JP2021063239A - ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】発塵量が少なく、かつ帯電防止性が優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供すること。【解決手段】本発明は、ポリカーボネート樹脂(A)、導電性炭素化合物(B)及び多価カルボン酸化合物(C)を含有する、ポリカーボネート樹脂組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物及び成形体に関する。
シリコーンウェーハからなる薄板基板等の精密部材を使用して生産される、IC、LSI等の半導体部品は、最近の小型化及び薄肉化にともない、電子回路の狭ピッチ化が進んでいる。そのため、従来問題にならなかった微小なパーティクルによる汚染が深刻な問題となり、精密部材を搬送する容器においても、よりクリーンな環境が求められている。
精密部材を搬送する容器へのパーティクルの付着を防止する方法としは、例えば、特許文献1のように、ポリカーボネート樹脂と導電性炭素化合物とを含有する導電性樹脂組成物からなる容器を用いて静電気を防止(帯電防止)する方法が知られている。
しかしながら、特許文献1の方法では、樹脂組成物自身からのパーティクルの発生を抑制することは困難である。樹脂組成物自身からのパーティクルの発生を抑制するために、導電性炭素化合物の配合量を減らす方法が行われているが、この方法では十分な帯電防止性が得られないという問題がある。
特開2007−12793号公報
本発明は、発塵量が少なく、かつ帯電防止性が優れたポリカーボネート樹脂組成物を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂、導電性炭素化合物及び多価カルボン酸化合物を含有するポリカーボネート樹脂組成物が、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物、及び該樹脂組成物を成形した成形体を提供する。
項1 ポリカーボネート樹脂(A)、導電性炭素化合物(B)及び多価カルボン酸化合物(C)を含有する、ポリカーボネート樹脂組成物。
項2 前記ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、前記導電性炭素化合物(B)を0.1〜20質量部含有する、項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
項3 前記ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、前記多価カルボン酸化合物(C)を0.1〜2質量部含有する、項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
項4 前記導電性炭素化合物(B)がカーボンブラック及びカーボンナノチューブから選ばれる少なくとも1種である、項1〜3のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
項5 前記多価カルボン酸化合物(C)が炭素数6〜20の脂肪族多価カルボン酸化合物及び炭素数8〜20の芳香族多価カルボン酸化合物から選ばれる少なくとも1種である、項1〜4のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
項6 項1〜5のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形体。
項7 精密部材用である、項6に記載の成形体。
本発明によれば、ポリカーボネート樹脂に、導電性炭素化合物及び多価カルボン酸化合物を配合することで、発塵量が少なく、かつ帯電防止性が優れたポリカーボネート樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。ただし、以下の実施形態は単なる例示である。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)、導電性炭素化合物(B)及び多価カルボン酸化合物(C)を含有し、必要に応じて、その他の添加剤(D)をさらに含有することができる。
<ポリカーボネート樹脂(A)>
本発明で使用するポリカーボネート樹脂は、特に制限はなく、種々の構造単位を有するポリカーボネート樹脂を使用することができる。前記ポリカーボネート樹脂(A)として、例えば、ジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、又はジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネート等の炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体が挙げられる。その代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン化合物;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン化合物;4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等のジヒドロキシジアリールエーテル化合物;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド化合物;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド化合物;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン化合物等が挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。これらの他に、
ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と3価以上のフェノール化合物とを混合して使用してもよい。前記3価以上のフェノール化合物としてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン及び2,2−ビス−[4,4−(4,4’−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパン等が挙げられる。
また、前記ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂単独のみならず、ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)とのポリマーアロイ、ポリカーボネート樹脂とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)とのポリマーアロイ、ポリカーボネート樹脂とスチレン−ブタジエンゴムとのポリマーアロイ、ポリカーボネート樹脂とポリメチルメタクリレート樹脂とのポリマーアロイ、ポリカーボネート樹脂とポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂のポリマーアロイ、ポリカーボネート樹脂とポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂とのポリマーアロイ等も用いることができる。
