JP2011040595A - パターン膜形成方法、パターン膜形成部材の製造方法、パターン膜形成部材、電気光学装置、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】マスク等を用いることなく、基板の表面に撥液化領域と親液化領域を選択的に形成し、高精細なパターン膜を形成する。
【解決手段】透明性を有する基板の一方面の一部に第1パターン膜を形成する第1パターン膜形成工程と、少なくとも前記基板の前記一方面側に撥液化処理を施す撥液化処理工程と、前記基板の他方面側から前記基板の前記一方面側に向けて活性光を照射し、前記第1パターン膜の頂部面の撥液性を保持しつつ、前記第1パターン膜の前記頂部面以外の領域を親液化させる選択的表面処理工程と、前記親液化された領域に第2パターン膜の材料を含む液状材料を塗布して、前記第1パターン膜の周辺部に前記第2パターン膜を形成する第2パターン膜形成工程と、を含む。
【選択図】図1
【解決手段】透明性を有する基板の一方面の一部に第1パターン膜を形成する第1パターン膜形成工程と、少なくとも前記基板の前記一方面側に撥液化処理を施す撥液化処理工程と、前記基板の他方面側から前記基板の前記一方面側に向けて活性光を照射し、前記第1パターン膜の頂部面の撥液性を保持しつつ、前記第1パターン膜の前記頂部面以外の領域を親液化させる選択的表面処理工程と、前記親液化された領域に第2パターン膜の材料を含む液状材料を塗布して、前記第1パターン膜の周辺部に前記第2パターン膜を形成する第2パターン膜形成工程と、を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、パターン膜形成方法、パターン膜形成部材の製造方法、パターン膜形成部材、電気光学装置、電子機器に関する。
例えば、基板上にパターン膜を形成する場合に、パターン膜を形成する領域にあっては、パターン膜の材料を含む液状材料を基板に塗布した際に、液状材料が濡れ広がるように基板面に親液化処理を施し、一方、パターン膜が形成される領域以外の領域に対しては、パターン膜の材料を含む液状材料がはじくように撥液化処理を施す必要がある。そこで、例えば、基板上に撥液性を有する光触媒含有層を形成した後、所定のパターンが形成されたマスクを用いて、当該マスクを介して、光触媒含有層に活性光を照射することにより、活性光が照射された部分のみが反応し、親液化領域を形成し、一の基板面において、親液化領域と撥液化領域を選択的に形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記の方法では、撥液化領域と親液化領域を選択的に形成する際に、高精度のマスクを用いる必要があるため、製造工程が複雑化してしまう、という課題があった。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかるパターン膜形成方法は、透明性を有する基板の一方面の一部に第1パターン膜を形成する第1パターン膜形成工程と、前記基板の少なくとも前記一方面側を撥液化させる撥液化処理工程と、前記基板の他方面側から前記基板の前記一方面側に向けて活性光を照射し、前記第1パターン膜の頂部面の撥液性を保持しつつ、前記第1パターン膜の前記頂部面以外の領域を親液化させる選択的表面処理工程と、前記親液化された領域に第2パターン膜の材料を含む液状材料を塗布して、前記第1パターン膜の周辺部に前記第2パターン膜を形成する第2パターン膜形成工程と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、基板と基板の一方面に形成された第1パターン膜に対して撥液化処理が施される。そして、基板の他方面側から基板の一方面側に向けて活性光が照射される。照射された活性光のうち、基板を透過した活性光は、基板の一方面を活性化する。そして、活性化された領域が親液化処理される。一方、第1パターン膜が形成された領域では、第1パターン膜によって活性光の透過が阻害されるため、第1パターン膜の頂部面は、撥液性が保持される。換言すれば、基板の他方面側から基板の一方面側に向けて活性光を照射した際に、第1パターン膜が活性光の透過を阻害するマスクとして機能し、活性光が照射された部分は、親液化処理が施される。活性光の透過が阻害された部分は、撥液性が保持される。すなわち、高精度のマスク等を用いることなく、選択的に親液化領域と撥液化領域とを容易に形成することができる。そして、親液化された領域に第2パターン膜の材料を含む液状材料を塗布すると、当該液状材料が濡れ広がり、第1パターン膜の周辺部に第2パターン膜が形成される。従って、マスク等の部材を用いることなく、選択的に撥液化領域と親液化領域を容易に形成し、高精細なパターン膜を容易に形成することができる。
[適用例2]上記適用例にかかるパターン膜形成方法の前記第1パターン膜形成工程では、非透明性の前記第1パターン膜を形成することを特徴とする。
この構成によれば、活性光の透過をさらに阻害することができるので、第1パターン膜上の撥液効果を維持させ、撥液化領域と親液化領域とのコントラストを高めることがでる。
[適用例3]上記適用例にかかるパターン膜形成方法の前記第2パターン膜形成工程では、隣接する前記第1パターン膜の間に、前記第1パターン膜を区画する前記第2パターン膜を形成し、その後に、前記第1パターン膜の前記頂部面を親液化させる親液化処理工程と、親液化された前記頂部面に第3パターン膜の材料となる液状材料を塗布して、前記第1パターン膜上に前記第3パターン膜を形成する第3パターン膜形成工程と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、第1パターン膜上に精度よく第3パターン膜を形成することができるとともに、密着性の高い積層パターン膜を形成することができる。
[適用例4]本適用例にかかるパターン膜形成部材の製造方法は、透明性を有する基板の一方面の一部に第1導電膜を形成する第1導電膜形成工程と、前記基板の少なくとも前記一方面側を撥液化させる撥液化処理工程と、前記基板の他方面側から前記基板の前記一方面側に向けて活性光を照射し、前記第1導電膜の頂部面の撥液性を保持しつつ、前記第1導電膜の前記頂部面以外の領域を親液化させる選択的表面処理工程と、前記第1導電膜が形成された領域のうち、第1領域では、隣接する前記第1導電膜の間に絶縁膜の材料を含む液状材料を塗布して、前記第1導電膜を区画する第1絶縁膜を形成する第1絶縁膜形成工程と、第2領域では、前記第1導電膜の表面を含む周辺部に前記絶縁膜の材料を含む液状材料を塗布して、前記第1導電膜の表面を覆う第2絶縁膜を形成する第2絶縁膜形成工程と、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、基板と基板の一方面に形成された第1導電膜に対して撥液化処理が施される。そして、基板の他方面側から基板の一方面側に向けて活性光が照射される。照射された活性光のうち、基板を透過した活性光は、基板の一方面を活性化する。そして、活性化された領域は親液化処理される。一方、第1導電膜が形成された領域では、第1導電膜によって活性光の透過が阻害されるため、第1導電膜の頂部面は、撥液性が保持される。換言すれば、基板の他方面側から基板の一方面側に向けて活性光を照射した際に、第1導電膜が活性光の透過を阻害するマスクとして機能し、活性光が照射された部分は、親液化処理が施されるとともに、活性光の透過が阻害された部分には、撥液性が保持される。すなわち、高精度のマスク等を用いることなく、選択的に親液化領域と撥液化領域とを容易に形成することができる。そして、親液化された領域のうち第1領域では、第1導電膜を区画する第1絶縁膜が形成される。これにより、基板に対して密着性が高い絶縁膜を形成することができるとともに、第1領域における第1導電膜間の絶縁性を確保することができる。また、親液化された領域のうち第2領域では、導電膜の表面を覆う絶縁膜が形成される。これにより、基板に対して密着性が高い絶縁膜を形成することができる。また、第2領域における第1導電膜間の絶縁性を確保することができるとともに、第1導電膜の全体を保護することができる。従って、マスク等の部材を用いることなく、選択的に撥液化領域と親液化領域を容易に形成し、第1導電膜が形成された領域に応じて、絶縁膜の形態を適宜設定することができる。
