JP2021062881A - 電子部品包装用カバーテープおよび包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリアテープから剥離する際に、電子部品の異常挙動を抑制できる電子部品包装用カバーテープを提供する。【解決手段】基材層1と、上記基材層の一方の面側に配置されたヒートシール層3と、上記基材層の上記ヒートシール層側の面とは反対の面側に配置される帯電防止層4と、を有し、上記帯電防止層に対してスチールウールによる耐擦性試験をした際の前記耐擦性試験前後の上記帯電防止層の表面固有抵抗の変化比率R1が、10≦R1≦100を満たす、電子部品包装用カバーテープ1。【選択図】図1

Description

本開示は、電子部品包装用カバーテープおよびそれを用いた包装体に関する。
近年、IC、抵抗、トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、圧電素子レジスタ等の電子部品は、テーピング包装され、表面実装に供せられる。テーピング包装においては、電子部品を収納する収納部を複数有するキャリアテープに電子部品を収納した後に、キャリアテープをカバーテープでヒートシールし、電子部品を保管および搬送するための包装体を得る。また、電子部品の実装時には、カバーテープをキャリアテープから剥離し、電子部品を自動的に取り出して基板に表面実装する。なお、カバーテープはトップテープとも称される。
テーピング包装においては、電子部品がキャリアテープやカバーテープとの摩擦や接触によって静電気が発生することに加えて、実装時にカバーテープをキャリアテープから剥離することによって静電気が発生する場合がある。
そこで、静電気の発生を抑制するために、帯電防止性を有するカバーテープが種々提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
特許第4162961号 特許第4061136号 特開2001−270999号公報
しかしながら、帯電防止性を有するカバーテープを用いた場合であっても、電子部品がカバーテープに付着したり、キャリアテープから飛び出す等の異常挙動が発生する場合があることを知見した。
本開示は、上記問題に鑑みてなされたものであり、キャリアテープから剥離する際に、電子部品の異常挙動を抑制することが可能な電子部品包装用カバーテープを提供することを目的とする。
本開示の一実施形態は、基材層と、上記基材層の一方の面側に配置されたヒートシール層と、上記基材層の上記ヒートシール層側の面とは反対の面側に配置される帯電防止層と、を有し、上記帯電防止層に対してスチールウールによる耐擦性試験をした際の上記耐擦性試験前後の上記帯電防止層の表面固有抵抗の変化比率R1が、10≦R1≦100を満たす、電子部品包装用カバーテープを提供する。
本開示の一実施形態は、電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、上記収納部に収納された電子部品と、上記収納部を覆うように配置された、上述の電子部品包装用カバーテープと、を備える、包装体を提供する。
本開示の電子部品包装用カバーテープによれば、電子部品がカバーテープに付着したり、キャリアテープから飛び出す等の異常挙動を抑制することができる。そのため、本開示の電子部品包装用カバーテープや包装体を用いれば、電子部品を確実に実装することができる。
本開示の電子部品包装用カバーテープを例示する概略断面図である。 本開示の包装体を例示する概略平面図および断面図である。 本開示の電子部品包装用カバーテープを例示する概略断面図である。 キャリアテープからカバーテープを剥離するフィーダー剥離装置の剥離機構の概略拡大図である。 摩擦カス発生量と帯電防止層の厚みの関係を示すグラフである。
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」、あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面側に」または「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
以下、本開示の電子部品包装用カバーテープおよび包装体について、詳細に説明する。
A.電子部品包装用カバーテープ
本開示の電子部品包装用カバーテープは、基材層と、上記基材層の一方の面側に配置されたヒートシール層と、上記基材層の上記ヒートシール層側の面とは反対の面側に配置される帯電防止層と、を有し、上記帯電防止層に対してスチールウールによる耐擦性試験をした際の前記耐擦性試験前後の上記帯電防止層の表面固有抵抗の変化比率R1が、10≦R1≦100を満たす、電子部品包装用カバーテープである。なお、本明細書において、「電子部品包装用カバーテープ」を単に「カバーテープ」と称する場合がある。
本開示のカバーテープについて、図面を参照して説明する。図1は本開示のカバーテープの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、本開示のカバーテープ1は、基材層2と、基材層2の一方の面側に配置されたヒートシール層3と、基材層2のヒートシール層3側の面とは反対の面側に配置される帯電防止層4と、を有する。
図2(a)、(b)は本開示の電子部品包装用カバーテープを用いた包装体の一例を示す概略平面図および断面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図である。図2(a)、(b)に示すように、包装体10は、電子部品13を収納する複数の収納部12を有するキャリアテープ11と、収納部12に収納された電子部品13と、収納部12を覆うように配置されたカバーテープ1と、を備える。キャリアテープ11にはカバーテープ1がヒートシールされており、カバーテープ1のヒートシール層3の両端に所定の幅でライン状にヒートシール部3hが設けられている。また、包装体10において、キャリアテープ11は、送り穴14を有することができる。
上記のように、帯電防止性を有するカバーテープが種々提案されている。例えば、特許文献3では、カルボキシル基を有する水溶性導電性ポリマー、シランカップリング剤及びコロイダルシリカを含有した架橋性導電性組成物が記載されている。この架橋性導電性組成物から形成された帯電防止層は、3次元の架橋構造を有し、硬い塗膜であるものの、実際のカバーテープ剥離時に帯電防止層の割れや基材層からの剥がれが発生し、結果的に電子部品の異常挙動を抑制することができないものであった。
本開示の発明者等は、電子部品の異常挙動が発生する原因を詳細に検討した結果、以下の事象が強く影響している傾向を知見した。
カバーテープをキャリアテープから剥離し、電子部品をピックアップして実装に供するのに際しフィーダー剥離装置を使用する。フィーダー剥離装置は、キャリアテープを間欠的に移送することにより、部品実装機のピックアップ位置に電子部品を順次供給する装置である。そして、部品実装機は、電子部品を真空吸着などにより保持することができるノズルを複数本備えた移載ヘッドにより、フィーダーによって供給された電子部品をピックアップする。フィーダー剥離装置は、ピックアップ位置の上流側において、カバーテープをキャリアテープから剥離して電子部品が収容される収容部を露出させる剥離機構を有する。
図4に剥離機構の概略拡大図を示す。剥離機構は、剥離治具31を備え、剥離したカバーテープ1を収納するカバーテープ収納リール(不図示)が回転することで、カバーテープ1は、剥離治具31に接触しつつキャリアテープ11の送り方向D1とは略反対方向D2へ引っ張られる。この際、剥離治具にカバーテープ表面が接触し、摩擦で帯電防止層の表面が削られ、帯電防止層の厚さが薄くなり、静電気発生を抑制する帯電防止性能が劣化していた。図4に示されるように、剥離治具とキャリアテープは距離が近いため、摩擦による帯電防止性能劣化は電子部品の挙動に影響を及ぼす。
