JP2021060907A - タッチパネル用配線板、タッチパネル、及びタッチパネル表示装置 - Google Patents

タッチパネル用配線板、タッチパネル、及びタッチパネル表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】タッチパネル表示装置の狭額縁化を可能とする微細な配線パターンを備えたタッチパネル用配線板と、その配線板を使用したタッチパネルおよびタッチパネル表示装置を提供する。【解決手段】表示装置の周縁部に配置される、一方のタッチパネル用配線板の引き回し配線の線幅をW1、その引き回し配線に両側に隣接する引き回し配線との距離をそれぞれD1、D2、その引き回し配線の高さをH1xとし、もう一方のタッチパネル用配線板の引き回し配線の線幅をW2、その引き回し配線に両側に隣接する引き回し配線との距離をそれぞれD3、D4、その引き回し配線の高さをH1yとした時0.4<W1/(D1+D2)<2、0.05<H1x/W1<0.8、0.4<W2/(D3+D4)<2、0.05<H1y/W2<0.8、を満たす事を特徴とするタッチパネル用配線板。【選択図】図7

Description

本発明は、狭額縁化が可能なタッチパネル用配線板とタッチパネルおよびタッチパネル表示装置に関する。
例えば、多機能携帯電話(スマートフォン)や携帯ゲーム機等の電子機器に備えられるタッチ入力デバイスとして、タッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは、例えば特許文献1に開示されているように、基板と、基板に設けられた電極と、電極に接続された引き回し配線とを備える。また、タッチパネルは、例えば液晶表示パネルや有機EL表示パネル等の表示装置と重ねて用いられることが多く、この場合、電極は主に表示装置の表示領域と重なるように配置され、引き回し配線はその周縁部(非表示領域)に配置されることが多い。
また、携帯用の電子機器においては、可搬性の観点から、機器全体を小型化することが一般的に求められる。一方、視認性や操作性の観点から、表示領域を極力大きく確保することも求められる。これらの要求を共に満足させるための方策の1つとして、非表示領域を極力小さく抑えるように設計することが考えられる。つまり、より小さい面積を占める非表示領域に引き回し配線を集約して配置するように設計することが考えられる。
一方、配線、電極、導電回路等の導電性パターンを形成する方法としては、エッチング法や、印刷法等が知られている。
エッチング法により導電性パターンを形成する場合は、金属膜を蒸着した基板上にフォトレジストを塗布し、パターン露光と現像処理をしてレジストパターンを形成した後に、該レジストパターンが存在しない部分の金属膜を溶解除去し、最後にレジストパターンを除去する。
しかしながら、エッチング法では、上記した通り多くの工程が必要であり、しかもその工程は非常に煩雑であり、金属膜の溶解除去等による材料ロスなどの問題がある。
印刷法により導電性パターンを形成する場合は、所望のパターンを低コストで大量生産を行うことが可能であり、更に、印刷された組成物を乾燥又は硬化させることによって容易に導電性を付与でき、導電性パターンを得ることができる。
印刷法に用いられる印刷の方式としては、形成したいパターンの、線幅、直線性、厚さ、線幅精度、相対位置精度、絶対位置精度、表面平滑性、生産速度等に合わせて、フレキソ印刷、インクジェット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷(例えば、特許文献2参照)、グラビアオフセット印刷(例えば、特許文献3〜6参照)、スクリーンオフセット印刷(例えば、特許文献7参照)、タンポ印刷(例えば、特許文献8参照)、オフセット印刷(平版印刷)、凸版印刷、ロータリースクリーン印刷、凸版反転印刷、ディスペンサー印刷、静電吐出インクジェット印刷等、が提案されている。
中でも、ブランケットに一旦転写又は印刷してから、被印刷基板にブランケットから転写する印刷方式は、パターンの細線化が可能である事、パターン形状の安定化が可能である事、一定量の印刷用組成物の転写が可能である事、等の点から注目されている。
この様な印刷方式の1つであるグラビアオフセット印刷では、所望のパターンに対応し
て凹部が形成された凹版の凹部に、印刷用組成物を、ドクターブレード等を用いて充填し、その後、該印刷用組成物をブランケットに転写し、該ブランケットから被印刷基板に再度転写することで基板上にパターンを形成する。このパターンは、熱又はUV等の光照射により、硬化又は焼成することで導電性パターンとなる。
また、スクリーンオフセット印刷では、所望のパターンに対応して形成されたスクリーン版から、印刷用組成物をブランケットに印刷し、該ブランケットから被印刷基板に転写することで基板上にパターンを形成する。熱又はUV等の光照射により、硬化又は焼成することで導電性パターンとなる。
また、タンポ印刷では、所望のパターンに対応して凹部が形成された凹版の凹部に印刷用組成物を充填し、その後、該印刷用組成物を柔らかい半球状や船底状のタンポと呼ばれるブランケットに転写させ、次いで、該タンポ(ブランケット)を被印刷基板に押しつけて、タンポ(ブランケット)上の印刷用組成物を基板に再度転写することで基板上にパターンを形成する。このパターンは、熱又はUV等の光照射により、硬化又は焼成することで導電性パターンとなる。
近年、パターンの線幅としては、前記の電子部品の小型化、高集積化等の点から、例えば線幅50μm以下の高精細な導電性パターンの形成が求められている。また、用途や機能に応じて同一基板内に線幅数百μmのパターンと線幅50μm以下の高精細なパターンが併存するものもある。
さらには、それらを1回の印刷で形成しなければならないが、それに対応するには公知技術では不十分であり、導電性パターン印刷物に関して更なる改善の余地があった。
印刷方式に関する先行技術としては、例えば、スクリーン印刷法等により、銀等の導電性粒子を含む導電性インクでパターンを形成し、これを150℃程度の比較的低温で加熱処理することにより、配線パターンを形成する技術が開示されており、配線として線幅が50〜70μm程度のものを形成可能であり、タッチパネルの製造へ応用できることも開示されている(特許文献9参照)。
さらには、グラビアオフセット印刷法により、導電性インクでパターンを形成し、これを100℃程度の低温で加熱処理後に、100℃、100%RHの相対湿度の水蒸気雰囲気下で加熱処理することにより、配線パターンを形成して製造されたものが開示されており、配線として線幅が5〜7μm程度のものを形成でき、タッチパネルの製造へ応用できることも開示されている(特許文献10参照)。
また、引き回し配線の間隔を狭くする方法として、フォトリソグラフィ法と吐出印刷法とを組み合わせた方法が開示されている(特許文献11参照)。
しかし、上述のようなタッチパネル等で用いられる最近の配線板では、配線の線幅が50μm程度では不十分であり、例えば、線幅が20μm以下等のより微細な細線の形成が求められている。
特許文献8で開示されている方法では、このような導電性細線の形成は難しく、エッチング法に頼らざるを得ないが、エッチング法を適用した場合には、工程が複雑になるだけでなく、廃液処理等の余分の工程も必要となり、配線板の製造方法が煩雑になるという問題点があった。
また、特許文献11で開示されている方法では、フォトリソグラフィ法は微細配線形成時に隔壁の間隔を狭く形成し、溝部に導電性インクを吐出し配線を形成するため、配線の
間隔は一定にできるが、位置合わせをして溝に吐出しなければならないために煩雑になり、溝幅をより狭くすると導電性インクが必要量入りにくくなり、狭額縁化に対応できないという問題があった。
特開2013−156655号公報 特開2009−269976号公報 特開2010−159350号公報 特開2010−235780号公報 特開2014−034589号公報 特開2015−172103号公報 国際公開第2014/050560号 特開2014−226859号公報 特開2012−253172号公報 特開2016−195243号公報 特開2016−192055号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、タッチパネル表示装置の狭額縁化を可能とする微細な配線パターンを備えたタッチパネル用配線板と、その配線板を使用したタッチパネルおよびタッチパネル表示装置を提供することを課題とする。また、タッチパネル用配線板を複雑な工程を使用せずに、製造可能とすることを課題とする。
