JP2021062457A - ピッキング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構成のピッキング装置を提供する。【解決手段】少なくとも3つの把持部21〜24を有し、それら複数の把持部21〜24が互いに接近変位又は離間変位することにより物品を把持するピッキング部20を備え、複数の把持部21〜24それぞれの変位方向と直交する方向を退避方向としたとき、ピッキング部20が有する全ての把持部21〜24それぞれは、退避方向に変位可能であって、かつ、予め決められた大きさを越える力が当該退避方向に作用したときに当該力の向きに変位可能である。これにより、当該ピッキング装置では、複数の物品が重なるように「ばら積み状態」で載置されている場合であっても、ピッキング部20が特定の物品を選び取ることが可能となる。【選択図】図3

Description

本開示は、複数の物品の中から特定の物品を選び取ることが可能なピッキング装置に関する。
例えば、特許文献1に記載のピッキング装置では、ワークの位置及び姿勢等に関する三次元データを計測し、当該三次元データを利用して複数のワークの中からロボットハンド(以下、ハンドと略す。)にて把持可能なワークの位置及び姿勢を認識した後、当該ハンドにてワークを把持する。
特開2012−40669号公報
特許文献1に記載の発明では、ワークの位置及び姿勢を認識した後、ハンドにてワークを把持するので、複数のワークが不規則な状態で載置されている場合、つまり複数のワークが、いわゆる「ばら積み状態」で載置されている場合には、5軸以上の多軸ロボットにてハンドを操作する必要がある。
本開示は、上記点に鑑み、特許文献1に記載のピッキング装置に比べて簡素な構成のピッキング装置の一例を開示する。
複数の物品の中から特定の物品を選び取ることが可能なピッキング装置は、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。
すなわち、当該構成要件は、少なくとも3つの把持部(21〜24)を有し、それら複数の把持部(21〜24)が互いに接近変位又は離間変位することにより物品を把持するピッキング部(20)を備え、複数の把持部(21〜24)それぞれの変位方向と直交する方向を退避方向としたとき、ピッキング部(20)が有する全ての把持部(21〜24)それぞれは、退避方向に変位可能、かつ、予め決められた大きさを越える力が当該退避方向に作用したときに当該力の向きに変位可能であることである。
これにより、当該ピッキング装置では、複数の物品が重なるように「ばら積み状態」で載置されている場合であっても、ピッキング部(20)が特定の物品を選び取ることが可能となり得る。
すなわち、例えば、2つの物品の一部が互いに上下方向に重なるようにばら積みされている場合において、上に位置する物品を第1物品とし、下に位置する物品を第2物品としたとき、ピッキング部(20)が2つの物品に近づくと、複数の把持部(21〜24)のうちいずれかの把持部が第1物品の上面に接触すると、当該把持部は退避方向(この場合には、上方)に変位し、他の把持部は第2物品の上面に接触した状態となる。
したがって、当該状態において、ピッキング部(20)が作動すると、第2物品が把持されることなく、他の把持部により第1物品が把持され得る。つまり、複数の把持部(21〜24)のうち物品の上面に接触している把持部は、物品の把持に関与しない可能性が高い。
延いては、当該ピッキング装置では、複数の物品が重なるように「ばら積み状態」で載置されている場合であっても、ピッキング部(20)が特定の物品を選び取ることが可能となり得る。
なお、当該ピッキング装置は、例えば、以下の構成であってもよい。
すなわち、当該ピッキング装置は、全ての把持部(21〜24)それぞれが退避方向に変位することを規制するための抵抗力を発揮可能な抵抗部(41B、42B)を備えることが望ましい。
これにより、各把持部(21〜24)が不必要なタイミングで退避方向に変位してしまうことが抑制され得る。なお、不必要なタイミングとは、例えば、把持部(21〜24)と物品とが非接触状態にあるとき等をいう。
当該ピッキング装置は、全ての把持部(21〜24)それぞれを接近変位又は離間変位させるためのアクチュエータ部(30)であって、少なくとも物品を把持する際に作動するアクチュエータ部(30)と、アクチュエータ部(30)を作動させる制御部(70)とを備え、退避方向への変位量が最も小さい少なくとも1つの把持部を最深把持部としたとき、制御部(70)は、最深把持部が変位するようにアクチュエータ部(30)を作動させることが望ましい。これにより、特定の物品を選び取ることが可能となり得る。
当該ピッキング装置は、物品が載置された載置部(80A)の平面画像を撮影する2Dカメラ(60)と、2Dカメラ(60)により撮影された画像データを利用して把持の対象となる物品の水平方向の位置を特定するとともに、当該特定された水平方向の位置にピッキング部(20)を移動させる移動装置(40)と、載置部(80A)を揺らす揺振器(80)とを備え、揺振器(80)は、少なくとも2Dカメラ(60)による撮影が実行される前に載置部(80A)を揺らす機能を有することが望ましい。
そして、載置部(80A)を揺らすことにより、複数の物品の重なりを低減することが可能となる。したがって、「ばら積み状態」で載置されている物品の数を低減でき得るので、特定の物品を確実に選び取ることが可能となり得る。