帯電防止層の厚みを厚くすることで、低い表面抵抗率を維持することが可能であったが、摩擦後の帯電防止層表面が高い帯電防止性能を有していても、電子部品の異常挙動が発生することが判った。本発明者らは、さらに検討したところ、帯電防止層の表面が削られることにより発生する塵(以下、摩擦カスと称する)が剥離治具31の近傍31aに蓄積することで、電子部品の異常挙動に影響を及ぼしていることを知見した。そして、本発明者らは、帯電防止層の耐擦性について調査した結果、帯電防止層の厚さが厚すぎても薄すぎても、摩擦カスの発生量が多くなることを知見した。また、経時や湿熱環境下では、結露によるカバーテープの吸湿に伴い、帯電防止層は性能悪化し、削られやすく、摩擦カス発生量が増加することが判った。図5に、室温保管及び60℃95%RH環境下で24時間保管後における摩擦カス発生量と帯電防止層の厚みの関係を示すグラフを示す。
以上の知見から、電子部品の異常挙動を抑制するためには、材料組成の最適化を行うだけでなく、帯電防止層の厚みを最適範囲とすべきことが判ったが、帯電防止層の材料によって厚みの最適範囲は異なる。そのため、本発明者らは、フィーダー剥離装置の剥離治具による摩擦で帯電防止層の表面が削られる際の表面固有抵抗の変動と、摩擦カスの発生量の両方を電子部品の異常挙動を抑制するための指標とすべく、フィーダーの剥離治具による摩擦で帯電防止層の表面が削られる事象を再現するスチールウール試験をした場合の前記耐擦性試験前後の表面固有抵抗の変化比率をパラメータとして使用し、該変化比率を特定の範囲内とすれば、低い表面固有抵抗を維持でき、かつ、耐擦性が良好なカバーテープとなり、電子部品の異常挙動の抑制が可能となることを見出した。
このように本開示においては、本開示のカバーテープを用いた包装体において、カバーテープをキャリアテープから剥離する際に、カバーテープへの電子部品の貼り付きによる、キャリアテープの収納部からの電子部品の飛び出し、浮き、立ち等の電子部品の異常挙動を抑制することができる包装体を得ることができる。
以上により、本開示の電子部品包装用カバーテープによれば、電子部品の正常な取り出しが可能となり、実装効率を向上させることが可能である。
以下、本開示のカバーテープの各構成について説明する。
I.帯電防止層
本開示における帯電防止層は、基材層のヒートシール層側の面とは反対の面側に配置され、カバーテープが帯電することを防止するための層である。帯電防止層を有することによって、他の面との接触による静電気の発生を防止することや、静電気が帯電してカバーテープの表面へのゴミやチリ等の付着を防止することができる。
本開示のカバーテープは、帯電防止層に対してスチールウールによる耐擦性試験をした際の耐擦性試験前後の表面固有抵抗の変化比率R1が、10≦R1≦100を満たすものである。
本開示において「スチールウールによる耐擦性試験」は、往復磨耗試験機のテーブルに、帯電防止層側が表面になるようにカバーテープを固定し、下記試験条件に準拠して往復磨耗試験を実施することで行う。
(スチールウールによる耐擦性試験条件)
装置:往復磨耗試験機 TYPE30S(新東科学株式会社)
スチールウール番手:#0000 (ボンスター製)
荷重:80g
往復磨耗回数:5回
移動速度:600〜650mm/min
移動距離:50mm
試験環境:25℃、50%RH環境下
スチールウールによる耐擦性試験をした際の前記耐擦性試験前後の表面固有抵抗の変化比率R1は、上記耐擦性試験前に25℃50%RH環境下で印加電圧を1000Vとして測定した表面抵抗率(Ω/□)(R11)と、上記スチールウールによる耐擦性試験後、テープ表面の磨耗カスを拭き払い、25℃50%RH環境下で印加電圧を1000Vとして測定した表面抵抗率(Ω/□)(R21)との比率(R21/R11)である。帯電防止層の表面抵抗率の測定は、例えば、三菱ケミカルアナリテック社製 ハイレスタ−UX MCP−HT800 高抵抗/抵抗率計を用いて行う。
本開示においては、帯電防止層の表面固有抵抗の変化比率R1が、10≦R1≦100を満たすものであることにより、電子部品の異常挙動が抑制されたものとなる。帯電防止層の表面固有抵抗の変化比率R1は、好ましくは、10≦R1≦50、より好ましくは10≦R1≦25である。
上記R1が10より小さい場合は帯電防止層の厚みが最適範囲よりも厚いことを示す。帯電防止層が厚いと、摩擦による表面抵抗変動は小さく摩擦後の表面抵抗を低く維持することが可能であるが、耐屈曲性低下による脆性破壊や基材層との密着性低下により、摩擦カスの発生が促進されると考えられる。そのため、摩擦後の帯電防止層の表面抵抗の変動が小さくても、摩擦カスの発生に伴い電子部品の異常挙動が多発する。これは、テープフィーダーの剥離治具に蓄積した摩擦カス自体の帯電が悪影響を及ぼしていると推察される。
また、上記R1が100より大きい場合も、電子部品の異常挙動を抑制することができない。R1が100より大きいことは、帯電防止層の厚みが最適範囲よりも薄いことを示す。帯電防止層の厚みが薄い場合でも、摩擦カスの発生量が多くなる。これは、塗膜状態が不均一で帯電防止層が島状に形成されるため、膜としての耐擦性能が十分に発現しないためと推察される。また、摩擦による表面抵抗の変動も著しくなり、電子部品の異常挙動を抑制することができない。
経時や高湿環境下での結露によるカバーテープの吸湿に伴い、帯電防止層の耐擦性が劣化し、帯電防止層の厚みに対する表面抵抗の変動や摩擦カス発生量の挙動が吸湿前後で変わる場合がある。そのため、高湿環境下で保存した後のカバーテープ剥離時の電子部品の異常挙動を抑制するために、本開示のカバーテープは、60℃95%RH環境下で24時間保管後の、帯電防止層に対してスチールウールによる耐擦性試験をした際の耐擦性試験前後の帯電防止層の表面固有抵抗の変化比率R2が、20≦R2≦85を満たすことが好ましい。表面固有抵抗の変化比率R2は、より好ましくは、20≦R2≦35である。
本開示における帯電防止層は、特に限定されるものではないが、下記第1の帯電防止層、および第2の帯電防止層の二つの態様が挙げられる。これらの帯電防止層であれば、表面固有抵抗の変化比率R1やR2を、上記の範囲内とすることが可能である。
1.第1の帯電防止層
(a)構成
第1の帯電防止層は、アクリル主鎖、4級アンモニウム塩基を含む側鎖、及び架橋構造を含む架橋樹脂を有し、架橋構造は、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)−又は、−C(=O)OCNH−を有するものである。第1の帯電防止層は、後述するように、架橋性官能基及び4級アンモニウム塩基を含有する第1の架橋性アクリル系ポリマーと、第1の多官能系硬化剤とを有する帯電防止材料から形成される。
(a1)架橋樹脂
本開示における第1の帯電防止層は架橋した樹脂である架橋樹脂を有し、架橋樹脂は、アクリル主鎖、4級アンモニウム塩基を含む側鎖、及び架橋構造を含む。
4級アンモニウム塩基は、界面活性剤の親水部としての機能を有し、帯電防止層表面側に配向した4級アンモニウム塩基が、空気中の水蒸気と反応し帯電防止層表面に水分の膜を形成することによって表面抵抗を低下させる。
架橋樹脂中に含まれる4級アンモニウム塩基は、下記式(1)で示されるものが挙げられる。
−N (1)
(式中、Rはそれぞれ独立に、同一又は異なる、有機基である。)
Rは、好ましくは、炭素数1〜6のアルキル基であり、4級アンモニウム塩基の表面配向性の点から、炭素数1〜2のアルキル基がより好ましい。
上記式(1)で示される4級アンモニウム塩基は、酸素、窒素を含んでいてもよい、2価の炭化水素基を介して主鎖であるアクリル鎖に結合している。
このような2価の炭化水素基としては、−X(CH−(式中、nは1〜6の整数であり、Xはアミド基(−C(=O)NH−)またはエステル基(−C(=O)O−)であり、アミド基またはエステル基の炭素原子が主鎖であるアクリル鎖に結合している)が好ましい。
