JP2021063254A - ニッケル粒子及びその製造方法 - Google Patents

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圭 穴井
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Abstract

【課題】薄層で且つ導電信頼性の高い電極を形成可能なニッケル粒子を提供すること。【解決手段】本発明のニッケル粒子は、水酸化ニッケルの皮膜が表面に不存在であり、走査型電子顕微鏡観察による累積体積50容量%における体積累積粒径D50が100nm以下であり、硫黄元素の含有量が50ppm未満である。また本発明は、水溶性ニッケル化合物、貴金属触媒及び還元性化合物を混合し、且つポリオール類、アミン系化合物及び塩素元素を非含有である反応液を加熱する工程を備えるニッケル粒子の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、ニッケル粒子及びその製造方法に関する。
電子機器に用いられる積層セラミックコンデンサ(MLCC)は、一般的に、ニッケル粒子を含む内部電極と、該内部電極と交互に配された誘電体と、銅粒子を含む外部電極とを備えている。
近年、電子機器の小型化や高性能化に向け、内部電極の一層の薄層化が求められている。かかる課題を達成するために、ニッケル粒子を微粒化する設計思想が存在する。例えば特許文献1には、表面に薄いニッケルの酸化層を有し、酸素含有量が0.3〜3.0重量%であり、かつ炭素含有量が、単位重量のニッケル粉末に対する炭素成分の重量比率で、粉末の比表面積1m/gあたり100ppm以下である、平均粒径0.05〜1.0μmのニッケル粉末が開示されている。
また、特許文献2には、金属元素成分の含有量が85〜99質量%であり、前記金属元素以外の成分の含有量が1〜12質量%であるニッケル粒子であって、走査型電子顕微鏡観察により測定された、前記ニッケル粒子の一次粒子の平均粒径D50が20nm〜150nmであり、一次粒径の変動係数が0.2以下であり、前記平均粒径D50の2.0倍以上の粒子が、全粒子個数の0.1%以下であるニッケル粒子が開示されている。
特開2007−157563号公報 特開2017−179551号公報
特許文献1及び2に記載のニッケル粒子は、微粒化が達成されているものの、粒子表面に水酸化ニッケルの被膜が形成されていたり、又は粒子中に不純物が多量に存在しているので、これらの粒子をMLCC製造時の焼結に供すると、粒子の溶融性が十分でなかったり、また不純物が多量に混入した内部電極が形成されたりすることがある。その結果、内部電極の短絡や電気抵抗の増大等の不具合が生じ、MLCCの十分な導電信頼性を得ることができなかった。
したがって、本発明の課題は、薄層で且つ導電信頼性の高い電極を形成可能なニッケル粒子を提供することにある。
本発明は、水酸化ニッケルの皮膜が表面に不存在であり、
走査型電子顕微鏡観察による累積体積50容量%における体積累積粒径D50が100nm以下であり、
硫黄元素の含有量が50ppm未満である、ニッケル粒子を提供するものである。
また本発明は、水溶性ニッケル化合物、貴金属触媒及び還元性化合物を混合した反応液を加熱する工程を備える、水酸化ニッケルの皮膜が表面に存在しないニッケル粒子の製造方法であって、
前記反応液は、ポリオール類、アミン系化合物及び塩素元素を非含有である、ニッケル粒子の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、薄層で且つ導電信頼性の高い電極を形成可能なニッケル粒子が提供される。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明のニッケル粒子は、水酸化ニッケルの皮膜が粒子表面に存在していないことを特徴の一つとしている。「表面に存在していない」とは、測定対象のニッケル粒子をX線回折測定したときに、(100)面に由来する2θ=33〜34°の範囲に回折ピークが検出されないことをいう。「X線回折ピークが検出されない」とは、ベースラインの強度に対して3倍以下の強度しか検出されないことを示す。このようなニッケル粒子は、例えば、後述する製造方法によって製造することができる。