当該ピッキング装置は、全ての把持部として第1把持部(21)〜第4把持部(24)が設けられ、それら第1把持部(21)〜第4把持部(24)は、円を描くように等間隔で配置されており、アクチュエータ部(30)は、第1把持部(21)及び当該第1把持部(21)と対向する位置にある第2把持部(22)を連動させて変位させる第1アクチュエータ部(31)であって、全ての把持部(21〜24)に対して退避方向にずれた位置に配置された第1アクチュエータ部(31)、並びに第3把持部(23)及び当該第3把持部(23)と対向する位置にある第4把持部(24)を連動させて変位させる第2アクチュエータ部(32)であって、第1アクチュエータ部(31)に対して、第3把持部(23)及び第4把持部(24)の並び方向にずれた位置に配置された第2アクチュエータ部(32)を有して構成されており、さらに、並び方向に延びて第2アクチュエータ部(32)の作動を第3把持部(23)及び第4把持部(24)それぞれに伝達する2つの伝達部材(32A、32B)を備えることが望ましい。
これにより、当該ピッキング装置では、第1アクチュエータ部(30)と第2アクチュエータ部(30)とが同一部品となり得る。したがって、ピッキング装置の開発費及び大型化が抑制され得る。
ピッキング部(20)は、全ての把持部(21〜24)のうち組をなす複数の把持部(21〜24)が互いに離間変位して物品の内周に圧接することにより当該物品を把持し、全ての把持部(21〜24)それぞれは、物品の内周に圧接可能な第1圧接部(21A)及び第2圧接部(21B)を有する合同な形状であり、第1圧接部(21A)は、把持部(21〜24)の先端側に設けられ、第2圧接部(21B)は、第1圧接部(21A)に対して退避方向及び離間方向前進側にずれていることが望ましい。
これにより、例えば、2つの物品は上下方向に重なっている場合、複数の把持部(21〜24)のうち少なくとも1つは、第2圧接部(21B)が上に位置する物品に圧接し、第1圧接部(21A)がいずれの物品にも接触していない状態となり得る。したがって、当該ピッキング装置は、2つの物品が上下方向に重なっている場合であっても、上に位置する物品のみを確実に選び取ることが可能となり得る。
第1圧接部(21A)と第2圧接部(21B)との間には、退避方向に対して直線的に傾いたテーパ部(21C)が設けられていることが望ましい。これにより、当該ピッキング装置は、物品が傾いている場合であっても、上に位置する物品のみを確実に選び取ることができ得る。
退避方向において第2圧接部(21B)を挟んで第1圧接部(21A)と反対側には、当該第2圧接部(21B)より離間方向前進側に膨出した膨出部(21D)が設けられており、膨出部(21D)のうち第2圧接部(21B)側には、略円弧状に湾曲した曲面(21E)が設けられていることが望ましい。これにより、当該ピッキング装置は、物品が傾いている場合であっても、上に位置する物品のみを確実に選び取ることができ得る。
第1圧接部(21A)は、テーパ部(21C)と反対向きに傾いた傾斜面により構成され、第2圧接部(21B)は、退避方向に対して平行な面により構成されていることが望ましい。これにより、第1圧接部(21A)にて物品を把持する場合、つまり複数の物品が重なっていない場合においても確実に当該物品を把持することができ得る。
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
第1実施形態に係るピッキング装置を示す図である。 第1実施形態に係るピッキング装置の制御系ブロック図である。 第1実施形態に係るピッキング部を示す図である。 第1実施形態に係るピッキング装置を示す図である。 第1実施形態に係るピッキング部を示す図である。 第1実施形態に係るピッキング装置を示す図である。 第1実施形態に係るピッキング装置の把持部を示す図である。 第1実施形態に係るピッキング装置の作動を示すフローチャートである。 A〜Cは、物品のばら積み状態を示す図である。 第1実施形態に係るピッキング装置の作動説明図である。 第1実施形態に係るピッキング装置の作動説明図である。 A〜Dは、第1実施形態に係るピッキング装置の作動説明図である。 第4実施形態に係るピッキング装置の作動を示すフローチャートである。
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
本実施形態は、車両用部品を選び取るためのピッキングロボットに本開示に係るピッキング装置が適用された例である。各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び部材又は部位の形状等を理解し易くするために記載したものである。
したがって、当該ピッキング装置は、各図に付された方向は、一例であって、当該方向に限定されない。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示さない。少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。
つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示されたピッキング装置は、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素を備える。
(第1実施形態)
<1.ピッキング装置の概要>
本実施形態に係るピッキング装置1は、図1に示されるように、ピッキング部20、アクチュエータ部30、移動装置40及び揺振器80、並びに図2に示されるように、検出部50、2Dカメラ60及び制御部70等を少なくとも備える。
<ピッキング部>
ピッキング部20は、図3に示されるように、少なくとも3つ(本実施形態では、4つ)の把持部21〜24を有し、それら第1把持部21〜第4把持部24が互いに接近変位又は離間変位することにより物品を把持する。具体的には、以下の通りである。
すなわち、第1把持部21〜第4把持部24は、円を描くように等間隔(90度間隔)で配置されている。ピッキング部20は、第1把持部21〜第4把持部24のうち組をなす複数(本実施形態では、2つ)の把持部が互いに離間変位して物品Wの内周に圧接することにより当該物品Wを把持する。
