JP2021060508A - 変位センサーのキャリブレーション方法、トナー補給装置および画像形成装置 - Google Patents

変位センサーのキャリブレーション方法、トナー補給装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】静電容量を検出する変位センサーのキャリブレーションを行うことができるトナー補給装置を提供する。【解決手段】トナー補給装置12は、トナーを収容し、軸周りに正回転して軸方向一方に形成された排出口36に向けてトナーを搬送する搬送リブ34(搬送体)を有するトナーボトル31と、排出口36よりも軸方向他方においてトナーボトル31に対向して配置され、トナーボトル31に収容されたトナーの量に応じた静電容量を検出する変位センサー40と、搬送リブ34を軸周りに正逆回転させる駆動モーターと、を備え、駆動モーターが搬送リブ34を軸周りに逆回転させることで、変位センサー40よりも軸方向他方にトナーを寄せた片寄状態Stを作り出し、片寄状態Stにおいて変位センサー40が検出した静電容量に基づいて変位センサー40の零点が校正される。【選択図】図8

Description

本発明は、変位センサーのキャリブレーション方法、トナー補給装置および画像形成装置に関する。
例えば、トナーコンテナから現像ユニットに至るトナーの供給路に静電容量センサーが設けられた画像形成装置が知られている。この画像形成装置では、トナー量検知部が、静電容量センサーによって検知された電荷量から供給路を通過するトナーの量を検知していた。また、判断部が、静電容量センサーによって検知されたトナーの比誘電率が所定の範囲内にあるか否かを判断していた。
特開2019−3121号公報
静電容量センサーは、環境の温度・湿度の変化によって検知結果(出力)が変化するため、適時にキャリブレーションされることが好ましい。しかしながら、上記した画像形成装置では、静電容量センサーのキャリブレーションについて十分に考慮されておらず、トナーの量等を正確に検知できない虞があった。
本発明は、上記のような課題を解決するために、静電容量を検出する変位センサーのキャリブレーションを行うことができる変位センサーのキャリブレーション方法、トナー補給装置および画像形成装置を提供する。
上記した目的を達成するため、本発明は、トナー容器に収容されたトナーの量に応じた静電容量を検出する変位センサーのキャリブレーション方法であって、前記トナー容器には軸周りに正回転して軸方向一方に形成された排出口に向けて前記トナーを搬送する搬送体が含まれており、前記搬送体が軸周りに逆回転されることで前記変位センサーよりも軸方向他方に前記トナーを寄せた片寄状態を作り出す第1工程と、前記片寄状態において前記変位センサーが検出した静電容量に基づいて前記変位センサーの零点を校正する第2工程と、を備えた。
上記した目的を達成するため、本発明のトナー補給装置は、トナーを収容し、軸周りに正回転して軸方向一方に形成された排出口に向けて前記トナーを搬送する搬送体を有するトナー容器と、前記排出口よりも軸方向他方において前記トナー容器に対向して配置され、前記トナー容器に収容された前記トナーの量に応じた静電容量を検出する変位センサーと、前記搬送体を軸周りに正逆回転させる駆動部と、を備え、前記駆動部が前記搬送体を軸周りに逆回転させることで、前記変位センサーよりも軸方向他方に前記トナーを寄せた片寄状態を作り出し、前記片寄状態において前記変位センサーが検出した静電容量に基づいて前記変位センサーの零点が校正される。
この場合、前記トナー容器が着脱可能に装着される装着部を更に備え、前記トナー容器は、円筒状に形成され、外周面から径方向内側に螺旋状に突出した前記搬送体としての搬送リブを有する容器本体と、前記容器本体の軸方向一端部を軸周りに回転可能に支持し、前記排出口を有するキャップと、を含み、前記装着部は、前記キャップを固定し、前記容器本体を回転可能に支持することが好ましい。
この場合、前記変位センサーは、前記トナー容器の一方の外面に対向して配置された送信電極と受信電極との間の電界変化を検出することが好ましい。
他の場合、前記変位センサーは、前記トナー容器を挟んで対向して配置された送信電極と受信電極との間の電界変化を検出することが好ましい。
上記した目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、上記のいずれかに記載のトナー補給装置を備えた。