本発明のニッケル粒子は、走査型電子顕微鏡観察によって測定された累積体積50容量%における体積累積粒径D50が100nm以下であることが好ましく、80nm以下がより好ましく、70nm以下が更に好ましい。この方法で測定されたD50は、ニッケル粒子の一次粒子の粒径を表すところ、このようなD50を有することによってペーストに含有したときに良好な充填性を発現し、薄い塗膜を形成することに有利である。一方で、電極形成時における焼結特性の向上と、粒子の製造効率の向上とを両立する観点から、D50は10nm以上が現実的である。
50は、ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡像から、粒子どうしが重なり合っていないものを無作為に1000個選んで粒径(ヘイウッド径)を測定する。次いで、得られた粒径から、粒子が球であると仮定したときの体積を算出し、該体積の累積体積50容量%における体積累積粒径と定義される。
本発明のニッケル粒子は、硫黄元素の含有量が好ましくは50ppm未満であり、より好ましくは30ppm以下であり、更に好ましくは10ppm以下である。硫黄元素の含有量は、例えば堀場製作所社製の硫黄分析装置「EMIA−Expert」等により測定することができる。
以上の構成を有するニッケル粒子は、粒径が小さく、且つ該粒子における不純物の一つである硫黄元素の含有量が少ないので、粒子の溶融性が高く、焼結性が良好であり、特に低温焼結性に優れる。また本発明のニッケル粒子は、粒径が小さいので、ニッケル粒子を電極形成用の導電性ペーストとして用いたときに、該ペーストから形成される膜の厚みを薄くすることができる。更に本発明のニッケル粒子は、不純物量が少ないことに加えて、水酸化ニッケルの層が存在しないので、該ニッケル粒子を含む膜の焼結後に得られる導電性ニッケル層は不純物由来のガス発生に起因する空隙が形成されづらく、密度の高い層となる。その結果、ニッケル粒子を焼結して形成されたニッケル層は、薄く、且つ導電信頼性が高いものとなる。
本発明のニッケル粒子は、非酸化雰囲気下、25℃から1000℃まで加熱したときの熱重量・質量分析において、25℃における質量に対する加熱後の質量の最大減少率が10質量%未満であることも好ましい。本発明のニッケル粒子は、水酸化ニッケルの皮膜が表面に不存在であり、所定の不純物の含有率も極めて少ないため、このような質量減少率となる。したがって、本発明のニッケル粒子を電極等の導電層の形成に用いたときに、導電信頼性が一層高い導電層を形成することができる。このようなニッケル粒子は、例えば後述する製造方法によって製造することができる。
上述した熱重量・質量分析は、例えば以下の方法で行うことができる。すなわち、熱重量示差熱分析装置(リガク社製、Thermoplus TG8120)、及び質量分析装置(島津製作所社製、GCMS−QP2010Plus)を連結したものを用いて、ニッケル粒子を熱重量分析及び質量分析に供する。非酸化雰囲気としてHe雰囲気またはN雰囲気下に、昇温速度を10℃/minとして、25℃(室温)から1000℃まで加熱し、マイナスの質量変化を示した箇所における質量の最大減少率を算出する。
粒子の凝集を防止して製造効率の向上を図る観点から、走査型電子顕微鏡観察によって測定された累積体積10容量%における体積累積粒径D10は、好ましくは5nm以上であり、更に好ましくは10nm以上である。また、粗粒の形成を抑制して成膜性の向上を図る観点から、好ましくは90nm以下であり、更に好ましくは60nm以下である。
成膜後の焼成工程における膜の形状を維持する観点から、走査型電子顕微鏡観察によって測定された累積体積90容量%における体積累積粒径D90は、好ましくは20nm以上であり、更に好ましくは30nm以上である。また、粗粒の形成を抑制して成膜性の向上を図る観点から、好ましくは160nm以下であり、更に好ましくは140nm以下である。
成膜後の焼成工程における膜の形状を維持する観点から、走査型電子顕微鏡観察によって測定された累積体積100容量%における体積累積粒径Dmaxは、好ましくは20nm以上であり、更に好ましくは30nm以上である。また、粗粒の形成を抑制して成膜性の向上を図る観点から、好ましくは200nm以下であり、更に好ましくは180nm以下である。
10、D90及びDmaxは、上述したD50と同様に測定することができる。
また、ニッケル粒子の粒径の均一性を高めて、該粒子を用いたニッケル層の薄型化及び平滑化を実現する観点から、粒径の変動係数は、好ましくは0.03以上であり、更に好ましくは0.05以上である。また、好ましくは0.50以下であり、更に好ましくは0.30以下である。