帯電防止層に含まれる4級アンモニウム塩基の含有量は、本開示における帯電防止層の表面抵抗率が後述する数値範囲内に入るために必要な値とすることができる。
帯電防止層が、分子中に4級アンモニウム塩基と架橋構造とを有する架橋樹脂を含有することで、低分子量の界面活性剤等の帯電防止剤を架橋バインダー樹脂中に分散させて使用した場合に比べ、吸湿に伴って界面活性剤が帯電防止層の表面や帯電防止層と基材層との界面等へのブリードアウトが発生することを抑制することができる。そのため、帯電防止性能の低下や、基材層との密着性低下を抑制することができる。
架橋構造は、後述する第1の架橋性アクリル系ポリマーの架橋性官能基と、第1の多官能系硬化剤とが結合した構造であり、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)−又は、−C(=O)OCNH−を有する。
第1の帯電防止層は、主鎖としてアクリル鎖を有する。本明細書において、アクリル鎖とは、アクリル鎖およびメタクリル鎖を包括的に指す意味である。
帯電防止層は、芳香族環、脂肪族環、及び複素環等の環状構造を有する化合物を含まないことが好ましい。特に、架橋樹脂中に、上記環状構造を有さないものが好ましい。これは、帯電防止層に環状構造が含まれていると、帯電防止層が硬脆くなり、基材層からの剥離や摩擦カスが生じやすくなるためである。
(a2)吸放湿性微粒子
また、第1の帯電防止層に高い帯電防止性能(例えば、1.0×1010Ω/□未満)を付与するためには、後述する第2の帯電防止層と比べ、厚みを厚くせざるを得ない。厚みが厚くなると、摩擦による帯電防止性能劣化や基材密着性の低下が生じるため、摩擦低減を目的に、易滑剤を添加することが好ましい。中でも、易滑剤として吸放湿性微粒子を使用すれば、良好な滑り性と帯電防止性を得ることができる。吸放湿性微粒子は、表面に水分が吸着するため、4級アンモニウム塩基による帯電防止性能を阻害することなく、滑り性を向上させることができる。吸放湿性微粒子としては、上記効果を確実に得る観点からアクリル系樹脂微粒子が好ましく、具体的には、吸放湿性微粒子タフチックHUシリーズ(日本エクスラン工業株式会社製)が挙げられる。
(b)表面抵抗
第1の帯電防止層の表面抵抗率は、1.0×10Ω/□以上、1.0×1011Ω/□以下、好ましくは5.0×10Ω/□以上、5.0×1010Ω/□以下とすることができる。
(c)厚み
第1の帯電防止層の厚さは、帯電防止層に対してスチールウールによる耐擦性試験をした際の耐擦性試験前後の帯電防止層の表面固有抵抗の変化比率R1が、10≦R1≦100を満たすために必要な値とすることができる。例えば、0.1μm以上1.5μm以下、好ましくは0.2μm以上1.0μm以下とすることができる。
(d)第1の帯電防止層材料
上記第1の帯電防止層を形成するための第1の帯電防止層材料は、架橋性官能基及び4級アンモニウム塩基を含有する第1の架橋性アクリル系ポリマーと、多官能系硬化剤とを有する。第1の帯電防止層材料に含まれる多官能系硬化剤を、第1の多官能系硬化剤と称する。
(d1)第1の架橋性アクリル系ポリマー
第1の架橋性アクリル系ポリマーは、架橋性官能基及び4級アンモニウム塩基を含有し、多官能系硬化剤と反応して架橋構造を形成する。第1の架橋性アクリル系ポリマーに含まれる架橋性官能基としては、多官能系硬化剤と架橋構造を形成可能なものであれば特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基等が挙げられる。第1の架橋性アクリル系ポリマーに含まれる4級アンモニウム塩基としては、上記式(1)で示されるものが挙げられる。
本開示において、第1の架橋性アクリル系ポリマーは、架橋性官能基および4級アンモニウム塩基を有し、該ポリマーを構成するモノマー成分全量のうち50質量%以上がアクリル系モノマーであることが好ましい。
また、本明細書においてアクリル系モノマーとは、1分子中に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマーをいう。また、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基およびメタクリロイル基を包括的に指す意味である。
第1の架橋性アクリル系ポリマーは、4級アンモニウム塩基を有するアクリル系モノマー(m1) (以下、(m1)成分という)、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の架橋性官能基を有するアクリル系モノマー(m2)(以下、(m2)成分という)、および必要に応じてこれら以外のアクリル系モノマーや不飽和単量体(m3)(以下、(m3)成分という))を反応させてなる共重合体が挙げられる。
(m1)成分としては、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムブロマイド、アクリロイルオキシエチルメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルジエチルメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルジメチルエチルアンモニウムクロライド等を挙げることができる。これらの単量体は1種または2種以上を併用することが出来る。
(m2)成分のカルボキシル基を有する(メタ)アクリル系単量体として、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸等が挙げられる。これらの単量体は1種または2種以上を併用することが出来る。水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体として、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体は1種または2種以上を併用することができる。
(m3)成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。これらの単量体は1種または2種以上を併用することが出来る。
第1の架橋性アクリル系ポリマーとしては、市販のものを使用することもでき、例えば、カルボキシル基、4級アンモニウム塩基、および(メタ)アクリル酸エステル基を有するアクリル系ポリマーとして、アクリット1SX−1123(大成ファインケミカル社製)を使用することができる。
(d2)第1の多官能系硬化剤
第1の多官能系硬化剤としては、第1の架橋性アクリル系ポリマーの架橋性官能基と架橋構造を形成可能な官能基を2以上有するものであれば特に限定されないが、官能基以外の構造部分に、芳香族環、脂肪族環、及び複素環等の環状構造を有さないものが好ましい。即ち、官能基以外の構造部分が直鎖状または分岐状である硬化剤が好ましい。これは、帯電防止層に硬化剤由来の環状構造が含まれていると、帯電防止層が固脆くなり、摩擦カスが生じやすくなるためである。
このような官能基以外に環状構造を有さない多官能系硬化剤としては、具体的には、脂肪族ポリイソシアネート、アジリジン系硬化剤等が挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、これらをポリマー化(ただし、ヌレート化したものを除く)や、これらの混合物や他ポリマーとの共重合物等が挙げられる。
官能基以外に環状構造を有さないアジリジン系架橋剤としては、2以上、好ましくは3以上のアジリジニル基を有する架橋剤が挙げられ、具体的には、トリス(1−アジリジンプロピオン酸)1,1,1−プロパントリイルトリスメチレン、トリス(2−メチル−1−アジリジンプロピオン酸)1,1,1−プロパントリイルトリスメチレン、トリス(1−アジリジンプロピオン酸)2−ヒドロキシエチリジントリスメチレン、トリス(2−メチル−1−アジリジンプロピオン酸)2−ヒドロキシエチリジントリスメチレン等が挙げられる。