本発明によれば、静電容量を検出する変位センサーのキャリブレーションを正確に行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の内部構造を示す概略図(正面図)である。 本発明の第1実施形態に係るトナー補給装置を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るトナーボトルを示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るトナー補給装置の一部を示す概略図(正面図)である。 図4のV−V断面図である。 本発明の第1実施形態に係るトナー補給装置の内部構造を示す断面図(正面図)である。 本発明の第1実施形態に係る変位センサーのキャリブレーション方法のフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るトナー補給装置のトナーボトル(片寄状態)を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係るトナー補給装置(トナーボトル)を示す斜視図である。
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面に示す「Fr」は「前」を示し、「Rr」は「後」を示し、「L」は「左」を示し、「R」は「右」を示し、「U」は「上」を示し、「Lo」は「下」を示している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[第1実施形態]
図1を参照して、第1実施形態に係る画像形成装置1について説明する。図1は画像形成装置1の内部構造を示す概略図(正面図)である。
[画像形成装置の概要]
画像形成装置1は、電子写真方式で形成したフルカラーのトナー像をシートSに転写して画像形成するカラープリンターである。図1に示すように、画像形成装置1は、略直方体状の外観を構成する装置本体2を備えている。装置本体2の下側には、給紙カセット3が着脱可能に装着されている。給紙カセット3には、例えば、紙製のシートS(またはシートSの束)が収容される。装置本体2の上面には、画像形成されたシートSを受ける排紙トレイ4が設けられている。なお、シートSは、紙製に限らず、樹脂フィルムやOHPシート等であってもよい。
また、画像形成装置1は、給紙部5と、画像形成部6と、定着装置7と、トナー補給装置12と、廃トナー回収装置13と、を装置本体2の内部に備えている。給紙部5は、給紙カセット3から排紙トレイ4まで延びる搬送路8の上流側に設けられている。定着装置7は搬送路8の下流側に設けられ、画像形成部6は搬送路8において給紙部5と定着装置7との間に設けられている。トナー補給装置12は、画像形成部6よりも上方に設けられている。廃トナー回収装置13は、画像形成部6よりも下方に設けられている。
画像形成部6は、中間転写ユニット14と、4つのドラムユニット15と、光走査装置16と、含んでいる。中間転写ユニット14は、排紙トレイ4の下方に設けられている。4つのドラムユニット15は、中間転写ユニット14の下側で左右方向に並んで設けられている。光走査装置16は、各ドラムユニット15の下側に設けられている。
中間転写ユニット14は、装置本体2の内部の右側に配置された駆動ローラー20Aと装置本体2の内部の左側に配置された従動ローラー20Bとに巻き掛けられた中間転写ベルト21を有している。駆動ローラー20Aがモーター(図示せず)によって回転駆動されると、中間転写ベルト21が左回りに回転する(図1の矢印参照)。また、従動ローラー20Bの左側にはベルトクリーニング装置22が配置されている。
4つのドラムユニット15は、4色のトナーに対応して設けられている。各ドラムユニット15は、感光体ドラム23と、帯電装置24と、現像装置25と、一次転写ローラー26と、ドラムクリーニング装置27と、除電装置28と、を含んでいる。なお、4つのドラムユニット15は同様の構成を有しているため、以下、1つのドラムユニット15について説明する。
感光体ドラム23は、中間転写ベルト21の下側表面に接触しながらモーター(図示せず)によって回転駆動される。帯電装置24、現像装置25、一次転写ローラー26、ドラムクリーニング装置27および除電装置28は、感光体ドラム23の周囲に転写プロセス順に配置されている。一次転写ローラー26は、中間転写ベルト21を挟んで上側から感光体ドラム23に対向配置されている。中間転写ベルト21(駆動ローラー20A)の右側には、二次転写ローラー29が接触している。