[適用例5]上記適用例にかかるパターン膜形成部材の製造方法では、前記第1絶縁膜形成工程と前記第2絶縁膜形成工程とが、同時期に行われることを特徴とする。
この構成によれば、第1領域と第2領域におけるそれぞれの第1導電膜に対して、形態が異なる絶縁膜を同時期に形成することができ、生産性を向上させることができる。
[適用例6]上記適用例にかかるパターン膜形成部材の製造方法の前記第1領域では、前記第1絶縁膜形成工程の後に、前記第1絶縁膜によって区画された前記第1導電膜上に、第2導電膜の材料を含む液状材料を塗布し、前記第1導電膜上に前記第2導電膜を形成する第2導電膜形成工程を有することを特徴とする。
この構成によれば、第1導電膜上に精度よく第2導電膜が形成され、高精細な積層パターンを形成することができる。
[適用例7]上記適用例にかかるパターン膜形成部材の製造方法では、前記第2導電膜形成工程の前に、前記第1導電膜の表面に親液化処理を施す親液化処理工程を有することを特徴とする。
この構成によれば、第1導電膜と第2導電膜との密着性を向上させることができる。
[適用例8]本適用例にかかるパターン膜形成部材は、上記のパターン膜形成部材の製造方法によって形成されたことを特徴とする。
この構成によれば、高精細で高品位のパターン膜形成部材を提供することができる。この場合、パターン膜形成部材は、例えば、タッチパネル、カラーフィルター、PDP部材、有機EL部材、FED(電界放出ディスプレイ)部材等がこれに該当する。
[適用例9]本適用例にかかる電気光学装置は、上記のパターン膜形成部材を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、信頼性の高いパターン膜形成部材を備えた電気光学装置を提供することができる。この場合、電気光学装置は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等がこれに該当する。
[適用例10]本適用例にかかる電子機器は、上記の電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
この構成によれば、信頼性の高い電気光学装置を搭載した電子機器を提供することができる。この場合、電子機器は、例えば、カラーフィルター、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)を搭載したテレビ受像機、パーソナルコンピューター、携帯電子機器、その他、各種の電子製品がこれに該当する。
以下、本発明を具体化した第1及び第2実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材ごとに縮尺や数等を異ならせて図示している。
[第1実施形態]
(パターン膜形成方法)
まず、パターン膜形成方法について説明する。図1は、本実施形態におけるパターン膜形成方法を示す工程図である。なお、本実施形態のパターン膜形成方法では、液状材料を液滴として吐出して、基板等に液状材料を塗布する液滴吐出装置を用いる。そこで、パターン膜形成方法の説明に先立ち、まず、液滴吐出装置について説明する。
(パターン膜形成方法)
まず、パターン膜形成方法について説明する。図1は、本実施形態におけるパターン膜形成方法を示す工程図である。なお、本実施形態のパターン膜形成方法では、液状材料を液滴として吐出して、基板等に液状材料を塗布する液滴吐出装置を用いる。そこで、パターン膜形成方法の説明に先立ち、まず、液滴吐出装置について説明する。
図2は、液滴吐出装置の構成を示す斜視図である。液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1001と、X軸方向駆動軸1004と、Y軸方向ガイド軸1005と、制御装置CONTと、ステージ1007と、クリーニング機構1008と、基台1009と、ヒーター1015等を備えている。
ステージ1007は、液状材料が塗布されるワークWを支持するものであって、ワークWを基準位置に固定する図示は省略の固定機構を備えている。
液滴吐出ヘッド1001は、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、長手方向とX軸方向とを一致させている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド1001の下面に一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド1001の吐出ノズルからは、ステージ1007に支持されているワークWに対して、液状材料を液滴として吐出して、ワークW上に液状材料を塗布すうように構成されている。
X軸方向駆動軸1004には、X軸方向駆動モーター1002が接続されている。このX軸方向駆動モーター1002は、ステッピングモーター等からなるもので、制御装置CONTからX軸方向の駆動信号が供給されると、X軸方向駆動軸1004を回転させる。X軸方向駆動軸1004が回転すると、液滴吐出ヘッド1001はX軸方向に移動する。
Y軸方向ガイド軸1005は、基台1009に対して動かないように固定されている。ステージ1007は、Y軸方向駆動モーター1003を備えている。Y軸方向駆動モーター1003はステッピングモーター等であり、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ1007をY軸方向に移動する。
制御装置CONTは、液滴吐出ヘッド1001に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。また、X軸方向駆動モーター1002に液滴吐出ヘッド1001のX軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を、Y軸方向駆動モーター1003にステージ1007のY軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構1008は、液滴吐出ヘッド1001をクリーニングするものである。クリーニング機構1008には、図示は省略のY軸方向の駆動モーターが備えられている。このY軸方向の駆動モーターの駆動により、クリーニング機構は、Y軸方向ガイド軸1005に沿って移動する。クリーニング機構1008の移動も制御装置CONTにより制御される。
ヒーター1015は、ここではランプアニールによりワークWを熱処理する手段であり、ワークW上に配置された液状材料に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行う。このヒーター1015の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド1001とワークWを支持するステージ1007とを相対的に走査しつつ、ワークWに対して、液滴吐出ヘッド1001の下面にX軸方向に配列された複数の吐出ノズルから液滴を吐出するようになっている。
図3は、ピエゾ方式による液状材料の吐出原理を示す模式図である。図3において、液状材料を収容する液体室1021に隣接してピエゾ素子1022が設置されている。液体室1021には、液状材料を収容する材料タンクを含む液体材料供給系1023を介して液状材料が供給される。ピエゾ素子1022は駆動回路1024に接続されており、この駆動回路1024を介してピエゾ素子1022に電圧を印加し、ピエゾ素子1022を変形させることにより、液体室1021が変形し、吐出ノズル1025から液状材料が吐出される。この場合、印加電圧の値を変化させることにより、ピエゾ素子1022の歪み量が制御される。また、印加電圧の周波数を変化させることにより、ピエゾ素子1022の歪み速度が制御される。ピエゾ方式による液滴吐出は材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有する。