上記課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、タッチパネル表示装置の表示範囲に備えられた、光透過性基板上に互いに平行に一方向に延伸した複数本の検出電極と、表示範囲の周縁部外側に備えられた非表示範囲に形成され、前記検出電極と電気的に接続された複数本の畝状の引き回し配線と、を備えたタッチパネル用配線板であって、
前記引き回し配線は少なくとも第一方向と第二方向に備えられており、
第一方向に延伸する複数本の引き回し配線の1つの配線の線幅をW1、光透過性基板の表面からの高さをH1x、1つの配線の両側に隣接する配線との距離をD1、D2とし、
第二方向に延伸する複数本の引き回し配線の1つの配線の線幅をW2、光透過性基板の表面からの高さをH1y、1つの配線の両側に隣接する配線との距離をD3、D4とした時、下記の式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)を満たす事を特徴とするタッチパネル用配線板である。
0.4<W1/(D1+D2)<2 ・・・(1a)
0.05<H1x/W1<0.8 ・・・(1b)
0.4<W2/(D3+D4)<2 ・・・(1c)
0.05<H1y/W2<0.8 ・・・(1d)
また、請求項2に記載の発明は、前記第一方向の引き回し配線の高さH1xと、前記第二方向の引き回し配線の高さH1yと、が下記の式(2)を満たす事を特徴とする請求項1に記載のタッチパネル用配線板である。
H1x<H1y・・・・・・・・・・・・・・(2)
また、請求項3に記載の発明は、前記引き回し配線が延伸する方向に直交する平面における引き回し配線の断面における線幅をW、高さをHとした時、5μm≦W≦25μmお
よび0.8μm≦H≦5.0μmを満たす事を特徴とする請求項1または2に記載のタッチパネル用配線板である。
また、請求項4に記載の発明は、前記第一方向の引き回し配線と、前記第二方向の引き回し配線と、が平面視で90℃の角度をなす様に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタッチパネル用配線板である。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のタッチパネル用配線板を備えていることを特徴とするタッチパネルである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のタッチパネルを備えていることを特徴とするタッチパネル表示装置である。
また、請求項7に記載の発明は、前記配線が、グラビアオフセット印刷法により形成されたことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のタッチパネル用配線板である。
本発明のタッチパネル用配線板は、タッチパネル表示装置の非表示範囲に備えられた複数本の引き回し配線が延伸する方向に直交する平面における引き回し配線の断面において、第一方向の引き回し配線の線幅W1と高さH1x、およびその引き回し配線とその両側に隣接する引き回し配線との距離を、それぞれD1とD2とし、第二方向の引き回し配線の線幅W2と高さH1y、およびその引き回し配線とその両側に隣接する引き回し配線との距離を、それぞれD3とD4とした時、下記の式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)を満たす。その為、タッチパネル表示装置の非表示範囲に形成される引き回し配線が直線性の高い細線で、隣り合う配線の間の見かけ上の距離を狭くすることができる為、電気的に安定し、かつ非表示範囲を狭くすることができる。
0.4<W1/(D1+D2)<2 ・・・(1a)
0.05<H1x/W1<0.8 ・・・(1b)
0.4<W2/(D3+D4)<2 ・・・(1c)
0.05<H1y/W2<0.8 ・・・(1d)
また、本発明のタッチパネルによれば、本発明のタッチパネル用配線板を使用している為、タッチパネル表示装置の額縁部を狭くする事が可能となる。
また、本発明のタッチパネル表示装置によれば、本発明のタッチパネルを使用している為、狭額縁化したタッチパネル表示装置とすることが可能となる。
本発明による画像表示装置を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線板を示す断面図であり、(a)はX方向配線板の引き回し配線のX方向配線、(b)は引き回し配線のY方向配線であり、(c)はY方向配線板の引き回し配線のX方向配線、(d)は引き回し配線のY方向配線である。 本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル表示装置を示す概略断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るタッチパネルを示す概略断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線板の配線層を示す図であり、(a)はX方向配線の上面図であり、(b)は(a)における切断線IIa−IIaに沿った断面図であり、(c)はY方向配線の上面図であり、(d)は(c)における切断線IIb−IIbに沿った断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線板の配線層を示す断面斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線板の構造層を示す図であり、(a)はX方向配線の断面斜視図であり、(b)はY方向配線の断面斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線板の構造層を示す図であり、(c)は図7(a)におけるX方向配線の切断線VIII−VIIIに沿った断面図であり、(d)は図7(b)におけるY方向配線の切断線VX−VXに沿った断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る配線板を示す図であり、(a)はX方向配線板の上面図であり、(b)はY方向配線板の上面図である。 エッチング法によって形成された表示範囲の配線パターンを拡大した上面図である。 エッチング法によって形成された表示範囲の配線パターンの断面図である。
(タッチパネル用配線板)
本発明のタッチパネル用配線板は、タッチパネル表示装置の表示範囲に備えられた、光透過性基板上に互いに平行に一方向に延伸した複数本の検出電極と、表示範囲の周縁部外側に備えられた非表示範囲に形成され、前記検出電極と電気的に接続された複数本の畝状の引き回し配線と、を備えたタッチパネル用配線板である。
本発明のタッチパネル用配線板においては、前記引き回し配線は少なくとも第一方向と第二方向に備えられており、第一方向に延伸する複数本の引き回し配線の1つの配線の線幅をW1、光透過性基板の表面からの高さをH1x、1つの配線の両側に隣接する配線との距離をD1、D2とし、第二方向に延伸する複数本の引き回し配線の1つの配線の線幅をW2、光透過性基板の表面からの高さをH1y、1つの配線の両側に隣接する配線との距離をD3、D4とした時、下記の式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)を満たす事が特徴である。
0.4<W1/(D1+D2)<2 ・・・(1a)
0.05<H1x/W1<0.8 ・・・(1b)
0.4<W2/(D3+D4)<2 ・・・(1c)
0.05<H1y/W2<0.8 ・・・(1d)
また、本発明のタッチパネル用配線板は、第一方向の引き回し配線の高さH1xと、第二方向の引き回し配線の高さH1yと、が下記の式(2)を満たしている事が好ましい。