詳細は後述するが、トナー補給装置12には、4つのトナーボトル31が着脱可能に装着されている。4つのトナーボトル31には、互いに異なる4色(イエロー,マゼンタ,シアン,ブラック)の補給用のトナー(現像剤)が収容されている。4つのトナーボトル31は、中間搬送部50(後述する)を介して4つの現像装置25に連通しており、補給用のトナーを4つの現像装置25に供給する。廃トナー回収装置13には、回収ボトル60が着脱可能に装着されている。回収ボトル60には、シートSに転写されずに排出される廃トナーが収容(回収)される。
また、画像形成装置1には、画像形成部6等の制御対象機器を適宜制御するための制御部17が設けられている。制御部17は、メモリーに記憶されたプログラムやパラメーターに従って各種の演算処理を実行するプロセッサー等を含んでいる。なお、制御部17は、プログラム等を実行するプロセッサー等に代えて、集積回路等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現されてもよい。
ここで、画像形成装置1の動作について説明する。制御部17は、入力された画像データに基づいて、以下のように画像形成処理を実行する。
帯電装置24は、感光体ドラム23の表面を帯電させる。光走査装置16は、感光体ドラム23に向けて画像データに対応した露光を行い、感光体ドラム23の表面に静電潜像を形成する。現像装置25は、トナー補給装置12のトナーボトル31から供給されたトナーを用いて感光体ドラム23の表面に形成された静電潜像をトナー像に現像する。4つの感光体ドラム23に担持された4色のトナー像は、一次転写バイアスを印加された一次転写ローラー26によって、中間転写ベルト21に順番に一次転写される。これにより、中間転写ベルト21の表面には、フルカラーのトナー像が形成される。
一方、給紙部5は、給紙カセット3内のシートSを搬送路8に送り出す。二次転写ローラー29は、中間転写ベルト21との間を通過するシートSに中間転写ベルト21上のトナー像を二次転写する。定着装置7は、シートSにトナー像を熱定着させる。その後、シートSは、排紙トレイ4に排出される。ドラムクリーニング装置27は、一次転写後に感光体ドラム23の表面に残留した廃トナー(残留トナー)を除去する。除電装置28は、除電光を照射して感光体ドラム23の電荷を除去する。また、ベルトクリーニング装置22は、二次転写後に中間転写ベルト21の表面に残留した廃トナーを除去する。感光体ドラム23や中間転写ベルト21から除去された廃トナーは、廃トナー回収装置13の回収ボトル60に回収される。
[トナー補給装置]
次に、図2ないし図6を参照して、トナー補給装置12について説明する。図2はトナー補給装置12を示す斜視図である。図3はトナーボトル31を示す斜視図である。図4はトナー補給装置12の一部を示す概略図(正面図)である。図5は、図4のV−V断面図である。図6はトナー補給装置12の内部構造を示す概略図(断面図)である。
図2ないし図6に示すように、トナー補給装置12は、4つの補給側装着部30(装着部)と、4つのトナーボトル31と、変位センサー40と、中間搬送部50と、を含んでいる。
<補給側装着部>
4つの補給側装着部30は、中間転写ユニット14(現像装置25)よりも上方において左右方向に並んで配置されている(図1参照)。図2に示すように、4つの補給側装着部30は、4つのトナーボトル31を装着するための空間を構成している。装置本体2の上側前面には、トナーボトル31を着脱するための補給側装着部30の補給側開口部30Aが形成されている。補給側装着部30には、補給側開口部30Aを開閉するための補給用カバー37が設けられている。補給用カバー37は、下部にある軸を中心に回転可能に設けられている。
<トナーボトル>
図2に示すように、トナー容器の一例としての各々のトナーボトル31は、補給用のトナーを収容し、補給側装着部30に着脱可能に装着される。各々のトナーボトル31は、補給側装着部30に対して前後方向にスライド可能に支持されている。図3に示すように、各々のトナーボトル31は、容器本体32と、キャップ33と、を含んでいる。なお、黒色のトナーを収容するためのトナーボトル31(容器本体32)は他のトナーボトル31(容器本体32)よりも太く(大径)に形成されており、このトナーボトル31を挿入する右端の補給側装着部30も他の補給側装着部30よりも大径に形成されている(図1参照)。また、4つのトナーボトル31は、太さの違いを除いて、同一構成であるため、以下、1つのトナーボトル31について説明する。これと同様の理由で、以下、1つの補給側装着部30について説明する。また、以下の説明では、トナーボトル31を補給側装着部30に装着した状態を基準として方向を設定する。なお、トナーは、トナーとキャリアとを含む二成分現像剤でもよいし、磁性トナーから成る一成分現像剤でもよい。また、4つのトナーボトル31(4つの補給側装着部30)は、全て同じ大きさ(直径)であってもよい。