本実施形態では、第1把持部21及び当該第1把持部21と対向する位置にある第2把持部22とが組をなす2つの把持部である。第3把持部23及び当該第3把持部23と対向する位置にある第4把持部24とが組をなす2つの把持部である。
つまり、本実施形態に係る物品Wは、中心に貫通穴Whが設けられた略円盤状の物品である。第1把持部21と第2把持部22とが互いに離間変位して貫通穴Whに圧接すると、当該物品Wは、第1把持部21及び第2把持部22(以下、第1ピッキング部20Aという。)により把持される。
同様に、第3把持部23と第4把持部24とが互いに離間変位して貫通穴Whに圧接すると、当該物品Wは、第3把持部23及び第4把持部24(以下、第2ピッキング部20Bという。)により把持される。
<アクチュエータ部>
アクチュエータ部30は、第1把持部21〜第2把持部22それぞれを接近変位又は離間変位(本実施形態では、離間変位)させるための機械要素である。当該アクチュエータ部30は、少なくとも物品Wを把持する際に作動する。
アクチュエータ部30は、図4に示されるように、第1アクチュエータ部31及び第2アクチュエータ部32等を少なくとも有している。第1アクチュエータ部31は、第1ピッキング部20Aを作動させる。第2アクチュエータ部32は、第2ピッキング部20Bを作動させる。
第1アクチュエータ部31及び第2アクチュエータ部32は、第1ピッキング部20A及び第2ピッキング部20Bに対して退避方向D1にずれた位置に配置されている。第2アクチュエータ部32は、第1アクチュエータ部31に対して、第3把持部23及び第4把持部24の並び方向D2にずれた位置に配置されている。
なお、退避方向D1とは、第1把持部21〜第4把持部24それぞれの変位方向と直交する方向である。本実施形態では、第1把持部21〜第4把持部24それぞれの変位方向は水平方向である。
このため、本実施形態に係る退避方向D1は鉛直方向と一致し、第3把持部23及び第4把持部24の並び方向D2は水平方向と一致する。なお、第1把持部21及び第2把持部22の並び方向と並び方向D2とは直交する。
第1アクチュエータ部31は第1ピッキング部20Aの直上に位置している。このため、第1把持部21及び第2把持部22は、直接的に第1アクチュエータ部31に連結されている。
第2アクチュエータ部32は、第2ピッキング部20Bに対して水平方向にずれた位置に配置されている。このため、図5に示されるように、アクチュエータ部30には、2つの伝達部材32A、32Bが設けられている。
2つの伝達部材32A、32Bは、並び方向D2に延びて第2アクチュエータ部32の作動を第3把持部23及び第4把持部24それぞれに伝達する。つまり、第2ピッキング部20Bは、2つの伝達部材32A、32Bを介して間接的に第2アクチュエータ部32に連結されている。
<第1ピッキング部及び第2ピッキング部の退避構造>
第1把持部21〜第4把持部24それぞれは、退避方向に変位可能、かつ、予め決められた大きさを越える力が当該退避方向に作用したときに当該力の向きに変位可能である。
具体的には、第1ピッキング部20A及び第2ピッキング部20Bそれぞれは、互い独立して上下方向に変位可能であって、上向きの力がピッキング部20に作用すると、当該力が作用したピッキング部が上方に変位する(図6参照)。
すなわち、本実施形態では、図6に示されるように、第1ピッキング部20Aと第1アクチュエータ部31とが一体化されて第1ユニット41が構成されている。第2ピッキング部20Bと第2アクチュエータ部32とが一体化されて第2ユニット42が構成されている。
第1ユニット41及び第2ユニット42は、ベースプレート43に対して退避方向(本実施形態では、上下方向)に変位可能に当該ベースプレート43に連結されている。具体的には、第1ユニット41及び第2ユニット42それぞれには、少なくとも1本(本実施形態では、2本)の連結棒41A、42Aが設けられている。
各連結棒41A、42Aは、退避方向にベースプレート43を貫通しているとともに、当該ベースプレート43に対して予め決められた寸法範囲内において退避方向に自由変位可能である。
ベースプレート43と第1ユニット41及び第2ユニット42との間には、バネ41B、42Bが設けられている。バネ41B、42Bは、第1把持部21〜第4把持部24、つまり第1ユニット41及び第2ユニット42それぞれが退避方向(本実施形態では、上向き)に変位することを規制するための弾性力を発揮する。
つまり、各バネ41B、42Bは、第1アクチュエータ部31及び第2アクチュエータ部32を介して第1ピッキング部20A及び第2ピッキング部20Bそれぞれに下向きの弾性力を作用させる。
換言すれば、バネ41B、42Bは、第1把持部21〜第4把持部24、つまり第1ユニット41及び第2ユニット42それぞれが退避方向に変位することを規制するための抵抗力を発揮する抵抗部の一例である。
そして、ピッキング部20に上向きの力が作用していない場合には、第1ピッキング部20A及び第2ピッキング部20Bは、自重及び各バネ41B、42Bの弾性力により上記寸法範囲内の下限位置にある。
このため、予め決められた大きさを越える退避方向(本実施形態では、上向き)の力がピッキング部20に作用したときに、当該力が作用したピッキング部は、当該力の向き(本実施形態では、上向き)に変位する。
以下、上記の下限位置を基本位置という。基本位置に対して予め決められた寸法だけ上方側にずれた位置を退避位置という。なお、退避位置は、上記寸法範囲内の上限位置より低い位置である。
なお、本実施形態に係るバネ41B、42Bそれぞれはコイルばねである。各バネ41B、42Bには、連結棒41A、42Aが貫通している。連結棒41A、42Aの変位は、ベースプレート43に設けられたガイド部材(図示せず。)により案内される。
<把持部の詳細>
