JP2021060487A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】立体的な画像形成の工程短縮を行うことが可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】少なくともトナー41aと熱により発泡する発泡粒子41bとが混合された記録剤41を有し、記録剤41を被記録媒体S上に付着させる作像手段2と、被記録媒体S上に付着したトナー41aを熱及び圧力によって定着させる定着手段27とを有し、定着手段27はトナー41aと共に被記録媒体S上に付着した発泡粒子41bを加圧した状態で加熱することにより発泡させる画像形成装置1。【選択図】図6

Description

本発明は、画像形成装置に関する。
トナーと発泡粒子とを混合した記録剤を用い、熱によって発泡粒子を膨張させることにより立体的な画像形成を行う技術が知られている(例えば「特許文献1」、「特許文献2」、「特許文献3」参照)。
本発明は、立体的な画像形成の工程短縮を行うことが可能な画像形成装置の提供を目的とする。
請求項1記載の発明は、少なくともトナーと熱により発泡する発泡粒子とを含有する記録剤を有し、該記録剤を被記録媒体上に付着させる作像手段と、前記被記録媒体上に付着した前記トナーを熱及び圧力によって定着させる定着手段とを有し、前記定着手段は前記トナーと共に前記被記録媒体上に付着した前記発泡粒子を加圧した状態で加熱することにより発泡させることを特徴とする。
本発明によれば、立体的な画像を短縮した工程で形成できる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に用いられるプロセスユニットの概略図である。 本発明の一実施形態に用いられる記録剤の概略図である。 本発明の一実施形態における記録剤が転写された定着前の転写シートを示す概略図である。 従来の加熱動作による発泡粒子の発泡状態を説明する概略図である。 本発明の第1の実施形態における定着後の転写シート上の記録材の状態を説明する概略図である。 本発明の第2の実施形態に用いられる転写シート上の記録材を説明する概略図である。 本発明の第2の実施形態における(a)転写シートの位置を示す概略図(b)定着装置を抜けた直後の転写シート上の記録剤材の状態を示す概略図(c)定着後シート搬送手段での転写シート上の記録剤の状態を示す概略図である。 本発明の第3の実施形態における着後の転写シート上の記録剤の状態を説明する概略図である。
先ず、本発明の一実施形態を適用可能な画像形成装置について説明する。
図1は、電子写真方式の画像形成装置である複写装置1を示す概略構成図である。複写装置1は、被記録媒体である転写シートSに画像を形成する作像手段としての画像形成部2、画像形成部2に転写シートSを供給する給紙装置3、原稿画像を読み取る画像読取部4、画像読取部4に原稿を自動的に供給するADF5、定着手段としての定着装置27等を備えている。
画像読取部4では、原稿照明用の光源やミラー等を搭載した第1走行体6と複数の反射ミラーを搭載した第2走行体7とが往復移動することに伴い、コンタクトガラス8上に載置された図示しない原稿の画像読取走査が行われる。第2走行体7から射出される走査光は、結像レンズ9によってその後方に配設された読取センサ10の結像面に集光された後、読取センサ10によって画像信号として取り込まれる。
複写装置1の装置本体11の側面には、手差し用の転写シートSを載置する手差しトレイ12及び装置本体11から排出された転写シートSが積載される排紙トレイ13が配設されている。
画像形成部2には、像担持体である無端ベルト状の中間転写ベルト14、中間転写ベルト14を張架する複数のローラ等を有する転写装置としての転写ユニット15が配設されている。中間転写ベルト14は、図示しない駆動手段によって図において時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ16、二次転写バックアップローラ17、従動ローラ18、4個の一次転写ローラ19Y,19C,19M,19Kによって張架されており、駆動ローラ16から与えられる回転駆動力によって図において時計回り方向に走行駆動される。
なお、一次転写ローラ19Y,19C,19M,19Kに使用しているY,C,M,Kという添え字は、それぞれイエロ用、シアン用、マゼンタ用、ブラック用の部材であることを示している。以下の構成においても同様である。