官能基以外の構造部分に、芳香族環、脂肪族環、及び複素環等の環状構造を有する硬化剤としては、TDI系ポリイソシアネートや、芳香族系アジリジンが挙げられる。
第1の帯電防止層材料における上記第1の架橋性アクリル系ポリマーと、上記第1の多官能系硬化剤の配合比は特に限定されないが、架橋性アクリル系ポリマー中の架橋性官能基のモル数(mol)をx、および多官能系硬化剤の官能基のモル数(mol)をyとした場合において、x/yが通常0.5〜2.0程度、好ましくは0.75〜1.2程度となる範囲である。
(d3)吸放湿性微粒子
第1の帯電防止層材料は吸放湿性微粒子を含むものであることが好ましい。吸放湿性微粒子としては、上記「1.第1の帯電防止層 (a)構成 (a2)吸放湿性微粒子」で説明したものと同様のものが挙げられる。
第1の帯電防止層材料における吸放湿性微粒子の含有量は、特に限定されないが、上記第1の架橋性アクリル系ポリマーと上記第1の多官能系硬化剤の合計量100質量部に対し、1質量部以上5質量部以下とすることができる。
(e)形成方法
帯電防止層の形成方法としては、例えば、上記第1の架橋性アクリル系ポリマー、多官能系硬化剤、吸放湿性微粒子等を含む帯電防止層材料を溶媒に分散または溶解した帯電防止層組成物を用い、基材層の他方の面側に上記帯電防止層組成物を塗布し、硬化させる方法が挙げられる。上記帯電防止層組成物の塗布方法としては、例えば、エアドクター、ブレードコート、ナイフコート、ロッドコート、バーコート、ダイレクトロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、スライドコート等の公知の塗布法が挙げられる。
2.第2の帯電防止層
(a)構成
本開示における第2の帯電防止層は、導電性高分子と、アクリル主鎖及び架橋構造を含む架橋樹脂を有し、架橋構造は、−C(=O)OCNH−又は−C(OH)CHOC(=O)−を有する。第2の帯電防止層は、後述するように、導電性高分子と、カルボキシラートアニオン基を有する第2の架橋性アクリル系ポリマーと、第2の多官能系硬化剤とを有する帯電防止材料から形成される。
(a1)導電性高分子
第2の帯電防止層は導電性高分子を有することで、帯電防止層の表面抵抗を低下させる。上記第1の帯電防止層は、4級アンモニウム塩基が空気中の水蒸気と反応し帯電防止層表面に水分の膜を形成することによって表面抵抗を低下させる一方で、第2の帯電防止層における導電性高分子はそれ自体が導電性を示す。そのため、湿度に依存せずに表面抵抗を下げる効果を有する。更には、第2の帯電防止層は、高い耐水性を有するため、高湿環境下で保存しても、耐擦性が劣化しにくい。そのため、上記R1、R2の値を上記特定の範囲内とすることが容易となる。
導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
中でも、導電性高分子は、ポリチオフェンが好ましい。ポリチオフェンとしては、例えば、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸)が好ましく用いられる。
(a2)架橋樹脂
第2の帯電防止層は、上記導電性高分子に加え、アクリル主鎖及び架橋構造を含む架橋樹脂を有する。
架橋樹脂中の架橋構造は、後述する第2のアクリル系ポリマーの架橋性官能基(カルボキシラートアニオン(−COO)やその他の架橋性官能基)と、第2の多官能系硬化剤とが結合した構造であり、−C(=O)OCNH−又は−C(OH)CHOC(=O)−を有する。
(b)表面抵抗
第2の帯電防止層の表面抵抗率は、例えば1.0×10Ω/□以上、1.0×1010Ω/□以下、好ましくは5.0×10Ω/□以上、1.0×10Ω/□以下とすることができる。
(c)厚み
第2の帯電防止層の厚さは、帯電防止層に対してスチールウールによる耐擦性試験をした際の前記耐擦性試験前後の帯電防止層の表面固有抵抗の変化比率R1が、10≦R1≦100を満たすために必要な値とすることができる。例えば、0.1μm以上1.5μm以下、好ましくは0.2μm以上1.0μm以下とすることができる。
(d)第2の帯電防止層材料
上記第2の帯電防止層を形成するための第2の帯電防止層材料は、導電性高分子と、カルボキシラートアニオンを含有する第2の架橋性アクリル系ポリマーと、第2の多官能系硬化剤とを有する。以下、第2の帯電防止層材料に含まれる多官能系硬化剤を、第2の多官能系硬化剤とも称する。
(d1)導電性高分子
導電性高分子としては、上記「I.帯電防止層 2.第2の帯電防止層 (a)構成 (a1)導電性高分子」で説明したものと同様のものが挙げられる。第2の帯電防止層材料中の導電性高分子の含有量は、第2の架橋性アクリル系ポリマーと第2の多官能系硬化剤との合計量100質量部に対し、5量部以上、25質量部以下とすることができる。
(d2)第2の架橋性アクリル系ポリマー
第2の架橋性アクリル系ポリマーは、カルボキシラートアニオン基(−COO)及び場合によりその他の基が架橋性官能基として作用する。さらに、カルボキシラートアニオン基(−COO)の存在により、上記導電性高分子との親和性が高いためバインダー樹脂としての機能も有する。第2の架橋性アクリル系ポリマーは、分子内にカルボキシラートアニオン基(−COO)を有するアクリル樹脂であれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシル基を有するアクリル系モノマーを含む単量体を反応させてなる共重合体を中和したもの(中和塩)が挙げられる。
カルボキシラートアニオン基は、アクリル系モノマーが有するカルボキシル基に由来する。カルボキシル基を有するアクリル系モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
また、カルボキシル基を有するアクリル系モノマー以外の単量体としては、各種公知の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類、その他の不飽和単量体を使用することができる。その他の不飽和単量体として、ヒドロキシル基等の下記の多官能系硬化剤と架橋構造を形成可能な架橋性基が含まれていてもよい。
中和剤としては、アンモニア、第1級〜3級アミン類、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物等が挙げられ、これらは1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
(d3)第2の多官能系硬化剤
第2の多官能系硬化剤としては、第2の架橋性アクリル系ポリマーと架橋構造を形成可能な官能基を2以上有するものであれば特に限定されないが、官能基以外の構造部分に、芳香族環、脂肪族環、及び複素環等の環状構造を有さないものが好ましい。即ち、官能基以外の構造部分が直鎖状または分岐状である硬化剤が好ましい。これは、帯電防止層に硬化剤に由来する環状構造が含まれていると、帯電防止層が硬脆くなり、摩擦カスが生じやすくなるためである。具体的には、環状構造を有さないアジリジン系硬化や環状構造を有さないエポキシ系硬化剤が挙げられる。
官能基以外に環状構造を有さないアジリジン系硬化剤としては、上記「I.帯電防止層 1.第1の帯電防止層(d)第1の帯電防止層材料 (d2)第1の多官能系硬化剤」で説明したものと同様のものが挙げられる。
官能基以外に環状構造を有さないエポキシ系架橋剤としては、2以上のエポキシ基を有する架橋剤が挙げられ、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
官能基以外の構造部分に、芳香族環、脂肪族環、及び複素環等の環状構造を有する硬化剤としては、芳香族系アジリジン系架橋剤や、芳香族系エポキシ系架橋剤が挙げられる。
