JP2021062446A - 研磨装置用ワークキャリア、及び研磨装置用ワークキャリアの製造方法 - Google Patents

研磨装置用ワークキャリア、及び研磨装置用ワークキャリアの製造方法 Download PDF

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Kenji Inami
健路 伊波
淳也 新垣
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Abstract

【課題】加工が容易であり、かつワークキャリア本体とインサート材の密着性を高めることができる研磨装置用ワークキャリア、及び研磨装置用ワークキャリアの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】ワークキャリア1を構成するワークキャリア本体2は、被研磨物であるワークを保持する略円形のワーク保持孔3が形成されるとともに、ワーク保持孔には周方向に沿って、径方向に突出し所定の間隔で連続する凸状部により構成されている支持片4を有する。支持片4には、ワーク側面の欠損を防止するためのインサート材5が支持されており、ワーク保持孔3の円周長さ10.0mmあたりのインサート材5の支持片4に対する接触面積が略13.5mm2〜160mm2である。【選択図】図1

Description

本発明は、研磨装置用ワークキャリア、及び研磨装置用ワークキャリアの製造方法に関する。詳しくは、加工が容易であり、かつワークキャリア本体とインサート材の密着性を高めることができる研磨装置用ワークキャリア、及び研磨装置用ワークキャリアの製造方法に係るものである。
従来から、薄板からなるシリコンウェハ等(以下、「ワーク」という。)は、切削、研磨加工などによって必要な厚さに成型されて製品化される。そして、切削や研磨の際には、均等な厚さに加工するため、ワークの上下面を研磨する研磨装置として種々の形態の研磨装置が知られている。
例えば特許文献1には、遊星歯車機構を用いた代表的な研磨装置が開示されている。具体的には、研磨上面を有し回転可能に設けられた下定盤と、研磨上面と対向する研磨下面を有し回転可能に設けられた上定盤と、下定盤の中心部に回転可能に設けられるサンギアと、下定盤の外周部に回転可能に設けられるインターナルギアと、サンギアとインターナルギアとの間に噛合されて両ギヤの協働によって自転、公転するワークキャリアとを備え、ワークキャリアに保持されたワークが相対回転する下定盤と上定盤とに挟持され、ワークの上下面が同時に研磨される構成となっている。
前記のような研磨装置において、ワークは金属製のワークキャリアに設けられたワーク保持孔に収容された状態で、相対回転する上下の定盤により研磨される。その際、ワークの側面がワーク保持孔の内壁に当接し、ワークがガラス基板等の脆弱性の薄板からなる場合には、ワークがワークキャリアの内壁に当接することで、ワークの側面に微細な傷や欠け等が生じ、これがワークの割れを生じる原因となっていた。そのため、特許文献2には、ワーク保持孔の内壁面に樹脂製の緩衝部材(以下、「インサート材」という。)を設け、ワーク側面の損傷を防止するようにした研磨装置が提案されている。
一方、特許文献2に開示のように、例えワーク保持孔の内壁面にインサート材を設けたとしても、ワークキャリアの長期間の使用により、ワークの周縁がインサート材に対して繰り返し当接することで、ワークキャリア本体とインサート材の接着性が劣化し、インサート材がワークキャリア本体から容易に脱落してしまう。
そこで、特許文献3には、ワークキャリア本体とインサート材の接着構造を工夫することにより、長期間の使用を継続したとしても、インサート材がワークキャリア本体から容易に脱落しないワークキャリアが提案されている。具体的には、ワークキャリア本体の内周に所定の形状の溝(丸型溝、キノコ状凹部等)を形成することで、ワークキャリア本体に対するインサート材の接着性を高め、インサート材がワークキャリア本体から容易に脱落しない構成となっている。
特開2005―28498号公報 特開2007―98543号公報 特開2011―67918号公報