ここで、パターン膜形成方法の説明に戻る。まず、第1パターン膜形成工程では、図1(a)に示すように、基板1の一方面1aの一部に第1パターン膜2を形成する。基板1は、透明性を有し、例えば、石英ガラス、ガラス、プラスチック等である。第1パターン膜2は、紫外線光の透過率が低い導電膜であり、非透明性の導電膜であれば、さらに、好ましい。具体的には、銀、金、銅、パラジウムやニッケル等を含む導電膜である。第1パターン膜2の形成方法としては、フォトリソ法、印刷法やインクジェット法等により形成することができる。
次に、撥液化処理工程では、基板1の少なくとも一方面1a側を撥液化させる。これにより、基板1の面と第1パターン膜2の表面が撥液化され、撥液化領域Rが形成される。撥液化処理方法としては、例えば、シラン化合物、フルオロアルキル基を有する化合物、フッ素樹脂(フッ素を含む樹脂)、及びこれらの混合物を用いることができる。例えば、シラン化合物として、オクタデシルトリメトキシシラン(ODS)を用いる場合は、液状態のODSを気化させたガス雰囲気内に基板1を放置する。これにより、基板1面や第1パターン膜2の表面にシラン化合物の自己組織化膜が形成されるので、膜の表面に優れた撥液膜を付与することができる。なお、他の撥液材料として、例えば、フルオロアルキル基を含む撥液性化合物としては、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリエトキシシラン(FAS17)等を用いることができる。
次に、選択的表面処理工程では、基板1の他方面1b側から基板1の一方面1a側に向けて活性光を照射(裏面露光)し、第1パターン膜2の頂部面2aの撥液性を保持しつつ、第1パターン膜2の頂部面2a以外の領域を親液化させる。これにより、図1(b)に示すように、第1パターン膜2の頂部面2aに対応する撥液化領域Rと、第1パターン膜2の頂部面2a以外の領域に対応する親液化領域Hが選択的に形成される。選択的表面処理方法としては、例えば、基板1の他方面1b側から基板1の一方面1a側に向けて活性光としての紫外線光7を照射する。照射された紫外線光7のうち、基板1を透過した紫外線光7は、基板1の一方面1aを活性化する。そして、活性化された領域は親液化処理され、親液化領域Hが形成される。一方、第1パターン膜2が形成された領域では、第1パターン膜2によって紫外線光7の透過が阻害されるため、第1パターン膜2の頂部面2aは、活性化されず撥液性が保持され、撥液化領域Rを形成(維持)する。換言すれば、基板1の他方面1b側から基板1の一方面1a側に向けて紫外線光7を照射した際に、第1パターン膜2が紫外線光7の透過を阻害するマスクとして機能する。従って、別途高精度なマスク等が不要となり、選択的に親液化領域Hと撥液化領域Rとを容易に形成することができる。
次に、第2パターン膜形成工程では、親液化領域Hに第2パターン膜の材料となる液状材料を塗布して、第1パターン膜2の周辺部に第2パターン膜3を形成する。具体的には、隣接する第1パターン膜2の間に、第1パターン膜2を区画する第2パターン膜3を形成する。第2パターン膜3は、例えば、絶縁膜等である。これにより、隣接する第1パターン膜2を区画する隔壁が形成される。第2パターン膜の形成方法としては、例えば、図2に示した液滴吐出装置IJを用いて、図1(c)に示すように、液滴吐出ヘッド1001から第2パターン膜3の材料を含む液状材料を液滴Dとして吐出して、隣接する第1パターン膜2の間に液状材料3aを塗布する。液状材料3aを塗布する領域は、親液化領域Hのため、塗布された液状材料3aは、基板1の面に濡れ広がり、隣接する第1パターン膜2の間に確実に塗布される。一方、第1パターン膜2の頂部面2aは、撥液化領域Rのため、液状材料3aをはじき、液状材料3aの第1パターン膜2の頂部面2aに対する濡れ広がりが規制される。その後、塗布された液状材料3aを乾燥・固化(例えば、230℃、1時間の加熱処理を施す)する。これにより、図1(d)に示すように、基板1上の第1パターン膜2の間に第2パターン膜3が形成される。
なお、第2パターン膜3を絶縁膜として形成する場合、絶縁膜の材料を含む液状材料に、シリコーン系或いはフッ素系のレベリング剤を添加し、当該レベリング剤が添加された液状材料を液滴Dとして吐出し、基板1に液状材料3aを塗布する。このようにすれば、例えば、ITO等の材料に対する撥液性を高めることができる。
次に、親液化処理工程では、第1パターン膜2の頂部面2aを親液化させる。親液化処理方法としては、第1パターン膜2が形成された基板1を加熱処理して、撥液膜を除去する。これにより、第1パターン膜2の頂部面2aが親液化領域Hとなる。なお、本親液化処理工程の前工程である第2パターン膜形成工程において、液状材料3aを乾燥・固化する際の加熱処理を併用することができる。
次に、第3パターン膜形成工程では、親液化された第1パターン膜2上に第3パターン膜4を形成する。これにより、積層パターン膜が形成される。第3パターン膜4は、例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)やIZO(インジウム亜鉛酸化物;登録商標)、ZnOなどの抵抗体である。第3パターン膜形成方法としては、例えば、図2に示した液滴吐出装置IJを用いて、図1(e)に示すように、液滴吐出ヘッド1001から第3パターン膜4の材料を含む液状材料を液滴Dとして吐出して、第1パターン膜2の頂部面2aに液状材料4aを塗布する。液状材料4aを塗布する領域は、親液化領域Hのため、塗布された液状材料4aは、第1パターン膜2上に濡れ広がる。さらに、第2パターン膜3にレベリング剤を添加した場合には、ITOに対する撥液性が高いため、ITOを含む液状材料4aをはじき、液状材料4aの濡れ広がりが規制され、隣接して配置された液状材料4aとの接触を防止することができる。その後、塗布された液状材料4aを乾燥・固化(例えば、230℃、1時間の加熱処理を施す)する。これにより、図1(f)に示すように、第1パターン膜2上に第3パターン膜4が形成される。
従って、上記の第1実施形態によれば、以下に示す効果がある。
(1)透明性を有する基板1の一方面1aに第1パターン膜2を形成し、撥液化処理を行った後に、他方面1b側から一方面1aに向けて紫外線光7を照射した。その際、第1パターン膜2が形成されてない領域は活性化(親液化)され、第1パターン膜2が形成された領域では、紫外線光の透過が阻害されるため、活性化されない。従って、マスク等を用いることなく、第1パターン膜2の形成領域に基づいて、選択的に撥液化領域Rと親液化領域Hを形成することができる。
(2)隣接する第1パターン膜2の間に、液滴吐出装置IJを用いて、第2パターン膜3の材料を含む液状材料3aを塗布した。液状材料3aが塗布される領域は、親液化領域Hのため、塗布された液状材料3aを容易に濡れ広がらせることができる。一方、第1パターン膜2の頂部面2aは、撥液化領域Rのため、液状材料3aの濡れ広がりを規制することができる。従って、第1パターン膜2を確実に区画する第2パターン膜3を形成することができる。
(3)第1パターン膜2の頂部面2aを親液化させた後に、液滴吐出装置IJを用いて、第1パターン膜2の頂部面2aに第3パターン膜4の材料を含む液状材料4aを塗布した。これより、第1パターン膜2の頂部面2aに液状材料4aを容易に濡れ広がらせることができるとともに、第1パターン膜2との密着性を高めることができる。また、第1パターン膜2は、第2パターン膜3によって区画されているため、隣接する第3パターン膜4と接触することなく、高精細な積層パターン膜を形成することができる。
