JP2021059880A - 開口部の止水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】屋外の洪水が始まっても屋内への浸水を防止すると共に、危険な状態になる前の時点で扉を開けて脱出できる開口部の止水構造を提供する。【解決手段】屋外側に開く開き戸D1が設けられた建物の開口部Dにおいて、屋内側に着脱可能な止水板2を用いた止水空間1aを設けた止水構造は、左右の戸枠D2と戸枠に固定された止水横枠3と止水板と開き戸と床面Fとで形成され、止水板の底面には、床面Fとの密着性を高めるためにゴムや樹脂のパッキン(2a,3a)が設けられる。また、止水横枠の屋内側端部3bには溝W1が設けられ止水板の両端2bがそれぞれ溝に嵌合してゴムや樹脂のパッキンを介して固定される。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物の開口部において、屋外空間と屋内空間を遮断する開き戸部分の屋内側に止水板を設けた止水構造に関するものである。
近年、ゲリラ豪雨や巨大台風等の増加している影響で、低い土地での建物内への浸水が頻繁に発生し甚大な被害が生じているが、公共施設や店舗等では出入口の屋外側に止水板を設けることで建物内への浸水防止を図っている。
例えば、特許文献1に示す止水構造では、特別な固定枠を新たに取り付けることなく、開口部の縦枠に小さな係合受部(受坪)を設けるだけで、止水板に設けた係合部(プッシュボルト)をそれに合わせて押し込んで係合させることにより、開口部の意匠性を大きく損なわず容易に着脱可能な止水構造を得ることができる。
しかし、この止水構造によれば、開口部の開閉扉の屋外側直近に止水板を固定するので、一般的な住宅に多くみられる開き戸では、止水板が邪魔をして戸を開閉することができない。そこで、特許文献2の発明では、開き戸の縦枠、下枠の屋内側に設けられた縦戸当り、下戸当りと扉体との間に止水板を挟み込むことで、豪雨時の浸水を防止する構造となっている。
特許文献2では、屋外側に止水板を設けないので、扉を開閉することができるが、屋外に冠水した水の圧力で止水板が戸当りに押し当てられて止水性を向上させるものであり、屋外の冠水時には扉を開けずに屋内への浸水を防止し、扉を開けての緊急避難を想定していないし、この発明では、屋外の水位が上がり始めた時点で、扉を通しての屋内への浸水がなく水圧が全て扉を押すために開閉に相当な力を有し、扉を開けての脱出が困難となる。
さらに、近年大学や自治体等で実際に実験設備を作って、屋外部分の水位を変えて何cmまで冠水すれば扉を開けることができるかという実験が行われており、概ね成人男子でも水位が40cmになると開けることが難しくなるようである。
特許第6433747号公報 特許第5992864号公報
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、屋外の冠水が始まっても屋内への浸水を防止すると共に、危険な状態になる前の時点で扉を開けて脱出できる開口部の止水構造を提供することにある。
上記の目的の達成のため、請求項1に記載の開口部の止水構造は、屋外側に開く開き戸が設けられた建物の開口部において、屋内側に着脱可能な止水板を用いた止水空間を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の開口部の止水構造は、請求項1に記載の止水空間が、左右の屋内側戸枠表面部に両端部が密着して固定する止水板と開き戸との間に形成されることを特徴とする。
請求項3に記載の開口部の止水構造は、請求項1に記載の止水空間が、左右の屋内側戸枠表面部に密着し屋内側に突出する1対の相対する止水横枠と、該止水横枠に両端部で密着して固定する止水板と開き戸との間に形成されることを特徴とする。
請求項4に記載の開口部の止水構造は、請求項1乃至3に記載の止水板が、用途毎に着脱可能に交換できる多種類の複数枚の板からなることを特徴とする。