変動係数は、ニッケル粒子の走査型電子顕微鏡像から、粒子どうしが重なり合っていないものを無作為に1000個選んで粒径(ヘイウッド径)を測定したものに基づいて算出された標準偏差を、同様に算出された算術平均値で除した値として、算出することができる。ニッケル粒子の形状は、一般的に球状であるが、この形状に限られない。
ニッケル粒子は、ナトリウム元素の含有量が少ないことも好ましい。詳細には、ニッケル粒子におけるナトリウム元素の含有量は、好ましくは30ppm未満であり、より好ましくは20ppm以下であり、更に好ましくは10ppm以下であり、少なければ少ないほど好ましい。ナトリウム元素の含有量をこのような範囲にすることによって、得られるニッケル粒子をMLCCの製造に用いたときに、MLCCの酸化物層における酸化物とナトリウム元素との反応による絶縁破壊の発生を防ぐことができる。また、ニッケル粒子を焼結して得られた導電層は、薄いものでありながら、十分な導電信頼性を有するものとなる。このようなニッケル粒子は、例えば後述する製造方法によって製造することができる。
ナトリウム元素の含有量は、例えば、日立ハイテクサイエンス社製SPS3520UV−DDを用いた誘導結合プラズマ発光分光分析で測定することができる。
ニッケル粒子は、塩素元素の含有量が少ないことも好ましい。詳細には、ニッケル粒子における塩素元素の含有量は、好ましくは10ppm未満であり、より好ましくは7ppm以下であり、更に好ましくは5ppm以下であり、少なければ少ないほど好ましい。塩素元素は、ニッケル粒子どうしを焼結させてニッケル層を形成するときに塩素ガスを生成してしまうので、ニッケル層内に意図しない微細孔(ボイド)が生じる可能性がある。ニッケル粒子中の塩素元素の含有量を上述した範囲とすることによって、塩素ガスの生成及び揮発を少なくして、得られるニッケル層の密度を一層高めることができる。その結果、ニッケル層の導電信頼性を一層高めることができる。このようなニッケル粒子は、例えば後述する製造方法によって製造することができる。
塩素元素の含有量は、例えば、上述した誘導結合プラズマ発光分光分析と同様の方法で測定することができる。
ニッケル粒子は、炭素元素の含有量が少ないことも好ましい。詳細には、ニッケル粒子における炭素元素の含有量は、好ましくは1.0質量%未満であり、より好ましくは0.8質量%以下であり、更に好ましくは0.6質量%以下であり、少なければ少ないほど好ましい。炭素元素は、ニッケル粒子どうしを焼結させてニッケル層を形成するときに、一酸化炭素や二酸化炭素のガスを生成してしまうので、上述した塩素ガスの場合と同様に、ニッケル層内に意図しないボイドが生じる可能性がある。ニッケル粒子中の炭素元素の含有量を上述した範囲とすることによって、炭素含有ガスの生成及び揮発を少なくして、得られるニッケル層の密度を一層高めることができる。その結果、ニッケル層の導電信頼性を一層高めることができる。このようなニッケル粒子は、例えば後述する製造方法によって製造することができる。
炭素元素の含有量は、例えば、堀場製作所社製の炭素分析装置EMIA−Expertを用いて測定することができる。
ニッケル粒子は、酸素元素の含有量が少ないことも好ましい。詳細には、ニッケル粒子における酸素元素の含有量は、好ましくは10質量%未満であり、より好ましくは7質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下であり、少なければ少ないほど好ましい。大気中での粒子の安定性の観点から、1.5質量%以上であることが好ましい。ニッケル粒子中の酸素元素の含有量を上述した範囲とすることによって、ニッケル粒子の低温焼結性を高めることができる。このようなニッケル粒子は、例えば後述する製造方法によって製造することができる。
酸素元素の含有量は、例えばLECO社製の酸素窒素水素分析装置ONH836を用いて測定することができる。
ニッケル粒子は、窒素元素の含有量が少ないことも好ましい。詳細には、ニッケル粒子における窒素元素の含有量は、好ましくは0.8質量%未満であり、より好ましくは0.6質量%以下であり、更に好ましくは0.4質量%以下であり、少なければ少ないほど好ましい。ニッケル粒子中の窒素元素の含有量を上述した範囲とすることによって、窒素含有ガスの生成及び揮発を少なくして、得られるニッケル層の密度を一層高めることができる。このようなニッケル粒子は、例えば後述する製造方法によって製造することができる。