前記特許文献3によれば、ワークキャリアの長期間の使用によってもワークキャリア本体からインサート材が容易に脱落しないものとなっている。一方で、ワークキャリア本体の厚みは、薄いものだと0.50mm以下の厚みしかないものも多い。そのような薄厚のワークキャリア本体に対して、丸溝やキノコ状凹部といった複雑な形状の溝を内周壁に形成することは加工処理の難度が高く、加工のための工数が余分に発生することが懸念される。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、加工が容易であり、かつワークキャリア本体とインサート材の密着性を高めることができる研磨装置用ワークキャリア、及び研磨装置用ワークキャリアの製造方法を提供することを目的とするものである。
前記の目的を達成するために、本発明の研磨装置用ワークキャリアは、被研磨物であるワークを保持する略円形のワーク保持孔が形成され、径方向に突出する凸状部が等間隔で前記ワーク保持孔の周方向に沿って連続的に形成された支持片を有し、板厚が略0.10mm〜1.00mmのワークキャリア本体と、前記ワーク保持孔の周方向に沿って周設され、前記支持片により支持されたインサート材と、を備える研磨装置用ワークキャリアにおいて、隣り合う前記凸状部の間隔が略0.20mm〜2.00mm、前記凸状部の径方向の突出長さが略0.50mm〜3.00mm、前記ワーク保持孔の円周長さ10.0mmあたりの前記インサート材の前記支持片に対する接触面積が略13.5mm〜160mmである。
ここで、ワークキャリア本体に略円形のワーク保持孔が形成されていることにより、ワーク保持孔で被研磨物であるワークを保持することができるため、研磨装置でワークを研磨する際に、ワークがずれることを防止して効率的にワークの両面を研磨することができる。
また、ワークキャリア本体には、所定の形状からなる支持片を有することにより、係る支持片で後述するインサート材を保持することができる。
また、支持片が、径方向に突出する凸状部が所定の間隔で前記ワーク保持孔の周方向に沿って連続的に配置されていることにより、支持片を形成する際には、例えばレーザー加工やエッチング加工により一筆で形成可能であることから、加工工数を大幅に低減することができる。
また、ワーク保持孔の周方向に沿って周設され、支持片により支持されたインサート材を備えることにより、研磨加工時において、ワークの側面が剛性の高いワークキャリア本体に当接して欠損することを防止することができる。
また、ワーク保持孔の円周長さ10.0mmあたりのインサート材の支持片に対する接触面積が略13.5mm〜160mmであることにより、インサート材と支持片の固定が強固なものとなるため、繰り返しの使用によってもインサート材が支持片から脱落することを防止することができる。
なお、ワーク保持孔の円周長さ10.0mmあたりのインサート材の支持片に対する接触面積が略13.5mm未満の場合には、支持片のインサート材に対する支持力が弱まるため、ワークキャリアの繰り返しの使用により、インサート材が支持片から脱落することが懸念される。
一方、ワーク保持孔の円周長さ10.0mmあたりのインサート材の支持片に対する接触面積が略160mmよりも大きくなる場合には、支持片を構成する隣接する凸状部間の隙間を短くするか、凸状部の径方向の突出長さを長くする、或いはワークキャリア本体の板厚を厚くする必要がある。
しかしながら、支持片を構成する隣接する凸状部間の隙間を短くする場合には、インサート材を射出成形により支持片に対して取り付ける際にインサート材が凸状部間の隙間に流入しにくくなり、インサート材と支持片との密着性が弱まり、ワークキャリアの繰り返しの使用により、インサート材が支持片から脱落することが懸念される。
また、凸状部の径方向の突出長さを長くする場合には、凸状部が変形し易くなるとともに、ワークキャリアの繰り返しの使用により破断することが懸念される。
さらに、ワークキャリア本体の板厚を厚くすることは、被研磨対象物であるワークの板厚との関係から決まるため、ワークキャリア本体の板厚を必要以上に厚くすることは現実的でない。
また、支持片は、凸状部が等間隔で連続的に配置され、隣り合う凸状部の間隔が略0.20mm〜2.00mmである場合には、インサート材を支持片に対してより強固に固定することができる。即ち、インサート材は樹脂材からなるものが一般的であるが、隣り合う凸状部の間隔が略0.20mm〜2.00mmの場合には、軟化した樹脂材が隣接する凸状部間(凹状部)に隙間なく流れ込むため、樹脂材を効率的に充填させることができ、支持片とインサート材の固定を強固なものとすることができる。