第2の帯電防止層材料における上記第2の架橋性アクリル系ポリマーと、上記第2の多官能系硬化剤の配合比は特に限定されないが、架橋性アクリル系ポリマー中の架橋性官能基のモル数(mol)をx、および多官能系硬化剤の官能基のモル数(mol)をyとした場合において、x/yが通常0.5〜2.0程度、好ましくは0.75〜1.2程度となる範囲である。
(e)形成方法
帯電防止層の形成方法としては、例えば、上記導電性高分子、第2の架橋性アクリル系ポリマー、第2の多官能系硬化剤等を溶媒に分散または溶解した帯電防止組成物を用い、基材層の他方の面側に上記帯電防止組成物を塗布し、硬化させる方法が挙げられる。上記帯電防止組成物の塗布方法としては、例えば、エアドクター、ブレードコート、ナイフコート、ロッドコート、バーコート、ダイレクトロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、スライドコート等の公知の塗布法が挙げられる。
II.基材層
本開示における基材層は、上述した帯電防止層やヒートシール層を支持する層である。基材層としては、保存および搬送時の外力に耐える機械的強度や、製造およびテーピング包装に耐える耐熱性等を有していれば、種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルが、コスト面および機械的強度が良いため、好ましく用いられる。
また、基材層には、必要に応じて、例えば充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤等の添加剤が含まれていてもよい。基材層は、単層であってもよく、同種または異種の複数層の積層体であってもよい。また、基材層は、延伸フィルムであってもよく、未延伸フィルムであってもよい。中でも、基材層は、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムであってもよい。
基材層の厚さは、例えば、2.5μm以上300μm以下とすることができ、6μm以上100μm以下であってもよく、12μm以上50μm以下であってもよい。基材層の厚さが厚すぎると、テーピング包装時の剛性が強くなりハンドリング性とコスト面でも不利である。また、基材層の厚さが薄すぎると、機械的強度が不足する場合がある。
基材層は、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、サンドブラスト処理等の易接着処理が施されていてもよい。
III.ヒートシール層
本開示におけるヒートシール層は、基材層の一方の面側に配置される層である。ヒートシール層は、本開示のカバーテープを用いて包装体を製造する際に、キャリアテープに対してヒートシールすることにより、カバーテープとキャリアテープとが接着される。
ヒートシール層は熱可塑性樹脂を有するものであり、熱可塑性樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル系共重合体、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体のいずれか、あるいは、これらを主成分とする樹脂が好ましい。中でも、エチレン−酢酸ビニル系共重合体を含むことが好ましい。ヒートシール層がエチレン−酢酸ビニル系共重合体を含むことにより、キャリアテープに対するヒートシール性が良好になる。そのため、搬送、保管中等において意図しない剥がれの発生を抑制することができる。
本開示においてエチレン−酢酸ビニル系共重合体とは、少なくとも、エチレンモノマー単位と酢酸ビニルモノマー単位とを含む共重合体である。エチレンモノマー単位とは、エチレンモノマー由来の構成単位をいい、酢酸ビニルモノマー単位とは、酢酸ビニルモノマー由来の構成単位をいう。
エチレン−酢酸ビニル系共重合体中のエチレンの含有量は、特に限定されないが、60質量%以上97質量%以下含むことが好ましく、特に80質量%以上95質量%以下含むことが好ましい。エチレン−酢酸ビニル系共重合体中の酢酸ビニルの含有量は、特に限定されないが、3質量%以上40質量%以下含むことが好ましく、特に5質量%以上20質量%以下含むことが好ましい。
本開示において、エチレン−酢酸ビニル系共重合体は、エチレンモノマー単位と酢酸ビニルモノマー単位の他に、第三のモノマー単位を含んでもよい。第三のモノマー単位としては、スチレン、飽和カルボン酸や不飽和カルボン酸エステルなどの(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、共役ジエンでは1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンなど、非共役ジエンでは1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン等が挙げられる。
ヒートシール層における上記エチレン−酢酸ビニル系共重合体の含有量は、特に限定されず、好ましくは50質量%以上90質量%以下、更に好ましくは60質量%以上80質量%以下である。
上記値以上であれば、好ましいシール強度を得ることができるために好ましい。上記値以下であれば、初期のタック性を下げることができ、かつ、高湿熱環境下に晒された後であっても、ヒートシール層の劣化を抑制することができるために好ましい。
本開示におけるヒートシール層がエチレン−酢酸ビニル系共重合体を含む場合、更にポリエチレン樹脂を含んでいることが好ましい。ポリエチレン樹脂を配合することで、良好なヒートシール性を保ちつつ、表面タック性を低くし、高湿熱環境下に置いた後の劣化を抑制することができる。
ポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、高密度ポリエチレン等の種々のポリエチレンが挙げられるが、分散性の観
点から優位であることから、低密度ポリエチレン(LDPE、密度0.910〜0.930未満)及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、密度0.910〜0.925)が好適に用いられる。
また、本開示において、各種ポリエチレンの分類は、旧JIS K6748:1995やJIS K6899−1:2000において定義されたものを指す。ヒートシール層におけるポリエチレン樹脂の含有量は、好ましくは10質量%以上50質量%以下とすることが好ましく、更に好ましくは、20質量%以上40質量%以下であることが好ましい。上記値以下であれば、ヒートシール後のシール強度に影響を及ぼさないため、電子部品の包装時に剥離等の不具合が生じる恐れや、保管中や搬送中においてカバーテープが意図せずに剥がれる恐れが抑制されるために好ましい。上記値以上であれば、ヒートシール層の初期表面タックが抑えられ、湿熱環境に置いた後の劣化も抑制できるために好ましい。また、上記値の範囲内とすることで、上記効果を両立することができるため、より好ましい。
ヒートシール層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、例えば、オレフィン系、(メタ)アクリル酸エステル系、スチレン系の単量体の単独重合体やこれらの単量体のうち1種以上を含む共重合体、ポリエステル等が挙げられ、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアクリル酸エステルやポリメタクリル酸エステル等のアクリル等、が挙げられる。これらの樹脂は、変性されていてもよい。
ヒートシール層には、必要に応じて、例えば、粘着付与剤、帯電防止剤、アンチブロッ
キング剤、分散剤、充填剤、可塑剤、着色剤等の添加剤が含まれていてもよい。