本実施形態に係る第1把持部21〜第4把持部24それぞれは、物品Wに設けられた貫通穴Whの内周に圧接することにより当該物品Wを把持するものである。そして、各把持部21〜24は、合同な形状である。以下の説明は、第1把持部21を例とした場合の把持部の詳細説明である。
第1把持部21には、図7に示されるように、第1圧接部21A及び第2圧接部21Bが設けられている。第1圧接部21Aは、貫通穴Whの内周に圧接可能な部位であって、第1把持部21の先端側に設けられた部位である。
第2圧接部21Bは、貫通穴Whの内周に圧接可能な部位であって、第1圧接部21Aに対して退避方向及び離間方向前進側にずれた位置に設けられた部位である。つまり、第2圧接部21Bは、第1圧接部21Aに対して上方及び水平方向(図7では、右側)にずれている。
第1圧接部21Aと第2圧接部21Bとの間には、テーパ部21Cが設けられている。テーパ部21Cは、退避方向(本実施形態では、上方方向)に対して直線的に傾いた部位である。
そして、第1圧接部21Aは、テーパ部21Cと反対向きに傾いた傾斜面により構成されている。第2圧接部21Bは、退避方向(本実施形態では、上方方向)に対して平行な面により構成されている。
退避方向において第2圧接部21Bを挟んで第1圧接部21Aと反対側、つまり第2圧接部21Bの上方側には、膨出部21Dが設けられている。膨出部21Dは、第2圧接部21Bより離間方向前進側(図7では、右側)に膨出した部位である。
膨出部21Dのうち第2圧接部21B側には、略円弧状に湾曲した曲面21Eが設けられている。なお、第1圧接部21A、第2圧接部21B、テーパ部21C及び膨出部21Dは、金属製の一体部品である。
<移動装置>
移動装置40は、制御部70により特定された水平方向の位置に、ピッキング部20を移動させる。本実施形態に係る移動装置40は、ピッキング部20を水平方向及び鉛直方向に移動させることが可能なロボットアームである。
具体的には、当該移動装置40は、図1に示されるように、アーム部40A及びスライド棒40B等を少なくとも有する。アーム部40Aは水平方向に旋回変位する部位である。スライド棒40Bは、アーム部40Aの先端に設けられて上下方向に変位する。当該スライド棒40Bの下端側には、ベースプレート43が固定されている。
<揺振器>
揺振器80は、図1に示されるように、載置部80Aを揺らすための機構である。載置部80Aは、少なくとも1つの物品Wが載置される部分である。なお、本実施形態に係る載置部80Aは、揺振器80に着脱自在に装着される箱である。
具体的には、揺振器80には、載置台81及び駆動部82が設けられている。載置台81は、箱状の載置部80Aが載置可能な台である。駆動部82は、載置台81を水平方向に往復変位させるアクチュエータである。
<2.制御系の構成>
制御部70は、図2に示されるように、アクチュエータ部30(第1アクチュエータ部31及び第2アクチュエータ部32)、移動装置40並びに揺振器80等の作動を制御するコントローラである。
本実施形態に係る制御部70は、CPU、ROM及びRAM等を有するマイクロコンピュータにて構成されている。当該制御部70は、ROM等の不揮発性記憶部に予め記憶されたプログラムに従って、アクチュエータ部30、移動装置40及び揺振器80等の作動を制御する。
制御部70には、検出部50及び2Dカメラ60から出力信号が入力されている。検出部50は、各把持部21〜24それぞれが退避方向に変位したか否かを検出するためのセンサである。2Dカメラ60は、載置部80Aの平面画像を撮影する撮像部である。
<検出部>
検出部50は、第1検出部51及び第2検出部52等を少なくとも有している。第1検出部51は、第1把持部21及び第2把持部22、つまり第1ピッキング部20Aが基本位置から退避位置側に変位した場合に、その旨の信号(以下、第1オン信号という。)を制御部70に対して出力する。
第2検出部52は、第3把持部23及び第4把持部24、つまり第2ピッキング部20Bが基本位置から退避位置側に変位した場合に、その旨の信号(以下、第2オン信号という。)を制御部70に対して出力する。
本実施形態に係る検出部50は、第3検出部53も有している。第3検出部53は、第1ピッキング部20A及び第2ピッキング部20Bのうち退避位置側への変位量が最も小さいピッキング部を判別するための信号を制御部70に対して出力する。
本実施形態では、第1検出部51及び第2検出部52は、ベースプレート43に対する第1ユニット41又は第2ユニット42の変位を検出する。第3検出部53は第1ユニット41に対する第2ユニット42の変位量を検出する。なお、第1検出部51〜第3検出部53は、非接触式の近接スイッチが利用された検出器である。
<2Dカメラ>
制御部70は、2Dカメラ60により撮影された画像データを利用して把持の対象となる物品Wの水平方向の位置を特定する。次に、制御部70は、移動装置40に対して、当該特定された水平方向の位置にピッキング部20を移動させる命令信号を発する。
<3.ピッキング装置の作動>
<3.1 作動の概要>
制御部70は、揺振器80にて載置部80Aを揺らした後、2Dカメラ60を作動させて載置部80Aを撮影する。次に、制御部70は、撮影された画像データを利用して把持の対象となる物品Wの水平方向の位置を特定する。
その後、制御部70は、移動装置40を作動させてピッキング部20を当該特定された位置の直上に移動させた後、ピッキング部20を降下させる。これにより、ピッキング部20は、物品Wの貫通穴Whに近づくように降下(落下)していく。
ピッキング部20の降下開始後、制御部70は、検出部50の検出結果を利用して、第1把持部21〜第4把持部24が退避方向(本実施形態では、上方)に変位したと判断したか否かを判断し、退避方向に変位したと判断しときに、アクチュエータ部30を作動させる。
具体的には、制御部70は、第1オン信号又は第2オン信号が入力された時にピッキング部20の降下を停止させるとともに、第1オン信号及び第2オン信号が入力されたときに、第1ピッキング部20A及び第2ピッキング部20Bが退避位置側に変位したと判断する。