また、本発明のタッチパネル用配線板は、引き回し配線が延伸する方向に直交する平面における引き回し配線の断面における線幅をW、高さをHとした時、5μm≦W≦25μmおよび0.8μm≦H≦5.0μmを満たしている事が好ましい。
また、本発明のタッチパネル用配線板は、第一方向の引き回し配線と、第二方向の引き回し配線と、が平面視で90℃の角度をなす様に配置されている事が好ましい。
(タッチパネル)
本発明のタッチパネルは、本発明のタッチパネル用配線板を使用して作製することができる。
(タッチパネル表示装置)
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明のタッチパネルを使用して作製することがで
きる。
(タッチパネル用配線板の製造方法)
本発明のタッチパネル用配線板の製造方法は、光透過性基板に検出電極と引き回し配線を形成する工程1と、を備えている。工程1は、グラビアオフセット印刷法により実施することが特徴である。
次に、本発明を、図1〜図10を参照して詳細に説明する。本発明は、配線板およびこの配線板を備えた表示装置に関する。なお、本発明は、以下に記載する実施形態に限定されるものではない。本発明に対して、当業者の知識に基づいて種々の変更または修正を加えることが可能である。そして、そのような変更または修正が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれる。
<タッチパネル表示装置>
本発明に係るタッチパネル表示装置の第1の実施の形態は、タッチパネルと液晶パネル等の表示装置を備えている。図1に本実施形態のタッチパネル表示装置500の平面図を、また図2に構成例を示す。なお、ここでは表示装置として液晶パネルを使用した場合を例にとって説明するが、液晶パネルに限定する必要は無く、有機EL(OLED)表示装置、その他の表示装置であっても良い。
本実施形態に係るタッチパネル表示装置500は表示範囲310(または表示範囲300)と非表示範囲320から成る(図1参照)。
また、本実施形態に係るタッチパネル表示装置500はタッチパネル110と液晶パネル400から成る(図3参照)。
<タッチパネル>
本発明の第1の実施形態のタッチパネル110は、図4に例示した様に、指を接触させる側から、光透過性基板101、光透過性粘着層102、光透過性基板103、引き回し配線を含む配線層104、絶縁粘着層105、光透過性基板106、第1配線および第2配線を含む配線層107、光透過性粘着層108、をこの順に備えた積層構造を有する。配線層104は、X方向配線120およびY方向配線124を備えている(図2(a)、(b)参照)。配線層107は、X方向配線122およびY方向配線126を備えている(図2(c)、(d)参照)。
図4に例示した様に、本発明のタッチパネル110は、光透過性基板101の側から指で押す、静電容量式構造を備えている。なお、以後、X方向とX軸方向とは同じ意味で使用する。同様に、Y方向とY軸方向とは同じ意味で使用する。
<額縁部>
図1に例示した様に、非表示範囲320の一部で、表示範囲300、310とタッチパネル表示装置500の枠との間を、タッチパネル技術において額縁部と呼び、額縁部が狭くなることを狭額縁化という。額縁部としては、周辺配線部すなわち引き回し配線部を不可視とすることができれば、その構成は特に限定されるものではなく、公知の額縁部を用いることができる。額縁部の形成には、スクリーン印刷、グラビア印刷およびオフセット印刷等の印刷法、転写法、ならびに蒸着法を用いることができる。
不可視とは、引き回し配線を視認できないことをいい、例えば10人の観察者が見た場合、1人も視認できないことを不可視という。
<配線板>
本発明のタッチパネル110は、図3または図4に例示した様に、配線板100および200を備えている。
図2(a)および(b)に示すように、配線板100は、光透過性基板103上に形成
されたX方向配線120からなるX方向配線層104Xを備えたX方向配線板100Xと、光透過性基板103上に形成されたY方向配線124からなるY方向配線層104Yを備えたY方向配線板100Yと、を備えている。X方向配線120とY方向配線124とは電気的に接続され、引き回し配線130を構成している。
また、配線板200は、図2(c)および(d)に示すように、光透過性基板106上に形成されたX方向配線122からなるX方向配線層107Xを備えたX方向配線板200Xと、光透過性基板106上に形成されたY 方向配線126からなるY方向配線層107Yを備えたY 方向配線板200Yと、を備えている。X方向配線122とY方向配線126とは電気的に接続され、引き回し配線132を構成している。
配線層104(104X、104Y)の表示範囲300、310の配線がX方向に配列した配線104Xとするとき、配線層107(107X、107Y)の表示範囲300、310の配線132はY方向に配列した配線107Yである。
引き回し配線130と引き回し配線132については、タッチパネル表示面の鉛直方向においては同等の構造である。詳細は引き回し配線130を説明するところで後述する。
図5(a)に示すように、X方向配線板100Xは、光透過性基板103の表面の非表示範囲に、一方向に配置された引き回し配線130を備えている。一方向のパターンは、少なくとも一方の方向に複数本配置されていれば良く、その数は限定されるものではない。タッチパネルの表示範囲の配線と接続し、タッチパネルの表示範囲と非表示範囲の位置関係、断線やショートによる導電性悪化の抑制を考慮して、設計される。
図5(a)および(c)の配線130以外の部分(白色部分)は光透過性基板103の表面103aの端部であり、非表示範囲で光が透過しない部分である。
図5(b)は、図5(a)の切断線IIa−IIaにおける断面図である。図5(b)に示すように、X方向配線120は、光透過性基板103上に配置される。
図5(c)の配線130は、図5(a)の配線130と平面視において90°だけ配線の向きが異なる。
図5(d)は、図5(c)の切断線IIb−IIbにおける断面図である。図5(d)に示すように、Y方向配線124は、光透過性基板103上に配置される。
本発明における配線板100(100X、100Y)の引き回し配線130、X方向配線120およびY方向配線124の具体的形状は、後述する「引き回し配線」のセクションで詳述する。
ここで、引き回し配線について説明する。
引き回し配線130および132は、平面視で光透過性基板103および106における周縁部に設けられている。
引き回し配線130は、表示範囲300、310(図1参照)内の検出電極の領域に対して、表示範囲300、310の周囲のいずれか1辺と、X方向およびY方向に沿って互いに平行に延びるように形成されている。
引き回し配線132も、同様に検出電極の領域に対して、表示範囲300、310の周囲のいずれか1辺と、X方向およびY方向に沿って互いに平行に延びるように形成されている。
非表示範囲320における端部には、各引き回し配線130および132を外部の演算処理装置に接続するための複数の外部接続端子(図示省略)が設けられている。
以下、配線板100(100X、100Y)を構成する各部について詳細を説明する。
[光透過性基板]
光透過性基板103は、所定の光(好ましくは可視領域の光)を透過する板状部材である。その材料は、ガラス、プラスチックなどの従来から表示装置に利用されているものであればよく、特に限定されない。光透過性基板103は、ガラス板、ポリマーから構成される透明板または透明フィルムなどであれば良い。
用いることができるガラスの例としては、たとえば、ソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどを含む。
用いることができるポリマーの例は、たとえば、以下の材料:ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン;セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースニトレートなどのセルロースエステル類またはそれらの誘導体;ポリ塩化ビニリデン;ポリビニルアルコール;ポリエチレンビニルアルコール;シンジオタクティックポリスチレン;ポリカーボネート;ポリエーテルケトン;ポリイミド;ポリエーテルスルホン(PES);ポリフェニレンスルフィド;ポリスルホン類;ポリエーテルイミド;ポリエーテルケトンイミド;ポリアリレート;ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアクリル樹脂;ノルボルネン樹脂などのシクロオレフィン系樹脂などを含む。