中間転写ベルト14は、駆動ローラ16、二次転写バックアップローラ17、従動ローラ18により張架されている箇所においてそれぞれ大きく湾曲されており、外観上底辺を鉛直上方に向けた逆三角形状を呈している。逆三角形状の底辺に当たるベルト上部展張辺は水平方向に延在しており、ベルト上部展張辺の上部には、感光体ドラム21Y,21C,21M,21Kを有し画像形成部2を構成する4個のプロセスユニット20Y,20C,20M,20Kが水平方向に並列配置されている。
従動ローラ18と対向する位置には、中間転写ベルト14の表面をクリーニングするベルトクリーニング装置24が配設されている。中間転写ベルト14、各ローラ16,17,18、各一次転写ローラ19、及びベルトクリーニング装置24は転写ユニット15として一体構成されており、装置本体11に対して着脱可能に構成されている。
本実施形態において、各プロセスユニット20はそれぞれ使用されるトナーの色を除いて同様に構成されている。なお、各プロセスユニット20は、使用されるトナーの色に応じてそれぞれの構成が異なる場合もある。
各プロセスユニット20の上方には、光書込ユニット22が配設されている。光書込ユニット22は、画像読取部4によって読み取られた原稿画像情報に基づいて、図示しないレーザ制御部により4個のそれぞれ図示しない半導体レーザを駆動し、4本の書込光であるレーザ光Lを射出する。各レーザ光Lは、各感光体ドラム21をそれぞれ暗中にて走査し、各感光体ドラム21の表面に静電潜像を形成する。
本実施形態では、光書込ユニット22として半導体レーザから射出したレーザ光Lを図示しないポリゴンミラーによって偏向させつつ、図示しない反射ミラーによって反射させたり光学レンズに通したりすることによって光走査を行う構成を採用しているが、この構成に代えて、例えばLEDアレイによって光走査を行う構成の光書込ユニットを用いてもよい。
各感光体ドラム21は、走行駆動される中間転写ベルト14の上部展張辺に当接しつつ、各一次転写ローラ19と共に一次転写ニップを形成している。中間転写ベルト14の裏面に接触して一次転写ニップを形成する各一次転写ローラ19には、それぞれ図示しないバイアス供給手段からトナーの帯電極性とは逆極性、本実施形態ではプラス極性の一次転写バイアスが印加される。この一次転写バイアスにより、イエロ、シアン、マゼンタ、ブラック用の各一次転写ニップには、各色トナーを感光体ドラム21側から中間転写ベルト14側に静電移動させる一次転写電界が形成される。
各感光体ドラム21上に形成された各色トナー像は、各感光体ドラム21の回転によって各色用の一次転写ニップに進入すると、一次転写電界及びニップ圧の作用により中間転写ベルト14上に順次重畳転写される。これにより、中間転写ベルト14のオモテ面(ループ外周面)には、4色のトナー像が重ね合わされたフルカラートナー像が形成される。なお一次転写部材として、各一次転写ローラ19に代えて、一次転写バイアスが印加される導電性ブラシ、非接触方式のコロナチャージャ等、周知の他の構成を採用してもよい。
二次転写バックアップローラ17は、金属からなる円筒状の芯金と、芯金の外周面に被覆された導電性の弾性層とを有しており、図示しない二次転写電源からトナーと同極性の二次転写バイアスが印加される。中間転写ベルト14を介して二次転写バックアップローラ17と対向する位置には、中間転写ベルト14上に一次転写されたフルカラートナー像を転写シートSに二次転写させる二次転写ローラ23が配設されている。二次転写ローラ23は、金属からなる円筒状の芯金と、芯金の外周面に被覆された導電性の弾性層と、弾性層の外周面に被覆された導電性樹脂からなる表面層とを有しており、グランドに接地されている。中間転写ベルト14を介して、二次転写バックアップローラ17に対して二次転写ローラ23を所定の圧力で圧接させることにより二次転写ニップが形成されている。
二次転写ローラ23のシート搬送方向上流側には、転写シートSを一時停止させた後に二次転写ニップに向けて給送するレジストローラ対25が配設されている。
ここで、プロセスユニット20について説明する。上述したように各プロセスユニット20はそれぞれ使用されるトナーの色を除いて同様に構成されているので、ここではプロセスユニット20Kを代表して説明する。
感光体ドラム21Kの周囲には、帯電ローラ29、現像装置30、感光体クリーニング装置31、除電装置32が配設されている。現像装置30は、現像ローラ33、搬送スクリュ34,35等を有しており、その内部にはトナーと発泡粒子とが混合された記録剤41が貯容されている。記録剤41については後述する。なお、記録剤は現像剤とも称する。
次に、画像形成部2の動作について説明する。