次に、制御部70は、第3検出部53の出力信号を利用して退避位置側への変位量が最も小さいピッキング部、つまり、最も下方に位置する把持部(以下、最深把持部という。)を離間変位させる。
換言すれば、制御部70は、ピッキング部20の降下開始後、全て把持部21〜24が上方側に変位した旨を検出したとき、最も下方側に位置する2つ把持部、つまり2つの最深把持部を離間変位させる。
<3.2 作動の詳細>
図8に示されたフローチャートは、上記の作動を実行するための制御フローの一例である。当該制御フローを実行するためのプログラムは、制御部70で実行されるとともに、不揮発性記憶部に予め記憶されている。
当該制御が起動されると、制御部70は、先ず、2Dカメラ60にて載置部80Aを撮影し、画像データを取得する(S1)。次に、制御部70は、当該画像データから選び取るべき物品の位置を認識し、当該位置を認識できたか否かを判断する(S10)。
制御部70は、物品の位置を認識できないと判断した場合には(S10:NO)、揺振器80の作動回数が予め決められた所定回数(例えば、3回)以下か否かを判断する(S20)。
制御部70は、揺振器80の作動回数が所定回数以下と判断した場合には(S20:YES)、揺振器80を作動させるとともに、RAMに記憶されている作動回数を1増加させる(S30)。
作動回数は載置部80Aを揺らした回数を示す。作動回数の初期値として0がRAMに記憶されている。そして、作動回数が所定回数を越えたときに、制御部70は、ピッキング装置1を停止させた後、当該RAMに記憶されている作動回数を初期値、つまり0に再設定する。
制御部70は、揺振器80を作動させた場合には(S30)、再び、2Dカメラ60にて載置部80Aを撮影して画像データを取得した後(S1)、当該画像データから選び取るべき物品の位置を認識し、当該位置を認識できたか否かを判断する(S10)。
制御部70は、画像データから位置を認識できたと判断した場合(S10:YES)、移動装置40を作動させてピッキング部20を当該認識した位置に移動させた後、ピッキング部20を降下させ、揺振器80の作動回数を初期に再設定する(S21)。
次に、制御部70は、第1オン信号又は第2オン信号が入力されたか否かを判断し(S50)、いずれかのオン信号が当該制御部70に入力されたと判断した場合には(S50:YES)、ピッキング部20の降下を停止させる停止指令信号を発する(S60)。
なお、ピッキング部20は、制御部70がピッキング部20の降下を停止させた後も慣性により降下し続ける。このため、本実施形態に係るピッキング部20は、制御部70が降下停止命令を発した時から約20mm程度降下可能な構成となっている。
そして、制御部70は、第1オン信号及び第2オン信号が入力されたか否かを判断する(S70)。つまり、S70では、制御部70がピッキング部20の降下を停止させた時点で未だオン信号を発していない検出器からオン信号が制御部70に入力された否かが判断される。
制御部70は、第1オン信号及び第2オン信号が入力された判断した場合には(S70:YES)、最深把持部を離間変位させるためのアクチュエータ部を作動させるとともに、ピッキング回数を1増加させる(S80)。
ピッキング回数は、第1アクチュエータ部31又は第2アクチュエータ部32の作動回数を示す。ピッキング回数の初期値として0がRAMに記憶されている。そして、ピッキング回数が所定回数を越えたときに、制御部70は、ピッキング装置1を停止させた後、当該RAMに記憶されているピッキング回数を初期値、つまり0に再設定する。
次に、制御部70は、ピッキングに成功したか否か、つまり把持の対象となる物品Wを把持できたか否かを判断する(S90)。本実施形態に係る制御部70は、第1アクチュエータ部31又は第2アクチュエータ部32の作動量を利用してS90の判断を行う。
具体的には、制御部70は、アクチュエータ部30の構成部品である空気シリンダー(図示せず。)の変位量が所定値未満の場合にはピッキングに成功したと判断し、当該変位量が所定値以上の場合にはピッキングに成功しなかったと判断する。
制御部70は、ピッキングに成功しなかったと判断した場合には(S90:NO)、ピッキング回数が予め決められた所定回数を超えたか否かを判断する(S100)。制御部70は、ピッキング回数が所定回数を超えたと判断した場合には(S100:YES)、本制御を停止する。
制御部70は、ピッキング回数が所定回数を超えていないと判断した場合には(S100:NO)、再び、S1を実行する。制御部70は、ピッキングに成功したと判断した場合には(S90:YES)、移動装置40を作動させて物品Wを所定位置に移動させるとともに、RAMに記憶されているピッキング回数を初期値に再設定する(S110)。
<4.本実施形態に係るピッキング装置の特徴>
複数(例えば、2つ)の物品Wが「ばら積み状態」で載置されている場合、当該「ばら積み状態」は、概ね、3種類のパターンに分類される。
<第1パターン>
第1パターンは、図9Aに示されるように、貫通穴Whが一致するように複数の物品W1、W2が上下方向に重なる状態である。第1パターンで載置されている複数の物品Wがばら積みされている場合、制御部70は、最上部に載置されている物品Wの位置を認識する。
最上部に載置されている物品W(以下、第1物品W1という。)の貫通穴Whに向けてピッキング部20が降下すると、図10に示されるように、各把持部21〜24の膨出部21Dが第1物品Wに干渉するため、第1ピッキング部20A及び第2ピッキング部20Bが退避方向に変位する。
第2圧接部21Bが第1圧接部21Aに対して上方及び水平方向にずれているため、第1アクチュエータ部31又は第2アクチュエータ部32が作動すると、第2圧接部21Bが貫通穴Whに圧接し、第1圧接部21Aが貫通穴Whに圧接しない。したがって、第1物品W1のみがピッキング部20に把持される。