[第2実施形態]
(パターン膜形成部材の構成)
次に、第2実施形態について説明する。まず、パターン膜形成部材の構成について説明する。なお、本実施形態では、パターン膜形成部材としてのタッチパネルを例に挙げて説明する。図4は、タッチパネルの構成を示す平面図である。図5は、タッチパネルの構成を示す断面図であり、同図(a)は、図4に示したタッチパネルのA−A’断面図であり、同図(b)は、図4に示したタッチパネルのB−B’断面図である。
(パターン膜形成部材の構成)
次に、第2実施形態について説明する。まず、パターン膜形成部材の構成について説明する。なお、本実施形態では、パターン膜形成部材としてのタッチパネルを例に挙げて説明する。図4は、タッチパネルの構成を示す平面図である。図5は、タッチパネルの構成を示す断面図であり、同図(a)は、図4に示したタッチパネルのA−A’断面図であり、同図(b)は、図4に示したタッチパネルのB−B’断面図である。
タッチパネル100は、基板1と、基板1上に設けられた入力領域5と引き回し配線領域6を有する。基板1は、透明性を有し、例えば、石英ガラス、ガラス、プラスチック等である。なお、本実施形態では、ガラス基板1として説明する。ガラス基板1は、平面視において矩形状に成形されている。
入力領域5は、図4において一点鎖線で囲まれた領域であり、タッチパネル100に入力される指の位置情報を検出する領域である。入力領域5には、複数のX電極10及び複数のY電極20がそれぞれ配置されている。X電極10は、図示でX軸方向に沿って延在し、且つX電極10は、Y軸方向に互いに間隔をあけて複数配列されている。Y電極20は図示でY軸方向に沿って延在し、それぞれのY電極20は、X軸方向に互いに間隔をあけて配列されている。X電極10及びY電極20は、互いのブリッジ配線を交差させることによって入力領域5内の交差部Kで交差している。
X電極10は、X軸方向に配列された複数の島状電極部12と、隣り合う島状電極部12同士を接続するブリッジ配線11を備えている。島状電極部12は平面視で矩形状に形成され、一方の対角線がX軸に沿うように配置されている。
Y電極20は、Y軸方向に配列された複数の島状電極部22と、隣り合う島状電極部22同士を接続するブリッジ配線21を備えている。島状電極部22は、平面視で矩形状に形成され、一方の対角線がY軸に沿うように配置されている。島状電極部12と島状電極部22とは、X軸方向及びY軸方向において互い違いに配置(市松状配置)されており、入力領域5では、矩形状の島状電極部12,22が平面視マトリクス状に配置されている。
X電極10、Y電極20及びブリッジ配線11,21を構成する材質としては、ITO(インジウムスズ酸化物)やIZO(インジウム亜鉛酸化物;登録商標)、ZnOなどの透光性を有する抵抗体を採用することができる。
引き回し配線領域6は、図4において二点鎖線で囲まれた領域である。引き回し配線領域6には、第1導電膜としての引き回し配線60が形成されている。各引き回し配線60の一方端は、X電極10またはY電極20と接続され、他方端は、タッチパネル100の内部あるいは外部装置に設けられた駆動部及び電気信号変換/演算部(いずれも図示省略)と接続される端子接続部となる。
さらに、引き回し配線領域6は、第1領域6aと第2領域6bとに区分けされている。本実施形態では、駆動部及び電気信号変換/演算部(いずれも図示は省略)と電気的に接続される端子接続部の領域に対応する第1領域6aと、第1領域6a以外の領域に対応する第2領域6bとに区分けされている。
次に、図5の断面図について説明する。図5(a)に示すように、ガラス基板1の一方面1aに、島状電極部12(図示は省略)、島状電極部22、ブリッジ配線11、引き回し配線60が設けられている。ブリッジ配線11上には、X電極10とY電極20間を絶縁する電極間絶縁膜30が島状電極部22と略面一となる高さで形成されている。そして、電極間絶縁膜30上にブリッジ配線21が配置されている。X電極10のブリッジ配線11は、島状電極部22よりも薄く、例えば1/2程度の厚さに形成されている。
電極間絶縁膜30は、ポリシロキサン、アクリル系樹脂、及びアクリルモノマーなどを印刷法やインクジェット法等を用いて塗布し、それを乾燥固化して形成することができる。ポリシロキサンを用いて形成した場合には、電極間絶縁膜30はシリコン酸化物からなる無機絶縁膜となる。一方、アクリル系樹脂、及びアクリルモノマーを採用した場合には、電極間絶縁膜30は樹脂材料からなる有機絶縁膜となる。ここでは、JSR NN525E と、EDM(ジエチレングリコールエチルメチルエーテル)とを4:1(重量比)で混合したインクを用いている。
電極間絶縁膜30の構成材料には、比誘電率が4.0以下、望ましくは3.5以下である材料を採用することが好ましい。これにより、ブリッジ配線11,21の交差部Kにおける寄生容量を低減して、タッチパネルの位置検出性能を保持することができる。また、電極間絶縁膜30の構成材料には、屈折率が2.0以下、望ましくは1.7以下である材料を用いることが好ましい。これにより、ガラス基板1やX電極10、Y電極20との屈折率差を小さくすることができ、使用者に電極間絶縁膜30のパターンが見えてしまうのを防止できる。
引き回し配線60は、X電極10又はY電極20を入力領域5の外側の領域まで延出した導電膜であり、紫外線光の透過率が低い導電膜であり、非透明性の導電膜であれば、さらに、好ましい。具体的には、Ag、Au、Al、Cu、Pdなどの金属、及びカーボン(グラファイト、カーボンナノチューブなどのナノカーボン)のうち1種類以上を成分とする、有機化合物、ナノ粒子、ナノワイヤーなどで形成されている。
ここで、引き回し配線領域6の第1領域6aと第2領域6bにおける引き回し配線60の周辺構造について説明する。
まず、第1領域6aでは、図5(b)に示すように、隣接する引き回し配線60の間に第1絶縁膜62が形成されている。第1絶縁膜62は、各引き回し配線60を区画するように形成されている。第1絶縁膜62が、隣接する引き回し配線60の間に形成されることにより、引き回し配線60間の絶縁性を確保することができる。当該第1絶縁膜62は、電極間絶縁膜30と同様に、ポリシロキサン、アクリル系樹脂、及びアクリルモノマーなどの材料で形成することができる。従って、第1絶縁膜62は、電極間絶縁膜30を形成する工程で同時期に形成することが可能である。
また、引き回し配線60上には、第2導電膜61が形成されている。第2導電膜61は、第1絶縁膜62によって区画された領域に形成されている。第2導電膜61の頂部の位置と第1絶縁膜62の頂部の位置がほぼ同等の高さになるように形成されている。第2導電膜61は、例えば、透明性を有する透明導電膜であり、X及びY電極10,20(ブリッジ配線11,21)と同様にITOやIZOなどの抵抗体によって形成することができる。従って、第2導電膜61は、X及びY電極10,20、或いは、ブリッジ配線11,21を形成する工程で同時期に形成することが可能である。
このように、引き回し配線60上に第2導電膜61を形成することにより、引き回し配線60の表面部が、外力、或いは、水分侵入等の環境面から保護される。このように、第1領域6aでは、引き回し配線60は、端子接続部として、駆動部及び電気信号変換/演算部(いずれも図示省略)との接続性を向上させるとともに、長期信頼性を維持することができる。
第2領域6bでは、図5(a)に示すように、引き回し配線60の表面を覆う第2絶縁膜63が形成されている。第2絶縁膜63が、隣接する引き回し配線60の間に形成されることにより、引き回し配線60間の絶縁性を確保することができる。また、外力等から引き回し配線60を保護することができる。当該第2絶縁膜63は、電極間絶縁膜30、第1絶縁膜62と同様に、ポリシロキサン、アクリル系樹脂、及びアクリルモノマーなどの材料で形成することができる。従って、第2絶縁膜63は、電極間絶縁膜30、或いは、第1絶縁膜62を形成する工程で同時期に形成することが可能である。