(容器本体)
図3ないし図5に示すように、容器本体32は、例えば、PET樹脂(ポリエチレンテレフタラート)等の合成樹脂材料で前後方向に長い略円筒状に形成されている。容器本体32の内部には、補給用のトナーが収容されている(図5参照)。容器本体32には、外周面(周壁)から径方向内側に螺旋状に突出した搬送リブ34が形成されている。搬送体の一例としての搬送リブ34は、容器本体32と略同一の厚みで一体に形成されている(図5参照)。
容器本体32の前端面には、ユーザーが把持するための把持部Gが突き出している。容器本体32の後部は他の部分よりも細く形成されており、容器本体32の後端面は開口している(図示せず)。容器本体32の後部(細くなった部分)には、略円環状の伝達ギア35が固定されている。伝達ギア35は、シャフトやギア等の動力伝達機構(図示せず)を介して駆動モーターMに接続されている(図3参照)。詳細は後述するが、駆動部の一例としての駆動モーターMは、制御部17に電気的に接続され、制御部17に駆動制御されて容器本体32を軸周りに正逆回転させる。また、搬送リブ34は、正逆回転して容器本体32の内部のトナーに軸方向に沿った搬送力を作用させる。
(キャップ)
キャップ33は、伝達ギア35よりも後方に配置され、容器本体32の後端面(開口)を覆うように容器本体32に取り付けられている。キャップ33は、容器本体32の後端部(軸方向一端部)を軸周りに回転可能に支持している。キャップ33は、容器本体32の内部に連通する排出口36を有している。排出口36は、キャップ33の下側面に形成された略矩形状の穴である。また、キャップ33には、排出口36を開閉するためのシャッター38(図5参照(図3では図示せず))が軸方向(前後方向)にスライド可能に設けられている。トナーボトル31が補給側装着部30から取り外された状態では、シャッター38は排出口36を閉じている。
<変位センサー>
図3ないし図5に示すように、変位センサー40は、排出口36よりも前方(軸方向他方)において補給側装着部30に装着されたトナーボトル31(容器本体32)に対向して配置されている。変位センサー40は、容器本体32の後端付近に対向し、容器本体32に対して略平行に非接触で配置されている。
図4に示すように、変位センサー40は、トナーボトル31の下方の外面に対向して配置された送信電極41と受信電極42との間の電界変化を検出する相互容量方式の静電容量センサーである。変位センサー40は、トナーボトル31に収容されたトナーの量によって変化する静電容量を検出する。なお、変位センサー40では、トナーボトル31の容積に対するトナーの残量を0〜100%まで検出することができるが、これに限らず、検出可能なトナー量は自由に設定してもよい。
送信電極41および受信電極42は、1つの基板40Aに左右方向に並んで実装されている。基板40Aは、略水平姿勢に設けられ、補給側装着部30のフレーム(図示せず)に固定されている。図4では、一例として、送信電極41が基板40Aの右側に配置され、受信電極42が基板40Aの左側に配置されているが、送・受信電極41,42の配置は左右を入れ替えてもよい。送信電極41および受信電極42は、制御部17に電気的に接続されている。
<中間搬送部>
図6に示すように、中間搬送部50は、4つの補給側装着部30と4つの現像装置25との間に設けられている。中間搬送部50は、中間筐体51と、4つの中間補給管52と、4つの中間排出管53と、4つの中間搬送路54と、中間搬送スクリュー55と、を含んでいる。
中間筐体51は、略直方体状に形成され、中間転写ベルト21で囲まれた範囲に配置されている。各々の中間補給管52は、中間筐体51の上面後部から上方に向かって延び、補給側装着部30に接続されている。各々の中間排出管53は、中間筐体51の下面後部から下方に向かって延び、現像装置25(図6では1つのみ図示している。)に接続されている。各々の中間搬送路54は、中間筐体51の内部にて略クランク状に形成され、中間補給管52と中間排出管53とを連通させている。中間搬送スクリュー55は、全ての中間搬送路54の水平部分を貫くように設けられている。中間搬送スクリュー55は、左右方向に延びた軸の周面に螺旋状の羽根を有し、モーター(図示せず)によって回転駆動される。
[トナーボトルの装着]