なお、上下方向に重なっている物品Wの数が少ない場合には、第2圧接部21Bが貫通穴Whに嵌り込む前に、各把持部21〜24の先端が載置部80Aに接触して、第1ピッキング部20A及び第2ピッキング部20Bが退避方向に変位する。
このため、上下方向に重なっている物品Wの数が少ない場合には、第1圧接部21Aが第1物品Wの貫通穴Whに圧接し、第2圧接部21Bが当該貫通穴Whに圧接しない。したがって、第1物品W1のみがピッキング部20に把持される。
<第2パターン>
第2パターンは、図9Bに示されるように、貫通穴Whが水平方向にずれた状態で、複数の物品W1、W2が互いに平行に上下方向に重なった状態である。当該状態では、第1物品W1の貫通穴Wh内に、第2物品W2に設けられた凸部Wcが位置する。
なお、第1物品W1は、2枚の物品Wのうち上に位置する物品Wである。第2物品W2は、2枚の物品Wのうち下に位置する物品Wである。本実施形形態に係る物品Wの表面には、複数の凸部Wcが設けられている。
ピッキング部20が第1物品W1の貫通穴Whに向かって降下すると、図9Bに示す例では、第1把持部21及び第2把持部22の先端は、第2物品W2の凸部Wcに接触して退避方向に変位する。
第3把持部23及び第4把持部24の先端が第2物品W2の上面に接触して退避方向に変位する。このため、制御部70は、第1アクチュエータ部31を作動させて第1把持部21と第2把持部22とを離間変位させる。
したがって、第1物品W1の貫通穴Whに第1圧接部21Aが圧接するため、第1物品W1のみがピッキング部20に把持される。なお、凸部Wcが無い物品Wの場合、ピッキング部20は、第1パターンにおける数が少ない場合と同様な作動で第1物品W1のみを把持する。
また、ピッキング部20が2つの物品Wに近づくと、複数の把持部21〜24のうちいずれかの把持部(例えば、第1把持部21又は第2把持部22)が第1物品W1の上面に接触すると、当該把持部は退避方向に変位し、他の把持部(例えば、第3把持部23及び第4把持部24)は第2物品W2の上面に接触し、その後、退避方向に変位する。
したがって、当該状態において、第2アクチュエータ部32が作動すると、第2物品W2が把持されることなく、第3把持部23及び第4把持部24の第1圧接部21Aにより第1物品W1のみが把持される。つまり、複数の把持部21〜24のうち物品Wの上面に接触している把持部は、物品Wの把持に関与しない。
<第3パターン>
第3パターンは、図9Cに示されるように、貫通穴Whが水平方向にずれた状態で複数の物品Wが上下方向に重なり、かつ、上に位置する物品W1(以下、第1物品W1という。)が下に位置する物品W2(以下、第2物品W2という。)に対して傾いた状態である。
ピッキング部20が第1物品W1の貫通穴Whに向かって降下すると、図9Cに示す例では、第1把持部21〜第4把持部24の先端は、第2物品W2の上面に接触して退避方向に変位する。
このため、制御部70は、第1アクチュエータ部31及び第2アクチュエータ部32のうち少なくとも一方のアクチュエータ部を作動させる。このとき、第1物品W1が第2物品W2に対して傾いているので、図11に示される例では、第3把持部23及び第4把持部24の第1圧接部21Aが貫通穴Whに圧接し、第2把持部22は当該貫通穴Whに圧接できない。
したがって、第1物品W1が第2物品W2に対して傾いている場合には、第1ピッキング部20A及び第2ピッキング部20Bのうちいずれか一方のピッキング部は、実質的に、第1物品W1の把持に関与しない。
つまり、第1物品W1が第2物品W2に対して傾いている場合には、第1ピッキング部20A及び第2ピッキング部20Bのうちいずれかのピッキング部により、第1物品W1のみが把持される。
なお、第1物品W1の傾き角度が大きい場合には、各把持部21〜24が離間変位する際に、図12A→図12B→図12Cの順に示されるように、貫通穴Whが膨出部21Dの曲面21E、及びテーパ部21Cに滑り接触しながら第1物品W1の姿勢が変化しいく。
そして、第1物品W1の姿勢は、最終的に、図12Dに示されるように、第1圧接部21Aと貫通穴Whとが圧接可能な姿勢となる。このため、第1ピッキング部20A及び第2ピッキング部20Bのうちいずれかのピッキング部により、第1物品W1のみが把持される。
以上のように、本実施形態に係るピッキング装置1では、複数の物品Wが重なるように「ばら積み状態」で載置されている場合であっても、ピッキング部20が特定の物品を選び取ることが可能となり得る。
延いては、本実施形態に係るピッキング装置1では、3Dカメラ(深度カメラ)や多軸ロボット等を用いることなく、「ばら積み状態」の中から特定の物品Wを選び取ることが可能となり得る。
本実施形態に係るピッキング装置1は、図8に示されるように、2Dカメラ60による撮影が実行される前に載置部80Aを揺らす機能を有する。これにより、複数の物品Wが「ばら積み状態」から「物品Wが重なることなく載置された状態(平積み状態)」又は当該平積み状態に近い状態に移行させることが可能となり得る。
したがって、複数の物品Wの中から特定の物品W1を確実に選び取ることが可能となり得る。さらに、複数の物品Wがばら積み状態から平積み状態又は当該平積み状態に近い状態に移行すれば、2Dカメラ60にて特定の物品W1を確実に認識することも可能となり得る。
本実施形態に係るピッキング装置1では、第2アクチュエータ部32の作動を第3把持部23及び第4把持部24それぞれに伝達する2つの伝達部材32A、32Bを備え、第2アクチュエータ部32は、第1アクチュエータ部31に対して、第3把持部23及び第4把持部24の並び方向にずれた位置に配置されている。
これにより、当該ピッキング装置1では、同一のアクチュエータにて第1アクチュエータ部31及び第2アクチュエータ部32が構成される。したがって、ピッキング装置1の開発及び製造コストの上昇が抑制され得る。