ニッケル粒子中の窒素元素の含有量は、例えば、LECO社製の酸素窒素水素分析装置ONH836を用いて測定することができる。
本発明においては、上述した硫黄、ナトリウム、塩素、炭素、酸素及び窒素の元素のうち少なくとも1つの元素の含有量が上述した値以下であることが好ましく、より多くの元素の含有量が上述した値以下であることが特に好ましい。
次に、上述したニッケル粒子の好適な製造方法を説明する。本製造方法は、水溶性ニッケル化合物、貴金属触媒及び還元性化合物を混合した反応液を加熱する工程を備える。つまり、本製造方法は、湿式条件下で、好ましくは水性液中でニッケルイオンを還元して、ニッケル粒子を生成させるものである。
本製造方法では、水溶性ニッケル化合物、貴金属触媒及び還元性化合物を混合した反応液を調製する。本工程においては、純水等の溶媒に各原料を同時に添加して反応液としてもよく、各原料を任意の順序で溶媒に添加して反応液としてもよい。ニッケルの還元反応を制御しやすくして、製造時の取扱い性を高める観点から、水溶性ニッケル化合物と、貴金属触媒とを純水等の溶媒に混合したニッケル水溶液と、還元性化合物を純水等の溶媒に混合した還元性水溶液とをそれぞれ別に調製し、その後、ニッケル水溶液と還元性水溶液とを混合して反応液とし、ニッケルの還元反応を開始することが好ましい。特に、ニッケル水溶液、還元性水溶液及び反応液を調製するための溶媒は、いずれも水のみを用いることが、得られるニッケル粒子の焼結時にガスの発生が更に起こりにくくなるので好ましい。以下の説明では、ニッケル水溶液と、還元性水溶液とをそれぞれ独立に調製したあと、これらの水溶液を混合して反応液とした製造方法を例にとり説明する。
まず、ニッケル源として、水溶性ニッケル化合物及び貴金属触媒を含むニッケル水溶液を調製する。水溶性ニッケル化合物としては、例えば1分子中の炭素数が5以下のニッケル塩が好ましく用いられる。そのようなニッケル塩としては、ギ酸ニッケル、酢酸ニッケル、マロン酸ニッケル、コハク酸ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル等が挙げられる。これらのニッケル塩の中でも、ギ酸ニッケル及び酢酸ニッケルの少なくとも一種は、得られる粒子の不純物が低減できるので好ましい。特に酢酸ニッケルは、得られるニッケル粒子の不純物が特に少ないことに起因して焼結時におけるガス発生が少ないという利点があるので特に好ましい。これらのニッケル塩は、無水物であってもよく、水和物であってもよい。これらのニッケル塩は単独で又は複数組み合わせて用いることができる。
ニッケル水溶液に含まれる貴金属触媒は、ニッケルイオンの還元を促進させるために用いられる。貴金属触媒としては、例えば銀、銅や、パラジウム、白金などの貴金属と、硝酸、硫酸、酢酸、炭酸等の無機酸との水溶性の貴金属塩が好ましく用いられる。貴金属触媒は、ニッケルの質量割合に対して多く含有させることが、得られるニッケル粒子の粒子径を小さくできる点から好ましい。また、高温信頼性の観点から、高融点であるパラジウムや白金を含む貴金属触媒を用いることが特に好ましい。
ニッケル水溶液における水溶性ニッケル化合物の含有量は、ニッケル水溶液の全体の質量に対するニッケル化合物の質量割合で表して、0.01質量%以上75質量%以下が好ましく、0.1質量%以上50質量%以下が更に好ましい。
また、貴金属触媒の含有量は、微粒のニッケル粒子を得やすくする観点から、ニッケルの含有質量に対する貴金属の質量割合で表して、0.03質量%以上が好ましく、0.05質量%以上が更に好ましい。また、導電性を発揮しつつ、製造コストを低減する観点から2.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下が更に好ましい。
ニッケル水溶液の調製にあたり、水溶性ニッケル化合物及び貴金属触媒の添加順序や方法に特に制限はない。例えば、固形の水溶性ニッケル化合物及び固形の貴金属触媒を、純水等の溶媒に任意の順序で又は同時に添加して水溶液としてもよく、水溶性ニッケル化合物及び貴金属触媒の少なくとも一方を予め純水等に溶解させたあと、純水等の溶媒に任意の順序で又は同時に添加し、混合して水溶液としてもよい。いずれの場合であっても、後述する工程において、ニッケルの還元効率を高めて、粒径の小さいニッケル粒子を得る観点から、ニッケル水溶液の調製後は、撹拌しながら40℃以上90℃以下に加熱することが好ましい。