画像形成動作が開始されると、各感光体ドラム21が図示しない駆動手段の作動によりそれぞれ反時計回り方向に回転駆動され、各感光体ドラム21の外周面には除電装置32から光が照射され、各感光体ドラム21の表面電位が初期化される。その後、各感光体ドラム21の外周面が各帯電ローラ29によってそれぞれ所定の極性、本実施形態ではマイナス極性に一様に帯電される。帯電された各感光体ドラム21の外周面は光書込ユニット22からのレーザ光Lによってそれぞれ照射され、各感光体ドラム21の外周面に各色の静電潜像が形成される。静電潜像形成時において、各感光体ドラム21に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロ、シアン、マゼンタ、ブラックの各色情報に色分解した単色の画像情報である。このように形成された静電潜像は、各感光体ドラム21が各現像装置30との間を通過する際に、現像ローラ33から供給される各現像装置30内の各色トナーによってトナー画像としてそれぞれ可視像化される。
画像形成動作開始後、中間転写ベルト14が図示しない駆動手段からの駆動力によって時計回り方向に走行すると、各プロセスユニット20のうち最上流位置を占めるプロセスユニット20Yにおいて感光体ドラム21Yの外周面上に形成されたイエロトナー画像が一次転写ローラ19Yの作用によって中間転写ベルト14上に一次転写される。この一次転写されたイエロトナー画像には、他のプロセスユニット20C,20M,20Kにおいて形成されたシアントナー画像、マゼンタトナー画像、ブラックトナー画像が重畳転写され、これにより中間転写ベルト14上にはフルカラーのトナー像が担持される。各色トナー画像には、記録剤41においてトナーと混合されている発泡粒子が付着している。
トナー画像が転写された後、各感光体ドラム21の外周面上に付着した残留トナーは各感光体クリーニング装置31によって各感光体ドラム21の外周面上から除去され、クリーニングがなされた各感光体ドラム21は次の画像形成に備えられる。
この画像形成時において、画像形成モードとして4色全てのトナーを用いるフルカラーモードと、ブラックトナーのみを用いる単色モードとの2種類の画像形成モードのうちの何れかが選択される。フルカラーモードでは中間転写ベルト14と各感光体ドラム21とが当接して、各色トナー画像が全て中間転写ベルト14上に一次転写される。一方単色モードでは、感光体ドラム21Kのみが中間転写ベルト14に当接し、黒色トナー画像のみが中間転写ベルト14上に一次転写される。単色モード時において、図示しない接離機構が作動して各感光体ドラム21Y,21C,21Mがそれぞれ中間転写ベルト14から離間するように構成されている。
作像手段2を構成する二次転写ローラ23よりも転写シート搬送方向下流側には、二次転写ローラ23によって画像が転写された転写シートSを下流側に向けて搬送する定着前シート搬送手段26が配設されている。コンベヤである定着前シート搬送手段26は、駆動ローラ26a、従動ローラ26b、無端ベルト26cを有する周知の構成であり、その内部には無端ベルト26c上を搬送される転写シートSに対して加熱を行う前加熱手段としてのヒータ26dが内蔵されている。ヒータ26dの作動は、図示しない制御手段によって行われる。
定着前シート搬送手段26の転写シート搬送方向下流側には、定着装置27が配設されている。定着装置27は、転写シートSに対して加熱を行う加熱ローラ27bと、転写シートSに対して加圧を行う加圧ローラ27aとを有する周知の構成である。
定着装置27の転写シート搬送方向下流側には、定着装置27によって定着がなされた定着後の転写シートSをさらに下流側へと搬送する定着後シート搬送手段36が配設されている。コンベヤである定着後シート搬送手段36は、駆動ローラ36a、従動ローラ36b、無端ベルト36cを有する周知の構成であり、その内部には無端ベルト36c上を搬送される転写シートSに対して加熱を行う加熱手段としてのヒータ36dが内蔵されている。ヒータ36dの作動は、図示しない制御手段によって行われる。
定着後シート搬送手段36の転写シート搬送方向下流側には、定着後の転写シートSを機外に排出する排出ローラ対28が配設されている。
装置本体11の下部には、給紙部3が配設されている。給紙部3は、転写シートSを貯容する複数の給紙トレイ37を有しており、各給紙トレイ37に対応して転写シートSを給送する給紙ローラ38、給送された転写シートを一枚ずつに分離する分離ローラ対39がそれぞれ配設されている。各給紙トレイ37の転写シート搬送方向下流側には、各給紙トレイ37から分離給送された転写シートSをさらに下流側へと搬送する複数のシート搬送ローラ対40がそれぞれ配設されている。給紙部3から分離給送された転写シートSは、レジストローラ対25に受け渡される。