X及びY電極10,20及び第2領域6bにおける引き回し配線60(第2絶縁膜63)上には、平坦化膜40が形成されている。そして、平坦化膜40上には、接着層51を介して保護基板50が配置されている。また、ガラス基板1の裏面1bには、シールド層70が設けられている。なお、第1領域6aにおける引き回し配線60(第1絶縁膜62、第2導電膜61)上には、平坦化膜40及び保護基板50等は設けられていない。第1領域6aにおける引き回し配線60は、駆動部及び電気信号変換/演算部(いずれも図示省略)と接続する必要があるからである。
平坦化膜40によりガラス基板1の一方面1a側が平坦化されていることで、ガラス基板1と保護基板50とをほぼ全面にわたって均一に接合することができる。また、平坦化膜40の構成材料には、屈折率が2.0以下、望ましくは1.7以下である材料を用いることが好ましい。これにより、ガラス基板1やX電極10、Y電極20との屈折率差を小さくすることができ、X電極10やY電極20の配線パターンを見えにくくすることができる。
保護基板50は、ガラスやプラスチックなどの透明基板である。あるいは、本実施形態のタッチパネル100が液晶パネルや有機ELパネルなどの表示装置の前面に配置される場合には、保護基板50として、表示装置の一部として用いられる光学素子基板(偏光板や位相差板など)を用いることもできる。
シールド層70は、ITOやIZO(登録商標)などの透明導電材料をガラス基板1の裏面1bに成膜することで形成される。あるいは、シールド層となる透明導電膜が形成されたフィルムを用意し、かかるフィルムをガラス基板1の裏面1bに接着した構成としてもよい。シールド層70が設けられていることで、ガラス基板1の裏面1b側において電界を遮断する。これにより、タッチパネル100の電界が表示装置等に作用したり、表示装置等の外部機器の電界がタッチパネル100に作用したりするのを防止することができる。なお、本実施形態では、ガラス基板1の裏面1bにシールド層70を形成しているが、シールド層70をガラス基板1の一方面1a側に形成してもよい。
ここで、タッチパネル100の動作原理について簡単に説明する。まず、図示は省略の駆動部から、引き回し配線60を介してX電極10及びY電極20に所定の電位を供給する。なお、シールド層70には、例えば、グランドの電位(接地電位)を入力する。
上記のように電位が供給された状態で、保護基板50側から入力領域5に向けて手指を近づけると、保護基板50に近づけた手指と、接近位置付近のX電極10及びY電極20のそれぞれとの間に寄生容量が形成される。すると、寄生容量が形成されたX電極10及びY電極20では、この寄生容量を充電するために一時的な電位低下が引き起こされる。
駆動部では、各電極の電位をセンシングしており、上述の電位低下が発生したX電極10及びY電極20を即座に検出する。そして、検出された電極の位置を電気信号変換/演算部によって解析することによって、入力領域5における指の位置情報が検出される。具体的には、X軸方向に延在するX電極10によって、手指が接近した位置の入力領域5におけるY座標が検出され、Y軸方向に延在するY電極20によって、入力領域5におけるX座標が検出される。
(パターン膜形成部材の製造方法)
次に、パターン膜形成部材の製造方法について説明する。なお、本実施形態では、パターン膜形成部材としてのタッチパネルの製造方法について説明する。図6は、タッチパネルの製造方法を示すフローチャートであり、図7〜10は、タッチパネルの製造方法を示す工程図である。なお、図9,10は、第1及び第2領域6a,6bを拡大した工程図である。
次に、パターン膜形成部材の製造方法について説明する。なお、本実施形態では、パターン膜形成部材としてのタッチパネルの製造方法について説明する。図6は、タッチパネルの製造方法を示すフローチャートであり、図7〜10は、タッチパネルの製造方法を示す工程図である。なお、図9,10は、第1及び第2領域6a,6bを拡大した工程図である。
本実施形態のタッチパネルの製造工程は、ガラス基板1の一方面1aに、島状電極部12,22及びブリッジ配線11を形成する電極成膜工程S10と、第1導電膜としての引き回し配線60を形成する第1導電膜形成工程S11と、ガラス基板1の一方面1a側を撥液化させる撥液化処理工程S12と、ガラス基板1の一方面1aに施された撥液化領域Rのうち、一部の領域に親液化処理を施す選択的表面処理工程S13と、電極間絶縁膜30、第1及び第2絶縁膜62,63を形成する絶縁膜形成工程S14と、第1領域6aにおける引き回し配線60の表面等に親液化処理を施す親液化処理工程S15と、ブリッジ配線21及び第1領域6aにおける引き回し配線60上に第2導電膜61を形成する導電膜形成工程S16と、ガラス基板1の一方面1a側に平坦化膜40を形成する平坦化膜形成工程S17と、接着層51を介して保護基板50を平坦化膜40と接合する保護基板接合工程S18と、ガラス基板1の裏面1bにシールド層70を形成するシールド層形成工程S19と、を含む。なお、本実施形態のタッチパネルの製造工程では、液状材料を液滴として吐出して、基板等に液状材料を塗布する液滴吐出装置IJを用いるが、当該液滴吐出装置IJの構成については、第1実施形態と同様なので説明を省略する(図2,3を参照)。
まず、電極成膜工程S10では、入力領域5のガラス基板1上に、島状電極部12とブリッジ配線11とからなるX電極10と、Y電極20の一部である島状電極部22を形成する。具体的には、図2に示した液滴吐出装置IJを用いて、X電極10及びY電極20の材料となるITO粒子を含む液状材料を液滴Dとして吐出し、ガラス基板1上に液状材料を塗布する。その後、ガラス基板1上に塗布された液状材料を乾燥・固化する。これにより、図7(a)に示すように、ガラス基板1上に、X電極10(島状電極部12、ブリッジ配線11)及び島状電極部22が形成される。
このとき、ブリッジ配線11については、島状電極部22よりも薄くなるように、例えば吐出する液滴量を調整する。また、液滴吐出及び乾燥を複数回繰り返して行う場合には、これらの実施回数を減らす手順を採ることにより、ブリッジ配線11の厚さを島状電極部22よりも薄く形成する。また、Y電極20については、交差部Kで分断されて島状電極部22が離間するように形成される。
次に、第1導電膜形成工程S11では、ガラス基板1上であって、引き回し配線領域6に、第1導電膜としての引き回し配線60を形成する。具体的には、図2に示した液滴吐出装置IJを用いて、引き回し配線60の材料となる、例えば、Ag(銀)を含む液状材料を液滴Dとして吐出し、ガラス基板1上に液状材料を塗布する。その後、ガラス基板1上に塗布された液状材料を乾燥・固化する。これにより、図7(a)(図9(a)、図10(a))に示すように、ガラス基板1上に、非透明性の引き回し配線60が形成される。
なお、本実施形態の電極成膜工程S10及び第1導電膜形成工程S11では、液状材料を液滴Dとして吐出することによって、パターン膜を形成したが、インクジェット法ではなく、フォトリソグラフィー法を用いたパターン形成方法も用いることができる。例えば、スパッタ法などによりガラス基板1の一方面1aのほぼ全面にITO膜を形成した後、フォトリソグラフィー法及びエッチング法を用いてITO膜をパターニングすることで、X電極10(島状電極部12、ブリッジ配線11)及び島状電極部22を形成するようにしてもよい。引き回し配線60についても同様にして形成することができる。