ここで、トナーボトル31を補給側装着部30に装着する手順について説明する。図2に示すように、ユーザーは、補給用カバー37を開放して補給側開口部30Aを露出させ、把持部Gを手前に向け、且つ排出口36を下方に向けたトナーボトル31を補給側装着部30(補給側開口部30A)に差し込む。トナーボトル31を差し込む過程で、シャッター38は、補給側装着部30の一部に接触して相対的に前方にスライドして排出口36を開放する。開放された排出口36は中間補給管52の上流端に接続される(図6参照)。その後、ユーザーは補給用カバー37を閉じる。
以上によって、トナーボトル31の装着が完了する。この状態で、補給側装着部30は、キャップ33を固定し、容器本体32を軸周りに回転可能に支持している。また、この状態で、伝達ギア35は動力伝達機構を介して駆動モーターMに連結され、排出口36は中間搬送部50を介して現像装置25に接続される。
[トナーの補給]
制御部17からのトナー補給指令によって駆動モーターMが駆動されると、伝達ギア35と一体となって容器本体32が軸周りに正回転(周方向一方に回転)する。搬送リブ34は、容器本体32と共に軸周りに正回転して後方(軸方向一方)に形成された排出口36に向けてトナーを搬送する(図5参照)。図6に示すように、トナーは、排出口36から中間補給管52を通って中間搬送路54に送られる。また、トナーは、中間搬送スクリュー55の回転によって中間搬送路54内を搬送され、中間排出管53を通って現像装置25内に供給(補給)される。
[トナーの残量検知]
トナーボトル31内のトナーの残量が減少するに従って、送信電極41と受信電極42の間の電界(静電容量)が変化する。制御部17は、定期的に変位センサー40からの出力(検出結果)を受け取ってトナーボトル31内におけるトナーの残量を判定する。具体的に説明すると、制御部17のメモリーには、トナーボトル31が空になった(またはトナーが少なくなった)場合(以下、「空状態」という。)の静電容量の値である零点が記憶されており、制御部17は、検出結果と零点とを比較する。検出結果が零点と同値(または零点に近い値)である場合、制御部17は、空状態であると判定する。そして、制御部17は、例えば、画像形成装置1に備えられたタッチパネル(図示せず)に、トナーボトル31が空になったことやトナーボトル31の交換を促すメッセージ等を表示する。
空状態のトナーボトル31を交換する場合、ユーザーは、補給用カバー37を開放し、把持部Gを掴んでトナーボトル31を手前に引き出して補給側装着部30から離脱させる。トナーボトル31の引き出しに伴って、シャッター38はバネ(図示せず)で後方に付勢されて排出口36を閉じる。なお、空状態のトナーボトル31は、廃トナー回収装置13に装着されて回収ボトル60として流用されるが、これに限らず、トナーボトル31とは異なる専用の回収ボトル60が用意されてもよい。
[変位センサーのキャリブレーション]
ところで、変位センサー40では、環境の温度・湿度の変化によって検出される静電容量が変わる場合がある。この場合、空状態における静電容量の値が、制御部17のメモリーに記憶された零点からずれ、トナーの残量検知を正確に行うことができなくなる。このような問題を解決するため、適時に、メモリーに記憶された零点が校正されることが好ましい。そこで、第1実施形態に係るトナー補給装置12は、適時に変位センサー40のキャリブレーション(零点の校正)を行うように構成されている。
図7および図8を参照して、変位センサー40のキャリブレーション方法について説明する。図7は変位センサー40のキャリブレーション方法のフローチャートである。図8はトナーボトル31(片寄状態St)を示す断面図である。
変位センサー40のキャリブレーション(零点の校正)は、制御部17によって実行される。制御部17は、例えば、画像形成装置1の電源投入時や環境の温湿度が所定値以上に変化した時等にキャリブレーションを実行する。なお、画像形成装置1には温湿度計(図示せず)が備えられており、制御部17には温湿度計が電気的に接続されている。また、制御部17のメモリーには前回計測した温湿度が一時的に記憶され、制御部17は前回計測時の温湿度と新規計測時の温湿度を比較・判定する。
まず、制御部17は、駆動モーターM(の出力軸)をトナー補給時とは逆方向に回転(逆回転(周方向他方に回転))させる制御を行う(図7のステップS1)。制御部17は、予め設定された時間が経過するまで(または予め設定された回転数だけ)駆動モーターMを逆回転させる(図7のステップS2)。駆動モーターMは、伝達ギア35を介して容器本体32(搬送リブ34)を軸周りに逆回転させ、容器本体32内のトナーは、排出口36から離れる方向に搬送されて変位センサー40に対向した位置から除去される(図8参照)。このように、搬送リブ34が軸周りに逆回転されることで、変位センサー40よりも前方(軸方向他方)にトナーを寄せた片寄状態Stが作り出される(第1工程(図8参照))。