また、ヒートシール層にエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いた場合、ヒートシール性能への影響を抑制したり、ブリードアウト現象を抑制したりするために、非イオン性界面活性剤や、比較的極性が低いイオン性活性剤を用いることができる。しかし、非イオン性界面活性剤や比較的極性が低いイオン性活性剤は、層内部に留まりやすくブリードアウト現象が起こり難い反面、帯電防止性能が発揮されにくいおそれがある。そこで、基材層のヒートシール層とは反対の面側に帯電防止層を有することで、カバーテープの帯電防止性を向上させることができる。なお、基材層のヒートシール層とは反対の面側に帯電防止層を配置することに加えて、ヒートシール層に帯電防止剤を添加することによって、カバーテープの帯電防止性をより向上させることができる。
本開示において、カバーテープのヒートシール層が配置されている側の面の表面抵抗は、例えば1×10Ω/□以上1×1013Ω/□以下とすることができる。
帯電防止剤として、アンチモンドーピング酸化錫の針状粒子等の導電性微粒子を用いた場合、少量の添加で、高い帯電防止特性が付与することができる。また、ヒートシール層の厚みを薄くすることができ、高い透明性を確保することができる。
ヒートシール層の厚さは、例えば、0.5μm以上60μm以下とすることができる。紙キャリアテープの場合、ヒートシール層の厚さは、例えば、0.5μm以上60μm以下とすることができ、1μm以上30μm以下であってもよい。プラスチックキャリアテープの場合、ヒートシール層の厚さは、例えば、0.5μm以上30μm以下することができる。ヒートシール層の厚さが薄すぎると、均一な膜が得られない場合がある。また、ヒートシール層の厚さが厚すぎると、カバーテープの透明性が低下するおそれがある。
ヒートシール層の形成方法としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエ
チレン樹脂、および必要に応じて上述の他の樹脂や添加剤等を溶媒に分散または溶解した
ヒートシール層用組成物を用い、基材層の一方の面側に上記ヒートシール層用組成物を塗
布し、乾燥させる方法が挙げられる。上記ヒートシール層用組成物の塗布方法としては、
例えば、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコー
ト、コンマコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ロッドコ−ト、キスコート、ナイ
フコート、ダイコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート等の公知の塗布
法が挙げられる。
また、ヒートシール層として、フィルムを用いることができる。この場合、基材層およ
びヒートシール層の積層方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができ
る。例えば、予め製造したフィルムを接着剤で基材層に貼り合せる方法や、熱溶融させた
フィルムの原材料を基材層にTダイ等で押出しして積層体を得る方法等が挙げられる。接
着剤としては、例えば、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着
剤等を用いることができる。
IV.中間層
本開示においては、例えば図3に示すように、必要に応じて、基材層2およびヒートシール層3の間に中間層5が配置されていてもよい。中間層により、基材層およびヒートシール層の密着性を向上させることができる。また、中間層により、本開示のカバーテープをキャリアテープにヒートシールする際に、クッション性を向上させることができるために、より均一にヒートシール層に熱を与えることができる。
中間層の材料としては、基材層およびヒートシール層の材料等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、およびポリエステル等が挙げられる。
中間層の厚さは、例えば、5μm以上50μm以下とすることができる。
中間層としては、フィルムを用いることができる。この場合、基材層および中間層の積層方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、予め製造したフィルムを接着剤で基材層に貼り合せる方法や、熱溶融させたフィルムの原材料を基材層にTダイ等で押出しして積層体を得る方法等が挙げられる。なお、接着剤については、上記ヒートシール層の項に記載したものと同様である。
V.アンカー層
更に、基材層と中間層との間、又は中間層とヒートシール層との間に、アンカー層を有していてもよい。アンカー層を形成することで、基材層、中間層又はヒートシール層が接着力に乏しい場合であっても、基材層と中間層との間、又は中間層とヒートシール層との間の密着性を向上させることができる。アンカー層としては、基材層、中間層、ヒートシール層に用いられる材料に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。アンカー層は、例えば、オレフィン系、アクリル系、イソシアネート系、ウレタン系、エステル系の接着剤等のような接着性の良好な樹脂で形成することができる。
B.包装体
本開示の包装体は、電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、上記収納部に収納された電子部品と、上記収納部を覆うように配置された、上述のカバーテープと、を備える。
本開示においては、帯電防止層に対しスチールウールによる耐擦性試験をした際の試験前後の帯電防止層の表面固有抵抗の変化比率R1が、10≦R1≦100を満たすカバーテープを備えることにより、本開示のカバーテープを用いた包装体において、カバーテープをキャリアテープから剥離する際に、カバーテープへの電子部品の貼り付きによる、キャリアテープの収納部からの電子部品の飛び出し、浮き、立ち等の電子部品の異常挙動を抑制する包装体を得ることができる。
図2(a)、(b)は本開示の包装体の一例を示す概略平面図および断面図である。なお、図2(a)、(b)については、上記「A.電子部品包装用カバーテープ」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
以下、本開示の包装体の各構成について説明する。
1.カバーテープ
本開示におけるカバーテープについては、上記「A.電子部品包装用カバーテープ」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
本開示の包装体においては、カバーテープのヒートシール層とキャリアテープとはヒートシール部で接着されている。ヒートシール部は、例えば、カバーテープのヒートシール層がキャリアテープと接する部分の一部に配置することができる。すなわち、ヒートシール層は、ヒートシール部と非ヒートシール部とを有していてもよい。これにより、キャリアテープに対するカバーテープの剥離性を良くすることができる。
2.キャリアテープ
本開示におけるキャリアテープは、電子部品を収納する複数の収納部を有する部材である。
キャリアテープとしては、複数の収納部を有するものであればよく、例えば、エンボスキャリアテープ(エンボステープとも称される。)、パンチキャリアテープ(パンチテープとも称される。)、プレスキャリアテープ(プレステープとも称される。)のいずれも用いることができる。中でも、コスト、成形性、寸法精度等の観点から、エンボスキャリアテープが好ましく用いられる。
キャリアテープの材質としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ABS樹脂等のプラスチックや、紙等が挙げられる。本開示において紙とは、セルロースを主成分とするものをいい、更に樹脂成分が含まれていてもよい。
キャリアテープの厚さは、キャリアテープの材質や、電子部品の厚さ等に応じて適宜選択される。例えば、キャリアテープの厚さは、30μm以上1500μm以下とすることができる。キャリアテープの厚さが厚すぎると、成形性が悪くなり、キャリアテープの厚さが薄すぎると、強度が不足する場合がある。