光透過性基板103の厚みは、薄すぎると取り扱い性が難しく、一方厚すぎる場合では、重量の増加による作業性悪化や可視光の透過率が低下するおそれがある。従ってガラス板の場合は、300μm〜2mmの範囲が、フィルムの場合は5μm〜300μmの範囲が、取り扱いが良好で透過率に優れており好ましい。フィルムの場合、より好ましくは10μm〜250μmの範囲であり、25μm〜200μmがさらに好ましい。
光透過性基板103上の非表示範囲320(図1参照)を視認しにくくするために、非表示部には、光透過性を低下させるような黒色や白色などのインクが印刷されればよく、特に限定されるものではない。
<引き回し配線>
図6(a)にX方向に配線が形成された配線板100X、そして図6(b)にY軸方向に配線が形成された配線板100Y、の上面形状の構成例の断面斜視図を示す。
配線板100Xにおいては、光透過性基板103上の端部領域に引き回し配線130Xが畝状に配置されている。引き回し配線130Xは、光透過性基板103の表面のX方向に沿って平行に複数の引き回し配線130Xa、130Xb、130Xcが形成されたものである。
同様に、配線板100Yにおいては、光透過性基板103上の端部領域に引き回し配線130Yが畝状に配置されている。引き回し配線130Yは、光透過性基板103の表面のY方向に沿って平行に複数の引き回し配線130Ya、130Yb、130Ycが形成されたものである。引き回し配線130Xa、130Xb、130Xcと引き回し配線130Ya、130Yb、130Ycとは、それぞれ接点を有する。
引き回し配線130(130X、130 )において、隣接する畝状の引き回し配線130Xa、130Xb、130Xcおよび130Ya、130Yb、130Ycの間の距離は、2μm以上、500μm以下であることが望ましい。
次に、図7(a)、(b)、(c)および(d)を参照して、引き回し配線130(130X、130Y)のX方向配線120(120Xa、120Xb、120Xc)および引き回し配線130のY方向配線124(124Ya、124Yb、124Yc)(図6参照)を詳細に説明する。
図7(a)および(b)は、配線板100X、100Yの上面形状の構成例の断面斜視図であり、図8(c)および(d)は、配線板100X、100Yの上面形状の構成例の断面図であり、図8(c)は、図7(a)の切断線VIII−VIIIにおける断面図であり、図8(d)は、図7(b)切断線VX−VXにおける断面図である。
X方向配線120(120Xa、120Xb、120Xc)の断面形状は、図8(c)に示すように凸形形状であり、光透過性基板103と接する下面は直線状であり、光透過性基板103との接点と上面部を結ぶ線が緩い曲線の弧からなる凸形状となっている。
ここで、光透過性基板103上の幅(図8(c)において、X方向配線120Xbが光透過性基板103と接する接点S2とS3間の距離)をW1、光透過性基板からの高さ(図8(c)におけるX方向配線120Xbの最高点と、光透過性基板103の表面と、の距離)をH1xと定義する。また、1つの引き回し配線であるX方向配線120Xbの一方の端部において、配線120Xbが光透過性基板103と接する接点位置S2と、隣り合う2つの配線120Xa、120Xcの一方の配線120Xcが光透過性基板103と接する接点位置S1と、の距離を見かけ上の距離D1とし、X方向配線120Xbが光透過性基板103と接するもう一方の接点位置S3と、隣り合う2つの配線のもう一方の配線120Xaが光透過性基板103と接する接点位置S4と、の距離を見かけ上の距離D2と定義する。
X方向配線120は、溝のような凹みや角のような尖った形状は好ましくなく、上述したような滑らかな緩い曲線の弧形状を有することで、その上に貼り合わせる絶縁性粘着層との間の気泡などの欠陥の発生を防ぐことができる。
Y方向配線124の断面形状は、図8(d)に示すように凸形形状であり、光透過性基板103と接する下面は直線状であり、光透過性基板103との接点と上面部を結ぶ線が滑らかな緩い曲線の弧からなる凸形形状である。
ここで、光透過性基板103上の幅をW2、光透過性基板からの高さをH1y と定義する。また、1つのY方向配線124Ybの一方の端部において、配線124Ybが光透過性基板103と接する接点位置S6と、隣り合う2つの配線の一方の124Ycが光透過性基板と接する接点位置S5と、の距離を見かけ上の距離D3とし、他方の端部において、Y方向配線124Ybが光透過性基板103と接する接点位置S7と、隣り合う2つの配線のもう一方のY方向配線124Yaが光透過性基板103と接する接点位置S8と、の距離を見かけ上の距離D4と定義する。
Y方向配線124は、溝のような凹みや角のような尖った形状は好ましくなく、上述のような滑らかな緩い曲線の弧形状を有することで、その上に貼り合わせる絶縁性粘着層との間の気泡などの欠陥の発生を防ぐことができる。
本発明においては、X方向配線120(上記説明では、120Xbを例にとって説明したが、何れであっても良い。)の幅W1、高さH1xと、見かけ上の距離D1およびD2と、Y方向配線120(上記説明では、124Ybを例にとって説明したが、何れであっても良い。)の幅W2、高さH1yと、見かけ上の距離D3およびD4が、以下の数式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)を満たすことが必要である。
0.4<W1/(D1+D2)<2 ・・・(1a)
0.05<H1x/W1<0.8 ・・・(1b)
0.4<W2/(D3+D4)<2 ・・・(1c)
0.05<H1y/W2<0.8 ・・・(1d)
また、本発明の引き回し配線130のX方向配線120とY方向配線124は電気的に接続され、高さH1xと高さH1yが、以下の数式(2)を満たすことが必要である。
H1x<H1y・・・・・・・・・・・・・・(2)
上述のW1、W2、D1、D2、D3およびD4についてその技術的意義を説明する。
図1は画像表示装置を示す平面図である。本発明の配線基板を使用して作製したタッチパネルを備えたタッチパネル表示装置の引き回し配線130(130X、130Y)(図6参照)は、図1において、非表示領域320の面積を小さくする、すなわち狭額縁化するのに有効である。
引き回し配線が直線性の高い細線で、隣り合う配線の間の見かけ上の距離が狭いことで、電気的に安定し、かつ非表示範囲を狭くすることができる。図8の(c)および(d)で示した引き回し配線130Xa、130Xb、130Xc、130Ya、130Yb、130Ycの幅W1およびW2は100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがさらに好ましい。幅W1およびW2が100μmを超えた場合は、額縁領域の面積が広がるため好ましくない。また、見かけ上の距離D1、D2、D3およびD4は50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがさらに好ましい。見かけ上の距離D1、D2、D3およびD4が50μmを超えた場合は、額縁領域の面積が広がるため好ましくない。W1およびW2と、D1、D2、D3およびD4が上述の値であることで、非表示範囲に複数の配線を配置することができる。
引き回し配線130Xa、130Xb、130Xcの高さH1x、および130Ya、130Yb、130Ycの高さH1yは、高さが異なることが好ましく、H1xよりH1y の方が大きい事が好ましい。更には、H1xとH1yの差が0.1μm以上5.0μm以下であることが好ましい。H1xとH1yの差がこの範囲より小さいと配線120Xa、120Xb、120Xc、124Ya、124Yb、124Ycの上に絶縁性粘着層を重ね合わせるときに、空気の逃げ場がなく、空気をかみ込むことが多くなり、生産歩留まりが低下する。この範囲より大きいと、高さの差が大き過ぎる為、貼り合わせ後の平面性が悪化し、画面表示の品質が悪化するため好ましくない。