なお、隣り合う凸状部の間隔が略0.20mm未満の場合には、間隔が狭くなりすぎるため軟化した樹脂材が隣接する凸状部間の隙間に効率的に充填されずに隙間が生じてしまい、支持片とインサート材の固定が強固なものとならない可能性がある。一方、隣り合う凸状部の間隔が略2.00mmよりも広い場合には、支持片とインサート材との固定が脆弱なものとなるため、繰り返しの使用によりインサート材が支持片から脱落しやすくなる。
また、支持片の凸状部の径方向の突出長さは、略0.50mm〜3.00mmである場合には、軟化した樹脂材が隣接する凸状部間に隙間なく流れ込み、樹脂材を効率的に充填させることができるため、支持片とインサート材の固定を強固なものとすることができる。
なお、支持片の凸状部の径方向の突出長さが略0.50mm未満の場合には、支持片とインサート材の結合部分において、ワーク保持孔の径方向の長さが短くなり、支持片とインサート材との固定が脆弱なものとなるため、繰り返しの使用によりインサート材が支持片から脱落しやすくなる。一方、支持片の凸状部の径方向の突出長さが略3.00mmよりも長い場合には、支持片にかかる負荷が大きくなるため、支持片が破損する可能性が高まる。
前記の目的を達成するために、本発明の研磨装置用ワークキャリアの製造方法は、板厚が略0.10mm〜1.00mmのワークキャリア本体に、被研磨物であるワークを保持する略円形のワーク保持孔を形成する工程と、径方向に突出し、所定の間隔で連続する凸状部により構成される支持片を形成する工程と、インサート材を前記ワーク保持孔の周方向に沿って周設する工程と、を備える研磨装置用ワークキャリアの製造方法において、隣り合う前記凸状部の間隔が略0.20mm〜2.00mm、前記凸状部の径方向の突出長さが略0.50mm〜3.00mm、前記ワーク保持孔の円周長さ10.0mmあたりの前記インサート材の前記支持片に対する接触面積が略13.5mm〜160mmである。
ここで、ワークキャリア本体に、被研磨物であるワークを保持する略円形のワーク保持孔を形成する工程を備えることにより、形成されたワーク保持孔で被研磨物であるワークを保持することができるため、研磨装置でワークを研磨する際に、ワークがずれることを防止して効率的にワークの両面を研磨することができる。
また、所定の形状からなる支持片を形成する工程を備えることにより、形成された支持片で後述するインサート材を支持することができる。
また、支持片を形成する工程が、径方向に突出する凸状部を所定の間隔でワーク保持孔の周方向に沿って連続的に形成することにより、例えばレーザー加工やエッチング加工により一筆で形成可能であり、加工工数を大幅に低減することができる。
また、インサート材をワーク保持孔の周方向に沿って周設する工程を備えることにより、研磨加工時において、ワークの側面が剛性の高いにワークキャリア本体に当接して欠損することを防止することができる。
また、ワーク保持孔の円周長さ10.0mmあたりの支持片に対する接触面積が略13.5mm〜160mmであることにより、インサート材と支持片の固定が強固なものとなるため、繰り返しの使用によってもインサート材が支持片から脱落すること防止することができる。
また、支持片は、凸状部が等間隔で連続的に配置され、隣り合う凸状部の間隔が略0.20mm〜2.00mmである場合には、インサート材を支持片に対してより強固に固定することができる。即ち、インサート材は樹脂材からなるものが一般的であるが、隣り合う凸状部の間隔が略0.20mm〜2.00mmの場合には、軟化した樹脂材が隣接する凸状部間に隙間なく流れ込むため、樹脂材を効率的に充填させることができ、支持片とインサート材の固定を強固なものとすることができる。
なお、隣り合う凸状部の間隔が略0.20mm未満の場合には、間隔が狭くなりすぎるため軟化した樹脂材が隣接する凸状部間の隙間に効率的に充填されずに隙間が生じてしまい、支持片とインサート材の固定が強固なものとならない可能性がある。一方、隣り合う凸状部の間隔が略2.00mmよりも広い場合には、支持片とインサート材との固定が脆弱なものとなるため、繰り返しの使用によりインサート材が支持片から脱落しやすくなる。