また、ニッケル水溶液とは別に、還元性化合物を含む還元性水溶液を調製する。本方法において用いられる還元性化合物は、例えば、ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジン及び抱水ヒドラジン等のヒドラジン系化合物、水素化ホウ素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、次亜硝酸ナトリウム、亜リン酸、亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸、及び次亜リン酸ナトリウム等の炭素非含有化合物が挙げられる。これらの還元性化合物は、無水物であってもよく、水和物であってもよい。これらの還元剤は1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、ヒドラジン系化合物は還元力が強いので好適に用いられ、また、ヒドラジンは還元後に不純物の発生や、得られる粒子への不純物の混入が少ないので特に好適に用いられる。還元力が強く、且つ粒子への不純物の混入を抑制する観点から、還元性化合物として、ヒドラジンの無水物又は水和物のみを用いることがより一層好ましい。
ヒドラジン系化合物を還元性化合物として用いる場合には、反応時のpHを8.0以上のアルカリ性条件下にすることが、ニッケルイオンの還元反応が良好に進行する点で好ましい。この場合、pHの調整は、本発明の効果が奏される限りにおいて、各種の酸や塩基性物質を用いることができ、例えば水酸化ナトリウムやアンモニアを用いることができる。
続いて、ニッケル水溶液と、還元性水溶液とを混合して反応液とし、該反応液を加熱して、ニッケル源を還元させてニッケル粒子を得る。反応液の調製においては、反応液中の還元性化合物の含有量が、ニッケル1モルに対して、好ましくは4モル以上20モル以下、更に好ましくは6モル以上15モル以下となるように、還元性水溶液を混合する。還元性化合物の含有量をこのような割合とすることによって、ニッケル源を還元させたときに、D50が上述した範囲内にあるニッケル粒子を効率良く得ることができる。
ニッケル水溶液と、還元性水溶液との混合においては、一方を他方に添加して混合してもよく、これらの水溶液を同時に混合してもよい。
反応液の加熱条件は、混合開始時点から反応終了時点にわたって、40℃以上100℃以下、特に70℃以上90℃以下に維持するように加熱することが好ましい。混合開始時点から終了時点までの時間は、15分以上120分以下とすることが好ましい。また、還元反応を均一に発生させて、粒径のばらつきが少ないニッケル粒子を得る観点から、混合開始時点から反応終了時点にわたって、反応液の撹拌を継続することも好ましい。
特に本製造方法は、反応液中に、ニッケルイオンの還元を目的として含有されるポリオール類、得られる粒子の分散性を高めることを目的として含有されるアミン系化合物、及びニッケル源等に由来する塩素元素を非含有とした場合であっても、得られるニッケル粒子の粒径を小さく制御しながら、硫黄元素等の不純物の少ないニッケル粒子を効率良く得ることができる。また、粒子どうしの凝集が抑制された分散性の高いニッケル粒子を得ることができる。ポリオール類、アミン系化合物及び塩素元素を非含有とするためには、例えば、ニッケル水溶液、還元性水溶液、及び反応液の各調製工程において、これらの成分や、これらの成分を含有する原材料を用いなければよい。なお、各調製工程において、ポリオール類、アミン系化合物及び塩素元素が不可避的に混入することは許容される。
特に、粒径が小さく、硫黄元素等の不純物が低減され、且つ粒子どうしの高い分散性を兼ね備えたニッケル粒子を効率良く得る観点から、上述したアミン系化合物に加えて、得られる粒子の分散性を高めることを目的として含有される他の有機分散剤も反応液中に非含有とすることが好ましい。他の有機分散剤も反応液中に非含有とするためには、ニッケル水溶液、還元性水溶液、及び反応液の各調製工程において、有機分散剤や、該分散剤を含有する原材料を用いなければよい。
また、硫黄、ナトリウム、塩素、炭素、酸素及び窒素の各元素の含有量を低減させたニッケル粒子を得るためには、例えば、水溶性ニッケル化合物及び還元性化合物にこれらの元素を含む原材料を使用しなかったり、純度の高い水溶性ニッケル化合物及び還元性化合物を用いたりすればよい。