引き回し配線120Xa、120Xb、120Xcの高さH1xおよび124Ya、124Yb、124Ycの高さH1yは、導電性を発現するために重要であり、0.5μm以上であることが好ましい。この範囲より小さいと、均一に配線膜が形成されず、ピンホールなどの欠陥により、導電性が発現しない。
さらに、引き回し配線120Xa、120Xb、120Xcの高さH1xおよび124Ya、124Yb、124Ycの高さH1yは、10μm以下であることが好ましい。この範囲より大きいと、配線層の上に絶縁性粘着層を重ね合わせるときに、空気をかみ込み、密着性が悪化する。
また、引き回し配線のX方向配線120Xa、120Xb、120XcとY方向配線124Ya、124Yb、124Ycは、それぞれの稜線の延長線が交差する角度が90°であることが好ましい。この角度を有することで、表示パネル上で画面表示と平行な線となることで配線が配置されずに空隙となる領域を抑制し、効率的に配置することができる。
引き回し配線は、上述のような形状を有するX方向配線120Xa、120Xb、120XcとY方向配線124Ya、124Yb、124Ycからなることで、配線に必要な導電性と画像表示の高い品質の両方を可能とすることができる。
X方向配線120(120Xa、120Xb、120Xc)およびY 方向配線120(124Ya、124Yb、124Yc)を含む配線層104(104X、104Y)、107(107X、107Y)は、印刷法によって形成されることで、上述のような形状を有する。
本発明において、所望の線幅の配線を形成するためには、所望の線幅と同等または、数μm程度狭い幅の溝を有する版を用いるとよい。また、厚みのある配線を形成するためには、所望の線の厚みから2倍より深い溝を有する版を用いるとよい。
一方、エッチング法で形成された細線は、典型的には、前記断面形状が図10に示すような逆台形形状か、または四角形形状に近い逆台形形状となる。
例えば、配線140を覆うように光透過性基板150の表面150a上に被覆層(図示省略)を形成する場合には、配線140の断面形状が図10に示すような逆台形形状であると、配線140の光透過性基板150との接点の近傍領域は、被覆層を形成できずに空隙部を生じ易い。
(導電性粉末)
本発明に係る配線板の配線形成に用いられる印刷用組成物は導電性粉末を含有する。この印刷用組成物に含有される導電性粉末としては、特に限定はないが、例えば、ニッケル、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、スズ、鉛、クロム、白金、パラジウム、タングステン、モリブデン、インジウム、クロム、ケイ素、ゲルマニウム等の金属の粉末;これらの合金の粉末;これらの混合体の粉末;これらの金属の化合物で良好な導電性を有する粉末;酸化銀、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化ニッケル、酸化スズ等の金属酸化物の粉末;無機物又は有機物の粒子を金属の被膜で覆った粉末;カーボンブラック、チオフェン、アニリン等の有機導電性の粉末;等が挙げられる。中でも、ニッケル、銅、金、銀、アルミニウム、白金、パラジウム等の金属の粉末;これらの合金の粉末;等が好ましく、銀粉末が、安定した高い導電性を有し、酸化され難く、熱伝導特性も良好で、安価で特に好ましい。
導電性粉末の粒子径は、印刷されるパターンの幅に比べて十分に小さければ、特に限定はないが、平均粒子径として、メジアン径(D50)が0.01〜6.00μmであることが好ましく、0.03〜5.00μmであることがより好ましく、0.10〜4.00μmであることが特に好ましい。また、フレーク状の粉末と球状の粉末を併用して用いることもできる。フレーク状の粉末は、粒子間の接触面積を大きくすることができること等から、高い導電性を期待することができる。
平均粒子径が0.01μm未満であると、導電性粉末の調製が難しくなる、導電性が低下する、分散が難しくなる、構造粘性の調節が難しくなる、等の問題があり、一方、平均粒子径が6.00μmを超えると、分散が難しくなる、分散安定性が悪化する、パターンの形状が悪化する、等の問題がある。
(バインダー樹脂)
本発明の配線板の配線形成に用いられる印刷用組成物はバインダー樹脂を含有してもよい。バインダー樹脂は、印刷後に基板上で樹脂皮膜を形成し、基板上に粉末を固着させる。硬化して固体になる硬化性化合物(硬化性樹脂)のような、エポキシ樹脂、多官能アクリルモノマー(オリゴマー)等の比較的低分子量の硬化性化合物(硬化性樹脂)も含まれる。また、それらの混合物も含まれる。
バインダー樹脂としては、特に限定はされないが、硬化性の官能基を含まないものとしては、具体的には、例えば、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニルと他の不飽和二重結合含有モノマーとの共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、(メタ)アクリル酸エステルと他の不飽和二重結合含有モノマーとの共重合体、ポリスチレン、スチレンと他の不飽和二重結合含有モノマーとの共重合体、ケトン−ホルムアルデヒド縮合体若しくはその水素添加物、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール若しくはその共重合体、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を併用することができる。更に、上記の樹脂(重合体)の側鎖若しくは末端に硬化性の官能基を有している樹脂(重合体)等も挙げられる。これらは、官能基のあるものもないものも含めた上で、単独又は2種以上を併用することができる。
また、バインダー樹脂の中に含まれる硬化性化合物(硬化性樹脂)としては、
官能基を有するものが好ましい。官能基として水酸基を有する多価アルコール、エポキシ基(グリシジル基)を有するエポキシ樹脂(グリシジル化合物)、カルボキシル基を有する多価カルボン酸、(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリレートモノマー若しくはオリゴマー等が特に好ましい。
(溶剤)
本発明で用いることができる溶剤は、特に限定はされないが、例えば、常圧での沸点が200℃以上である有機溶媒を好適に使用することができる。例えば、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、トリプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1.3ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール等のジオール溶媒が挙げられる。また、グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−ブタンジオール、プロピレングリコール、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、等の多価アルコールや、ブチルトリグリコール、イソブチルジグリコール、2−ブトキシエタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ヘキシルオキシエトキシ)エタノール、等の1価のアルコール、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ブチルカルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、等グリコールエーテル、グリコールエステル、テルペン系溶媒、炭化水素溶媒、アルコール溶媒等が挙げられる。また、例えば、テトラデカン、オクタデカン、ヘプタメチルノナン、テトラメチルペンタデカン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、トリデカン、メチルペンタン、ノルマルパラフィン、イソパラフィン等の飽和又は不飽和脂肪族炭化水素化合物、トルエン、キシレン等環状炭化水素化合物、リモネン、ジペンテン、テルピネン、ターピネン(テルピネンともいう。)