キャリアテープは、複数の収納部を有する。収納部は、通常、キャリアテープの長手方向に所定の間隔をおいて配置される。収納部の大きさ、深さ、ピッチ等としては、電子部品の大きさ、厚さ等に応じて適宜調整される。
収納部を有するキャリアテープの形成方法としては、一般的なキャリアテープの成形方法を適用することができ、キャリアテープの種類や材質等に応じて適宜選択される。例えば、プレス成形、真空成形、圧空成形、打抜加工、圧縮加工等が挙げられる。
3.電子部品
本開示の包装体に用いられる電子部品としては、特に限定されず、例えば、IC、抵抗、コンデンサ、インダクタ、トランジスタ、ダイオード、LED(発光ダイオード)、液晶、圧電素子レジスタ、フィルター、水晶発振子、水晶振動子、コネクタ、スイッチ、ボリュウム、リレー等が挙げられる。ICの形式についても、特に限定されない。
4.包装体
本開示の包装体は、電子部品の保管および搬送のために用いられる。電子部品は、包装体の状態で保管および搬送され、実装に供される。実装時には、カバーテープを剥離し、キャリアテープの収納部に収納されている電子部品を取り出し、基板等へ実装される。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
(帯電防止組成物組成物の調整)
[調整例1]
下記主剤及び硬化剤を、乾燥固形分比10:1で混合し、希釈溶媒(メタノール/酢酸エチル=1/1)にて総固形分濃度1.5質量%の帯電防止組成物1を調整した。
・主剤:4級アンモニウム塩基、及びカルボキシル基、(メタ)アクリル酸エステル基を側鎖に有するアクリル系高分子化合物(アクリット1SX−1123(大成ファインケミカル社製))
・硬化剤:多官能系硬化剤 HDI系ポリイソシアネート(デュラネート 24A−100(旭化成社製))
[調整例2]
下記主剤及び硬化剤を、乾燥固形分比10:1で混合し、希釈溶媒メタノールにて総固形分濃度1.5質量%の帯電防止組成物2を調整した。
・主剤:4級アンモニウム塩基、及びカルボキシル基、(メタ)アクリル酸エステル基を側鎖に有するアクリル系高分子化合物(アクリット1SX−1123(大成ファインケミカル社製))
・硬化剤:多官能アジリジン系硬化剤 トリス(1−アジリジンプロピオン酸)1,1,1−プロパントリイルトリスメチレン(製品名:ケミタイト PZ−33 (日本触媒社製))
[調整例3]
下記主剤及び硬化剤を、乾燥固形分比10:1で混合し、希釈溶媒(メタノール/酢酸エチル=1/1)にて総固形分濃度1.5質量%の帯電防止組成物3を調整した。
・主剤:4級アンモニウム塩基、及びヒドロキシル基、(メタ)アクリル酸エステル基を側鎖に有するアクリル系高分子化合物 (アクリット1SX−1124 (大成ファインケミカル社製))
・硬化剤:多官能系硬化剤 HDI系ポリイソシアネート デュラネート 24A−100 (旭化成社製)
[調整例4]
下記主剤及び硬化剤を、乾燥固形分比10:1で混合し、希釈溶媒(2−プロパノール/水=7/3)にて総固形分濃度1.2質量%の帯電防止組成物4を調整した。
・主剤:カルボキシラートアニオンを側鎖に有するアクリル系高分子化合物、及びポリチオフェン系導電性高分子化合物PEDOT/PSS(製品名アラコートAS−601D (荒川化学社製))
・硬化剤:多官能エポキシ系硬化剤 ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(製品名デナコール EX−512 (ナガセケムテックス社製))
[調整例5]
下記主剤及び硬化剤を、乾燥固形分比10:1で混合し、希釈溶媒(2−プロパノール/水=7/3)にて総固形分濃度1.2質量%の帯電防止組成物5を調整した。
・主剤:カルボキシラートアニオンを側鎖に有するアクリル系高分子化合物、及びポリチオフェン系導電性高分子化合物 PEDOT/PSS(製品名アラコートAS−601D (荒川化学社製))
・硬化剤:多官能アジリジン系硬化剤 トリス(1−アジリジンプロピオン酸)1,1,1−プロパントリイルトリスメチレン(製品名ケミタイト PZ−33 (日本触媒社製))
[調整例6]
下記主剤/硬化剤/微粒子を乾燥固形分比=10/1/0.3で混合し、希釈溶媒(水/メタノール/酢酸エチル=0.2/1/1)にて、総固形分濃度2.5質量%の帯電防止組成物6を調整した。
・主剤:4級アンモニウム塩基、及びカルボキシル基、(メタ)アクリル酸エステル基を側鎖に有するアクリル系高分子化合物(アクリット1SX−1123 (大成ファインケミカル社製))
・硬化剤:多官能系硬化剤 HDI系ポリイソシアネート(製品名デュラネート 24A−100 (旭化成社製))
・吸放湿性微粒子(製品名タフチックHU−707E (日本エクスラン工業社製))
[調整例7]
下記主剤を、希釈溶媒メタノールにて総固形分濃度2.5質量%の帯電防止組成物7を調整した。
・主剤:4級アンモニウム塩基、(メタ)アクリル酸エステル基を側鎖に有するアクリル系高分子化合物(製品名アクリット1SX−1090 (大成ファインケミカル社製))
[調整例8]
下記主剤及び硬化剤を、乾燥固形分比10:1で混合し、希釈溶媒(メタノール/酢酸エチル=1/1)にて総固形分濃度0.5質量%の帯電防止組成物8を調整した。
・主剤:4級アンモニウム塩基、及びカルボキシル基、(メタ)アクリル酸エステル基を側鎖に有するアクリル系高分子化合物(製品名 アクリット1SX−1123 (大成ファインケミカル社製))
・硬化剤:多官能系硬化剤 HDI系ポリイソシアネート(製品名デュラネート 24A−100 (旭化成社製))
[調整例9]
下記主剤及び硬化剤を、乾燥固形分比10:1で混合し、希釈溶媒(メタノール/酢酸エチル=1/1)にて総固形分濃度5質量%の帯電防止組成物9を調整した。
・主剤:4級アンモニウム塩基、及びカルボキシル基、(メタ)アクリル酸エステル基を側鎖に有するアクリル系高分子化合物(製品名アクリット1SX−1123 (大成ファインケミカル社製))
・硬化剤:多官能系硬化剤 HDI系ポリイソシアネート(製品名:デュラネート 24A−100 (旭化成社製))
[調整例10]
下記主剤及び硬化剤を、乾燥固形分比10:1で混合し、希釈溶媒(メタノール/酢酸エチル=1/1)にて総固形分濃度1.5質量%の帯電防止組成物10を調整した。
・主剤:4級アンモニウム塩基、及びカルボキシル基、(メタ)アクリル酸エステル基を側鎖に有するアクリル系高分子化合物(製品名アクリット1SX−1123 (大成ファインケミカル社製))
・硬化剤:環状構造を有する多官能系硬化剤 IPDI系ポリイソシアネート(製品名:タケネート D−140 (三井化学社製))
[調整例11]
下記主剤及び硬化剤を、乾燥固形分比10:1で混合し、希釈溶媒(2−プロパノール/水=7/3)にて総固形分濃度1.2質量%の帯電防止組成物11を調整した。
・主剤:カルボキシラートアニオンを側鎖に有するアクリル系高分子化合物、及びポリチオフェン系導電性高分子化合物 PEDOT/PSS(製品名アラコートAS−601D (荒川化学社製))
・硬化剤:環状構造を有するアジリジン系硬化剤(ケミタイト DZ−22E (日本触媒社製))
(カバーテープの製造)
[実施例1]
基材層として、両面にコロナ処理を施した厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(フタムラ化学社製FE2002、以下、PETフィルム)を準備した。PETフィルムの一方の面側に帯電防止組成物1を塗布し、硬化することによって、帯電防止層を形成した。PETフィルムの帯電防止層が形成された面とは反対の面側に、ウレタン系アンカーコート剤(タケネートA−3075/タケラックA−3210(質量比)=3/1 酢酸エチルで5%希釈)を塗布し、アンカー層を形成した。次いで、溶融押出し加工によりポリエチレン樹脂(CE4009 住友化学社製)、および、ポリエチレン樹脂(スミカセンL705 住友化学社製)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(メルセン(登録商標) M(MX53C)東ソー社製)とを40/60(質量比)で混合した材料を、各20μmの厚さに積層し、それぞれ、中間層およびヒートシール層を形成した。これによって、帯電防止層/基材層/アンカー層/中間層/ヒートシール層からなる構成のカバーテープ1を作製した。