本発明の開口部の止水構造は、屋外側に開く開き戸が設けられた建物の開口部において、屋内側に着脱可能な止水板を用いた止水空間を設けたことによって、屋外側に開く開き戸であっても止水板を設けた状態で開閉できる。また、着脱可能なので必要な場合だけ屋内側に止水空間を設置することができ、止水空間が普段は邪魔になることはない。
請求項2の発明では、請求項1に記載の止水空間が、左右の屋内側戸枠表面部に両端部が密着して固定する止水板と開き戸との間に形成されるので、屋内側に止水板の厚み程度が張り出すだけで、大きく邪魔にならない。
請求項3の発明では、請求項1に記載の止水空間が、左右の屋内側戸枠表面部に密着し屋内側に突出する1対の相対する止水横枠と、該止水横枠に両端部で密着して固定する止水板と開き戸との間に形成されることにより、請求項2に比べて止水空間を大きく取ることができ、屋外の冠水状況がより明確に確認できる。
請求項4の発明では、請求項1乃至3に記載の止水板が、用途毎に着脱可能に交換できる多種類の複数枚の板からなるので、通常の止水板に替えて種々の機能を有する板を設けることで止水機能以外の種々の機能が得られ、非常時以外でも普段から止水板の固定構造部分を利用することができる。
実施形態1に係る開口部の止水構造の斜視図 図1に係る止水構造の正面図 図2に係る止水構造のA−A線断面図 実施形態2に係る開口部の止水構造の斜視図 図4に係る止水構造の正面図 図5に係る止水構造のB−B線断面図 止水空間1の効果について示した模式図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
図1は実施形態1に係る玄関等の開口部の止水構造の概略構成を示す斜視図であり、図2はその正面図、図3はそのA−A線断面図である。開口部Dは屋外と屋内を仕切る壁部Wに設けられた出入口であり、開口部Dに固定された戸枠D2に蝶番(図示しない)を介して外向きに開閉自在に設けられ内側には戸当りD3で開口部が閉じられて押止する開き戸D1の屋内側に止水空間1aが形成される点が従来の止水構造と異なる。
止水空間1aは、開口部左右において屋内側戸枠表面部に密着し屋内側に突出し相対する1対の止水横枠3と、両端部が該止水横枠3の屋内側端部に密着して固定された止水板2と、開き戸D1と左右の戸枠D2と床面Fとで形成されており、床面Fとの密着性を高めるために止水板2の底面には、ゴムや樹脂のパッキン(2a、3a)が設けられるのが望ましい。また、止水横枠3の屋内側端部には溝が設けられ止水板2の両端部2bがそれぞれ当該溝に嵌合して固定され、図示しないが、溝にはゴムや樹脂のパッキンが挿入されて防水されているのが好ましい。
止水横枠3や止水板2の固定方法は問わないが、一例として、図3に示すように、止水横枠3の固定端部3bを壁Wの屋内側に設けた固定溝W1に挿入し、固定溝W1に面して屋内側戸枠表面部D5と床面Fに固定した止水横枠固定部4に外側からボルト4aで螺着する。固定溝W1の部分にはゴムや樹脂等のパッキンで防水されているのが好ましい。
止水横枠3、止水板2、開き戸D1、床面Fで囲まれた空間が止水空間1aとなり、ドア開口の隙間から侵入する水が溜まることで屋内の浸水を防止すると共に、ドアの外側と内側で水圧の差が出ないようにするために、従来のように屋外で止水することによって外部側からだけ水圧がかかることにより開き戸が外側に開かなくなることを防止する。なお、防水性の高いドアの場合は、外部の様子を見ながらドアを少しずつ開けて水を止水空間1aに導入させたり、例えば、戸当たりに開閉式の孔を設けることで水害が予想されるときは孔を開放して水を導入させても良い。
図7に止水空間1(1a、1b)の効果について模式的に示した。着色部分が水を示す。(A)は屋内に止水空間1を設けない場合で、屋外が浸水した場合に開き戸D1は外側から一方的に水圧を受けて内側から外側に向けて開き難い状態になる。特に防水性を高めたドアの場合は、室内への浸水がほとんどない点で優れているものの、ゲリラ豪雨等で屋外が一気に浸水した場合、高い水位になるまで気が付かずに、外側に向けて開けることができない状態に陥る虞が生じる。概ね水深40cm程度になると成人男子が力を込めてもドアが開き難い状態となる。