、ネソール、シネン、オレンジフレーバー、テルピノレン、ターピノレン(テルピノレンともいう。)、フェランドレン、メンタジエン、テレベン、ジヒドロサイメン、モスレン、イソテルピネン、イソターピネン(イソテルピネンともいう。)、クリトメン、カウツシン、カジェプテン、オイリメン、ピネン、テレビン、メンタン、ピナン、テルペン、シクロヘキサン等脂環式炭化水素化合物、ヘプタノール、オクタノール(1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール等)、デカノール(1−デカノール等)、ラウリルアルコール、テトラデシルアルコール、セチルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、オクタデシルアルコール、ヘキサデセノール、オレイルアルコール等の飽和又は不飽和の炭素数6〜30の脂肪族アルコール等脂肪族アルコール、クレゾール、オイゲノール等環状アルコール、シクロヘキサノール等のシクロアルカノール、ターピネオール(テルピネオール、α、β、γ異性体、又はこれらの任意の混合物を含む。)、ジヒドロテルピネオール等のテルペンアルコール(モノテルペンアルコール等)、ジヒドロターピネオール、ミルテノール、ソブレロール、メントール、カルベオール、ペリリルアルコール、ピノカルベオール、ソブレロール、ベルベノール等環状アルコール、が挙げられる。
図9(a)にX方向配線120とY方向配線124から成る引き回し配線130を含む配線板100の上面模式図を示し、図9(b)にX方向配線122とY方向配線126から成る引き回し配線132を含む配線板200の上面模式図を示す。
図9(a)は、表示範囲300の範囲内に備えられた配線板100の検出電極160と、引き回し配線130を例示する上面図であり、図9(b)は、表示範囲310の範囲内に備えられた配線板200の検出電極170と、引き回し配線132を例示する上面図である。点線で示す表示範囲300および310の範囲は、タッチパネルの表示範囲と同一である。本発明のX方向配線は例えば、点線で示す100Xおよび200Xに配置され、Y方向配線は例えば、100Yおよび200Yに配置される。
さらに、点線で示す表示範囲300の範囲内の検出電極160の一部の範囲を350および表示範囲310の範囲内の検出電極170の一部の範囲を360とする。これらは、図1の表示領域300、310内に位置し、タッチパネルを上面から見たとき、例えば図10(a)〜(c)に示すように、縦方向と横方向に交差する(図10(a))、または斜めに交差する(図10(b)、(c))メッシュ状のパターンから構成されている。
この様な検出電極160、170を備えた配線板100、200を使用して、絶縁性粘着層105を介して積層する事によりX−Y駆動電極となる積層体であるタッチパネル110(図3または図4参照)が形成される。更にその積層体の一方の面に光透過性接着層108を介して液晶パネル400が、もう一方の面には光透過性接着層102を介して光透過性基板101が積層されることにより、静電容量方式のタッチパネル表示装置500が得られる(図3参照)。
X−Y駆動電極となる積層体は、例えば配線板100がY方向に沿った検出電極160であるとき、配線板200がX方向に沿った検出電極170である様に構成する事により、検出電極160と検出電極170とが平面視で直交する様に配置された積層体とする事でX―Y駆動電極となる。
本発明の配線板は印刷法によって形成するのが好ましく、その形成工程として、図9(a)および図9(b)の全域を印刷法で形成して、一度に印刷することが可能である。
本発明においては、印刷法として公知の方法を適用でき、なかでもグラビア印刷法に代表される凹版印刷が好ましく、グラビアオフセット印刷法が最も好ましく適用できる。使用する印刷装置も、公知のものでよく、例えば、グラビア印刷法に代表される凹版印刷であれば、金属製で表面に銀細線の型となる溝を有する凹版を備えたものを用いることができる。
オフセットロールとしては、金属製の筒体の表面がブランケット材で被覆されたものを用いることができ、ブランケット材の材質としては、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、合成ゴム、天然ゴム等の弾性材が例示でき、これらの中でも、耐久性、耐油性が高く、さらに十分な弾性とともに適度にコシを有している点で、特にシリコーン樹脂が
好ましく、硬質の基板に対してグラビアオフセット印刷を行うのに特に好適である。
グラビアオフセット印刷は、凹版オフセット印刷とも呼ばれる。
グラビアオフセット印刷では、導電性パターンに対応する凹部が形成されたグラビア版(凹版)と、印刷用組成物をグラビア版(凹版)の凹部に充填するドクターブレードと、表面が、例えばシリコーンゴムからなるブランケットと、が用いられる。なお、グラビアオフセット印刷に用いられる凹版は、汎用のグラビア印刷に用いられる通常の凹版とは形態が異なっていてもよい。以下、グラビアオフセット印刷に用いられる「グラビア版又は凹版」を、「グラビア版(凹版)」と略記する場合がある。
このグラビア版(凹版)の凹部から印刷用組成物がブランケットに一旦転写される。このブランケットに対向させる様に基板を供給して、両者を圧接させて、ブランケット上のパターンを基板に再度転写することで、印刷パターンが形成される。
この印刷パターンは、加熱して焼成することで導電性を有する導電性パターンとなる。
この印刷法によれば、凹部の形状によって印刷パターンの形状を自在に設定でき、また、ブランケットから基板への印刷用組成物の皮膜の転写率も、本発明の配線板の印刷用組成物を用いれば、ほぼ100%にできるため、微細配線パターンに対応する印刷パターンから、大面積のパターンまでを精度良く形成することが可能である。
グラビア版(凹版)としては、公知のものが使用できる。
グラビア版(凹版)、ブランケット及び基板は、それぞれ平板状(枚葉)のものでもよいし円筒状のものでもよい。ブランケットを基板に圧接して、連続的にブランケット上のパターンを基板に転写するようにしてもよい。
また、1つのブランケットを使って、多数の基板への印刷を行う場合には、印刷後に、溶剤を吸収したブランケットを乾燥させる工程を含ませることも好ましい。この乾燥工程は、1回の印刷サイクル毎に行ってもよいし、間隔を開けて、5〜20回の印刷サイクル毎に行ってもよい。
ブランケットとしては、シリコーンゴムを材質とするものが好ましい。シリコーンゴム層を表面に有するシートが好ましいものとして挙げられる。ブランケット胴と称される剛性のある円筒に巻きつけた状態で使用されることが好ましい。
例えば、シリコーンゴム層をポリエステルフィルム等のプラスチックフィルム上に形成したシリコーンブランケットを、ブランケット胴に巻きつけた状態で使用することができる。
<配線板の製造方法>
次に、本発明の配線板の製造方法を説明する。
本発明の配線基板の製造方法は、光透過性基板を準備する工程(A)と、前記光透過性基板上に配線を形成する工程(B)と、を備えている。
工程(A)は、適切な材料で形成された光透過性基板を選択し、必要に応じて、光透過性基板に対して洗浄および必要な前処理を施す工程である。洗浄および必要な前処理は、印刷基板で通常行われるものであり、特に制限はない。
工程(B)は、配線を形成する工程である。本工程は、グラビアオフセット印刷法の技術を用いて実施することができる。グラビアオフセット印刷法は、金属製でその表面に細線の型となる溝の線幅と深さを所定の大きさに調整した凹版上にインキを供給し、余分のインキをドクターブレードによって除去し、溝に充填されたインキを、金属製の筒体の表
面がシリコーン樹脂製のブランケット材で被覆されたオフセットロールのブランケット材の表面に転写した後、運搬されてきた基板の表面に対して、このインキを転写することで印刷を行う。所望の形状が転写された基板を熱風か赤外線によって加熱して硬化させるか、光照射によって硬化させて、所望の形状を有する配線を形成する。
<タッチパネル表示装置>
次に、本発明の配線板を備えたタッチパネル表示装置を説明する。