<導電性炭素化合物(B)>
本発明で使用する導電性炭素化合物は、カーボンブラック及びカーボンナノチューブから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記カーボンブラックとして、従来公知のケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ロールブラック、ディスクブラック等を挙げることができる。これらの中でも特にケッチェンブラック、アセチレンブラック、及びファーネスブラックが好ましい。これらは、単独で又は2種以上を併用することができる。
前記カーボンブラックは、ジブチルフタレート給油量が100ml/100g〜1000ml/100gであるものが好ましく、350ml/100g〜600ml/100gであるものがさらに好ましい。前記カーボンブラックの原料又は製造方法は特に制限されない。本発明において、ジブチルフタレート給油量とは、ASTM D2414−79に規定された方法に従って測定した値であり、この吸油量が大きいほど、高い電気伝導性を有する。ジブチルフタレート給油量が上記範囲内にあるカーボンブラックを使用することにより、少量の配合で十分な電気伝導性を得ることができ、成形加工性及び成形体の機械的強度が向上する。
前記カーボンナノチューブは、筒状のグラフェンシートが軸方向に対する放射方向に積層した構造の繊維状物質であり、好ましくは直径0.7nm〜100nmであり、かつアスペクト比が5以上である。これらは、単独で又は2種以上を併用することができる。
前記カーボンナノチューブの製造法は特に限定されるものではない。アーク放電法、レーザー蒸発法、化学気相成長法(CVD法)、及び触媒化学気相成長法(CCVD法)などに代表されるカーボンナノチューブの製造法として公知の方法を利用することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物における前記導電性炭素化合物(B)の含有量は、前記ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜15質量部がより好ましい。前記導電性炭素化合物(B)をこの範囲
とすることで、優れた帯電防止性を得ることができる。
<多価カルボン酸化合物(C)>
本発明で使用する多価カルボン酸化合物は、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する化合物であれば特に限定されることなく用いることができる。1分子中に含まれるカルボキシル基の数は、2〜4個が好ましく、特に2個が好ましい。また、多価カルボン酸化合物(C)として好ましくは脂肪族多価カルボン酸化合物及び芳香族多価カルボン酸化合物から選ばれる1種である。
前記ポリカーボネート樹脂(A)に上記のような多価カルボン酸化合物(C)を配合することにより、前記多価カルボン酸化合物(C)のカルボキシル基の一部が、前記ポリカーボネート樹脂(A)の末端等に存在する水酸基と、樹脂組成物の製造過程において反応して架橋構造を形成することで、樹脂組成物自身からのパーティクルの発生を抑制できるものと考えられる。
本発明で使用する多価カルボン酸化合物(C)は、得られる樹脂組成物の帯電防止性能の観点から、炭素数6〜20の脂肪族多価カルボン酸化合物及び炭素数8〜20の芳香族多価カルボン酸化合物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
前記炭素数6〜20の脂肪族多価カルボン酸化合物としては、具体的には、アジピン酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸、1,7−ヘプタンジカルボン酸、1,8−オクタンジカルボン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等が挙げられる。また、脂肪族多価カルボン酸化合物としては、飽和脂肪族多価カルボン酸化合物、不飽和脂肪族多価カルボン酸化合物等が挙げられ、飽和脂肪族多価カルボン酸化合物が好ましい。これらは、単独で又は2種以上を併用することができる。
前記脂肪族多価カルボン酸化合物の中でも、炭素数6〜12の脂肪族多価カルボン酸化合物が好ましく、アジピン酸、1,6−ヘキサンジカルボン酸、1,7−ヘプタンジカルボン酸、1,8−オクタンジカルボン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、及び1,10−デカンジカルボン酸がより好ましい。
前記炭素数8〜20の芳香族多価カルボン酸化合物としては、芳香環に結合した2個以上のカルボキシル基を有する化合物であれば特に限定されることなく用いることができる。その具体例として、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,1’−ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を併用することができる。
前記芳香族多価カルボン酸化合物の中でも、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸化合物が好ましく、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸がより好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物における前記多価カルボン酸化合物(C)の含有量は、前記ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜2質量部であることが好ましく、0.1〜1質量部がより好ましい。前記多価カルボン酸化合物(C)をこの範囲とすることで、優れた帯電防止性を維持しつつ、発塵量を少なくすることができる。
<その他の添加剤(D)>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、その好ましい物性を損なわない範囲で、通常ポリカーボネート樹脂に配合される各種添加剤を配合することができる。その他の添加剤(D)として、例えば、繊維状充填材(ガラス繊維、ガラスミルド繊維、炭素繊維、炭素ミルド繊維、ワラストナイト繊維、チタン酸カリウム繊維、アラミド繊維等)、板状充填材(雲母、マイカ、セリサイト、イライト、タルク、カオリナイト、モンモリナイト、ベーマイト、スメクタイト、バーミキュライト、二酸化チタン、チタン酸カリウム、チタン酸リチウムカリウム、ベーマイト等)、固体潤滑剤(二硫化モリブテン、グラファイト、ポリテトラフルオロエチレン等)、離型剤(飽和脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸エステル、ポリオレフィン系ワックス等)、着色剤(カーボンブラック、酸化チタン等の顔料、及び染料等)、難燃剤(臭素系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤等)、紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、環状イミノエステル系化合物、シアノアクリレート系化合物等)、熱安定剤(フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、カルボジイミド化合物系加水分解防止剤等)、熱伝導剤(黒鉛粉末、炭素繊維、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等)、帯電防止剤(ポリエーテルエステルアミド、グリセリンモノステアレート等)等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を配合してもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物が前記その他の添加剤(D)を含む場合、その配合量は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の好ましい物性を損なわない範囲であれば特に制限はない。