一方、(B)は屋内側に止水空間1を設けた場合で、屋外が浸水した場合でも開き戸D1から内側に水を進入させて両者の水位を等しくすることで、外側からと内側からの水圧が矢印の様につりあって、容易に開けることができる。また、屋内の止水空間1に溜まった水の量を観察することで外部の浸水量を知ることができ、万が一の避難のタイミングを失うこともなくなる。また、屋内に止水空間を設けることにより防水性の低いドア(気密性が低いとも言える)を使用することができるので、古い住宅でもそのまま使用できる。なお、隙間風が防止できる気密性の高い(防水性が高い)ドアの場合は、ドア枠や戸当りの下部に屋外から屋内に貫通する孔(図示しない)を設け普段は蓋で閉めておき、浸水が予想される場合に蓋を外すことで、水を屋内の止水空間に導入することができる。
(実施形態2)
図4は実施形態2に係る玄関等の開口部の止水構造の概略構成を示す図であり、図5はその正面図、図6はそのB−B線断面図であり、基本構造は実施形態1と同様であるが、その違いは、止水空間1bが屋内に大きくはみ出さない点である。実施形態2の止水空間1bの場合は、図6に示すように止水板2が戸枠D2の屋内側戸枠表面部D5に接して固定されているので、実施形態1(図3)と比べるとじゃまにならないことは明らかである。
取り付け方を具体的に説明すると、戸枠D2の屋内側戸枠表面部D5に左右対称にL字状の固定片部5を突設させ止水板2の両端を嵌合させる。なお、止水板2の両端にゴムや樹脂のパッキンを取り付けることで固定片部5に止水板2が密着すると共に、隙間部分から屋内に侵入する水を止水することができる。また、止水板2の底面に実施形態1と同様のゴムや樹脂のパッキン2aを設け、床面Fとの間の水密性を高めることが好ましい。
実施形態2においても実施形態1と同様に、開き戸D1と左右の戸枠D2と止水板2と床面Fとで囲まれた止水空間1bに屋外と同じ高さの水位に水が溜まることで、図7(B)に示すように屋外からの水圧に対抗できるので、開き戸D1を外部に向けて開けることができ、緊急時に逃げ遅れることなく避難できる。
止水板の別の固定方法として、図示しないが、以下の方法を用いることができる。
1.開口部Dの横方向に連続する壁部分Wにレールを設け、止水板1をスライド自在に固定することで、通常は壁面に固定し、浸水時には開口部まで引き出し戸枠D2に固定する。2.通常は止水板1を床面Fに倒しておき玄関マットとして使用し(裏面に靴汚れ落としを設ける)、浸水時にはドア面に向かって起こし、戸枠D2に固定する。
3.左右の戸枠D2にレールを設け、通常は止水板1を戸枠D2の横枠より上に固定し、浸水時に止水板1を下方にスライドさせ戸枠D2に固定する。
以上の方法によれば、緊急時に物置等の別の場所から止水板を取り出すことなく、すぐに設置することができる。
さらに、図示はしないが、止水板2を用途毎に多種類の複数枚の板を着脱可能に交換できるようにすることで、浸水時以外にも止水構造部分を利用することができる。例えば、固定片部5に板材、格子材、網材等を嵌め込むことで、開き戸D1を開けた時に、幼児や犬猫等のペットが屋外に出ないようにすることができる。
また、固定片部5を利用して屋内側に設ける簡易ドアの枠を固定することで、開口部の屋内側に二重にドアを設けることができ、例えば内側の簡易ドアを網戸にすることで、開き戸D1を開放して屋内を通風することができる。
本発明は、屋内側に止水空間を設けることで、屋内への浸水を防止できると共に、屋外に水が溜まりドアが水圧を受けても同じ水圧で屋外に向けて押されるので、浸水時でも開き戸を軽い力で開けることができるので、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