また、支持片の凸状部の径方向の突出長さは、略0.50mm〜3.00mmである場合には、軟化した樹脂材が隣接する凸状部間に隙間なく流れ込み、樹脂材を効率的に充填させることができるため、支持片とインサート材の固定を強固なものとすることができる。
なお、支持片の凸状部の径方向の突出長さが略0.50mm未満の場合には、支持片とインサート材の結合部分において、ワーク保持孔の径方向の長さが短くなり、支持片とインサート材との固定が脆弱なものとなるため、繰り返しの使用によりインサート材が支持片から脱落しやすくなる。一方、支持片の凸状部の径方向の突出長さが略3.00mmよりも長い場合には、支持片にかかる負荷が大きくなるため、支持片が破損する可能性が高まる。
本発明に係る研磨装置用ワークキャリア、及び研磨装置用ワークキャリアの製造方法は、加工が容易であり、かつワークキャリア本体とインサート材の密着性を高めることができるものとなっている。
本発明の実施形態に係るワークキャリアの全体外観図である。 本発明の実施形態に係る支持片とインサート材の要部拡大図である。 各実施例における支持片の拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
まず、本発明の実施形態に係るワークキャリア1の構成について図1、及び図2に基づいて説明する。ワークキャリア1は、被研磨物である薄板状のワークの両面を研磨加工する両面研磨装置(図示しない)の上定盤と下定盤との間に配置されて使用される。
ここで、必ずしも、ワークキャリア1が装着される研磨装置としては、ワークの両面を研磨する研磨装置である必要はなく、ワークの片面のみを研磨する研磨装置であってもよい。
ワークキャリア1は、例えばステンレス鋼(SUS)、高炭素クロム軸受鋼、炭素工具鋼(SK鋼)、チタン金属製等の基板によって円板上に切り出されたワークキャリア本体2を有し、ワークキャリア本体2には、ワークを保持するための複数(図1では3つ)のワーク保持孔3が形成されている。
ワークキャリア本体2の厚み(ワークキャリア本体2の表裏方向の高さ)は、被研磨対象物であるワークの厚みにより適宜変更され、本発明の実施形態においては、略0.10mm〜1.00mmの厚みとした(詳細は後述の各実施例を参照)。
また、ワークキャリア本体2の外周には、両面研磨装置のサンギア、及びインターナルギアに噛合する歯部(図示省略)が形成されており、サンギア、及びインターナルギアの回転により自転、及び公転する。そして、ワークキャリア本体2が自転、及び公転することで、ワーク保持孔3内に配置されたワークの両面が、上定盤と下定盤により研磨される。
ここで、必ずしも、ワークキャリア本体2には、図1に示すように3つのワーク保持孔3が形成されている必要はない。ワーク保持孔3の数は、用途等に応じて適宜変更することが可能である。
また、必ずしも、ワークキャリア本体2の材質として、前記したものに限定されるものはなく、公知の金属材料より適宜選択することができる。
ワーク保持孔3の内周には、後述するインサート材5を嵌合させて支持するための支持片4が形成されている。支持片4は、ワーク保持孔3の径方向に突出する凸状部6が、ワーク保持孔3の周方向に沿って所定の間隔で連続的に配置されており(隣接する凸状部6に挟まれた隙間を「凹状部7」という。)、レーザー加工やエッチング加工等により加工成型される。
凸状部6の先端の周方向長さA、隣接する凸状部6間の間隔B(凹状部7の周方向長さ)、凸状部6の径方向の突出長さCについては、前記したワークキャリア本体2の厚みとの関係で、インサート材5との接触面積が、ワーク保持孔3の円周長さ10.0mmあたり(以下、「単位長さ」と定義する。)略13.5mm〜160mmとなるように適宜変更される(詳細は後述の各実施例を参照)。
ここで、必ずしも、支持片4を構成する凸状部6と凹状部7は均等な間隔で形成されている必要はない。但し凸状部6と凹状部7が均等な間隔で形成されていることにより、支持片4を成型する際の加工が容易になるとともに、支持片4がインサート材5から受ける支持応力が均等となるため、支持片4のインサート材5を支持する支持力を高めることができる。
また、必ずしも、支持片4はワークキャリア本体2と一体化されている必要はない。例えば、ワーク保持孔3が形成されたワークキャリア本体2の内周に、凸状部6を接着して支持片4を構成してもよい。