上述の画像形成動作中において、給紙装置3からは転写シートSが分離給送され、分離給送された一枚の転写シートSはシート搬送ローラ対40によって搬送される。搬送された転写シートSはレジストローラ対25において一時停止され、所定のタイミングで二次転写バックアップローラ17と二次転写ローラ23との接触部である二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ23には中間転写ベルト14上に担持されたトナー画像のトナー帯電極性とは逆極性の転写電圧が印加され、これにより中間転写ベルト14上のフルカラートナー像または単色トナー像が転写シートS上に一括して二次転写される。
トナー像が転写された転写シートSは、定着前シート搬送手段26を介して定着装置27へと搬送され、定着装置27を通過する際に加えられる熱と圧力とによって転写シートS上のトナー像が溶融されて転写シートS上に定着される。トナー像が定着された転写シートSは定着後シート搬送手段36によって排出ローラ対28に向けて搬送され、排出ローラ対28によって機外へと排出されて排紙トレイ13上に排出積載される。
トナー像を転写シートSに転写した後の中間転写ベルト14は、ベルトクリーニング装置24によって残留トナーをクリーニングされて次の画像形成に備えられる。
図3は、本発明の第1の実施形態に用いられる記録剤41を示している。記録剤41は、転写シートSに付着した後に加熱されることにより溶融して画像を形成するトナー41aと、転写シートSに付着した後に加熱されることにより発泡して立体化する発泡粒子41bとを有している。トナー41aは通常の黒色及び各色カラートナーであり、粒径は5μmである。発泡粒子41bはクレハ社製クレハマイクロスフェアーを用い、発泡前粒径20μm、発砲後粒径70μm、発泡開始温度138℃、最大発泡温度162℃である。
記録剤41において、トナー41aと発泡粒子41bとは単に混合されて形成されていることが好ましい。発泡粒子41bとトナー41aとは摩擦帯電力等によって付着していて、従来技術で示されている記録剤のようにトナーで発泡粒子を覆う必要がないことから容易に記録剤41を製造することができ、コストダウンを図ることができる。図3において、トナー41a及び発泡粒子41bは、図示を容易化するためにそれぞれ円形で図示している。
図4は、画像形成装置において中間転写ベルト上から記録剤41が転写シートS上に転写された状態を示している。各現像装置内に貯容された記録剤41においてトナー41aと発泡粒子41bとはそれぞれ同じ極性に帯電されており、感光体ドラム上に形成された静電潜像に対して供給されてトナー像を形成する。感光体ドラム上に形成された記録剤41からなるトナー像は中間転写ベルトを介して転写シートS上に転写されるが、この時点では記録剤41が加熱されていないため、トナー41aの溶融及び発泡粒子41bの発泡は生じていない。
記録剤41は図3に示した状態で転写シートS上に転写されており、各発泡粒子41bが転写シートS上に付着し、各トナー41aが各発泡粒子41b及び転写シートSに付着した状態である。
図5は、転写シートSを加熱装置であるホットプレート43上で加熱した状態を示している。ホットプレート43の加熱温度は140〜150℃程度に設定されており、この状態では発泡粒子41bが発泡開始温度以上の温度で加熱されていることにより発泡している。
しかしこの加熱状態では加圧が行われていないことから、溶融したトナー41aを発泡粒子41b間に押し込むことができず、さらに発泡前に発泡粒子41b間を埋めていたトナー41aも溶け出しており、発泡粒子41bとトナー41aとの結着力が弱い。従って、転写シートS上における画像の定着強度が弱く、画像が不安定な状態となっている。
次に、本発明の第1の実施形態における構成を以下に説明する。
複写装置1において、画像形成部2において画像形成がなされた後、二次転写バックアップローラ17と二次転写ローラ23との接触部である二次転写ニップ部を通過した転写シートS上には、図4に示した状態で記録剤41が二次転写されている。記録剤41が二次転写された転写シートSは、次に定着装置27へと送られる。
図6は、転写シートSに転写された単色の記録剤41が定着装置27を通過している状態を示している。定着装置27の加熱ローラ27bは、トナー41aを溶融させて転写シートSに定着させるだけであれば加熱温度を130℃とすれば十分であるが、本発明の第1の実施形態においては、発泡開始温度138℃の発泡粒子41bを発泡させるため、加熱ローラ27bの加熱温度を180℃に設定している。
また、発泡粒子41bを容易に発泡し易くすると共に加熱時間を増加させるため、加熱ローラ27bと加圧ローラ27aとの圧接部である定着ニップ部での圧力を下げると共に、ニップ部の幅を増加させるために加圧ローラ27aを構成するゴムの高度を下げている。圧力を下げる方法としては、加熱ローラ27bに対して加圧ローラ27aを付勢している図示しない付勢手段の付勢力を下げることも考えられるが、この方法ではニップ部の幅が減少してしまうために好ましくない。