なお、新品のトナーボトル31であっても、容器本体32内にトナーが隙間なく詰まっているわけではなく、容器本体32の内部には空間があり、トナーが存在しない空間(片寄状態St)を作り出すことが可能になっている。また、本明細書において「トナーは・・・変位センサー40に対向した位置から除去される」とは、トナーが変位センサー40の対向位置から完全に無くなることを要求するものではなく、例えば、トナーが容器本体32の内面に付着して変位センサー40の対向位置に僅かに残ることを許容する意味である。
次に、片寄状態Stにおいて変位センサー40が検出した静電容量に基づいて変位センサー40の零点を校正する(第2工程)。具体的には、制御部17は、片寄状態Stでの変位センサー40の検出結果(静電容量の値)を受け取り、その静電容量の値を新たな零点として記憶(設定)する(図7のステップS3)。以上によって、メモリーに記憶されていた零点が新たな零点に上書き(更新)される。このように校正された零点を用いて、以降、トナーの残量検知が実行される。
以上説明した第1実施形態に係るトナー補給装置12(変位センサー40のキャリブレーション方法)では、容器本体32(搬送リブ34)を逆回転させることで、トナーを排出口36から離れる方向に移動させ、変位センサー40に対向した位置にトナーが略存在しない状態(片寄状態St)を作り出していた。これにより、片寄状態Stで検出される静電容量の値を零点とすることが可能になるため、変位センサー40のキャリブレーションを正確に行うことができる。
また、第1実施形態に係るトナー補給装置12によれば、円筒状に形成された容器本体32が軸周りに回転するため、容器本体32の回転によって変位センサー40と容器本体32との距離が変化することがなく、当該距離を一定に保つことができる。これにより、変位センサー40が正確な静電容量を検出することができるため、容器本体32に収容されたトナーの残量を適正に検出することができる。
なお、第1実施形態に係るトナー補給装置12では、変位センサー40が容器本体32の下方に配置されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、変位センサー40は、容器本体32の上方に配置されてもよいし、側方に配置されてもよい(図示せず)。
[第2実施形態]
次に、図9を参照して、第2実施形態に係るトナー補給装置62について説明する。図9はトナー補給装置62(トナーボトル31)を示す斜視図である。なお、以降の説明では、第1実施形態に係るトナー補給装置12と同様の構成には同一の符号を付し、同様の説明は省略する。
第2実施形態に係るトナー補給装置62では、変位センサー70が、トナーボトル31を挟んで対向して配置された送信電極71と受信電極72との間の電界変化を検出する相互容量方式の静電容量センサーである。送信電極71および受信電極72は、それぞれ、前後方向に長い長方形状の基板71A,72Aに実装されている。送信電極71および受信電極72は、基板71A,72Aの容器本体32側の面に形成されている。図9では、一例として、送信電極71がトナーボトル31の左側に配置され、受信電極72がトナーボトル31の右側に配置されているが、送・受信電極71,72の配置は左右を入れ替えてもよい。
以上説明した第2実施形態に係るトナー補給装置62によれば、片寄状態Stにおいて変位センサー70のキャリブレーションを正確に行うことができる等、第1実施形態に係るトナー補給装置12と同様の効果を得ることができる。
なお、第2実施形態に係るトナー補給装置62では、変位センサー70(送・受信電極71,72)が容器本体32の側方に配置されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、送・受信電極71,72は、容器本体32の上下両側に配置されてもよい(図示せず)。
なお、第1〜第2実施形態に係るトナー補給装置12,62(変位センサー40,70のキャリブレーション方法)では、片寄状態Stにおける変位センサー40,70の1回の出力結果が零点として設定されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部17は、変位センサー40,70から複数回にわたり検出結果を受け取り、複数の検出結果の平均値を算出し、この平均値を零点として設定してもよい。また、他にも、制御部17は、変位センサー40,70から受け取った複数の検出結果を比較し、これらの中で最小の検知結果を零点として設定してもよい。さらに、他にも、制御部17は、変位センサー40,70から受け取った1つの検知結果または複数の検出結果の平均値や最小値と、既にメモリーに記憶されていた零点とを比較して、両値の差分が閾値を越える場合にのみ零点を更新し、両値の差分が閾値以下である場合は零点を更新しないこととしてもよい。