インサート材5は、緩衝材としての機能を有し合成樹脂材からなるもので支持片4に嵌合されている。この合成樹脂材としては、例えばポリアミド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、エポキシ等の樹脂材からなり、さらに繊維強化プラスチック等を使用してもよい。
インサート材5のワークキャリア本体2に対する取り付けは、射出成形により行われる。具体的には、所定の合成樹脂材をワーク保持孔3の内周に沿ってリング状に射出成形することにより、インサート材5をその成型と同時にワークキャリア1に取り付けることができる。
ここで、必ずしも、インサート材5のワークキャリア本体2への取り付けとして、前記方法に限定されるものではない。例えば、合成樹脂材をワーク保持孔3の内壁面全体に板状に射出成形したあと、この合成樹脂板をリング状に打ち抜くことによってインサート材5、及びワーク保持孔3を形成するようにしてもよい。
次に、本発明の実施形態に係るワークキャリア1の製造方法について説明する。
まず、予め準備した板厚が0.10mm〜1.00mmの範囲の板厚からなる金属板を準備し、係る金属板をレーザー加工やエッチング加工により打ち抜きワーク保持孔3を所定の数だけ形成する(ステップ1)。
形成されたワーク保持孔3の内周に沿って、凸状部6と凹状部7が所定の間隔で連続的に形成されるようにレーザー加工やエッチング加工により成型する(ステップ2)。
なお、ステップ1とステップ2の工程は、例えば成型装置としてレーザー装置を使用する場合には、レーザー装置にワーク保持孔3、及び支持片4の凸状部6と凹状部7の形状を記憶させておくことで、一工程で成型することが可能である。
ワークキャリア本体2を成型した後に、合成樹脂材をワーク保持孔3の内周に沿ってリング状に射出成形し、合成樹脂材が硬化した時点でインサート材5の支持片4に対する取り付けが完了する(ステップ3)。
ステップ3でインサート材5の取り付けが完了したら、ワークキャリア1をフライス加工機やルーターマシンに設置して、バリ取りを含めてエンドミルにより切削加工して最終的な仕上げを行う(ステップ4)。
以上のように構成されたワークキャリア1について、以下に示す実施例1〜8と比較例1〜4に係るワークキャリア1を成型し、それぞれのワークキャリア1の加工性を評価するとともに、両面研磨装置による繰り返しの研磨作業によるインサート材5の耐用試験による耐用性の評価を行った。なお、参考のため、実施例1〜8についての要部拡大図を図3の(a)乃至(h)に示す。
[実施例1]
実施例1に係るワークキャリア本体2は板厚Tが1.00mmであり、支持片4の構成において凸状部6の先端の周方向長さAが2.00mm、隣接する凸状部6間の間隔Bが2.00mm、凸状部6の径方向の突出長さCが1.00mmとした。係るワークキャリア本体2の支持片4に対して、射出成形によりインサート材5を取り付け、このときのインサート材と支持片4との単位長さ当たりの接触面積Sは15.0mmである。
[実施例2]
実施例2に係るワークキャリア本体2は板厚Tが0.80mmであり、支持片4の構成において凸状部6の先端の周方向長さAが0.20mm、隣接する凸状部6間の間隔Bが0.20mm、凸状部6の径方向の突出長さCが0.50mmとした。係るワークキャリア本体2の支持片4に対して、射出成形によりインサート材5を取り付け、このときのインサート材と支持片4との単位長さ当たりの接触面積Sは28.0mmである。
[実施例3]
実施例3に係るワークキャリア本体2は板厚Tが0.40mmであり、支持片4の構成において凸状部6の先端の周方向長さAが0.40mm、隣接する凸状部6間の間隔Bが0.40mm、凸状部6の径方向の突出長さCが1.20mmとした。係るワークキャリア本体2の支持片4に対して、射出成形によりインサート材5を取り付け、このときのインサート材と支持片4との単位長さ当たりの接触面積Sは16.0mmである。
[実施例4]
実施例4に係るワークキャリア本体2は板厚Tが0.10mmであり、支持片4の構成において凸状部6の先端の周方向長さAが0.20mm、隣接する凸状部6間の間隔Bが0.20mm、凸状部6の径方向の突出長さCが3.00mmとした。係るワークキャリア本体2の支持片4に対して、射出成形によりインサート材5を取り付け、このときのインサート材と支持片4との単位長さ当たりの接触面積Sは16.0mmである。