本発明のタッチパネル表示装置は、指を接触させる側から、光透過性基板、光透過性粘着層、光透過性基板、配線層、絶縁性粘着層、光透過性基板、配線層、光透過性粘着層、表示パネル、を備えている。
より具体的には、図3に示す表示装置の構成例は、指を接触させる側から、光透過性基板101、光透過性粘着層102、光透過性基板103、配線層104、絶縁性粘着層105、光透過性基板106、配線層107、光透過性粘着層108、液晶パネル400を備えている。この構成例において、光透過性基板103から配線層104、及び光透過性基板106から配線層107までの構成が、配線板100、200に対応する。ここで、配線層104、107は引き回し配線を含む。
なお、本発明のタッチパネル表示装置500は、光透過性基板101、光透過性粘着層102、光透過性基板103、配線層104、絶縁性粘着層105、光透過性基板106、配線層107、光透過性粘着層108までをタッチパネル110とし、そのタッチパネル110の光透過性粘着層108を介して液晶パネル400を積層した構成である。タッチパネル110としては、光透過性粘着層108を含めなくとも構わない。
上述した実施形態を具体化した実施例を、比較対象としての比較例とともに説明する。以下の実施例では、集束イオンビーム加工(FIB)および走査透過電子顕微鏡観察を行い、積層型配線130の幅および高さを測定した。
具体的には、平面視で複数の配線が配置され、90°の角度を有する2方向が、配線が延伸する方向となる。配線が延伸する一方の方向をX方向とし、他方の方向をY方向とすると、配線が密に配置された箇所からランダムに選択したX方向の10箇所と電気的に接続したY方向の配線からなる10個所において、選択した各配線部の画像を得た後に、図8(c)に示す幅W1および高さH1x、見かけ上の長さD1、D2、図8(d)に示す幅W2および高さH1y、見かけ上の長さD3、D4を求めた後、W1/(D1+D2)およびW2/(D3+D4)、H1x/W1とH1y/W2を算出した。10箇所の測定値の算術平均値を、配線の特性値とした。
<実施例1>
150mm×150mmの寸法および0.25mmの厚さを有するPETフィルムを切り出し、光透過性基板103を準備した。
次に、グラビアオフセット印刷法により、光透過性基板103上に、銀ペースト(藤倉化成株式会社 ドータイトXA−3609)の印刷を行い、図7(a)、(b)、図8(c)、(d)に示すような、X方向に沿って平行に延伸する複数の配線からなるX方向の引き回し配線130XとY方向配線160およびY方向に沿って平行に延伸する複数の配線からなるY方向の引き回し配線130YとX方向配線170を形成することにより、図9(a)、(b)に示すような配線板100および200を得た。
図8(c)に示すように、X方向の配線130Xの底面が光透過性基板103と接して平らであり、上面が凸形形状であった。
平面視でX方向の配線130Xbは幅W1が15.0μmで、高さH1xが2.5μm
であった。Y方向の配線130Ybは幅W2が15.0μmで、高さH1yが3.0μmであった。X方向配線130Xbと隣り合う配線130Xa、130Xcの間の見かけ上の距離D1、D2はそれぞれ7.5μmおよび8.0μmであった。Y方向配線130Ybと隣り合う配線130Ya、130Ycの間の見かけ上の距離D3、D4もそれぞれ7.5μmおよび8.0μmであった。
次に、W1、W2、D1、D2、H1x、H1yの値から、W1/(D1+D2)、W2/(D3+D4)、H1x/W1、H1y/W2を算出した。
W1/(D1+D2)は、X方向配線130Xの1つの配線130Xbの線幅W1が隣接する両側のX方向配線130Xaと130Xcとの間の距離に占める配線130Xbの割合を示している。この値が大きい程、隣接する配線との距離が短く、高密度な配線である事を示している。W2/(D3+D4)も同様である。
また、H1x/W1は、配線130Xbの線幅W1とその高さの比である。この値が大きい程、線幅に対して厚みが厚い事を示している。H1y/W2についても同様である。
本実施例においては、W1/(D1+D2)およびW2/(D3+D4)は、それぞれ0.97で、H1x/W1とH1y/W2はそれぞれ、0.17と0.20であった。
次に、配線を形成する際に用いた凹板を変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して、実施例2〜実施例7の配線板100および200を得た。
<実施例2>
実施例2は、配線の高さH1x、H1yがそれぞれ2.0μmと2.5μmで、幅W1とW2は10.0μmで、見かけ上の距離D1とD3、D2とD4は、それぞれ7.0μmと6.5μmであった。W1/(D1+D2)およびW2/(D3+D4)は0.74で、H1x/W1とH1y/W2は、それぞれ0.20と0.25であった。
<実施例3>
実施例3は、配線の高さH1x、H1yがそれぞれ3.0μmと3.2μmで、幅W1とW2は5.0μmで、見かけ上の距離D1とD3およびD2とD4は、それぞれ3.0μmと4.0μmであった。W1/(D1+D2)およびW2/(D3+D4)は0.71で、H1x/W1とH1y/W2は、それぞれ0.60と0.64であった。
<実施例4>
実施例4は、配線の高さH1x、H1yがそれぞれ1.0μmと1.4μmで、幅W1とW2は20.0μmで、見かけ上の距離D1とD3、D2とD4は、いずれも25.0μmであった。W1/(D1+D2)およびW2/(D3+D4)は0.40で、H1x/W1とH1y/W2は、それぞれ0.05と0.07であった。
<実施例5>
実施例5は、配線の高さH1x、H1yがそれぞれ1.8μmと2.2μmで、幅W1とW2は14.0μmで、見かけ上の距離D1とD3、D2とD4は、それぞれ4.0μmと3.0μmであった。W1/(D1+D2)およびW2/(D3+D4)は2.00で、H1x/W1とH1y/W2は、それぞれ0.13と0.16であった。
<実施例6>
実施例6は、配線の高さH1x、H1yがそれぞれ0.8μmと0.9μmで、幅W1とW2は16.0μmで、見かけ上の距離D1とD3、D2とD4は、それぞれ16.0μmと17.0μmであった。W1/(D1+D2)およびW2/(D3+D4)は0.48で、H1x/W1とH1y/W2は、それぞれ0.05と0.06であった。
<実施例7>
実施例7は、配線の高さH1x、H1yがそれぞれ5.0μmと5.5μmで、幅W1とW2は25.0μmで、見かけ上の距離D1とD3、D2とD4は、いずれも25.0μmであった。W1/(D1+D2)およびW2/(D3+D4)は0.50で、H1x/W1とH1y/W2は、それぞれ0.20と0.22であった。
次に、配線を形成する際に用いた凹板を変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して、比較例1〜比較例5の配線板100および200を得た。
<比較例1>
比較例1は、配線の高さH1x、H1yがそれぞれ6.0μmと6.0μmで、幅W1とW2は50.0μmで、見かけ上の距離D1とD3、D2とD4は、いずれも50.0μmであった。W1/(D1+D2)およびW2/(D3+D4)は0.50で、H1x/W1とH1y/W2は、それぞれ0.12と0.12であった。
<比較例2>
比較例2は、配線の高さH1x、H1yがそれぞれ3.0μmと3.0μmで、幅W1とW2は20.0μmで、見かけ上の距離D1とD3、D2とD4は、それぞれ35.0μmと36.0μmであった。W1/(D1+D2)およびW2/(D3+D4)は0.28で、H1x/W1とH1y/W2は、それぞれ0.15と0.15であった。
<比較例3>
比較例3は、配線の高さH1x、H1yがそれぞれ0.5μmと0.6μmで、幅W1とW2は25.0μmで、見かけ上の距離D1とD3、D2とD4は、それぞれ40.0μmと40.0μmであった。W1/(D1+D2)およびW2/(D3+D4)は0.31で、H1x/W1とH1y/W2は、それぞれ0.02と0.02であった。
<比較例4>
比較例4は、配線の高さH1x、H1yがそれぞれ0.8μmと1.8μmで、幅W1とW2は40.0μmで、見かけ上の距離D1とD3、D2とD4は、それぞれ60.0μmと62.0μmであった。W1/(D1+D2)およびW2/(D3+D4)は0.33で、H1x/W1とH1y/W2は、それぞれ0.02と0.05であった。