次に、撥液化処理工程S12では、ガラス基板1の一方面1a及び一方面1aに形成された島状電極部12とブリッジ配線11とからなるX電極10と、島状電極部22と、引き回し配線60の表面に撥液化処理を施す。これにより、図9(a)、図10(a)に示すように、引き回し配線領域6(第1及び第2領域6a,6b)を含め、ガラス基板1の一方面1a側の全体が撥液化処理される。すなわち、撥液化処理された撥液化領域Rが形成される。なお、撥液化処理方法は、第1実施形態と同様の方法を用いるので説明を省略する。
次に、選択的表面処理工程S13では、図7(b)に示すように、ガラス基板1の他方面1b側から基板1の一方面1a側に向けて活性光を照射(裏面露光)し、引き回し配線60の頂部面60aの撥液性を保持しつつ、引き回し配線60の頂部面60a以外の領域を親液化させる。これにより、図9(b)及び図10(b)に示すように、引き回し配線60の頂部面60aに対応する撥液化領域Rと、引き回し配線60の頂部面60a以外の領域に対応する親液化領域Hが選択的に形成される。選択的表面処理方法としては、例えば、ガラス基板1の他方面1b側からガラス基板1の一方面1a側に向けて活性光としての紫外線光7を照射する。照射された紫外線光7のうち、ガラス基板1を透過した紫外線光7は、ガラス基板1の一方面1aを活性化する。そして、活性化された領域が親液化処理され、親液化領域Hが形成される。一方、引き回し配線60が形成された領域では、引き回し配線60によって紫外線光7の透過が阻害されるため、引き回し配線60の頂部面60aは、活性化されず撥液性が保持され、撥液化領域Rを形成(維持)する。換言すれば、ガラス基板1の他方面1b側からガラス基板1の一方面1a側に向けて紫外線光7を照射した際に、引き回し配線60が紫外線光7の透過を阻害するマスクとして機能する。すなわち、高精度のマスク等を用いることなく、選択的に親液化領域Hと撥液化領域Rとを容易に形成することができる。なお、X電極10(島状電極部12、ブリッジ配線11)及び島状電極部22は、ITOによって形成されているため、紫外線光7が透過する。従って、X電極10(島状電極部12、ブリッジ配線11)及び島状電極部22の表面部は親液化領域Hとなる。
次に、絶縁膜形成工程S14について説明する。絶縁膜形成工程S14は、X電極10のブリッジ配線11上に電極間絶縁膜30を形成する電極間絶縁膜形成工程と、引き回し配線領域6の第1領域6aにおいて、隣接する引き回し配線60の間に第1絶縁膜62を形成する第1絶縁膜形成工程と、引き回し配線領域6の第2領域6bにおいて、引き回し配線60の表面部を覆う第2絶縁膜63を形成する第2絶縁膜形成工程と、を含む。
電極間絶縁膜形成工程では、液滴吐出装置IJによって、電極間絶縁膜30の材料を含む液状材料を液滴Dとして吐出して、X電極10のブリッジ配線11を埋めるように島状電極部12,22の間の隙間に液状材料を選択的に塗布する。液状材料3aを塗布する領域は、親液化領域Hのため、塗布された液状材料は、ガラス基板1の面に濡れ広がり、島状電極部12,22の間の隙間に確実に塗布することができる。このとき、交差部Kにおいては、島状電極部22が隔壁として電極間絶縁膜30のY軸方向の両端部を区画して電極間絶縁膜30の輪郭形状を規定することになる(本実施形態では、Y軸方向のみならず、他の方向についても電極間絶縁膜30の輪郭形状を規定している)。その後、ガラス基板1上の液体材料を加熱し、乾燥固化することで、図7(c)に示すように、ブリッジ配線11上を含む電極間絶縁膜30が形成される。
なお、電極間絶縁膜30を形成するに際しては、少なくともブリッジ配線11上の領域において液滴Dを隙間無く配置することが好ましい。これにより、ブリッジ配線11に達する孔やクラックのない電極間絶縁膜30を形成することができ、電極間絶縁膜30における絶縁不良やブリッジ配線21の断線が防止される。このとき、交差部Kにおける電極間絶縁膜30は、隔壁としての島状電極部22と接していることから表面張力が作用し、両端側が盛り上がる、所謂滲み上がりが抑制された状態で島状電極部22の上面と略面一に成膜される。
次に、第1絶縁膜形成工程について説明する。図9(c)に示すように、液滴吐出装置IJによって、第1絶縁膜62の材料を含む液状材料を液滴Dとして吐出し、隣接する引き回し配線60の間に液状材料62aを塗布する。液状材料62aを塗布する領域は、親液化領域Hのため、塗布された液状材料62aは、ガラス基板1の面に濡れ広がり、隣接する引き回し配線60の間に確実に塗布される。一方、引き回し配線60の頂部面60aは、撥液化領域Rのため、液状材料62aをはじき、液状材料62aの引き回し配線60の頂部面60aに対する濡れ広がりが規制される。その後、塗布された液状材料62aを乾燥・固化(例えば、230℃、1時間の加熱処理を施す)する。これにより、図9(d)(図7(c))に示すように、第1領域6aにおける引き回し配線60の間に第1絶縁膜62が形成される。
次に、第2絶縁膜形成工程について説明する。図10(c)に示すように、液滴吐出装置IJによって、第2絶縁膜63の材料を含む液状材料を液滴Dとして吐出し、引き回し配線60の表面を含む周辺部に液状材料63aを塗布する。液状材料63aを塗布する引き回し配線60の周辺部の領域は、親液化領域Hのため、塗布された液状材料63aは、ガラス基板1の面に濡れ広がる。また、液滴吐出量等を調整することにより、引き回し配線60の頂部面60aを跨ぐようにして液滴Dを吐出することにより、引き回し配線60を表面部を覆うように液状材料63aが塗布される。その後、塗布された液状材料63aを乾燥・固化(例えば、230℃、1時間の加熱処理を施す)する。これにより、図10(d)(図7(c))に示すように、第2領域6bにおける引き回し配線60の表面を覆う第2絶縁膜63が形成される。
なお、上記で説明した電極間絶縁膜形成工程と第1絶縁膜形成工程と第2絶縁膜形成工程では、同様の絶縁材料を用いることができるため、これらの絶縁膜形成工程を同時期に、各領域に液状材料を塗布することできる。すなわち、形成する絶縁膜の機能に合わせて同時期に塗りわけすることができる。
次に、親液化処理工程S15では、引き回し配線60の頂部面60aを親液化させる。親液化処理方法としては、引き回し配線60が形成されたガラス基板1を加熱処理して、撥液膜を除去する。なお、本親液化処理工程S15の前工程である絶縁膜形成工程S14において、例えば、液状材料62a,63aを乾燥・固化する際の加熱処理を併用することができる。
次に、導電膜形成工程S16について説明する。導電膜形成工程S16では、ブリッジ配線21を形成するブリッジ配線形成工程と、引き回し配線領域6の第1領域6aにおいて、引き回し配線60上に第2導電膜61を形成する第2導電膜形成工程と、を含む。
ブリッジ配線形成工程では、液滴吐出装置IJによって、ブリッジ配線21の材料(ITO粒子)を含む液状材料を液滴Dとして吐出し、隣り合って配置された島状電極部22上と電極間絶縁膜30上に液状材料を塗布する。このとき、上述したように、下地となる交差部Kの電極間絶縁膜30が隔壁(島状電極部22)により輪郭が区画されることで略面一となっているため、ブリッジ配線21は、下地に滲み上がりが生じている場合のように屈曲することなく、直線状に形成される。なお、ブリッジ配線21の形成に用いる液体材料としては、上記したITO粒子を含む液体材料のほか、IZO(登録商標)粒子や、ZnO粒子を含む液体材料を用いて形成することもできる。その後、塗布された液状材料を乾燥・固化する。これにより、図7(d)に示すように、ブリッジ配線21が形成される。
なお、ブリッジ配線形成工程では、電極成膜工程S10と同一の液体材料を用いてブリッジ配線21を形成することが好ましい。すなわち、ブリッジ配線21の構成材料には、X電極10や島状電極部22の構成材料と同一の材料を用いることが好ましい。
