチメートル程度離れて追従している。
ユーザ90を荷物搬送ロボット10に認識させて利用登録が完了すると、荷物搬送ロボット10がユーザ90を追従する買い物支援行動モードを実行する。荷物搬送ロボット10は、買い物支援行動モードにおいて、登録されたユーザ90から所定の追従間隔を維持するように走行する。
また、荷物搬送ロボット10は、商品決済機能を有してよく、商品IDを取得すれば購入決済処理を実行してよい。例えば、ユーザ90が商品を箱体92に入れ、通信部52が商品のICタグから商品IDを近距離無線通信で受信すれば、購入決済処理が実行されてよい。このように、荷物搬送ロボット10は、ユーザ90の買い出しを支援することができる。
図12は、第2実施例の荷物搬送ロボット10の別の動作について説明するための図である。図12では、ユーザ90が入口96から店舗内に立ち寄った様子を示す。ところで、買い物支援行動モードでは荷物搬送ロボット10がユーザ90に追従するが、ユーザ90がいる場所によってはユーザ90との間隔を離した方がよい場合がある。例えば、荷物搬送ロボット10がユーザ90とともに狭い店に入ると邪魔になる可能性がある。また、生鮮品を持った荷物搬送ロボット10が他の店に入らない方がよい場合もある。そこで、荷物搬送ロボット10は、ユーザ90の荷物の種類やユーザ90の位置に応じてユーザ90から大きく離れるようにする。
図12では、荷物搬送ロボット10が入口96から店舗に入らないよう、入口96前で待機している。このように、荷物搬送ロボット10が買い物支援行動モードを実行中であっても、所定の追従間隔での追従をしないようにする。これにより、荷物搬送ロボット10がユーザ90の状況に応じて距離をとることができる。
図13は、第2実施例のロボット制御システム140の機能ブロックを示す。サーバ装置60は、通信部78、経路導出部84、ユーザ情報記憶部130、追跡部132、設定部134および条件記憶部136を有する。
搬送ロボット10の受付部102は、買い物支援行動モードでの利用要請を受け付け、センサデータ処理部106は、追従対象となるユーザ画像を通信部52を介して搬送ロボット10に送信する。
センサデータ処理部106は、箱体92で受け取った荷物94の画像を解析し、解析結果を情報処理部126に送る。情報処理部126の特定部76は、センサデータ処理部106による解析結果をもとに荷物94を特定し、特定した荷物94の情報を通信部52を介してサーバ装置60に送信する。位置算出部70は、搬送ロボット10の位置情報を算出し、通信部52を介してサーバ装置60に送信する。
走行制御部120は、ユーザを所定の追従間隔で追従するよう搬送ロボット10を走行させる。走行制御部120は、ユーザと搬送ロボット10との間隔が所定の追従間隔以上になると、搬送ロボット10をユーザに接近させるように制御してよい。
サーバ装置60の通信部78は、カメラ50の撮像画像、搬送ロボット10の位置情報、追跡対象となるユーザ画像およびロボットIDを搬送ロボット10から受信する。ユーザ情報記憶部130は、追従対象となるユーザ画像を記憶する。ユーザ情報記憶部130は、ユーザ画像をもとに生成した特徴量を記憶してよい。つまり、ユーザ情報記憶部130は、追跡対象となるユーザに関する情報を記憶する。
追跡部132は、搬送ロボット10による撮像画像および搬送ロボット10周辺に位置する固定カメラ(不図示)による撮像画像をもとに、追従対象となるユーザを追跡する。搬送ロボット10周辺に位置する固定カメラは、例えば、商業施設に設けられた監視カメラであってよい。追跡部132は、撮像画像からユーザ情報記憶部130に記憶されたユーザ画像に類似する対象画像を探索し、探索した対象画像を追跡する。