上述の構成により本発明の第1の実施形態によれば、図6に示すように、定着装置27を通過する転写シートSは、転写された記録剤41における発泡粒子41bが十分に発泡して立体的な画像を短縮した工程で容易に形成できる。また、発泡と同時に加圧ローラ27aによって押圧された発泡粒子41bが溶融したトナー41aに押し込まれると共に、各発泡粒子41b間に溶融したトナー41aが入り込むため、コスト低減を達成しつつトナー41aと発泡粒子41bと転写シートSとの結着強度が高い立体画像を得ることができる。なお、図6においても溶融したトナー41a及び発泡した発泡粒子41bは、図示を容易化するためにそれぞれ円形で図示している。
図7は、本発明の第2の実施形態に用いられる単色の記録剤44が転写された転写シートSを示している。記録剤44は、トナー41aと同じ性質のトナー44aと、転写シートSに付着した後に加熱されることにより発泡して立体化する発泡粒子44b,44cとを有している。トナー44aは通常の黒色及び各色カラートナーであり、発泡粒子44b,44cは互いに発泡温度及び粒径が異なっている。発泡粒子44cは発泡粒子44bに比して発泡温度が高い性質を有しており、本実施形態において発泡粒子44bは定着装置27の加熱ローラ27bによる加熱で発泡するものの、発泡粒子44cは加熱ローラ27bによる加熱では発泡しないように構成されている。
また、定着後シート搬送手段36に設けられているヒータ36dは、加熱ローラ27bによる加熱温度よりも高い温度で記録剤44を加熱するように制御される。
図8(a)は複写装置1の定着装置27及び定着後シート搬送手段36を示しており、図8(b)は図8(a)に符号Aで示す定着装置27を抜けた直後の転写シートSの状態を、符号Bは図8(a)に符号Bで示す定着後シート搬送手段36上での転写シートSの状態をそれぞれ示している。
図8(b)に示すように、定着装置27を抜けた直後では発泡粒子44bは発泡しているものの発泡粒子44cは発泡しておらず、この状態においてトナー44aは加圧ローラ27bからの加圧により各発泡粒子44b,44c間に押し込まれている。なお、図8(b)においても溶融したトナー44a及び発泡した発泡粒子44b,44cは、図示を容易化するためにそれぞれ円形で図示している。
図8(c)に示すように、定着後シート搬送手段36ではヒータ36dの加熱によって発泡粒子44cも発泡した状態となる。この状態では記録剤44に対する加圧がなされていないため、発泡粒子44cの周囲はトナー44aによって固められておらず、見た目が柔らかい風合いの立体画像を得ることができる。
上述したように第2の実施形態によれば、それぞれ発泡温度が異なる2種類の発泡粒子を有する記録剤44を用いたので、各発泡粒子44b,44cを非加圧状態で段階的に発泡させることにより、見た目が柔らかい風合いの立体画像を得ることができる。また、各発泡粒子44b,44cの粒径を異ならせることにより凹凸を際立たせることができ、さらに立体的な画像を得ることができる。
上記実施形態において、発泡粒子44cを加圧状態で発泡させた場合には、第1の実施形態と同様に転写シートSに対する結着強度を高めることができ、強固な画像形成を行うことができる。また第2の実施形態では発泡粒子の種類を2種類としたが、2種類以上の複数種類であってもよい。
図9は、本発明の第3の実施形態を示している。この第3の実施形態では、複写装置1がフルカラー画像形成を行い、各プロセスユニット20Y,20C,20M内に設けられた各現像装置30内から各色トナー41aと発泡粒子41bとを含んだ記録剤41が、それぞれ各一次転写ローラ19Y,19C,19Mによって中間転写ベルト14上に重畳転写された後、二次転写ニップ部において転写シートS上に一括転写された状態を示している。
この第3の実施形態では、各色トナー41a及び発泡粒子41bを含んだ記録剤41が転写シートS上において層状に重なり合った状態を呈している。なお、図9においても溶融したトナー41a及び発泡した発泡粒子41bは、図示を容易化するためにそれぞれ円形で図示している。
第3の実施形態によれば、転写シートS上に発泡粒子41bを含んだ記録剤41が層状に付着されるので、単色による画像形成時に比して画像を隆起させることができ、高さが高い立体画像を得ることができる。また、発泡粒子41bに付着しているトナー41aの量が増えるため各発泡粒子41b間に入り込むトナー量も増加し、結着強度が高い画像を得ることができる。