このようにして得られたニッケル粒子は、デカンテーション法等による洗浄後、水やアルコール等の有機溶媒等に分散させて、スラリーやインク、ペースト等としてもよい。また、洗浄したニッケル粒子を乾燥させて、該粒子の集合体である乾燥粉としてもよい。
以上の工程を経て得られたニッケル粒子は、粒子どうしの分散性を高めるためのアミン系化合物の層や、水酸化ニッケルの層を粒子表面に有していないが、粒径が小さく、且つ硫黄元素等の不純物が少ないものとなる。また、このようにして得られた粒子は、一般に球状のものとなる。なお、本発明の効果が奏される限りにおいて、得られたニッケル粒子が他の元素を不可避的に含むことや、ニッケル粒子表面が不可避的に微量酸化されることを排除するものではない。
特に、上述した製造工程において、水溶性ニッケル化合物として酢酸ニッケルを用いた場合、得られるニッケル粒子は、上述のとおり不純物が少ないことに起因して焼結時のガス発生量を更に少なくできるといった利点を有する。ニッケル粒子が上述した製造工程によって得られた物であるか否かは、該粒子を飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)による質量分析に供したときに、TOF−SIMSでの陰イオンマススペクトルにおいて、分子量58以上61以下のフラグメントピークが観察されるか否かで判断できる。この分子量の範囲に観察されるフラグメントは、C等の酢酸の分子構造に由来するものである。TOF−SIMSの測定は、例えば、アルバック・ファイ社製、TOF−SIMS TRIFT IV装置を用いて、陰イオン及び陽イオンを各々測定する両極測定によって行うことができる。
ニッケル粒子は、導電性組成物に配合される金属フィラーとして好適に用いられる。導電性組成物としては、例えば導電ペーストや導電インクなどが挙げられる。これらの導電性組成物は、金属フィラーとしてのニッケル粒子、バインダ樹脂及び有機溶媒等の成分を含むものである。導電性組成物は、例えばこれを所定の手段によって塗布することで、プリント配線基板の配線回路を形成することができる。またプリント配線基板中のビア充填用材料や、プリント配線基板に電子デバイスを表面実装するときの接着剤として用いることもできる。更に、チップ部品の電極形成に用いることもできる。特に、本発明のニッケル粒子は、粒径が小さく、粒子どうしの凝集が少ないものであるので、ニッケル粒子を含む層を薄く形成することができ、小型化及び薄型化が要求されるMLCCや、LTCC(低温焼成セラミックス)多層回路基板等の小型電子部品における内部電極等の形成材料に特に好適に用いることができる。また、ニッケル粒子は、硫黄元素等の不純物が少ないので、該粒子を含むMLCCやLTCCの製造時において、形成されたニッケル層の密度が高く、導電信頼性が高いものとなる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。以下に示す表1中、「<10」の欄は、測定値が10未満であったことを示す。以下の各実施例及び比較例では、一連の製造工程において、ポリオール類、アミン系化合物及び塩素元素を非含有とした条件下でニッケル粒子を製造した。
〔実施例1〕
(1)ニッケル水溶液の調製
水溶性ニッケル化合物として酢酸ニッケル四水和物を用い、貴金属触媒として硝酸パラジウムを用いた。14.95gの酢酸ニッケル四水和物と、1.76gの硝酸パラジウム水溶液(Pd含有量:0.1質量%)とを117.25gの純水に溶解し、ニッケル水溶液を得た。ニッケルに対するパラジウム含有量は、以下の表1に示すとおりであった。
(2)還元性水溶液の調製
還元性化合物としてヒドラジン一水和物を用いた。24.07gのヒドラジン一水和物と、純水50gと水酸化ナトリウム15gとを混合して調製した65gの水酸化ナトリウム水溶液とを混合して、ヒドラジン水溶液を得た。
(3)ニッケル粒子の合成
以下の表1に示す水酸化ナトリウムの質量割合及びヒドラジン含有量となるように、前記工程(1)で得られたニッケル水溶液と、ヒドラジン水溶液とを混合して、反応液を調製した。反応液は、混合開始時点から反応終了時点にわたって、70℃以上90℃以下の温度を維持するように加熱して1時間撹拌して反応させた。次いで、純水によるデカンテーションを行い、更にエタノールで溶媒置換を行った。その後デカンテーションにより濃縮し、固形分の真空乾燥をこの順で行い、目的とするニッケル粒子を得た。