追跡部132は、撮像画像を撮像した位置および撮像方向をもとにユーザの位置情報を導出する。また、追跡部132は、撮像画像を解析して、ユーザの周辺の状況情報を導出してもよい。ユーザの周辺状況情報は、ユーザがいる空間の広さ、ユーザがいる空間での人の混雑度合い、ユーザが入った店舗の種類であってよい。ユーザの位置情報やユーザの周辺状況情報から、ユーザの周辺状況が把握できる。また、追跡部132は、ユーザの携帯端末からユーザの位置情報を取得して、ユーザを追跡してよい。
設定部134は、ユーザの荷物の種類またはユーザの周辺状況に応じてユーザと搬送ロボット10の追従間隔を設定する。設定部134は、条件記憶部136に記憶される追従間隔の追従条件をもとに追従間隔を設定する。条件記憶部136に記憶される追従条件は、ユーザおよび搬送ロボット10の追従間隔と、ユーザの周辺状況との関係を定め、ユーザおよび搬送ロボット10の追従間隔と、ユーザの荷物の種類との関係を定める。
例えば、ユーザが狭い店舗にいる場合には、搬送ロボット10がその店舗に入らないようにユーザから離れた追従間隔が設定される。また、ユーザの荷物の種類と全く異なる種類の商品を販売する店舗にユーザがいる場合には、ユーザから離れた追従間隔が設定される。例えば、ユーザの荷物が生鮮食品である場合に、ユーザが衣料品店に入った場合には、ユーザから離れた追従間隔が設定される。
経路導出部84は、設定部134により設定された追従間隔で搬送ロボット10がユーザを追従するよう、搬送ロボット10の移動経路を導出し、導出した移動経路を搬送ロボット10に送る。移動経路は搬送ロボット10がユーザを検出できない場合に導出されてもよい。走行制御部120は、導出された移動経路にしたがって搬送ロボット10を走行させる。
経路導出部84は、設定部134により設定された追従間隔で搬送ロボット10がユーザを追従するよう、搬送ロボット10の目標位置を導出してもよい。走行制御部120は、導出された目標位置へ搬送ロボット10を走行させる。このように走行制御部120は、設定部134により設定された追従間隔でユーザに追従するよう搬送ロボット10の走行を制御することができる。
経路導出部84は、ユーザが入った店舗に搬送ロボット10が入らないように、搬送ロボット10に店舗前で待機させる目標位置を導出してよい。搬送ロボット10の入店を禁止する店舗が予め定められてよい。例えば、ユーザが飲食店や映画館に入った場合には、搬送ロボット10が入店しないように、経路導出部84は搬送ロボット10を飲食店や映画館の入口周辺で待機させる目標位置を導出してよい。
搬送ロボット10は、受け取った荷物94を所定の収容位置に運んでもよい。例えば、搬送ロボット10は、ユーザが飲食店や映画館に入った場合に、荷物94をユーザの車やロッカーに運んでよい。
なお、サーバ装置60で実行される解析処理を搬送ロボット10の情報処理部126で実行してもよい。例えば、追跡部132、設定部134、経路導出部84の解析処理を情報処理部126が実行してもよい。
(第3実施例)
図14は、第3実施例のロボット制御システム150について説明するための図である。図14では、搬送ロボット10が荷物98を保持している様子を示す。荷物98は、枠体40の開口からはみ出た状態で保持されている。
図14に示す搬送ロボット10は、枠体40の開口方向が走行機構12の左右方向に平行な枠体40の回転位置、つまり、右側壁18aおよび左側壁18bが走行機構12の前後方向に対向する状態にある。これにより、搬送ロボット10の進退による慣性力が荷物98に加わっても、右側壁18aおよび左側壁18bが受け止めることができるため、荷物98が枠体40から抜け落ちる可能性を低減できる。
枠体40の開口方向が走行機構12の前後方向に交差させた状態では、荷物98が走行機構12の左右方向にはみ出ることになる。荷物98が走行機構12の左右方向の幅より長い場合、走行中に荷物98のはみ出た部分が障害物に衝突する可能性が高まる。
そこで、搬送ロボット10は、荷物98が走行機構12の左右方向にはみ出しており、進行方向に障害物がある場合、枠体40を鉛直方向の軸回りに回転させて、荷物98が障害物に衝突することを回避させる。