[実施例2〜6]
帯電防止組成物2〜6を塗布することによって、帯電防止層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で、カバーテープ2〜6を作製した。
[比較例1〜5]
帯電防止組成物7〜11を塗布することによって、帯電防止層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で、カバーテープ7〜11を作製した。
(スチールウール試験前の表面抵抗率の測定)
上記で製造したカバーテープ1〜11の帯電防止層の表面抵抗率(R11)を、25℃50%RH環境下において印加電圧1000Vで測定した。抵抗率計は、三菱ケミカルアナリテック社製 ハイレスタ−UX MCP−HT800 高抵抗/抵抗率計を使用した。
(スチールウール試験)
往復磨耗試験機のテーブルに、帯電防止層側が表面になるようにカバーテープを固定し、下記試験条件に準拠して往復磨耗試験を実施することで行った。
(試験条件)
装置:往復磨耗試験機 TYPE30S(新東科学株式会社)
スチールウール番手:#0000 (ボンスター製)
荷重:80g
往復磨耗回数:5回
移動速度:600〜650mm/min
移動距離:50mm
試験環境:25℃、50%RH環境下
(スチールウール試験後の表面抵抗率の測定)
スチールウール試験後のカバーテープ1〜11の帯電防止層の表面抵抗率(R21)を、25℃50%RH環境下において印可電圧1000Vで測定した。
そして、表面抵抗変化率としてR21をR11にて割った値R1(R21/R11)を求めた。
(湿熱環境下保管後の表面固有抵抗の変化比率測定)
上記で製造したカバーテープ1〜11を、60℃95%RHの恒温恒湿試験室に24時間保管した。保管後の各カバーテープについて、上記(スチールウール試験前の表面抵抗抗率の測定)と同様に表面抵抗率(R12)を測定した。次いで、上記スチールウール試験行い、上記(スチールウール試験後の表面抵抗率の測定)と同様に表面抵抗率(R22)を測定した。そして、表面抵抗変化率としてR22をR12にて割った値R2(R22/R12)を求めた。
[異常挙動数評価]
上記カバーテープ1〜11を用い、包装体のサンプルを以下のように作製し、包装体からカバーテープを剥離した際の電子部品の挙動異常数を測定した。
(サンプル作製)
下記条件で包装体のサンプルを作製した。下記電子部品500個を下記紙キャリアテープのキャビティに連続的に配置しながら、紙キャリアテープとカバーテープを、下記テーピングマシーンを使用して下記条件でヒートシールしつつ巻き取ることによってロール状の包装体のサンプルを得た。
(サンプル作製条件)
テーピングマシーン NST−35 (日東工業社製)
紙キャリア:北越紀州製紙製 HOCTO 31mmt(バージン紙)
テーピング温度:180℃
テーピングスピード:3500タクト
シール幅:0.6mm×2
電子部品:0402サイズのコンデンサ
(異常挙動数測定)
上記で作製したロール状の包装体からカバーテープを、カバーテープはく離装置(W08f インテリジェントフィーダー、FUJI社製)を用いて100mm/秒の速度で剥離した。剥離は、25±3℃、30±5%RHの環境で行い、10秒間で完了した。剥離時の電子部品の挙動を高速度カメラで観察した。剥離時に、紙キャリアキャビティーからチップが半分以上飛び出した場合(カバーテープに電子部品が貼りついた場合、電子部品が90度回転して立ちあがった場合、紙キャリアテープのキャビティから電子部品が飛び出した場合を含む)を異常挙動として、異常挙動が発生した数を高速度カメラで撮影した映像をスローモーションで再生しながら目視で見て集計した。
また、同様にして、包装体のロールを60℃95%RHの恒温恒湿試験室に24時間保管後に、上記カバーテープはく離装置を使用して異常挙動数を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2021062881
表1より、本開示の、スチールウールによる耐擦性試験をした際の試験前後の帯電防止層の表面固有抵抗の変化比率R1が10以上100以下であるカバーテープ(実施例1〜6)を使用した包装体の場合、チップの異常挙動を抑制することができた。中でも、導電性高分子を使用したカバーテープ4、5を使用した場合には、湿熱環境下で保管した場合においてもチップ異常挙動数を大幅に低減することができた。
1 … カバーテープ
2 … 基材層
3 … ヒートシール層
4 … 帯電防止層
5 … 中間層
10 … 包装体
11 … キャリアテープ
12 … 収納部
13 … 電子部品

Claims (8)

  1. 基材層と、
    前記基材層の一方の面側に配置されたヒートシール層と、
    前記基材層の前記ヒートシール層側の面とは反対の面側に配置される帯電防止層と、
    を有し、
    前記帯電防止層に対してスチールウールによる耐擦性試験をした際の前記耐擦性試験前後の前記帯電防止層の表面固有抵抗の変化比率R1が、10≦R1≦100を満たす、電子部品包装用カバーテープ。
  2. 60℃95%RH環境下で24時間保管後の、前記帯電防止層に対してスチールウールによる耐擦性試験をした際の前記耐擦性試験前後の前記帯電防止層の表面固有抵抗の変化比率R2が、20≦R2≦35を満たす、請求項1に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  3. 前記帯電防止層が、アクリル主鎖、4級アンモニウム塩基を含む側鎖、及び架橋構造を含む架橋樹脂を有し、前記架橋構造は、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)−又は、−C(=O)OCNH−を有する、請求項1または請求項2に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  4. 前記帯電防止層が、環状構造を有する化合物を含まないことを特徴とする、請求項3に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  5. 前記帯電防止層の帯電防止層材料が、架橋性官能基及び4級アンモニウム塩基を含有する第1の架橋性アクリル系ポリマーと、多官能系硬化剤とを有する、請求項3または請求項4に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  6. 前記帯電防止層が、導電性高分子と、アクリル主鎖及び架橋構造を含む架橋樹脂を有し、前記架橋構造は、−C(=O)OCNH−又は−C(OH)CHOC(=O)−を有する、請求項1または請求項2に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  7. 前記帯電防止層の帯電防止層材料が、導電性高分子と、カルボキシラートアニオン基を含有する第2の架橋性アクリル系ポリマーと、多官能系硬化剤とを有する、請求項6に記載の電子部品包装用カバーテープ。
  8. 電子部品を収納する複数の収納部を有するキャリアテープと、
    前記収納部に収納された電子部品と、
    前記収納部を覆うように配置された、請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の電子部品包装用カバーテープと、
    を備える、包装体。
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