第2導電膜形成工程では、図9(e)に示すように、液滴吐出装置IJによって、第2導電膜61の材料(ITO粒子)を含む液状材料61aを液滴Dとして吐出し、引き回し配線60上に液状材料を塗布する。液状材料61aを塗布する領域は、親液化領域Hのため、塗布された液状材料61aは、引き回し配線60上に濡れ広がる。その後、塗布された液状材料61aを乾燥・固化する。これにより、図9(f)(図7(d))に示すように、引き回し配線60上に第2導電膜61が形成される。
なお、上記で説明したブリッジ配線形成工程と第2導電膜形成工程では、同様の導電材料(ITO)を用いることができるため、これらの形成工程を同時期に行うことができる。すなわち、塗布される領域の導電膜の機能に合わせて同時期に塗りわけすることができる。
次に、平坦化膜形成工程S17に移行する。平坦化膜形成工程S17では、図8(a)に示すように、ガラス基板1の一方面1aを平坦化させる目的で、絶縁材料からなる平坦化膜40を一方面1aのほぼ全面に形成する。平坦化膜40は、絶縁膜形成工程S14で用いた絶縁材料を用いて形成することができるが、ガラス基板1表面の平坦化を目的としているため、樹脂材料を用いて形成することが好ましい。
次に、保護基板接合工程S18に移行する。保護基板接合工程S18では、図8(b)に示すように、別途用意した保護基板50と平坦化膜40との間に接着剤を配置し、かかる接着剤からなる接着層51を介して保護基板50と平坦化膜40とを貼り合わせる。保護基板50は、ガラスやプラスチック等からなる透明基板のほか、偏光板や位相差板などの光学素子基板であってもよい。接着層51を構成する接着剤としては、透明な樹脂材料などを用いることができる。
次に、シールド層形成工程S19に移行する。シールド層形成工程S19では、図8(c)に示すように、ガラス基板1の他方面1b(一方面1aとは反対側の面)に導電膜で構成されたシールド層70を形成する。シールド層70は、真空成膜法、スクリーン印刷法、オフセット法、液滴吐出法などの公知の成膜法を用いて形成することができる。例えばシールド層70を液滴吐出法などの印刷法を用いて形成する場合には、電極成膜工程S10、及びブリッジ配線形成工程で使用されるITO粒子等を含む液体材料を用いることができる。また、ガラス基板1に対する成膜によりシールド層70を形成する方法のほかにも、一面又は両面に導電膜が成膜されたフィルムを別途用意し、かかるフィルムをガラス基板1の裏面1bに貼り合わせることでフィルム上の導電膜をシールド層70としてもよい。
なお、本実施形態では、シールド層70をタッチパネル製造工程の最後に実施することとしているが、シールド層70は任意のタイミングで形成することができる。例えば、予めシールド層70が形成されたガラス基板1を電極成膜工程S10以降の工程に供することもできる。また、電極成膜工程S10〜保護基板接合工程S18までの任意の工程の間にシールド層形成工程を配してもよい。また、本実施形態においては、ガラス基板1の裏面1bにシールド層70を形成しているが、ガラス基板1の一方面1a側にシールド層70を形成してもよい。
以上の工程を経ることにより、タッチパネル100を製造することができる。
(電気光学装置の構成)
次に、電気光学装置の構成について説明する。なお、本実施形態では、電気光学装置としての液晶表示装置であり、上記のタッチパネルを備えた液晶表示装置の構成について説明する。図11は、液晶表示装置の構成を示し、同図(a)は、平面図であり、同図(b)は、(a)の平面図におけるH−H’断面図である。
次に、電気光学装置の構成について説明する。なお、本実施形態では、電気光学装置としての液晶表示装置であり、上記のタッチパネルを備えた液晶表示装置の構成について説明する。図11は、液晶表示装置の構成を示し、同図(a)は、平面図であり、同図(b)は、(a)の平面図におけるH−H’断面図である。
図11(a)に示すように、液晶表示装置500は、素子基板410、対向基板420、及び画像表示領域410aを有している。素子基板410は対向基板420に比して広い平面領域を有した矩形状の基板である。対向基板420は液晶表示装置500における画像表示側であり、ガラスやアクリル樹脂などで形成された透明な基板である。対向基板420は、シール材452を介して素子基板410の中央部に接合されている。画像表示領域410aは、対向基板420の平面領域であって、シール材452の内周に沿って設けられた周辺見切り453の内側領域である。
素子基板410における対向基板420の周辺には、データ線駆動回路401、走査線駆動回路404、データ線駆動回路401及び走査線駆動回路404と接続された接続端子402、及び対向基板420に対して対向して配置された走査線駆動回路404同士を接続する配線405などが配置されている。
次に、液晶表示装置500の断面について説明する。素子基板410の液晶層450側の面には、画素電極409及び配向膜418などが積層されている。対向基板420の液晶層450側の面には、遮光膜(ブラックマトリクス)423、カラーフィルター422、共通電極425、及び配向膜429などが積層されている。液晶層450が、素子基板410及び対向基板420によって挟持されている。そして、対向基板420の外側(液晶層450反対側)の面には、接着層101を挟んで本発明のタッチパネル100が配置されている。
(電子機器の構成)
次に、電子機器の構成について説明する。なお、本実施形態では、電子機器としてのモバイル型パーソナルコンピューターであり、上記のタッチパネル又はタッチパネルを備えた液晶表示装置を搭載したモバイル型パーソナルコンピューターの構成について説明する。図12は、モバイル型パーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。モバイル型パーソナルコンピューター1100は、表示部1101と、キーボード1102を有する本体部1103とを備えている。モバイル型パーソナルコンピューター1100は、上記実施形態の液晶表示装置500を表示部1101に備えている。このような構成を備えたモバイル型パーソナルコンピューター1100によれば、本発明のタッチパネルが表示部に用いられているので、製造コストを抑えた電子機器とすることができる。
次に、電子機器の構成について説明する。なお、本実施形態では、電子機器としてのモバイル型パーソナルコンピューターであり、上記のタッチパネル又はタッチパネルを備えた液晶表示装置を搭載したモバイル型パーソナルコンピューターの構成について説明する。図12は、モバイル型パーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。モバイル型パーソナルコンピューター1100は、表示部1101と、キーボード1102を有する本体部1103とを備えている。モバイル型パーソナルコンピューター1100は、上記実施形態の液晶表示装置500を表示部1101に備えている。このような構成を備えたモバイル型パーソナルコンピューター1100によれば、本発明のタッチパネルが表示部に用いられているので、製造コストを抑えた電子機器とすることができる。
なお、上記の電子機器は、本発明の電子機器を例示するものであって、本発明の技術範囲を限定するものではない。例えば、携帯電話、携帯用オーディオ機器、PDA(Personal Digital Assistant)などの表示部にも本発明に係るタッチパネルを好適に用いることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
従って、上記の第2実施形態によれば、以下に示す効果がある。
(1)選択的表面処理工程S13では、ガラス基板1の一方面1aに、Ag等からなる引き回し配線60を形成し、撥液化処理を行った後に、ガラス基板1の他方面1b側から一方面1aに向けて紫外線光7を照射した。その際、引き回し配線60が形成されてないガラス基板1の表面部は活性化(親液化)され、引き回し配線60が形成された領域では、紫外線光7の透過が阻害されるため、引き回し配線60の頂部面60aは活性化されない。従って、マスク等を用いることなく、引き回し配線60の形成領域に基づいて、選択的に撥液化領域Rと親液化領域Hを形成することができる。