(第2実施形態)
第1実施形態に係る制御部70は、退避方向への変位量が最も小さい2つの把持部を最深把持部とし、当該2つの最深保持部を離間変位させた。これに対して、本実施形態に係る制御部70は、最後に退避方向へ変位した2つの把持部を最深把持部とし、当該2つの最深保持部を離間変位させる。
なお、上述の実施形態と同一の構成要件等は、上述の実施形態と同一の符号が付されている。このため、本実施形態では、重複する説明は省略されている。
(第3実施形態)
上述の実施形態に係る制御部70は、2つの最深保持部を離間変位させた。これに対して、本実施形態に係る制御部70は、全ての把持部21〜24が退避方向に変位したと判断したときに、それら全ての把持部21〜24を同時に離間変位させる。
なお、上述の実施形態と同一の構成要件等は、上述の実施形態と同一の符号が付されている。このため、本実施形態では、重複する説明は省略されている。
(第4実施形態)
本実施形態に係る制御部70は、図13に示されるように、S70(図8参照)に相当する制御ステップを実行しない。すなわち、制御部70は、第1オン信号又は第2オン信号が入力されたと判断した場合には(S50:YES)、ピッキング部20の降下を停止させる停止指令信号を発する(S60)。
次に、制御部70は、第3検出器53の検出信号を利用して最深把持部を認識した後、当該最深把持部を離間変位させるためのアクチュエータ部を作動させるとともに、ピッキング回数を1増加させる(S80)。
つまり、本実施形態に係る制御部70は、全ての把持部21〜24が退避方向に変位したか否かを判断することなく、第1オン信号又は第2オン信号が入力されたと判断した場合に最深把持部を離間変位させる。
本実施形態は、ピッキング装置1の作動速度が大きい場合、つまり1つの物品Wを選び取りための時間が短い場合に有効な構成である。なお、上述の実施形態と同一の構成要件等は、上述の実施形態と同一の符号が付されている。このため、本実施形態では、重複する説明は省略されている。
(第5実施形態)
本実施形態は、2Dカメラ60の位置が固定されている点を考慮してピッキング部20を降下させる例である。
すなわち、把持の対象となる物品Wが2Dカメラ60の撮影中心からずれている場合、ピッキング部20を真っ直ぐ降下させると、把持の対象となる物品Wとピッキング部20とがずれてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態に係る制御部70は、把持の対象となる物品Wが2Dカメラ60の撮影中心からずれていると判断した場合には、当該ずれ量を考慮してピッキング部20を斜めに降下させる。
そして、制御部70は、把持の対象となる物品Wが2Dカメラ60の撮影中心に一致している場合には、ピッキング部20を真っ直ぐに降下させる。なお、上述の実施形態と同一の構成要件等は、上述の実施形態と同一の符号が付されている。このため、本実施形態では、重複する説明は省略されている。
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係るピッキング部20は、4つの把持部21〜24を有し、2つの把持部を1組として2つのピッキング部を有する構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、少なくとも3つの把持部を有し、各把持部が独立して退避方向及び水平方向に変位可能であってもよい。
上述の実施形態に係る4つの把持部21〜24は、互いに離間変位する構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、4つの把持部21〜24は、互いに近接変位することにより物品Wを把持する構成であってもよい。
上述の実施形態では、第1ピッキング部20Aと第1アクチュエータ部31とが一体化されて第1ユニット41が構成され、第2ピッキング部20Bと第2アクチュエータ部32とが一体化されて第2ユニット42が構成され、かつ、各ユニット単位で退避方向に変位可能であった。
しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、各把持部21〜24のみが退避方向に変位可能であって、第1アクチュエータ部31及び第2アクチュエータ部32は変位しない構成であってもよい。
上述の実施形態に係るピッキング部20は、自重による重力を利用して変位可能であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、ピッキング部20の降下を停止させるブレーキを備え、モータ及びブレーキを制御部70が制御することにより、ピッキング部20の上下方向変位を制御してもよい。
上述の実施形態では、ベースプレート43と第1ユニット41及び第2ユニット42との間には、バネ41B、42Bが設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、バネ41B、42Bが廃止された構成であってもよい。
上述の実施形態に係る退避方向は、鉛直方向と一致していた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、退避方向が水平方向と一致した構成であってもよい。
上述の実施形態では、2Dカメラ60による撮影が実行される前に載置部80Aを揺らす機能を有していた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、揺振器80が廃止された構成であってもよい。
上述の実施形態では、第2アクチュエータ部32は、第1アクチュエータ部31に対して、第3把持部23及び第4把持部24の並び方向にずれた位置に配置されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。