このニッケル粒子について、X線回折測定装置(Rigaku社製、SmartLab)を用い、走査角度2θ=5〜80°の測定条件でX線回折測定した。その結果、水酸化ニッケルの(100)面に由来する2θ=33〜34°の範囲に回折ピークは観察されなかった。
〔実施例2及び3〕
硝酸パラジウム水溶液の含有量を3.53g(Pd含有量:0.1質量%)又は7.05g(Pd含有量:0.1質量%)とし、ニッケルに対するパラジウム含有量を、以下の表1に示すとおりにそれぞれ変更したほかは、実施例1と同様にニッケル粒子を製造した。
各実施例のニッケル粒子について上述の方法でX線回折測定したところ、水酸化ニッケルの(100)面に由来する回折ピークは観察されなかった。
〔実施例4〕
硝酸パラジウム水溶液の含有量を12.74g(Pd含有量:0.1質量%)とし、ニッケルに対するパラジウム含有量を、以下の表1に示すとおりにそれぞれ変更し、ヒドラジン一水和物の使用量を18.05gとしたほかは、実施例1と同様にニッケル粒子を製造した。
実施例4のニッケル粒子について上述の方法でX線回折測定したところ、水酸化ニッケルの(100)面に由来する回折ピークは観察されなかった。
〔比較例1〕
硝酸パラジウムを用いなかったほかは、実施例1と同様にニッケル粒子を製造した。比較例1のニッケル粒子について上述の方法でX線回折測定したところ、水酸化ニッケルの(100)面に由来する回折ピークは観察されなかった。
〔粒径及び変動係数の測定〕
実施例及び比較例で得られたニッケル粒子のD10、D50、D90及びDmax並びに変動係数を、上述した測定方法でそれぞれ測定した。結果を表1に示す。
〔粒子中の元素分析〕
実施例及び比較例で得られたニッケル粒子について、ニッケル粒子の全質量に対する硫黄(S)、ナトリウム(Na)、塩素(Cl)、炭素(C)、酸素(O)、窒素(N)、及びパラジウム(Pd)の各元素の含有量を上述した方法で測定した。結果を表1に示す。
〔ニッケル粒子の質量減少率の測定〕
実施例及び比較例で得られたニッケル粒子について、非酸化雰囲気にて25℃から1000℃まで加熱したときの熱重量・質量分析を行なった。25℃における質量に対する加熱後の質量の最大減少率を測定した。結果を表1に示す。
〔TOF−SIMSでのフラグメントピークの観察〕
実施例及び比較例で得られたニッケル粒子について、上述の装置を用いTOF−SIMSにて質量分析したところ、いずれの粒子においても、陰イオンマススペクトルにおいて分子量58以上61以下のフラグメントピークが観察された。
Figure 2021063254

Claims (9)

  1. 水酸化ニッケルの皮膜が表面に不存在であり、
    走査型電子顕微鏡観察による累積体積50容量%における体積累積粒径D50が100nm以下であり、
    硫黄元素の含有量が50ppm未満である、ニッケル粒子。
  2. ナトリウム元素の含有量が30ppm未満である、請求項1に記載のニッケル粒子。
  3. 塩素元素の含有量が10ppm未満である、請求項1又は2に記載のニッケル粒子。
  4. 炭素元素の含有量が1.0質量%未満である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のニッケル粒子。
  5. TOF−SIMSでの陰イオンマススペクトルにおいて、分子量58以上61以下のフラグメントピークが観察される、請求項1ないし4のいずれか一項に記載のニッケル粒子。
  6. 非酸化雰囲気下、25℃から1000℃まで加熱したときの熱重量・質量分析において、25℃における質量に対する加熱後の質量の最大減少率が10質量%未満である、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のニッケル粒子。
  7. 水溶性ニッケル化合物、貴金属触媒及び還元性化合物を混合した反応液を加熱する工程を備える、水酸化ニッケルの皮膜が表面に存在しないニッケル粒子の製造方法であって、
    前記反応液は、ポリオール類、アミン系化合物及び塩素元素を非含有である、ニッケル粒子の製造方法。
  8. 前記水溶性ニッケル化合物が、1分子中の炭素数が5以下のニッケル塩である、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記水溶性ニッケル化合物が酢酸ニッケルである、請求項7又は8に記載の製造方法。

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