図6に戻る。センサデータ処理部106は、オブジェクト検出センサ34およびカメラ50の検知結果をもとに、搬送ロボット10の進行方向にある障害物を検出する。例えば、障害物は、ガードレール、電柱、人、車両などである。
また、センサデータ処理部106は、カメラ50の撮像画像を解析して荷物98が走行機構12の左右方向の幅より長いことを検出し、荷物98の水平方向のはみ出し量を算出する。荷物98の水平方向のはみ出し量は、走行機構12の左右方向の幅よりはみ出した長さである。
情報処理部126は、搬送ロボット10の走行によって荷物98のはみ出し部分が障害物に衝突するか判定する。荷物98が障害物に衝突すると判定された場合、運動制御部122は回転アクチュエータ44を駆動して枠体40を回転させ、枠体40の開口方向が搬送ロボット10の進行方向に沿うようにさせる。これにより、荷物98が搬送ロボット10から左右方向にはみ出ないため、障害物を避けることができる。
走行制御部120は、障害物を避けるため枠体40の開口方向が搬送ロボット10の進行方向に沿うようにさせた場合に、枠体40の開口方向が搬送ロボット10の進行方向に直交する場合より、走行速度を低くしてよい。これにより、搬送ロボット10の走行中に荷物98が枠体40から抜け落ちる可能性を低減できる。
運動制御部122は、障害物が搬送ロボット10の右側にある場合、上面視にて枠体40を時計回りに回転させてよい。また、運動制御部122は、障害物が搬送ロボット10の左側にある場合、上面視にて枠体40を反時計回りに回転させてよい。これにより、障害物が搬送ロボット10に向かって移動している場合に、衝突を回避できる可能性を高めることができる。
運動制御部122は、搬送ロボット10を起立姿勢にさせることで荷物98が障害物を避けられる場合には、搬送ロボット10の起立姿勢にしてよい。
なお実施例はあくまでも例示であり、各構成要素の組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
1 ロボット制御システム、 10 搬送ロボット、 12 走行機構、 14 本体部、 20a 前輪、 20b 中輪、 20c 後輪、 22 第1車輪体、 24 第2車輪体、 30 起立アクチュエータ、 34 オブジェクト検出センサ、 36 前輪モータ、 38 後輪モータ、 40 枠体、 42 連結軸、 44 回転アクチュエータ、 46 傾斜アクチュエータ、 48 ディスプレイ、 50a 第1カメラ、 50b 第2カメラ、 52 通信部、 54 フック、 56a 第1突条部、 56b 第2突条部、 56c 第3突条部、 60 サーバ装置、 70 位置算出部、 72 商品特定部、 74 返品処理部、 76 特定部、 78 通信部、 80 決済処理部、 82 返品履歴記憶部、 84 経路導出部、 86 返却場所記憶部、 100 制御部、 102 受付部、 104 GPS受信機、 106 センサデータ処理部、 108 マップ保持部、 110 アクチュエータ機構、 120 走行制御部、 122 運動制御部、 124 出力制御部、 126 情報処理部、 130 ユーザ情報記憶部、 132 追跡部、 134 設定部、 136 条件記憶部。

Claims (1)

  1. 撮像画像を取得する取得部と、
    撮像画像に含まれるユーザ画像を追跡し、撮像画像に含まれるユーザ画像をもとにユーザの場所を導出する追跡部と、
    ユーザの荷物を受け取る本体部と、
    ユーザの荷物の種類またはユーザの場所に応じてユーザと搬送ロボットの追従間隔を設定する設定部と、
    前記設定部により設定された追従間隔でユーザに追従するよう前記搬送ロボットの走行を制御する走行制御部と、を備えることを特徴とするロボット制御システム。
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