また、第1〜第2実施形態に係るトナー補給装置12,62は、画像形成装置1に備えられた制御部17によって制御(トナーの残量検知や変位センサー40,70のキャリブレーション等)されていたが、本発明はこれに限定されない。制御部17とは別に、トナー補給装置12,62を制御するための専用の制御部(図示せず)を設けてもよい。また、専用の制御部が、制御部17と協働してトナー補給装置12,62を制御してもよい。
また、第1〜第2実施形態では、容器本体32が軸周りに回転するトナーボトル31をトナー容器の一例としていたが、本発明はこれに限定されない。トナー容器の他の例として、容器本体は回転せず、軸周りに正逆回転されるスクリューが容器本体に内蔵されていてもよい(図示せず)。このトナー容器では、スクリューが軸周りに正逆回転することで、容器本体内のトナーを軸方向に搬送する。
また、第1〜第2実施形態の説明では、一例として、本発明を画像形成装置1(カラープリンター)に適用した場合を示したが、これに限らず、例えば、モノクロプリンター、複写機、ファクシミリまたは複合機等に本発明を適用してもよい。
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る変位センサーのキャリブレーション方法、トナー補給装置および画像形成装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施態様に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
1 画像形成装置
12,62 トナー補給装置
30 補給側装着部(装着部)
31 トナーボトル(トナー容器)
32 容器本体
33 キャップ
34 搬送リブ(搬送体)
40,70 変位センサー
41,71 送信電極
42,72 受信電極
M 駆動モーター(駆動部)

Claims (6)

  1. トナー容器に収容されたトナーの量に応じた静電容量を検出する変位センサーのキャリブレーション方法であって、
    前記トナー容器には軸周りに正回転して軸方向一方に形成された排出口に向けて前記トナーを搬送する搬送体が含まれており、前記搬送体が軸周りに逆回転されることで前記変位センサーよりも軸方向他方に前記トナーを寄せた片寄状態を作り出す第1工程と、
    前記片寄状態において前記変位センサーが検出した静電容量に基づいて前記変位センサーの零点を校正する第2工程と、を備えたことを特徴とする変位センサーのキャリブレーション方法。
  2. トナーを収容し、軸周りに正回転して軸方向一方に形成された排出口に向けて前記トナーを搬送する搬送体を有するトナー容器と、
    前記排出口よりも軸方向他方において前記トナー容器に対向して配置され、前記トナー容器に収容された前記トナーの量に応じた静電容量を検出する変位センサーと、
    前記搬送体を軸周りに正逆回転させる駆動部と、を備え、
    前記駆動部が前記搬送体を軸周りに逆回転させることで、前記変位センサーよりも軸方向他方に前記トナーを寄せた片寄状態を作り出し、
    前記片寄状態において前記変位センサーが検出した静電容量に基づいて前記変位センサーの零点が校正されることを特徴とするトナー補給装置。
  3. 前記トナー容器が着脱可能に装着される装着部を更に備え、
    前記トナー容器は、
    円筒状に形成され、外周面から径方向内側に螺旋状に突出した前記搬送体としての搬送リブを有する容器本体と、
    前記容器本体の軸方向一端部を軸周りに回転可能に支持し、前記排出口を有するキャップと、を含み、
    前記装着部は、前記キャップを固定し、前記容器本体を回転可能に支持する請求項2に記載のトナー補給装置。
  4. 前記変位センサーは、前記トナー容器の一方の外面に対向して配置された送信電極と受信電極との間の電界変化を検出することを特徴とする請求項2または3に記載のトナー補給装置。
  5. 前記変位センサーは、前記トナー容器を挟んで対向して配置された送信電極と受信電極との間の電界変化を検出することを特徴とする請求項2または3に記載のトナー補給装置。
  6. 請求項2ないし5のいずれか1項に記載のトナー補給装置を備えた画像形成装置。
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