1、1a、1b 止水空間
2 止水板
3 止水横枠
4 止水横枠固定部
5 固定片部
D 開口部
D1 開き戸
D2 戸枠
D3 戸当り
D5 屋内側戸枠表面部
W 壁
W1 固定溝
F 床面

本発明は、建築物の開口部において、屋外空間と屋内空間を遮断する開き戸部分の屋内側に止水板を設けた止水構造に関するものである。
近年、ゲリラ豪雨や巨大台風等の増加している影響で、低い土地での建物内への浸水が頻繁に発生し甚大な被害が生じているが、公共施設や店舗等では出入口の屋外側に止水板を設けることで建物内への浸水防止を図っている。
例えば、特許文献1に示す止水構造では、特別な固定枠を新たに取り付けることなく、開口部の縦枠に小さな係合受部(受坪)を設けるだけで、止水板に設けた係合部(プッシュボルト)をそれに合わせて押し込んで係合させることにより、開口部の意匠性を大きく損なわず容易に着脱可能な止水構造を得ることができる。
しかし、この止水構造によれば、開口部の開閉扉の屋外側直近に止水板を固定するので、一般的な住宅に多くみられる開き戸では、止水板が邪魔をして戸を開閉することができない。そこで、特許文献2の発明では、開き戸の縦枠、下枠の屋内側に設けられた縦戸当り、下戸当りと扉体との間に止水板を挟み込むことで、豪雨時の浸水を防止する構造となっている。
特許文献2では、屋外側に止水板を設けないので、扉を開閉することができるが、屋外に冠水した水の圧力で止水板が戸当りに押し当てられて止水性を向上させるものであり、屋外の冠水時には扉を開けずに屋内への浸水を防止し、扉を開けての緊急避難を想定していないし、この発明では、屋外の水位が上がり始めた時点で、扉を通しての屋内への浸水がなく水圧が全て扉を押すために開閉に相当な力を有し、扉を開けての脱出が困難となる。
さらに、近年大学や自治体等で実際に実験設備を作って、屋外部分の水位を変えて何cmまで冠水すれば扉を開けることができるかという実験が行われており、概ね成人男子でも水位が40cmになると開けることが難しくなるようである。
特許第6433747号公報 特許第5992864号公報
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、屋外の冠水が始まっても屋内への浸水を防止すると共に、危険な状態になる前の時点で扉を開けて脱出できる開口部の止水構造を提供することにある。
上記の目的の達成のため、請求項1に記載の開口部の止水構造は、屋外側に開く開き戸が設けられた建物の開口部において、左右の屋内側戸枠表面部に左右対称に突設させたL字状の固定片部に止水板の両端を着脱可能に嵌合させることで、止水板を屋内側戸枠表面部に両端部を密着して固定させ、開き戸との間に形成される止水空間を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載の開口部の止水構造は、請求項1に記載の止水構造に用いる止水板は、開き戸とは関係なく固定片部に用途毎に着脱可能に交換できる多種類の複数枚の板からなることを特徴とする。
本発明の開口部の止水構造は、屋外側に開く開き戸が設けられた建物の開口部において、左右の屋内側戸枠表面部に左右対称に突設させたL字状の固定片部に止水板の両端を着脱可能に嵌合させることで、止水板を屋内側戸枠表面部に両端部を密着して固定させ、開き戸との間に形成される止水空間を設けたことによって、屋外側に開く開き戸であっても止水板を設けた状態で開閉できる。また、着脱可能なので必要な場合だけ屋内側に止水空間を設置することができ、止水空間が普段は邪魔になることはない。また、止水空間は止水板と開き戸との間に形成されるので、屋内側に止水板の厚み程度が張り出すだけで、大きく邪魔にならない。
請求項2の発明では、請求項1に記載の止水構造に用いる止水板は、開き戸とは関係なく固定片部に用途毎に着脱可能に交換できる多種類の複数枚の板からなるので、通常の止水板に替えて種々の機能を有する板を設けることで止水機能以外の種々の機能が得られ、非常時以外でも普段から止水板の固定構造部分を利用することができる