本実施形態ではイエロ、マゼンタ、シアンの三色を用いた例を示したが、ブラックを含めた四色のトナーを用いることによりフルカラー画像形成が可能となる。
上述した各実施形態において、二次転写ニップ部において画像を転写され定着装置27に搬送される前の転写シートSに対して、定着前シート搬送手段26に設けられた前加熱手段としてのヒータ26によって予熱を与えることにより、定着装置27での各発泡粒子41b,44b,44cの発泡を容易かつ全般的に行うことができる。
また、各実施形態において使用される各発泡粒子41b,44b,44cの粒径は、それぞれトナーの粒径に比して3〜15倍、好ましくは3〜5倍が望ましい。これは、発泡前の粒径が大きすぎると転写シートS上でのトナー量が減ってしまい、発泡粒子とトナーとの結着力が低下してしまうため、3〜15倍が望ましい。また、発泡後の粒子径が大きすぎると発泡粒子の表面積が大きくなりこれと結着するトナー量が減少し、結果として発泡粒子とトナーとの結着力が低下してしまうため、好ましくは3〜5倍が望ましい。
上記実施形態及び各変形例では、画像形成装置としてカラー複写機を用いた例を示したが、画像形成装置としてはこれに限られず、カラープリンタ、ファクシミリ、複合機等にも本発明は適用可能である。また本実施形態及び変形例では、画像が形成される被記録媒体として転写シートSを用いる構成を示したが、この転写シートSとは封筒や包袋には限定されず、厚紙、ハガキ、封筒、普通紙、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、OHPフィルム、樹脂フィルム等も含まれ、シート状を呈し画像形成可能な物質であればどのようなものを用いてもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 画像形成装置(複写装置)
2 作像手段(画像形成部)
26d 前加熱手段(ヒータ)
27 定着手段(定着装置)
36d 加熱手段(ヒータ)
41,44 記録剤
41a,44a トナー
41b,44c,44c 発泡粒子
S 被記録媒体(転写シート)
特開平7−61047号公報 特開2000−131875号公報 特開2006−215196号公報

Claims (7)

  1. 少なくともトナーと熱により発泡する発泡粒子とを含有する記録剤を有し、該記録剤を被記録媒体上に付着させる作像手段と、
    前記被記録媒体上に付着した前記トナーを熱及び圧力によって定着させる定着手段とを有し、
    前記定着手段は前記トナーと共に前記被記録媒体上に付着した前記発泡粒子を加圧した状態で加熱することにより発泡させる画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記作像手段は前記記録剤としてそれぞれ発泡温度が異なる2種類以上の前記発泡粒子を有し、
    前記定着手段の被記録媒体搬送方向下流側に、前記被記録媒体に付着した前記発泡粒子に対して加熱を行う加熱手段を備え、
    前記定着手段は少なくとも1種類の前記発泡粒子を熱により発泡させ、前記定着手段の通過後に未発泡の前記発泡粒子を前記加熱手段により発泡させることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2記載の画像形成装置において、
    前記作像手段はそれぞれ色が異なる2種類以上の前記トナーを有する複数の記録剤を有し、前記各記録剤を前記被記録媒体上に層状に付着させることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1〜3の何れか一つに記載の画像形成装置において、
    前記発泡粒子の粒径が前記トナーの粒径に比して3〜15倍であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1〜3の何れか一つに記載の画像形成装置において、
    前記発泡粒子の粒径が前記トナーの粒径に比して3〜5倍であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1〜5の何れか一つに記載の画像形成装置において、
    前記定着手段の被記録媒体搬送方向上流側に、前記被記録媒体に付着した前記記録剤に対して加熱を行う前加熱手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1〜6の何れか一つに記載の画像形成装置において、
    前記トナーは摩擦帯電によって前記発泡粒子に付着していることを特徴とする画像形成装置。
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