上述の実施形態では、金属製のバネ41B、42Bにより抵抗部が構成されていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、空気圧若しくは油圧を用いたアクチュエータ、空気バネ、油圧ダンパー、又はフリクションダンパー等にて抵抗部が構成されていてもよい。
上述の実施形態では、車両用部品を選び取るためのピッキングロボットに本開示に係るピッキング装置が適用された。しかし、本明細書に開示された発明の適用はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、鉄道車両、船舶及び航空機等の部品を把持するためのピッキング装置、又は物流倉庫における貨物のピッキング装置にも適用できる。
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成でもよい。
1… ピッキング装置 7… 制御装置 20… ピッキング部
20A… 第1ピッキング部 20B… 第2ピッキング部
21… 第1把持部 21A… 第1圧接部 21B… 第2圧接部
21C… テーパ部 21D… 膨出部 21E… 曲面
22… 第2把持部 23… 第3把持部 24… 第4把持部
30… アクチュエータ部 31… 第1アクチュエータ部
32… 第2アクチュエータ部 32A… 伝達部材
40… 移動装置 40A… アーム部 40B… スライド棒
41… 第1ユニット 42… 第2ユニット 41A、42A… 連結棒
41B、42B… バネ 43… ベースプレート
50… 検出部 51… 第1検出部 52… 第2検出部 53… 第3検出部
60… 2Dカメラ 70… 制御部 80… 揺振器 80A… 載置部
81… 載置台 82… 駆動部

Claims (9)

  1. 複数の物品の中から特定の物品を選び取ることが可能なピッキング装置において、
    少なくとも3つの把持部を有し、それら複数の把持部が互いに接近変位又は離間変位することにより物品を把持するピッキング部を備え、
    複数の前記把持部それぞれの変位方向と直交する方向を退避方向としたとき、
    前記ピッキング部が有する全ての把持部それぞれは、前記退避方向に変位可能、かつ、予め決められた大きさを越える力が当該退避方向に作用したときに当該力の向きに変位可能であるピッキング装置。
  2. 前記全ての把持部それぞれが前記退避方向に変位することを規制するための抵抗力を発揮可能な抵抗部を備える請求項1に記載のピッキング装置。
  3. 前記全ての把持部それぞれを接近変位又は離間変位させるためのアクチュエータ部であって、少なくとも物品を把持する際に作動するアクチュエータ部と、
    前記アクチュエータ部を作動させる制御部とを備え、
    前記退避方向への変位量が最も小さい少なくとも1つの把持部を最深把持部としたとき、前記制御部は、前記最深把持部が変位するように前記アクチュエータ部を作動させる請求項1又は2に記載のピッキング装置。
  4. 少なくとも1つの物品が載置される載置部の平面画像を撮影する2Dカメラと、
    前記2Dカメラにより撮影された画像データを利用して把持の対象となる物品の水平方向の位置を特定するとともに、当該特定された水平方向の位置に前記ピッキング部を移動させる移動装置と、
    前記載置部を揺らす揺振器とを備え、
    前記揺振器は、少なくとも前記2Dカメラによる撮影が実行される前に前記載置部を揺らす機能を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のピッキング装置。
  5. 前記全ての把持部として第1把持部〜第4把持部が設けられ、それら第1把持部〜第4把持部は、円を描くように配置されており、
    前記アクチュエータ部は、
    前記第1把持部及び当該第1把持部と対向する位置にある前記第2把持部を連動させて変位させる第1アクチュエータ部であって、前記全ての把持部に対して前記退避方向にずれた位置に配置された第1アクチュエータ部、並びに
    前記第3把持部及び当該第3把持部と対向する位置にある前記第4把持部を連動させて変位させる第2アクチュエータ部であって、前記第1アクチュエータ部に対して、前記第3把持部及び前記第4把持部の並び方向にずれた位置に配置された第2アクチュエータ部を有して構成されており、
    さらに、前記並び方向に延びて前記第2アクチュエータ部の作動を前記第3把持部及び前記第4把持部それぞれに伝達する2つの伝達部材を備える請求項3又は4に記載のピッキング装置。
  6. 前記ピッキング部は、前記全ての把持部のうち組をなす複数の把持部が互いに離間変位して物品の内周に圧接することにより当該物品を把持し、
    前記全ての把持部それぞれは、物品の内周に圧接可能な第1圧接部及び第2圧接部を有する合同な形状であり、
    前記第1圧接部は、前記把持部の先端側に設けられ、
    前記第2圧接部は、前記第1圧接部に対して前記退避方向及び離間方向前進側にずれている請求項1ないし5のいずれか1項に記載のピッキング装置。
  7. 前記第1圧接部と前記第2圧接部との間には、前記退避方向に対して直線的に傾いたテーパ部が設けられている請求項6に記載のピッキング装置。
  8. 前記退避方向において前記第2圧接部を挟んで前記第1圧接部と反対側には、当該第2圧接部より前記離間方向前進側に膨出した膨出部が設けられており、
    前記膨出部のうち前記第2圧接部側には、略円弧状に湾曲した曲面が設けられている請求項7に記載のピッキング装置。
  9. 前記第1圧接部は、前記テーパ部と反対向きに傾いた傾斜面により構成され、
    前記第2圧接部は、前記退避方向に対して平行な面により構成されている請求項8に記載のピッキング装置。
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