実施形態1に係る開口部の止水構造の斜視図 図1に係る止水構造の正面図 図2に係る止水構造のA−A線断面図 実施形態2に係る開口部の止水構造の斜視図 図4に係る止水構造の正面図 図5に係る止水構造のB−B線断面図 止水空間1の効果について示した模式図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
図1は実施形態1に係る玄関等の開口部の止水構造の概略構成を示す斜視図であり、図2はその正面図、図3はそのA−A線断面図である。開口部Dは屋外と屋内を仕切る壁部Wに設けられた出入口であり、開口部Dに固定された戸枠D2に蝶番(図示しない)を介して外向きに開閉自在に設けられ内側には戸当りD3で開口部が閉じられて押止する開き戸D1の屋内側に止水空間1aが形成される点が従来の止水構造と異なる。
止水空間1aは、開口部左右において屋内側戸枠表面部に密着し屋内側に突出し相対する1対の止水横枠3と、両端部が該止水横枠3の屋内側端部に密着して固定された止水板2と、開き戸D1と左右の戸枠D2と床面Fとで形成されており、床面Fとの密着性を高めるために止水板2の底面には、ゴムや樹脂のパッキン(2a、3a)が設けられるのが望ましい。また、止水横枠3の屋内側端部には溝が設けられ止水板2の両端部2bがそれぞれ当該溝に嵌合して固定され、図示しないが、溝にはゴムや樹脂のパッキンが挿入されて防水されているのが好ましい。
止水横枠3や止水板2の固定方法は問わないが、一例として、図3に示すように、止水横枠3の固定端部3bを壁Wの屋内側に設けた固定溝W1に挿入し、固定溝W1に面して屋内側戸枠表面部D5と床面Fに固定した止水横枠固定部4に外側からボルト4aで螺着する。固定溝W1の部分にはゴムや樹脂等のパッキンで防水されているのが好ましい。
止水横枠3、止水板2、開き戸D1、床面Fで囲まれた空間が止水空間1aとなり、ドア開口の隙間から侵入する水が溜まることで屋内の浸水を防止すると共に、ドアの外側と内側で水圧の差が出ないようにするために、従来のように屋外で止水することによって外部側からだけ水圧がかかることにより開き戸が外側に開かなくなることを防止する。なお、防水性の高いドアの場合は、外部の様子を見ながらドアを少しずつ開けて水を止水空間1aに導入させたり、例えば、戸当たりに開閉式の孔を設けることで水害が予想されるときは孔を開放して水を導入させても良い。
図7に止水空間1(1a、1b)の効果について模式的に示した。着色部分が水を示す。(A)は屋内に止水空間1を設けない場合で、屋外が浸水した場合に開き戸D1は外側から一方的に水圧を受けて内側から外側に向けて開き難い状態になる。特に防水性を高めたドアの場合は、室内への浸水がほとんどない点で優れているものの、ゲリラ豪雨等で屋外が一気に浸水した場合、高い水位になるまで気が付かずに、外側に向けて開けることができない状態に陥る虞が生じる。概ね水深40cm程度になると成人男子が力を込めてもドアが開き難い状態となる。
一方、(B)は屋内側に止水空間1を設けた場合で、屋外が浸水した場合でも開き戸D1から内側に水を進入させて両者の水位を等しくすることで、外側からと内側からの水圧が矢印の様につりあって、容易に開けることができる。また、屋内の止水空間1に溜まった水の量を観察することで外部の浸水量を知ることができ、万が一の避難のタイミングを失うこともなくなる。また、屋内に止水空間を設けることにより防水性の低いドア(気密性が低いとも言える)を使用することができるので、古い住宅でもそのまま使用できる。なお、隙間風が防止できる気密性の高い(防水性が高い)ドアの場合は、ドア枠や戸当りの下部に屋外から屋内に貫通する孔(図示しない)を設け普段は蓋で閉めておき、浸水が予想される場合に蓋を外すことで、水を屋内の止水空間に導入することができる。
(実施形態2)