[実施例5]
実施例5に係るワークキャリア本体2は板厚Tが1.00mmであり、支持片4の構成において凸状部6の先端の周方向長さAが0.20mm、隣接する凸状部6間の間隔Bが0.20mm、凸状部6の径方向の突出長さCが3.00mmとした。係るワークキャリア本体2の支持片4に対して、射出成形によりインサート材5を取り付け、このときのインサート材と支持片4との単位長さ当たりの接触面積Sは104mmである。
[実施例6]
実施例6に係るワークキャリア本体2は板厚Tが0.80mmであり、支持片4の構成において凸状部6の先端の周方向長さAが0.25mm、隣接する凸状部6間の間隔Bが0.25mm、凸状部6の径方向の突出長さCが3.00mmとした。係るワークキャリア本体2の支持片4に対して、射出成形によりインサート材5を取り付け、このときのインサート材と支持片4との単位長さ当たりの接触面積Sは160mmである。
[実施例7]
実施例7に係るワークキャリア本体2は板厚Tが0.40mmであり、支持片4の構成において凸状部6の先端の周方向長さAが0.30mm、隣接する凸状部6間の間隔Bが0.30mm、凸状部6の径方向の突出長さCが3.00mmとした。係るワークキャリア本体2の支持片4に対して、射出成形によりインサート材5を取り付け、このときのインサート材と支持片4との単位長さ当たりの接触面積Sは44.0mmである。
[実施例8]
実施例8に係るワークキャリア本体2は板厚Tが0.10mmであり、支持片4の構成において凸状部6の先端の周方向長さAが0.20mm、隣接する凸状部6間の間隔Bが0.20mm、凸状部6の径方向の突出長さCが2.50mmとした。係るワークキャリア本体2の支持片4に対して、射出成形によりインサート材5を取り付け、このときのインサート材と支持片4との単位長さ当たりの接触面積Sは13.5mmである。
[比較例1]
比較例1に係るワークキャリア本体2は板厚Tが1.00mmであり、支持片4の構成において凸状部6の先端の周方向長さAが0.20mm、隣接する凸状部6間の間隔Bが0.20mm、凸状部6の径方向の突出長さCが3.20mmとした。係るワークキャリア本体2の支持片4に対して、射出成形によりインサート材5を取り付け、このときのインサート材と支持片4との単位長さ当たりの接触面積Sは170mmである。
[比較例2]
比較2に係るワークキャリア本体2は板厚Tが0.80mmであり、支持片4の構成において凸状部6の先端の周方向長さAが2.50mm、隣接する凸状部6間の間隔Bが0.15mm、凸状部6の径方向の突出長さCが3.00mmとした。係るワークキャリア本体2の支持片4に対して、射出成形によりインサート材5を取り付け、このときのインサート材と支持片4との単位長さ当たりの接触面積Sは32.6mmである。
[比較例3]
比較3に係るワークキャリア本体2は板厚Tが0.40mmであり、支持片4の構成において凸状部6の先端の周方向長さAが0.20mm、隣接する凸状部6間の間隔Bが2.50mm、凸状部6の径方向の突出長さCが3.00mmとした。係るワークキャリア本体2の支持片4に対して、射出成形によりインサート材5を取り付け、このときのインサート材と支持片4との単位長さ当たりの接触面積Sは12.9mmである。
[比較例4]
比較4に係るワークキャリア本体2は板厚Tが0.10mmであり、支持片4の構成において凸状部6の先端の周方向長さAが0.20mm、隣接する凸状部6間の間隔Bが0.20mm、凸状部6の径方向の突出長さCが2.00mmとした。係るワークキャリア本体2の支持片4に対して、射出成形によりインサート材5を取り付け、このときのインサート材と支持片4との単位長さ当たりの接触面積Sは11.0mmである。
以上の実施例、及び比較例に係るワークキャリア1についての加工性、及び耐久性について確認した結果を表1に示す。なお、加工性について、支持片4に対してインサート材5を射出成形で取り付けた場合に、インサート材5が支持片4に対して隙間なく充填されたか否かという観点で目視判定した。また、耐久性については、ワークキャリアを所定の基準回数(例えば100回)だけ繰り返し使用した際に、インサート材5のワークキャリア本体2からの脱落の有無を目視判定した。