(2)第1絶縁膜形成工程では、引き回し配線領域6のうち第1領域6aに形成された引き回し配線60の間に、液滴吐出装置IJを用いて、第1絶縁膜62の材料を含む液状材料61aを塗布した。液状材料61aが塗布される領域は、親液化領域Hのため、塗布された液状材料61aを容易に濡れ広がらせることができる。一方、引き回し配線60の頂部面60aは、撥液化領域Rのため、液状材料61aの濡れ広がりを規制することができる。従って、引き回し配線60を確実に区画する第1絶縁膜62を形成することができる。
(3)第2導電膜形成工程では、引き回し配線60の頂部面60aを親液化させた後に、液滴吐出装置IJを用いて、引き回し配線60の頂部面60aに第2導電膜61の材料を含む液状材料61aを塗布した。これより、引き回し配線60の頂部面60aに液状材料61aを容易に濡れ広がらせることができるとともに、引き回し配線60との密着性が高い第2導電膜61を形成することができる。また、引き回し配線60は、第1絶縁膜62によって区画されているため、隣接する第2導電膜61との接触することなく、高精細な積層パターン膜を形成することができる。
(4)絶縁膜形成工程S14では、電極間絶縁膜形成工程と第1絶縁膜形成工程と第2絶縁膜形成工程を同時期に行った。従って、生産性を向上させることができる。
(5)導電膜形成工程S16では、ブリッジ配線形成工程と第2導電膜形成工程を同時期に行った。従って、生産性を向上させることができる。
なお、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下のような変形例が挙げられる。
(変形例1)例えば、第1実施形態では、第2パターン膜形成工程において、第2パターン膜として絶縁膜を例に説明したが、絶縁膜に限定されず、例えば、第2パターン膜として導電膜等を形成する場合であってもよい。このようにしても、マスク等を用いることなく、第1パターン膜2の周辺部に第2パターン膜3を形成することができる。
(変形例2)例えば、第1実施形態では、第1パターン膜と第3パターン膜として導電膜を積層する例を説明したが、これに限定されず、例えば、導電膜上に非導電膜を形成する構成であってもよい。このようにしても、高精細な積層パターンを形成することができる。
(変形例3)第2実施形態では、パターン膜形成部材としてタッチパネルを例に挙げて説明したが、これに限定されず、例えば、引き回し配線60を構成するパターン膜形成部材であれば、何れであってもよい。そのような場合であっても、上記同様の効果を得ることができる。
1…基板,ガラス基板、1a…一方面、1b…他方面(裏面)、2…第1パターン膜、2a…第1パターン膜の頂部面、3…第2パターン膜、3a,4a…液状材料、4…第3パターン膜、5…入力領域、6…引き回し配線領域、6a…第1領域、6b…第2領域、7…活性光としての紫外線光、10…X電極、20…Y電極、11,21…ブリッジ配線、12、22…島状電極部、30…電極間絶縁膜、40…平坦化膜、50…保護基板、51…接着層、60…第1導電膜としての引き回し配線、60a…引き回し配線の頂部面、61…第2導電膜、61a…液状材料、62…第1絶縁膜、62a…液状材料、63…第2絶縁膜、63a…液状材料、70…シールド層、100…パターン膜形成部材としてのタッチパネル、500…電気光学装置としての液晶表示装置、1001…液滴吐出ヘッド、1100…電子機器としてのモバイル型パーソナルコンピューター、IJ…液滴吐出装置、D…液滴。
Claims (10)
- 透明性を有する基板の一方面の一部に第1パターン膜を形成する第1パターン膜形成工程と、
前記基板の少なくとも前記一方面側を撥液化させる撥液化処理工程と、
前記基板の他方面側から前記基板の前記一方面側に向けて活性光を照射し、前記第1パターン膜の頂部面の撥液性を保持しつつ、前記第1パターン膜の前記頂部面以外の領域を親液化させる選択的表面処理工程と、
前記親液化された領域に第2パターン膜の材料を含む液状材料を塗布して、前記第1パターン膜の周辺部に前記第2パターン膜を形成する第2パターン膜形成工程と、を含むことを特徴とするパターン膜形成方法。 - 請求項1に記載のパターン膜形成方法において、
前記第1パターン膜形成工程では、
非透明性の前記第1パターン膜を形成することを特徴とするパターン膜形成方法。 - 請求項1または2に記載のパターン膜形成方法において、
前記第2パターン膜形成工程では、
隣接する前記第1パターン膜の間に、前記第1パターン膜を区画する前記第2パターン膜を形成し、その後に、
前記第1パターン膜の前記頂部面を親液化させる親液化処理工程と、
親液化された前記頂部面に第3パターン膜の材料となる液状材料を塗布して、前記第1パターン膜上に前記第3パターン膜を形成する第3パターン膜形成工程と、を有することを特徴とするパターン膜形成方法。 - 透明性を有する基板の一方面の一部に第1導電膜を形成する第1導電膜形成工程と、
前記基板の少なくとも前記一方面側を撥液化させる撥液化処理工程と、
前記基板の他方面側から前記基板の前記一方面側に向けて活性光を照射し、前記第1導電膜の頂部面の撥液性を保持しつつ、前記第1導電膜の前記頂部面以外の領域を親液化させる選択的表面処理工程と、
前記第1導電膜が形成された領域のうち、
第1領域では、隣接する前記第1導電膜の間に絶縁膜の材料を含む液状材料を塗布して、前記第1導電膜を区画する第1絶縁膜を形成する第1絶縁膜形成工程と、
第2領域では、前記第1導電膜の表面を含む周辺部に前記絶縁膜の材料を含む液状材料を塗布して、前記第1導電膜の表面を覆う第2絶縁膜を形成する第2絶縁膜形成工程と、を含むことを特徴とするパターン膜形成部材の製造方法。 - 請求項4に記載のパターン膜形成部材の製造方法において、
前記第1絶縁膜形成工程と前記第2絶縁膜形成工程とが、同時期に行われることを特徴とするパターン膜形成部材の製造方法。 - 請求項4または5に記載のパターン膜形成部材の製造方法において、
前記第1領域では、前記第1絶縁膜形成工程の後に、
前記第1絶縁膜によって区画された前記第1導電膜上に、第2導電膜の材料を含む液状材料を塗布し、前記第1導電膜上に前記第2導電膜を形成する第2導電膜形成工程を有することを特徴とするパターン膜形成部材の製造方法。 - 請求項6に記載のパターン膜形成部材の製造方法において、
前記第2導電膜形成工程の前に、
前記第1導電膜の表面に親液化処理を施す親液化処理工程を有することを特徴とするパターン膜形成部材の製造方法。 - 請求項4〜7のいずれか一項に記載のパターン膜形成部材の製造方法によって形成されたことを特徴とするパターン膜形成部材。
- 請求項8に記載のパターン膜形成部材を備えたことを特徴とする電気光学装置。
- 請求項9に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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JP2009187083A JP2011040595A (ja) | 2009-08-12 | 2009-08-12 | パターン膜形成方法、パターン膜形成部材の製造方法、パターン膜形成部材、電気光学装置、電子機器 |
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JP2015160152A (ja) * | 2014-02-26 | 2015-09-07 | 富士フイルム株式会社 | パターン形成方法 |
CN113687741A (zh) * | 2017-05-26 | 2021-11-23 | 财团法人纺织产业综合研究所 | 织物模块及其制作方法 |
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