図4は実施形態2に係る玄関等の開口部の止水構造の概略構成を示す図であり、図5はその正面図、図6はそのB−B線断面図であり、基本構造は実施形態1と同様であるが、その違いは、止水空間1bが屋内に大きくはみ出さない点である。実施形態2の止水空間1bの場合は、図6に示すように止水板2が戸枠D2の屋内側戸枠表面部D5に接して固定されているので、実施形態1(図3)と比べるとじゃまにならないことは明らかである。
取り付け方を具体的に説明すると、戸枠D2の屋内側戸枠表面部D5に左右対称にL字状の固定片部5を突設させ止水板2の両端を嵌合させる。なお、止水板2の両端にゴムや樹脂のパッキンを取り付けることで固定片部5に止水板2が密着すると共に、隙間部分から屋内に侵入する水を止水することができる。また、止水板2の底面に実施形態1と同様のゴムや樹脂のパッキン2aを設け、床面Fとの間の水密性を高めることが好ましい。
実施形態2においても実施形態1と同様に、開き戸D1と左右の戸枠D2と止水板2と床面Fとで囲まれた止水空間1bに屋外と同じ高さの水位に水が溜まることで、図7(B)に示すように屋外からの水圧に対抗できるので、開き戸D1を外部に向けて開けることができ、緊急時に逃げ遅れることなく避難できる。
さらに、図示はしないが、止水板2を用途毎に多種類の複数枚の板を着脱可能に交換できるようにすることで、浸水時以外にも止水構造部分を利用することができる。例えば、固定片部5に板材、格子材、網材等を嵌め込むことで、開き戸D1を開けた時に、幼児や犬猫等のペットが屋外に出ないようにすることができる。
また、固定片部5を利用して屋内側に設ける簡易ドアの枠を固定することで、開口部の屋内側に二重にドアを設けることができ、例えば内側の簡易ドアを網戸にすることで、開き戸D1を開放して屋内を通風することができる。
本発明は、屋内側に止水空間を設けることで、屋内への浸水を防止できると共に、屋外に水が溜まりドアが水圧を受けても同じ水圧で屋外に向けて押されるので、浸水時でも開き戸を軽い力で開けることができるので、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
1、1a、1b 止水空間
2 止水板
3 止水横枠
4 止水横枠固定部
5 固定片部
D 開口部
D1 開き戸
D2 戸枠
D3 戸当り
D5 屋内側戸枠表面部
W 壁
W1 固定溝
F 床面

Claims (4)

  1. 屋外側に開く開き戸が設けられた建物の開口部において、屋内側に着脱可能な止水板を用いた止水空間を設けたことを特徴とする開口部の止水構造。
  2. 請求項1に記載の止水空間は、左右の屋内側戸枠表面部に両端部が密着して固定する止水板と開き戸との間に形成されることを特徴とする開口部の止水構造。
  3. 請求項1に記載の止水空間は、左右の屋内側戸枠表面部に密着し屋内側に突出する1対の相対する止水横枠と、該止水横枠に両端部で密着して固定する止水板と開き戸との間に形成されることを特徴とする開口部の止水構造。
  4. 請求項1乃至3に記載の止水板は、用途毎に着脱可能に交換できる多種類の複数枚の板からなることを特徴とする開口部の止水構造。
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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016205031A (ja) * 2015-04-24 2016-12-08 大同機工株式会社 シート式浸水防止装置
JP2017125382A (ja) * 2016-01-15 2017-07-20 文化シヤッター株式会社 止水構造
JP2018048535A (ja) * 2016-09-25 2018-03-29 グローバルアーク株式会社 着脱式止水装置
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