[表1]
Figure 2021062446
表1に示すように、実施例1乃至実施例8に係るワークキャリア1については、加工性、及び耐久性ともに所定の基準をクリアするものであることが認められた。一方で、比較例1〜4に係るワークキャリア1については、加工性、又は耐久性の何れか一方の基準を満たさないものとなった。
まず、比較例1に係るワークキャリア1については、単位長さ当たりの接触面積は大きいものの、支持片4を構成する凸状部6の径方向の長さが所定の基準値(3.00mm)を超えるものとなっている。そのため、凸状部6が脆弱となり、インサート材5を射出成形する際に破断したり、或いはワークキャリア1の繰り返し使用時に凸状部6が破断することに起因するインサート材5の支持片4からの脱落が確認された。
また、比較例2に係るワークキャリア1については、単位長さ当たりの接触面積は理論的には大きくなるものの、隣接する凸状部6間の隙間距離が所定の基準値(0.20mm)未満のため、インサート材5を射出成形により支持片4の凹状部7に流し込む際、凹状部7の底面までインサート材5が充填されないことが確認された。そのため、加工性において悪化するとともに、支持片4とインサート材5の密着性も低下することから、ワークキャリア1の繰り返し使用によるインサート材5の支持片4からの脱落が確認された。
また、比較例3、比較例4に係るワークキャリア1については、支持片4とインサート材5の単位長さ当たりの接触面積が、基準となる13.5mmを下回るため、繰り返し使用によるインサート材5の支持片4からの脱落が確認された。
以上より、板厚が略0.10mm〜1.00mmのワークキャリア本体2において、支持片4とインサート材5の単位長さ当たりの接触面積が略13.5mm〜160mmとなるように支持片4を構成することで加工性、及び耐久性が高まることが確認できた。
さらに詳しくは、支持片4を構成する凸状部6間の間隔Bが0.20mm〜2.00mmであり、また凸状部6の径方向の突出長さCが0.50mm〜3.00mmの場合に、特に加工性、及び耐久性が高まることが確認できた。
以上、本発明に係る研磨装置用ワークキャリア、及び研磨装置用ワークキャリアの製造方法は、加工が容易であり、かつワークキャリア本体とインサート材の密着性を高めることができる。
1 ワークキャリア
2 ワークキャリア本体
3 ワーク保持孔
4 支持片
5 インサート材
6 凸状部
7 凹状部

Claims (3)

  1. 被研磨物であるワークを保持する略円形のワーク保持孔が形成され、径方向に突出する凸状部が等間隔で前記ワーク保持孔の周方向に沿って連続的に形成された支持片を有し、板厚が略0.10mm〜1.00mmのワークキャリア本体と、
    前記ワーク保持孔の周方向に沿って周設され、前記支持片により支持されたインサート材と、を備える研磨装置用ワークキャリアにおいて、
    隣り合う前記凸状部の間隔が略0.20mm〜2.00mm、
    前記凸状部の径方向の突出長さが略0.50mm〜3.00mm、
    前記ワーク保持孔の円周長さ10.0mmあたりの前記インサート材の前記支持片に対する接触面積が略13.5mm〜160mmである
    研磨装置用ワークキャリア。
  2. 板厚が略0.10mm〜1.00mmのワークキャリア本体に、被研磨物であるワークを保持する略円形のワーク保持孔を形成する工程と、
    径方向に突出し、所定の間隔で連続する凸状部により構成される支持片を形成する工程と、
    インサート材を前記ワーク保持孔の周方向に沿って周設する工程と、を備える研磨装置用ワークキャリアの製造方法において、
    隣り合う前記凸状部の間隔が略0.20mm〜2.00mm、
    前記凸状部の径方向の突出長さが略0.50mm〜3.00mm、
    前記ワーク保持孔の円周長さ10.0mmあたりの前記インサート材の前記支持片に対する接触面積が略13.5mm〜160mmである
    研磨装置用ワークキャリアの製造方法。
  3. 前記略円形のワーク保持孔を形成する工程と前記支持片を形成する工程は、所定の成型方法により同時に切り出し加工が行われる
    研磨装置用ワークキャリアの製造方法。
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