<比較例5>
比較例5は、配線の高さH1x、H1yがそれぞれ5.0μmと5.0μmで、幅W1とW2は8.0μmで、見かけ上の距離D1とD3、D2とD4は、それぞれ2.0μmと1.5μmであった。W1/(D1+D2)およびW2/(D3+D4)は2.29で、H1x/W1とH1y/W2は、それぞれ0.63と0.63であった。
<評価>
実施例1〜7および比較例1〜5の配線板を、絶縁性の粘着層を介して、配線板100、200の配線間の位置合わせを行いながら、配線板100と配線板200をY方向と平行な方向を流れ方向として、貼り合わせた。貼り合わせ後に、配線と配線の間に気泡が見えなかった場合を、気泡が見えない(○)と判定した。気泡が見えた場合を、気泡が見える(×)と判定した。
また、配線板に対して、配線の線抵抗値R(Ω)、断面積A(cm)、及び線長L(cm)を測定し、式「ρ=R×A/L」により、体積抵抗率ρ(Ω・cm)を算出した。なお、線抵抗値Rはデジタルマルチメータ(横河電機社製「TY520」)を用いて測定し、断面積Aは形状測定レーザマイクロスコープ(キーエンス社製「VK−X200」)を用いて測定した。結果を「抵抗率(μΩ・cm)」とした。抵抗率(μΩ・cm)が30未満を(○○)と判定した。30以上50未満を(○)と判定した。50以上を(×)と判定した。
比較例5は配線が短絡してしまい、抵抗率を測定することができなかった。
さらに、配線が延伸する方向に垂直な方向の断面において、配線の線幅と見かけ上の距離の平均を合わせた距離を、配線1本分に必要な距離として、距離1mmあたりに配置できる配線の最小本数を算出した。狭額縁化に対応するために、40本以上配置できる場合を(○)と判定した。20本以上40本未満を(△)と判定した。20本未満を(×)と判定した。
上述の距離1mmあたりに配置できる配線の最小本数に関する判定と、気泡の有無の判定と、抵抗率についての判定と、を合わせた総合判定を表1に示した様に決めた。
即ち、気泡が見えない(〇)、抵抗率が30μΩ・cm未満(〇〇)、距離1mmあたりに配置できる配線の最小本数が40本以上(〇)である場合または全てが〇以上の場合を、総合判定◎とした。以下、表1に示す様に、気泡の有無が〇、抵抗率が〇、本数が△の場合を、総合判定〇とした。また、気泡の有無が〇、抵抗率が〇、本数が×の場合または〇が2、×が1の場合を、総合判定×とした。また、気泡の有無が×、抵抗率が〇、本数が×の場合または〇が1、×が2の場合を、総合判定××とした。また、全て×の場合を、総合判定×××とした。
Figure 2021060907
実施例1〜7および比較例1〜5の特性値および評価結果を表2にまとめて示した。
Figure 2021060907
表2に示したように、(式1a)または(式1b)、ならびに(式2)を満たす適切な形状を有する配線を有する実施例1〜7の配線板は、20μΩ・cmから49μΩ・cmの優れた導電率と、気泡の発生が無い良好な貼り合わせの適正を有することが確認された。これは、良好な凸形形状の形状でかつ良好な高さの差を有する配線が形成されたためと推定される。
一方、比較例1および比較例2の配線板は、気泡があり不良であった。気泡が入った原因は、貼り合わせにおいて、Y方向の配線の高さとX方向の配線の高さが同じであるために、Y方向の配線間に存在する空気がX方向の配線に向かって押し込み切れず、抜けなかったためと推定される。また、単位当たりの配線の本数も少なかった。
比較例3の配線板は、気泡はなかったが、抵抗率が高く不良であった。これは、配線の幅に対する高さが低く、また、配線と配線の間の見かけ上の距離も広いために、貼り合わせにおいて空気の入り込みは少なかったが、高さが低いために、配線の膜が均一に配置されず一部配線が存在しない箇所があり、抵抗値が上がったと推定される。また、単位当たりの配線の本数も少なかった。
比較例4の配線板は、気泡があり、かつ抵抗率が高く不良であった。これは、Y方向の配線の高さとX方向の配線の高さの差が大きるすぎるために、X方向とY方向が切り替わる箇所で浮いてしまい空気が含まれたと推定される。また、単位当たりの配線の本数も少なかった。
比較例5の配線板は、気泡があり、かつ線抵抗値の測定ができなかった。その原因は、配線の幅に対する高さが高く、且つ配線と配線の間の見かけの距離が近いために、部分的に、配線が傾いて隣り合う配線同士で短絡し、適切な導電性が得られなかったと推定される。
100 配線板
100X (X方向に引き回し配線が延伸する)配線板
100Y (Y方向に引き回し配線が延伸する)配線板
101 光透過性基板
102 光透過性粘着層
103、106 光透過性基板
103a 光透過性基板の表面
104、107 配線層
105 絶縁性粘着層
108 光透過性粘着層
110 タッチパネル
112 外部接続端子
120、122、120Xa、120Xb、120Xc X方向(引き回し)配線
124、126、124Ya、124Yb、124Yc Y方向(引き回し)配線
130、132 (引き回し)配線
130X、130Xa、130Xb、130Xc X方向(の引き回し)配線
130Y、130Ya、130Yb、130Yc Y方向(の引き回し)配線
140 配線
150 光透過性基板
150a 光透過性基板の表面
160 検出電極
170 検出電極
200 配線板
200X (X方向に引き回し配線が延伸する)配線板
200Y (Y方向に引き回し配線が延伸する)配線板
300、310 表示範囲
320 非表示範囲
350、360 表示範囲の一部の範囲
400 液晶パネル
500 タッチパネル表示装置

Claims (7)

  1. タッチパネル表示装置の表示範囲に備えられた、光透過性基板上に互いに平行に一方向に延伸した複数本の検出電極と、表示範囲の周縁部外側に備えられた非表示範囲に形成され、前記検出電極と電気的に接続された複数本の畝状の引き回し配線と、を備えたタッチパネル用配線板であって、
    前記引き回し配線は少なくとも第一方向と第二方向に備えられており、
    第一方向に延伸する複数本の引き回し配線の1つの配線の線幅をW1、光透過性基板の表面からの高さをH1x、1つの配線の両側に隣接する配線との距離をD1、D2とし、
    第二方向に延伸する複数本の引き回し配線の1つの配線の線幅をW2、光透過性基板の表面からの高さをH1y、1つの配線の両側に隣接する配線との距離をD3、D4とした時、下記の式(1a)、(1b)、(1c)、(1d)を満たす事を特徴とするタッチパネル用配線板。
    0.4<W1/(D1+D2)<2 ・・・(1a)
    0.05<H1x/W1<0.8 ・・・(1b)
    0.4<W2/(D3+D4)<2 ・・・(1c)
    0.05<H1y/W2<0.8 ・・・(1d)
  2. 前記第一方向の引き回し配線の高さH1xと、前記第二方向の引き回し配線の高さH1yと、が下記の式(2)を満たす事を特徴とする請求項1に記載のタッチパネル用配線板。
    H1x<H1y・・・・・・・・・・・・・・(2)
  3. 前記引き回し配線が延伸する方向に直交する平面における引き回し配線の断面における線幅をW、高さをHとした時、5μm≦W≦25μmおよび0.8μm≦H≦5.0μmを満たす事を特徴とする請求項1または2に記載のタッチパネル用配線板。
  4. 前記第一方向の引き回し配線と、前記第二方向の引き回し配線と、が平面視で90℃の角度をなす様に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタッチパネル用配線板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のタッチパネル用配線板を備えていることを特徴とするタッチパネル。
  6. 請求項5に記載のタッチパネルを備えていることを特徴とするタッチパネル表示装置。
  7. 前記配線が、グラビアオフセット印刷法により形成されたことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のタッチパネル用配線板。
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