前記ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常は20質量部以下であり、好ましくは15質量部以下であり、より好ましくは13質量部以下である。
<ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法>
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)、導電性炭素化合物(B)及び多価カルボン酸化合物(C)を含有し、必要に応じて、その他の添加剤(D)を含む混合物を、混合及び加熱(特に、溶融混練)することによって製造することができる。
溶融混練には、例えば、二軸押出機等の公知の溶融混練装置を使用することができる。
溶融混練における加熱温度は、ポリカーボネート樹脂が溶融し得る温度であれば特に限定はなく、通常、250〜320℃である。通常、溶融混練に用いられる溶融混練装置のシリンダー内温度をこの温度範囲に調整する。
ポリカーボネート樹脂組成物は、具体的には、(1)混合機(タンブラー、ヘンシェルミキサー等)で各成分を予備混合し、得られた混合物を溶融混練装置で溶融混練した後にペレット化手段(ペレタイザー等)でペレット化する方法;(2)所望する成分のマスターバッチを調整し、必要により他の成分を混合して溶融混練装置で溶融混練し、ペレット化する方法;(3)各成分を溶融混練装置に供給して溶融混練し、ペレット化する方法;等により製造することができる。
かくして、所望の効果を発揮する本発明の樹脂組成物が製造される。
本発明の樹脂組成物は、目的とする成形体の種類、用途、形状等に応じて、射出成形、インサート成形、圧縮成形、押出成形、ブロー成形、インフレーション成形等の公知の樹脂成形方法により、各種成形品とすることができる。また、上記の成形方法を組み合わせた成形方法を採用することもできる。
本発明の樹脂組成物を成形することで得られる成形体は、発塵量が少なく、かつ帯電防
止性が優れていることから、IC、LSI等の半導体部品の製造に使用されるフォトマスク、或いはこれらの表面への異物の付着を防止するために使用されるペリクルフレーム、シリコーンウェーハからなる薄板基板等の精密部材を搬送する容器等に好適に用いることができる。
以下に実施例及び比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。なお、本実施例及び比較例で使用した、ポリカーボネート樹脂(A)、導電性炭素化合物(B)及び多価カルボン酸化合物(C)、及びその他の添加剤(D)は具体的には以下の通りである。
(A成分:ポリカーボネート樹脂)
A−1:ポリカーボネート樹脂パウダー(商品名:ユ−ピロンH3000FN、三菱エンジニアリングプラスチック(株)製)
(B成分:導電性炭素化合物)
B−1:導電性カーボンブラック(商品名:ケッチェンブラックEC600JD、ライオン・スペシャル・ケミカルズ(株)製、ジブチルフタレート給油量:495ml/100g)
B−2:カーボンナノチューブ(直径10nm、繊維長1〜10μm)
(C成分:多価カルボン酸化合物)
C−1:テレフタル酸
C−2:アジピン酸
(D成分:その他の添加剤)
D−1:チタン酸カリウム繊維(商品名:ティスモN102、大塚化学(株)製)
<実施例1〜8及び比較例1〜2>
表1に示す配合割合で、二軸押出機を用いて溶融混練し、それぞれペレットを製造した。なお、二軸押出機のシリンダー温度は、270℃であった。
得られたペレットを射出成形機にて、JIS試験片、縦90mm×横50mm×厚み3mmの試験片1、及び縦9mm×横9mm×厚み1mmの試験片2を成形し、評価サンプルとした。なお、射出成形機のシリンダー温度は290℃、金型温度は80℃であった。
<評価方法>
(1)引張強さ及び引張破断伸び
JIS K7113に準じて測定した。
(2)曲げ強さ及び曲げ弾性率
JIS K7271に準じて測定した。
(3)ノッチ付きアイゾット(IZOD)衝撃値
JIS K7110に準じ、1号試験片で測定した。
(4)荷重たわみ温度
JIS K7207に準じ、曲げ応力1.82MPaを加えた時の荷重たわみ温度を測定した。
(5)硬度
上記試験片1を用いて、硬さ試験機ショア式D型((株)中井精機製作所製)で測定した。
(6)発塵量
上記試験片2を用いて、液中パーティクルカウンター(RION(株)製)で測定した。
(7)表面抵抗値
上記試験片1を用いて、precision source measure unit(アジレント・テクノロジー(株))で測定した。
(8)体積抵抗値
上記試験片1を用いて、precision source measure unit(アジレント・テクノロジー(株))で測定した。
これらの結果を表1に示した。
Figure 2021063239

Claims (6)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)、導電性炭素化合物(B)及び多価カルボン酸化合物(C)を含有し、
    前記導電性炭素化合物(B)がカーボンナノチューブであり、且つ、
    前記多価カルボン酸化合物(C)が炭素数8〜20の芳香族多価カルボン酸化合物である、ポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 前記ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、前記導電性炭素化合物(B)を0.1〜20質量部含有する、請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 前記ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、前記多価カルボン酸化合物(C)を0.1〜2質量部含有する、請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. さらに、繊維状充填材を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形体。
  6. 精密部材用である、請求項5に記載の成形体。
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